JPH11173285A - 流体圧縮機 - Google Patents

流体圧縮機

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Publication number
JPH11173285A
JPH11173285A JP33679997A JP33679997A JPH11173285A JP H11173285 A JPH11173285 A JP H11173285A JP 33679997 A JP33679997 A JP 33679997A JP 33679997 A JP33679997 A JP 33679997A JP H11173285 A JPH11173285 A JP H11173285A
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JP
Japan
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cylinder
peripheral surface
discharge
axial direction
grooves
Prior art date
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Application number
JP33679997A
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English (en)
Inventor
Satoshi Suzuki
聡 鈴木
Minoru Ishii
稔 石井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP33679997A priority Critical patent/JPH11173285A/ja
Publication of JPH11173285A publication Critical patent/JPH11173285A/ja
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Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C18/00Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
    • F04C18/08Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of intermeshing-engagement type, i.e. with engagement of co-operating members similar to that of toothed gearing
    • F04C18/10Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of intermeshing-engagement type, i.e. with engagement of co-operating members similar to that of toothed gearing of internal-axis type with the outer member having more teeth or tooth equivalents, e.g. rollers, than the inner member
    • F04C18/107Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of intermeshing-engagement type, i.e. with engagement of co-operating members similar to that of toothed gearing of internal-axis type with the outer member having more teeth or tooth equivalents, e.g. rollers, than the inner member with helical teeth

Abstract

(57)【要約】 【課題】吐出の最終段階で急激な圧力変化が発生した場
合でも、圧縮機の円筒外表面接線方向の振動を抑制でき
る流体圧縮機を得る。 【解決手段】シリンダ9の内周面に、一部が接触あるい
は微少な隙間を介して近接した状態でシリンダ9と相対
的に偏心して旋回する回転体12と、回転体12の外周
にシリンダ9の吸入部9a側から吐出部9b側へ向かっ
て順次小さくなるピッチで形成された並走する複数条の
螺旋状の溝18a,18bを設け、この溝に出入り自在
に嵌合されるとともにシリンダ9の内周面に密着し、シ
リンダ9の内周面と回転体12の外周面との間を複数の
作動室20a,20bに区画する螺旋状のブレード19
a,19bを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、冷凍サイクルの
冷媒を圧縮する圧縮機などの流体を圧縮する流体圧縮機
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より一般的な圧縮機として、レシプ
ロ方式、ロータリ方式等のものが知られており、その他
に螺旋ブレード方式の流体圧縮機が提案されている。図
7〜図9は例えば特開平5−106571号公報に示さ
れた従来の螺旋ブレード方式の圧縮機で、図7は従来の
流体圧縮機を示す断面図、図8は従来の回転ロッドを示
す斜視図、図9は従来の流体圧縮機の作動室内の圧力変
化図である。
【0003】図において、1は流体圧縮機(以下圧縮機
と称す。)で、密閉容器2内に配置されたステータ6及
びロータ7からなる駆動手段である電動要素5によって
回転するシリンダ9と、シリンダ9内にe寸法だけ偏心
して配置されオルダムリング14を介してシリンダ9に
対し相対的に旋回可能な回転ロッド12とを備え、回転
ロッド12の外周面には回転ロッド12の概全長に亘っ
て1条の螺旋状の溝18が形成され、この溝18に螺旋
状のブレード19が出入り自在に嵌合されている。ブレ
ード19の外周面はシリンダ9の内周面と密着しあい、
ブレード19は回転ロッド12と一体的に旋回する。ま
た、シリンダ9に対する回転ロッド12は偏心して旋回
するため、回転ロッド12外周面とこれに対向するシリ
ンダ9内周面との間には相対速度が生じ、さらにこの相
対速度は一回転を一周期として変化する。
【0004】そのために、前記したようにブレード19
が螺旋状の溝18に対して出入りすることで回転ロッド
12とシリンダ9との間の空間に複数の作動室20が軸
長方向に沿って形成されることになる。作動室20の容
積は、図8に示すようにブレード19が嵌合される螺旋
状の溝18のピッチPによって決定され、溝18のピッ
チPは、回転ロッド12の一端であるシリンダ9の吸入
部9aから他端である吐出部9bに向かって徐々に小さ
くなっている。従って、前記ブレード19によって形成
される作動室20の容積は、吸入パイプ3側となる回転
ロッド12の吸入部9a側から吐出パイプ4側となる吐
出部9b側へ向かって徐々に小さくなるため、冷媒は吐
出部9b側へ向かって順次移送される間に圧縮されて密
閉容器2内に吐出される構造となっている。
【0005】次ぎに、動作について説明する。図9は、
従来の圧縮機1の作動室20の回転角θに対する圧力変
化を示したものである。前記作動室20は、回転ロッド
12の回転角度θが進むにつれてその体積を減少させ、
吸い込んだ低圧冷媒ガスを圧縮し高圧化させる。このと
き、作動室20は一条の螺旋状の溝18に嵌合された1
本のブレード19により形成されているため、一回転に
一回吐出を行うことになる。また作動室20内で上昇で
きる圧力は、前記螺旋状の溝18のピッチ変化度合いに
より決まる設定圧縮比により一義的に決定される。従っ
て設定圧縮比によって決まる作動室20内の圧力と密閉
容器2内の圧力に差がある場合、吐出の最終段階で急激
な圧力変化が発生することがあるが、この吐出段階で発
生する圧力変化は一回転に一回の圧縮機1の外円筒表面
接線方向のトルク変動として圧縮機1の振動の発生源と
なる。
【0006】また従来の圧縮機1では、シリンダ9は吸
入部9a側と吐出部9b側とを有するため、回転ロッド
12には、吐出圧力と吸入圧力の差圧により、吸入部9
a側への軸長方向の押しつけ力が発生することになる
が、吐出の最終段階で急激な圧力変化が発生した場合、
前記軸長方向の押しつけ力が1回転に1回変化し振動の
加振力となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の流体圧縮機は以
上のように構成されているため、回転ロッド12の外周
に形成された螺旋状の溝18が1条であるため、圧縮機
1の外円筒表面接線方向の圧縮トルク変化は1回転に1
回の頻度で発生する。このため、特に圧縮機1が運転時
の負荷状況などにより低速回転域で運転される場合、回
転周波数の1次の周波数が基本加振力となるために、圧
縮機1を含みその接続配管(図示せず)及び圧縮機1を
収納する筐体(図示せず)などの振動系の構成部分の振
動振幅の大きな低周波数の振動共振点と近接することに
なり、結果として、騒音や配管接続部分などに悪い影響
を及ぼす可能性のある応力の発生源となるなどの圧縮機
1を含む振動系の振動振幅が大きくなるという課題があ
った。
【0008】また、従来の圧縮機1では、シリンダ9は
吸入部9a側と吐出部9b側とを有するため、回転ロッ
ド12には、吐出圧力と吸入圧力の差圧により、吸入側
への軸長方向の押しつけ力が発生することになるが、吐
出の最終段階で急激な圧力変化が発生した場合、前記軸
長方向の振動が発生する恐れがあるという課題があっ
た。
【0009】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたもので、幅広い運転周波数範囲で低振動
にできる流体圧縮機を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明の第1の発明に
係わる流体圧縮機は、密閉容器内に設けられた吸入部と
吐出部とを有するシリンダと、このシリンダの軸長方向
に沿って偏心して配置され、前記シリンダの内周面に一
部が接触あるいは微少な隙間を介して近接した状態で前
記シリンダと相対的に旋回可能な円筒状の回転体と、こ
の回転体の外周に設けられた前記シリンダの前記吸入部
側から前記吐出部側へ向かって順次小さくなるピッチで
形成された並走する複数条の螺旋状の溝と、この溝に出
入り自在に嵌合されるとともに前記シリンダの内周面に
密着する外周面を有し前記シリンダの内周面と前記回転
体の外周面との間を複数の作動室に区画する螺旋状のブ
レードと、前記回転体と前記シリンダとを相対的に旋回
させる駆動手段とを備えたものである。
【0011】また、この発明の第2の発明に係わる流体
圧縮機は、前記並走する螺旋状の溝を2条としたもので
ある。
【0012】また、この発明の第3の発明に係わる流体
圧縮機は、前記並走する複数条の溝の溝どうしの円周方
向の位相を略等間隔としたものである。
【0013】また、この発明の第4の発明に係わる流体
圧縮機は、前記シリンダの前記吸入部と前記吐出部を前
記シリンダの軸長方向の両端に設けたものである。
【0014】また、この発明の第5の発明に係わる流体
圧縮機は、前記シリンダの前記吸入部を前記シリンダの
軸長方向のそれぞれ両端側に設け、かつ前記吐出部を軸
長方向の内側に設けるか、または、前記吸入部を前記シ
リンダの軸長方向の内側に設け、かつ前記吐出部を軸長
方向のそれぞれ両端側に設けたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1〜図4はこの
発明の実施の形態1である流体圧縮機を示す図で、図1
は流体圧縮機の断面図、図2は図1の流体圧縮機の回転
ロッドの斜視図、図3は図1のIII−III線拡大断
面図、図4は図1の流体圧縮機の作動室内の圧力変化図
である。
【0016】図において1は冷凍サイクルの冷媒ガスを
圧縮する流体圧縮機(以下圧縮機と称する)で、密閉容
器2の一方には冷凍サイクルの吸入パイプ3が、他方に
は吐出パイプ4がそれぞれ設けられている。5は駆動手
段である電動要素で、密閉容器2の内面に固定されたス
テータ6と、その内側に設けられた回転可能なロータ7
とを備えている。8は圧縮手段としての圧縮要素で、両
端が開放されたシリンダ9を有しており、このシリンダ
9の吸入パイプ3側は冷媒の流入側となる吸入部9a
で、また吐出パイプ4側が冷媒の吐出側となる吐出部9
bである。
【0017】また、このシリンダ9は密閉容器2の内面
に固定された左右の軸受10,11により回転自在に両
端支持されており、この軸受10,11にはシリンダ9
の端部が回転自在に嵌合したボス部10a,11aとこ
れらボス部10a,11aよりも大径で密閉容器2の内
面に固定された基部10b,11bとからなり、シリン
ダ9の両端は気密的に閉塞される。
【0018】12はシリンダ9の内径よりも小さい円筒
状の回転体である回転ロッドで、シリンダ9の内部にシ
リンダ9の軸長方向に沿って配設されており、この回転
ロッド12はその中心軸線がシリンダ9の中心軸線に対
して距離eだけ偏心して配設され、シリンダ9の内周面
に一部が接触あいは微少な隙間を介して近接した状態で
シリンダ9と相対的に回転できるように設けている。
【0019】13は回転ロッド12の一方の支軸部に形
成した角柱部で、オルダムリング14を介してシリンダ
9からの回転動力が伝達される面として機能する部分で
あり、この角柱部13はオルダムリング14に形成され
た長孔15と遊びを有して嵌合し合うとともに、遊びの
範囲内において角柱部13のスライドが可能となってい
る。またオルダムリング14の外周面には長孔15と直
交する径方向に一対の伝達ピン16の一端部がそれぞれ
スライド自在に嵌挿され、伝達ピン16の他端はシリン
ダ9の周壁に設けられた嵌合孔17にそれぞれ嵌合固定
されており、これにより回転ロッド12はシリンダ9に
対して偏心した位置で無理なく結合状態が確保されると
ともに、シリンダ9の回転力はオルダムリング14を介
して回転ロッド12に伝達される。
【0020】従って、電動要素5の作動によりシリンダ
9がロータ7と一体的に回転することで、シリンダ9に
対して回転ロッド12はオルダムリング14を介して偏
心して回転運動する。すなわち、回転ロッド12はシリ
ンダ9内で内転し、シリンダ9に対して相対的に旋回運
動する。18a,18bは概シリンダ9の吸入部9aか
ら吐出部9bの範囲である回転ロッド12の概全長に渡
って外周面に形成した2条の螺旋状の溝で、並走するよ
うに2本の溝18a,18bを並んで旋回させており、
またシリンダ9の吸入部9a側から吐出部9b側に向か
ってピッチを徐々に小さくなるように設定しており、ま
た、概180゜位相をずらして回転ロッド12の外周部
を取り巻くように形成している。
【0021】19a,19bはこの並走する溝18a,
18bにそれぞれ出入自在に嵌合する2つの螺旋状のブ
レードで、弾性材料等で形成され、その弾性力により出
入り自在となっている。また、このブレード19a,1
9bにより上記シリンダ9内にブレード19a,19b
によって仕切られ、独立した2つの圧縮行程をたどる作
動室20a、20bが形成されている。そして、この作
動室20a,20bの容積は、図2に示すようにブレー
ド19a,19bが嵌合される螺旋状の溝18a,18
bのリードLによって決定され、前記のように溝18
a,18bのリードLは、回転ロッド12の一端側であ
る吸入部9a側から他端の吐出部9b側に向かって徐々
に小さくなっている。
【0022】ここでリードLは、条数とピッチPの積で
ある。従って、前記ブレード19a,19bによって形
成される作動室20a,20bの容積は、シリンダ9の
吸入部9a側から吐出部9b側へ向かって徐々に小さく
なるため、冷媒は吐出側へ向かって順次移送される間に
圧縮されて密閉容器2内に吐出される構造となってい
る。21,22はそれぞれ吸入パイプ3と吸入部9a側
とを連通させる吸入通路と、吐出パイプ4と吐出部9b
側を連通させる吐出通路である。
【0023】次ぎに、動作について説明する。駆動手段
である電動要素5に通電するとロータ7とともにシリン
ダ9が回転し、シリンダ9が回転すればオルダムリング
14を介して回転ロッド12も回転する。シリンダ9に
対する回転ロッド12は偏心して旋回するため回転ロッ
ド12の外周面とそれに対向するシリンダ9の内周面と
の間には相対速度が生じ、さらにその相対速度は一回転
を周期として変化しながらシリンダ9内で内転し、シリ
ンダ9に対して回転ロッド12は旋回運動する。この結
果、吸入パイプ3から吸入通路21を通り吸入部9a側
の作動室20a,20bに吸い込まれた冷媒は吐出部9
b側の作動室20a,20bへ向けて送られながら圧縮
され、吐出部9bから吐出通路22、密閉容器2内を経
て吐出パイプ4から冷媒回路へと吐出される。
【0024】また、図4は作動室20a,20bの回転
角θに対する圧力変化を示したものであるが、前記作動
室20aおよび作動室20bは、回転ロッド12の回転
角度θが進むにつれてその体積を減少させ、吸い込んだ
低圧冷媒ガスを圧縮し高圧化させる。このとき作動室2
0aと作動室20bは、互いに概180゜位相ずれして
形成されている2条の螺旋状の溝18a,18bに嵌合
されたブレード19a,19bにより形成されているた
め、位相角でそれぞれ概180゜ずれて圧縮行程を行う
ことになる。作動室20a,20b内で上昇できる圧力
は、前記螺旋状の溝18a,18bのピッチの変化度合
いにより決まる設定圧縮比により一義的に決定される。
このため、設定圧縮比によって決まる作動室20a,2
0b内の圧力と密閉容器2内の圧力に差がある場合に発
生する作動室20a,20bからの吐出の最終段階での
急激な圧力変化は、一回転に2回の圧縮機1の外円筒表
面接線方向のトルク変動として圧縮機1の振動の発生源
となる。
【0025】しかし、圧縮機1の基本加振力が回転周波
数の2次となるため、従来の溝が1条のみの圧縮機に比
べ、圧縮機1を含みその接続配管(図示せず)及び圧縮
機1を収納する筐体(図示せず)などの振動系の構成部
分の振動振幅の大きな低周波数の振動共振点と加振周期
が離れ、結果として圧縮機1を含む振動系の振動振幅が
抑制され、圧縮機1の円筒外表面接線方向の振動を抑制
することができる効果がある。そして、騒音を引き起こ
す可能性があり、また接続配管(図示せず)などの接続
部に悪い影響を及ぼす応力を与える可能性などのある振
幅の大きい振動が抑制されることになる。
【0026】また、上記実施の形態1では並走する螺旋
状の溝18a,18bが2条の場合を示したが、3条や
4条などさらに多数条としてもよく、1回転に発生する
加振力の発生する回数がさらに増えることで圧縮機1の
基本加振力の発生する周波数をさらに高次にでき、振幅
の大きな振動をさらに抑制させることができる効果があ
る。
【0027】なお、上記実施の形態1では並走する螺旋
状の溝18a,18bを2条としたので、3条や4条な
どさらに多数状とする場合より振動の抑制の効果の点で
は若干劣るものの従来技術に比べて十分に振動抑制の効
果が得られ、また、加工工数が少なくてすみ、作動室2
0a,20bも小さくなることにより圧縮する力が小さ
くなり過ぎることもなく、さらに溝と溝の間隔も狭くな
りすぎることがなく、製品が作りやすいという効果があ
る。
【0028】なお、上記実施の形態1では2条の溝18
a,18bの円周方向の位相を概180゜ずらすように
して溝どうしの円周方向の位相を略等間隔としているの
で、加振トルクの発生が等間隔で発生するため、等間隔
でない場合より加振されるバランスがよくなり、結果的
にさらに振動を抑制できる効果があり、また、実施の形
態1では溝18a、18bが2条の場合を示したが、3
条の場合は概120゜、4条の場合は90゜のように多
数状にした溝の円周方向の位相を略等間隔にすれば同様
の効果を奏する。
【0029】なお、上記実施の形態1では前記シリンダ
9の吸入部9aと吐出部9bをそれぞれシリンダ9の軸
長方向の両端に設けているので、軸長方向のスペースを
有効に使用できるため、コンパクトな流体圧縮機が得ら
れる効果がある。
【0030】実施の形態2.図5はこの発明の実施の形
態2である流体圧縮機の断面図を示すもので、この圧縮
機1ではシリンダ9の両端に設けた吸入部9aから前記
シリンダ9の概中央部の吐出部9bへ向かって順次小さ
くなるピッチの並走する2条の螺旋状の溝18a,18
bが、それぞれ左右に概180゜位相ずれして回転ロッ
ド12の外周部を取り巻くように形成されている。ま
た、前記回転ロッド12は前記実施の形態1と同様にシ
リンダ9内に偏心配置されており、上記溝18a,18
bには、螺旋状のブレード19a,19bが出し入れ自
在にそれぞれはめ込まれており、上記シリンダ9内に上
記ブレード19a,19bによって仕切られ、左右にそ
れぞれ独立した2つの圧縮行程をたどる作動室20a,
20bが形成されている。前記ブレード19a,19b
によって形成される作動室20a,20bの容積は、2
本の吸入パイプ3が接続された回転ロッド12の両端側
である吸入部9a側から、シリンダ9の概中央部に設け
られた吐出部9b側へ向かって徐々に小さくなるため、
冷媒はシリンダ9両端からシリンダ9中央部へ向かって
順次移送される間に圧縮されて、吐出部9bより密閉容
器2内に吐出される構造となっている。また、左右のそ
れぞれの溝18a,18bの螺旋方向は両端の吸入部9
a側から作動室20a,20bに入った冷媒が中央部の
吐出部9bへ送られるように左右で逆に巻いている。
【0031】また、この実施の形態2ではシリンダ9内
の冷媒の送れる方向に対して上記実施の形態1と溝18
a,18bの螺旋方向が逆巻きとなっているが、回転ロ
ッド12の回転する方向を逆回転させればよいわけであ
る。なお、前記実施の形態1と同一または相当する部分
は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0032】そして、このような圧縮機1では、左右そ
れぞれ並走する2条の螺旋状の溝18a,18bがシリ
ンダ9の両端から前記シリンダ9の概中央部へ向かって
順次小さくなるピッチで、冷媒がシリンダ9両端からシ
リンダ9中央部へ向かって順次移送されるように回転ロ
ッド12の外周部を取り巻くように形成されているた
め、回転ロッド12には、吐出圧力と吸入圧力が打ち消
し合うために差圧はかからず、軸長方向の押しつけ力は
発生しない。このため吐出の最終段階で急激な圧力変化
が発生した場合でも、前記軸長方向の振動が発生するこ
とはない。また2条の螺旋状の溝18a,18bは、概
180゜位相ずれして回転ロッド12の外周部を取り巻
くように形成されているため、実施の形態1と同じく、
圧縮機1の外円筒接線方向の振動を抑制することができ
る効果もある。
【0033】実施の形態3.なお、上記実施の形態2で
は、シリンダ9の両端の吸入部9aから前記シリンダ9
の概中央部の吐出部9bへ向かって順次小さくなるピッ
チで形成された複数条の螺旋状の溝18a,18bを外
周部に有する回転ロッド12をシリンダ9内に偏心配置
し、上記溝18a,18bに螺旋状のブレード19a,
19bを出し入れ自在にはめ込み、上記シリンダ9内に
上記ブレード19a,19bによって仕切られた複数の
作動室20a,20bを形成したものを示したが、図6
に示すようにシリンダ9の概中央部に吸入部9aを設
け、中央部から前記シリンダ9の両端に設けた吐出部9
bへ向かって順次小さくなるピッチで形成されたそれぞ
れ並設する複数条の螺旋状の溝18a,18bを外周部
に有する回転ロッド12をシリンダ9内に偏心配置し、
上記溝18a,18bに螺旋状のブレード19a,19
bを出し入れ自在にはめ込み、上記シリンダ9内に上記
ブレード19a,19bによって仕切られた複数の作動
室20a,20bを形成し、吸入部9aから吸い込まれ
た冷媒は圧縮されて両端の吐出部9bから吐出されるよ
うに設けても良く、同じく軸方向の振動を抑えることが
できる効果がある。また、左右のそれぞれの溝18a,
18bの螺旋方向は中央の吸入部9a側から作動室20
a,20bに入った冷媒が両端の吐出部9bへ送られる
ように左右で逆に巻いている。
【0034】また、上記実施の形態2及び実施の形態3
では吸入部9aから吐出部9bへと向かう溝やブレード
を相反する方向に一対のみ設けたものを示したが、2対
や1対と一方を並設する構成など一対以上であれば、同
様に作動室の軸長方向の圧力差により移動させようとす
る力を均衡させる働きがあり、シリンダ9の軸長方向の
振動をおさえることができる効果がある。
【0035】また、上記実施の形態2及び実施の形態3
のように前記シリンダ9の吸入部9aを軸長方向のそれ
ぞれ両端側に設け、かつ吐出部9bを軸長方向の内側に
設けるか、または、吸入部9aを前記シリンダ9の軸長
方向の内側に設け、かつ吐出部9bを軸長方向のそれぞ
れ両端側に設けたので、シリンダ9の軸長方向の内側に
設ける吸入部9a、または吐出部9bをそれぞれ両端側
に設ける2つの吐出部9bと吸入部9aに対して一つ設
けるだけでよく、安価に、また、省スペースで作れると
いう効果もある。
【0036】また、上記実施の形態2及び実施の形態3
のように内側に設ける前記吐出部9bまたは前記吸入部
9aを、それぞれの両端側に設けた前記吸込部9aまた
は前記吐出部9bの略中間に設けたので、作動室20
a,20bの軸長方向の圧力差により回転ロッド12を
軸長方向に移動させようとする力が確実に均衡するとい
う効果がある。
【発明の効果】
【0037】以上、説明したとおり第1の発明に係わる
流体圧縮機は、密閉容器内に設けられた吸入部と吐出部
とを有するシリンダと、このシリンダの軸長方向に沿っ
て偏心して配置され、前記シリンダの内周面に一部が接
触あるいは微少な隙間を介して近接した状態で前記シリ
ンダと相対的に旋回可能な円筒状の回転体と、この回転
体の外周に設けられた前記シリンダの前記吸入部側から
前記吐出部側へ向かって順次小さくなるピッチで形成さ
れた並走する複数条の螺旋状の溝と、この溝に出入り自
在に嵌合されるとともに前記シリンダの内周面に密着す
る外周面を有し前記シリンダの内周面と前記回転体の外
周面との間を複数の作動室に区画する螺旋状のブレード
と、前記回転体と前記シリンダとを相対的に旋回させる
駆動手段とを備えたので、吐出の最終段階で急激な圧力
変化が発生した場合でも、圧縮機を含む振動系の構成部
分の大きい振動振幅が抑制され、圧縮機の円筒外表面接
線方向の振動を抑制することができる効果がある。
【0038】また、第2の発明に係わる流体圧縮機は、
前記並走する螺旋状の溝を2条としたので、さらに多数
状とする場合より振動の抑制の効果の点では若干劣るも
のの従来技術に比べて十分に振動抑制の効果が得られ、
また、加工工数が少なくてすみ、作動室も小さくなるこ
とにより圧縮する力が小さくなり過ぎることもなく、さ
らに溝と溝の間隔も狭くなりすぎることがなく、製品が
作りやすいという効果がある。
【0039】また、第3の発明に係わる流体圧縮機は、
前記並走する複数条の溝の溝どうしの円周方向の位相を
略等間隔としたので、加振トルクの発生が等間隔で発生
するため加振のバランスがよくなり、結果的にさらに振
動を抑制できるものが得られる効果がある。
【0040】また、第4の発明に係わる流体圧縮機は、
前記シリンダの前記吸入部と前記吐出部を前記シリンダ
の軸長方向の両端に設けたので、軸長方向のスペースを
有効に使用できるため、コンパクトな流体圧縮機が得ら
れる効果がある。
【0041】また、第5の発明に係わる流体圧縮機は、
前記シリンダの前記吸入部を前記シリンダの軸長方向の
それぞれ両端側に設け、かつ前記吐出部を軸長方向の内
側に設けるか、または、前記吸入部を前記シリンダの軸
長方向の内側に設け、かつ前記吐出部を軸長方向のそれ
ぞれ両端側に設けたので、さらに作動室の軸長方向の圧
力差により回転体を軸長方向に移動させようとする力を
均衡させ、吐出の最終段階で急激な圧力変化が発生した
場合でもシリンダの軸長方向の振動をおさえることがで
きる効果があり、また、シリンダの軸長方向の内側に設
ける吸入部または吐出部をそれぞれ両端側に設ける2つ
の吐出部と吸入部に対して一つ設けるだけでよく、さら
に安価に、また、省スペースで作れるという効果もあ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示す流体圧縮機の
断面図である。
【図2】 図1の流体圧縮機の回転ロッドの斜視図であ
る。
【図3】 図1のIII−III線の拡大断面図であ
る。
【図4】 図1の流体圧縮機の作動室内の圧力変化図で
ある。
【図5】 この発明の実施の形態2を示す流体圧縮機の
断面図である。
【図6】 この発明の実施の形態3を示す流体圧縮機の
断面図である。
【図7】 従来の流体圧縮機を示す断面図である。
【図8】 従来の回転ロッドを示す斜視図である。
【図9】 従来の流体圧縮機の作動室内の圧力変化図で
ある。
【符号の説明】
1 流体圧縮機、2 密閉容器、5 駆動手段(電動要
素)、9 シリンダ、9a 吸入部、9b 吐出部、1
2 回転体(回転ロッド)、18a,18b溝、19
a,19b ブレード、20a,20b 作動室。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉容器内に設けられた吸入部と吐出部
    とを有するシリンダと、このシリンダの軸長方向に沿っ
    て偏心して配置され、前記シリンダの内周面に一部が接
    触あるいは微少な隙間を介して近接した状態で前記シリ
    ンダと相対的に旋回可能な円筒状の回転体と、この回転
    体の外周に設けられた前記シリンダの前記吸入部側から
    前記吐出部側へ向かって順次小さくなるピッチで形成さ
    れた並走する複数条の螺旋状の溝と、この溝に出入り自
    在に嵌合されるとともに前記シリンダの内周面に密着す
    る外周面を有し前記シリンダの内周面と前記回転体の外
    周面との間を複数の作動室に区画する螺旋状のブレード
    と、前記回転体と前記シリンダとを相対的に旋回させる
    駆動手段とを備えたことを特徴とする流体圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記並走する螺旋状の溝を2条としたこ
    とを特徴とする請求項1記載の流体圧縮機。
  3. 【請求項3】 前記並走する複数条の溝の溝どうしの円
    周方向の位相を略等間隔としたことを特徴とする請求項
    1または請求項2記載の流体圧縮機。
  4. 【請求項4】 前記シリンダの前記吸入部と前記吐出部
    を前記シリンダの軸長方向の両端に設けたことを特徴と
    する請求項1ないし請求項3いずれか記載の流体圧縮
    機。
  5. 【請求項5】 前記シリンダの前記吸入部を前記シリン
    ダの軸長方向のそれぞれ両端側に設け、かつ前記吐出部
    を軸長方向の内側に設けるか、または、前記吸入部を前
    記シリンダの軸長方向の内側に設け、かつ前記吐出部を
    軸長方向のそれぞれ両端側に設けたことを特徴とする請
    求項1ないし請求項3いずれか記載の流体圧縮機。
JP33679997A 1997-12-08 1997-12-08 流体圧縮機 Pending JPH11173285A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005520988A (ja) * 2002-03-22 2005-07-14 ライボルト ヴァークウム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 偏心型ポンプおよび該ポンプを運転するための方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005520988A (ja) * 2002-03-22 2005-07-14 ライボルト ヴァークウム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 偏心型ポンプおよび該ポンプを運転するための方法

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