JPH1117486A - Sawフィルタおよびそれを使用した電子機器 - Google Patents

Sawフィルタおよびそれを使用した電子機器

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JPH1117486A
JPH1117486A JP16824297A JP16824297A JPH1117486A JP H1117486 A JPH1117486 A JP H1117486A JP 16824297 A JP16824297 A JP 16824297A JP 16824297 A JP16824297 A JP 16824297A JP H1117486 A JPH1117486 A JP H1117486A
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JP
Japan
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saw
resonator
filter
filter according
saw resonator
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JP16824297A
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Inventor
Naoki Yuda
直毅 湯田
Toru Sakuragawa
徹 櫻川
Mamoru Ito
守 伊藤
Yasumichi Murase
恭通 村瀬
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、SAWフィルタおよびそれを用い
た電子機器に関するもので、低損失で小型化することを
目的とするものである。 【解決手段】 この目的を達成するために本発明は、入
力端子と出力端子との間に直列接続された第1のSAW
共振子と、前記第1のSAW共振子の入力端子側あるい
は出力端子側とグランドとの間に接続された第2のSA
W共振子と第1のインダクタンス素子との直列接続体と
を備えたSAWフィルタとするものである。この構成に
よって、第1のSAW共振子と、第2のSAW共振子と
第1のインダクタンス素子との直列接続体とにより梯子
型フィルタが形成される。そして、第1のインダクタン
ス素子によって前記直列接続体の共振点を反共振点から
遠ざけることにより、急峻な高域側減衰特性を有しつつ
広帯域な通過特性を得ることができ、その結果小型で低
損失なフィルタを構成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、SAWフィルタお
よびそれを使用した電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の例えば携帯電話等の電子機器にお
いては、それを小型化するためにその送信経路にSAW
フィルタを介在させたものがあった。従来のSAWフィ
ルタは特開昭61−220511号公報に開示されてい
る。その回路構成は図8に示すように、十数個のSAW
共振子29を直列接続し、その入出力部にそれぞれ整合
回路30を設けた構成で、その通過特性は通過帯域の高
域側に減衰帯域を有する帯域阻止型のフィルタとなって
いる。通常、送信経路の最終段のフィルタはアンテナ共
用器として用いられるもので、送信信号の周波数を通過
帯域とし、受信信号の周波数を減衰帯域とした特性が要
求される。このために、上記のような通過帯域の片側の
みに減衰帯域を有する帯域阻止型のフィルタを用いるこ
とが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のSAW帯域阻止フィルタは、十数個のSAW共振子
29が必要となるために通過帯域における挿入損失が大
きく、さらに入出力部にそれぞれ整合回路を設けなけれ
ばならないために形状も大型化するといった問題があっ
た。
【0004】本発明は、共振子数が少なく整合回路が不
要な梯子型回路として小型化を図るとともに、高域側に
減衰帯域を有しつつ通過帯域を広帯域化することにより
挿入損失を低減したSAWフィルタを提供するととも
に、それを使用した電子機器を提供することを目的とす
るものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、入力端子と出力端子との間に直列接続され
た第1のSAW共振子と、前記第1のSAW共振子の入
力端子側あるいは出力端子側とグランドとの間に接続さ
れた第2のSAW共振子と第1のインダクタンス素子と
の直列接続体とを備えたSAWフィルタとするものであ
る。この構成によって、入力端子と出力端子との間(以
下直列枝)の第1のSAW共振子と、前記直列枝とグラ
ンドとの間(以下並列枝)の第2のSAW共振子と第1
のインダクタンス素子との直列接続体とにより梯子型フ
ィルタが形成される。そして、第1のインダクタンス素
子によって前記直列接続体の共振点を反共振点から遠ざ
けることにより、急峻な高域側減衰特性を有しつつ広帯
域な通過特性を得ることができ、その結果小型で低損失
なフィルタを構成することができるものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、入力端子と出力端子との間に直列接続された第1の
SAW共振子と、前記第1のSAW共振子の入力端子側
あるいは出力端子側とグランドとの間に接続された第2
のSAW共振子と第1のインダクタンス素子との直列接
続体とを備えたSAWフィルタとするものである。この
構成によって、第1のSAW共振子と、第2のSAW共
振子と第1のインダクタンス素子との直列接続体とによ
り梯子型フィルタが形成される。そして、第1のインダ
クタンス素子によって前記直列接続体の共振点を反共振
点から遠ざけることにより、急峻な高域側減衰特性を有
しつつ広帯域な通過特性を得ることができ、その結果小
型で低損失なフィルタを構成することができるものであ
る。
【0007】さらに請求項2に記載の発明は、第1のS
AW共振子の直列共振周波数(以下Fs1と称す)および
第2のSAW共振子の並列共振周波数(以下Fp2と称
す)をそれぞれフィルタとしての中心周波数よりも高域
側に設定した請求項1に記載のSAWフィルタとするも
のである。上記構成によって、高域側の減衰特性を最適
なものとすることができる。
【0008】さらに請求項3に記載の発明は、Fs1とF
p2とを略同じ値とした請求項1または請求項2のいずれ
かに記載のSAWフィルタとするものである。上記の構
成によって、フィルタの通過域において良好なインピー
ダンス整合が得られ、入出力端子に整合回路を設けるこ
となく小型のフィルタを構成することができる。
【0009】さらに請求項4に記載の発明は、Fs1、F
p2のうち少なくとも一方をフィルタとしての通過帯域よ
りも高域側に設定した請求項1または請求項3のいずれ
かに記載のSAWフィルタとするものである。上記の構
成によって、耐電力的な弱点となるSAW共振子の共振
点および反共振点を電力が加わる通過帯域から外してお
くことによって、SAWフィルタに高い耐電力性を持た
せることができる。
【0010】また請求項5に記載の発明は、第2のSA
W共振子の一端を、第1のSAW共振子と出力端子間に
接続した請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の
SAWフィルタとするものである。上記の構成によっ
て、入力端から大きな電力が印加された場合にも並列枝
に接続されている第2のSAW共振子が破壊しにくくな
る。
【0011】また請求項6に記載の発明は、第1、第2
のSAW共振子の接続点と出力端子との間に第3のSA
W共振子を直列接続し、第3のSAW共振子と出力端子
との接続点とグランドとの間に第4のSAW共振子と第
2のインダクタンス素子とからなる直列接続体を接続し
た請求項1から請求項5のいずれか一つに記載のSAW
フィルタとするものである。上記の構成によって、梯子
型フィルタの素子数を増すことにより高域側の減衰特性
を向上することができる。
【0012】さらに請求項7に記載の発明は、第3のS
AW共振子の直列共振周波数(以下Fs3と称す)および
第4のSAW共振子の並列接続体の並列共振周波数(以
下Fp4と称す)をそれぞれフィルタとしての中心周波数
よりも高域に設定した請求項6に記載のSAWフィルタ
とするものである。上記構成によって、素子数を増した
構成において高域側の減衰特性を最適なものとすること
ができる。
【0013】さらに請求項8に記載の発明は、Fs3とF
p4とを略同じ値とした請求項6または請求項7のいずれ
か一つに記載のSAWフィルタとするものである。上記
の構成によって、素子数を増した構成において良好なイ
ンピーダンス整合が得られる。
【0014】さらに請求項9に記載の発明は、Fs3、F
p4のうち少なくとも一方をフィルタとしての通過帯域よ
りも高域側に設定した請求項6から請求項8のいずれか
一つに記載のSAWフィルタとするものである。上記構
成によって、素子数を増した構成のSAWフィルタにお
いて高い耐電力性を持たせることができる。
【0015】また請求項10に記載の発明は、圧電基板
上に第1から第4のSAW共振子用の櫛形電極パターン
を形成するとともに、第2のSAW共振子の他端に第1
の接続電極を、第4のSAW共振子の他端に第2の接続
電極をそれぞれ設け、前記第1の接続電極に接続したボ
ンディングワイヤにより第1のインダクタンス素子の少
なくとも一部を形成し、前記第2の接続電極に接続した
ボンディングワイヤにより第2のインダクタンス素子の
少なくとも一部を形成した請求項1から請求項9のいず
れか一つに記載のSAWフィルタとするものである。上
記の構成によって、SAW共振器を形成する圧電基板を
小型化することができる。
【0016】また請求項11に記載の発明は、第2のS
AW共振子の他端と第1の接続電極との間に第1のイン
ダクタンス素子用の線路パターンを設け、第4のSAW
共振子の他端と第2の接続電極との間に第2のインダク
タンス素子用の線路パターンを設けた請求項10に記載
のSAWフィルタとするものである。上記の構成によっ
て、第1、第2のインダクタンス素子の一部を線路パタ
ーンで形成することにより素子値を安定させることがで
きる。
【0017】また請求項12に記載の発明は、第1、第
2のインダクタンス素子の少なくとも一部を、別個の外
部素子により構成した請求項10または請求項11に記
載のSAWフィルタとするものである。上記の構成によ
って、外部素子の素子値によってフィルタ特性を調整す
ることが可能となる。
【0018】また請求項13に記載の発明は、圧電基板
の左右に第1、第3のSAW共振子と第2、第4のSA
W共振子とを振り分けて配置した請求項10から請求項
12のいずれか一つに記載のSAWフィルタとするもの
である。上記の構成によって、SAW共振子を圧電基板
上に効率よく配置でき、圧電基板を小型化することがで
きる。
【0019】また請求項14に記載の発明は、第1、第
3のSAW共振子を振り分けた圧電基板の一方側に入力
端子および出力端子を設け、第2、第4のSAW共振子
を振り分けた圧電基板の他方側に第1、第2の接続電極
を設けた請求項13に記載のSAWフィルタとするもの
である。上記の構成によって、ワイヤボンディングのた
めの電極を効率良く配置でき、圧電基板を小型化するこ
とができる。
【0020】また請求項15に記載の発明は、請求項1
から請求項14のいずれか一つのSAWフィルタを通信
機の送信経路に介在させた電子機器とするものである。
上記の構成によって、小型で挿入損失の小さいSAWフ
ィルタを用いることによって、小型で消費電力の小さい
電子機器を実現することができる。
【0021】さらに請求項16に記載の発明は、請求項
1から請求項14のいずれか一つのSAW帯域阻止フィ
ルタを送信経路の最終段の増幅器とアンテナとの間に介
在させた請求項15に記載の電子機器とするものであ
る。上記の構成によって、小型で挿入損失の小さいSA
Wフィルタを用いることによって、小型で消費電力の小
さい電子機器を実現することができる。
【0022】(実施の形態)以下、本発明の一実施形態
を図面を用いて説明する。図7は、電子機器の一例とし
て携帯電話を簡略化して示したブロック図である。即
ち、マイク18より入力された音声信号を変調器19で
変調した後、周波数変換器20および増幅器21を経て
アンテナ23より送信する。アンテナ23により受信さ
れた信号は増幅器25および周波数変換器26を経て復
調器27により復調されてスピーカ28により出力され
る。上記、電子機器の送信経路に介在させたフィルタ2
2は図1に示すような回路となっている。
【0023】図1は本発明の第1の実施の形態のSAW
フィルタを示す回路図である。図1において、1は第1
のSAW共振子、2は第2のSAW共振子、3は第3の
SAW共振子、4は第4のSAW共振子、5は第1のイ
ンダクタンス素子、6は第2のインダクタンス素子であ
る。第1のSAW共振子1および第3のSAW共振子3
は入力端子と出力端子の間の直列枝に接続される。ま
た、第2の共振子2と第1のインダクタンス素子5とは
直列接続されて、第1のSAW共振子1と第3のSAW
共振子3との接続点とグランドとの間に接続され、さら
に第4の共振子4と第2のインダクタンス素子6とは直
列接続されて、第3のSAW共振子3と出力端子との接
続点とグランドとの間に接続される。上記構成により、
4素子の梯子型フィルタが構成される。なお、入力端子
に最も近い第1のSAW共振子1を直列枝としている。
この理由は、入力端子から大きな電力が入力された場合
に、並列枝の場合よりも共振子が破壊しにくいことを実
験的に確認したためである。
【0024】以下に、個々の回路の電気的特性について
説明する。図2(a)は単体のSAW共振子の先端短絡
時のリアクタンス特性を示した特性図である。図2
(a)よりわかるように、SAW共振子は直列共振点F
sと並列共振点Fpとを有し、FsはFpの低減側に存在
し、両者の比は一定であるという特徴を有している。図
2(b)はSAW共振子とインダクタンス素子との直列
接続体のリアクタンス特性を示した特性図である。この
場合は、インダクタンス素子の素子値により並列共振周
波数Fpを固定したままで直列共振周波数Fsを低減側に
動かすことができ、FpをFsとの間隔を広げることが可
能となる。この両者で図1に示す梯子型回路を構成しそ
れぞれの共振周波数を適切に設定することにより、高域
側に急峻な減衰特性を有しつつ通過帯域を広帯域化した
フィルタを形成するものである。以下、I番目の直列枝
または並列枝に接続される回路の直列共振周波数をFs
I、並列共振周波数をFpIと記す。
【0025】図3は、Fs1,Fp2,Fs3およびFp4を略
等しくしてフィルタとしての通過帯域よりも高域側に設
定した際の通過特性を示した特性図である。Fs1,Fp
2,Fs3およびFp4よりも低域側に広帯域な通過帯域が
形成され、一方これらの高域側には急峻な減衰帯域が形
成されていることがわかる。通過帯域は、直列枝が直列
共振して略ショートとなるとともに並列枝が並列共振し
て略オープンとなる周波数帯域で、入力端子から出力端
子のインピーダンスが直接見え(すなわちインピーダン
ス整合がなされ)、入力信号が出力端子へと通過するこ
とにより生ずるものである。通過帯域の高域側に形成さ
れた減衰帯域は、直列枝が並列共振してオープンとなる
ために入力信号が反射されて出力端子に到達しないこと
により発生するものである。一方、通過帯域の低域側に
は並列枝の直列共振によって発生する減衰帯域が存在す
るのであるが、第1、第2のインダクタンス素子5,6
によって各並列枝の直列共振点を通過帯域よりも充分低
域側に遠ざけて設定しているためここには表れていな
い。以上の結果、通過帯域およびその低域側において並
列枝のインピーダンス特性が極めて緩やかなものとなる
ために、広帯域な通過特性と良好なインピーダンス整合
が得られ、結果として低損失なフィルタが得られるので
ある。
【0026】なお、SAW共振子の直列共振点Fsおよ
び並列共振点Fpは電力が印加された場合の弱点となる
周波数であるため、上記の構成においてFs1,Fp2,F
s3およびFp4を通過帯域外の高域側に設定した。これに
よって、通過帯域に電力が印加された場合にもその電力
によって各SAW共振子が破壊することを防いでいる。
このような設定は、低域側に広帯域な通過帯域を有し、
高域側に急峻な減衰特性を示す本発明の構成のフィルタ
によって初めて可能なものとなる。
【0027】さらに、前述より明らかなように、本フィ
ルタの通過帯域の挿入損失は直列枝のSAW共振子1,
3の直列共振時のQ値と並列枝のSAW共振子2,4の
並列共振時のQ値によって決定され、また高域側減衰帯
域の減衰量は直列枝のSAW共振子1,3の並列共振時
のQ値によって決定される。すなわち、第1、第2のイ
ンダクタンス素子5,6の抵抗分による特性劣化は、こ
のフィルタの特性として意味のない低域側の減衰量にの
み表れ、原理的に通過帯域および高域側減衰帯域の特性
には影響を及ぼさないのである。従って、本発明のフィ
ルタ構成とすれば、第1、第2のインダクタンス素子
5,6として多少Q値の悪い素子を用いたとしても、主
たる特性には影響がないという特長がある。
【0028】次に、このSAWフィルタの構造について
説明する。図4はこのSAWフィルタの実装状態を示し
た平面図である。図4において、1〜6は図1の回路図
のSAW共振子およびインダクタンス素子であり、7は
圧電基板、8は入力電極、9は出力電極、10はグラン
ド電極、11および12はそれぞれ第1、第2のインダ
クタンス素子5,6用の接続電極、13はパッケージで
ある。
【0029】第1から第4のSAW共振子1から4は圧
電基板7表面上で櫛形電極として構成されており、直列
枝に入る第1のSAW共振子1および第3のSAW共振
子3を図4における左側に振り分けるとともに、並列枝
に入る第2のSAW共振子2および第4のSAW共振子
4を右側に振り分けて配置している。そして、入力電極
8および出力電極9を直列枝を配置した左側に設けると
ともに、インダクタンス素子5,6用の接続電極11お
よび12を並列枝を配置した右側に設けることにより、
効率的な配置として圧電基板7のサイズを小さくしてい
る。
【0030】通常のSAWフィルタでは、並列枝のSA
W共振子のそれぞれ一端は、圧電基板上でグランド電極
と接続される。これに対して本発明の構成では、並列枝
のSAW共振子2,4のそれぞれ一端は、グランド電極
10とは分離した接続電極11,12にそれぞれ接続さ
れ、そこから第1、第2のインダクタンス素子5,6を
介して圧電基板の外部でグランドに接続されるのが特徴
である。
【0031】第1、第2のインダクタンス素子5,6
は、それぞれ接続電極11および12とパッケージ13
の端子とを接続するボンディングワイヤにより形成して
いる。800MHz帯の場合、必要なインダクタンス値は
数ナノヘンリーとなるため、線径35ミクロンのボンデ
ィングワイヤで長さは2mm程度となる。以上のように構
成されたSAWフィルタは図3に示す通過特性を示し、
800MHz帯において通過帯域の挿入損失が1.5d
B、減衰帯域における減衰量が40dBとなった。
【0032】なお、本実施の形態においてSAWフィル
タを4素子の回路としたが、それ以外の素子数であって
もかまわない。素子数を増加すれば減衰帯域の減衰量を
増大することができるが、その反面通過帯域内の挿入損
失もまた増大する。従って、所望の減衰帯域が確保でき
る最小限の素子数とすることが望ましい。また、素子数
に関わらず、直列枝に接続される回路の直列共振周波数
(Fs1,Fs3,…)と、並列枝に接続される回路の並列
共振周波数(Fp2,Fp4,…)とをほぼ等しく設定する
ことによって通過帯域におけるインピーダンス整合を得
ることができ、さらにインダクタンス素子によって並列
枝に接続される回路の直列共振周波数(Fs2,Fs4,
…)を並列共振周波数(Fp2,Fp4,…)から遠ざける
ことによって広帯域な通過帯域を得ることができるのは
上述の通りである。
【0033】また、本実施の形態において第1のインダ
クタンス素子5および第2のインダクタンス素子6をそ
れぞれボンディングワイヤにより構成したが、それらの
一部を圧電基板7上に形成した線路パターンによって構
成してもよい。例えば、図5に示すような第1、第2の
ジグザグ線路パターン14,15を圧電基板7上に形成
し、その先端に接続電極11,12を設ければ、第1、
第2のインダクタンス素子5,6をジグザグ線路パター
ン14,15とボンディングワイヤとにより形成するこ
とができるため大きなインダクタンス値が得られるとと
もにその値を安定させることができるものである。
【0034】さらに、第1、第2のインダクタンス素子
の一部を別個の外部素子により構成することもできる。
この場合、図6に示すように接続電極11,12よりボ
ンディングワイヤおよびパッケージ13の端子を介して
第1、第2の外部インダクタンス素子16,17をそれ
ぞれ接続すればよい。こうすれば、大きなインダクタン
ス素子値が得られるとともに、この素子値を容易に変更
できるためフィルタの特性の調整が可能となる。これら
の外部インダクタンス素子16,17としては、チップ
インダクタ等の個別部品を用いてもよいし、外部基板上
にパターンで形成してもかまわない。
【0035】なお、上記実施の形態において説明した数
値や構成は一例であり、本発明はこれらの数値や構成の
細部に限定されるものではない。
【0036】
【発明の効果】以上のように本発明は、入力端子と出力
端子との間に直列接続された第1のSAW共振子と、前
記第1のSAW共振子の入力端子側あるいは出力端子側
とグランドとの間に接続された第2のSAW共振子と第
1のインダクタンス素子の直列接続体とを備えたSAW
フィルタとするものである。この構成によって、第1の
SAW共振子と、第2のSAW共振子と第1のインダク
タンス素子との直列接続体とにより梯子型フィルタが形
成される。そして、第1のインダクタンス素子によって
前記直列接続体の共振点を反共振点から遠ざけることに
より、急峻な高域側減衰特性を有しつつ広帯域な通過特
性を得ることができ、その結果小型で低損失なフィルタ
を構成することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のSAWフィルタを示す回
路図
【図2】(a)は単体のSAW共振子のリアクタンス特
性を示した特性図 (b)はSAW共振子とインダクタンス素子との直列接
続体のリアクタンス特性を示した特性図
【図3】図1のSAWフィルタの通過特性を示した特性
【図4】SAWフィルタの実装状態を示す平面図
【図5】SAWフィルタの実装状態の他の例を示した平
面図
【図6】SAWフィルタの実装状態のさらなる他の例を
示した平面図
【図7】携帯電話を簡略化して示したブロック図
【図8】従来のSAWフィルタを示す回路図
【符号の説明】
1 第1のSAW共振子 2 第2のSAW共振子 3 第3のSAW共振子 4 第4のSAW共振子 5 第1のインダクタンス素子 6 第2のインダクタンス素子 7 圧電基板 8 入力電極 9 出力電極 10 グランド電極 11 第1のインダクタンス素子用の接続電極 12 第2のインダクタンス素子用の接続電極 13 パッケージ 14 第1のジグザグ線路パターン 15 第2のジグザグ線路パターン 16 第1の外部インダクタンス素子 17 第2の外部インダクタンス素子 18 マイク 19 変調器 20 送信周波数変換器 21 送信増幅器 22 送信フィルタ 23 アンテナ 24 受信フィルタ 25 受信増幅器 26 受信周波数変換器 27 復調器 28 スピーカ
フロントページの続き (72)発明者 村瀬 恭通 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力端子と出力端子との間に直列接続さ
    れた第1のSAW共振子と、前記第1のSAW共振子の
    入力端子側あるいは出力端子側とグランドとの間に接続
    された第2のSAW共振子と第1のインダクタンス素子
    との直列接続体とを備えたSAWフィルタ。
  2. 【請求項2】 第1のSAW共振子の直列共振周波数
    (以下Fs1と称す)および第2のSAW共振子の並列共
    振周波数(以下Fp2と称す)をそれぞれフィルタとして
    の中心周波数よりも高域側に設定した請求項1に記載の
    SAWフィルタ。
  3. 【請求項3】 Fs1とFp2とを略同じ値とした請求項1
    または請求項2に記載のSAWフィルタ。
  4. 【請求項4】 Fs1、Fp2のうち少なくとも一方をフィ
    ルタとしての通過帯域よりも高域側に設定した請求項1
    から請求項3のいずれか一つに記載のSAWフィルタ。
  5. 【請求項5】 第2のSAW共振子の一端を、第1のS
    AW共振子と出力端子間に接続した請求項1から請求項
    4のいずれか一つに記載のSAWフィルタ。
  6. 【請求項6】 第1、第2のSAW共振子の接続点と出
    力端子との間に第3のSAW共振子を直列接続し、第3
    のSAW共振子と出力端子との接続点とグランドとの間
    に第4のSAW共振子と第2のインダクタンス素子とか
    らなる直列接続体を接続した請求項1から請求項5のい
    ずれか一つに記載のSAWフィルタ。
  7. 【請求項7】 第3のSAW共振子の直列共振周波数
    (以下Fs3と称す)および第4のSAW共振子の並列接
    続体の並列共振周波数(以下Fp4と称す)をそれぞれフ
    ィルタとしての中心周波数よりも高域に設定した請求項
    6に記載のSAWフィルタ。
  8. 【請求項8】 Fs3とFp4とを略同じ値とした請求項6
    または請求項7のいずれか一つに記載のSAWフィル
    タ。
  9. 【請求項9】 Fs3、Fp4のうち少なくとも一方をフィ
    ルタとしての通過帯域よりも高域側に設定した請求項6
    から請求項8のいずれか一つに記載のSAWフィルタ。
  10. 【請求項10】 圧電基板上に第1から第4のSAW共
    振子用の櫛形電極パターンを形成するとともに、第2の
    SAW共振子の一端に第1の接続電極を、第4のSAW
    共振子の一端に第2の接続電極をそれぞれ設け、前記第
    1の接続電極に接続したボンディングワイヤにより第1
    のインダクタンス素子の少なくとも一部を形成し、前記
    第2の接続電極に接続したボンディングワイヤにより第
    2のインダクタンス素子の少なくとも一部を形成した請
    求項1から請求項9のいずれか一つに記載のSAWフィ
    ルタ。
  11. 【請求項11】 第2のSAW共振子の一端と第1の接
    続電極との間に第1のインダクタンス素子用の線路パタ
    ーンを設け、第4のSAW共振子の一端と第2の接続電
    極との間に第2のインダクタンス素子用の線路パターン
    を設けた請求項10に記載のSAWフィルタ。
  12. 【請求項12】 第1、第2のインダクタンス素子の少
    なくとも一部を、別個の外部素子により構成した請求項
    10または請求項11に記載のSAWフィルタ。
  13. 【請求項13】 圧電基板の左右に第1、第3のSAW
    共振子と第2、第4のSAW共振子とを振り分けて配置
    した請求項10から請求項12のいずれか一つに記載の
    SAWフィルタ。
  14. 【請求項14】 第1、第3のSAW共振子を振り分け
    た圧電基板の一方側に入力端子および出力端子を設け、
    第2、第4のSAW共振子を振り分けた圧電基板の他方
    側に第1、第2の接続電極を設けた請求項13に記載の
    SAWフィルタ。
  15. 【請求項15】 請求項1から請求項14のいずれか一
    つのSAWフィルタを通信機の送信経路に介在させた電
    子機器。
  16. 【請求項16】 請求項1から請求項14のいずれか一
    つのSAWフィルタを送信経路の最終段の増幅器とアン
    テナとの間に介在させた電子機器。
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