JPH11178112A - ハイブリッド駆動装置 - Google Patents

ハイブリッド駆動装置

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JPH11178112A
JPH11178112A JP35237097A JP35237097A JPH11178112A JP H11178112 A JPH11178112 A JP H11178112A JP 35237097 A JP35237097 A JP 35237097A JP 35237097 A JP35237097 A JP 35237097A JP H11178112 A JPH11178112 A JP H11178112A
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combustion engine
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光広 梅山
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60KARRANGEMENT OR MOUNTING OF PROPULSION UNITS OR OF TRANSMISSIONS IN VEHICLES; ARRANGEMENT OR MOUNTING OF PLURAL DIVERSE PRIME-MOVERS IN VEHICLES; AUXILIARY DRIVES FOR VEHICLES; INSTRUMENTATION OR DASHBOARDS FOR VEHICLES; ARRANGEMENTS IN CONNECTION WITH COOLING, AIR INTAKE, GAS EXHAUST OR FUEL SUPPLY OF PROPULSION UNITS IN VEHICLES
    • B60K6/00Arrangement or mounting of plural diverse prime-movers for mutual or common propulsion, e.g. hybrid propulsion systems comprising electric motors and internal combustion engines ; Control systems therefor, i.e. systems controlling two or more prime movers, or controlling one of these prime movers and any of the transmission, drive or drive units Informative references: mechanical gearings with secondary electric drive F16H3/72; arrangements for handling mechanical energy structurally associated with the dynamo-electric machine H02K7/00; machines comprising structurally interrelated motor and generator parts H02K51/00; dynamo-electric machines not otherwise provided for in H02K see H02K99/00
    • B60K6/20Arrangement or mounting of plural diverse prime-movers for mutual or common propulsion, e.g. hybrid propulsion systems comprising electric motors and internal combustion engines ; Control systems therefor, i.e. systems controlling two or more prime movers, or controlling one of these prime movers and any of the transmission, drive or drive units Informative references: mechanical gearings with secondary electric drive F16H3/72; arrangements for handling mechanical energy structurally associated with the dynamo-electric machine H02K7/00; machines comprising structurally interrelated motor and generator parts H02K51/00; dynamo-electric machines not otherwise provided for in H02K see H02K99/00 the prime-movers consisting of electric motors and internal combustion engines, e.g. HEVs
    • B60K6/50Architecture of the driveline characterised by arrangement or kind of transmission units
    • B60K6/54Transmission for changing ratio
    • B60K6/543Transmission for changing ratio the transmission being a continuously variable transmission
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/72Electric energy management in electromobility

Abstract

(57)【要約】 【課題】 充電量が少ない場合であっても充分なトルク
で後進走行の可能なハイブリッド駆動装置を提供する。 【解決手段】 内燃機関1の出力部材2と電力によって
動作してトルクを出力する電動機6の出力部材9とに連
結されかつ電動機6によるトルクを制御することにより
内燃機関1が出力するトルクを増幅して出力するトルク
増幅機構12と、そのトルク増幅機構12と出力軸34
との間に配置され、トルク増幅機構12側から入力され
るトルクを増減速して出力する無段変速機21とを備え
たハイブリッド駆動装置であって、前記トルク増幅機構
12と出力軸34との間に設けられ、入力されたトルク
を反転せずに出力する前進状態と入力されたトルクを反
転して出力する後進状態とに設定可能な前後進切換機構
29を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ガソリンエンジ
ンやディーゼルエンジンなどの内燃機関とモータやモー
タ・ジェネレータなどの電力によって動作してトルクを
出力する電動機とを動力源として備えたハイブリッド駆
動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように内燃機関は、不可避的に排
ガスを生じる。その排ガスの成分や量は、内燃機関の運
転状態に依存し、一般的な傾向としてスロットル開度を
増大した高負荷運転時には排ガスの清浄度が低下しやす
く、また燃費も低下しやすい。これに対して最近では、
内燃機関を搭載した車両の排ガスに対する清浄度の要求
が高くなってきており、このような要望に応えるべくハ
イブリッド駆動装置が開発されている。
【0003】ハイブリッド駆動装置は、内燃機関と電動
機とを動力源として備えた駆動装置であって、基本的に
は、内燃機関は最も効率の良い状態で運転し、それ以外
の走行状態では、電動機を使用するように構成されてい
る。したがってハイブリッド駆動装置は、電流によって
トルクを制御できる電動機を備えているので、内燃機関
のみを動力源とした従来の車両におけるような変速装置
は用いられていなかったが、いわゆるパラレルハイブリ
ッド形式のように、内燃機関を発電用の動力源のみとし
てではなく走行用の動力源としても使用するハイブリッ
ド駆動装置では、変速装置を搭載するようになってきて
いる。またさらに、内燃機関のトルクと電動機のトルク
とを遊星歯車機構などの単一の変速機構に入力し、内燃
機関の出力トルクを増幅して出力するように構成した装
置も開発されている。
【0004】その一例が、特開平9−37411号公報
に記載されている。この公報に記載された装置は、遊星
歯車機構のリングギヤにクラッチを介して内燃機関を連
結するとともに、サンギヤにモータ・ジェネレータを連
結し、またキャリヤに出力部材を連結し、さらにリング
ギヤを選択的に固定するブレーキと、サンギヤとリング
ギヤとを選択的に連結するクラッチとを備えている。ま
たこの公報に記載されたハイブリッド駆動装置は、遊星
歯車機構の出力側に配置した無段変速機を備えている。
【0005】したがって上記の公報に記載されたハイブ
リッド駆動装置においては、遊星歯車機構のリングギヤ
に内燃機関の動力を入力する一方、サンギヤにモータ・
ジェネレータのトルクを入力し、かつキャリヤから出力
するから、サンギヤのトルクを増減することにより、出
力トルクが変化する。また駆動力は、無段変速機での変
速比を連続的に変化させることにより、無段階に変化さ
せることができる。このような遊星歯車機構におけるト
ルク増幅機能と無段変速機の連続的な変速比の変更機能
とを利用して、燃費が最も良好になるように内燃機関を
運転することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述したように電動機
を駆動力源として備えていれば、電流によって電動機の
出力トルクを制御できるので、基本的には変速装置が不
要であり、上述した従来のハイブリッド駆動装置におい
ても、前記遊星歯車機構や無段変速機は内燃機関を燃費
が最良になるように運転するための制御手段として使用
している。そのために、上記の遊星歯車機構の構成で
は、内燃機関の出力で走行している場合、出力要素であ
るキャリヤを入力要素であるリングギヤに対して反対方
向に回転させることができない。そのため、後進走行す
る場合には、内燃機関をアイドリング状態とするととも
に、リングギヤをブレーキ手段で固定し、その状態でモ
ータ・ジェネレータをモータとして機能させることによ
り、出力要素であるキャリヤを内燃機関とは反対方向に
回転させている。
【0007】すなわち上記従来のハイブリッド駆動装置
では、後進走行を電動機によっておこなうように構成さ
れている。そのために、蓄電器(バッテリ)の充電量
(SOC)が少ない場合には、後進走行に要求される充
分なトルクを出力できない可能性があった。このような
不都合を解消するためには、内燃機関を起動して充電を
おこない、バッテリの充電量を増大させればよいが、そ
のためには、充電が完了するまで後進走行を待たなけれ
ばならなくなる。特に電動機が発電機を兼ねた形式のパ
ラレルハイブリッド装置では、電動機による走行と発電
とを同時におこなうことができないから、蓄電器での充
電量が低下した場合には、直ちに後進走行が困難になる
不都合があった。
【0008】この発明は、上記の事情を背景にしてなさ
れたものであり、蓄電器の充電量が少ない場合であって
も後進走行のためのトルクを必要十分に確保することの
できるハイブリッド駆動装置を提供することを目的とす
るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の課
題を解決するために、請求項1に記載した発明は、内燃
機関の出力部材と電力によって動作してトルクを出力す
る電動機の出力部材とに連結されかつ電動機によるトル
クを制御することにより内燃機関が出力するトルクを増
幅して出力するトルク増幅機構と、そのトルク増幅機構
と出力軸との間に配置され、トルク増幅機構側から入力
されるトルクを増減速して出力する無段変速機とを備え
たハイブリッド駆動装置であって、前記トルク増幅機構
と出力軸との間に設けられ、入力されたトルクを反転せ
ずに出力する前進状態と入力されたトルクを反転して出
力する後進状態とに設定可能な前後進切換機構を備えて
いることを特徴とするものである。
【0010】したがって請求項1のハイブリッド駆動装
置においては、内燃機関と電動機とを駆動した状態で、
電動機の出力トルクを制御することにより、内燃機関の
出力したトルクが増幅されてトルク増幅機構から出力さ
れる。そのトルク増幅機構から出力されたトルクが、無
段変速機によって増速もしくは減速され、さらに前後進
切換機構に入力される。あるいはトルク増幅機構から出
力されたトルクが、前後進切換機構に入力され、その前
後進切換機構から出力されたトルクが、無段変速機に入
力される。その前後進切換機構を後進状態した場合、入
力されたトルクが反転されて出力されるので、内燃機関
を前進走行時と同様に駆動していても、後進走行するこ
とができる。すなわち内燃機関の動力によって後進走行
が可能になり、電動機のための充電量が少なくても、充
分大きい駆動力で後進走行することができる。
【0011】また請求項2の発明は、請求項1に記載し
た構成に加えて、前記無段変速機が、回転中心軸線が相
互に平行になるように配置された駆動側部材と従動側部
材とを備え、前記電動機と内燃機関とトルク増幅機構と
が前記駆動側部材と同一軸線上に配置され、かつ前記前
後進切換機構が前記従動側部材と同一軸線上に配置され
ていることを特徴とするものである。
【0012】したがって請求項2のハイブリッド駆動装
置においては、無段変速機として駆動側部材と従動側部
材とが平行に配列された形式のものを使用しているの
で、装置全体としての軸長を短くすることができる。ま
た、従動側部材に隣接して生じる空間部、すなわち前記
電動機あるいはトルク増幅機構の半径方向での外側に生
じる空間部に前後進切換機構が配置されるので、スペー
スの有効利用を図って装置を全体として小型化すること
ができる。
【0013】さらに請求項3の発明は、請求項2の構成
に加えて、前記前後進切換機構が、入力トルクと出力ト
ルクとの方向が同一の前進状態と入力トルクと出力トル
クとの方向が反対の後進状態とを設定可能な歯車機構
と、その歯車機構を前進状態に設定する第1の係合装置
と、前記歯車機構を後進状態に設定する第2の係合装置
とを備え、これらの係合装置が前記従動側部材と同一軸
線上でかつ従動側部材を挟んだ両側に配置されているこ
とを特徴とするものである。
【0014】したがって請求項3のハイブリッド駆動装
置においては、前記従動側部材の軸線方向での両側に生
じる空間部を利用して、前後進切換機構のための二つの
係合装置を配置するので、スペースの有効利用を図って
装置を全体として小型化することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明をより具体的に
説明する。図1はこの発明に係るハイブリッド駆動装置
の一例を示す模式図であって、ガソリンエンジンあるい
はディーゼルエンジンなどの内燃機関1の出力部材すな
わちクランクシャフト2が、ダンパー機構3を内蔵した
フライホイール4に連結されている。これらクランクシ
ャフト2およびフライホイール4と同一軸線上に入力軸
5が配置されており、その入力軸5が、ダンパー機構3
を介してフライホイール4に連結されている。
【0016】その入力軸5の外周側で前記フライホイー
ル4に隣接した箇所に、電動機兼発電機(モータ・ジェ
ネレータ)6が、入力軸5と同一軸線上に配置されてい
る。このモータ・ジェネレータ6は、従来のハイブリッ
ド駆動装置に用いられているものと同様に、コイル7を
備えたステータ8の内周側にロータ9が回転自在に配置
された構成であり、コイル7に通電することにより、ロ
ータ9が回転してトルクが出力される。すなわちロータ
9が出力部材となる。また反対にロータ9を外力によっ
て回転させることにより、コイル7に起電力が生じるよ
うになっている。そのコイル7が蓄電器(バッテリ)1
0に制御回路11を介して電気的に接続されている。
【0017】このモータ・ジェネレータ6を挟んでフラ
イホイール4とは反対側に、トルク増幅機構12が、入
力軸5と同一軸線上に配置されている。図1に示す例で
は、トルク増幅機構12はシングルピニオンタイプの1
組の遊星歯車機構13を主体にして構成されている。す
なわちサンギヤ14と内歯歯車であるリングギヤ15と
が同心円上に配置されるとともに、これらサンギヤ14
とリングギヤ15とに噛合したピニオンギヤがキャリヤ
16によって自転自在かつ公転自在に保持されている。
【0018】上記のリングギヤ15を入力軸5に選択的
に連結する入力クラッチ17が設けられている。したが
ってリングギヤ15が第1の入力要素となっている。こ
の入力クラッチ17はいわゆる摩擦係合装置であって、
例えば油圧によって係合・解放させられる多板クラッチ
によって構成されており、前記遊星歯車機構13に隣接
して入力軸5と同一軸線上に配置されている。これに対
してサンギヤ14が前記ロータ9に連結されており、し
たがってサンギヤ14が第2の入力要素となっている。
【0019】入力クラッチ17の外周側には、遊星歯車
機構13の全体を一体化するためのダイレクトクラッチ
18が、入力軸5と同一軸線上に配置されている。この
ダイレクトクラッチ18はいわゆる摩擦係合装置であっ
て、例えば油圧によって係合・解放させられる多板クラ
ッチによって構成されている。そしてそのクラッチハブ
がリングギヤ15に連結され、またクラッチドラムがキ
ャリヤ16に連結されている。したがってダイレクトク
ラッチ18が係合することによって遊星歯車機構13の
二つの要素であるリングギヤ15とキャリヤ16とが一
体回転するように連結され、その結果、遊星歯車機構1
3の全体が一体化される。
【0020】さらに出力要素であるキャリヤ16とハウ
ジング19などの所定の固定部との間に一方向クラッチ
20が配置されている。この一方向クラッチ20は、キ
ャリヤ16が内燃機関1における前記クランクシャフト
2とは反対方向に回転しようとする際に係合するように
構成されている。したがってこの一方向クラッチ20
は、発進時に車両が後退することを防止するいわゆるヒ
ルホールドのための手段として機能させることができ
る。
【0021】上記のトルク増幅機構12に続けて無段変
速機21が設けられている。図1に示す例は、FF(フ
ロントエンジン・フロントドライブ)車あるいはRR
(リヤエンジン・リヤドライブ)車に適するよう構成し
た例であり、したがって無段変速機21としてはベルト
式のものが採用されている。すなわち溝幅を変更するこ
とのできる駆動プーリ22が入力軸5と同一軸線上に配
置されるとともに、この駆動プーリ22が前記キャリヤ
16に一体的に連結されている。また溝幅を変更するこ
とのできる従動プーリ23がその回転中心軸線を入力軸
5と平行にした状態に配置されている。
【0022】この駆動プーリ22は、同一軸線上に配置
した固定シーブ24とその固定シーブ24に対して軸線
方向に移動して接近・離隔する可動シーブ25とからな
り、図1における左側の可動シーブ25を図示しない油
圧シリンダなどのアクチュエータによって軸線方向に移
動させることにより、固定シーブ24と可動シーブ25
との間の溝幅が変化する。
【0023】これに対して従動プーリ23も同様に、固
定シーブ26と可動シーブ27とによって構成されてい
る。駆動プーリ22における溝の中心と従動プーリ23
における溝の中心とが常時一致するようにするため、駆
動プーリ22における可動シーブ25の半径方向での外
側に従動プーリ23における固定シーブ26が配置さ
れ、また駆動プーリ22における固定シーブ24の半径
方向での外側に従動プーリ23における可動シーブ27
が配置されている。そしてこの従動プーリ23において
も可動シーブ27を図示しない油圧シリンダなどのアク
チュエータによって軸線方向に前後動させることにより
溝幅が変化する。
【0024】そしてこれらのプーリ22,23にベルト
28が巻き掛けられている。このベルト28は、多数の
金属片を連結したものであり、各シーブ24,25,2
6,27の間に挟み込まれることによりトルクを伝達
し、また溝幅の大小に応じて巻き掛け半径が増減するよ
うになっている。したがって各可動シーブ25,27を
前後に移動させて溝幅を駆動側と従動側とで互いに反対
方向に変化させ、これによりベルト28の巻き掛け半径
を連続的に変化させることにより、駆動側と従動側とで
の巻き掛け半径の比すなわち変速比を無段階に変化させ
るようになっている。この駆動プーリ22がこの発明に
おける駆動側部材に相当し、また従動プーリ23がこの
発明の従動側部材に相当する。
【0025】図1に示す例では、駆動プーリ22の図1
での右側にトルク増幅機構12およびモータ・ジェネレ
ータ6ならびに内燃機関1が同一軸線上に順に並んで配
置されており、これに対して従動プーリ23の図1での
右側には、前後進切換機構29が従動プーリ23と同一
軸線上に配置されている。この前後進切換機構29は、
図1に示す例においては、ダブルピニオン型の遊星歯車
機構30を主体として構成されている。この遊星歯車機
構30は、サンギヤ31と内歯歯車であるリングギヤ3
2とを同心円上に配置し、そのサンギヤ31とリングギ
ヤ32との間に、サンギヤ31に噛合した第1のピニオ
ンギヤとこの第1のピニオンギヤおよびリングギヤ32
に噛合した第2のピニオンギヤとを配置し、これらのピ
ニオンギヤをキャリヤ33によって保持した構成であ
る。
【0026】そしてサンギヤ31が前記従動プーリ23
に連結され、またキャリヤ33が出力軸34に連結され
ている。さらにこの遊星歯車機構30の全体を一体化し
て前進状態とするための係合装置である前進クラッチ3
5が、サンギヤ31とリングギヤ32との間に配置され
ている。またサンギヤ31に対してキャリヤ33を反対
方向に回転させる後進状態とするための係合装置である
後進ブレーキ36が、リングギヤ32とハウジング19
などの所定の固定部との間に設けられている。より具体
的には、遊星歯車機構30を挟んで前記従動プーリ23
とは反対側に前進クラッチ35が配置され、またリング
ギヤ32の外周側に後進ブレーキ36が配置されてい
る。
【0027】上記の前後進切換機構29は前述したトル
ク増幅機構12の半径方向で外側に配置されており、こ
の部分は、無段変速機21における従動プーリ23を設
けることに伴って生じた空間部分であり、したがってス
ペースを有効に利用して前後進切換機構29が配置され
ている。
【0028】前記キャリヤ33に連結された出力軸34
は、従動プーリ23および前後進切換機構29と同一軸
線上に配置されている。そしてその出力軸34には、出
力ギヤ37が一体化されている。これに対して出力軸3
4と平行にカウンタ軸38が配置され、このカウンタ軸
38には、出力ギヤ37に噛合したドリブンギヤ39と
このドリブンギヤ39よりも小径のドライブギヤ40と
が一体に設けられている。そしてそのドライブギヤ40
がディファレンシャルギヤユニット41におけるリング
ギヤ42に噛合している。このドライブギヤ40は、前
述したトルク増幅機構12および前進クラッチ35の外
周側に配置することが好ましい。
【0029】なお、図1において符号43は油圧ポンプ
を示し、この油圧ポンプ43は前記入力軸5とベルト4
4によってトルク伝達可能に連結されている。またこの
油圧ポンプ43にはモータ45が連結され、油圧ポンプ
43を単独で駆動できるように構成されている。また図
1において符号46は車体の構成部材であるサイドメン
バを示しており、前後進切換機構29を上述のように配
置したことにより前後進切換機構29とサイドメンバ4
6との干渉が避けられている。
【0030】上述したハイブリッド駆動装置において
は、内燃機関1の出力とモータ・ジェネレータ6の出力
とをトルク増幅機構12で合成して出力するから、表1
に示すように複数のモードで運転することができる。ま
たそれぞれのモードで前進走行と後進走行とのいずれを
もおこなうことができる。なお、表1において○印は係
合状態あるいは駆動状態を示し、また×印は解放状態あ
るいは非駆動状態を示す。以下、各運転モードについて
説明する。
【0031】
【表1】 トルク増幅モードは、内燃機関1の出力トルクをモータ
・ジェネレータ6のトルクを制御することにより、増幅
して出力させる運転モードである。したがってこのトル
ク増幅モードでは、内燃機関1を駆動させ、またその内
燃機関1の出力トルクをトルク増幅機構12に伝達する
ために入力クラッチ17を係合させる。また、トルク増
幅機構12を構成している遊星歯車機構13の各回転要
素を一体化させるためのダイレクトクラッチ18を解放
しておく。なお、入力クラッチ17を係合させるための
油圧は、内燃機関1の起動以前は油圧ポンプ43をモー
タ45によって駆動することにより発生させ、走行中は
入力軸5からベルト44を介して油圧ポンプ43にトル
クを伝達して油圧ポンプ43を駆動することにより発生
させる。
【0032】図2に前記遊星歯車機構13についての共
線図を示してある。この図2から知られるように、第1
の入力要素であるリングギヤ15の回転数(内燃機関1
の出力回転数)に対して第2の入力要素であるサンギヤ
14の回転数(モータ・ジェネレータ6の回転数)が小
さい状態では、出力要素であるキャリヤ16の回転数が
内燃機関1の出力回転数より小さくなる。したがってリ
ングギヤ15から入力される内燃機関1の出力トルクに
サンギヤ14から入力されるモータ・ジェネレータ6の
トルクが付加され、これらの合成されたトルクがキャリ
ヤ16から出力される。すなわちキャリヤ16から出力
されるトルクが内燃機関1から入力されたトルクより大
きくなり、遊星歯車機構13がトルクの増幅作用をおこ
なうことになる。
【0033】なおその場合、サンギヤ14と共にロータ
9を逆回転させている状態では、モータ・ジェネレータ
6が発電機として機能する。すなわち内燃機関1の出力
の一部を利用して発電をおこなう。この発電領域は、図
2の“a”の線と“b”の線とで囲われた領域である。
これに対してキャリヤ16の回転数(出力回転数)が増
大してサンギヤ13が正回転し始めると、モータ・ジェ
ネレータ6に電流を供給してこれをモータとして機能さ
せることになり、したがって蓄電器10から放電するこ
とになる。この放電領域は、図2の“b”の線と“c”
の線とで囲われた領域である。
【0034】また、トルク増幅モードでは、出力要素で
あるキャリヤ16が正回転するので、キャリヤ16とハ
ウジング19などの所定の固定部との間に配置した一方
向クラッチ20は解放状態(フリー)になる。
【0035】上記のキャリヤ16がコネクティングドラ
ムなどの連結手段で無段変速機21における駆動プーリ
22に連結されているので、トルク増幅機構12におけ
る出力トルクがこの駆動プーリ22に伝達される。この
無段変速機21においては、駆動プーリ22の溝幅を増
大させるとともに、これに応じて従動プーリ23の溝幅
を減少させれば、駆動プーリ22に対するベルト28の
巻き掛け半径が小さくなり、かつ従動プーリ23に対す
るベルト28の巻き掛け半径が増大するので、これらの
巻き掛け半径によって決まる変速比が小さくなる。これ
とは反対に、駆動プーリ22の溝幅を小さくするととも
に、従動プーリ23の溝幅を増大させれば、変速比が大
きくなる。なお、このような変速比の変更・設定は、各
可動シーブ25,27を油圧によって軸線方向に移動さ
せることによりおこなわれる。
【0036】このようにして増速もしくは減速されたト
ルクが従動プーリ23から前後進切換機構29に伝達さ
れる。この前後進切換機構29を構成している遊星歯車
機構30の共線図を図3に示してある。前述したように
この遊星歯車機構30においては、サンギヤ31が入力
要素となり、かつキャリヤ33が出力要素となっている
から、リングギヤ32を固定することにより、キャリヤ
33がサンギヤ31に対して反対方向に回転する。すな
わち後進状態となる。具体的には、後進ブレーキ36を
係合させてリングギヤ32を固定するとともに、前進ク
ラッチ35を解放する。この場合、入力要素であるサン
ギヤ31の回転数に対して出力要素であるキャリヤ33
の回転数が低下するので、入力トルクに対して出力トル
クが増大させられる。
【0037】またいずれか二つの回転要素を連結するこ
とにより全体を一体回転させれば、入力トルクがそのま
まキャリヤ33から出力される。すなわち前進状態とな
る。具体的には、前進クラッチ35を係合させてサンギ
ヤ31とキャリヤ33とを連結し、かつ後進ブレーキ3
6を解放する。
【0038】このようにして前後進切換機構29によっ
て正転状態もしくは反転状態とされて出力されたトルク
は、出力軸34ならびに出力ギヤ37からドリブンギヤ
39、カウンタ軸38、ドライブギヤ40、リングギヤ
42を経てディファレンシャルギヤユニット41に伝達
される。
【0039】つぎにダイレクトモータモードについて説
明する。この運転モードは、モータ・ジェネレータ6を
モータとして機能させ、モータ・ジェネレータ6による
動力のみによって走行するモードである。これは、例え
ば市街地あるいは住居地域での比較的低速での走行の際
に選択される。
【0040】したがってこのダイレクトモータモードで
は内燃機関1を停止させておき、また入力クラッチ17
を解放して内燃機関1とトルク増幅機構12とを遮断す
る。さらにトルク増幅機構12においてトルクの合成を
おこなわないので、ダイレクトクラッチ18を係合さ
せ、遊星歯車機構13の全体を一体化させる。そのため
モータ・ジェネレータ6の出力トルクがそのまま無段変
速機21の駆動プーリ22に伝達される。なお、この場
合においても、キャリヤ16が正回転するので、一方向
クラッチ20は解放状態になる。
【0041】そしてこの無段変速機21によって増速も
しくは減速がおこなわれ、その出力トルクが前後進切換
機構29に伝達される。この無段変速機21の作用およ
び前後進切換機構29の作用は前述したとおりである。
すなわちこのダイレクトモータモードにおいても、変速
比を任意に設定でき、かつ前進および後進を任意に選択
することができる。
【0042】これに対してダイレクトエンジンモード
は、内燃機関1の動力のみによって走行する運転モード
である。これは、例えば高速での定速走行をおこなう場
合に選択される。したがってこのモードでは、内燃機関
1と無段変速機21とを直結状態とするために、入力ク
ラッチ17とダイレクトクラッチ18とを共に係合させ
る。また一方向クラッチ20は、解放状態になる。
【0043】したがって内燃機関1の出力トルクが無段
変速機21に伝達され、ここで増減速が前述したように
しておこなわれ、その出力トルクが前後進切換機構29
に伝達され、ここで前進状態もしくは後進状態とされて
出力軸34に出力される。なお、トルク増幅機構12に
おける遊星歯車機構13の全体を一体化させることによ
り、モータ・ジェネレータ6のロータ9がサンギヤ14
と共に回転するので、モータ・ジェネレータ6で起電力
が生じ、モータ・ジェネレータ6が発電機として機能す
る。
【0044】加速時などに選択されるモータアシストモ
ードについてつぎに説明する。この運転モードは、内燃
機関1の出力にモータ・ジェネレータ6の出力を加えて
大きい駆動力を得るための運転モードであり、内燃機関
1を駆動し、またモータ・ジェネレータ6に電流を供給
してこれをモータとして機能させる。また内燃機関1お
よびモータ・ジェネレータ6の出力を走行のための動力
として使用するために、トルク増幅機構12における各
クラッチ17,18を共に係合させ、その遊星歯車機構
13の全体を一体化させる。なお、一方向クラッチ20
は解放状態になる。
【0045】したがって内燃機関1の出力とモータ・ジ
ェネレータ6の出力とがそのまま無段変速機21に伝達
される。無段変速機21に入力されたトルクは、ここで
増速もしくは減速されて前後進切換機構29に伝達さ
れ、ここで前進状態もしくは後進状態とされて出力軸3
4に出力される。これら無段変速機21および前後進切
換機構29の作用は前述したとおりである。
【0046】つぎに回生ブレーキモードについて説明す
る。この回生ブレーキモードは、車両の有している運動
エネルギを減速時に電気エネルギとして回収する運転モ
ードである。したがって内燃機関1およびモータ・ジェ
ネレータ6の両方を非駆動状態とする。また、車両の有
する運動エネルギが摩擦熱などとして消費されてしまう
ことを防止するために入力クラッチ17を解放して内燃
機関1をトルク増幅機構12から切り離す。これに対し
て、減速の際の慣性エネルギがモータ・ジェネレータ6
に入力されるようにするために、ダイレクトクラッチ1
8を係合させて遊星歯車機構13の全体を一体回転させ
る。
【0047】また一方、車両が前進走行している場合に
は、前述したように前進クラッチ35が係合させられ、
かつ後進ブレーキ36が解放されている。また後進走行
している場合には、前進クラッチ35が解放させられ、
かつ後進ブレーキ36が係合させられている。その結
果、いわゆるパワーオフ状態となってトルク増幅機構1
2に対して出力軸34側から動力が入力されると、無段
変速機21が前進走行時と同様に回転して出力軸34側
から入力されたトルクを増速もしくは減速してトルク増
幅機構12の遊星歯車機構13に伝達する。遊星歯車機
構13においては、ダイレクトクラッチ18が係合して
いてその全体が一体に回転するので、この遊星歯車機構
13と共にロータ9が回転し、その結果、モータ・ジェ
ネレータ6において発電がおこなわれる。そして車両の
有する運動エネルギが電気エネルギに変換されて回収さ
れることにより、車両の制動がおこなわれる。なお、こ
の場合においても、遊星歯車機構13におけるキャリヤ
16が正回転するので、一方向クラッチ20は解放状態
になる。
【0048】なおここで、エンジン始動モードについて
説明する。上記のハイブリッド駆動装置では、内燃機関
1とモータ・ジェネレータ6とがトルク増幅機構12を
介してトルク伝達可能に連結されているから、モータ・
ジェネレータ6によって内燃機関1を始動させることが
できる。すなわち車両が停止している状態では、無段変
速機21や前後進切換機構29などの全ての回転要素が
停止しているので、トルク増幅機構12を構成している
遊星歯車機構13の各要素が停止している。この状態か
ら内燃機関1を正回転させるには、サンギヤ14に連結
してあるモータ・ジェネレータ6を逆回転させることに
なる。
【0049】これを図2の共線図に基づいて説明する
と、入力クラッチ17を係合させて内燃機関1を遊星歯
車機構13に連結し、かつダイレクトクラッチ18を解
放して遊星歯車機構13の各部材が相対回転可能な状態
にし、この状態でサンギヤ14およびキャリヤ16なら
びにリングギヤ15を結ぶ直線を、キャリヤ16を中心
に反時計方向に回転させる。すなわちサンギヤ14の回
転を引き下げると、キャリヤ14の逆回転が一方向クラ
ッチ20によって阻止されていることにより、リングギ
ヤ15の回転が引き上げられる。換言すれば、モータ・
ジェネレータ6に通電してこれをモータとして機能さ
せ、その回転方向は逆回転とする。その結果、リングギ
ヤ15と共に内燃機関1のクランクシャフト2が正回転
させられて内燃機関1が始動させられる。
【0050】これに対して走行中に内燃機関1を始動す
る場合は、モータ・ジェネレータ6に通電してこれをモ
ータとして機能させ、かつその回転方向は正回転方向と
する。すなわち内燃機関1を停止して走行している状態
は、モータ・ジェネレータ6の出力を駆動力としている
状態であり、その場合は、前述したダイレクトモータモ
ードで説明したように、入力クラッチ17とダイレクト
クラッチ18とが係合させられている。すなわち遊星歯
車機構13の全体が一体回転するので、モータ・ジェネ
レータ6によって内燃機関1を強制的に回転させつつ走
行していることになる。したがってこの状態で内燃機関
1に燃料を供給することにより内燃機関1が始動する。
【0051】以上説明したように、この発明に係る上記
のハイブリッド駆動装置では、無段変速機21から出力
されたトルクを、前後進切換機構29によって、そのま
ま出力軸34に伝達し、あるいは反転して出力軸34に
出力するから、動力源の回転方向は前進走行時であって
も後進走行時であっても同じでよい。したがって反転駆
動することのできない内燃機関1のみで走行せざるを得
ない場合、具体的には、蓄電器10の充電量が少ないた
めにモータ・ジェネレータ6の出力トルクが不足する場
合であっても、内燃機関1を駆動して走行することによ
り、後進走行時の駆動トルクを必要十分に確保すること
ができる。
【0052】また上記のハイブリッド駆動装置では、無
段変速機21としてベルト式のものを採用しているの
で、伝達するべきトルクを大きくするためには、各プー
リ22,23の径を大きくすることになるが、従動プー
リ23と同一軸線上に前後進切換機構29を配置したの
で、従動プーリ23を設けることに伴って生じる空間部
分の有効利用が図られ、その結果、装置全体をコンパク
ト化することができる。
【0053】ところで前述した前後進切換機構29にお
ける前進クラッチ35は、要は、入力部材と出力部材と
を一体に連結するクラッチである。したがってこの前進
クラッチ35は、従動プーリ23と出力軸34とを選択
的に連結する構成のものであってもよい。その例を図4
に示してある。
【0054】すなわち図4に示す例では、出力軸34が
従動プーリ23をその中心軸線に沿って貫通する長さに
設定されており、また従動プーリ23を挟んだ両側に、
ダブルピニオン型遊星歯車機構30と前進クラッチ35
とが配置されている。より具体的には、従動プーリ23
を挟んで図4の左側に遊星歯車機構30が配置され、ま
たこれとは反対に図4の右側に前進クラッチ35が配置
されている。
【0055】そして出力軸34の一方の端部(図4での
左側の端部)が、遊星歯車機構30のサンギヤ31に連
結され、またリングギヤ32の外周側に後進ブレーキ3
6が配置されている。また従動プーリ23と出力軸34
とを選択的に連結する前進クラッチ35が出力軸34と
同一軸線上でかつ前記トルク増幅機構12の外周側に配
置されている。他の構成は、図1に示す構成と同様であ
り、したがって図4に図1と同一の符号を付して説明を
省略する。
【0056】前述した無段変速機21は駆動プーリ22
と従動プーリ23とにベルト28を巻き掛けた構成であ
り、それらのプーリ22,23は溝幅を変更するため
に、固定シーブ24,26と可動シーブ25,27とに
よって構成されている。そのため可動シーブ25,27
を移動させるアクチュエータおよびそのストロークのた
めのスペースが必要となる。
【0057】図1および図4に示す例では、駆動プーリ
22における可動シーブ25が入力軸5の軸端側(図1
および図4での右端部側)に配置されているので、その
外周側に空間部があくことになる。図1に示す例では、
この可動シーブ25の外周側の空間部を可及的に狭くす
るように図示しないケーシングを窪ませて、サイドメン
バ46との干渉を避けるように構成したが、図4に示す
例では、その可動シーブ25の外周側の空間部を有効に
利用してここに前後進切換機構29のための遊星歯車機
構30を配置してある。したがって図4に示す構成であ
ってもスペースの有効利用を図って装置を全体としてコ
ンパクトなものとすることができる。
【0058】なお、上述した図1および図4に示す例で
は、無段変速機21としてベルト式の変速機を採用した
が、この発明においては、無段変速機として他の構成の
ものを採用することができ、例えば図5に示すようトロ
イダル型の無段変速機を採用することができる。この図
5に示す構成について説明すると、互いに対向する面に
トロイダル面を形成した入力ディスク51と出力ディス
ク52とが、トルク増幅機構12と同一軸線上に配置さ
れている。その入力ディスク51がトルク増幅機構12
側に位置し、トルク増幅機構12における出力部材であ
るキャリヤ16がこの入力ディスク51に連結されてい
る。
【0059】この入力ディスク51に対向する出力ディ
スク52を挟んで入力ディスク51とは反対側に、前後
進切換機構29を構成する遊星歯車機構30が配置され
ている。そしてそのサンギヤ31と出力ディスク52と
が一体回転するように連結されている。また入力ディス
ク51と出力ディスク52との互いに対向するトロイダ
ル面の間にパワーローラ53が配置されている。このパ
ワーローラ53は、その中心軸線を中心に自転可能に保
持され、またその中心軸線が各ディスク51,52の中
心軸線を含む平面内で傾動するように構成されている。
したがってパワーローラ53が各ディスク51,52に
接触する位置の半径が、パワーローラ53の傾動によっ
て変化し、その結果、入力ディスク51に対する出力デ
ィスク52の回転数すなわち変速比が連続的に変化する
ように構成されている。
【0060】図5に示すように構成した場合には、内燃
機関1から出力軸34までの各構成部材が同一軸線上に
配列されるので、FR(フロントエンジン・フロントド
ライブ)車に適したものとすることができる。また、内
燃機関1の出力で後進走行をおこなうことができるこ
と、および前記の表1に示す各運転モードが可能なこと
などは、図1あるいは図4に示すハイブリッド駆動装置
と同様である。
【0061】さらにこの発明におけるトルク増幅機構1
2は、上述したシングルピニオン型遊星歯車機構および
入力クラッチ17ならびにダイレクトクラッチ18から
構成されたものに限定されないのであり、遊星歯車機構
としてダブルピニオン型のものを使用した構成やディフ
ァレンシャルギヤユニットを主体して構成ものなど、要
は、三つの回転要素を備えていて差動機能のある歯車装
置あるいはローラ装置などによって構成することができ
る。
【0062】また前後進切換機構は、要は、入力トルク
と出力トルクとの方向が同じである前進状態とこれらの
トルクの方向が互いに反対の後進状態とを選択的に設定
できる構成であればよいのであり、したがって前後進切
換機構としてアイドルギヤおよび同期連結機構(シンク
ロナイザー)を備えた構成のものなどを採用してもよ
い。この前後進切換機構は、内燃機関の出力トルクとモ
ータ・ジェネレータなどの電動機の出力トルクとを合成
したトルクを反転させて後進状態を設定する必要がある
ので、トルク増幅機構よりも出力軸側に配置するが、そ
の位置は、上述した例で示したように無段変速機の出力
側以外に、無段変速機の入力側であってもよい。要は、
トルク増幅機構から出力軸までの間であればよい。な
お、この発明における出力軸は、前述した出力ギヤの取
り付けられた軸に限定されないのであって、装置全体と
しての実質的な出力をおこなう軸であればよい。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載し
た発明によれば、入力されたトルクを反転せずに出力す
る前進状態と入力されたトルクを反転して出力する後進
状態とを選択することのできる前後進切換機構を、内燃
機関の出力と電動機の出力とを合成するトルク増幅機構
と出力軸との間に配置したので、一方向のみに回転する
内燃機関の出力を反転して出力軸に伝達でき、したがっ
て内燃機関での後進走行が可能になる。したがってこの
発明によれば、電動機に接続した蓄電器の充電量が少な
くなった状態であっても、必要十分な駆動力で後進走行
することができる。
【0064】また請求項2の発明によれば、無段変速機
を、駆動側部材と従動側部材とを互いに平行に配置した
構成としたことに伴って、その従動側部材と同一軸線上
に前後進切換機構を配置したので、全長の短縮化を図る
ことができるうえに、無段変速機をそのような構成とす
ることにより生じる空間部分の有効利用を図って装置を
全体としてコンパクトなものとすることができる。
【0065】さらに請求項3の発明によれば、請求項2
の発明による構成に加え、前後進切換機構に備えられた
二つの係合装置を、従動側部材を挟んだ両側に配置した
ので、無段変速機における駆動側部材の外周側の空間部
分の有効利用を図り、装置を全体としてコンパクトなも
のとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一例を説明するためのスケルトン図
である。
【図2】図1に示すトルク増幅機構の遊星歯車機構につ
いての共線図である。
【図3】図1に示す前後進切換機構の遊星歯車機構につ
いての共線図である。
【図4】この発明の他の例を説明するためのスケルトン
図である。
【図5】この発明の更に他の例を説明するためのスケル
トン図である。
【符号の説明】
1 内燃機関 2 クランクシャフト 6 モータ・ジェネレータ 9 ロータ 12 トルク増幅機構 13,30 遊星歯車機構 17 入力クラッチ 18 ダイレクトクラッチ 21 無段変速機 22 駆動プーリ 23 従動プーリ 29 前後進切換機構 34 出力軸 51 入力ディスク 52 出力ディスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梅山 光広 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 伊藤 寛 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の出力部材と電力によって動作
    してトルクを出力する電動機の出力部材とに連結されか
    つ電動機によるトルクを制御することにより内燃機関が
    出力するトルクを増幅して出力するトルク増幅機構と、
    そのトルク増幅機構と出力軸との間に配置され、トルク
    増幅機構側から入力されるトルクを増減速して出力する
    無段変速機とを備えたハイブリッド駆動装置において、 前記トルク増幅機構と出力軸との間に設けられ、入力さ
    れたトルクを反転せずに出力する前進状態と入力された
    トルクを反転して出力する後進状態とに設定可能な前後
    進切換機構を備えていることを特徴とするハイブリッド
    駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記無段変速機が、回転中心軸線が相互
    に平行になるように配置された駆動側部材と従動側部材
    とを備え、前記電動機と内燃機関とトルク増幅機構とが
    前記駆動側部材と同一軸線上に配置され、かつ前記前後
    進切換機構が前記従動側部材と同一軸線上に配置されて
    いることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド駆
    動装置。
  3. 【請求項3】 前記前後進切換機構が、入力トルクと出
    力トルクとの方向が同一の前進状態と入力トルクと出力
    トルクとの方向が反対の後進状態とを設定可能な歯車機
    構と、その歯車機構を前進状態に設定する第1の係合装
    置と、前記歯車機構を後進状態に設定する第2の係合装
    置とを備え、これらの係合装置が前記従動側部材と同一
    軸線上でかつ従動側部材を挟んだ両側に配置されている
    ことを特徴とする請求項2に記載のハイブリッド駆動装
    置。
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