JPH1118213A - ハイブリッド車制御装置 - Google Patents

ハイブリッド車制御装置

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JPH1118213A
JPH1118213A JP9163022A JP16302297A JPH1118213A JP H1118213 A JPH1118213 A JP H1118213A JP 9163022 A JP9163022 A JP 9163022A JP 16302297 A JP16302297 A JP 16302297A JP H1118213 A JPH1118213 A JP H1118213A
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豊明 栗田
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  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ハイブリッド制御系におけるエネルギ収支に基
づいて当該制御系を適正に監視する。 【解決手段】ハイブリッド車は、エンジン1と、第1及
び第2の回転電機2000,3000を含む動力伝達手段12と、
前記回転電機2000,3000を駆動するインバータ装置14
と、蓄電装置15と、エンジン1の燃料噴射制御を実施す
るエンジン制御装置13と、エンジン制御装置13に対して
トルク制御量を指令すると共にインバータ装置14の駆動
を制御するハイブリッド制御装置16とを備える。ハイブ
リッド制御装置16は、蓄電装置15の電力と各回転電機20
00,3000の電力収支とを比較し、その比較結果からシス
テム全体の電力収支(ハイブリッド制御系におけるエネ
ルギ収支)を演算する。そして、該演算したシステム全
体の電力収支に基づきシステム異常の有無を判定し、そ
の判定結果に応じて車両出力を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンと、該エ
ンジンに連結され、エンジン回転数を決定するための第
1の回転電機及び車両の駆動力を決定するための第2の
回転電機を含む動力変換手段と、前記第1及び第2の回
転電機を駆動するためのインバータ装置と、該インバー
タ装置に電気的に接続された蓄電装置とを備えるハイブ
リッド車に適用される制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、エンジンと回転電機(走行用モー
タ)とを搭載し、両者を共に又は選択的に駆動させて自
動車の動力源とするハイブリッド車が種々提案されてい
る。ハイブリッド車は大別して、エンジン及び回転電機
の両方で車両を駆動できるパラレルハイブリッド車(例
えば特公平5−46761号公報)と、エンジンにより
回転電機を駆動して発電させその電気エネルギを蓄電装
置(バッテリ)に蓄積すると共に蓄電装置の電気量或い
は回転電機の発電量を走行用回転電機に供給して走行す
るシリーズハイブリッド車(例えば特開昭62−104
403号公報)とがある。シリーズハイブリッド車は、
エンジンと駆動系とが機械的に分離されているため、エ
ンジンを最大効率点で運転することができる。また、パ
ラレルハイブリッド車では、エンジンによって駆動力を
発生させると共に回転電機によって補助的な駆動力を発
生しているため、機械エネルギを駆動系に直接伝達する
ことができ、電気エネルギに変換する必要がないことか
らエネルギの伝達効率が高められる。
【0003】しかし、上述した各々のハイブリッド車に
おいては以下の問題点がある。つまり、シリーズハイブ
リッド車においては、エンジンが発生したエネルギを全
て電気エネルギに変換し、この電気エネルギを走行用回
転電機により機械エネルギに変換しているため、エネル
ギ伝達効率が低下してしまう。また、車両の加減速時に
おいては、エンジンの発生するエネルギと走行用回転電
機に供給するエネルギとのバランスがくずれる。従っ
て、上記エネルギのアンバランスを解消するには蓄電装
置の搭載を増加させる必要が生じ、そのために車両重量
が増加してシステム効率が低下するという欠点を有して
いる。一方、パラレルハイブリッド車では、エンジンの
燃費の良いところはエンジンのみで車両を駆動し、エン
ジンの燃費率の低下する低トルク、低回転領域は回転電
機のみで駆動している。すなわち、エンジンは限定した
範囲で運転され、エンジンが作動しない領域では蓄電装
置から電気エネルギを持ち出す構成となっている。従っ
て、エンジンが作動しない領域で連続運転をするために
は蓄電装置の搭載増による車両重量の増加は避けられな
いという欠点を有している。
【0004】上述のハイブリッド車に対し、上記問題点
を解消する形式のハイブリッド車として、特開平7−1
35701号公報やドイツ国4407666号明細書が
提案されている。特開平7−135701号公報のハイ
ブリッド型車両では、エンジンと、第1モータ及び第2
モータと、第1,第2,第3の回転要素からなるギヤユ
ニットとを備え、第1モータ又は第2モータのいずれか
を回転数制御してエンジン回転数を決定し、他方をトル
ク制御して車両の駆動力を決定していた。こうした構成
によれば、エンジンを最高効率点で運転することがで
き、しかもエンジンの発生トルクがそのまま車両の駆動
力として使用できるため、エンジンの発生エネルギが効
率良く伝達できる。
【0005】また、ドイツ国第4407666号明細書
のハイブリッド型車両では、第1モータの内側ロータと
第2モータのロータとが直結されており、エンジンによ
り第1モータの外側ロータを駆動し、第1モータの内側
ロータと外側ロータとを電磁的に結合して発電すること
で、エンジンの出力トルクを電磁伝達できるように構成
していた。かかる場合、第1モータの発電エネルギを利
用してさらに第2モータでトルクをアシストすることが
できるため、エンジンの発生エネルギが効率良く伝達で
きる。
【0006】これらのハイブリッド型車両は、エンジン
と駆動系との間に、2つの回転電機を有する動力伝達手
段を設けることにより、エンジンを最大効率点で運転し
ていた。その結果、エンジンの発生エネルギを電気伝達
のみでなく、機械伝達或いは電磁伝達によるエネルギ伝
達を兼ね備えることができ、走行状態が変わってもエネ
ルギ伝達効率を高くすることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来公報
の制御装置では、ハイブリッド制御系における詳細な制
御方法などが開示されておらず、以下の問題を生ずる。
例えば第1モータが故障した場合、エンジンによる発生
トルクが第1モータにて吸収できず、エンジン回転数が
過剰に上昇したり、蓄電装置への充電が不能になったり
し、蓄電装置のエネルギが全て放電してしまうことで車
両が走行不能に陥る。また、高速走行時には、第1モー
タが電動機、第2モータが発電機として作用するが、第
2モータが故障すると、第2モータの発電により減少し
ていたトルクが「0」になると共に駆動トルクが増大す
るため、車両が意図しない加速をすることになる。ま
た、低速走行時には、第1モータが発電機として働くの
で、第2モータの故障により電動で使われていたエネル
ギが「0」になり、充電が多くなり蓄電装置が過充電さ
れるおそれがある。
【0008】またさらに、従来装置では以下の問題を招
来するおそれがあった。 ・例えば第1モータを制御するための第1コントロー
ラ、又は第2モータを制御するための第2コントローラ
が故障した場合、所望のモータ制御が不可能になる。そ
のため、上記モータ故障時と同様の問題が発生する。 ・第1コントローラの入力が例えば断線により開放にな
った場合、第1モータが制御できず、車両がフリーラン
状態になる。このとき、エンジントルクが発電モータ
(第1モータ)で吸収できないため、エンジンが過回転
数まで上昇してしまう。 ・エンジンの故障モードでエンジントルクが減少するよ
うな場合、第1モータの発電と、第2モータの力行のエ
ネルギ収支が釣り合わず、蓄電装置が過放電になってし
まう(逆に、エンジントルクが増加する場合には、蓄電
装置が過充電される)。
【0009】以上のように、ハイブリッド制御系を構成
するモータや各種制御機器などが故障すると、様々な不
具合が発生することになる。そこで本発明は、ハイブリ
ッド制御系におけるエネルギ収支に着目し、このエネル
ギ収支に基づいて当該制御系を適正に監視することがで
きるハイブリッド車制御装置を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のハイブリッド車制御装置では、エンジンと、
該エンジンに連結され、エンジン回転数を決定するため
の第1の回転電機及び車両の駆動力を決定するための第
2の回転電機を含む動力変換手段と、前記第1及び第2
の回転電機を駆動するためのインバータ装置と、該イン
バータ装置に電気的に接続された蓄電装置とを備えるハ
イブリッド車に適用され、例えばアクセルペダルやブレ
ーキペダルやシフトレバーの操作情報といった車両運転
情報に応じてエンジンの出力トルクを制御すると共に、
そのエンジンのトルク制御量とエンジン特性に対応する
当該エンジンの目標回転数とに基づいて前記第1及び第
2の回転電機に発生させる各トルク指令値を演算し、該
演算したトルク指令値にて各回転電機を制御することを
前提としている。
【0011】かかる構成では、第1の回転電機はエンジ
ンの目標回転数に従いその回転数が制御される。このと
き、エンジン特性に対応させつつエンジンの燃費やエミ
ッションが最良の状態となるエンジン動作点でエンジン
の運転が維持でき、高効率なエンジン作動を実現するこ
とができる。また、こうした構成において、車両駆動ト
ルクは、第1の回転電機に発生するトルクと第2の回転
電機により発生するトルクとの合計となり、車両運転情
報に基づき適正に制御される。このとき、第1の回転電
機に発生するトルクはエンジンの出力トルクとバランス
し、エンジンの出力トルクは車両駆動トルクの一部とし
て電磁的に伝達される。そのため、効率の良いエネルギ
伝達が実現できることになる。
【0012】そして、請求項1に記載の発明ではその特
徴として、蓄電装置に関する第1の情報と、第1及び第
2の回転電機に関する第2の情報とからハイブリッド制
御系におけるエネルギ収支を演算する(エネルギ収支演
算手段)。また、該演算したエネルギ収支に基づき、ハ
イブリッド制御系の異常の有無を判定する(異常判定手
段)。ここで、ハイブリッド制御系とは、例えば第1及
び第2の回転電機、インバータ装置、蓄電装置、並びに
ハイブリッド制御を司る各種コントローラなどを含み、
蓄電装置と第1及び第2の回転電機とに関する各種情報
からそのエネルギ収支が求められる。
【0013】上記構成によれば、仮に第1及び第2の回
転電機や、エンジンや、インバータ装置などが故障した
としても、その状態がエネルギ収支の演算結果として反
映される。つまり、エネルギ収支が許容範囲内の適正値
であればハイブリッド制御系が正常動作している旨が判
定でき、エネルギ収支が許容範囲内の適正値でなければ
ハイブリッド制御系に異常が発生している旨が判定でき
る。その結果、エネルギ収支に基づいてハイブリッド制
御系を適正に監視することができ、ひいては蓄電装置の
過放電及び過充電、エンジンや回転電機の制御不良、車
両の不用意な加速などの不具合を解消することができ
る。
【0014】請求項2に記載の発明では、エネルギ収支
演算手段は、前記蓄電装置に流入出する電力を第1の情
報として演算する手段と、前記第1及び第2の回転電機
における電力収支を第2の情報として演算する手段と、
前記蓄電装置に流入出する電力と前記回転電機の電力収
支とを比較する手段とからなる。かかる場合、ハイブリ
ッド制御系におけるエネルギ収支をより適確に、且つ簡
便に求めることができ、異常判定の信頼性が向上する。
また上記構成によれば、インバータ装置と第1及び第2
の回転電機とが一重系の制御システムとして構成される
場合(多重系統でないということ)にも、制御システム
全体の信頼性を向上させることができる。
【0015】請求項2に記載の発明においては、以下の
請求項3〜請求項6のように具体化することが可能であ
り、これら各構成ではいずれもハイブリッド制御系が適
正に監視できる。
【0016】請求項3に記載の発明では、第1及び第2
の回転電機における電力収支を、各回転電機におけるト
ルク指令値と回転数とから演算するようにしている。本
構成では、ハイブリッド制御系における制御過程の演算
値の一つである回転電機のトルク指令値を用いるため、
簡便な手法にて上記異常判定が実施できる。
【0017】請求項4に記載の発明では、第1及び第2
の回転電機における電力収支を、トルク検出手段又はト
ルク推定手段から得られる各回転電機における出力トル
ク値と回転数とから演算するようにしている。この構成
によれば、実機の運転情報に基づく異常判定が可能とな
るため、前記請求項3の構成よりも応答性に優れた異常
判定が可能となる。かかる場合、請求項5に記載したよ
うに、第1及び第2の回転電機の電流と回転電機定数と
から各回転電機の出力トルク値を推定するようにすれ
ば、トルク検出手段としてのトルクセンサ等の付加的な
構成を要することなくハイブリッド制御系の監視が実現
できる。
【0018】請求項6に記載の発明では、第1及び第2
の回転電機における電力収支を、各回転電機の電流と電
圧とから演算するようにしている。この構成でもやは
り、トルク検出手段としてのトルクセンサ等の付加的な
構成を要することなくハイブリッド制御系の監視が実現
できる。
【0019】また、請求項7に記載の発明では、第1及
び第2の回転電機とインバータ装置との効率により、各
回転電機の電力収支を補正するようにしている。この場
合、上記のような効率の要素を異常判定に反映させるこ
とにより、ハイブリッド制御系の監視精度を高めること
ができる。
【0020】請求項8に記載の発明では、第1及び第2
の回転電機とインバータ装置との損失により、各回転電
機の電力収支を補正するようにしている。この場合、上
記のような損失の要素を異常判定に反映させることによ
り、ハイブリッド制御系の監視精度を高めることができ
る。また、本構成では、電力収支と損失との各々の絶対
量を同じ次元のデータとして扱うことができるため、演
算の簡素化を図ることができる(請求項7に比較して演
算負荷が軽減できる)。
【0021】請求項9に記載の発明では、異常判定手段
によりハイブリッド制御系における異常発生の旨が判定
された場合、車両の出力を制限若しくは停止させるよう
にしている。この構成によれば、異常発生時に車両の走
行を適正に制御することができる。このとき、前記エネ
ルギ収支をパラメータとして異常の度合を判断し、その
判断結果に応じて車両の出力制限若しくは出力停止を選
択的に実施することにより、最適な車両制御が実現でき
る。例えば異常の度合が比較的小さい場合には、車両の
出力制限を行うことで路肩や修理工場への退避走行が可
能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる一実施の形
態について説明する。先ずその概要を略述すれば、本実
施の形態のハイブリッド車制御システムでは、エンジン
と、該エンジンに連結され、エンジン回転数を決定する
ための第1の回転電機及び車両の駆動力を決定するため
の第2の回転電機を含む動力伝達手段(動力変換手段)
と、前記第1及び第2の回転電機を駆動するためのイン
バータ装置と、該インバータ装置に電気的に接続された
蓄電装置とを備える。またさらに、エンジンの燃料噴射
制御や電子スロットル制御を実施するエンジン制御装置
と、そのエンジン制御装置に対してトルク制御量(車両
駆動パワー要求値Pv* )を指令すると共にインバータ
装置の駆動を制御するハイブリッド制御装置とを備え
る。
【0023】そして、本制御システムでは、例えばアク
セルペダル、ブレーキペダル及びシフトレバーの操作情
報といった車両運転情報に基づいてエンジンの出力トル
クを制御すると共に、その際のトルク制御量(車両駆動
パワー要求値Pv* ,車両駆動トルク指令値Mv* )と
エンジン特性に対応するエンジンの目標回転数(エンジ
ン回転数指令値Ne* )とに基づいて第1及び第2の回
転電機に発生させるトルク値を制御する。さらに本実施
の形態では、蓄電装置に関する第1の情報と、第1及び
第2の回転電機に関する第2の情報とからハイブリッド
制御系におけるエネルギ収支を演算する。また、該演算
したエネルギ収支に基づき、ハイブリッド制御系の異常
の有無を判定する。なおここで、ハイブリッド制御系と
は、例えば第1及び第2の回転電機、インバータ装置、
蓄電装置、並びにハイブリッド制御を司る各種コントロ
ーラなどを含み、蓄電装置と第1及び第2の回転電機と
に関する各種情報からそのエネルギ収支が求められる。
【0024】次に、本制御システムの構成を図面を用い
て詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるハイ
ブリッド車制御システムの概要を示す構成図であり、同
図のエンジン1は4気筒4サイクルガソリン内燃機関に
より構成されている。エンジン1には出力軸2が設けら
れ、この出力軸2は後述する動力伝達手段12に駆動連
結されている。エンジン1の吸気管3には、公知の燃料
噴射電磁弁4が気筒毎に独立して設けられている。ま
た、吸気管3には、吸入空気量を調整するためのスロッ
トル弁5が設けられており、このスロットル弁5の開閉
動作は吸入空気量調節手段を構成するスロットルアクチ
ュエータ6により制御されるようになっている。
【0025】さらに同図に示すシステムでは、以下のセ
ンサ群を備える。つまり、運転者により操作される図示
しないアクセルペダルには公知のアクセルセンサ7が配
設され、同センサ7はアクセルペダルの踏み込み操作量
に対応するアクセル開度信号を電圧信号にて出力する。
また、運転者により操作される図示しないブレーキペダ
ルには公知のブレーキセンサ8が配設され、同センサ8
はブレーキペダルの踏み込み操作量に応じたブレーキ信
号をON/OFF信号で出力する。シフトスイッチ9
は、図示しないシフトレバーによる複数のシフト位置を
検知するものであって、本実施の形態では駐車(P)、
後退(R)、中立(N)、前進(D)等のシフト信号を
ON/OFF信号でパラレル出力する。始動スイッチ1
0は、図示しない公知のiGキースイッチに内蔵されて
おり、始動の有無に応じたON/OFF信号を出力す
る。
【0026】また、動力伝達手段12は、第1の回転電
機2000及び第2の回転電機3000を備えてなるも
のであり、その詳細な構成は後述する。動力伝達手段1
2の出力は、公知の差動ギヤ装置20を介して車両左右
の駆動輪30に伝達されるようになっている。
【0027】エンジン制御装置13は、車両を駆動する
ためにエンジン1に発生させる車両駆動パワー要求値P
v* を後述するハイブリッド制御装置16より入力し、
この入力値に基づいてスロットルアクチュエータ6を駆
動する。また、エンジン1に搭載された図示しないエン
ジン運転状態センサの信号に基づいて燃料噴射電磁弁4
の開弁時間を制御すると共に、図示しない点火装置の点
火タイミングを決定して点火装置を駆動する。これら燃
料噴射制御や点火制御によりエンジン1の燃焼状態が制
御される。さらに、エンジン制御装置13は、車両駆動
パワー要求値Pv* 通りにエンジン1が運転されるよう
その内部で演算したエンジン回転数指令値Ne* をハイ
ブリッド制御装置16に出力する。
【0028】インバータ装置14は、第1の回転電機2
000及び第2の回転電機3000を駆動する装置であ
って、ハイブリッド制御装置16から入力される第1の
回転電機2000及び第2の回転電機3000のそれぞ
れのトルク指令値である第1及び第2のトルク指令値M
m1*,Mm2*に基づき、第1の回転電機2000及び第
2の回転電機3000のそれぞれの出力トルクMm1 ,
Mm2 を制御すると共に、第1の回転電機2000及び
第2の回転電機3000のそれぞれの回転情報Nm1 ,
Nm2 をハイブリッド制御装置16に出力する。蓄電装
置15は電池により構成されており、インバータ装置1
4に接続されている。
【0029】ハイブリッド制御装置16はハイブリッド
車を総合的に制御するための装置であり、前記したセン
サ群、すなわちアクセルセンサ7、ブレーキセンサ8、
シフトスイッチ9及び始動スイッチ10に接続されてい
る。そして、ハイブリッド制御装置16は、これらセン
サ群より入力されるアクセル開度信号、ブレーキ信号、
シフト信号及び始動信号に基づいて車両駆動パワー要求
値Pv* を演算すると共に、同Pv* 値をエンジン制御
装置13に送信する。また、ハイブリッド制御装置16
には、蓄電装置15に流れる電流を測定するための公知
の電流センサ18が接続されると共に、蓄電装置15の
端子電圧を測定するための公知の電圧検出器19が接続
されており、これらセンサ等の検出結果がハイブリッド
制御装置16に入力される。
【0030】さらに、ハイブリッド制御装置16は、エ
ンジン制御装置13から送信されるエンジン回転数指令
値Ne* を受信する。また、ハイブリッド制御装置16
は、第1の回転電機2000及び第2の回転電機300
0のそれぞれのトルク指令値である第1及び第2のトル
ク指令値Mm1*,Mm2*を演算してインバータ装置14
へ送信すると共に、インバータ装置14から第1の回転
電機2000及び第2の回転電機3000のそれぞれの
回転情報Nm1 ,Nm2 を受信する構成となっている。
【0031】次に、図2を用いて動力伝達手段12の詳
細な構成を説明する。動力伝達手段12はエンジン1に
接続されており、本実施の形態では差動ギヤ装置20と
一体化されている。動力伝達手段12は、その内部に入
出力の回転数を調整するための第1の回転電機2000
と、入出力のトルクを調整するための第2の回転電機3
000と、出力を減速伝達するための減速伝達部400
0とを備える。なおここで、エンジン1と動力伝達手段
12との間のジョイント及び差動ギヤ装置20と駆動輪
30との間のジョイント等の構成は省略している。エン
ジン1の出力軸2はエンジン1の駆動と共に回転駆動
し、図示されないジョイント等を介して動力伝達手段1
2の入力軸2001にエンジン出力を伝達する。
【0032】また、動力伝達手段12は、入力軸200
1に一体的に設けられた第1の回転子2010と、第2
の回転子2310と、固定子に相当するステータ301
0とを有する。ステータ3010は回転磁界を作る巻線
3011及びステータコア3012より構成されてい
る。また、第1の回転子2010も回転磁界を作る巻線
2011及びロータコア2012を有しており、ブラシ
ホルダ2610、ブラシ2620、スリップリング26
30及びリード部2660を介して外部から給電を受け
ている。ここで、リード部2660は、シャフト221
3外周のモールド等からなる絶縁部2650に埋設され
ている。
【0033】第2の回転子2310には、円環状のロー
タヨーク2311とその内周面にN,S極を作るべく周
方向に等間隔に配置された磁石2220とが設けられて
おり、ロータコア2012及び巻線2011と共に第1
の回転電機2000を構成する。また、第2の回転子2
310には、円環状のロータヨーク2311の外周面上
にN、S極を作るべく周方向に等間隔に配置された磁石
2420が設けられており、前記ステータコア3012
及び巻線3011と共に第2の回転電機3000を構成
する。ここで、ロータヨーク2311の内周面或いは外
周面に設けられた磁石2220及び2420は、それぞ
れリング2225及び2425等により第2の回転子2
310に固定されている。
【0034】また、第2の回転子2310のロータヨー
ク2311は、ロータフレーム2331,2332及び
ベアリング2510,2511を介してハウジング17
10,1720に対して回転可能に配設されている。一
方、第1の回転子2010は、シャフト2213(入力
軸2001)及びベアリング2512,2513を介し
て第2の回転子2310のロータフレーム2331,2
332に対して回転可能に配設されている。
【0035】第2の回転子2310の一端は、ロータフ
レーム2332を介してハウジング1710よりもエン
ジン1側に向けて外部へ延出しており、その先端部には
セレーション2332aが形成されている。このロータ
フレーム2332のセレーション2332aは、減速伝
達部4000の小ギヤ4010に噛合している。さら
に、この小ギヤ4010はギヤ4020を介して差動ギ
ヤ装置20に連結されている。なお、ギヤ4020は、
ベアリング4040を介してエンジン等の固定部に固着
された軸部4030に回転可能に支持されている。
【0036】ギヤ4020は、差動ギヤ装置20内の大
ギヤ4100に噛合して動力伝達手段12からの回転力
を減速すると共に、その回転力を差動ギヤ4120,4
130を介して駆動輪30へ伝達する。なお、前記大ギ
ヤ4100は、差動ギヤ装置20内に配設された差動ギ
ヤボックス4110に形成されている。これら一連の歯
車(ギヤ)は、図2に示すように、エンジン1と動力伝
達手段12のハウジング1710の側面との間の隙間に
配置されるように構成されている。すなわち、エンジン
1から動力伝達手段12に向けて回転力が入力される入
力軸2001(シャフト2213)と、動力伝達手段1
2から負荷出力側へ回転力を出力する出力軸に相当する
ロータフレーム2332の先端部とは、同一の側に配置
される構成となっており、動力伝達手段12の小型化が
図られている。
【0037】また、回転センサ2911,2912は公
知のレゾルバ等により構成され、このレゾルバを構成す
るコイルの対向位置には永久磁石2911a,2912
aが配設されている。そして、回転センサ2911,2
912は、第1の回転電機2000及び第2の回転電機
3000のそれぞれの回転情報として、第1の回転子2
010及び第2の回転子2310のそれぞれの回転位置
θ1 ,θ2 並びに回転数Nm1 ,Nm2 をステータ(固
定子)3010を基準として検出する。なお、符号17
30を付す部材は、ブラシホルダ2610及び回転セン
サ2911を収納するためのカバーケースである。
【0038】次に、エンジン制御装置13の詳細な構成
について図3を用いて説明する。図3において、エンジ
ン1の回転検出器1301は公知の構成を有し、エンジ
ン1の図示しないクランク軸が1回転する毎に12パル
スの角度信号と1パルスの基準信号とを出力する。吸入
空気量センサ1302は吸気管3に設けられており、エ
ンジン1に吸入される空気の量に応じてベーン開度が変
化し、その変化量をポテンショメータの検出値として出
力する。つまり、吸入空気量センサ1302は、エンジ
ン1が吸入する空気量を単位時間当たりの体積で吸気量
信号として検出する。
【0039】冷却水温センサ1303は公知のサーミス
タ型センサであり、エンジン1の冷却水温度を抵抗変化
として検出しその検出値を冷却水温信号として出力す
る。吸気温センサ1304は公知のサーミスタ型センサ
であり、吸入空気量センサ1302に付設されている。
同吸気温センサ1304は、エンジン1に吸入される空
気の温度を抵抗変化から検出しその検出値を吸気温信号
として出力する。空燃比センサ1305は、エンジン1
の図示しない排気管集合部に設けられており、排気の空
燃比を空燃比信号として電圧で出力する。これらのセン
サの各信号並びに始動スイッチ10の始動信号は、エン
ジン制御装置13に入力される。
【0040】制御ユニット1306は、公知のマイクロ
コンピュータや燃料噴射電磁弁4の駆動回路などから構
成され、エンジン回転検出器1301の角度信号及び基
準信号、吸入空気量センサ1302の空気量信号、冷却
水温センサ1303の冷却水温信号、吸気温センサ13
04の吸気温信号、空燃比センサ1305の空燃比信号
等に基づいて燃料噴射電磁弁4の開弁信号を生成する。
通信回路1307は、例えば調歩同期式通信が実現でき
る公知の回路であって、制御ユニット1306に接続さ
れている。
【0041】スロットルアクチュエータ駆動回路130
8は、制御ユニット1306に接続されると共に、端子
1314,1315を介してスロットルアクチュエータ
6に接続されている。また、出力端子1309,131
0,1311,1312には、制御ユニット1306の
開弁信号の出力が接続されると共に、燃料噴射電磁弁4
が接続されている。通信端子1313には、通信回路1
307及びハイブリッド制御装置16が接続されてい
る。
【0042】次に、エンジン制御装置13内の制御ユニ
ット1306に記憶されている制御プログラムについ
て、図4及び図5のフローチャートを用いて説明する。
図4に示すプログラムは、エンジン制御装置13内の制
御ユニット1306により実行されるメインプログラム
であり、iGキースイッチが投入されることで起動され
る。図4において、先ず最初のステップS5000で
は、制御ユニット内蔵の入出力ポートの初期化やRAM
の変数領域の設定及びスタックポインタの初期化を行
う。
【0043】その後、ステップS5001〜S5005
では、前記の各種センサの検出信号に基づいたエンジン
1の運転状態信号を読み込み、これらの各種信号を制御
ユニット1306内蔵のRAMの変数領域に格納する。
すなわち、 ・ステップS5001では、エンジン回転検出器130
1の角度信号に基づくエンジン回転数Neを取り込み、 ・ステップS5002では、吸入空気量センサ1302
の空気量信号に基づく吸入空気量Qを取り込み、 ・ステップS5003では、冷却水温センサ1303の
冷却水御信号に基づく冷却水温Twを取り込み、 ・ステップS5004では、吸気温センサ1304の吸
気温信号に基づく吸気温Taを取り込み、 ・さらに、ステップS5005では、空燃比センサ13
05の空燃比信号に基づく空燃比A/Fを取り込む。
【0044】その後、ステップS5006では、前記ス
テップS5001で取り込んだエンジン回転数Neと前
記ステップS5002で取り込んだ吸入空気量Qとから
回転当たりの吸気量Qoを演算し(Qo=Q/Ne)、
その演算結果を内蔵RAMの変数領域に格納する。ま
た、ステップS5007では、前記ステップS5004
で取り込んだ吸気温Taに基づき、制御ユニット130
6に内蔵のROMのテーブル領域に記憶されている吸気
温補正係数マップを検索して、吸気温補正係数fTHA
を求める。吸気温補正係数マップは例えば図6に示す公
知のものであって、吸入空気量センサ1302にて検出
した吸入空気量Qを単位時間当たりの質量として変換す
る係数が一次元マップとして設定されている。
【0045】次に、ステップS5008では、前記ステ
ップS5003にて取り込んだ冷却水温Twに基づき、
ROMのテーブル領域に記憶されている暖機補正係数マ
ップを検索して、暖機補正係数fWLを求める。暖機補
正係数マップは例えば図7に示す公知のものであって、
エンジン1の冷却水温度Twに対する暖機補正係数fW
Lが一次元マップとして設定されている。その後、ステ
ップS5009では、前記ステップS5005にて取り
込んだ空燃比A/Fに基づき、A/Fフィードバック補
正係数fA/Fを演算する。fA/F値の演算は、A/
F検出値を目標値に一致させるようにした公知のもので
あり、その詳細な説明は省略する。ステップS5010
では、前記ステップS5006で求めた回転当たりの吸
気量Qoと前記ステップS5007にて求めた吸気温補
正係数fTHAとから基本噴射時間Tpを演算する(T
p=K・Qo・fTHA)。なお、演算の際の係数K
は、燃料噴射電磁弁4の開弁時間と燃料噴射量との関係
を決定する定数である。
【0046】次に、ステップS5011では、上記ステ
ップS5010にて求めた基本噴射時間Tpと暖機補正
係数fWLとA/Fフィードバック補正係数fA/Fと
に基づき、燃料噴射電磁弁4の開弁時間である噴射時間
TAUを演算する(TAU=Tp・fWL・fA/F+
Tv)。なお、Tvは無効噴射時間で、燃料噴射電磁弁
4の時定数による遅れ時間であって燃料量に寄与しない
時間である。
【0047】その後、ステップS5012では、燃料カ
ットをすべきか否かを示すフラグfCUTの状態を判別
する。そして、燃料カットすべきであれば(fCUT=
1の場合)、ステップS5012を肯定判別してステッ
プS5013に進み、噴射時間TAUを「0」にクリア
した後ステップS5014に進む。また、燃料カットを
しないのであれば(fCUT=0の場合)、ステップS
5012を否定判別して直接ステップS5014に進
む。ステップS5014では、前記ステップS5011
にて求めた噴射時間TAUに基づき、燃料噴射電磁弁4
を駆動するための噴射信号を発生して出力する。ステッ
プS5015では、iGキースイッチの状態をチェック
し、投入されていれば(ステップS5015がNOの場
合)、ステップS5001に戻って上述の動作を繰り返
して実行する。iGキースイッチがOFFであれば(ス
テップS5015がYESの場合)、本プログラムを終
了する。
【0048】図5に示すプログラムはエンジン制御装置
13内の制御ユニット1306により実行される割り込
みプログラムであり、前記図3の通信回路1307が通
信データを受信すると起動される。図5において、先ず
ステップS5100では、図3に示す通信回路1307
及び通信端子1313を介してハイブリッド制御装置1
6から送信される車両駆動パワー要求値Pv* を読み込
む。次のステップS5102では、ハイブリッド制御装
置16から送信された車両駆動パワー要求値Pv* に基
づいてエンジン始動中であるか否かを判別する。具体的
には、前記Pv* 値が16進数表示の「0FFFFH」
であるか否かを判別する。そして、Pv* =0FFFF
Hであれば、エンジン始動中であると判断してステップ
S5110に進む。なおここで、「0FFFFH」のデ
ータは、エンジン始動時であることを表す情報データと
して用いられる。
【0049】ステップS5110では、エンジン回転数
Neが所定のアイドル回転数Neidl を越えるか否かに
基づき、エンジン1が燃焼によりアイドル回転している
か否かを判別する。このとき、アイドル回転していない
旨が判別されれば(NOの場合)、ステップS5112
に進んでエンジン回転数指令値Ne* に始動回転数Ne
STA のデータをセットし、その後ステップS5114に
進む。また、ステップS5110でアイドル回転してい
る旨が判別されれば(YESの場合)、ステップS51
16に進んでエンジン回転数指令値Ne* に「0FFF
FH」のデータをセットし、その後ステップS5114
に進む。ステップS5114では、エンジン始動時のア
イドル状態を維持するためにスロットル開度θTHを
「0」とし、すなわちスロットルアクチュエータ6によ
る吸入空気量調節量THを「0」とし、その後ステップ
S5122に進む。
【0050】一方、前記ステップS5102にてPv≠
0FFFFHである旨が判別されると(当該ステップが
NOの場合)、エンジン始動中でないと判断してステッ
プS5104に進む。ステップS5104では、車両駆
動パワー要求値Pv* が「0」であるか否かを判別し、
Pv* =0であれば(YESの場合)、ステップS51
18に進んでエンジン回転数指令値Ne* に「0FFF
FH」のデータをセットする。続くステップS5120
では、吸入空気量調節量THを「0」(スロットル開度
θTH=0)とした後、ステップS5122に進む。
【0051】また、ステップS5104にてPv* ≠0
であれば(NOの場合)、次のステップS5106で
は、予め記憶されているエンジン1の燃費率マップによ
り当該エンジン1の動作点を決定し、その動作点に応じ
てエンジン回転数指令値Ne*を演算する。燃費率マッ
プには、例えば図8に示す特性に基づいて、エンジン出
力トルクMeとエンジン回転数Neとをパラメータとす
るエンジン1の燃費率(g/kWh)のデータが二次元
マップとして記憶されている。すなわち、エンジン出力
トルク指令値Me* が決定されれば、燃費率が最良とな
るエンジン動作点(例えば図8のC点)が求められ、こ
の動作点に対応する回転数がエンジン回転数指令値Ne
* として算出されることになる。
【0052】さらに、続くステップS5108では、上
記のエンジン動作点に対応するスロットル開度θTHをス
ロットル開度マップにより求め、そのマップ値に基づい
てスロットルアクチュエータ6の吸入空気量調節量TH
を演算する。スロットル開度マップは、例えば図9に示
すエンジン特性に基づき作成されている。図9におい
て、横軸のエンジン回転数Neはエンジン1の最大回転
数で正規化されており、縦軸のエンジン出力トルクMe
はエンジン1の最大出力トルクで正規化されている。そ
して、同スロットル開度マップには、上記エンジン出力
トルクMeとエンジン回転数Neとをパラメータとする
スロットル開度θTHのデータが二次元マップとして記憶
されている。従って、当該ステップS5108では、前
記ステップS5106にて演算したエンジン回転数指令
値Ne* とエンジン出力トルク指令値Me* とに基づい
てスロットル開度目標値θTH* が求められ、このスロッ
トル開度目標値θTH* から吸入空気量調節量THが演算
されるようになっている。スロットル開度目標値θTH*
から吸入空気量調節量THへの変換は、予め求められ且
つ記憶されているスロットル特性(スロットルアクチュ
エータ6の特性)に基づき行われる。
【0053】上記の通りのNe* 値及びTH値の演算後
において、ステップS5122では、前記ステップS5
108,S5114,S5120で求めた吸入空気量調
節量THに基づいてスロットルアクチュエータ6を制御
する。さらに、続くステップS5124では、前記ステ
ップS5106,S5112,S5116,S5118
で求めたエンジン回転数指令値Ne* を図3の通信回路
1307を介してハイブリッド制御装置16に送信す
る。以上の処理を実施した後、割り込みプログラムが起
動する前のメインプログラムに戻る。
【0054】次に、インバータ装置14の詳細な構成に
ついて図10を用いて説明する。図10において、イン
バータ装置14には、蓄電装置15のプラス端子及びマ
イナス端子に接続される主電源入力端子1401,14
02と、第1の回転電機2000に内蔵されたU,V,
W各相の巻線に接続される出力端子1403,140
4,1405と、第2の回転電機3000に内蔵された
U,V,W各相の巻線に接続される出力端子1406,
1407,1408とが設けられている。またその他
に、動力伝達手段12に内蔵された回転センサ2911
に接続される接続端子1409と、同じく動力伝達手段
12に内蔵された回転センサ2912に接続される接続
端子1410とが設けられている。これら接続端子14
09,1410はそれぞれ、励磁信号及び回転子位置信
号(sin信号,cos信号)用に使用し、差動構成と
なっている。また、通信端子1411は、ハイブリッド
制御装置16との間でシリアル通信が実施可能な公知の
構成を有する。なお、主電源入力端子1401, 140
2間には入力コンデンサ1412が接続されている。
【0055】IGBTモジュール1413,1414,
1415,1419,1420,1421は、IGBT
素子(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ素子)とフ
ライホイールダイオードとが各2個ずつ内蔵された公知
の構成を有する。その構成をIGBTモジュール141
3について説明すると、当該モジュール1413の端子
C1は一方の主電源入力端子1401に接続され、端子
E2は他方の主電源入力端子1402に接続されてい
る。また、端子C2及び端子E1は出力端子1403に
接続され、第1の回転電機2000のU相巻線を駆動す
る構成となっている。IGBTモジュール1413と同
様に、IGBTモジュール1414, 1415はそれぞ
れ、第1の回転電機2000のV相巻線及びW相巻線を
駆動する構成となっている。また、IGBTモジュール
1419, 1420,1421はそれぞれ、第2の回転
電機3000のU相巻線、V相巻線及びW相巻線を駆動
する構成となっている。
【0056】さらに、本インバータ装置14には、電流
センサ1416,1417,1422,1423が設け
られている。同電流センサは例えばクランプ型でホール
素子を用いた非接触タイプのセンサからなり、各々に出
力端子1403,1405,1406,1408に流れ
る電流を検出しその検出値を電圧信号で出力する。より
詳細には、電流センサ1416は、第1の回転電機20
00のU相巻線を流れる電流を検出し、電流センサ14
17は、第1の回転電機2000のW相巻線を流れる電
流を検出する。また、電流センサ1422は、第2の回
転電機3000のU相巻線を流れる電流を検出し、電流
センサ1423は、第2の回転電機3000のW相巻線
を流れる電流を検出する。
【0057】一方のゲート駆動部1418は、IGBT
モジュール1413〜1415に内蔵されている個々の
IGBT素子のゲートを駆動する公知の構成を有し、ま
た他方のゲート駆動部1424は、IGBTモジュール
1419〜1421に内蔵されている個々のIGBT素
子のゲートを駆動する公知の構成を有する。
【0058】信号処理部1425は、動力伝達手段12
に内蔵された回転センサ2911の検出信号を処理する
回路からなり、詳細は示さないが約7kHzの正弦波の
励磁信号を接続端子1409から出力する。また、回転
センサ2911からの回転子位置信号(sin信号,c
os信号)を接続端子1409から入力して回転子位置
を求め、この回転子位置の情報を10ビットパラレルで
出力する。また他方の信号処理部1426も同様に、動
力伝達手段12に内蔵された回転センサ2912の検出
信号を処理する回路からなり、回転センサ2912から
の回転子位置信号(sin信号,cos信号)を接続端
子1410より入力して回転子位置を求め、この回転子
位置の情報を10ビットパラレルで出力する。
【0059】制御ユニット1427は、例えば公知のシ
ングルチップマイクロコンピュータを主体として構成さ
れ、通信端子1411から入力される第1のトルク指令
値Mm1*(第1の回転電機2000のトルク指令値)
と、第1の回転電機2000の回転子位置(信号処理部
1425の出力)と、第1の回転電機2000のU相巻
線及びW相巻線を流れる電流(電流センサ1416,1
417の出力)とに基づき、内蔵のROMに記憶されて
いるプログラムにより公知のベクトル制御を実施して第
1の回転電機2000を第1のトルク指令値Mm1*通り
に制御する。また、同じく制御ユニット1427は、通
信端子1411から入力される第2のトルク指令値Mm
2*(第2の回転電機3000のトルク指令値)と、第2
の回転電機3000の回転子位置(信号処理部1426
の出力)と、第2の回転電機3000のU相巻線及びW
相巻線を流れる電流(電流センサ1422,1423の
出力)とに基づき、内蔵のROMに記憶されているプロ
グラムにより公知のベクトル制御を実施して第2の回転
電機3000を第2のトルク指令値Mm2*通りに制御す
る。
【0060】図11及び図12は、インバータ装置14
内の制御ユニット1427内蔵のROMに記憶されてい
る制御プログラムを示すフローチャートであり、これら
のフローはそれぞれメインプログラム及び割り込みプロ
グラムとして制御ユニット1427により実行される。
【0061】図11に図示するメインプログラムは、車
両のiGキースイッチがONされることでスタートす
る。先ずステップS5200では、制御ユニット142
7に内蔵されたRAMに割り付けた変数やスタック及び
入出力ポートなどの汎用レジスタを初期化する。特に、
後述する第1の回転電機2000のd軸電流指令値im
1d* 及びq軸電流指令値im1q* と、第2の回転電機3
000のd軸電流指令値im2d* 及びq軸電流指令値i
m2q* とを「0」に初期化する。
【0062】ステップS5202では、制御ユニット1
427に内蔵された通信ポートのステータスを読み込
み、通信ポートにデータが受信されたか否かを表すフラ
グを取り込む。その後、ステップS5204では、デー
タが受信されたか否かを判別し、データが受信されてい
なければ直接ステップS5212に進む。
【0063】データが受信されていれば、ステップS5
206に進み、受信したデータである第1のトルク指令
値Mm1*及び第2のトルク指令値Mm2*を取り込み、内
蔵RAMの変数領域に格納する。次に、ステップS52
08では、前記ステップS5206にて記憶した第1の
トルク指令値Mm1*に基づき、第1の回転電機2000
の各相巻線に流す電流の指令値としてd軸電流指令値i
m1d* 及びq軸電流指令値im1q* を演算する。このd
軸及びq軸電流指令値im1d* ,im1q* は、図示して
いない公知の回転子の界磁方向とそれに直交する方向と
に座標を設定したd−q軸座標系におけるそれぞれの電
流成分に相当する。このとき、第1のトルク指令値Mm
1*と、前回処理時に演算された第1の回転電機2000
の回転数Nm1 (後述のステップS5216による演算
値)と、ROMに記憶されている第1の回転電機200
0のインダクタンスLや一次抵抗Rなどのモータ定数と
により公知のベクトル演算が実施され、d軸及びq軸電
流指令値im1d* ,im1q* が求められるようになって
いる。
【0064】さらに、ステップS5210では、前記ス
テップS5206にて記憶した第2のトルク指令値Mm
2*に基づき、第2の回転電機3000の各相巻線に流す
電流の指令値としてd軸電流指令値im2d* 及びq軸電
流指令値im2q* を演算する。このd軸及びq軸電流指
令値im2d* ,im2q* は、図示していない公知の回転
子の界磁方向とそれに直交する方向とに座標を設定した
d−q軸座標系におけるそれぞれの電流成分に相当す
る。なお、d軸及びq軸電流指令値im2d* ,im2q*
も公知のベクトル演算により算出されるようになってい
る。
【0065】その後、ステップS5212では、第1の
回転電機2000の回転情報である第1の回転子201
0の回転数Nm1 を信号処理部1425より取り込んで
そのデータを内蔵メモリに格納する。また続くステップ
S5214では、第2の回転電機3000の回転情報で
ある第2の回転子2310の回転数Nm2 を信号処理部
1426より取り込んでそのデータを格納する。
【0066】また、ステップS5216では、前記取り
込んだ回転数Nm1 ,Nm2 から第1の回転電機200
0の回転数Nm1 を新たに算出する。つまり、第1の回
転電機2000は第1の回転子2010と第2の回転子
2310とを含む構成であり、前記ステップS5212
で取り込んだ第1の回転子2010の回転数Nm1 はス
テータ(固定子)3010を基準とした回転数であるこ
とから、次の数式(1)により第1の回転電機2000
の回転数Nm1 が算出される。
【0067】 Nm1 =Nm1 −Nm2 ・・・(1) その後、ステップS5218では、前記ステップS52
16で算出した第1の回転電機2000の回転数Nm1
及び前記ステップS5214で取り込んだ第2の回転電
機3000の回転数Nm2 を通信端子1411からハイ
ブリッド制御装置16に送信する。
【0068】ステップS5220では、第1及び第2の
回転電機2000,3000の電力収支Pmと、インバ
ータ装置14及び回転電機2000,3000間の損失
Pd1,Pd2とを演算する。さらに、ステップS52
22では、車両のiGキースイッチがOFFされたか否
かを判別し、OFFされていなければステップS520
2に戻り、OFFされていれば本プログラムを終了す
る。
【0069】ここで、前記図11のステップS5220
における処理の詳細について、図13のフローチャート
を用いて説明する。図13において、先ずステップSR
5220では、その時の第1及び第2のトルク指令値M
m1*,Mm2*と回転数Nm1 ,Nm2 とに基づき、次の
数式(2)を用いて第1及び第2の回転電機2000,
3000の電力収支Pmを演算する。
【0070】 Pm=Mm1*・Nm1 +Mm2*・Nm2 ・・・(2) 次に、ステップSR5222では、制御ユニット142
7に内蔵のROMのテーブル領域に記憶されている損失
マップを検索して、インバータ装置14及び回転電機2
000,3000間の各々の損失Pd1,Pd2を求め
る。損失マップは、各回転数と各トルクにおける二次元
マップとして設けられている。
【0071】その後、ステップSR5224では、前記
ステップSR5220で求めた第1及び第2の回転電機
2000,3000の電力収支Pmをハイブリッド制御
装置16に送信する。また、続くステップSR5226
では、前記ステップSR5222で求めた損失Pd1,
Pd2をハイブリッド制御装置16に送信し、その後メ
インプログラムに戻る。
【0072】次に、図12に示すフローチャートを用
い、割り込みプログラムを説明する。本割り込みプログ
ラムは、所定の時間間隔のタイマ割り込みで起動する構
成となっており、起動後先ずステップS5300では、
電流センサ1416,1417の出力である第1の回転
電機2000のU相線電流i1u及びW相線電流i1wと、
電流センサ1422,1423の出力である第2の回転
電機3000のU相線電流i2u及びW相線電流i2wとを
読み込み、制御ユニット1427の内蔵RAMの変数領
域に格納する。また、ステップS5302では、第1の
回転電機2000における第1の回転子2010の回転
子位置θ1 及び第2の回転電機3000における第2の
回転子2310の回転子位置θ2 を読み込んで、制御ユ
ニット1427の内蔵RAMの変数領域に格納する。な
おこのとき、第2の回転子2310の回転子位置θ2 は
第2の回転電機3000の回転子位置と同一である。
【0073】その後、ステップS5304では、第1の
回転子2010と第2の回転子2310との相対回転位
置を演算し、その演算結果を第1の回転電機2000の
回転子位置θ1 とする(θ1 =θ1 −θ2 )。
【0074】また、ステップS5306では、図示しな
い公知の回転子の界磁方向とそれに直交する方向とに座
標を設定したd−q軸座標系におけるそれぞれの電流成
分である第1及び第2の回転電機2000,3000の
d軸電流及びq軸電流(i1d,i1q,i2d,i2q)を演
算する。つまり、上記U相線電流i1u及びW相線電流i
1wと回転子位置θ1 とに基づき、第1の回転電機200
0の巻線に流れる三相交流電流をd−q軸座標系のd軸
電流i1d及びq軸電流i1qに変換すると共に、上記U相
線電流i2u及びW相線電流i2wと回転子位置θ2 とに基
づき、第2の回転電機3000の巻線に流れる三相交流
電流をd−q軸座標系のd軸電流i2d及びq軸電流i2q
に変換する。
【0075】次に、ステップS5308では、制御ユニ
ット1427の内蔵RAMの変数領域に格納されている
d軸電流指令値im1d* ,im2d* 及びq軸電流指令値
im1q* ,im2q* と、前記ステップS5306で演算
したd軸電流i1d,i2d及びq軸電流i1q,i2qとに基
づいて、d軸成分とq軸成分毎にそれぞれの電流偏差ε
1d,ε2d,ε1q,ε2qを演算する。
【0076】その後、ステップS5310では、前記ス
テップS5308で演算した電流偏差ε1d,ε1qと第1
の回転電機2000の電気的定数とに基づいて、第1の
回転電機2000に印加する電圧のd−q軸成分である
d軸電圧指令値V1d* 及びq軸電圧指令値V1q* を演算
する。また、同じくステップS5310では、前記ステ
ップS5308で演算した電流偏差ε2d,ε2qと第2の
回転電機3000の電気的定数とに基づいて、第2の回
転電機3000に印加する電圧のd−q軸成分であるd
軸電圧指令値V2d* 及びq軸電圧指令値V2q* を演算す
る。
【0077】ステップS5312では、第1の回転電機
2000のd軸電圧指令値V1d* 及びq軸電圧指令値V
1q* から三相交流の相電圧指令値V1u* ,V1v* ,V1w
* を演算すると共に、第2の回転電機3000のd軸電
圧指令値V2d* 及びq軸電圧指令値V2q* から三相交流
の相電圧指令値V2u* ,V2v* ,V2w* を演算する。そ
して、ステップS5314では、この相電圧指令値V1u
* ,V1v* ,V1w* ,V2u* ,V2v* ,V2w* について
例えば10kHzを変調周波数とするパルス幅変調(P
WM)の演算を行う。そして最後に、ステップS531
6で、制御ユニット1427に内蔵のPWMレジスタ
に、前記ステップS5314での演算結果を書き込んで
本プログラムを終了する。
【0078】次に、ハイブリッド制御装置16の詳細な
構成について図14を用いて説明する。図14におい
て、ハイブリッド制御装置16は、各種センサ等の信号
を入力するための入力端子1600,1601,160
2,1603,1606,1607を有する。より具体
的には、 ・入力端子1600にはアクセルセンサ7が接続されて
おり、アクセル信号が同端子1600に入力される。 ・入力端子1601にはブレーキセンサ8が接続されて
おり、ブレーキ信号が同端子1601に入力される。 ・入力端子1602にはシフトスイッチ9が接続されて
おり、シフト信号が同端子1602に入力される。 ・入力端子1603には始動スイッチ10が接続されて
おり、始動信号が同端子1603に入力される。 ・入力端子1606には電流センサ18が接続されてお
り、蓄電装置15の電流信号が同端子1606に入力さ
れる。 ・入力端子1607には電圧検出器19が接続されてお
り、蓄電装置15の電圧信号が同端子1607に入力さ
れる。
【0079】また、ハイブリッド制御装置16の通信端
子1604,1605にはそれぞれエンジン制御装置1
3及びインバータ装置14が接続されており、制御に必
要な情報を相互に通信できる構成となっている。
【0080】アナログ信号入力部1610は、演算増幅
器を含む公知の電圧増幅回路より構成され、入力端子1
600から入力されるアクセル信号、入力端子160か
ら入力される電流信号、及び入力端子1607から入力
される電圧信号を所定の電圧レベルに増幅する。デジタ
ル信号入力部1620は、比較器或いはトランジスタを
含む公知のデジタル信号入力回路にて構成され、入力端
子1601から入力されるブレーキ信号、入力端子16
02から入力されるシフト信号、及び入力端子1603
から入力される始動信号をTTLレベルの信号に変換す
る。
【0081】ハイブリッド制御装置16の制御を実行す
る制御ユニット1630は、公知のシングルチップマイ
クロコンピュータを主体に構成され、制御プログラムや
データが格納されているROM、演算に必要なRAM、
アナログ信号を取り込むA/Dコンバータ、シリアル通
信機能部などが内蔵されている。この制御ユニット16
30は、前記アナログ信号入力部1610及びデジタル
信号入力部1620に接続されており、前記アクセルセ
ンサ7の検出結果に基づくアクセル開度ACC、前記ブ
レーキセンサ8の検出結果に基づくブレーキ状態BR
K、前記シフトスイッチ9のシフト信号に基づくシフト
位置SFT、及び前記始動スイッチ10のON/OFF
信号に基づく始動状態STAを取り込む。
【0082】通信バッファ回路よりなる通信部164
0,1650は同一の構成からなり、一方の通信部16
40は制御ユニット1630と通信端子1604との間
に設けられ、他方の通信部1650は制御ユニット16
30と通信端子1605との間に設けられている。
【0083】次に、制御ユニット1630に内蔵のRO
Mに格納されている制御プログラムの構成について、図
15〜図21、図23及び図24を用いて説明する。図
15に示すプログラムは、ハイブリッド制御装置16内
の制御ユニット1630により実行されるメインプログ
ラムであり、iGキースイッチが投入されることで起動
する。起動後、先ずステップS5400では初期化が行
われる。この初期化では、制御ユニット1630に内蔵
されている入出力ポートや通信ポートの初期状態の設
定、同じく制御ユニット1630に内蔵されているRA
Mに割り付けられた変数領域のデータの初期設定、並び
にスタックポインタの初期設定などが行われる。
【0084】その後、ステップS5402ではアナログ
信号入力部1610から入力されるアクセル信号をA/
D変換して、変換後の信号をアクセル開度ACCとして
取り込む。次のステップS5404では、デジタル信号
入力部1620から入力されるブレーキ信号に対応する
ブレーキ状態BRKを取り込む。ブレーキ状態BRK
は、ブレーキが操作されると”1”となり、ブレーキが
操作されなければ”0”となるように論理が構成されて
いる。
【0085】また、ステップS5406では、デジタル
信号入力部1620から入力されるシフト信号に対応す
るシフト位置SFTを取り込む。シフト位置SFTは、
4ビットパラレル信号であり、駐車(P)、後退
(R)、中立(N)、前進(D)などの各位置にシフト
スイッチ9が操作されれば、それぞれSFT値が”
1”、”2”、”4”、”8”となるように論理が構成
されている。さらに、ステップS5408では、デジタ
ル信号入力部1620から入力される始動信号に対応す
る始動状態STAを取り込む。始動状態STAは、iG
キースイッチの操作により始動操作されると”1”とな
り、始動操作されなければ”0”となるように論理が構
成されている。
【0086】その後、ステップS5410では、通信部
1650を介してインバータ装置14から第1の回転電
機2000の回転数Nm1 を受信し、続くステップS5
412では、同じく通信部1650を介してインバータ
装置14から第2の回転電機3000の回転数Nm2 を
受信する。さらに、ステップS5414では、回転数N
m2 に基づき下記の数式(3)により車速Vを演算す
る。
【0087】 V=C1 ・Nm2 ・・・(3) 但し、上記数式(3)においてC1 は予め設定されてい
る係数である。その後、ステップS5416〜S543
2では、前記ステップS5406及びS5408で取り
込んだシフト位置SFT及び始動状態STAに基づい
て、車両状態に応じたハイブリッド制御を実施する。
【0088】つまり、ステップS5416では、始動状
態STAが”1”であるか否かを判別し、STA=”
1”であれば、当該ステップを肯定判別してステップS
5418に進む。かかる場合、エンジン始動状態である
ため、ステップS5418で後述するエンジン始動処理
(図16の処理)を実行し、その後ステップS5434
に進む。また、前記ステップS5416で始動状態ST
Aが”0”であれば、当該ステップを否定判別してステ
ップS5420に進む。かかる場合には、エンジン始動
状態でないため、ステップS5420,S5424,S
5428にてシフト位置SFTの判別を行う。
【0089】ここで、ステップS5420では、シフト
位置SFTが”1”であるか否かを判別し、シフト位置
SFTが”1”であれば、同ステップを肯定判別してス
テップS5422に進む。この場合、SFT=”1”で
あることはシフト位置が駐車(P)位置にあることを意
味し、ステップS5422で後述するPレンジの処理
(図18の処理)を実行した後ステップS5434に進
む。また、前記ステップS5420でシフト位置SFT
が”1”でなければ、当該ステップを否定判別してステ
ップS5424に進む。
【0090】ステップS5424では、シフト位置SF
Tが”2”であるか否かを判別し、シフト位置SFT
が”2”であれば当該ステップを肯定判別してステップ
S5426に進む。この場合、SFT=”2”であるこ
とはシフト位置が後退(R)位置にあることを意味し、
ステップS5426で後述するRレンジの処理(図19
の処理)を実行した後ステップS5434に進む。ま
た、前記ステップS5424でシフト位置SFTが”
2”でなければ、当該ステップを否定判別してステップ
S5428に進む。
【0091】ステップS5428では、シフト位置SF
Tが”4”であるか否かを判別し、シフト位置SFT
が”4”であれば当該ステップを肯定判別してステップ
S5430に進む。この場合、SFT=”4”であるこ
とはシフト位置がニュートラル(N)位置にあることを
意味し、ステップS5430で後述するNレンジの処理
(図20の処理)を実行した後ステップS5434に進
む。また、前記ステップS5428でシフト位置SFT
が”4”でなければ、当該ステップを否定判別してステ
ップS5432に進む。
【0092】上記のステップS5420,S5424,
S5428が全て否定判別された場合、シフト位置SF
Tは”8”であるとみなされる。この場合、SFT=”
8”であることはシフト位置が前進(D)位置にあるこ
とを意味し、ステップS5432で後述するDレンジ処
理(図21の処理)を実行した後ステップS5433に
進む。ステップS5433では、後述するシステム状態
検出の処理(図23の処理)を実施する。
【0093】その後、ステップS5434では、iGキ
ースイッチがOFFされているか否かを判別し、OFF
されていなければ(NOの場合)、ステップS5402
に戻って上述の処理を繰り返す。また、iGキースイッ
チがOFFされていれば(YESの場合)、本プログラ
ムを終了する。
【0094】次に、上記図15に示すプログラムにおけ
るステップS5418のエンジン始動処理について、図
16のフローチャートを用いて説明する。このエンジン
始動処理において、先ずステップS5500では車両駆
動トルク指令値Mv* を「0」にクリアすると共に、続
くステップS5502では車両駆動パワー要求値Pv*
に「0FFFFH(16進数)」をセットする。次のス
テップS5504では、前記ステップS5502にてセ
ットした車両駆動パワー要求値Pv* を通信部1640
に出力することでエンジン制御装置13に送信する。さ
らに、ステップS5506では、エンジン制御装置13
に接続されている通信端子1604を経由して通信部1
640からエンジン回転数指令値Ne* を受信する。
【0095】その後、ステップS5508では、第1及
び第2の回転電機2000,3000のトルク指令値で
ある第1及び第2のトルク指令値Mm1*,Mm2*を演算
する。この演算は、図17に示すサブルーチンを呼び出
すことで実行される。さらに、続くステップS5510
では、前記ステップS5508にて演算した第1及び第
2のトルク指令値Mm1*,Mm2*(第1及び第2の回転
電機2000,3000のトルク指令値)を制御ユニッ
ト1630に内蔵の通信ポート及び通信部1650を介
してインバータ装置14に送信する。
【0096】ここで、前記ステップS5508で呼び出
されるサブルーチンを図17に従って説明する。先ずス
テップS5600では、エンジン制御装置13から受信
したエンジン回転数指令値Ne* が「0FFFFH」で
あるか否かを判別する。このステップが肯定判別されれ
ばステップS5606に進み、第1のトルク指令値Mm
1*を「0」に設定した後、ステップS5608に進む。
また、ステップS5600が否定判別されればステップ
S5602に進み、エンジン回転数指令値Ne* と現在
のエンジン回転数Neとに基づいて回転数偏差εi を次
の数式(4)により演算する。
【0097】 εi ={(Ne* −Ne)+C2 ・εi-1 }/(1+C2 ) ・・・(4) 但し、上記数式(4)において、C2 は予め設定されて
いる係数であり、iは演算回数を表す符号である。
【0098】なおここで、現在のエンジン回転数Ne
は、図2に示す第1の回転子2010及びエンジン1の
出力軸2と同一の回転数である。従って、インバータ装
置14から受信した第1及び第2の回転電機2000,
3000のそれぞれの回転数Nm1 及びNm2 に基づ
き、次の数式(5)から現在のエンジン回転数Neが算
出されるようになっている。
【0099】 Ne=Nm1 +Nm2 ・・・(5) 回転数偏差εi の演算後、ステップS5604では、第
1の回転電機2000に指令する第1のトルク指令値M
m1*を次の数式(6)により演算する。
【0100】 Mm1*=Mm1*+K1 ・εi +K2 ・εi-1 +K3 ・εi-2 ・・・(6) 但し、上記数式(6)において、K1 ,K2 ,K3 は予
め設定されている係数である。
【0101】さらに、ステップS5608では、車両駆
動トルク指令値Mv* を用い、第2の回転電機3000
に指令するトルク指令値Mm2*を次の数式(7)により
演算する。
【0102】 Mm2*=Mv* −Mm1* ・・・(7) このトルク指令値Mm2*の演算後、サブルーチンを呼び
出した元のプログラムに戻る。
【0103】次に、前記図15に示すプログラムにおけ
るステップS5422のPレンジ処理(駐車時の処理)
について、図18のフローチャートを用いて説明する。
このPレンジ処理において、先ずステップS5700で
は、車両駆動トルク指令値Mv* を「0」にクリアす
る。次のステップS5702では、車両駆動パワー要求
値Pv* に「0FFFFH(16進数)」をセットす
る。その後、ステップS5704では、前記ステップS
5702にてセットした車両駆動パワー要求値Pv* を
エンジン制御装置13に送信する。
【0104】さらに、ステップS5706では、エンジ
ン制御装置13に接続されている通信ポートからエンジ
ン回転数指令値Ne* を受信する。また、ステップS5
708では、第1及び第2の回転電機2000,300
0の各トルク指令値である第1及び第2のトルク指令値
Mm1*,Mm2*を共に「0」にクリアする。その後、ス
テップS5710では、第1及び第2のトルク指令値M
m1*,Mm2*を制御ユニット1630に内蔵の通信ポー
ト及び通信部1650を介してインバータ装置14に送
信する。
【0105】次に、前記図15に示すプログラムにおけ
るステップS5426のRレンジ処理(後退時の処理)
について、図19のフローチャートを用いて説明する。
このRレンジ処理において、先ずステップS5800で
は車両駆動トルク指令値Mv* を演算する。この演算
は、車速V、アクセル開度ACC、ブレーキ状態BRK
及びシフト位置SFTを入力パラメータとしてマップ検
索により行われる。つまり、制御ユニット1630に内
蔵のROMには、例えば図22(a)に示す特性からな
るマップが記憶保持されている。図22(a)は、シフ
ト位置SFTが”R”レンジの場合の特性であって、車
速V、アクセル開度ACC及びブレーキ状態BRKをパ
ラメータとする車両駆動トルク指令値Mv* の特性を示
す。なお、図22において、車速Vは車両の最高車速で
正規化したものであるが、記憶されているマップ値は車
速Vの絶対値で検索されるようになっている。
【0106】さらに、ステップS5802では、車両駆
動パワー要求値Pv* を演算する。この演算では、係数
Ca 、車両駆動トルク指令値Mv* 及び車速Vに基づ
き、 Pv* =Ca ・Mv* ・V といった数式により車両駆動パワー要求値Pv* が求め
られる。
【0107】その後、ステップS5804では、前記ス
テップS5802にて演算した車両駆動パワー要求値P
v* をエンジン制御装置13に送信する。また、続くス
テップS5806ではエンジン制御装置13に接続され
ている通信ポートからエンジン回転数指令値Ne* を受
信する。さらに、ステップS5808では、第1及び第
2の回転電機2000,3000の各トルク指令値であ
る第1及び第2のトルク指令値Mm1*,Mm2*を演算す
る。この演算は始動処理(前記図16のルーチン)と同
様に、前記図17のサブルーチンを呼び出すことで実施
される。最後に、ステップS5810では、第1及び第
2のトルク指令値Mm1*,Mm2*を制御ユニット163
0に内蔵の通信ポート及び通信部1650を介してイン
バータ装置14に送信する。
【0108】次に、前記図15に示すプログラムにおけ
るステップS5430のNレンジ処理(ニュートラル時
の処理)について、図20のフローチャートを用いて説
明する。このNレンジ処理において、先ずステップS5
900では、車両駆動トルク指令値Mv* を「0」にク
リアし、続くステップS5902では、車両駆動パワー
要求値Pv* に「0FFFFH(16進数)」をセット
する。その後、ステップS5904では、前記ステップ
S5902にてセットした車両駆動パワー要求値Pv*
をエンジン制御装置13に送信する。
【0109】さらに、ステップS5906ではエンジン
制御装置13に接続されている通信ポートからエンジン
回転数指令値Ne* を受信する。また、ステップS59
08では、第1及び第2の回転電機2000,3000
の各トルク指令値である第1及び第2のトルク指令値M
m1*,Mm2*を共に「0」にクリアし、続くステップS
5910では、第1及び第2のトルク指令値Mm1*,M
m2*を制御ユニット1630に内蔵の通信ポート及び通
信部1650を介してインバータ装置14に送信する。
【0110】次に、前記図15に示すプログラムにおけ
るステップS5432のDレンジ処理(前進時の処理)
について、図21のフローチャートを用いて説明する。
このDレンジ処理において、先ずステップS6000で
は車両駆動トルク指令値Mv* を演算する。この演算
は、車速V、アクセル開度ACC、ブレーキ状態BRK
及びシフト位置SFTを入力パラメータとしてマップ検
索により行われる。つまり、制御ユニット1630に内
蔵のROMには、例えば図22(b)に示す特性からな
るマップが記憶保持されている。図22(b)は、シフ
ト位置SFTが”D”レンジの場合の特性であって、車
速V、アクセル開度ACC及びブレーキ状態BRKをパ
ラメータとする車両駆動トルク指令値Mv* の特性を示
す。なお、同図22(b)のマップは、基本的に前記図
22(a)と同様の構造を有する。
【0111】さらに、ステップS6002では、車両駆
動パワー要求値Pv* を演算する。この演算では、係数
Ca 、車両駆動トルク指令値Mv* 及び車速Vに基づ
き、 Pv* =Ca ・Mv* ・V といった数式により車両駆動パワー要求値Pv* が求め
られる。
【0112】その後、ステップS6004では、前記ス
テップS6002にて演算した車両駆動パワー要求値P
v* をエンジン制御装置13に送信する。ステップS6
006ではエンジン制御装置13に接続されている通信
ポートからエンジン回転数指令値Ne* を受信する。さ
らに、ステップS6008では、第1及び第2の回転電
機2000,3000の各トルク指令値である第1及び
第2のトルク指令値Mm1*,Mm2*を演算する。この演
算は、始動処理及びRレンジ処理(前記図16,図19
のルーチン)と同様に、前記図17のサブルーチンを呼
び出すことで行われる。最後に、ステップS6010で
は、第1及び第2のトルク指令値Mm1*,Mm2*を制御
ユニット1630に内蔵の通信ポート及び通信部165
0を介してインバータ装置14に送信する。
【0113】次に、前記図15に示すプログラムにおけ
るステップS5433のシステム状態検出処理につい
て、図23のフローチャートを用いて説明する。このシ
ステム状態検出処理において、先ずステップS6100
では、蓄電装置(メインバッテリ)15の流入出電力
(以下、バッテリ電力Pbという)を演算し、その演算
結果を制御ユニット1630に内蔵のRAMの変数領域
に格納する。Pb値の演算手順については後述する。
【0114】また、ステップS6102では、第1及び
第2の回転電機2000,3000の電力収支Pmをイ
ンバータ装置14より受信し、制御ユニット1630に
内蔵のRAMの変数領域に格納する。続くステップS6
104では、インバータ装置14と第1及び第2の回転
電機2000,3000とにおける絶対損失量Pd1,
Pd2をインバータ装置14より受信し、制御ユニット
1630に内蔵のRAMの変数領域に格納する。
【0115】その後、ステップS6106では、前記ス
テップS6100で取り込んだバッテリ電力Pbと、前
記ステップS6102で取り込んだ各回転電機200
0,3000の電力収支Pmと、前記ステップS610
4で取り込んだ各損失Pd1,Pd2とに基づいて、シ
ステム全体の電力収支(偏差)Pdevを求め、このP
dev値を所定のしきい値Const.1と比較する。すなわ
ち、|Pb−(Pm+Pd1+Pd2)|<Const.1が
成立するか否かを判別する。ここで、上記不等式の左辺
がPdev値に相当する。しきい値Const.1は、電流セ
ンサ18や電圧検出器19などの各種センサの測定誤
差、及びシステムの状態に応じて車両を制御するための
定数であり、その数値は予め設定されている。
【0116】そして、Pdev<Const.1の場合(ステ
ップS6106がYESの場合)、システム全体の電力
収支が適正な状態であるとみなし、前記図15のメイン
プログラムに戻る。
【0117】また、Pdev≧Const.1の場合(ステッ
プS6106がNOの場合)、ステップS6108に進
み、前記ステップS6106で求めたPdev値を所定
のしきい値Const.2と比較する(但し、Const.2>Con
st.1)。すなわち、 |Pb−(Pm+Pd1+Pd2)|<Const.2 が成立するか否かを判別する。ここで、しきい値Cons
t.2は、前記しきい値Const.1と同様に、センサの測定
誤差及びシステムの状態に応じて車両を制御するための
定数であり、その数値は予め設定されている。
【0118】Pdev<Const.2の場合(ステップS6
108がYESの場合)、ステップS6112で警告表
示を行うと共に車両出力の制限を行い、その後、前記図
15のメインプログラムに戻る。すなわち、システムに
重大な故障が発生していないものの、何らかの軽い不具
合が発生していると判断し、バッテリ流入出電力の制
限、第2の回転電機3000の出力トルクの制限などを
実施する。
【0119】また、Pdev≧Const.2の場合(ステッ
プS6108がNOの場合)、ステップS6110に進
み、システムに異常が発生していると判断する。かかる
場合、警告表示を行うと共に、車両停止のための処置を
実施する。そして、制御プログラムを終了する。つま
り、システムに何らかの重大な異常が発生しているとみ
なし、車両を停止させる。
【0120】次に、前記図23に示すプログラムにおけ
るステップS6100のサブプログラムを図24のフロ
ーチャートを用いて説明する。図24において、先ずス
テップS6200ではバッテリ電圧Vbを取り込むと共
に、続くステップS6202ではバッテリ電流Ibを取
り込み、これらVb,Ib値を制御ユニット1630に
内蔵のRAMの変数領域に格納する。また、ステップS
6204では、前記取り込んだVb,Ib値に基づいて
バッテリ電力Pbを求め(Pb=Vb・Ib)、その
後、元の図23のプログラムに戻る。
【0121】なお因みに、本実施の形態では、ハイブリ
ッド制御装置16の制御ユニット1630による図23
の処理が請求項記載のエネルギ収支演算手段及び異常判
定手段に相当する。また、図23の処理で扱われるバッ
テリ電力Pbが「第1の情報」に相当し、電力収支Pm
が「第2の情報」に相当する。
【0122】以上の構成による本実施の形態の動作につ
いて、以下には、(イ)始動状態、(ロ)前進走行状
態、(ハ)後退走行状態、(ニ)システム状態検出に区
分して説明する。
【0123】(イ)始動状態 先ず、始動状態について説明する。さて、図示しないi
Gキースイッチが投入されると、エンジン制御装置1
3、インバータ装置14及びハイブリッド制御装置16
に、図示しない12V〔ボルト〕の補機電池より電源が
供給される。これにより、エンジン制御装置13内の制
御ユニット1306、インバータ装置14内の制御ユニ
ット1427及びハイブリッド制御装置16内の制御ユ
ニット1630がそれぞれのROMに格納した各種プロ
グラムを起動する。
【0124】この始動当初においてエンジン制御装置1
3の動作を前記図4のプログラムを参照して説明すれ
ば、かかる場合には、エンジン1が回転していないため
に空気は吸入されず、その際に取り込まれる吸入空気量
Q並びにその際に演算される回転当たりの吸気量Qoは
共に「0」になる(図4のステップS5002,S50
06)。従って、噴射時間TAUは無効噴射時間Tvの
みとなり(ステップS5010,S5011)、噴射信
号TAUを出力してもエンジン1には燃料が供給されず
(ステップS5014)、エンジン1は停止状態を保持
する。
【0125】また、インバータ装置14では、iGキー
スイッチの投入により前記図11のプログラムが起動さ
れる。そして先ずは、第1及び第2のトルク指令値Mm
1*,Mm2*や電流指令値im1d* ,im2d* ,im1q*
,im2q* が「0」に初期化される(図11のステッ
プS5200)。iGキースイッチ投入直後は外部機器
との通信が行われないため(ステップS5204がN
O)、ステップS5206〜S5210の処理は実行さ
れない。この場合、前記図12のフローチャートで実行
される第1及び第2の回転電機2000,3000のト
ルク制御ではトルクが「0」で制御されることになる。
また、図11のステップS5212,S5214で取り
込まれる回転数Nm1 ,Nm2 も「0」であるため、第
1及び第2の回転電機2000,3000の回転数情報
として、「Nm1 =0」及び「Nm2=0」のデータが
ハイブリッド制御装置16に送信される(ステップS5
218)。
【0126】一方、ハイブリッド制御装置16では、i
Gキースイッチの投入により前記図15のプログラムが
起動される。そして、iGキースイッチの投入に伴い始
動スイッチ10が「ON」になると、始動状態STA
が”0”から”1”に移行し、その始動状態STAが取
り込まれる(図15のステップS5408)。この時点
では、エンジン1は回転しておらず、且つ第1及び第2
の回転電機2000,3000もまた回転していないの
で、インバータ装置14より受信する第1及び第2の回
転電機2000,3000の回転数Nm1 ,Nm2 は共
に「0」となっている(ステップS5410,S541
2)。
【0127】この場合、始動状態STAが”1”になる
と(ステップS5416がYES)、始動処理が実行さ
れる(ステップS5418)。この始動処理では、前記
図16のプログラムにおいて車両駆動トルク指令値Mv
* が「0」に設定されると共に、車両駆動パワー要求値
Pv* が「0FFFFH(16進数)」に設定されてエ
ンジン制御装置13に送信される(ステップS5500
〜S5504)。なお既述した通り、「0FFFFH」
のデータは、エンジン1の始動状態を表す情報であり、
車両駆動パワー要求値そのものの絶対値ではない。
【0128】また、エンジン制御装置13では、前記図
5の割り込みプログラムにおいて受信割込が発生する
と、車両駆動パワー要求値Pv* が受信される(ステッ
プS5100)。このとき、当該Pv* 値がエンジン始
動状態を表すデータであるため(ステップS5102が
YES)、エンジン1が燃焼回転するまではエンジン回
転数Neが所定のアイドル回転数Neidl を越えるか否
かが判別され(ステップS5110)、始動開始当初は
エンジン1は回転していないのでエンジン回転数指令値
Ne* に予めROMに記憶されているエンジン始動回転
数NeSTA が設定されると共に、吸入空気量調節量TH
に「0」が設定される(ステップS5112,S511
4)。また、スロットルアクチュエータ6が制御されて
スロットル弁5が全閉駆動される(ステップS512
2)。さらに、エンジン始動回転数NeSTA がハイブリ
ッド制御装置16に送信される(ステップS512
4)。
【0129】ハイブリッド制御装置16では、図16の
プログラムにおいて、上記のエンジン始動回転数NeST
A をエンジン回転数指令値Ne* として受信し(ステッ
プS5506)、このエンジン回転数指令値Ne* とそ
の時の車両駆動トルク指令値Mv* (Mv* =0)とに
基づき、第1及び第2の回転電機2000,3000の
トルク指令値である第1及び第2のトルク指令値Mm1
*,Mm2*が演算される(ステップS5508)。この
際、図17に示すサブプログラムが呼び出されて演算が
行われ、該演算された第1及び第2のトルク指令値Mm
1*,Mm2*がインバータ装置14に送信される(ステッ
プS5510)。
【0130】上記の如く第1及び第2のトルク指令値M
m1*,Mm2*がインバータ装置14に送信されると、当
該インバータ装置14では、データ受信の旨が確認され
(図11のステップS5204がYES)、第1及び第
2のトルク指令値Mm1*,Mm2*が取り込まれてメモリ
に格納される(ステップS5206)。また、第1の回
転電機2000に通電する電流指令値としてd軸及びq
軸電流指令値im1d*,im1q* が演算されると共に、
第2の回転電機3000に通電する電流指令値としてd
軸及びq軸電流指令値im2d* ,im2q* が演算され、
これら演算値がメモリに格納される(ステップS520
8,S5210)。
【0131】こうして演算された電流指令値im1d* ,
im1q* ,im2d* ,im2q* に基づき、インバータ装
置14では、前記図12に示すプログラムに従って第1
及び第2の回転電機2000,3000が制御される。
さらに、第1及び第2の回転電機2000,3000の
回転数Nm1 ,Nm2 が演算されると共に、当該Nm1
,Nm2 値がハイブリッド制御装置16に送信される
(ステップS5212〜S5218)。
【0132】以上の動作により、エンジン1は第1及び
第2の回転電機2000,3000を制御することで始
動される。そして、エンジン1が燃焼回転し始めると、
エンジン制御装置13においてエンジン回転数Neがア
イドル回転数Neidl を上回ることが判別され(図5の
ステップS5110がYES)、エンジン回転数指令値
Ne* として「0FFFFH」がハイブリッド制御装置
16に送信される。この送信信号を受けて、ハイブリッ
ド制御装置16では、Ne* =0FFFFHである旨が
判別され(図17のステップS5600がYES)、第
1のトルク指令値Mm1*に「0」が設定される。従っ
て、この状態でiGキースイッチの始動スイッチがOF
Fされると、エンジンはアイドル状態で回転し、車両は
停止状態のまま保持されることとなる。
【0133】(ロ)前進走行状態 次に、シフトレバーを”D”レンジに操作した状態、す
なわち前進走行状態について説明する。つまり、シフト
レバーを”D”レンジに操作すると、ハイブリッド制御
装置16にて取り込まれるシフト位置SFTが”8”と
なり、Dレンジの処理が実行される(前記図15のステ
ップS5432)。Dレンジ処理の詳細は前記図21に
示すプログラムが適用される。このとき、アクセル開度
ACCが「0」であれば始動完了後の状態と同じである
が、アクセルペダルが踏み込み操作されると、Dレンジ
処理における車両駆動トルク指令値Mv* がアクセル開
度ACCに応じて増大する(図21のステップS600
0)。この演算は、制御ユニット1630内蔵のROM
のデータ領域に記憶されている図22(b)に示す特性
に基づいて実施される。
【0134】例えば車両が停止している状態からアクセ
ル開度ACCが20%になると(但し、BRK=OF
F)、車両駆動トルク指令値Mv* は最大トルク(Mv
* =1.0)の20%の値になる。また、このDレンジ
処理では、車両駆動トルク指令値Mv* 及び車速Vに応
じて車両駆動パワー要求値Pv* が演算される(ステッ
プS6002)。なお、車両が停止している状態では車
速V=0であるのため車両駆動パワー要求値Pv* は
「0」となる。こうして演算された車両駆動パワー要求
値Pv* がエンジン制御装置13に送信される(ステッ
プS6004)。
【0135】エンジン制御装置13では、前記ハイブリ
ッド制御装置16から送信される車両駆動パワー要求値
Pv* を受信する(図5のステップS5100)。この
とき、Pv* =0であれば、ステップS5102が否定
判別されると共に、ステップS5104が肯定判定され
る。そのため、エンジン回転数指令値Ne* が「0FF
FFH」に設定されると共に、吸入空気量調節量THが
「0」に設定される(ステップS5118,S512
0)。なおこのとき、吸入空気量調節量THが「0」で
制御されるため、エンジン1はアイドル状態のまま維持
される。一方、ハイブリッド制御装置16では、車両が
停止状態で且つエンジン1がアイドル回転状態であるた
め、第1の回転電機2000の回転数Nm1 としてアイ
ドル回転数Neidl が受信されると共に、第2の回転電
機3000の回転数Nm2 として車両停止時の回転数デ
ータ(Nm2 =0)が受信される(図15のステップS
5410,S5412)。
【0136】また、ハイブリッド制御装置16では、D
レンジの詳細プログラムである図21の処理が実行され
るが、この際、当初はエンジン制御装置13より受信し
たエンジン回転数指令値Ne* が「0FFFFH」であ
るため、図21のステップS6008で呼び出される図
17のサブルーチンにおいてステップS5600が肯定
判定される。従って、第1のトルク指令値Mm1*が
「0」に設定されると共に、第2のトルク指令値Mm2*
が車両駆動トルク指令値Mv* と同一の値として設定さ
れる(図17のステップS5606,S5608)。こ
の2つのトルク指令値Mm1*,Mm2*はインバータ装置
14に送信されて同インバータ装置14にて第1及び第
2の回転電機2000,3000がトルク制御される。
つまり、エンジン1はアイドル状態のまま保持され、第
2の回転電機3000の出力トルクのみで車両が発進加
速されることになる。
【0137】そして、車両が発進して車速Vが生じる
と、図21に示すプログラムにおいて、ステップS60
02で演算される車両駆動パワー要求値Pv* が「0」
でなくなり、このパワー要求値Pv* がエンジン制御装
置13に送信される(ステップS6004)。
【0138】エンジン制御装置13では、受信割込みに
より図5に示す割込みプログラムが起動し、前記ハイブ
リッド制御装置16にて演算された車両駆動パワー要求
値Pv* が読み込まれメモリに格納される(ステップS
5100)。このとき、かかる車両の走行状態下では、
図5のステップS5102,S5104が共に否定判定
され、ステップS5106の処理が実施される。つま
り、図8に示すエンジン特性マップを検索することによ
り、前記読み込んだ車両駆動パワー要求値Pv*(図8
の曲線B)からエンジン1が最も効率良くトルクを出力
する動作点(図8の点C)と、その動作点に対応するエ
ンジン回転数指令値Ne* とが決定され、メモリ記憶デ
ータが更新される。
【0139】また、図9に示すエンジン特性マップを検
索することにより、前記動作点(図8の点C)を維持す
るためのスロットル弁5の開度であるスロットル開度目
標値θTH* が決定されると共に、このスロットル開度目
標値θTH* に基づいて吸入空気量調節量THが演算され
てメモリ記憶データが更新される(ステップS510
8)。そして、前記演算した吸入空気量調節量THによ
りスロットルアクチュエータ6が制御されると(ステッ
プS5122)、エンジン1は車両駆動パワー要求値P
v* 通りの出力トルクを発生するようになる(吸入空気
量が適正に調節される)。また、エンジン1の出力トル
クの発生(スロットル制御)と同時に、エンジン回転数
指令値Ne* がハイブリッド制御装置16に送信される
(ステップS5124)。このエンジン回転数指令値N
e* は、例えばアクセル開度が20%増大することで現
在のエンジン回転数Neに比べて増大した値となる。
【0140】上記のエンジン回転数指令値Ne* はハイ
ブリッド制御装置16にて受信される(図21のステッ
プS6006)。ハイブリッド制御装置16では、エン
ジン回転数指令値Ne* に基づいて第1及び第2の回転
電機2000,3000のトルク指令値である第1及び
第2のトルク指令値Mm1*,Mm2*が演算され、このM
m1*値,Mm2*値がインバータ装置14に送信される
(ステップS6008,S6010)。
【0141】このとき、第1及び第2のトルク指令値M
m1*,Mm2*は、既述した通り図17に示すプログラム
に基づき演算される。すなわち、ハイブリッド制御装置
16では、エンジン制御装置13より送信されたエンジ
ン回転数指令値Ne* と、インバータ装置14より受信
した第1及び第2の回転電機2000,3000の各回
転数Nm1 ,Nm2 に基づく実際のエンジン回転数Ne
とから回転数偏差εiが演算され(図17のステップS
5602)、この回転数偏差の今回値εi 、前回値εi-
1 及び前々回値εi-2 から第1の回転電機2000のト
ルク指令値である第1のトルク指令値Mm1*が演算され
る(ステップS5604,数式(6))。
【0142】その後、インバータ装置14では、ハイブ
リッド制御装置16から第1のトルク指令値Mm1*が取
り込まれ(図11のステップS5206)、このMm1*
値に基づいて第1の回転電機2000をトルク制御す
る。このとき、インバータ装置14が第1のトルク指令
値Mm1*にて第1の回転電機2000をトルク制御する
と、エンジン1は第1の回転電機2000を負荷として
回転することになる。かかる場合、エンジン1が車両駆
動パワー要求値Pv* を出力しているので、このパワー
要求値Pv* にバランスするように第1の回転電機20
00は発電をする。
【0143】第1の回転電機2000が発電をすると
き、第1の回転子2010(図2参照)にはエンジン1
を負荷として第2の回転子2310(図2参照)との間
で電磁力Mm1 が作用する。そのため、エンジン1の発
生トルクの反作用トルク(電磁力)Mm1 が第2の回転
子2310に伝達され、さらには減速伝達部4000に
もトルク伝達されることになる。この反作用トルクMm
1 は、第1の回転電機2000のトルク指令値である第
1のトルク指令値Mm1*に等しくなるよう制御される。
【0144】一方、ハイブリッド制御装置16では、車
両駆動トルク指令値Mv* から第1のトルク指令値Mm
1*を差し引いて、第2の回転電機3000のトルク指令
値である第2のトルク指令値Mm2*が演算される(図1
7のステップS5608,数式(7))。そして、この
第2のトルク指令値Mm2*がインバータ装置14に送信
され、当該インバータ装置14では前記Mm2*値に基づ
いて第2の回転電機3000をトルク制御する。
【0145】このとき、ステータ3010と第2の回転
子2310との間で発生するトルクが第2のトルク指令
Mm2*となって当該トルク制御が実施されるため、第2
の回転子2310には第1の回転電機2000のトルク
指令値である第1のトルク指令値Mm1*と第2の回転電
機3000のトルク指令値である第2のトルク指令値M
m2*との合成トルクが作用することになる。すなわち、
車両駆動トルク指令値Mv* と同じトルクが第2の回転
子2310に伝達され、さらには減速伝達部4000に
もトルク伝達される。従って、車両駆動トルク指令値M
v* 通り(Mv* =Mm1*+Mm2*)に車両が駆動され
ることになる。
【0146】上記した車両走行時における電力収支を考
える。かかる場合、次の数式(8)に示すように、エン
ジン1により発生しているトルクMeと、第1の回転電
機2000の発生トルクMm1 とが釣り合う。
【0147】 Me=Mm1 ・・・(8) また、エンジン1が発生している電力Peは、エンジン
回転数Neとエンジン出力トルクMeとから次の数式
(9)に基づき算出される。
【0148】 Pe=C・Ne・Me ・・・(9) 但し、上記数式(9)においてCは予め設定されている
係数である。さらに、第1の回転電機2000の発生電
力Pm1 は、当該第1の回転電機2000の回転数Nm
1 と発生トルクMm1 とから次の数式(10)に基づき
算出される。
【0149】 Pm1 =C・Nm1 ・Mm1 ・・・(10) 但し、上記数式(10)においてCは予め設定されてい
る係数である。ここで、第1の回転電機2000におけ
る第1の回転子2010と第2の回転子2310とは互
いに作用、反作用の関係を有することから、第1の回転
子2010に発生するトルクMm1 と同一のトルクが第
2の回転子2310に発生する。そして、第2の回転子
2310に発生するトルクとエンジン回転数Neにより
求められる電力は、エンジン1の発生電力Peと第1の
回転電機2000の発生電力Pm1 との差であること、
並びに前記数式(8)〜(10)を用いることから次の
数式(11)にて算出できる。
【0150】 Pe−Pm1 =C・(Ne−Nm1 )・Me ・・・(11) 上記数式(11)は、エンジン1が出力するパワーの一
部を第1の回転電機2000にて発電してエネルギを電
気変換すると同時に、エンジン1の出力トルクMeが第
1の回転電機2000を構成する第1の回転子2010
と第2の回転子2310との間で電磁伝達されることを
意味する。さらに、第2の回転電機3000を電動作動
させ、前記数式(7)で演算される第2のトルク指令値
Mm2*に基づくトルクを発生させることで、エンジン1
の回転数とは無関係に、走行に要求される車両駆動トル
ク指令値Mv* が発生する。このとき、第1及び第2の
回転電機2000,3000とそれを駆動するインバー
タ装置14とのエネルギ変換効率を無視すると、第1の
回転電機2000で発電した電力を第2の回転電機30
00に供給することで、蓄電装置15から電力を持ち出
さずにエンジン1で発生したエネルギを走行駆動系に伝
達し、これにより車両が前進走行できるようになる。
【0151】(ハ)後退走行状態 次に、シフトレバーを”R”レンジに操作した状態、す
なわち後退走行状態について説明する。つまり、シフト
レバーを”R”レンジに操作すると、ハイブリッド制御
装置16が取り込むシフト位置SFTが”2”となっ
て、図15のプログラムのステップS5424が肯定判
定され、ステップS5426のRレンジの処理が実行さ
れる。Rレンジの処理の詳細は図19に示すプログラム
が適用される。
【0152】なお、図19のプログラムの概要は、上述
した前進走行時における図21のDレンジ処理と一致す
る(但し、ステップ番号のみが異なる)。つまり、Rレ
ンジ処理では、 ・第2の回転電機3000の回転方向が逆となる、 ・車両駆動トルク指令値Mv* の検索マップの特性とし
て、Dレンジとは異なる図22(a)を用いる、といっ
た点とが相違するだけでそれ以外はDレンジ処理と一致
するため、ここではその説明を省略する。
【0153】(ニ)システム状態検出 バッテリ電力Pbと、第1及び第2の回転電機200
0,3000の電力収支Pmと、インバータ及び回転電
機の損失Pd1,Pd2とから、システム全体の電力収
支Pdevが求められる(次の数式(12))。
【0154】 Pdev=|Pb−(Pm+Pd1+Pd2)| ・・・(12) このPdev値が所定のしきい値と比較される(図23
のステップS6106,S6108)。ここでは、電流
センサ18や電圧検出器19などの各種センサの測定誤
差やシステム状態に応じた車両制御を実現するために、
複数のしきい値が設定されている。具体的には、2つの
しきい値Const.1,Const.2が設定されており、その時
々のPdev値に応じて、システム状態が正常モード、
車両出力制限モード、又は車両停止モードのいずれであ
るかが判定される。
【0155】[正常モード]Pdev<Const.1の場合
(ステップS6106がYESの場合)、システムは正
常であると共にセンサ等の測定誤差が許容範囲内にある
と判断される。かかる場合、現状の車両出力制御がその
まま継続される。
【0156】[車両出力制限モード]Const.1≦Pde
v<Const.2の場合(ステップS6106がNOで且つ
ステップS6108がYESの場合)、システムに重大
な故障が発生していないものの、何らかの軽い不具合が
あると判断される。そして、車両の搭乗者に警告が発せ
られると共に、バッテリ流入出電力の制限、第2の回転
電機3000の出力トルクの制限などが実施される(ス
テップS6112)。例えばセンサゲインが低下して検
出誤差が生じる場合などには当該モードでの異常が判定
される。この場合、車両出力が制限されつつ、当該車両
が路肩や修理工場に退避走行される。
【0157】[車両停止モード]Pdev≧Const.2の
場合(ステップS6108がNOの場合)、バッテリ電
力Pbと、第1及び第2の回転電機2000,3000
における電力収支との偏差が過大であると判断される。
従って、システムに何らかの重大な異常が発生している
とみなされ、車両の搭乗者に警告が発せられると共に、
車両が停止される(ステップS6110)。例えばセン
サの断線時や第1及び第2の回転電機2000,300
0のロック時には、システム全体の電力収支が合わず、
当該モードでの異常が判定される。
【0158】以上詳述した本実施の形態によれば、以下
に示す効果が得られる。 (a)本実施の形態のハイブリッド車制御システムで
は、第1の回転電機2000はエンジン回転数指令値N
e* (目標回転数)に従いその回転数が制御される。こ
のとき、エンジン特性に対応させつつエンジン1の燃費
やエミッションが最良の状態となるエンジン動作点でエ
ンジン1の運転が維持でき、高効率なエンジン作動を実
現することができる。また、こうした構成において、車
両駆動トルクは、第1の回転電機2000に発生するト
ルクと第2の回転電機3000により発生するトルクと
の合計となり、車両運転情報に基づいて適正に制御され
るようになる。このとき、第1の回転電機2000に発
生するトルクはエンジン1の出力トルクとバランスし、
エンジン1の出力トルクは車両駆動トルクの一部として
電磁的に伝達される。そのため、効率の良いエネルギ伝
達が実現できることになる。
【0159】(b)また本実施の形態ではその特徴とし
て、バッテリ電力Pbと各回転電機2000,3000
の電力収支Pmとを比較し、その比較結果からシステム
全体の電力収支Pdev(ハイブリッド制御系における
エネルギ収支)を演算するようにした。そして、該演算
した電力収支Pdevに基づき、システムの異常の有無
を判定するようにした。上記構成によれば、仮に第1及
び第2の回転電機2000,3000や、エンジン1
や、インバータ装置14などが故障したとしても、その
状態がシステム全体の電力収支Pdev(エネルギ収
支)の演算結果として反映される。つまり、電力収支P
devが許容範囲内の適正値であればシステムが正常動
作している旨が判定でき、電力収支Pdevが許容範囲
内の適正値でなければシステムに異常が発生している旨
が判定できる。その結果、システム全体の電力収支Pd
evに基づいて当該システムを適正に監視することがで
き、ひいては蓄電装置15の過放電及び過充電、エンジ
ン1や回転電機2000,3000の制御不良、車両の
不用意な加速などの不具合を解消することができる。
【0160】(c)また、システム全体の電力収支Pd
evを把握するための第1及び第2の情報として、バッ
テリ電力Pbと各回転電機2000,3000の電力収
支Pmと用いた。かかる場合、システム全体の電力収支
Pdevをより適確に、且つ簡便に求めることができ、
異常判定の信頼性が向上する。また上記構成によれば、
インバータ装置14と第1及び第2の回転電機200
0,3000とが一重系の制御システムとして構成され
る場合にも、システム全体の信頼性を向上させることが
できる。
【0161】(d)第1及び第2の回転電機2000,
3000におけるトルク指令値Mm1*,Mm2*と回転数
Nm1 ,Nm2 とに基づき、各回転電機2000,30
00の電力収支Pmを演算するようにした。本構成で
は、システム上の制御演算値の一つである回転電機のト
ルク指令値Mm1*,Mm2*を用いることで、上記異常判
定が簡便に実施できる。またこのとき、トルクセンサ等
の付加的な構成を要することもない。
【0162】(e)第1及び第2の回転電機2000,
3000とインバータ装置14との損失Pd1,Pd2
により、各回転電機2000,3000の電力収支Pm
を補正した。この場合、損失Pd1,pd2を異常判定
に反映させることにより、システムの監視精度を高める
ことができる。また、本構成では、電力収支Pmと損失
Pd1,Pd2との各々の絶対量を同じ次元のデータと
して扱うことができるため、演算負荷の比較的軽い加算
演算にて電力収支Pmが補正でき、演算の簡素化を図る
ことができる。
【0163】(f)またさらに、システムの異常発生の
旨が判定された場合、車両の出力を制限若しくは停止さ
せるようにしたため、異常発生時に車両の走行を適正に
制御することができる。このとき、異常の度合に応じて
車両の出力制限若しくは出力停止を選択的に実施するこ
とにより、最適な車両制御が実現できる。
【0164】(g)また本実施の形態における動力伝達
手段12の構成によれば、その動力伝達手段12の小型
軽量化が可能となるため、車両重量が軽量化されてシス
テム効率を向上させることができる。
【0165】(h)さらに、本制御システムでは、車両
駆動パワー要求量Pv* に応じてエンジンパワーを必要
量だけ出力し、エネルギ伝達過程に際して第1及び第2
の回転電機2000,3000にてエネルギの授受を行
なわせるようにした。そのため、蓄電装置15の充放電
が極力抑制され、車両走行時における蓄電装置15の持
ち出し量が少なくなる。従って、蓄電装置15の小型化
を図ることができ、車両全体の効率が向上する。また、
蓄電装置15の持ち出し量が少なくなるため、蓄電装置
15として電池を用いてもその電池寿命を向上させるこ
とができる。
【0166】(i)さらに、本実施の形態のハイブリッ
ド車制御システムを搭載した自動車は、現在広く利用さ
れている自動車に比較して画期的に低燃費な自動車とし
て実現することができる。
【0167】なお、本発明の実施の形態は、上記以外に
次のように具体化できる。上記実施の形態では、第1及
び第2の回転電機2000,3000の電力収支Pmの
演算に際し(図13のステップSR5220)、第1及
び第2の回転電機2000,3000のトルク指令値M
m1*,Mm2*を用いたが、この構成を変更し、次の
(1)〜(3)に記載の手法にて電力収支Pmを演算す
るようにしてもよい。
【0168】(1)電力収支Pmの演算に際し、次の数
式にて演算したトルク推定値Tを用いる。 T=Pn・{φ+(Ld−Lq)・id}・iq ここで、Pnは回転電機極対数、φは永久磁石の有効磁
束、Ld及びLqは回転電機のd軸,q軸の各インダク
タンス値、id及びiqはd−q電流制御時の回転電機
のd軸,q軸の各電流指令値である(但し、T,id,
iqはベクトル値)。上記トルク推定値Tは、トルク推
定手段を構成するインバータ装置14により演算され、
Pn,φ,Ld,Lqが回転電機定数に相当する。
【0169】そして、上記数式を用いて各回転電機20
00,3000のトルク推定値T1,T2 を個々に求
め、 Pm=T1 ・Nm1 +T2 ・Nm2 といった数式から電力収支Pmを算出する(Nm1 ,N
m2 は各回転電機2000,3000の回転数)。
【0170】(2)インバータ装置14において、2つ
のゲート駆動回路1418,1424の各インバータ出
力電圧と出力電流のd軸及びq軸の指令値を用い、 Pm=V1d* ・im1d* +V1q* ・im1q*+V2d* ・
im2d* +V2q* ・im2q* という数式から電力収支Pmを演算する。すなわち、第
1及び第2の回転電機2000,3000の各ベクトル
値であるV1d* ,V1q* ,V2d* ,V2q* ,im1d* ,
im1q* ,im2d* ,im2q* を用いてPm値が演算さ
れる。
【0171】(3)第1及び第2の回転電機2000,
3000の出力軸に歪みゲージからなるトルクセンサ
(トルク検出手段)を設け、このトルクセンサの検出結
果から電力収支Pmを演算する。上記(1)〜(3)の
構成では、いずれもシステムの監視が適正化できる。ま
た、上記各手法にて得られる演算結果は、実機の運転情
報に相応するものであるため、システムの監視精度が向
上する。
【0172】また、上記実施の形態では、第1及び第2
の回転電機2000,3000とインバータ装置14と
の損失Pd1,Pd2により電力収支Pmを補正し、こ
の補正結果によりシステム全体の電力収支Pdev(ハ
イブリッド制御系のエネルギ収支)を求めたが、この構
成を変更してもよい。例えばインバータ装置14との効
率により回転電機2000,3000の電力を補正し、
この補正結果によりシステム全体の電力収支Pdevを
求めるようにする。ここで、インバータ装置14が各回
転電機2000,3000を駆動する際の効率をηin
v1,ηinv2、第1及び第2の回転電機2000,
3000の効率をηmg1,ηmg2、回転電機電力演
算式による回転電機電力をPmg1,Pmg2、補正電
力をPcorとすれば、次の数式が成立する。
【0173】 Pcor=Pcor1+Pcor2 Pcor1=Pmg1/(ηinv1・ηmg1) (力行時) Pcor1=Pmg1・(ηinv1・ηmg1) (回生時) Pcor2=Pmg2/(ηinv2・ηmg2) (力行時) Pcor2=Pmg2・(ηinv2・ηmg2) (回生時) 但し、ηinv1,ηinv2,ηmg1,ηmg2
は、効率マップにより検索される。上記の如く演算され
たPcor値は、図23のステップS6106,S61
08にて、 |Pb−Pcor|<Const.1 又は、 |Pb−Pcor|<Const.2 の判別に用いられ、その判別結果に応じてシステム異常
(ハイブリッド制御系の異常)の有無が判定される。
【0174】因みに、演算の簡素化のために電力収支P
mの補正自体を実施しないようにしてもよく、かかる場
合には、バッテリ電力Pbと補正前の電力収支Pmとの
差の絶対値が所定のしきい値(Const.1,Const.2)と
比較され、その比較結果から異常の有無が判定される。
【0175】上記実施の形態では、ハイブリッド制御装
置16によるシステム全体の電力収支Pdevの判定に
際し(図23の処理)、2つのしきい値Const.1,Con
st.2を用いたが、この構成を変更してもよい。例えば1
つのしきい値を設定し、システム全体の電力収支Pde
vが当該しきい値を上回ると、退避走行のみができるよ
うに車両出力の制限を行う。また、3つ以上のしきい値
を設定し、異常の度合を多段階(3段階以上)に判定す
る。そして、該判定した異常の度合に応じて車両出力を
多段階に制限する。この場合、しきい値を多段階に設定
するほど、木目細かな車両制御が実現できる。
【0176】バッテリ電力Pb(第1の情報)と各回転
電機2000,3000の電力収支Pm(第2の情報)
とによるシステム全体の電力収支Pdevの判定に際
し、Pb値とPm値との比(=Pb/Pm)を算出し、
その比を所定のしきい値と比較判定するように変更して
もよい。
【0177】上記実施の形態では、異常検出手段を構成
するためのシステム状態検出処理(図15のステップS
5433,図23)をハイブリッド制御装置16にて具
体化したが、この構成を変更してもよい。例えばシステ
ム監視用のマイクロコンピュータを用い、このマイクロ
コンピュータにてシステム状態検出処理を実施するよう
にしてもよい。
【0178】上記実施の形態では、図2に示す構成にて
動力伝達手段12を具体化したが、ドイツ第44076
66号明細書に示す構成や、特開平7−135701号
公報に示す構成であってもよく、これら他の構成の電力
伝達手段でも本発明が適用できる。また、エンジン制御
装置13に吸入空気量調節手段(スロットルアクチュエ
ータ6)の駆動機能を内蔵したが、エンジン制御装置1
3と分離しても本発明の主旨は変わるものではない。
【0179】蓄電装置15として公知の電池を用いた
が、フライホイールバッテリなどでもよいし、或いは電
気二重層キヤパシタでもよいし、或いはそれらの併用で
あってもよい。
【0180】また、エンジン1として直列4気筒のガソ
リン内燃機関を用いたが、気筒数は本発明とは無関係で
あるし、他の内燃機関であってもよい。例えば吸入空気
量制御を必要としないガソリンエンジンや、ディーゼル
エンジンを本発明のハイブリッド車制御システムに適用
してもよい。
【0181】エンジン制御装置13、インバータ装置1
4及びハイブリッド制御装置16の間の情報伝達の方法
として、公知の調歩同期式の通信手段を用いたが、他の
方法であっても本発明の主旨は変わるものではない。ま
た、これら各装置13,14,16のそれ自身の構成や
各装置13,14,16に振り分けられた各種演算は、
既述の構成に限定されるものではなく、適宜変更して具
体化してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態におけるハイブリッド車制御
システムの概要を示す全体構成図。
【図2】動力伝達手段の構成を示す断面図。
【図3】エンジン制御装置の構成を示すブロック図。
【図4】エンジン制御装置による制御のメインプログラ
ムを示すフローチャート。
【図5】エンジン制御装置による制御の割り込みプログ
ラムを示すフローチャート。
【図6】エンジン制御装置に内蔵の吸気温補正係数fT
HAの特性図。
【図7】エンジン制御装置に内蔵の暖機補正係数fWL
の特性図。
【図8】エンジン制御装置が決定するエンジン動作点を
示す特性図。
【図9】エンジン制御装置が決定するスロットル開度目
標値を示す特性図。
【図10】インバータ装置の構成を示すブロック図。
【図11】インバータ装置による制御のメインプログラ
ムを示すフローチャート。
【図12】インバータ装置による制御の割り込みプログ
ラムを示すフローチャート。
【図13】回転電機の電力収支と、インバータ及び回転
電機の損失とを演算するためのサブプログラムを示すフ
ローチャート。
【図14】ハイブリッド制御装置の構成を示すブロック
図。
【図15】ハイブリッド制御装置による制御のメインプ
ログラムを示すフローチャート。
【図16】ハイブリッド制御装置による始動処理プログ
ラムを示すフローチャート。
【図17】ハイブリッド制御装置によるサブプログラム
を示すフローチャート。
【図18】ハイブリッド制御装置によるPレンジプログ
ラムを示すフローチャート。
【図19】ハイブリッド制御装置によるRレンジプログ
ラムを示すフローチャート。
【図20】ハイブリッド制御装置によるNレンジプログ
ラムを示すフローチャート。
【図21】ハイブリッド制御装置によるDレンジプログ
ラムを示すフローチャート。
【図22】ハイブリッド制御装置が決定する車両駆動ト
ルク指令値の特性図。
【図23】ハイブリッド制御装置によるシステム状態検
出プログラムを示すフローチャート。
【図24】バッテリ電力の演算プログラムを示すフロー
チャート。
【符号の説明】
1…エンジン、7…アクセルセンサ、8…ブレーキセン
サ、9…シフトスイッチ、10…始動スイッチ、12…
動力伝達手段(動力変換手段)、13…エンジン制御装
置、14…インバータ装置、15…蓄電装置、16…ハ
イブリッド制御装置、1630…エネルギ収支演算手
段,異常判定手段を構成する制御ユニット、2000…
第1の回転電機、3000…第2の回転電機。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンと、該エンジンに連結され、エン
    ジン回転数を決定するための第1の回転電機及び車両の
    駆動力を決定するための第2の回転電機を含む動力変換
    手段と、前記第1及び第2の回転電機を駆動するための
    インバータ装置と、該インバータ装置に電気的に接続さ
    れた蓄電装置とを備えるハイブリッド車に適用され、 車両運転情報に応じて前記エンジンの出力トルクを制御
    すると共に、そのエンジンのトルク制御量とエンジン特
    性に対応する当該エンジンの目標回転数とに基づいて前
    記第1及び第2の回転電機に発生させる各トルク指令値
    を演算し、該演算したトルク指令値にて各回転電機を制
    御するようにした制御装置であって、 前記蓄電装置に関する第1の情報と、前記第1及び第2
    の回転電機に関する第2の情報とからハイブリッド制御
    系におけるエネルギ収支を演算するエネルギ収支演算手
    段と、 該演算したエネルギ収支に基づき、前記ハイブリッド制
    御系の異常の有無を判定する異常判定手段とを備えるこ
    とを特徴とするハイブリッド車制御装置。
  2. 【請求項2】前記エネルギ収支演算手段は、 前記蓄電装置に流入出する電力を第1の情報として演算
    する手段と、 前記第1及び第2の回転電機における電力収支を第2の
    情報として演算する手段と、 前記蓄電装置に流入出する電力と前記回転電機の電力収
    支とを比較する手段とからなる請求項1に記載のハイブ
    リッド車制御装置。
  3. 【請求項3】前記第1及び第2の回転電機における電力
    収支を、各回転電機における前記トルク指令値と回転数
    とから演算する請求項2に記載のハイブリッド車制御装
    置。
  4. 【請求項4】前記第1及び第2の回転電機における電力
    収支を、トルク検出手段又はトルク推定手段から得られ
    る各回転電機の出力トルク値と回転数とから演算する請
    求項2に記載のハイブリッド車制御装置。
  5. 【請求項5】前記トルク推定手段は、前記第1及び第2
    の回転電機の電流と回転電機定数とから各回転電機の出
    力トルク値を推定するものである請求項4に記載のハイ
    ブリッド車制御装置。
  6. 【請求項6】前記第1及び第2の回転電機における電力
    収支を、各回転電機の電流と電圧とから演算する請求項
    2に記載のハイブリッド車制御装置。
  7. 【請求項7】前記第1及び第2の回転電機と前記インバ
    ータ装置との効率により、各回転電機の電力収支を補正
    する請求項2〜請求項6のいずれかに記載のハイブリッ
    ド車制御装置。
  8. 【請求項8】前記第1及び第2の回転電機と前記インバ
    ータ装置との損失により、各回転電機の電力収支を補正
    する請求項2〜請求項6のいずれかに記載のハイブリッ
    ド車制御装置。
  9. 【請求項9】前記異常判定手段によりハイブリッド制御
    系における異常発生の旨が判定された場合、車両の出力
    を制限若しくは停止させる請求項1〜請求項8のいずれ
    かに記載のハイブリッド車制御装置。
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