JPH11180990A - ホスフィン酸アルケニル及びその製造方法 - Google Patents

ホスフィン酸アルケニル及びその製造方法

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JPH11180990A
JPH11180990A JP9363876A JP36387697A JPH11180990A JP H11180990 A JPH11180990 A JP H11180990A JP 9363876 A JP9363876 A JP 9363876A JP 36387697 A JP36387697 A JP 36387697A JP H11180990 A JPH11180990 A JP H11180990A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 新規なホスフィン酸アルケニル誘導体及びそ
の製造方法を提供する。 【解決手段】 本発明は、分子の末端に炭素−炭素3重
結合を有する化合物と、有機ホスフィン酸とを、遷移金
属触媒の存在下に反応させて、ホスフィン酸アルケニル
誘導体を製造する方法、及び、その方法により製造し得
る新規なホスフィン酸アルケニル誘導体に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬・農薬類、難燃剤
等の合成に用いられる有用な物質であるホスフィン酸ア
ルケニル類、及び、アセチレン化合物とホスフィン酸と
を反応させることからなる新規なその製造法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】ホスフィン酸アルケニル類は、従来ケト
ン類のアルファー位をハロゲン化し、生成アルファーハ
ロケトンとジオルガノホスフィナイトとを反応させるい
わゆるベルコフ反応により合成されている。しかし、本
方法には原料の入手上困難があり、また、生成物に含ま
れないハロゲンを使用し、しかも副反応を伴うため、工
業的に有利な方法とは考えられない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、工業的に入
手容易なアセチレン化合物にホスフィン酸を反応させる
ことからなる、ホスフィン酸アルケニル類の新規かつ効
率的な製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達するために鋭意研究の結果、遷移金属触媒、殊にル
テニウム錯体触媒の存在下において、ホスフィン酸がア
セチレン結合に容易に付加する事実を見いだし、それに
基づいて本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明によれば、アセチレン化
合物にホスフィン酸を反応させることからなるホスフィ
ン酸アルケニル類の新規かつ効率的な製造方法が提供さ
れる。本発明は、分子の末端に炭素−炭素3重結合を有
する化合物と、有機ホスフィン酸とを、遷移金属触媒の
存在下に反応させて、ホスフィン酸アルケニル誘導体を
製造する方法に関する。また、本発明は、分子の末端の
3重結合に有機ホスフィン酸が付加した構造を有する新
規なホスフィン酸アルケニル誘導体に関する。
【0006】本発明において原料の一つとして用いる分
子の末端に炭素−炭素3重結合を有するアセチレン化合
物は、分子の末端に炭素−炭素3重結合を有し、本発明
の化学反応を阻害する官能基を有さないものであれば特
に制限はないが、次の一般式(I)、 R1C CH (I) (式中、R1は置換又は非置換のアルキル基、置換又は
非置換のシクロアルキル基、置換又は非置換のアリール
基、置換又は非置換のアラルキル基、置換又は非置換の
複素環基、置換又は非置換のエステル基、置換又は非置
換のシリル基を示す。)で表されるものが好ましい。ア
ルキル基としては、飽和又は不飽和の直鎖状又は分枝鎖
状のものであり、その炭素数としては1〜30が好まし
く、さらに1〜15程度の低級アルキル基が好ましい。
シクロアルキル基としては、飽和又は不飽和の単環式又
は多環式のものであり、3〜20員環、好ましくは3〜
12員環、さらに好ましくは3〜7員環の単環式、多環
式又は縮合環式のものが好ましい。
【0007】アリール基としては、単環式、多環式又は
縮合環式の六員芳香族環を有するもので、その炭素数と
しては1〜20のものが好ましく、さらには1〜12程
度のものが好ましい。アラルキル基としては、前記した
アルキル基に前記したアリール基が置換したものであ
り、その総炭素数は7〜30が好ましく、さらに7〜1
2程度が好ましい。複素環基としは、窒素原子、酸素原
子又は硫黄原子などからなる異項原子を環系中に1個又
はそれ以上有する、飽和又は不飽和の、好ましくは3〜
10員環、より好ましくは5〜10員環からなる単環
式、多環式又は縮合環式のものが好ましい。エステル基
としては、前記したアルキル基、シクロアルキル基、ア
リール基、アラルキル基又は複素環基でエステル化され
たカルボキシル基が挙げられる。シリル基としては、無
機のシリル基でもよいが、前記したアルキル基、シクロ
アルキル基、アリール基、アラルキル基又は複素環基を
有する有機シリル基が好ましい。また、これらのアルキ
ル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又
は複素環基の置換基としては、アルコキシ基、シアノ
基、ジアルキルアミノ基、シリル基等の官能基が挙げら
れる。R1の具体例としては、フェニル基、ブチル基、
ヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、
ベンジル基、チエニル基等が挙げられる。
【0008】一方、本発明の反応において用いられる有
機ホスフィン酸は、一般式(II)、 R2 2P(O)OH (II) (式中、R2は置換又は非置換のアルキル基、置換又は
非置換のシクロアルキル基、置換又は非置換のアリール
基、置換又は非置換のアラルキル基を示す。)で表され
るものである。R2基としては、前記したアルキル基、
シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基が用
いられる。また、R2基の置換基としては、アルコキシ
基、シアノ基、ジアルキルアミノ基、シリル基等が挙げ
られるが、非置換のものが好ましい。R2の具体例とし
ては、フェニル基、ナフチル基、メチル基、エチル基、
フリル基等が挙げられる。本発明の方法により製造され
るホスフィン酸アルケニル誘導体は、分子の末端に炭素
−炭素2重結合を有し、当該2重結合の分子の内側にホ
スフィン酸類が結合した化合物であり、好ましくは次式
(III)、
【0009】
【化3】
【0010】(式中のR1及びR2は前記したものを示
す。)で示される化合物である。
【0011】本発明の反応は、遷移金属触媒、好ましく
は、錯体触媒、殊にルテニウム錯体触媒の存在下におい
て好ましい速度で進行する。ルテニウム錯体としては種
々の構造のものを用いることが出来るが、好適なもの
は、いわゆる低原子価のルテニウム錯体である。具体的
には、Ru3(CO)12、Ru(cod)(cot)
(cod、cotはそれぞれシクロオクタジエン、シク
ロオクタトリエンを示す)、RuCl2(p−C914
(PPh3)(p−C914はシメンを示す)、RuH2
(CO)(PPh33等が例示される。
【0012】これらのルテニウム錯体の使用量はいわゆ
る触媒量で良く、アセチレン化合物に対して20モル%
以下であり、一般的には5モル%以下で十分である。
【0013】反応は特に溶媒を用いなくてもよいが、必
要に応じて溶媒中で実施することもできる。溶媒として
は、炭化水素系もしくはエーテル系の溶媒が一般的に用
いられる。反応温度は、アセチレン化合物の構造による
が一般には50℃以上に加熱するのが好ましく、通常は
80〜200℃の範囲から選ばれる。本反応の中間体は
酸素に敏感であり、反応の実施は、窒素やアルゴン、メ
タン等の不活性ガス雰囲気で行うのが好ましい。反応混
合物からの精製物の分離は、クロマトグラフィー、蒸留
または再結晶によって容易に達成される。
【0014】
【実施例】本発明を以下の実施例によってさらに具体的
に説明するが、実施態様は実施例に限定されるものでは
ない。
【0015】実施例1 1−オクチン(0.4mmol)、ジフェニルホスフィ
ン酸(0.48mmol)、Ru3(CO)12(1−オ
クチンに対して2.5mol%)、および、トルエン
(3ml)の混合物を、窒素雰囲気下、140℃で5時
間攪拌した。反応液のNMR測定によりジフェニルホス
フィン酸1−オクテン−2−イルが74%の収率で生成
していることが判明した。反応液を濃縮し、カラムクロ
マトグラフイー(ヘキサン−アセトングラディエント、
混合比5:1ないし1:5)により分離精製し、単離収
率88%で純粋なジフェニルホスフィン酸1−オクテン
−2−イルが得られた。本化合物は文献未収載の新規化
合物であり、以下のスペルトルデータが得られた。1 H NMR(300 MHz)δ 7.85−7.7
9(m,4H),7.52−7.40(m,6H),
4.76(s,1H),4.37(s,1H),2.1
6(t,2H,J 7.5Hz),1.51−1.44
(m,8H),0.85(t,3H,J 7.0H
z);13 C NMR(75MHz)δ155.7(JC-P
9.2Hz),132.2(JC-P 2.7),131
・7(JC-P 10.3Hz),128.5(JC-P
3.4Hz),97.6(JC-P 5.2Hz),3
5.3(JC-P 4.3Hz),31.6,28.5,
26.4,22.6,14.1;31P{H} NMR
(121MHz)δ 28.2; GC−MS m/z(相対強度)328(5,M+),
219(100); HRMS:C20252Pとしての計算値:328.1590. 実測値:328.1580.
【0016】実施例2 触媒として、トリルテニウムドデカカルボニルの代わり
にRuCl2(p−C914)(PPh3)(0.01m
mol)を用いて、実施例1と同様に反応させた。反応
液のNMR測定によりジフェニルホスフィン酸1−オク
テン−2−イルが53%の収率で生成していることが判
明した。
【0017】実施例3 触媒として、トリルテニウムドデカカルボニルの代わり
にRuH2(CO)(PPh33(0.01mmol)
を用いて、実施例1と同様に反応させた。反応液のNM
R測定によりジフェニルホスフィン酸1−オクテン−2
−イルが18%の収率で生成していることが判明した。
【0018】実施例4 触媒として、トリルテニウムドデカカルボニルの代わり
に[RhCl(cod)]3(0.01mmol)を用
いて、実施例1と同様に反応させた。反応液のNMR測
定によりジフェニルホスフィン酸1−オクテン−2−イ
ルが10%の収率で生成していることが判明した。
【0019】実施例5 触媒として、トリルテニウムドデカカルボニルの代わり
にRhCl(cod)(PPh3)(0.01 mmo
l)を用いて、実施例1と同様に反応させた。反応液の
NMR測定によりジフェニルホスフィン酸1−オクテン
−2−イルが21%の収率で生成していることが判明し
た。
【0020】実施例6 1−へキシン(0.4mmol)、ジフェニルホスフィ
ン酸(0.48mmol)、RuCl2(p−C914
(PPh3)(1−へキシンに対して2.5mol
%)、および、トルエン(3ml)の混合物を、窒素雰
囲気下、140℃で5時間攪拌した。反応液を濃縮しカ
ラムクロマトグラフィー(ヘキサン−アセトングラディ
エント、混合比5:1ないし1:5)により分離精製
し、単離収率67%で純粋なジフェニルホスフィン酸1
−へキシン−2−イルが得られた。本化合物は文献未収
載の新規化合物であり、以下のスペルトルデータが得ら
れた。1 H NMR(300 MHz)δ 7.86−7.8
0(m,4H),7.53−7.45(m,6H),
4.75(d,1H,JH-P 1.9Hz),4.39
(s,1H),2.17(t,2H,J 7.3H
z),1.53−1.26(m,4H),0.87
(t,3H,J 7.1Hz);13 C NMR(75 MHz)δ 155.7(JC-P
10.0Hz),132.2(JC-P 2.8H
z),131.7(JC-P 10.3Hz),128.
5(JC-P 13.4Hz),97.5(JC-P 5.2
Hz),35.0(JC-P 4.2Hz),28.5,
21.9,13.8;31 P{H} NMR(121 MHz)δ 28.3; GC−MS m/z(相対強度)300(11,M
+),219(100); HRMS:C18212Pとしての計算値:300.1278. 実測値:300.1278.
【0021】実施例7 フェニルアセチレン(0.4mmol)、ジフェニルホ
スフイン酸(0.48mmol)、Ru3(CO)
12(フェニルアセチレンに対して2.5mol%)、お
よび、トルエン(3ml)の混合物を、窒素雰囲気下、
140℃で5時間攪拌した。反応液を濃縮しカラムクロ
マトグラフィー(ヘキサン−アセトングラディエント、
混合比5:1ないし1:5)により分離精製し、単離収
率70%で純粋なジフェニルホスフィン酸1−フェニル
エテン−1−イルが得られた。
【0022】実施例8 3−フェニル−1−プロピン(0.4mmol)、ジフ
ェニルホスフィン酸(0.48mmol)、Ru3(C
O)12(3−フェニル−1−プロピンに対して2.5m
ol%)、および、トルエン(3ml)の混合物を、窒
素雰囲気下、140℃で5時間攪拌した。反応液を濃縮
しカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−アセトングラ
ディエント、混合比5:1ないし1:5)により分離精
製し、単離収率79%で純粋なジフェニルホスフィン酸
3−フェニル−1−プロペン−2−イルが得られた。本
化合物は文献末収載の新規化合物であり、以下のスペル
トルデータが得られた。1 H NMR(300 MHz)δ 7.83−6.4
8(m,15H),4.88(s,1H),4.41
(s,1H),3.48(s,2H);13 C NMR(75 MHz)δ 154,9(JC-P
9.5Hz),136.8,132.2(JC-P
2.8Hz),131.6(JC-P 1O.4Hz),
129.4,128.5,128.4(JC-P 13.
4Hz),126.9,99.0(JC-P 5.1H
z),42.0(JC-P 4.7Hz);31 P{H} NMR(121 MHz)δ 28.7; GC−MS m/z(相対強度)334(0.4,M
+),219(100); HRMS:C21192Pとしての計算値:334.1121. 実測値:334.1116.
【0023】実施例9 5−へキシノニトリル(0.4mmol)、ジフェニル
ホスフィン酸(0.48mmol)、Ru3(CO)12
(5−へキシノニトリルに対して2.5mol%)、お
よび、トルエン(3ml)の混合物を、窒素雰囲気下、
140℃で5時間攪拌した。反応液を濃縮しカラムクロ
マトグラフィー(ヘキサン−アセトングラディエント、
混合比5:1ないし1:5)により分離精製し、単離収
率82%で純粋なジフェニルホスフィン酸5−シアノ−
1−ペンテン−2−イルが得られた。本化合物は文献未
収載の新規化合物であり、以下のスペルトルデー夕が得
られた。1 H NMR(300 MHz)δ 7.87−7.8
2(m,4H),7.53−7.42(m,6H),
4.75(d,1H,JH-P 1.7Hz),4.39
(s,1H),2.17(t,2H,J 7.4H
z),1.49(t,2H,J 7.3Hz),1.3
6−1.26(m,2H);13 C NMR(75 MHz)δ 152.9(JC-P
9.5Hz),132.5(JC-P 2.9Hz),
131.6(JC-P 10.3Hz),128.6(J
C-P 13.4Hz),119.3,99.7(JC-P
5.3Hz),34.0(JC-P 4.2Hz),2
2.2,16.0;31 P{H} NMR(121 MHz)δ 28.3; GC−MS m/z(相対強度)311(3,M+),
201(100); HRMS:C1818NO2Pとしての計算値:311.1074. 実測値:311.1066.
【0024】実施例10 シクロヘキセン−1−イルエチン(0.4mmol)、
ジフェニルホスフィン酸(0.48mmol)、Ru3
(CO)12(シクロヘキセン−1−イルエチンに対して
2.5mol%)、および、トルエン(3ml)の混合
物を、窒素雰囲気下、140℃で5時間攪拌した。反応
液を濃縮しカラムクロマトグラフイー(ヘキサン−アセ
トングラディエント、混合比5:1ないし1:5)によ
り分離精製し、単離収率65%で純粋なジフェニルホス
フィン酸シクロヘキセン−1−イルエテン−1−イルが
得られた。本化合物は文献未収載の新規化合物であり、
以下のスペルトルデータが得られた。1 H NMR(300 MHz)δ 7.88−7.8
1(m,4H),7.52−7.43(m,6H),
6.31(bs,1H),4.88(s,1H),4.
61(s,1H),2.39−1.58(m,8H);13 C NMR(75 MHz)δ 153.6(JC-P
9.0Hz)132.2(JC-P 2.8Hz),1
31.6(JC-P 10.3Hz),131.5(JC-P
10.2Hz),128.5(JC-P 13.4H
z),97.0(JC-P 4.8Hz),25.4,2
4.7,22.4,21.8;31 P{H} NMR(121 MHz)δ 29.1; GC−MS m/z(相対強度)324(3,M+),
219(100); HRMS:C20212Pとしての計算値:324.1278. 実測値:324.1273.
【0025】実施例11 ノナ−1,8−ジイン(0.4mmol)、ジフェニル
ホスフイン酸(0.9mmol)、Ru3(CO)
12(ノナ−1,8−ジインに対して5mol%)、およ
び、トルエン(3ml)の混合物を、窒素雰囲気下、1
40℃で5時間攪拌した。反応液を濃縮し力ラムクロマ
トグラフィー(ヘキサン−アセトングラディエント、混
合比5:1ないし1:5)により分離精製し、単離収率
86%で純粋な2,8−ビス(ジフェニルホスフィニロ
キシ)−ノナ−1,8−ジエンが得られた。本化合物は
文献未収載の新規化合物であり、以下のスペルトルデー
タが得られた。1 H NMR(300 MHz)δ 7.85−7.7
8(m,8H),7.51−7.43(m,12H),
4.74(s,1H)4.36(S,1H),2.14
(t,4H,J 7.0Hz),1.51−1.26
(m,6H);13 C NMR(75 MHz)δ 155.5(JC-P
9.7Hz),132.3(JC-PP 2.7H
z),131.7(JC-P 10.3Hz),128.
5(JC-P 13.3Hz),97.9(JC-P 5.2
Hz),35.2(JC-P 4.3Hz),28.1,
16.2;31 P{H} NMR(121 MHz)δ 28.2; HRMS:C333442としての計算値:556.1930. 実測値:556.1925.
【0026】
【発明の効果】本発明の方法により、医薬・農薬、難燃
剤等の合成に有用なホスフィン酸アルケニル類を、入手
容易なホスフィン酸とアセチレンから効率的かつ安全に
製造でき、その分離精製も容易である。従って、本発明
は工業的に多大の効果をもたらす。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子の末端に炭素−炭素3重結合を有す
    る化合物と、有機ホスフィン酸とを、遷移金属触媒の存
    在下に反応させて、ホスフィン酸アルケニル誘導体を製
    造する方法。
  2. 【請求項2】 錯体触媒の存在下において、一般式
    (I) R1C CH (I) (式中、R1は置換又は非置換のアルキル基、置換又は
    非置換のシクロアルキル基、置換又は非置換のアリール
    基、置換又は非置換のアラルキル基、置換又は非置換の
    複素環基、置換又は非置換のエステル基、置換又は非置
    換のシリル基を示す。)で表されるアセチレン化合物
    を、一般式(II) R2 2P(O)OH (II) (式中、R2は置換又は非置換のアルキル基、置換又は
    非置換のシクロアルキル基、置換又は非置換のアリール
    基、置換又は非置換のアラルキル基を示す。)で表され
    るホスフィン酸と反応させることを特徴とする一般式
    (III) 【化1】 (式中、R1、R2は、前記一般式(I)、(II)で示さ
    れるものと同じ。)で表されるホスフィン酸アルケニル
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 錯体触媒としてルテニウム錯体を用いる
    請求項1の方法。
  4. 【請求項4】 一般式(III) 【化2】 (式中、R1は置換又は非置換のアルキル基、置換又は
    非置換のシクロアルキル基、置換又は非置換のアリール
    基、置換又は非置換のアラルキル基、置換又は非置換の
    複素環基、エステル基、置換又は非置換のシリル基を示
    し、R2は置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置
    換のシクロアルキル基、置換又は非置換のアリール基、
    置換又は非置換のアラルキル基を示す。)で表されるホ
    スフィン酸アルケニル。
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