JP4972533B2 - 再生型ガスタービン及び再生型ガスタービンの燃料制御方法 - Google Patents

再生型ガスタービン及び再生型ガスタービンの燃料制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、発電用の再生型ガスタービン及び発電用の再生型ガスタービンの燃料制御方法に関する。
発電用の再生型ガスタービンでは、タービンから排出された排気ガスの持つ熱エネルギーを圧縮機で圧縮された高圧空気を利用して回収し、燃焼用空気として燃焼器に供給することで再生型ガスタービンの出力及び効率の向上を図っている。
例えば、特開2000−230432号公報に記載された高湿分空気利用ガスタービンは、圧縮機で圧縮されて供給された高圧空気中に増湿器で水分を添加して加湿した加湿空気を用いて、ガスタービンから排出された排気ガスを再生熱交換器で熱交換して熱回収し、燃焼用空気としてガスタービン燃焼器に供給することで再生型ガスタービンの出力及び効率の向上を図る再生型ガスタービンの構成が開示されている。
この再生型ガスタービンでは、再生熱交換器によってガスタービン燃焼器に供給する燃焼用空気が高温化されているため、ガスタービン燃焼器で燃料の自発火を防止しつつ火炎温度を適度に制御する必要がある。
そのためには、特開2003−148734号公報に記載されているように、燃料と空気を多数の小径の同軸噴流として燃焼室に噴出する燃料ノズルを備えた構成のガスタービン燃焼器が有効である。
また、この特開2003−148734号公報においては、部分負荷時の燃焼安定性向上のためにガスタービン燃焼器に複数の燃料系統を備えさせ、負荷(発電量)に応じて複数の燃料系統のうち燃料を供給して着火させる燃料系統数を選択して増減を行う技術が開示されている。
このように複数の燃料系統数の増減を選択することで、小流量から大流量まで多様な発電量に応じた燃料流量に対して燃焼安定性が確保でき、ガスタービン燃焼器の局所的な火炎温度上昇を防ぐことができる。
また、特開2006−57607号公報に記載された高湿分空気利用ガスタービン等のガスタービンにおいては、燃焼用空気の温度を動的に計測し、燃焼用空気の目標温度と実際の温度との差に基づいて燃料流量を制御する技術が開示されている。
この技術によってガスタービン燃焼器の燃料流量を意図する燃焼温度となるように動的に制御して、ガスタービン燃焼器を所望の燃焼温度で安定に燃焼させることができる。
特開2000−230432号公報 特開2003−148734号公報 特開2006−57607号公報
前記特開2000−230432号公報及び特開2006−57607号公報に記載された高湿分空気利用ガスタービン等の再生型ガスタービンでは、ガスタービンの排気ガスから熱回収して燃焼用空気を加熱する再生熱交換器が設置されている。
ところで、前記した再生型ガスタービンにおいては、ガスタービン起動時の状態として、(1)再生熱交換器が暖まっていない状態と、(2)再生熱交換器が暖まっている状態とが想定される。
ガスタービンの初回起動時、あるいは前回の起動時からしばらく時間が経過している時は、再生熱交換器は大気温度と同等であると考えられるので、前記(1)と同じ状態である。
しかしながら、再生型ガスタービンを一度起動してからしばらく運転した後に停止し、このガスタービンを再起動する際のガスタービン起動時の状態は、前記(2)と同じ状態となる。
この理由は、再生熱交換器の熱容量が大きいためにガスタービンが停止してから再起動までに十分な時間を空けない限り、排気ガスからの熱エネルギー供給が停止しても再生熱交換器は熱エネルギーを保持するためである。
よって前記(1)と同じ状態でガスタービンを起動する場合は、ガスタービン燃焼器に供給する燃焼用空気は再生熱交換器においてほとんど加熱されない。
したがって、ガスタービン燃焼器に供給する燃焼用空気温度は、圧縮機出口における圧縮空気温度と同等な温度となるが、このようなガスタービンの起動条件をコールドスタートと呼ぶ。
一方、前記(2)と同じ状態では、ガスタービン起動時から燃焼用空気は再生熱交換器で加熱されてガスタービン燃焼器に供給されることになるが、このようなガスタービンの起動条件をホットスタートと呼ぶ。
ガスタービン燃焼器に複数の燃料系統を配設したガスタービンにおいては、発電量に応じて複数の燃料系統のうち着火させる燃料系統の数を選択して増減させることが行なわれる。
そこでこれを以下では、「燃料系統の切り替え」と呼び、また、複数の燃料系統のうち着火している燃料系統の数を増加させる場合を、「燃料系統を増加させる」と呼び、着火している燃料系統の数を減少させる場合を、「燃料系統を減少させる」と呼ぶ。
次に一例としてガスタービン燃焼器に複数の燃料系統を配設したガスタービンにおいて、ガスタービンの起動時に複数の燃料系統のうち着火させる燃料系統の数を選択して増加させる場合について述べる。
ガスタービン燃焼器に配設された複数の燃料系統のうち、着火させる燃料系統の数を選択して増加させる前記「燃料系統の切り替え」では、燃料流量があらかじめ設定したしきい値に達した際にこの「燃料系統の切り替え」を行って着火させる燃料系統の数を切り替える方法が一般的である。
しかしながら、再生型ガスタービンにおいては、前述のように再生熱交換器の状態によって、コールドスタートとホットスタートとでガスタービン燃焼器に流入する燃焼用空気の温度が異なる。
ホットスタートではコールドスタートに比べて少ない燃料流量で大きな発電量を得ることができるため、決まった燃料流量で前記「燃料系統の切り替え」を行うと、両者で切り替え時の発電量に差が生じることに留意する必要がある。
また、再生熱交換器は熱容量が大きいので、再生熱交換器が十分に加熱されて燃焼用空気を加熱し始めるまでには、時間遅れを発生する。
したがって、燃料流量があらかじめ設定したしきい値に達した際に前記「燃料系統の切り替え」を行って着火させる燃料系統の数を切り替える方法を用いると、コールドスタートにおいては、再生熱交換器が十分に加熱されず、それゆえに燃焼用空気が加熱されていない状態で、この「燃料系統の切り替え」が行なわれてしまう。
この場合、再生熱交換器からガスタービン燃焼器に供給されて流入する燃焼用空気の温度が低いため、切り替え後のガスタービン燃焼器に失火等が生じて燃焼安定性が損なわれる可能性がある。
以上が、複数の燃料系統のうち着火させる燃料系統の数を選択して増加させる場合に再生熱交換器の温度が原因となる課題である。
一方、前記「燃料系統の切り替え」は、再生型ガスタービンが負荷をとっていない、即ち発電していない状態ではなく、発電している状態で行うことが好ましい。
再生型ガスタービンが発電していない状態とは、ガスタービン燃焼器において燃料バーナへの着火からガスタービンの定格回転数到達までの昇速途中、すなわちガスタービンが定格回転数以下の部分回転数の運転状態を指す。
この部分回転数の運転状態は、ガスタービンが安定して運転する回転数ではないため、擾乱に対して不安定な状態である。
そのため、ガスタービンが部分回転数の運転時に前記「燃料系統の切り替え」を行うと、燃料系統の切り替え動作がガスタービンに対する擾乱となり、ガスタービンに振動などが発生してガスタービンが不安定になる可能性がある。
さらに、何らかの事情でガスタービンに連結した発電機が発電を緊急に停止する場合、いわゆる負荷遮断時に安定な燃焼モードを維持するように瞬時に燃料系統を切り替える必要がある。
ここで燃焼モードとは、ガスタービン燃焼器に配設された複数の燃料系統のうち、着火している燃料系統の数がいくつであるかを表すものである。
また、複数の燃料系統をガスタービン燃焼器に配設した再生型ガスタービンの一つである高湿分空気利用ガスタービンにおいては、ガスタービン燃焼器の安定燃焼状態を確保した上で、圧縮機で圧縮されて供給された高圧空気中に増湿器で水分を添加する加湿操作を行うため、あらかじめ決められた燃料流量、発電量、燃焼モードにおいて加湿操作が行なわれることが望ましい。
したがって、燃料系統の切り替えの制御はこの加湿操作に対しても、安定した燃焼を維持するように複数の燃料系統の中で燃料を供給する燃料系統を切り替えることが重要である。
このように複数の燃料系統を備えた再生型ガスタービンでは、ガスタービン起動時、又はガスタービン停止時の燃料を供給する燃料系統の切り替えに際して、ガスタービン運用性と燃焼安定性を両立させることが求められている。
ここで、ガスタービン運用性が向上すると、例えばガスタービン燃焼器に供給する燃料系統を切り替えるタイミングが明確になることによって、ガスタービンの運転状況と燃料を供給する供給系統の切り替えとの関係を十分に把握し易くなるというメリットがある。
本発明の目的は、複数の燃料系統を備えた再生型ガスタービンにおいて、ガスタービン起動時又はガスタービン停止時の燃料を供給する燃料系統の切り替えに際してガスタービン運用性と燃焼安定性の両立を可能にした再生型ガスタービンを提供することにある。
本発明の再生型ガスタービンは、空気を圧縮する圧縮機と、この圧縮機で圧縮した高圧空気と燃料とを燃焼して高温の燃焼ガスを生成するガスタービン燃焼器と、ガスタービン燃焼器で生成した燃焼ガスによって駆動するタービンと、このタービンによって駆動される発電機と、このタービンから排出した排気ガスと圧縮機で圧縮した高圧空気とを熱交換させて加熱した高圧空気を燃焼用空気として前記ガスタービン燃焼器に供給する再生熱交換器を備えた再生型ガスタービンにおいて、ガスタービン燃焼器に燃料を供給する複数の燃料系統を配設し、これらの燃料系統に燃料の流量を調節する燃料流量制御弁をそれぞれ設置し、ガスタービンに対する発電量の要求値と発電機で発電した発電量とに基づいて前記各燃料流量制御弁の開閉を制御する制御装置を設置し、前記制御装置には発電量の要求値と発電量との差に基づいて供給が必要な燃料流量を演算する燃料流量演算器と、燃料流量演算器で演算した燃料流量とそのしきい値とを比較する燃料流量比較器と、発電量の要求値とそのしきい値とを比較する発電量比較器と、これらの燃料流量比較器での比較及び発電量比較器での比較の双方に基づいて前記各燃料流量制御弁の開閉を制御する切替制御器を備えさせたことを特徴とする。
また本発明の再生型ガスタービンは、空気を圧縮する圧縮機と、この圧縮機で圧縮した高圧空気と燃料とを燃焼して高温の燃焼ガスを生成するガスタービン燃焼器と、ガスタービン燃焼器で生成した燃焼ガスによって駆動するタービンと、このタービンによって駆動される発電機と、このタービンから排出した排気ガスと圧縮機で圧縮した高圧空気とを熱交換させて加熱した高圧空気を燃焼用空気として前記ガスタービン燃焼器に供給する再生熱交換器を備えた再生型ガスタービンにおいて、ガスタービン燃焼器に燃料を供給する複数の燃料系統を配設し、これらの燃料系統に燃料の流量を調節する燃料流量制御弁をそれぞれ設置し、再生熱交換器からガスタービン燃焼器に供給する燃焼用空気温度を計測する温度計測装置を設置し、ガスタービンに対する発電量の要求値に基づいて前記各燃料流量制御弁の開閉を制御する制御装置を設置し、前記制御装置には発電量の要求値と温度計測装置で計測した燃焼用空気温度とに基づいて発電量の要求値と燃焼用空気温度との関係から作成した複数の燃焼モードの中から該当する燃焼モードを選択する演算装置を設置し、この演算装置で選択された燃焼モードに基づいて前記各燃料流量制御弁の開閉を制御する切替制御器を備えさせたことを特徴とする。
本発明の再生型ガスタービンの燃料制御方法は、圧縮機で圧縮した高圧空気と燃料とをガスタービン燃焼器で燃焼して高温の燃焼ガスを生成し、このガスタービン燃焼器で生成した燃焼ガスでタービンを駆動し、このタービンによって駆動させる発電機で発電し、再生熱交換器によってタービンから排出した排気ガスと圧縮機で圧縮した高圧空気とを熱交換させて加熱した燃焼用空気を生成して前記ガスタービン燃焼器に供給するように構成し、ガスタービン燃焼器に供給する燃料は複数の燃料系統を通じて供給できるようにすると共に、これらの燃料系統にそれぞれ設置した燃料流量制御弁によって供給する燃料の流量を調節できるように構成し、制御装置はガスタービンに対する発電量の要求値と発電機で発電した発電量とに基づいて前記各燃料流量制御弁の開閉を制御して燃焼モードを切り替えるように構成した再生型ガスタービンの燃料制御方法において、前記制御装置による制御は、発電量の要求値と発電量との差に基づいて供給が必要な燃料流量を演算してこの演算した燃料流量とそのしきい値とを比較し、発電量の要求値とそのしきい値とを比較し、これらの燃料流量としきい値の比較及び発電量の要求値とそのしきい値との比較に基づいて前記各燃料流量制御弁の開閉を制御して燃焼モードを切り替えるようにしたことを特徴とする。
また本発明の再生型ガスタービンの燃料制御方法は、圧縮機で圧縮した高圧空気と燃料とをガスタービン燃焼器で燃焼して高温の燃焼ガスを生成し、このガスタービン燃焼器で生成した燃焼ガスでタービンを駆動し、このタービンによって駆動させる発電機で発電し、再生熱交換器によってタービンから排出した排気ガスと圧縮機で圧縮した高圧空気とを熱交換させて加熱した燃焼用空気を生成して前記ガスタービン燃焼器に供給するように構成し、ガスタービン燃焼器に供給する燃料は複数の燃料系統を通じて供給できるようにすると共に、これらの燃料系統にそれぞれ設置した燃料流量制御弁によって供給する燃料の流量を調節できるように構成し、制御装置はガスタービンに対する発電量の要求値に基づいて前記各燃料流量制御弁の開閉を制御して燃焼モードを切り替えるように構成した再生型ガスタービンの燃料制御方法において、前記制御装置による制御は、ガスタービンに対する発電量の要求値と温度計測装置で計測した燃焼用空気温度とに基づいて発電量の要求値と燃焼用空気温度との関係から作成した複数の燃焼モードの中から該当する燃焼モードを選択し、この選択された燃焼モードに基づいて前記各燃料流量制御弁の開閉を制御する切替制御器を備えさせたことを特徴とする。
本発明によれば、複数の燃料系統を備えた再生型ガスタービンにおいて、ガスタービン起動時又はガスタービン停止時の燃料を供給する燃料系統の切り替えに際してガスタービン運用性と燃焼安定性を両立させた再生型ガスタービンが実現できる。
次に本発明の再生型ガスタービンの実施例について図面を用いて説明する。
本発明の実施例の再生型ガスタービンである高湿分空気利用ガスタービンについて図1を用いて説明する。
図1は本発明の実施例に係る高湿分空気利用ガスタービンの全体構成を表すシステムフロー図である。
図1において、再生型ガスタービンである高湿分空気利用ガスタービン1000に設置されたガスタービン装置は、空気を圧縮する圧縮機1と、この圧縮機1で圧縮した高圧の空気に後述する増湿装置4及び再生熱交換器5を経由させて加湿し加熱した増湿空気と燃料とを燃焼させて高温の燃焼ガスを生成するガスタービン燃焼器2と、このガスタービン燃焼器2で生成した高温の燃焼ガスによって駆動するタービン3と、このタービン3の駆動によって回転して電力を得る発電機20とを備えており、そして圧縮機1、タービン3及び発電機20はシャフトによって一体に連結されている。
また、高湿分空気利用ガスタービン1000には、圧縮機1からの高圧空気中に湿分を添加して増湿空気を生成する増湿装置4と、タービン3を駆動して排出された排気ガスを熱源として増湿装置4から供給された増湿空気を熱交換する再生熱交換器5が備えてあり、この再生熱交換器5で加熱した増湿空気が前記ガスタービン燃焼器2に供給され、燃料と共に燃焼して高温の燃焼ガスを生成するように構成されている。
ガスタービン燃焼器2は、ガスタービン装置の本体ケーシング6と、この本体ケーシング6に設置された燃焼器ケーシング7と、前記燃焼器ケーシング7に取り付けられた燃焼器カバー8との内部に格納されている。
前記ガスタービン燃焼器2の頭部には図示していない燃料ノズルに外部から燃料200を供給する燃料供給部9が設置されており、この燃料供給部9の下流側となるガスタービン燃焼器2の内部には高圧空気と燃焼ガスを隔てる概略円筒状の燃焼器ライナ10が配設されている。
この燃焼器ライナ10の外周には、高圧空気を流下させる空気流路を形成する外周壁となるフロースリーブ11が配設されており、前記フロースリーブ11は燃焼器ライナ10よりも直径が大きく、該燃焼器ライナ10とほぼ同心円の円筒状に配設されている。
燃焼器ライナ10の下流には、ガスタービン燃焼器2の燃焼室で燃焼して発生した高温の燃焼ガス106をタービン3へ導くための尾筒内筒12が配設されており、この尾筒内筒12の外周には尾筒外筒13が配設されている。
また、本実施例の高湿分空気利用ガスタービン100では、圧縮機1の入口の吸込み空気100に水300を噴霧する吸気噴霧装置27が設置されている。
吸気噴霧装置27で水噴霧後の大気圧の空気101は圧縮機1によって圧縮した高圧空気102となり、本体ケーシング6内に充満した後に尾筒内筒12と尾筒外筒13の間の空間に流入し、尾筒内筒12を外壁面から対流冷却する。
尾筒内筒12を冷却した後の高圧空気103は、尾筒内筒12と尾筒外筒13との間に形成された抽気流路14を通って本体ケーシング6の外に抽気される。
本体ケーシング6の外に抽気された高圧空気103は、増湿装置4において水分を添加された加湿空気の低温高湿分空気104に生成される。
増湿器4における空気の加湿方法としては、濡壁塔或いは増湿塔による加湿が知られている。
増湿器4で水分を添加された低温高湿分空気104は、再生熱交換器5に導かれ、この再生熱交換器5においてタービン3から排出された高温の排気ガス107との熱交換によって加熱されて高温高湿分空気105に生成され、燃焼器ケーシング7に燃焼用空気として供給される。
燃焼器ケーシング7内に供給された燃焼用空気の高温高湿分空気105は、フロースリーブ11と燃焼器ライナ10との間に形成された環状の流路を通って燃焼器の頭部に向かって流下するが、この流下する途中で燃焼器ライナ10の対流冷却に使用される。
また、流下する高温高湿分空気105の一部は燃焼器ライナ10に設けられた多数の冷却孔から燃焼器ライナ内へ流入し、燃焼器ライナ10のフィルム冷却に使用される。
そして燃焼器ライナ内の流入に使用されなかった高温高湿分空気105は、ガスタービン燃焼器2の上流側端部に設けた燃料供給部9に形成した図示していない多数の空気孔から燃焼器ライナ10内に流入し、同じく図示していない燃料ノズルから噴出される燃料(F1燃料201〜F4燃料204)と共に燃焼器ライナ10の内部に形成された燃焼室で燃焼させて高温燃焼ガス106を生成し、この高温燃焼ガス106が尾筒内筒12を通じてタービン3に供給される。
タービン3を駆動して該タービン3から排出された高温の排ガス107は、再生熱交換器5に流入して該再生熱交換器5にて増湿装置4から供給された低温高湿分空気104との熱交換によって熱回収される。
そして前記再生熱交換器5を経た排ガス108は、該再生熱交換器5の下流側に配設された給水加熱器22、排ガス再過熱器23、及び水回収装置24を順次流下して熱回収された後に、排ガス109として排気塔25から大気に排気される。
また、排ガス108に含まれる水分は水回収装置24によって回収して再利用されるが、本実施例では水回収の方式として水回収装置24内で排ガス108を流下する煙道に冷却装置29で冷却した水を噴霧し、排ガス108中の水分を凝集して落下させて該水回収装置24の底部に溜め、この溜まった水を回収する水回収方式を採用している。
ガスタービン燃焼器2で生成した高温燃焼ガス106によって駆動されるタービン3で得られた駆動力はシャフト21を通じて圧縮機1及び発電機20に伝えられる。
タービン3で得られた駆動力の一部は圧縮機1を駆動して空気を加圧し高圧空気を生成することに用いられ、また、タービン3で得られた駆動力の他の一部は発電機20を回転させて電力を発生させることに用いられる。
水回収装置24及び増湿装置4の底部に溜まって回収された水は水回収装置24への噴霧水あるいは増湿装置4への加湿水として再利用するが、その際に回収水を回収水の循環系等に設置された水処理装置26に供給して不純物を取り除いた水を前記水回収装置24への噴霧水あるいは前記増湿装置4への加湿水の給水301として使用するようにしている。
そしてこの給水301の給水量は噴霧水量制御弁311によって制御されている。
また、水処理装置26で不純物を取り除いた水は吸気噴霧装置27に供給されて、圧縮機1の入口の吸い込み空気100に噴霧水300を噴霧するが、この噴霧に使用される水の供給量は噴霧水量制御弁310で制御されている。
発電用の高湿分ガスタービンプラントの出力である発電機20の発電量MWは、制御装置800からの指令信号に基づいてガスタービン燃焼器2に燃料200を供給するF1燃料201〜F4燃料204の燃料量を調節する燃料流量調整弁211〜214の弁開閉を調節することによって制御される。
また発電機20で発電した発電量MWの信号は、発電機20から制御装置800に入力される。
一方、増湿装置4で高圧空気102に加湿して低温高湿分空気104を生成する水の加湿量は、増湿装置4に供給する加湿水量を調節する調整弁311の弁開度を調節することにより制御される。
次に、図1に示した発電用の高湿分ガスタービンプラント1000に使用されている本実施例のガスタービン燃焼器2の構成について図2を用いて説明する。
ここで図2は、本実施例のガスタービン燃焼器2の頭部に設けられた燃料供給部9の構造を示した部分拡大図である。
図2に示した本実施例のガスタービン燃焼器2の燃料供給部9にはガスタービン燃焼器2に燃料200を供給するF1燃料201〜F4燃料204の燃料量を調節する燃料流量調整弁211〜214が配設されている。
そしてこの燃料供給部9には、燃焼器カバー8に設けた燃料ノズルヘッダ30にF1燃料201〜F4燃料204の燃料を噴出する多数の燃料ノズル31が取り付けられており、これらの燃料ノズル31の1本1本に対応した空気孔32を多数備えた空気孔プレート33が、前記燃料ノズル31の先端から若干の寸法だけ離間して下流側に位置するようにサポート34を介して燃焼器カバー8に取り付けられた構造となっている。
図3は図2に記載した本実施例のガスタービン燃焼器2の燃料供給部9の概略構成を示すものであり、燃料ノズルヘッダ30に設けた一対の燃料ノズル31と空気孔プレート33に設けた空気孔32との配置関係をあらわしている。
図2及び図3において、燃料ノズルヘッダ30に設けた一対の燃料ノズル31の下流側に、空気孔プレート33に設けた空気孔32を配置しており、空気孔32の内径を燃料ノズル31の外径よりも若干大きくして形成している。燃料ノズル31の先端は、空気孔32の入口付近に配置される。
従って燃料200として供給されて燃料ノズル31から噴出される燃料噴流35の外周側には、燃料噴流35の周囲を包み込むように、ガスタービン燃焼器2に供給される燃焼用空気となる高温高湿分空気105の一部である空気噴流36が形成され、同軸流となる。
該燃料ノズル31の下流側の空気孔32に流入する燃料噴流35及び空気噴流36の同軸噴流を燃料ノズル31と空気孔32と対の数だけ多数形成することができる。
この燃料噴流35と空気噴流36との同軸噴流を形成することによって、空気孔プレート33に設けた空気孔32内では燃料−空気は同軸噴流として流下するだけで両者は未混合であるため、本実施例のガスタービン燃焼器2が採用される高湿分ガスタービンの様にガスタービン燃焼器2に供給される空気の温度が高温となる場合であっても、ガスタービン燃焼器2に供給された燃料の自発火や、空気孔プレート33の溶損が防止できるので、信頼性の高いガスタービン燃焼器を提供することができる。
また、上記した燃料噴流35と空気噴流36との小さな同軸噴流を多数形成することにより、燃料と空気の界面が増加する。そして、空気孔に流入した燃料噴流と空気噴流は燃焼室において流れが急拡大する。
従って、空気孔32の出口側では燃料噴流35と空気噴流36との混合が促進した混合気が形成されるため、前記の混合が促進した混合気をガスタービン燃焼器2の燃焼室で燃焼させることによって局所的に火炎が高温となる領域の発生が抑制されてNOxの発生量を抑制することができる。
かくして、ガスタービン燃焼器2に供給される空気の温度が高温となる高湿分ガスタービンにおいても低NOxと安定燃焼を両立することが可能となる。
図4は図2乃至図3に示されたガスタービン燃焼器2の頭部に設けられた燃料供給部9の空気孔プレート33を燃焼室側から見た正面図である。
図4に示された前記燃料供給部9の空気孔プレート33の例においては、多数の空気孔32が同心状に該空気孔プレート33の中心から半径方向外方に向かって環状に8列配置されている。
また、空気孔プレート33の裏側となるので図示されていないが、この空気孔32と対をなして同軸噴流を形成するように燃料ノズル31が配設されている。
図4に示された空気孔プレート33に配置された8列の環状の空気孔32は、該空気孔プレート33の中心から4列(第1列〜第4列)が第1群(F1)、第5列が第2群(F2)、その外側の2列(第6、7列)が第3群(F3)、最外周(第8列)が第4群(F4)と群分けされている。
そしてこの第1群(F1)が燃料200のうちF1燃料201を噴出させる燃料ノズル31に対応した空気孔32の領域であり、以下同様に第2群(F2)がF2燃料202を噴出させる燃料ノズル31に対応した空気孔32の領域、第3群(F3)がF3燃料203を噴出させる燃料ノズル31に対応した空気孔32の領域、第4群(F4)がF4燃料204を噴出させる燃料ノズル31に対応した空気孔32の領域となっている。
そしてガスタービン燃焼器2の燃料供給部9には、燃料200のF1燃料201、F2燃料202、F3燃料203、及びF4燃料204をそれぞれ供給する分岐された燃料系統が示されているように、空気孔プレート33に形成した空気孔32の(F1)〜(F4)のそれぞれの群に対応させて前記燃料供給部9に設けた燃料ノズルヘッダ30に設けたフランジ51〜54(ただし第3群に対応するフランジ53は図示せず)を通して燃料が前記(F1)〜(F4)のそれぞれの群の空気孔32に対応した燃料ノズル31に供給できるように構成されている。
即ち、F1燃料201を流下させる燃料流量制御弁211を備えた燃料系統を通じてこのF1燃料201がフランジ51から第1群(F1)の空気孔32に対応した燃料ノズル31に供給される。
同様にF2燃料202を流下させる燃料流量制御弁212を備えた燃料系統を通じてこのF2燃料202がフランジ52から第2群(F2)の空気孔32に対応した燃料ノズル31に供給され、F3燃料203を流下させる燃料流量制御弁213を備えた燃料系統を通じてこのF3燃料203がフランジ53から第3群(F3)の空気孔32に対応した燃料ノズル31に供給され、F4燃料201を流下させる燃料流量制御弁214を備えた燃料系統を通じてこのF4燃料204がフランジ54から第4群(F4)の空気孔32に対応した燃料ノズル31にそれぞれ供給されている。
このように燃料流量制御弁211、212、213、214を備えた燃料系統を群分けした分岐燃料系統の構造を採用して、ガスタービンの負荷変化に対応させて各燃料流量制御弁211、212、213、214の弁開度を制御することによって、燃料流量変化に対してF1〜F4燃料201〜204が供給されるガスタービン燃焼器2の燃料供給部9に設けた燃料ノズル31の本数を段階的に調節する燃料ステージングが可能となり、ガスタービンの部分負荷運転時の燃焼安定性を高めると共に低NOx化が可能となる。
さらに燃料供給部9に設置した空気孔プレート33に形成した中央の1列〜4列の第1群(F1)の空気孔32はピッチ円接線方向に角度α(図4の本実施例では角度α=15°)を持った斜め穴に形成することで、この第1群(F1)の空気孔32から噴出する燃料噴流と空気噴流の同軸噴流の噴流全体に旋回をかけて燃焼室50の内部に噴出させ、前記燃焼室50内に循環流を生じさせることによって燃焼室50内でこの燃料噴流と空気噴流の同軸噴流を燃焼して形成する火炎を安定化させている。
前記第1群(F1)の周囲の5列の第2群(F2)、6列から7列の第3群(F3)、8列の第4群(F4)の各空気孔32からは燃料噴流と空気噴流の同軸噴流が旋回をかけずに直進流として燃焼室50の内部に噴出させて燃焼するが、中央の前記第1群(F1)から噴出した同軸噴流を燃焼した火炎の燃焼熱によって燃焼するので形成される火炎を安定化させることができる。
このようにガスタービンの負荷変化に応じて各燃料流量制御弁211、212、213、214の弁開度を制御してF1〜F4燃料201〜204を供給する燃料ノズル31の本数を段階的に調節させる燃料ステージングは、ガスタービンの部分負荷運転時の燃焼安定性の確保および低NOx化において重要である。
次に、本実施例の高湿分空気利用ガスタービン1000のガスタービン装置における燃料ステージング方法を説明する。
中央司令室900からの指令に基づいて制御装置800から燃料流量制御弁211〜214に弁開度を調節する操作信号を出力して、まず、燃料流量が比較的少ない着火および昇速時はガスタービン燃焼器2の頭部に設けられた燃料供給部9の中央の第1群(F1)に対応した燃料ノズル31から噴射するF1燃料201のみで運転(すなわち燃料系統のうちF1燃料201を供給する燃料流量制御弁211を備えた燃料系統にのみ燃料を供給)し、定格回転数無負荷条件付近までガスタービンを昇速させる。
このF1単独燃焼でガスタービンを運転させる状態を今後の説明では1/4モードと呼ぶことにする。
次にそれ以降のガスタービンの負荷上昇過程では、第1群(F1)の外周の第2群(F2)に燃料を投入して、F1+F2で運転する。
すなわち、燃料系統のうちF1燃料201を供給する燃料流量制御弁211を備えた燃料系統、及びF2燃料202を供給する燃料流量制御弁212を備えた燃料系統に燃料を供給し、流量制御弁211及び流量制御弁212によって各燃料流量を制御する。
このF1+F2でガスタービンを運転する状態を2/4モードと呼ぶことにする。
次に、ガスタービンの負荷が更に上昇した場合は、第2群(F2)の外周の第3群(F3)に燃料を供給投入して、F1+F2+F3で運転する。
すなわち、燃料系統のうちF1燃料201を供給する燃料流量制御弁211を備えた燃料系統、F2燃料202を供給する燃料流量制御弁212を備えた燃料系統、及びF3燃料203を供給する燃料流量制御弁213を備えた燃料系統に燃料を供給し、流量制御弁211、流量制御弁212及び流量制御弁213によって各燃料流量を制御する。
このF1+F2+F3でガスタービンを運転する状態を3/4モードと呼ぶ。
更にガスタービンの負荷が定格の負荷に上昇した場合は、第3群(F3)の最外周の第4群(F4)に燃料を供給して、F1+F2+F3+F4で運転する。
すなわち、燃料系統のうちF1燃料201を供給する燃料流量制御弁211を備えた燃料系統、F2燃料202を供給する燃料流量制御弁212を備えた燃料系統、F3燃料203を供給する燃料流量制御弁213を備えた燃料系統、及びF4燃料204を供給する燃料流量制御弁214を備えた燃料系統に燃料を供給し、流量制御弁211、流量制御弁212、流量制御弁213及び流量制御弁214によって各燃料流量を制御する。
このF1+F2+F3+F4でガスタービンを運転する状態を4/4モードと呼ぶ。
以上のようにガスタービンの起動時に負荷に応じて供給する燃料を切り替えて、中央司令室900から指令される発電量要求MWDに対して前記制御装置800から燃料流量調整弁211〜214に弁開閉の操作信号を出力して燃料切り替えが行なわれていく。
なお、本実施例では増湿装置4によって圧縮機1で生成した高圧空気中に湿分を添加する水分添加は3/4モード時において開始されることを想定しているが、他のモード時であっても構わない。
図5は、本実施例による高湿分空気利用ガスタービン1000において、ガスタービンの起動時又は負荷増加時にガスタービンの負荷に対応させてガスタービン燃焼器2の燃料供給部9に燃料を供給する燃料系統を増加させる場合の燃料系統の切り替え制御方法を示した制御装置800の制御ブロックを表したものである。
例えば燃料を供給する燃料系統を増加させる場合としては、1/4モードから2/4モードへの移行、2/4モードから3/4モードへの移行、3/4モードから4/4モードへの移行がある。
図5の制御ブロックにおいて、中央指令室900から発令されたガスタービンの発電量要求値MWDは、制御装置800に備えられた燃料流量減算器401と発電量比較器404に送られる。
燃料流量減算器401では、発電量要求値MWDからガスタービンの発電機20から送られる実測した発電量MWの信号を減算して、両者の偏差となる発電量差信号を演算して燃料流量演算器402に送る。
燃料流量演算器402では、燃料流量減算器401で演算した発電量差信号に基づいて、発電量要求値MWDに一致するようにガスタービンを運転させるためにガスタービン燃焼器2に供給が必要な燃料流量を燃料流量設定値FFSとして演算する。
即ち、燃料流量減算器401で演算した発電量差信号が大きければ燃料流量設定値FFSはそれに対応した大きな値に設定される。
燃料流量比較器403では燃料流量演算器402で演算した発電量差信号に対応した燃料流量設定値FFSを入力して、この燃料流量設定値FFSとあらかじめ設定された燃料流量のしきい値GFCとを比較する。
一方、発電量比較器404では、入力した発電量要求値MWDはあらかじめ設定された発電量のしきい値PWCと比較される。
なお、発電量のしきい値PWCはゼロ以上の正値に設定されており、そして、燃料流量設定値FFSと発電量要求値MWDの両方が、おのおのに対して設定されたしきい値以上の値であるときにANDゲート405にそれぞれ信号が出力される。
ANDゲート405では前記燃料流量比較器403及び発電量比較器404からそれぞれ入力する信号が設定された各しきい値以上の値になった場合にこのANDゲート405で条件が成立し、ANDゲート405から燃料切換指令FCDが発令される。
そしてANDゲート405から出力した燃料切換指令FCDは切換制御器407に入力し、この切換制御器407から出力する操作信号によって燃料系統の増加操作(燃料流量制御弁211〜214の開弁制御)が行なわれるように構成されている。
次に図6には図5に示した制御装置800の制御ブロックにおいて、発電量比較器404に発電量のしきい値PWCを、燃料流量比較器403に燃料流量のしきい値GFCをそれぞれ設定してガスタービンの負荷変化に対応させて燃料系統の切り替え制御を行った場合の運転状況を示す。
図6の上段には、ガスタービンの負荷が増加した場合に燃料系統を切り替え制御する運転の一例として、ガスタービンの負荷が増加してガスタービンの燃焼モードが1/4モードから2/4モードに変更して燃料系統を増加させる場合における制御装置800の燃料流量設定値FFSと発電量指令MWDとの関係を表した模式図を示す。
また、図6の中段には、F1燃料201の燃料流量と発電量指令MWDとの関係を表した模式図を、図6の下段には、F2燃料202の燃料流量と発電量指令MWDとの関係を表した模式図をそれぞれ示す。
また図6ではガスタービンの運転をコールドスタートさせた場合の状況を太い実線で、ホットスタートさせた場合の状況を太い破線で夫々示し、発電量のしきい値PWCと燃料流量のしきい値GFCは細い破線で示した。
図6の上段において、ガスタービンの運転を太い実線で示したようにコールドスタートさせた場合には、タービン3から排出される排ガス107の温度及びガス量が不十分なために高湿分空気利用ガスタービン1000を構成する再生熱交換器5があまり加熱されていない。
そのため、再生熱交換器5を加熱する排ガスとなる高温の燃焼ガスをガスタービン燃焼器2で生成するためにも多くの燃料をガスタービン燃焼器2に供給する必要があることから、発電量に対して供給する燃料流量は大となる。
ゆえにガスタービンの運転を図6の上段に太い実線で示したようにコールドスタートさせた場合には、タービン3で駆動した発電機20によって発電する発電量MWが発電量比較器404の演算にて発電量のしきい値PWCに達するよりも早く、燃料流量演算器402で演算する燃料流量設定値FFSの燃料流量が燃料流量のしきい値GFCに達する。
しかし、この時点では図6の上段に示されたように燃料流量と発電量の両方がそれぞれのしきい値GFC、PWCを超えていないため、ANDゲート405では燃料切換指令FCDを発令する条件が成立せず、よって燃料系統の切り替えは行なわれない。
その後、ガスタービンの負荷が増加して発電機20による発電量が発電量のしきい値PWCに達してANDゲート405にて燃料切換指令FCDを発令する条件が成立すると、この燃料切換指令FCDの発令によって切換制御器407から出力した操作信号によって燃料系統の切り替え操作(燃料流量制御弁211〜214の開閉制御)が行なわれる。
一方、図6の上段において、ガスタービンの運転を太い破線で示したようにホットスタートさせた場合には、ガスタービンの運転停止から間もないためにタービン3から排出された排ガス107によって高湿分空気利用ガスタービン1000を構成する再生熱交換器5が予め加熱されている。
そのため、燃焼用空気としてガスタービン燃焼器2に供給される高温高湿空気105が再生熱交換器5によって加熱されるので、発電量に対して供給する燃料流量は小となる。
ゆえに、ガスタービンの運転を図6の上段に太い破線で示したようにホットスタートさせた場合には、燃料流量演算器402で演算する燃料流量設定値FFSの燃料流量が燃料流量のしきい値GFCに達するよりも早く、タービン3で駆動した発電機20によって発電する発電量MWが発電量比較器404の演算にて発電量のしきい値PWCに達する。
しかし、この時点では図6の上段に示されたように燃料流量が燃料流量のしきい値GFC以下であるために、ANDゲート405では燃料切換指令FCDを発令する条件が成立せず、よって燃料系統の切り替えは行なわれない。
その後、ガスタービンの負荷が増加して燃料流量が燃料流量のしきい値GFCに達してANDゲート405にて燃料切換指令FCDを発令する条件が成立すると、この燃料切換指令FCDの発令によって切換制御器407から出力した操作信号によって燃料系統の切り替え操作(燃料流量制御弁211〜214の開閉制御)が行なわれる。
したがって、少量の燃料流量で大きな発電量を得ることができるホットスタートであっても、燃料系統の切り替えは、燃料流量がしきい値GFCに達した後に行なわれるため、燃料系統の切り替え後の燃焼安定性を確保することができる。
かくして、本実施例によれば、コールドスタート、ホットスタートの両方に対して、燃焼安定性を維持して燃料系統を切り替えることができる。
また、本実施例では増湿装置4によって圧縮機1で生成した高圧空気中に湿分を添加する水分添加は3/4モードにおいて行う。
そのため、加湿前には2/4モードから3/4モードに燃料系統を切り替える必要があり、かつ3/4モードでは、加湿に耐えられるように燃焼安定性が確保されなければならない。
本実施例においては、2/4モードから3/4モードへの燃料系統の切り替えにおいても、燃料流量と発電量の両方がしきい値を超えることによって燃料系統の切り替え条件が成立して、燃料系統の切り替えが行なわれる。
したがって、3/4モードでは燃料系統の切り替え直後から安定燃焼状態が確保でき、加湿操作によっても安定燃焼を持続できる。
次に本実施例による運転状況との比較のために、図7に燃料流量のみにしきい値GFCを設定してガスタービンの負荷変化に対応させて燃料系統の切り替え制御を行った場合の運転状況の比較例を示す。
図7の上段には、図6の上段と同様に、ガスタービンの負荷が変化した場合に燃料系統を切り替え制御する運転の一例として、ガスタービンの負荷が増加してガスタービンの燃焼モードが1/4モードから2/4モードに変更して燃料系統を増加させる場合における燃料流量設定値FFSと発電量指令MWDとの関係を表した模式図を示す。
また、図7の中段には、図6の中段と同様に、F1燃料201の燃料流量と発電量指令MWDとの関係を表した模式図を、図7の下段には、図6の下段と同様に、F2燃料202の燃料流量と発電量指令MWDとの関係を表した模式図をそれぞれ示す。
また図7にも図6と同様に、ガスタービンの運転をコールドスタートさせた場合の状況を太い実線で、ホットスタートさせた場合の状況を太い破線で夫々示し、発電量のしきい値PWCと燃料流量のしきい値GFCは細い破線で示した。
図7から理解できるように、燃料流量のみにしきい値を設定して制御する方法では、コールドスタート時に燃料系統の切り替えが、発電を始める前、すなわちガスタービン部分回転数時に行なわれることが起こりうることが分かる。
前述したように、ガスタービン部分回転数時はガスタービンに擾乱を与えないようにするため、燃料系統の切り替えを避ける必要がある。
これに対して、本発明の実施例の高湿分空気利用ガスタービン1000によれば、発電量のしきい値PWCをゼロ以上の正値とすることで、発電していない状態、すなわちガスタービン昇速中である部分回転数時において、燃料系統の切り替えが行なわれることはない。
したがって、ガスタービンが部分回転数にあっても、安定燃焼状態を確保することができる。
図8は、本実施例による高湿分空気利用ガスタービン1000において、ガスタービンの停止時又は負荷減少時にガスタービンの負荷に対応させてガスタービン燃焼器2の燃料供給部9に燃料を供給する燃料系統を減少させる場合の燃料系統の切り替え制御方法を示した制御装置800の制御ブロックを表したものである。
例えば燃料を供給する燃料系統を減少させる場合としては、4/4モードから3/4モードへの移行、3/4モードから2/4モードへの移行、2/4モードから1/4モードへの移行がある。
図8の制御ブロックにおいて、中央指令室900から発令されたガスタービンの発電量要求MWDの指令信号は、制御装置800に備えられた燃料流量減算器401と発電量比較器404に送られる。
燃料流量減算器401では、発電量要求MWDの指令信号からガスタービンの発電機20から送られる実測した発電量MWの信号を減算して、両者の発電量の差となる差信号が燃料流量演算器402に送られる。
燃料流量演算器402では、燃料流量減算器401で演算した発電量の差信号に基づいて、ガスタービンの運転に必要な燃料流量が燃料流量設定値FFSとして演算される。
燃料系統を減少させる制御は、図5で説明した燃料系統を増加させる制御と同じく、燃料流量比較器403では燃料流量演算器402で演算した燃料流量設定値FFSを入力して、この燃料流量設定値FFSとあらかじめ設定された燃料流量のしきい値GFCとを比較する。
発電量比較器404では、入力した発電量要求MWDの信号はあらかじめ設定された発電量のしきい値PWCと比較される。
そして、燃料流量設定値FFSと発電量要求MWDのいずれか一方が、設定されたしきい値以上の値になったときにORゲート406にそれぞれ信号が出力される。
ORゲート406では、前記燃料流量比較器403及び発電量比較器404にそれぞれ入力する燃料流量設定値FFSか発電量要求MWDのいずれかがしきい値を下回った時に、ORゲート406で条件が成立して燃料切換指令FCDが発令される。
そしてORゲート406から出力した燃料切換指令FCDは切換制御器407に入力し、この切換制御器407から出力する操作信号によって燃料系統の減少操作(燃料流量制御弁211〜214の閉弁制御)が行なわれるように構成されている点が、燃料系統を増加させる場合と異なっている。
なお、燃料流量のしきい値GFCと発電量のしきい値PWCは、燃料系統を増加させる場合と必ずしも同値でなくて良い。
次に図9に発電量のしきい値PWCと燃料流量のしきい値GFCをそれぞれ設定してガスタービンの負荷変化に対応させて燃料系統の切り替え制御を行った場合の運転状況を示す。
図9の上段には、ガスタービンの負荷が減少した場合に燃料系統を切り替え制御する運転の一例として、ガスタービンの負荷が減少してガスタービンの燃焼モードが2/4モードから1/4モードに変更して燃料系統を減少させる場合における制御装置800の燃料流量設定値FFSと発電量指令MWDとの関係を表した模式図を示す。
また、図9の中段には、F1燃料201の燃料流量と発電量指令MWDとの関係を表した模式図を、図9の下段には、F2燃料202の燃料流量と発電量指令MWDとの関係を表した模式図をそれぞれ示す。
また図9では、非常時における燃料系統の切換え(即ち、ガスタービンの運転をコールドスタートさせた場合)の状況を太い実線で、通常時における燃料系統の切換え(即ち、ホットスタートさせた場合)の状況を太い破線で夫々示し、発電量のしきい値PWCと燃料流量のしきい値GFCは細い破線で示した。
ところで高湿分空気利用ガスタービン1000は、通常は再生熱交換器5が加熱されている状態で発電量要求MWDを低下させると、燃焼用空気としてガスタービン燃焼器2に供給される高温高湿空気105が再生熱交換器5によって加熱されているために、少ない燃料流量で高い発電量を得ることができる。
したがって、発電機20によって発電する発電量よりも先に燃料流量演算器402で演算する燃料流量設定値FFSの燃料流量が燃料流量のしきい値GFCに達するので、ORゲート406で条件が成立して燃料切換指令FCDが発令され、切換制御器407からの操作信号によって燃料系統の減少操作が行なわれる。
一方、発電量を増加させる過程において緊急で発電量を下げる必要が生じた場合には、再生熱交換器5は十分に加熱されていないと考えられる。
再生熱交換器5が十分加熱されていない状態で発電量要求MWDを低下させると、燃焼用空気としてガスタービン燃焼器2に供給される高温高湿空気105が十分に加熱されないために、燃料流量演算器402で演算する燃料流量設定値FFSの燃料流量が燃料流量のしきい値GFCに達するよりも早く、発電機20によって発電する発電量が低下して発電量のしきい値PWCに達するので、ORゲート406で条件が成立して燃料切換指令FCDが発令され、切換制御器407からの操作信号によって燃料系統の減少操作が行なわれる。
また、発電量のしきい値PWCをゼロ以上の正値とすることで、何らかの事情で発電機20による発電を緊急に停止する場合、いわゆる負荷遮断時には、4/4モード、3/4モード、2/4モードから瞬時に最も安定燃焼する1/4モードに切り替えることができる。
したがって、発電機20による発電を緊急に停止した場合にも、安定燃焼が持続できるため、火炎の消失を防止することができる。
また、本実施例では燃料流量設定値FFSと発電量指令MWDを用いて燃料系統の切り替え制御を行っているが、燃料流量設定値FFSは実際の燃料流量に、発電量指令MWDは発電機20からの発電量MWにそれぞれ代替することができる。
このようにして、複数の燃料系統を持つ高湿分空気利用ガスタービンにおいて、ガスタービン起動時に負荷の状況に対応させて複数の燃料系統のうち、燃料を供給して着火している燃料系統数を増減させ、ガスタービン運用性と燃焼安定性を両立させることができる。
以上説明したように本発明の実施例によれば、複数の燃料系統を備えた再生型ガスタービンにおいて、ガスタービン起動時又はガスタービン停止時の燃料を供給する燃料系統の切り替えに際してガスタービン運用性と燃焼安定性を両立させた再生型ガスタービンが実現できる。
次に本発明の他の実施例の1つである再生型ガスタービンについて図10を用いて説明する。
図10は本発明の実施例に係る再生型ガスタービン2000の全体構成を表すシステムフロー図である。
本実施例の再生型ガスタービン2000は、図1に示した実施例1である高湿分空気利用ガスタービン1000とは基本構成とその制御操作が共通しているので、共通の構成と制御操作はその説明を省略し、相違する部分のみ説明する。
図10において、本実施例の再生型ガスタービン2000は増湿装置4を備えていないことを除いて図1に示した高湿分空気利用ガスタービン1000と基本構成は同一である。
この再生型ガスタービン2000は増湿装置4を備えていないため、抽気空気103は加湿されずに再生熱交換器5に流入し、再生熱交換器5において排気ガス107と抽気空気103は熱交換し、高温空気110が生成される点で大きく異なっている。
また、本実施例の再生型ガスタービン2000のプラント構成は、図1に示した高湿分空気利用ガスタービン1000と異なって圧縮機1の入口の吸込み空気100に水300を噴霧する吸気噴霧装置27を備えていない。
更に、本実施例の再生型ガスタービン2000は、再生熱交換器5を経た排ガス108は排ガス109として排気塔25から大気に排気されることから、この再生熱交換器5を経た排ガス108と熱交換して熱回収させる給水加熱器22、排ガス再過熱器23、及び水回収装置24も配設されていず、排ガス108に含まれる水分を回収する水回収装置24及びこの水回収装置24に冷却水を供給する冷却装置29も設置されていない構成である。
上記した構成の再生型ガスタービン2000のガスタービン燃焼器2には、図2乃至図4に示したものと同じ構成の燃料供給部9と、この燃料供給部9に供給するF1燃料201〜F4燃料204の燃料量を調節する燃料流量調整弁211〜214を備えた複数の燃料系統が配設されている。
そして本実施例の再生型ガスタービン2000において、複数の燃料系統に備えた燃料流量調整弁211〜214の切り替え操作を行う制御装置800は図5及び図8に示した制御装置800の制御ブロックの構成と同一であり、また、この制御装置800によって燃料系統の切り替え制御を行った場合の運転状況は、図6及び図9に示した燃料系統の切り替え制御での運転状況と内容が同一であるので、ここでの説明を省略する。
本実施例の複数の燃料系統を持つ再生型ガスタービンにおいても、ガスタービン起動時に負荷の状況に対応させて複数の燃料系統のうち、燃料を供給して着火している燃料系統数を増減させ、ガスタービン運用性と燃焼安定性を両立させることができる。
以上説明したように本発明の実施例によれば、複数の燃料系統を備えた再生型ガスタービンにおいて、ガスタービン起動時又はガスタービン停止時の燃料を供給する燃料系統の切り替えに際してガスタービン運用性と燃焼安定性を両立させた再生型ガスタービンが実現できる。
次に本発明の他の実施例の1つである再生型ガスタービンについて図11を用いて説明する。
図11は本発明の実施例に係る再生型ガスタービン2000の全体構成を表すシステムフロー図である。
本実施例の再生型ガスタービン2000は、図10に示した他の実施例の再生型ガスタービン2000と基本構成とその制御操作が共通しているので、共通の構成と制御操作はその説明を省略し、相違する部分のみ説明する。
図11において、本実施例の複数の燃料系統を備えた再生型ガスタービン2000は、ガスタービン燃焼器2の構成が、中央に拡散燃焼部37が配置され、この拡散燃焼部37の周囲に予混合燃焼部38が配置され、そして拡散燃焼部37と拡散燃焼部37のそれぞれに保炎器37を備えた燃焼器構造となっている点が、図2乃至図4に示した実施例のガスタービン燃焼器2と構成が異なっている。
このような構成のガスタービン燃焼器2を再生型ガスタービンに用いる場合においても、ガスタービン燃焼器2には複数の燃料系統が配設されているために、ガスタービンの起動時に燃料系統の切り替えを行う必要がある。
本実施例の複数の燃料系統を備えた再生型ガスタービン2000のガスタービン燃焼器2における複数の燃料系統の切り替えは、先に説明した実施例の場合と同様に、複数の燃料系統に備えた燃料流量調整弁211〜214の切り替え操作を行う制御装置800は図5及び図8に示した制御装置800の制御ブロックの構成と同一であり、また、この制御装置800によって燃料系統の切り替え制御を行った場合の運転状況は、図6及び図9に示した燃料系統の切り替え制御での運転状況と内容が同一であるので、ここでの説明を省略する。
本実施例の複数の燃料系統を持つ再生型ガスタービンにおいても、ガスタービン起動時に負荷の状況に対応させて複数の燃料系統のうち、燃料を供給して着火している燃料系統数を増減させ、ガスタービン運用性と燃焼安定性を両立させることができる。
以上説明したように本発明の実施例によれば、複数の燃料系統を備えた再生型ガスタービンにおいて、ガスタービン起動時又はガスタービン停止時の燃料を供給する燃料系統の切り替えに際してガスタービン運用性と燃焼安定性を両立させた再生型ガスタービンが実現できる。
次に本発明の他の実施例の1つの再生型ガスタービンである高湿分空気利用ガスタービン1000について図12を用いて説明する。
図12は本発明の実施例に係る高湿分空気利用ガスタービン1000の全体構成を表すシステムフロー図である。
本実施例の高湿分空気利用ガスタービン1000は、図1に示した実施例の高湿分空気利用ガスタービン1000と基本構成とその制御操作が共通しているので、共通の構成と制御操作はその説明を省略し、相違する部分のみ説明する。
図12において、本実施例の高湿分空気利用ガスタービン1000では、圧縮機1で圧縮した高圧空気を増湿装置4によって加湿し、再生熱交換器5でこの加湿した高温高湿空気105を加熱してガスタービン燃焼器2に燃焼用空気として供給しているが、この加熱した高温高湿空気105の温度を計測するための温度計408を設置し、温度計408で検出した温度信号Tを制御装置800に入力して制御装置800の演算に使用することを除いて図1に示した高湿分空気利用ガスタービン1000と基本構成は同一である。温度計408は、再生熱交換器5とガスタービン燃焼器2との間に設けられている。
図13は本実施例による高湿分空気利用ガスタービン1000において、ガスタービンの起動時にガスタービンの負荷に対応させてガスタービン燃焼器2の燃料供給部9に燃料を供給する燃料系統を増加させる場合の燃料系統の切り替え制御方法を示した制御装置800の制御ブロックを表したものである。
図13に示した制御装置800の制御ブロックにおいて、燃料流量減算器401では、中央指令室900から発令された発電量要求MWD値と発電機20からガスタービンの発電機20から送られる実測した発電量MWを減算して、両者の偏差となる発電量差信号を燃料流量演算器402に送る。
燃料流量演算器402では、燃料流量減算器401で演算した発電量差信号に基づいて、発電量要求値MWDに一致するようにガスタービンを運転させるためにガスタービン燃焼器2に供給が必要な燃料流量を燃料流量設定値FFSとして演算し、演算装置409に送る。
一方、再生熱交換器5で加熱された高温高湿空気105の温度Tは温度計408で検出され、この検出した温度信号Tが演算装置409に送られる。
演算装置409では、燃料流量設定値FFSと温度信号Tに基づいて、燃料流量FFSと温度Tとの関係から複数の燃焼モードに分けられた温度−燃料流量運転線図500を演算によって作成し、この作成した温度−燃料流量運転線図500と入力する前記燃料流量設定値FFSと高温高湿空気105の温度信号Tとを比較して温度−燃料流量運転線図500に作成された複数の燃焼モードの中から該当する燃焼モードを選定する。
この温度−燃料流量運転線図500は、ガスタービン燃焼器2において安定燃焼する燃焼モードを、温度計408で計測される高温高湿空気105の温度信号Tと燃料流量設定値FFSに対するマップとして表したものであり、各燃焼モードの境界が燃料系統の切り替え条件となる温度、燃料流量を表している。
また、燃料流量FFSと温度Tとの関係から複数の燃焼モードに分けられた温度−燃料流量運転線図500を演算によって作成しているが、この温度−燃料流量運転線図500は燃料流量FFSと温度Tとの関係に基づいて予め作成しておいても良い。
温度−燃料流量運転線図500の図中では、複数の各燃焼モードの境界を一本の線で表しているが、燃料系統の切り替えは複数の燃料系統のうち、着火している燃料系統を増加させる場合と減少させる場合がある。
したがって、燃料系統の切り替え条件を表す燃焼モードの境界線は、燃料系統の増加と減少に対応する二本の線で表すことも考えられる。
なお、温度−燃料流量運転線図500はデータベースの一種と捉えることができる。
ガスタービン燃焼器2の要素試験や実機運転等で得られるデータを基にして前記温度−燃料流量運転線図500の線図を構築する方法があるが、他の手段に拠って線図を構築しても良い。
さらに、本実施例では温度−燃料流量運転線図500に線図により温度−燃料流量に対応する燃焼モードを表したが、別の形態であっても構わない。
また、本実施例においては、温度Tには、温度計408によって測定した燃焼用空気である高温高湿空気105を計測した温度信号を利用しているが、再生熱交換器5のメタル温度等の代替する他の部分の温度を利用した場合においても、図13に示した温度−燃料流量運転線図500に準じた温度−燃料流量運転線図を作成して燃料系統の切り替え制御を行うことができる。
さらに、本実施例では温度−燃料流量運転線図500における燃料流量として、燃料流量設定値FFSを用いているが、実際にガスタービン燃焼器2に供給する燃料流量を流量計等で計測し、計測した燃料流量を利用して前記温度−燃料流量運転線図500を作成して燃料系統の切り替え制御を行うことができる。
このようにして、演算装置409において燃料流量FFSと燃焼用空気温度Tから最適な燃焼モードが判断され、ガスタービン燃焼器2に供給する燃料系統の切り替えが必要と判断された場合には、演算装置409から燃料切換指令FCDが発令されて切換制御器407にこの燃料切換指令FCDが送られる。
切換制御器407では燃料切換指令FCDを受けてこの切換制御器407から出力する操作信号によって燃料系統の増加操作(燃料流量制御弁211〜214の開閉制御)が行なわれるように構成されている。
かくして、本実施例の複数の燃料系統を持つ高湿分空気利用ガスタービン1000においては、温度−燃料流量運転線図500を基に演算装置409で複数の燃焼モードの中から最適な燃焼モードを判断して選択し、この選択した燃焼モードによってガスタービン燃焼器2に燃料を供給して着火している燃料系統数を増減させることにより、ガスタービン運用性と燃焼安定性を両立させている。
本実施例の複数の燃料系統を備えた高湿分空気利用ガスタービン1000のガスタービン燃焼器2における複数の燃料系統の切り替えは、先に説明した実施例の場合と同様であり、制御装置800によって燃料系統の切り替え制御を行った場合の運転状況は、図6及び図9に示した燃料系統の切り替え制御での運転状況と内容が同一であるので、ここでの説明を省略する。
本実施例の複数の燃料系統を持つ再生型ガスタービンにおいても、ガスタービン起動時に負荷の状況に対応させて複数の燃料系統のうち、燃料を供給して着火している燃料系統数を増減させ、ガスタービン運用性と燃焼安定性を両立させることができる。
以上説明したように本発明の実施例によれば、複数の燃料系統を備えた再生型ガスタービンにおいて、ガスタービン起動時又はガスタービン停止時の燃料を供給する燃料系統の切り替えに際してガスタービン運用性と燃焼安定性を両立させた再生型ガスタービンが実現できる。
次に本発明の他の実施例の1つの再生型ガスタービンである高湿分空気利用ガスタービン1000について図14を用いて説明する。
図14は本発明の実施例に係る高湿分空気利用ガスタービン1000の制御装置800の構成を示す制御ブロックである。
本実施例の高湿分空気利用ガスタービン1000の制御装置800の構成を示す制御ブロックは、図13の実施例の制御ブロックと基本構成とその制御操作が共通しているので、共通の構成と制御操作はその説明を省略し、相違する部分のみ説明する。
図14に示した制御装置800の制御ブロックにおいて、演算装置410には、中央指令室900から発令された発電量要求MWD値と、再生熱交換器5で加熱された高温高湿空気105の温度Tを温度計408で検出した温度信号Tが送られる。
演算装置410では、発電量要求MWDと温度信号Tに基づいて、発電量要求値MWDと温度Tとの関係から複数の燃焼モードに分けられた温度−発電量運転線図501を演算によって作成し、この作成した温度−発電量運転線図501と入力する前記発電量要求値MWDと高温高湿空気105の温度信号Tとを比較して温度−発電量運転線図501に作成された複数の燃焼モードの中から該当する燃焼モードを選定する。
この温度−発電量運転線図501は、ガスタービン燃焼器2において安定燃焼する燃焼モードを、温度計408で計測される高温高湿空気105の温度信号Tと発電量要求値MWDに対するマップとして表したものであり、各燃焼モードの境界が燃料系統の切り替え条件となる温度、発電量を表している。
また、発電量要求値MWDと温度Tとの関係から複数の燃焼モードに分けられた温度−発電量運転線図501を演算によって作成しているが、この温度−発電量運転線図501は発電量要求値MWDと温度Tとの関係に基づいて予め作成しておいても良い。
温度−発電量運転線図501は、先の実施例の温度−燃料流量運転線図500において燃料流量を発電量要求値MWDに置き換えたもので、ガスタービン燃焼器2において安定燃焼する燃焼モードを、温度計408で計測される温度信号と発電量指令値MWDに対するマップとして表しており、各燃焼モードの境界が切り替え条件となる温度、発電量を表している。
温度−発電量運転線図501の図中では、複数の各燃焼モードの境界を一本の線で表しているが、燃料系統の切り替えは、複数の燃料系統のうち、着火している燃料系統を増加させる場合と減少させる場合がある。
したがって、燃料系統の切り替え条件を表す燃焼モードの境界線は、燃料系統の増加と減少に対応する二本の線で表すことも考えられる。
なお、温度−発電量運転線図501はデータベースの一種と捉えることができる。
ガスタービン燃焼器2の実機運転等で得られるデータを基にして前記温度−発電量運転線図501の線図を構築する方法があるが、他の手段に拠って線図を構築しても良い。
さらに、本実施例では温度−発電量運転線図501に線図により温度−発電量に対応する燃焼モードを表したが、別の形態であっても構わない。
また、本実施例においては、温度Tには、温度計408によって測定した燃焼用空気である高温高湿空気105を計測した温度信号を利用しているが、再生熱交換器5のメタル温度等の代替する他の部分の温度を利用した場合においても、図14に示した温度−発電量運転線図501に準じた温度−発電量運転線図を作成して燃料系統の切り替え制御を行うことができる。
さらに、本実施例では温度−発電量運転線図501における発電量として、発電量指令値MWDを用いているが、ガスタービンの発電機20からの発電量MWの信号を利用して温度−発電量運転線図501を作成し、燃料系統の切り替え制御を行うことができる。
このようにして、演算装置410において発電量要求値MWDと燃焼用空気温度から最適な燃焼モードが判断され、ガスタービン燃焼器2に供給する燃料系統の切り替えが必要と判断された場合には、演算装置410から燃料切換指令FCDが発令されて切換制御器407にこの燃料切換指令FCDが送られる。
切換制御器407では燃料切換指令FCDを受けてこの切換制御器407から出力する操作信号によって燃料系統の増加操作(燃料流量制御弁211〜214の開閉制御)が行なわれるように構成されている。
かくして、本実施例の複数の燃料系統を持つ高湿分空気利用ガスタービンにおいては、温度−発電量運転線図501を基に演算装置410で複数の燃焼モードの中から最適な燃焼モードを判断して選択し、この選択した燃焼モードによってガスタービン燃焼器2に燃料を供給して着火している燃料系統数を増減させることにより、ガスタービン運用性と燃焼安定性を両立させた燃料系統の切り替えを行っている。
本実施例の複数の燃料系統を備えた高湿分空気利用ガスタービン1000のガスタービン燃焼器2における複数の燃料系統の切り替えは、先に説明した実施例の場合と同様であり、制御装置800によって燃料系統の切り替え制御を行った場合の運転状況は、図6及び図9に示した燃料系統の切り替え制御での運転状況と内容が同一であるので、ここでの説明を省略する。
本実施例の複数の燃料系統を持つ再生型ガスタービンにおいても、ガスタービン起動時又はガスタービン停止時に負荷の状況に対応させて複数の燃料系統のうち、燃料を供給して着火している燃料系統数を増減させ、ガスタービン運用性と燃焼安定性を両立させることができる。
以上説明したように本発明の実施例によれば、複数の燃料系統を備えた再生型ガスタービンにおいて、ガスタービン起動時又はガスタービン停止時の燃料を供給する燃料系統の切り替えに際してガスタービン運用性と燃焼安定性を両立させた再生型ガスタービンが実現できる。
本発明は高効率ガスタービンとして発電用の再生型ガスタービン及びその再生型ガスタービンの燃料制御方法に利用できるだけでなく、熱と電力を併給可能なコジェネレーションシステム用の再生型ガスタービン及びその再生型ガスタービンの燃料制御方法として利用可能である。
本発明の第1実施例となる再生型ガスタービンである高湿分空気利用ガスタービンの構成を示すシステムフロー図。 図1に示した本発明の第1実施例に係るガスタービン燃焼器の燃料ノズルの構成を示す部分図。 図2に示した第1実施例のガスタービン燃焼器の燃料ノズルを示す部分図。 図2に示した第1実施例のガスタービン燃焼器の燃料ノズルに設置した空気孔プレートの正面図。 図1に示した本発明の第1実施例に係る高湿分空気利用ガスタービンの燃料系統を切り替える制御装置の一例を示す制御ブロック図。 本発明の第1実施例に係る高湿分空気利用ガスタービンで燃料系統の切り替え制御を図5に示した制御ブロック図によって行った場合の運転状況を示す図。 高湿分空気利用ガスタービンの燃料系統の切り替え制御で燃料流量のみにしきい値を設定して制御を行った場合の運転状況を示す比較例。 図1に示した本発明の第1実施例に係る高湿分空気利用ガスタービンの燃料系統を切り替える制御装置の他の一例を示す制御ブロック図。 本発明の第1実施例に係る高湿分空気利用ガスタービンで燃料系統の切り替え制御を図8に示した構成の制御ブロック図によって行った場合の運転状況を示す図。 本発明の第2実施例となる再生型ガスタービンである高湿分空気利用ガスタービンの構成を示すシステムフロー図。 本発明の第2実施例となる再生型ガスタービンである高湿分空気利用ガスタービンのガスタービン燃焼器を示す概略構成図。 本発明の第4実施例となる再生型ガスタービンである高湿分空気利用ガスタービンの構成を表すシステムフロー図。 本発明の第5実施例となる再生型ガスタービンである高湿分空気利用ガスタービンの燃料系統を切り替える制御装置の一例を示す制御ブロック図。 本発明の第6実施例となる再生型ガスタービンである高湿分空気利用ガスタービンの燃料系統を切り替える制御装置の一例を示す制御ブロック図。
符号の説明
1:圧縮機、2:ガスタービン燃焼器、3:タービン、4:増湿装置、5:再生熱交換器、6:本体ケーシング、7:燃焼器ケーシング、8:燃焼器カバー、9:燃料供給部、10:燃焼器ライナ、11:フロースリーブ、12:尾筒内筒、13:尾筒外筒、14:抽気流路、20:発電機、21:シャフト、22:給水加熱器、23:排ガス再過熱器、24:水回収装置、25:排気塔、26:水処理装置、27:吸気噴霧装置、29:冷却装置、30:燃料ヘッダ、31:燃料ノズル、32:空気孔、33:空気孔プレート、34:サポート、35:燃料噴流、36:空気流、37:拡散燃焼部、38:予混合燃焼部、39:保炎器、51:F1燃料フランジ、52:F2燃料フランジ、54:F4燃料フランジ、100:ガスタービン吸い込み空気(大気圧)、101:水噴霧後の空気(大気圧)、102:高圧空気、103:抽気空気、104:増湿空気、105:高温高湿空気、106:燃焼ガス、107:排気ガス、108:給水加熱器出口排ガス、109:排気塔排ガス、110:高温空気、200:燃料、201、:F1燃料、202:F2燃料、203:F3燃料、204:F4燃料、210:燃料遮断弁、211:F1燃料流量制御弁、212:F2燃料流量制御弁、213:F3燃料流量制御弁、214:F4燃料流量制御弁、300:圧縮機吸気噴霧水、301:増湿装置給水、310:圧縮機吸気噴霧水量制御弁、311:増湿装置給水量制御弁、401:減算器、402:燃料流量演算器、403:燃料流量比較器、404:発電量比較器、405:ANDゲート、406:ORゲート、407:切換制御器、408:温度計、409、410:演算装置、500:温度−燃料流量運転線図、501:温度−発電量運転線図、800:制御装置、900:中央司令室、1000:高湿分空気利用ガスタービン、2000:第一の再生型ガスタービン、3000:第二の再生型ガスタービン。

Claims (8)

  1. 空気を圧縮する圧縮機と、この圧縮機で圧縮した高圧空気と燃料とを燃焼して高温の燃焼ガスを生成するガスタービン燃焼器と、ガスタービン燃焼器で生成した燃焼ガスによって駆動するタービンと、このタービンによって駆動される発電機と、このタービンから排出した排気ガスと圧縮機で圧縮した高圧空気とを熱交換させて加熱した高圧空気を燃焼用空気として前記ガスタービン燃焼器に供給する再生熱交換器を備えた再生型ガスタービンにおいて、ガスタービン燃焼器に燃料を供給する複数の燃料系統を配設し、これらの燃料系統に燃料の流量を調節する燃料流量制御弁をそれぞれ設置し、ガスタービンに対する発電量の要求値と発電機で発電した発電量とに基づいて前記各燃料流量制御弁の開閉を制御する制御装置を設置し、前記制御装置には発電量の要求値と発電量との差に基づいて供給が必要な燃料流量を演算する燃料流量演算器と、燃料流量演算器で演算した燃料流量とそのしきい値とを比較する燃料流量比較器と、発電量の要求値とそのしきい値とを比較する発電量比較器と、これらの燃料流量比較器での比較及び発電量比較器での比較の双方に基づいて前記各燃料流量制御弁の開閉を制御する切替制御器を備えさせたことを特徴とする再生型ガスタービン。
  2. 請求項1に記載の再生型ガスタービンにおいて、圧縮機で圧縮した高圧空気を加湿する増湿装置を設置し、この増湿装置で加湿した高圧空気を再生熱交換器に供給して燃焼用空気を生成するように構成したことを特徴とする再生型ガスタービン。
  3. 空気を圧縮する圧縮機と、この圧縮機で圧縮した高圧空気と燃料とを燃焼して高温の燃焼ガスを生成するガスタービン燃焼器と、ガスタービン燃焼器で生成した燃焼ガスによって駆動するタービンと、このタービンによって駆動される発電機と、このタービンから排出した排気ガスと圧縮機で圧縮した高圧空気とを熱交換させて加熱した高圧空気を燃焼用空気として前記ガスタービン燃焼器に供給する再生熱交換器を備えた再生型ガスタービンにおいて、ガスタービン燃焼器に燃料を供給する複数の燃料系統を配設し、これらの燃料系統に燃料の流量を調節する燃料流量制御弁をそれぞれ設置し、再生熱交換器からガスタービン燃焼器に供給する燃焼用空気温度を計測する温度計測装置を設置し、ガスタービンに対する発電量の要求値に基づいて前記各燃料流量制御弁の開閉を制御する制御装置を設置し、前記制御装置には発電量の要求値と温度計測装置で計測した燃焼用空気温度とに基づいて発電量の要求値と燃焼用空気温度との関係から作成した複数の燃焼モードの中から該当する燃焼モードを選択する演算装置を設置し、この演算装置で選択された燃焼モードに基づいて前記各燃料流量制御弁の開閉を制御する切替制御器を備えさせたことを特徴とする再生型ガスタービン
  4. 請求項3に記載の再生型ガスタービンにおいて、圧縮機で圧縮した高圧空気を加湿する増湿装置を設置し、この増湿装置で加湿した高圧空気を再生熱交換器に供給して燃焼用空気を生成するように構成したことを特徴とする再生型ガスタービン
  5. 圧縮機で圧縮した高圧空気と燃料とをガスタービン燃焼器で燃焼して高温の燃焼ガスを生成し、このガスタービン燃焼器で生成した燃焼ガスでタービンを駆動し、このタービンによって駆動させる発電機で発電し、再生熱交換器によってタービンから排出した排気ガスと圧縮機で圧縮した高圧空気とを熱交換させて加熱した燃焼用空気を生成して前記ガスタービン燃焼器に供給するように構成し、ガスタービン燃焼器に供給する燃料は複数の燃料系統を通じて供給できるようにすると共に、これらの燃料系統にそれぞれ設置した燃料流量制御弁によって供給する燃料の流量を調節できるように構成し、制御装置はガスタービンに対する発電量の要求値と発電機で発電した発電量とに基づいて前記各燃料流量制御弁の開閉を制御して燃焼モードを切り替えるように構成した再生型ガスタービンの燃料制御方法において、前記制御装置による制御は、発電量の要求値と発電量との差に基づいて供給が必要な燃料流量を演算してこの演算した燃料流量とそのしきい値とを比較し、発電量の要求値とそのしきい値とを比較し、これらの燃料流量としきい値の比較及び発電量の要求値とそのしきい値との比較に基づいて前記各燃料流量制御弁の開閉を制御して燃焼モードを切り替えるようにしたことを特徴とする再生型ガスタービンの燃料制御方法
  6. 請求項5に記載の再生型ガスタービンの燃料制御方法において、圧縮機で圧縮した高圧空気を増湿装置によって加湿し、この加湿した高圧空気を再生熱交換器に供給して燃焼用空気を生成することを特徴とする再生型ガスタービンの燃料制御方法
  7. 圧縮機で圧縮した高圧空気と燃料とをガスタービン燃焼器で燃焼して高温の燃焼ガスを生成し、このガスタービン燃焼器で生成した燃焼ガスでタービンを駆動し、このタービンによって駆動させる発電機で発電し、再生熱交換器によってタービンから排出した排気ガスと圧縮機で圧縮した高圧空気とを熱交換させて加熱した燃焼用空気を生成して前記ガスタービン燃焼器に供給するように構成し、ガスタービン燃焼器に供給する燃料は複数の燃料系統を通じて供給できるようにすると共に、これらの燃料系統にそれぞれ設置した燃料流量制御弁によって供給する燃料の流量を調節できるように構成し、制御装置はガスタービンに対する発電量の要求値に基づいて前記各燃料流量制御弁の開閉を制御して燃焼モードを切り替えるように構成した再生型ガスタービンの燃料制御方法において、前記制御装置による制御は、ガスタービンに対する発電量の要求値と前記再生熱交換器と前記ガスタービン燃焼器の間に設けられた温度計で計測した燃焼用空気温度とに基づいて発電量の要求値と燃焼用空気温度との関係から作成した複数の燃焼モードの中から該当する燃焼モードを選択し、この選択された燃焼モードに基づいて前記各燃料流量制御弁の開閉を制御する切替制御器を備えさせたことを特徴とする再生型ガスタービンの燃料制御方法
  8. 請求項7に記載の再生型ガスタービンの燃料制御方法において、圧縮機で圧縮した高圧空気を増湿装置によって加湿し、この加湿した高圧空気を再生熱交換器に供給して燃焼用空気を生成することを特徴とする再生型ガスタービンの燃料制御方法
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