JPH11178591A - B型肝炎ワクチン - Google Patents

B型肝炎ワクチン

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JPH11178591A JP10269188A JP26918898A JPH11178591A JP H11178591 A JPH11178591 A JP H11178591A JP 10269188 A JP10269188 A JP 10269188A JP 26918898 A JP26918898 A JP 26918898A JP H11178591 A JPH11178591 A JP H11178591A
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    • C12N2730/10011Hepadnaviridae
    • C12N2730/10111Orthohepadnavirus, e.g. hepatitis B virus
    • C12N2730/10122New viral proteins or individual genes, new structural or functional aspects of known viral proteins or genes

Abstract

(57)【要約】 【課題】 “エスケープ突然変異体(escape mutant) ”
の出現による問題を解決するために使用されるDNA組
成物、発現ベクター、診断検出用キット及び抗体調製物
を提供する。 【解決手段】 変異型B型肝炎表面抗原(vHBsA
g)タンパク質またはその断片はS(HBs)タンパク
質の145番目のアミノ酸がアルギニンであるHBsタ
ンパク質の修飾される“a”決定基からなり、該vHB
sAgは野生型のS(HBsAg)タンパク質の抗原性
とは異なる抗原性を発揮し、さらに、DNAは適当な担
体または希釈剤との混合物の形態を有する、変異型B型
肝炎表面抗原(vHBsAg)タンパク質またはその断
片をコード化するDNA配列からなる組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、B型肝炎ウィルス
の抗原の特異性を有するポリペプチドをコード化する組
換えDNA配列からなるDNA組成物、および当該DN
A配列からなる発現ベクターに関するものである。
【0002】さらに詳しく述べると、本発明は、このよ
うなポリペプチドからなるB型肝炎ウィルスの変異体に
対する抗体のin vitroでの診断検出用のキッ
ト、および当該抗体からなるヒトのB型肝炎の感染の予
防または治療に使用される抗体調製物に関するものであ
る。
【0003】
【従来の技術】B型肝炎ウィルス(HBV)による感染
は重篤であり、世界中の問題であるが、集団免疫に使用
できるワクチン、例えば、遺伝子操作技術によって得ら
れる製品「エンゲリックス−B(Engerix-B) 」(スミス
クライン ビーカム ピーエルシー(SmithKline Beecha
m p.l.c.) )が現在利用されている。
【0004】様々な血清型のB型肝炎のビリオンのゲノ
ムのクローニングは、当該分野において良く知られてい
る;ミラー(Miller)ら、ヘパトロジー(Hepatology)、9
巻(1989年)、ページ322および上記文献中の引
用文を参照。B型肝炎のビリオンであり、感染した患者
より単離できるデーン粒子は、約42nmの直径を有す
る。それぞれは、B型肝炎表面抗原(HBsAg)から
なるエンベロープ、カプシド(HBcAg)、内因性の
ポリメラーゼおよびDNAゲノムから構成される。第三
のポリペプチド、“e”抗原(HBeAg)は、B型肝
炎ウィルスによって作製され、血清中で可溶化した状態
で発見される。
【0005】HBVに対する市販のワクチンは、天然の
または組換え体のいずれかの形態のB型肝炎ウィルス表
面抗原(HBsAg)からなる。本来のB型肝炎ウィル
スの表面抗原はP24及びその配糖化された誘導体であ
るGP28として知られている2つのタンパク質から構
成される約22nmの粒子として感染した人の血漿から
回収でき、これら2つのタンパク質は両方ともSタンパ
ク質コーディング配列又はHBV S−遺伝子として知
られているHBVゲノム上の226アミノ酸のコーディ
ング配列によってコード化される;チオライス(Tiollai
s)ら、ネイチャー(Nature)、317巻(1985年)、
ページ489およびこの文献中の引用文を参照。HBs
Agの完全なアミノ酸配列、およびHBsAgをコード
化するヌクレオチド配列は、ヴァレンチュエラ(Valenzu
ela)ら、ネイチャー(Nature)、280巻(1979
年)、ページ815に記載されている。ヌクレオチドお
よびアミノ酸の位置を定義するためにチオライス(Tioll
ais)ら(上記引用文(loc. cit.))によって使用されて
いる数のつけ方を本明細書中で使用する。
【0006】ワクチンを製造するためにサッカロミセス
セレビジエ(S. cerevisiae) においてHBsAgを発
現できる発現ベクター上への酵母のプロモーターの制御
下におけるHBV S遺伝子のコーディング配列の挿入
は、例えば、ハーフォード(Harford) ら、デベロップ
バイオロ スタンダード(Develop. Biol. Standard.)、
54巻における:ページ125(1983 年)、ヴァ
レンチュエラ(Valenzuela)ら、ネイチャー(Nature)、2
98巻、ページ347(1982年)およびビター(Bit
ter)ら、ジェー メド ヴィロル(J. Med. Virol.)、2
5巻、ページ123(1988年)によって記載されて
いる。また、ピチア パストリス(Pichia pastoris) に
おける発現もまた、グレッグ(Gregg) ら、バイオテクノ
ロジー(Biotechnology) 、5巻(1987年)、ページ
479(また、欧州特許出願公開番号0226846号
を参照)によって記載されており、ハンセンヌラ ポリ
モルファ(Hansenula polymorpha)における発現もある
(EP−A−0299108号参照)。
【0007】また、ワクチンが、欧州特許出願公開番号
0278940号に記載されているように、HBsAg
タンパク質からなるハイブリッド免疫抗原性粒子から調
製される。
【0008】このような粒子は、例えば、本明細書中で
はプレSコーディング配列(Pre S coding sequence) と
称される、HBVゲノム上のHBV−S遺伝子のすぐ前
にあるコーディング配列によってコード化されるHBs
Ag前駆体タンパク質の全部または一部を有することが
できる。プレSコーディング配列(Pre S coding sequen
ce) は、通常、(ay HBVサブタイプ(ay HBV sub
type) の場合では)163アミノ酸をコードしており、
プレS1コーディング配列(Pre S1 coding sequence)お
よびプレS2コーディング配列(Pre S2 coding sequenc
e)からなる。後者は55アミノ酸をコードしており、S
タンパク質コーディング配列のすぐ前にある(さらなる
詳細についてはEP−A−0278940号を参照)。
【0009】HBVの抗原性サブタイプ(subtype) は、
血清学的に定義されており、HBsAgをコード化する
ゲノム領域において1塩基変化することによるものであ
ることが示されている(オカモト(Okamoto) ら、ジェー
ヴィロル(J. Virol.) 、1987年、74巻、ページ
5463〜5467)。しかしながら、すべての既知の
抗原性サブタイプ(subtype) は、HBsAgの124か
ら147番目のアミノ酸からなる“a”決定基を有して
いる。“a”決定基に対する抗体は、すべてのサブタイ
プ(subtype) に対する保護を与える。147番目のシス
テインおよび142番目のプロリンが“a”決定基の抗
原性を十分発揮するのに重要であることが、in vi
troの突然変異誘発によって示された(アシュトン(A
shton)ら、ジェー メド ヴィロル(J. Med. Virol.)、
1989年、29巻、ページ196)。
【0010】最近の10年間で、B型肝炎ウィルス(H
BV)の様々な推定された変異体が記載されてきた。
【0011】マック マホーン(Mac Mahon) らは、HB
sAgのドメインに結合する推定されたモノクローナル
抗体におけるグリシンからアルギニンへの置換が、抗H
BsAgモノクローナル抗体で処置された肝臓移植患者
において見つかった(DNA配列分析によって推論され
た)ことを報告した(コールド スプリング ハーバー
シンポジウム オン ザ モレキュラー バイオロジ
ー オブ ヘパティティス ビー ウィルセス(Cold Sp
ring Harbor Symposium on the Molecular Biology of
Hepatitis B viruses)、1989年9月)。しかしなが
ら、この結果は、変異型HBsAgアミノ酸配列を合成
するまたはこれに基づいたワクチン組成物を開発する誘
因にはならない。
【0012】他の報告では、2つの認可されたB型肝炎
ワクチンのうちの1つで免疫処置した後特異的な抗体
(抗HBs)が存在するにもかかわらず、ウィルスの複
製を示す、B型肝炎表面抗原が循環している子供および
大人が見つかった(ザネッティ(Zanetti) ら、ランセッ
ト(Lancet)、1988年11月、ページ1132)。モ
ノクローナル抗体によるHBsAgの分析によって、循
環している抗原は“a”決定基を有していないまたはこ
の決定基はマスクされていることが分かった。感染が風
土病である地域において免疫処置に関連した疫学的圧力
によって恐らくB型肝炎ウィルスの変異体の出現が検出
されることが結論付けられた。しかしながら、変異体の
特性はさらに明らかにされなかった。
【0013】ザネッティ(Zanetti) らの研究から、現在
使用されているB型肝炎ワクチンの潜在的な欠点は、こ
れらのワクチンが、少なくとも免疫遺伝学的体質を前か
ら有する宿主においては、“エスケープ突然変異体(esc
ape mutant) ”、つまり、免疫性を中和しないように突
然変異された複製感染ウィルスを出現させる原因になる
ことであることが明らかにされた。このような変異型ウ
ィルスは明らかに疾患を引き起こす能力を有し、感染性
があると考えられる。したがって、この変異型ウィルス
は、正常なHBsAgを基礎としたワクチンによって産
生される抗体によって効果的に中和されないため、重大
な免疫性の問題が生じる可能性がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、既知のHBVワクチンに関連した上記の欠点を解決
するまたは少なくとも軽減する組成物、発現ベクター、
診断検出用キット、および抗体調製物を提供することを
目的とするものである。
【0015】また、本発明は、ウィルスのHBsAgの
“a”決定基が修飾を受けた上記した“エスケープ突然
変異体(escape mutant) ”の出現による問題を解決する
ために使用される組成物、発現ベクター、診断検出用キ
ット、および抗体調製物を提供することをも目的とする
ものである。
【0016】さらに、本発明は、145番目がグリシン
以外のアミノ酸であるHBsAgアミノ酸配列において
修飾された“a”決定基を有するように本明細書中で規
定された変異型HBVに対して保護する、および上記変
異型HBVの出現または伝達を防ぐために使用できる組
成物、発現ベクター、診断検出用キット、および抗体調
製物を提供することをも目的とするものである。
【0017】さらにまた、本発明は、B型肝炎の感染の
予防または治療に使用される組成物、発現ベクター、お
よび抗体調製物を提供することをも目的とするものであ
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記諸目的は、以下の
(1)〜(28)によって達成される。
【0019】(1) 変異型B型肝炎表面抗原(vHB
sAg)タンパク質またはその断片はS(HBs)タン
パク質の145番目のアミノ酸がアルギニンであるHB
sタンパク質の修飾される“a”決定基からなり、該v
HBsAgは野生型のS(HBsAg)タンパク質の抗
原性とは異なる抗原性を発揮し、さらに、DNAは適当
な担体または希釈剤との混合物の形態を有する、変異型
B型肝炎表面抗原(vHBsAg)タンパク質またはそ
の断片をコード化するDNA配列からなる組成物。
【0020】(2) 前記vHBsAgタンパク質また
はその断片は145番目のアミノ酸が変更された以外は
野生型のHBsAgと同じである、前記(1)に記載の
組成物。
【0021】(3) 前記145番目のアミノ酸は14
5番目の点突然変異コドンがアルギニンをコードするよ
うな野生型のHBsAgにおける145番目のグリシン
をコードするGGAコドンにおける点突然変異によって
誘導でき、かつ該点突然変異コドンはAGA、CGA、
CGC、CGG、CGT及びAGGからなる群より選ば
れる、前記(1)または(2)に記載の組成物。
【0022】(4) 前記vHBsAgタンパク質また
はその断片は野生型のHBsAg配列の145番目以外
の位置の少なくとも一のアミノ酸残基の変更または付加
を起こす点突然変異または挿入が存在するvHBsAg
の配列を有する、前記(1)から(3)のいずれかに記
載の組成物。
【0023】(5) 前記vHBsAgはプレSコーデ
ィング配列を含む、前記(1)から(4)のいずれかに
記載の組成物。
【0024】(6) 前記プレSコーディング配列はプ
レS1コーディング配列である、前記(5)に記載の組
成物。
【0025】(7) 前記プレSコーディング配列はプ
レS2コーディング配列である、前記(5)に記載の組
成物。
【0026】(8) 変異型B型肝炎表面抗原(vHB
sAg)タンパク質またはその断片はS(HBs)タン
パク質の145番目のアミノ酸がアルギニンであるHB
sタンパク質の修飾される“a”決定基からなり、該v
HBsAgは野生型のS(HBsAg)タンパク質の抗
原性とは異なる抗原性を発揮する、変異型B型肝炎表面
抗原(vHBsAg)タンパク質またはその断片をコー
ド化するDNA配列からなる発現ベクター。
【0027】(9) 前記vHBsAgタンパク質また
はその断片は145番目のアミノ酸が変更された以外は
野生型のHBsAgと同じである、請求項8に記載の発
現ベクター。vHBsAgタンパク質またはその断片は
145番目のアミノ酸が変更された以外は野生型のHB
sAgと同じである、前記(8)に記載の発現ベクタ
ー。
【0028】(10) 前記145番目のアミノ酸は1
45番目の点突然変異コドンがアルギニンをコードする
ような野生型のHBsAgにおける145番目のグリシ
ンをコードするGGAコドンにおける点突然変異によっ
て誘導でき、かつ該点突然変異コドンはAGA、CG
A、CGC、CGG、CGT及びAGGからなる群より
選ばれる、前記(8)または(9)に記載の発現ベクタ
ー。
【0029】(11) 前記vHBsAgタンパク質ま
たはその断片は野生型のHBsAg配列の145番目以
外の位置の少なくとも一のアミノ酸残基の変更または付
加を起こす点突然変異または挿入が存在するvHBsA
gの配列を有する、前記(8)から(10)のいずれか
に記載の発現ベクター。
【0030】(12) 前記vHBsAgはプレSコー
ディング配列を含む、前記(8)から(11)のいずれ
かに記載の発現ベクター。
【0031】(13) 前記プレSコーディング配列は
プレS1コーディング配列である、前記(12)に記載
の発現ベクター。
【0032】(14) 前記プレSコーディング配列は
プレS2コーディング配列である、前記(12)に記載
の発現ベクター。
【0033】(15) 以下からなる、生物培養液にお
ける変異型B型肝炎表面抗原(vHBsAg)タンパク
質またはその断片に対する抗体のin vitroでの
診断検出用のキット: (a) 変異型B型肝炎表面抗原(vHBsAg)タン
パク質またはその断片はS(HBs)タンパク質の14
5番目のアミノ酸がアルギニンであるHBsタンパク質
の修飾される“a”決定基からなり、該vHBsAgは
野生型のS(HBsAg)タンパク質の抗原性とは異な
る抗原性を発揮する、変異型B型肝炎表面抗原(vHB
sAg)タンパク質またはその断片の配列を有する血液
産物を含まない実質的に純粋なタンパク質;および
(b) 抗原抗体反応を検出する手段。
【0034】(16) 前記vHBsAgタンパク質ま
たはその断片は145番目のアミノ酸が変更された以外
は野生型のHBsAgと同じである、前記(15)に記
載のキット。
【0035】(17) 前記145番目のアミノ酸は1
45番目の点突然変異コドンがアルギニンをコードする
ような野生型のHBsAgにおける145番目のグリシ
ンをコードするGGAコドンにおける点突然変異によっ
て誘導でき、かつ該点突然変異コドンはAGA、CG
A、CGC、CGG、CGT及びAGGからなる群より
選ばれる、前記(15)または(16)に記載のキッ
ト。
【0036】(18) 前記vHBsAgタンパク質ま
たはその断片は野生型のHBsAg配列の145番目以
外の位置の少なくとも一のアミノ酸残基の変更または付
加を起こす点突然変異または挿入が存在するvHBsA
gの配列を有する、前記(15)から(17)のいずれ
かに記載のキット。
【0037】(19) 前記vHBsAgはプレSコー
ディング配列を含む、前記(15)から(18)のいず
れかに記載のキット。
【0038】(20) 前記プレSコーディング配列は
プレS1コーディング配列である、前記(19)に記載
のキット。
【0039】(21) 前記プレSコーディング配列は
プレS2コーディング配列である、前記(19)に記載
のキット。
【0040】(22) 変異型B型肝炎表面抗原(vH
BsAg)タンパク質またはその断片はS(HBs)タ
ンパク質の145番目のアミノ酸がアルギニンであるH
Bsタンパク質の修飾される“a”決定基からなり、該
vHBsAgは野生型のS(HBsAg)タンパク質の
抗原性とは異なる抗原性を発揮する、変異型B型肝炎表
面抗原(vHBsAg)タンパク質またはその断片に対
して生じるまたはを検出する抗体からなるヒトのB型肝
炎の感染の診断、予防または治療に使用される抗体調製
物。
【0041】(23) 前記vHBsAgタンパク質ま
たはその断片は145番目のアミノ酸が変更された以外
は野生型のHBsAgと同じである、前記(22)に記
載の抗体調製物。
【0042】(24) 前記145番目のアミノ酸は1
45番目の点突然変異コドンがアルギニンをコードする
ような野生型のHBsAgにおける145番目のグリシ
ンをコードするGGAコドンにおける点突然変異によっ
て誘導でき、かつ該点突然変異コドンはAGA、CG
A、CGC、CGG、CGT及びAGGからなる群より
選ばれる、前記(22)または(23)に記載の抗体調
製物。
【0043】(25) 前記vHBsAgタンパク質ま
たはその断片は野生型のHBsAg配列の145番目以
外の位置の少なくとも一のアミノ酸残基の変更または付
加を起こす点突然変異または挿入が存在するvHBsA
gの配列を有する、前記(22)から(24)のいずれ
かに記載の抗体調製物。
【0044】(26) 前記vHBsAgはプレSコー
ディング配列を含む、前記(22)から(25)のいず
れかに記載の抗体調製物。
【0045】(27) 前記プレSコーディング配列は
プレS1コーディング配列である、前記(26)に記載
の抗体調製物。
【0046】(28) 前記プレSコーディング配列は
プレS2コーディング配列である、前記(26)に記載
の抗体調製物。
【0047】本発明のさらなる概念においては、免疫を
保護する量のvHBsAgおよび適当な担体からなるワ
クチン組成物を提供するものである。
【0048】また、本発明の他の概念を、以下に記載す
る。
【0049】本発明のvHBsAgおよびワクチンは、
ウィルスのHBsAgの“a”決定基が修飾を受けた上
記した“エスケープ突然変異体(escape mutant) ”の出
現による問題を解決するために使用できる。特に、本発
明のワクチンは、145番目がグリシン以外のアミノ酸
であるHBsAgアミノ酸配列において修飾された
“a”決定基を有するように本明細書中で規定された変
異型HBVに対して保護する、および上記変異型HBV
の出現または伝達を防ぐために使用できるという長所を
有する。
【0050】したがって、無毒で効果的な量の本発明に
よるワクチンをヒトに投与することからなる、上記HB
V変異体の感染に関する病状からヒトを保護する方法を
も提供するものである。
【0051】他の概念によると、本発明は、治療、特に
予防において使用するためのvHBsAgを提供するも
のである。
【0052】本発明は、また、上記変異型HBVの感染
に関連する病状に対してヒトを保護するワクチン組成物
の製造におけるvHBsAgの使用を提供するものであ
る。
【0053】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0054】本発明による変異型HBsAgタンパク質
またはその断片は、本明細書において、「vHBsA
g」とも略される。
【0055】vHBsAgは「自然発生した」形態では
ないが、血液産物を含まない合成のまたは非常に精製さ
れた材料であると考えられる。
【0056】好ましくは、本発明のvHBsAgは、H
BsAgの全長に相当し、145番目のアミノ酸残基が
変更された以外は正常なHBsAgと同じである。
【0057】好ましくは、vHBsAgは、非常に精製
された形態であり、例えば、75%以上、さらに好まし
くは90%以上精製度の状態であり、さらに最も好まし
くは95〜100%精製されている。
【0058】存在する変異型HBVウィルスに対してヒ
トを免疫化するのに使用される場合には、ワクチンにお
けるvHBsAg配列は、通常、その変異型HBVウィ
ルスのvHBsAg配列に一致する、またはこれと抗原
性が等価であると考えられるであろう。
【0059】好ましくは、本発明のvHBsAgにおけ
る145番目のアミノ酸が、正常なHBsAgにおける
145番目のグリシンをコードしているGGAコドンに
おける点変異由来である。
【0060】本発明の好ましい実施態様においては、正
常なHBsAgの145番目のグリシン残基が、これに
よりさらに抗原性が促進されるのでより親水性のアミノ
酸に置換される。
【0061】本発明の特に好ましい実施態様において
は、HBsAgの“a”決定基における145番目の修
飾は、以下に記載されるように、この修飾は臨床上で単
離されたHBV変異体で起こることが既に示されている
ので、グリシンからアルギニンへの置換である。
【0062】本発明のさらなる概念によると、vHBs
Agの調製方法および上記方法によって得られるワクチ
ン組成物を提供するものである。
【0063】好ましくは、vHBsAgは、ペプチド合
成またはさらに好ましくは組換えDNA技術のどちらか
によって、合成により得られる。
【0064】組換えDNA分子および配列の構築、操作
および確認方法は、当該分野においてよく知られてい
る。本発明のvHBsAgを得るためにHBsAgの正
常なHBV Sタンパク質の145番目のグリシン(図
1を参照)を異なるアミノ酸に変化させるためには、S
遺伝子のヌクレオチド配列の433から435番目の位
置のGGAコドンを目的とするアミノ酸をコード化する
異なるコドンに変える必要がある。
【0065】特に好ましい実施態様においては、GGA
コドンを最も好ましくはAGAまたは前記ほど好ましく
はないが、すべてがアルギニンをコード化する3塩基連
鎖(トリプレット)である、CGA又はCGC又はCG
G又はCGT又はAGGに変更することが好ましい。
【0066】様々な方法が適切に配列を変更するために
使用できる。適当な方法の一つとしては、ウィルスのま
たは酵母のコドン頻度を用いて目的とするコーディング
配列の、ホスファイトまたはホスホルアミダイト化学に
よる完全な新規合成(denovo合成)が挙げられ
る。
【0067】DNAの合成は、様々な会社から市販され
ている。このような遺伝子合成の例としては、ハイデン
(Hayden)およびマンデッキ(Mandecki)によるDNA、7
巻:ページ571(1988年)およびこの中の引用文
に記載されている。
【0068】第二の方法は、ボットスタイン(Botstein)
およびショートル(Shortle) によるサイエンス(Scienc
e) 、229巻、ページ(1982年)に記載されてい
るように、すでにHBVゲノムを有するベクターの適当
な制限断片を1本鎖のベクター上にクローニングし、そ
の後、in vitroの部位特異的突然変異誘発を行
うことである。pBR322上にクローニングされたa
yサブタイプのHBVゲノムからなる組換えプラスミド
pRIT10601を含む大腸菌(E. coli) K12株C
600の培養物は、ブダペスト条約に従って、受託番号
ATCC39132で1982年6月2日にアメリカン
タイプカルチャーコレクション(AmericanType Culture
Collection)に寄託された。226アミノ酸のHBsA
gタンパク質を表示する(specify) S遺伝子をコードす
る配列またはプレSポリペプチド(Pre S polypeptides)
をコードするより長い配列は、一般的な組換えDNA技
術によって上記のクローンから切断できる。
【0069】適当な制限断片の一つとしては、pRIT
10601のS遺伝子コーディング配列内の575bp
のXbaI−AccI断片がある。in vitroの
突然変異誘発に用いられるベクターシステムは市販され
ている。このようにして得られた突然変異された遺伝子
断片をS遺伝子に再挿入する。
【0070】第三の方法は、ホ(Ho)ら、ジーン(Gene)、
77巻、:ページ51(1989年)に記載されている
ポリメラーゼ連鎖反応(plymerase chain reaction)(P
CR)技術を用いて目的とする突然変異変化を行うこと
である。
【0071】それぞれの場合、vHBsAgのコーディ
ング配列は、適当な宿主において適当なプロモーターの
制御下で発現される。
【0072】vHBsAgをコード化するDNA配列を
有する発現ベクターは新規であり、本発明のさらなる概
念を形成する。上記発現ベクターを形質転換された宿主
は、本発明の他の概念を形成するものである。
【0073】好ましい概念においては、サッカロミセス
セレビジエ(S. cerevisiae) 、ピチア パストリス(P
ichia pastoris) またはハンセンヌラ ポリモルファ(H
ansenula polymorpha)が宿主として使用され、酵母のT
DH3プロモーター(グリセルアルデヒド−3−ホスフ
ェート デヒドロゲナーゼ 遺伝子(glyceraldehyde-3-
phosphate dehydrogenase gene) 、ヴァレンチュエラ(V
alenzuela)ら、1982年;ビター(Bitter)ら、198
8年、上記参照)またはPH05(ミヤノハラ(Miyanoh
ara)ら、プロシ ナショル アカデ サイ ユーエスエ
ー(Proc. Natl.Acad. Sci. USA)、ページ1、1983
年)、MOX、FMDH(EP−A−0299108号
参照)およびAOX(EP−A−0226846号参
照)等の酵母のプロモーターの制御下で発現する。
【0074】形質転換された宿主は既知の手段で培養ま
たは発酵でき、vHBsAgを抽出および精製できる。
酵母細胞からのHBsAgの精製は、当該分野において
よく知られており、米国特許4,649,192号、米
国特許4,683,294号、米国特許4,694,0
74号または米国特許4,738,926号のいずれか
にしたがって行うことができる。本発明のvHBsAg
の精製は類似の方法で行うことができる。
【0075】vHBsAgを含むワクチンは既知の技術
によって調製され、好ましくは緩衝化生理食塩水中で免
疫保護量のvHBsAgを含み、水酸化アルミニウムお
よびリン酸アルミニウム等の様々な既知のアジュバント
のいずれかと混合または上記アジュバントに吸収され
る。「免疫保護」とは、重篤な副作用を伴わずに感染物
質に対して保護するのに十分な保護抗体または細胞が介
在した免疫反応を誘発するのに充分なvHBsAgが投
与されることを意味する。vHBsAgの投与量は、ワ
クチンがアジュバント処理されているかによって変わる
が、通常、1から1,000μgのタンパク質、例え
ば、1から200μgのタンパク質、さらに好ましくは
5から40μgのタンパク質を含む。投与量および投与
回数は、抗体力価および患者の他の反応を観察しながら
標準的な投与範囲内で決定される。
【0076】vHBsAgは、また、ワクチンの配合を
目的として、プレS1(PreS1) 又はプレS2(PreS2) ポ
リペプチドのすべてまたは一部または複数の部分を含む
正常なHBsAgまたは均質なまたは複合のHBsAg
粒子等の他のHBsAgと混合されてもよい。また、v
HBsAgは、他の生物体のタンパク質由来のエピトー
プを有するハイブリッドHBsAg粒子とさらには他の
免疫抗原と混合して2価または多価ワクチンを形成して
もよい。ワクチンの調製は、通常、ボラー(Voller)らに
よる著、ユニバーシティ パーク プレス、バルティモ
ア、エムディ(University Park Press, Baltimore, M
D)、米国、1978年の「ワクチン」において記載され
る。
【0077】vHBsAgは、変異型HBVウィルスの
感染等に関する検出キットの免疫試薬として使用でき
る。また、vHBsAgは、既知の方法によってポリク
ローナル抗体及びモノクローナル抗体を生じさせるため
にも使用でき、モノクローナル抗体のうちには変異型の
抗原に対して特異的であり、正常なHBsAgを認識し
ないものもある。
【0078】したがって、本発明の他の概念において
は、以下からなる、生物培養液における変異型B型肝炎
表面抗原(vHBsAg)タンパク質またはその断片に
対する抗体のin vitroでの診断検出用のキット
が提供される: (a) 変異型B型肝炎表面抗原(vHBsAg)タン
パク質またはその断片はS(HBs)タンパク質の14
5番目のアミノ酸がアルギニンであるHBsタンパク質
の修飾される“a”決定基からなり、該vHBsAgは
野生型のS(HBsAg)タンパク質の抗原性とは異な
る抗原性を発揮する、変異型B型肝炎表面抗原(vHB
sAg)タンパク質またはその断片の配列を有する血液
産物を含まない実質的に純粋なタンパク質;および
(b) 抗原抗体反応を検出する手段。
【0079】また、以下よりなることを特徴とする、生
物培養液における抗vHBsAg抗体、特にワクチン接
種後の中和抗体のin vitroの診断検出用のキッ
トもまた提供される: a) 本明細書中で規定されたvHBsAg;および b) 抗原抗体反応を検出するための手段。
【0080】さらなる概念において、本発明は、変異型
B型肝炎表面抗原(vHBsAg)タンパク質またはそ
の断片はS(HBs)タンパク質の145番目のアミノ
酸がアルギニンであるHBsタンパク質の修飾される
“a”決定基からなり、該vHBsAgは野生型のS
(HBsAg)タンパク質の抗原性とは異なる抗原性を
発揮する、変異型B型肝炎表面抗原(vHBsAg)タ
ンパク質またはその断片に対して生じるまたはを検出す
る抗体からなるヒトのB型肝炎の感染の予防または治療
に使用される抗体調製物を提供するものである。
【0081】また、本発明は、ヒトにおけるB型肝炎の
感染の予防または治療に使用するための抗vHBsAg
抗体からなる抗体調製物をも提供するものである。ま
た、B型肝炎の感染を予防または治療するのに効果的な
量の上記抗vHBsAg抗体を人に処理する方法をも提
供するものである。
【0082】
【実施例】本発明を以下の実施例によって詳細に説明す
る。
【0083】実施例1 変異型B型肝炎ウィルス(「エスケープ ミュータント
(escape mutant) 」)の同定 (a)方法 (i)HBVワクチンによる免疫処置 HBVワクチンが1982年イタリアにおいて数多く試
行され始めた。様々な機関が行い、そのうちの一つであ
る、ナポリにあるホスピタリ ディ.コチュノ(Hospita
l.D Cotugno)のザ フォース ディビジョン オブ イ
ンフェクシャウス ディジーゼス(the Fourth Division
of Infectious Diseases)が1590人の人で調査し
た。ほとんどの患者の出身地である、キャンパニア(Cam
pania)は、5%以上のHBsAgの罹患率を有する。患
者はほとんど南イタリアの2つの地域出身のHBsAg
が陽性のキャリアの乳児であり、両方とも血漿由来のワ
クチンであるHB−VAX(メルク シャープ アンド
ドーム(Merk Sharp and Dohme))またはHEVAC−
B(パスチュール(Pasteur) )によるワクチン接種を受
けた。前者は大人で20μg(乳児で10μg)の投与
量を0、1および6か月で受け、または後者は5μgの
投与量を0、1、2および14か月で受けていた。ま
た、新生児は、誕生時及び1か月時に、コーンのエタノ
ール分画法(Chonethanol fractionation procedure)に
よって調製された0.5mlのB型肝炎ハイパーイムン
グロブリン(hyperimmuneglobulin) (ビアギニ(Biagin
i) 社製)を接種されていた。大人も子供も両方とも、
多くの家庭内接触のキャリアにもワクチン接種された。
【0084】(ii)肝炎のマーカー 血液サンプルを、市販のキット(アボット ラボラトリ
ーズ(Abbott Laboratories) 社製)を用いてHBsA
g、HBeAg、抗HBe、抗HBsおよび抗HBcに
ついて試験した。抗HBsは、定量パネル(アボット
ラボラトリーズ(Abbott Laboratories) 社製)によって
生じる標準曲線と比較することによって評価した。HB
sAg陽性は、再試験によっておよびHBsAgコンフ
ァーマトリーアッセイ(HBsAg Confirmatory Assay)(ア
ボット ラボラトリーズ(Abbott Laboratories) 社製)
を用いた中和によって確認した。HBsAgの中和は、
ほとんど抗aのみを含む血清を用いて行った。ウィルス
の複製のマーカーを有する患者の血清をも、アラニンア
ミノトランスフェラーゼ(ALT)量レベルについて試
験した。
【0085】(iii)HBsAgおよび抗HBsのサ
ブタイピング(subtyping) HBsAgのサブタイピングを、5人の感染した新生児
および5人の感染した子供のキャリア接触感染者(carri
er contact) で行った。8人のうち6人が感染した大人
およびAS、AA及びAEの患者の家庭内接触感染者(f
amily contact)であり、2人が大人の患者のものであっ
た。サブタイピングのために、抗a、抗d、または抗y
(ソリン バイオメディカ(Sorin Biomedica) 社製)で
被覆したビーズを室温で血清と共に一晩インキュベート
した。蒸留水で洗浄した後、13.2μCiの 125Iの
ヒツジの抗HBsを加え、45℃で1時間放置し、洗浄
し、シンチレーションカウンターで定量した。固相上の
抗aまたは抗yのどちらかを用いて得られたカウントが
(7人の健常なHBV陰性の人の)ネガティブコントロ
ールの平均値の2.1倍を越え、抗dのビーズで得られ
た値がカットオフ値より低いと、サンプルはayと考え
られた。カウントが固相上の抗yに加えた際にカットオ
フ値より高いが、抗aまたは抗dの固相上に加えられる
際にはカットオフ値より低い場合には、サンプルはy反
応性のみを有すると考えられた。
【0086】反応の特異性は、モノクローナル抗体(ソ
リン バイオメディカ(Sorin Biomedica) 社製)による
中和によって確認した。HBsAg陽性の血清を、サブ
タイピング前に単一特異性抗a、抗dまたは抗y抗体と
混合した。参考のHBsAg含有血清をコントロールと
して用いた。
【0087】固相上の一つのサブタイプの組換えHBs
Ag(rHBsAg)およびプローブとして異なるサブ
タイプの放射性ヨウ素化されたものを用いるサンドウィ
ッチRIAを用いて、AS、AAの患者及び2人の大人
の患者で、抗HBsのサブタイピングを行った。ポリス
チレンビーズをadまたはayのrHBsAgのどちら
かで被覆した。抗aを検出するために、0.2mlの血
清をビーズと共に室温で一晩培養した。洗浄後、ビーズ
を放射性ヨウ素化rHBsAgと共に40℃で2時間イ
ンキュベートした。洗浄後、これらのビーズの放射能を
計測した。adサブタイプアッセイを目的として、ad
で被覆したビーズを標識されたadのrHBsAgを用
いて検査し、同様にしてayアッセイを行った。ネガテ
ィブコントロールの平均値の4倍を超える検体が陽性で
あった。力価を標準パネルと比較してmIU/mlで表
わした。抗aを抗adまたは抗ayで割り、それに10
0掛けることによって、血清中の抗aの割合(%)を測
定した。
【0088】(iv)配列決定研究を目的とする患者 105のALTを有するHBsAg、HBeAgおよび
抗HBcが陽性のキャリア(患者IE)が、1983年
3月5日に男の乳児(AS)を出産した。父親は抗HB
cおよび抗HBsが陽性であった。誕生時及び1か月
後、乳児に1.5mlのHBIgを与え、3か月、4か
月及び9か月後にHB−VAX(メルクシャープ アン
ド ドーム(Merk Sharp and Dohme))をワクチン接種し
た。配列決定研究を目的として、出産時に母から、11
か月後(HBsAg、HBeAgおよび抗HBcが陽
性;抗HBs 420mIU/ml;ALT 120)
および5年後(HBsAgおよびHBeAgが陽性;抗
HBsが陰性;ALT 36)の子供から血清を採取し
た。研究に含まれていないイタリアのHBeAgが陽性
のキャリアから無差別に選んだ4人および3人の英国の
HBsAgが陽性の患者からの血清もまた配列を調べ
た。
【0089】(v)PCRおよび直接配列決定 50μlの血清を37℃で一晩200μlの容積で25
mMの酢酸ナトリウム、2.5mMのEDTA、0.5
%のSDSおよび1mg/mlのプロテイナーゼK(ベ
ーリンガーマンハイム(Boehringer Mannheim) 社製)中
で消化した。2回フェノール/クロロホルムおよび2回
クロロホルムで抽出した後、DNAをエタノールで沈殿
させ、ペレットを70%エタノールで洗浄した。沈殿物
を20μlの水に再懸濁した。カーマン(Carman)ら、ラ
ンセット(Lancet)、1989年、ii、ページ588〜
591の方法を用いて、300pmolのそれぞれのプ
ライマーBCS2およびBCS4を用いて10μlのD
NAで、PCRを行った。標的配列の詳細、プライマー
の結合部位及びプライマーの配列は図2に示す。
【0090】増幅されたDNAの存在を確認するために
10μlの反応物をアガロースゲル電気泳動した後、残
りをG−50セファデックスカラム(ファルマシア(Pha
rmacia) 社製)にかけ、エタノールで沈殿させた。3回
70%エタノールで洗浄した後、ペレットを20μlの
水に再懸濁した。その間に、最終容積が20μlになる
ようにして、10Uのポリヌクレオチドキナーゼ(ベー
リンガーマンハイム(Boehringer Mannheim) 社製)を用
いて10μCiのガンマ32P−ATPを含む標準バッフ
ァー中で10pmolの配列決定用プライマーBCS3
を末端標識した。配列決定用プライマーは標識後カラム
精製しなかった。
【0091】4μlのDNAを2μlの5×バッファー
の存在下で4μlの標識BCS3に加え、シークエナー
ゼ キット(Sequenase kit) (ユーナイテッド ステイ
ツバイオケミカルズ(United States Biochemicals)社
製)中に供給し、95℃まで加熱し、徐々に50℃まで
冷却した。標識過程を除き、最終の混合物を等量の水で
希釈する以外は製造社の推薦する通りに行った。反応物
を5%のセクアゲル(Sequagel)(ナショナルダイアグノ
スティックス(National Diagnostics)社製)のポリアク
リスアミド−ウレアゲルで電気泳動した。
【0092】(vi)疎水性プロット 正常なおよび変異型HBsAg由来の“a”決定基の1
39から147番目のアミノ酸をプロシス(Prosis)(フ
ァルマシア(Pharmacia) 社製)のソフトウェアーを用い
て分析した。
【0093】(b)結果 (i)サブタイピングの研究 1590人のワクチン接種者のうち、44人(2.8
%)がHBsAgを発現し、これらのうち12人が弱い
反応性を示したが、他のHBVマーカーは示さなかっ
た。これらの患者のうち以下の18人について詳細は以
下のとおりであった:キャリアの母親から生まれた5人
の乳児、5人の子供の家庭内接触感染者および8人の大
人の家庭内接触感染者。
【0094】感染した乳児及び子供のすべての接触感染
者および大人の患者の接触感染者8人(被験者すべて)
のうちの6人において、HBVのサブタイプがayであ
ると決定された。AS症例の母親は、2ケースでayと
分かり、初めは出産後2か月であった。ASの患者は、
12及び18か月でサブタイプyでわずかに陽性であ
り、抗HBsが検出不能になってから6ヶ月後の、46
か月でay陽性であった。ワクチン接種開始後2年たっ
たAAの患者、ワクチン接種開始後9か月たったAEの
患者および両方の大人の患者(免疫処理後26及び28
か月)はyのみ陽性であった。
【0095】これらの結果は単クローン試薬を用いて確
認された。y含有血清を有する患者はすべて抗yで中和
できたが、抗aではできなかった。
【0096】抗HBsのサブタイピングによって、50
から70%の抗体が抗aであることが分かった。ASの
患者では、6か月以降、約90%が“a”決定基に対す
るものであった。
【0097】(ii)“a”決定基の配列決定 ASの患者は587番目(HBVゲノムの唯一のEco
RI部位から数えた)のグアノシンをアデノシンに1塩
基変異(single mutation) (GからA)しており、これ
によってHBsAgの145番目のアミノ酸がグリシン
からアルギニンにアミノ酸置換していることが配列決定
によって分かった。この変化は、11か月及び5年の両
方で存在していることから、安定であることが示され
た。母親、IEおよびコントロールの患者は、今日まで
公表されたすべての配列と同様に、エピトープ内のこの
部位にグリシンを有していた。その他の点では、“a”
決定基の配列はAS及びIEの患者において同様であ
り、さらに、これまでに公表されているものと同様であ
った。
【0098】(iii)疎水性のプロット 正常なHBsAgの“a”決定基の第二のループおよび
ASの患者の第二のループの相対的な疎水性を測定し
た。カイト(Kyte)およびドゥリトル(Doolittle)、ジェ
ー モル バイオロ(J. Mol. Biol.) 、1982年、1
57巻、ページ105〜132の方法を用いることによ
って、第二のループの平均の疎水性指数は、−1.3か
ら−1.9を変化しており、ホップ(Hopp)およびウッズ
(Woods) の方法(プロシ ナショル アカデ サイ ユ
ーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.) 、198
1年、78巻、ページ3824〜3828)を用いた場
合は−0.5から−0.9を変化していることが分かっ
た。
【0099】実施例2 145番目のアミノ酸をグリシンからアルギニンに置換
したay血清型の変異型S遺伝子コーディング配列の構
築 以下に示す配列を有する4つのオリゴヌクレオチドのプ
ライマー、BC17、BC144、BC145およびB
C146を、製造社の指示にしたがってバイオサーチ(B
iosearch) 8600のDNA合成器で既知のホスホルア
ミダイト化学によって合成した。
【0100】 BC17 5’ GTCTAGACTCGTGGTG
GACT 3’ BC144 5’ TTGGAATTCGTTAAAT
GTATA 3’ BC145 5’ CTTCGGACAGAAATTG
CACCT 3’ BC146 5’ AGGTGCAATTTCTGTC
CGAAG 3’ これらのオリゴヌクレオチドは、図3に示されるように
pRIT10601上のay S遺伝子配列と相同性を
有しており、ay S遺伝子を鋳型として用いたTaq
ポリメラーゼによるヌクレオチドの伸長用のプライマー
として使用される。BC145およびBC146の下線
を引いたAGAおよびTCTのトリプレットは、目的と
する145番目のアルギニンによる(arg145)置
換をコード化するものである。さらに、BC144のG
AATTCGの配列によって、S遺伝子のコーディング
配列のTAA終結コドンより1bp末端にEcoRIの
制限部位を導入することができる。pRIT10601
または図4に示されるプラスミドpRIT13438の
どちらかを鋳型として用いて製造社(パーキン エルマ
ー セタス(Perkin Elmer Cetus))によって指示された
ようにして、PCR反応を行う。pRIT13438
は、pRIT10601由来の完全なay S遺伝子の
コーディング配列を有し、in vitroの操作によ
って導入されたEcoRIおよびBglIIの制限部位
に隣接する既知の大腸菌のベクターである。約1から1
0ngの鋳型DNAを、最終容積が100μlとなるよ
うにして、50mMの塩化カリウム、10mMのトリス
塩酸(pH8.3)、1.5mM塩化マグネシウム、
0.01%(w/v)ゼラチン、それぞれ200μMの
dATP、dGTP、dCTPおよびdTTP、それぞ
れ1μMの目的とするプライマーおよび2.5ユニット
のTaqポリメラーゼと混合する。2つの異なる反応物
を構築し、一方はBC17及びBC146を鋳型と共に
含むもので、他方はBC144及びBC145を鋳型と
共に含むものである。
【0101】これら2つの混合物を、25回、変性(9
4℃、2分)、アニーリング(48℃、2分)および伸
長(72℃、2分)を行い、さらに、1回、DNAサー
マルサイクラー(DNA Thermal Cycler)(パーキン エル
マー セタス(Perkin ElmerCetus)社製、ファン デル
ハイデン、ブリュッセルズ(Van der Heyden, Brussel
s)、ベルギーより得られる)を用いて72℃で15分間
伸長した。それぞれの混合物における目的とする増幅さ
れた断片の存在を既知のアガロースゲル電気泳動によっ
て確認し、断片をセントリコン 100 カラム(Centr
icon 100 columns) (アミコン ディビジョン(Amicon
Division) 、ダブルアール グレイスアンド コーポレ
ーション(W.R. Grace and Co) 製、ファン デル ハイ
デン、ブリュッセルズ(Van der Heyden, Brussels)、ベ
ルギーより得られる)に通すことによって精製する。約
1から10ngのそれぞれの増幅された断片を、1反応
でプライマーBC17及びBC144と混合し、アニー
リング反応を60℃で行うこと以外は上記とまったく同
様にして増幅する。
【0102】さらに、以下に示す配列を有するオリゴヌ
クレオチドのプライマーBC90及びBC153を、B
C17及びBC144の代わりに使用してもよい。
【0103】 BC90 5’ ATGGAGAACATCACAT
CAGCATTCCTAGGA 3’ BC153 5’ TTGGAATTCGTTAAAT
GTATACCCAAAGACAAA 3’ BC90は、開始コドンで始まるay S遺伝子配列の
5’末端と相同性を有する。BC153はBC144と
オーバーラップする。
【0104】2つのPCR反応混合物を構築し、一方に
はBC90及びBC146を鋳型としてのpRIT13
438のDNA及び上記した他の成分と共に含み、他方
にはBC145及びBC153を鋳型としてのpRIT
13438及び上記した他の成分と共に含む。次に、こ
れら2つの混合物を、25回、変性(94℃、2分)、
アニーリング(48℃、2分)および伸長(72℃、2
分)を行い、増幅した。BC90/BC146の増幅に
よる目的とする445bpの断片およびBC145/B
C153の増幅による267bpの断片をポリアクリル
アミドゲル電気泳動および電気溶出によって精製した。
【0105】次に、約10ngのそれぞれの断片を混合
し、上記したのと同様の反応条件で、オリゴヌクレオチ
ドBC90およびBC153の存在下で25回PCR増
幅を行った。このようにして得られた約690bpの増
幅された断片を回収したところ、この断片はXbaIお
よびEcoRIのエンドヌクレアーゼに関して単一の認
識部位を有している。
【0106】これらの特異的なオリゴヌクレオチドのプ
ライマー、ayS遺伝子の鋳型を用い、PCR反応を行
うことによって、145番目をアルギニン(arg14
5)に置換し、5’にXbaI、3’にEcoRIが伸
長した590bpのS−ay断片の変異体が製造され
る。この目的とする断片は、セントリコン 100 カ
ラム(Centricon 100 columns) に通すことによって、プ
ライマーおよびPCR反応の他の生成物より精製される
ことが好ましい。次に、この断片を、既知のクローニン
グ技術によって、好ましくは酵母のプロモーターに融合
する正常なウィルスのコーディング配列の相当するXb
aI−EcoRIに代えて用いる。この目的に適するベ
クターは、ad血清型Sコーディング配列が予め酵母の
TDH3プロモーターに融合された図5に示されるpN
N2deltaEcoRIであり、発現カセットを形成
する酵母ARG3の転写ターミネーターの上流にある。
上記の発現カセットの構築及び使用はEP−A−027
8940号に示唆される。このタイプの適当なベクター
が宿主として選ばれた酵母株における発現を制御するよ
うに選択されたプロモーターおよび転写ターミネーター
断片によって使用できることは、当業者によって理解さ
れるであろう。さらに、他の制限部位をBC144以外
のプライマーを用いて変異断片の3’末端に導入しても
よい。さらに、PCRによって得られるXbaI−Ec
oRIの変異断片をpNN2deltaEcoRI上に
置換することによってaywのコーディング配列が生成
できるように、adw及びaywの血清型の既知のHB
V分離株間のアミノ酸の変化を生じさせるすべてのヌク
レオチドの相違はXbaI部位の下流に存在すると解さ
れるであろう。
【0107】上記したBC90、BC153、BC14
5およびBC146を用いたPCR反応より生じた約
1.5μgの690bpの断片を、XbaI及びEco
RIのエンドヌクレアーゼで消化し、約0.15μgの
消化された断片を、XbaI及びEcoRIのエンドヌ
クレアーゼで予め消化し、脱リン酸化された約50ng
のベクターpRIT12642と混合、連結した。pR
IT12642は、図5に示されるpNN2delta
EcoRIベクターとまったく同様である。連結混合物
より、プラスミドを回収したところ、このプラスミド
は、変異型のayコーディング配列がTDH3プロモー
ターの3’側に位置し、かつこのプロモーターでコント
ロールされる発現カセットを形成できるように、pRI
T12642ベクターのXbaI及びEcoRI部位の
間に挿入された修飾されたSコーディング配列を有する
XbaI−EcoRI断片を含むpRIT13555で
あるとして同定された。
【0108】上記したようにして得られたvHBsAg
発現カセットを、BglIIおよびSalIのエンドヌ
クレアーゼで消化することによって2.89kbの断片
としてpNN2deltaEcoRIの誘導プラスミド
より切り出し、酵母導入用に選ばれた適当なベクターに
挿入する。サッカロミセス セレビジエ(S. cerevisia
e) の適当なマルチコピーベクターは、pBR327レ
プリコン上のEcoRIおよびSalI部位の間に挿入
されたポリリンカーを有し、既知のDNA断片を用いた
既知のDNA操作技術によって構築された図6に概略が
示されているpRIT12775である。pRIT13
555の2.98kbのBglII−SalIカセット
断片を、エンドヌクレアーゼ消化によって得、既知のク
ローニング技術によってpRIT12775のBglI
I及びSalI部位の間に挿入し、プラスミドpRIT
13557を形成した。このカセットを酵母のゲノム中
に組み込むことが望ましい際には、ヤコブス(Jacobs)ら
によるジーン(Gene)、80巻、ページ279(1989
年)に記載されたベクター等の組込みベクターが好まし
い。pRIT12775上のvHBsAgの発現カセッ
トの挿入を行う場合、ロイシン2欠失変異体の酵母細胞
をイトー(Ito) ら、ジェー バクテリオル(J.Bacterio
l.) 、153巻:ページ163(1983年)の方法に
よって形質転換し、ロイシン非依存性形質転換株につい
て選択する。ダブルのleu2変異体を有する適当な受
容株は、ブダペスト条約に従って、受託番号ATCC2
0630で1982年6月2日にアメリカンタイプカル
チャーコレクション(American Type Culture Collectio
n)に寄託されたDC5株である。
【0109】さらに適当な株は、ブダペスト条約に従っ
て、受託番号ATCC20820で1986年8月18
日にアメリカンタイプカルチャーコレクション(America
n Type Culture Collection)に寄託されたDC5株のc
ir゜誘導体である。DC5cir゜株に上記のイトー
(Ito) らの方法によってpRIT13557のDNAを
形質転換し、ロイシン非依存性コロニーを選択する。形
質転換コロニーを保持し、継代培養し、Y1648とし
て同定される株を確立した。
【0110】vHBsAgコーディング配列を有する発
現カセットを、2またはそれ以上のポリペプチドの混合
物を含む複合HBsAg粒子を形成できるように、他の
発現カセットを持つサッカロミセス セレビジエ(S. ce
revisiae) 、ハンセンヌラポリモルファ(H. polymorph
a) またはピチア パストリス(P. pastoris) の宿主細
胞に形質転換してもよい。
【0111】既知のクローニング技術を用いて、酵母T
DH3のプロモーター、pRIT10601由来のay
サブタイプのS遺伝子のコーディング配列および酵母A
RGのターミネーター断片からなる2.98kbの発現
カセットを構築した。次に、このカセットをpRIT1
2775のBglII及びSalI部位間に挿入し、p
RIT13558を形成した。さらに、pRIT135
58を、上記のイトー(Ito) らの技術を用いて受容株D
C5 cir゜中に形質転換し、ロイシン非依存性につ
いて選択することによって、導入した。形質転換コロニ
ーを保持し、継代培養し、Y1654として同定される
株を確立した。
【0112】Y1654株は、本発明のvHBsAgの
性質を調査する際にコントロールとして使用できるay
サブタイプのHBsAgを発現する。
【0113】出発材料としてのpRIT10601及び
酵母ARG3のプロモーターを用いた酵母におけるay
サブタイプの粒子のサブクローニングおよび発現は、デ
ワイルデ(De Wilde)らによる、デベロ バイオル ス
タンダード(Devel. Biol. Standard.)、59巻、ページ
99〜107(1985年)に記載されている。
【0114】Y1648及びY1654の培養物を生育
させ、HBsAgを抽出し、アウスリア(AUSRI
A)ラジオイムノアッセイ(アボット ラボラトリーズ
(Abbott Laboratories) 社製、ノース シカゴ、イリノ
イ(North Chicago, Illiois)、米国)によって未精製細
胞抽出物中のHBsAgを測定した。Y1648及びY
1654のそれぞれの2つの培養物をアッセイした結果
を以下に示す。
【0115】
【表1】
【0116】Y1648株は、Y1654株と比較する
と約10倍少ない見掛けのアウスリア(AUSRIA)
反応材料を生成する。変性、減少したHBVの表面抗原
ポリペプチドを認識する、モノクローナル抗体HBS1
(スミスクライン ビーカムバイオロジカルズ(SmithKl
ine Beecham Biologicals)、リクセンサート(Rixensar
t) 、ベルギー)を用いた未精製の細胞抽出物のウェス
ターンブロッティングによって、Y1648はY165
4のとほぼ同量の24kの分子量を有するHBS1反応
タンパク質を生成することが示された。
【0117】酵母細胞の培養、HBsAgの抽出及びア
ッセイならびにウェスターンブロッティングの方法は、
両方とも参考で本明細書に導入されているEP−A−0
278940号およびEP−A−0414374号に記
載されている。
【0118】表面抗原材料は、上記した米国特許4,6
49,192号および4,683,294号に従って既
知の方法によって、Y1648およびY1654の両方
の細胞抽出物から精製した。
【0119】これらの調製物は、SDS−PAGEおよ
び銀染色によって分析したところ、微量のダイマー及び
マルチマーと共に24kでタンパク質の1本の主要なバ
ンドを示す、実質的に純粋なHBV表面抗原タンパク質
から構成された。
【0120】Y1654株の酵母由来のHBsAgの2
つの調製物のアウスリア(AUSRIA)/タンパク質の比率
は、1.64および2.79であったが、Y1648株
の2つのvHBsAg調製物のアウスリア(AUSRIA)/タ
ンパク質の比率は、0.1および0.13に減少してい
た。
【0121】Y1648株から精製されたvHBsAg
を、酢酸ウラニル(uranyl acetate)による染色後、電子
顕微鏡検査によって調べた。この材料は、HBV表面抗
原に特有の球状の粒子の存在を示した。
【0122】実施例3 ワクチン組成物の調製 10mMのリン酸ナトリウム、150mMの塩化ナトリ
ウムにおける3%水酸化アルミニウムの滅菌緩衝化水溶
液(pH6.8)に、同様のバッファーにおける実施例
2のvHBsAgを、タンパク質の最終濃度が5から4
0μgに、また、アルミニウム(Al3+)が1ml当た
り0.5mgになるように、常時攪拌しながら加える。
さらに、チメロサール(ソディウム メルチオレイト(s
odium merthiolate))を防腐剤として最終濃度が1/2
0,000(w/v)になるように添加する。
【0123】このワクチンは、ヒトに非経口投与するの
に適している。
【0124】
【発明の効果】本発明のvHBsAgおよびワクチン
は、ウィルスのHBsAgの“a”決定基が修飾を受け
た上記した“エスケープ突然変異体(escape mutant) ”
の出現による問題を解決するために使用できる。特に、
本発明のワクチンは、145番目がグリシン以外のアミ
ノ酸であるHBsAgアミノ酸配列において修飾された
“a”決定基を有するように本明細書中で規定された変
異型HBVに対して保護する、および上記変異型HBV
の出現または伝達を防ぐために使用できるという長所を
有する。
【0125】また、本発明のDNA組成物、発現ベクタ
ー、診断検出用キット及び抗体調製物は、145番目が
グリシン以外のアミノ酸であるHBsAgアミノ酸配列
において修飾された“a”決定基を有する変異型HBV
に対して保護する、および上記変異型HBVの出現また
は伝達を防ぐために使用できる。
【0126】さらに、本発明のDNA組成物、発現ベク
ター、診断検出用キット及び抗体調製物は、上記変異型
HBVの感染に関連する病状に対してヒトを保護するワ
クチン組成物の製造に使用でき、ゆえにB型肝炎の感染
の予防または治療に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 “a”決定基の2つのループおよび145番
目のグリシン残基を示す正常なHBsAgのアミノ酸配
列の一部の概略図である。
【図2】 臨床上単離された変異型HBsAgのヌクレ
オチド配列の概略図であり、ここでは、PCR及び配列
決定に使用されるプライマー結合部位が示され、さらに
587〜589番目の位置に見られるAGAコドンは正
常な配列における587番目の位置をGからAに点変異
することによって生じる。
【図3】 ポリメラーゼ連鎖反応(polymerase chain re
action) (PCR)用のオリゴヌクレオチド結合部位を
示すプラスミドpRIT10601またはpRIT13
438上のS遺伝子を概略的に表わした図である。
【図4】 プラスミドpRIT13438の概略図であ
る。
【図5】 プラスミドpNN2deltaEcoRIの
概略図である。
【図6】 プラスミドpRIT12775の概略図であ
る。なお、図6において、ポリリンカー1は以下の通り
である:0.01/BglII、ClaI、HindI
II、BamHI、AvaI、SmaI、AvaI、X
hoI、SalI。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07K 16/08 C07K 16/08 C12N 1/19 C12N 1/19 C12P 21/02 C12P 21/02 C //(C12P 21/02 C12R 1:865) (71)出願人 598134950 University of Londo n,London SW7 2AZ,En gland (72)発明者 トーマス ハワード クリストファー イギリス国,ロンドン ダブル2 1ピー ジー,セントメリーズ ホスピタル メデ ィカル スクール,クィーン エリザベス ザ クイーン マザー ウィング,ザ デパートメント オブ メディシン(番地 なし) (72)発明者 カーマン ウィリアム フレデリック イギリス国,グラスゴウ ジー11 5ジェ ーアール,チャーチ ストリート,ザ イ ンスティテュート オブ ビロロジー(番 地なし)

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変異型B型肝炎表面抗原(vHBsA
    g)タンパク質またはその断片はS(HBs)タンパク
    質の145番目のアミノ酸がアルギニンであるHBsタ
    ンパク質の修飾される“a”決定基からなり、該vHB
    sAgは野生型のS(HBsAg)タンパク質の抗原性
    とは異なる抗原性を発揮し、さらに、DNAは適当な担
    体または希釈剤との混合物の形態を有する、変異型B型
    肝炎表面抗原(vHBsAg)タンパク質またはその断
    片をコード化するDNA配列からなる組成物。
  2. 【請求項2】 該vHBsAgタンパク質またはその断
    片は145番目のアミノ酸が変更された以外は野生型の
    HBsAgと同じである、請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 該145番目のアミノ酸は145番目の
    点突然変異コドンがアルギニンをコードするような野生
    型のHBsAgにおける145番目のグリシンをコード
    するGGAコドンにおける点突然変異によって誘導で
    き、かつ該点突然変異コドンはAGA、CGA、CG
    C、CGG、CGT及びAGGからなる群より選ばれ
    る、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 該vHBsAgタンパク質またはその断
    片は野生型のHBsAg配列の145番目以外の位置の
    少なくとも一のアミノ酸残基の変更または付加を起こす
    点突然変異または挿入が存在するvHBsAgの配列を
    有する、請求項1から3のいずれかに記載の組成物。
  5. 【請求項5】 該vHBsAgはプレSコーディング配
    列を含む、請求項1から4のいずれかに記載の組成物。
  6. 【請求項6】 該プレSコーディング配列はプレS1コ
    ーディング配列である、請求項5に記載の組成物。
  7. 【請求項7】 該プレSコーディング配列はプレS2コ
    ーディング配列である、請求項5に記載の組成物。
  8. 【請求項8】 変異型B型肝炎表面抗原(vHBsA
    g)タンパク質またはその断片はS(HBs)タンパク
    質の145番目のアミノ酸がアルギニンであるHBsタ
    ンパク質の修飾される“a”決定基からなり、該vHB
    sAgは野生型のS(HBsAg)タンパク質の抗原性
    とは異なる抗原性を発揮する、変異型B型肝炎表面抗原
    (vHBsAg)タンパク質またはその断片をコード化
    するDNA配列からなる発現ベクター。
  9. 【請求項9】 該vHBsAgタンパク質またはその断
    片は145番目のアミノ酸が変更された以外は野生型の
    HBsAgと同じである、請求項8に記載の発現ベクタ
    ー。
  10. 【請求項10】 該145番目のアミノ酸は145番目
    の点突然変異コドンがアルギニンをコードするような野
    生型のHBsAgにおける145番目のグリシンをコー
    ドするGGAコドンにおける点突然変異によって誘導で
    き、かつ該点突然変異コドンはAGA、CGA、CG
    C、CGG、CGT及びAGGからなる群より選ばれ
    る、請求項8または9に記載の発現ベクター。
  11. 【請求項11】 該vHBsAgタンパク質またはその
    断片は野生型のHBsAg配列の145番目以外の位置
    の少なくとも一のアミノ酸残基の変更または付加を起こ
    す点突然変異または挿入が存在するvHBsAgの配列
    を有する、請求項8から10のいずれかに記載の発現ベ
    クター。
  12. 【請求項12】 該vHBsAgはプレSコーディング
    配列を含む、請求項8から11のいずれかに記載の発現
    ベクター。
  13. 【請求項13】 該プレSコーディング配列はプレS1
    コーディング配列である、請求項12に記載の発現ベク
    ター。
  14. 【請求項14】 該プレSコーディング配列はプレS2
    コーディング配列である、請求項12に記載の発現ベク
    ター。
  15. 【請求項15】 以下からなる、生物培養液における変
    異型B型肝炎表面抗原(vHBsAg)タンパク質また
    はその断片に対する抗体のin vitroでの診断検
    出用のキット: (a) 変異型B型肝炎表面抗原(vHBsAg)タン
    パク質またはその断片はS(HBs)タンパク質の14
    5番目のアミノ酸がアルギニンであるHBsタンパク質
    の修飾される“a”決定基からなり、該vHBsAgは
    野生型のS(HBsAg)タンパク質の抗原性とは異な
    る抗原性を発揮する、変異型B型肝炎表面抗原(vHB
    sAg)タンパク質またはその断片の配列を有する血液
    産物を含まない実質的に純粋なタンパク質;および
    (b) 抗原抗体反応を検出する手段。
  16. 【請求項16】 該vHBsAgタンパク質またはその
    断片は145番目のアミノ酸が変更された以外は野生型
    のHBsAgと同じである、請求項15に記載のキッ
    ト。
  17. 【請求項17】 該145番目のアミノ酸は145番目
    の点突然変異コドンがアルギニンをコードするような野
    生型のHBsAgにおける145番目のグリシンをコー
    ドするGGAコドンにおける点突然変異によって誘導で
    き、かつ該点突然変異コドンはAGA、CGA、CG
    C、CGG、CGT及びAGGからなる群より選ばれ
    る、請求項15または16に記載のキット。
  18. 【請求項18】 該vHBsAgタンパク質またはその
    断片は野生型のHBsAg配列の145番目以外の位置
    の少なくとも一のアミノ酸残基の変更または付加を起こ
    す点突然変異または挿入が存在するvHBsAgの配列
    を有する、請求項15から17のいずれかに記載のキッ
    ト。
  19. 【請求項19】 該vHBsAgはプレSコーディング
    配列を含む、請求項15から18のいずれかに記載のキ
    ット。
  20. 【請求項20】 該プレSコーディング配列はプレS1
    コーディング配列である、請求項19に記載のキット。
  21. 【請求項21】 該プレSコーディング配列はプレS2
    コーディング配列である、請求項19に記載のキット。
  22. 【請求項22】 変異型B型肝炎表面抗原(vHBsA
    g)タンパク質またはその断片はS(HBs)タンパク
    質の145番目のアミノ酸がアルギニンであるHBsタ
    ンパク質の修飾される“a”決定基からなり、該vHB
    sAgは野生型のS(HBsAg)タンパク質の抗原性
    とは異なる抗原性を発揮する、変異型B型肝炎表面抗原
    (vHBsAg)タンパク質またはその断片に対して生
    じるまたはを検出する抗体からなるヒトのB型肝炎の感
    染の診断、予防または治療に使用される抗体調製物。
  23. 【請求項23】 該vHBsAgタンパク質またはその
    断片は145番目のアミノ酸が変更された以外は野生型
    のHBsAgと同じである、請求項22に記載の抗体調
    製物。
  24. 【請求項24】 該145番目のアミノ酸は145番目
    の点突然変異コドンがアルギニンをコードするような野
    生型のHBsAgにおける145番目のグリシンをコー
    ドするGGAコドンにおける点突然変異によって誘導で
    き、かつ該点突然変異コドンはAGA、CGA、CG
    C、CGG、CGT及びAGGからなる群より選ばれ
    る、請求項22または23に記載の抗体調製物。
  25. 【請求項25】 該vHBsAgタンパク質またはその
    断片は野生型のHBsAg配列の145番目以外の位置
    の少なくとも一のアミノ酸残基の変更または付加を起こ
    す点突然変異または挿入が存在するvHBsAgの配列
    を有する、請求項22から24のいずれかに記載の抗体
    調製物。
  26. 【請求項26】 該vHBsAgはプレSコーディング
    配列を含む、請求項22から25のいずれかに記載の抗
    体調製物。
  27. 【請求項27】 該プレSコーディング配列はプレS1
    コーディング配列である、請求項26に記載の抗体調製
    物。
  28. 【請求項28】 該プレSコーディング配列はプレS2
    コーディング配列である、請求項26に記載の抗体調製
    物。
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