JPH11172409A - 耐摩耗コーティングベンド管の作製方法 - Google Patents

耐摩耗コーティングベンド管の作製方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐摩耗性が良好でベンド部においても良好な
伝熱特性を有する耐摩耗コーティングベンド管が得ら
れ、工程数も少ない耐摩耗コーティングベンド管の作製
方法を提供すること。 【解決手段】 JIS4種のNi基自溶性合金を溶射し
たボイラチューブ直管を、該直管の溶射皮膜を緻密化す
るための溶融処理を行いながらベンド加工するととも
に、溶融処理後のベンド管を、前記ボイラチューブ直管
の材質に応じた冷却条件により冷却することを特徴とす
る耐摩耗コーティングベンド管の作製方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐摩耗コーティング
ベンド管の作製方法に関し、特に加圧流動床ボイラの層
内に設置される層内管として好適な耐摩耗コーティング
ベンド管の作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】加圧流動床ボイラの層内管は燃焼ガスに
よる摩耗対策としては、直管部に耐摩耗性、耐食性及び
耐熱性に優れた材料である自溶性合金の溶射皮膜を施
し、ベンド部には耐摩耗性材料からなる二重管プロテク
タを設ける方法が採用されている。従来の加圧流動床ボ
イラの層内管の構造の1例を図4、5に示す。図4、5
の例において、図4(a)は直管部のボイラチューブ1
にJIS4種の自溶性合金を溶射して自溶性合金皮膜2
を形成し、高周波加熱装置3を用いて溶射皮膜の溶融処
理を行って作製した直管部の構造を示し、図4(b)は
内側のベンド加工されたボイラチューブ1の外側を耐摩
耗性に優れた材料からなる外管4で覆った、二重管プロ
テクタを設けたベンド部の構造を示している。一般に、
ボイラチューブ1としては炭素鋼(JIS STB4
2、STB410Sなど)、低合金鋼(JIS STB
A24、2.25Cr−1Mo鋼など)、オーステナイ
ト系鋼(SUS304、SUS310、SUS347H
TBなど)などの材料などが使用され、プロテクタであ
る外管4としてはSUS310などが使用されている。
【0003】従来の加圧流動床ボイラにおいては、図4
(a)の構造の直管部と図4(b)の構造のベンド部と
を溶接したものが使用されている。図5(a)に図4
(a)の構造の直管部と図4(b)の構造のベンド部と
を溶接により接合した状況を示し、図5(b)にその縦
断面図を示す。図5(b)において1はボイラチュー
ブ、2はボイラチューブ1に溶射溶融処理したJIS4
種の自溶性合金皮膜、4は耐摩耗性に優れた材料からな
る外管(プロテクタ材)、5は直管とベンド管の溶接接
合部を示している。図5(c)、(d)、(e)はそれ
ぞれ図5(a)及び図5(b)に示すa−a、b−b及
びc−c部の横断面図である。図6(a)及び図6
(b)に従来手法で作製した90°ベンド加工部及び1
80°ベンド加工部の断面図を示す。図6中の符号は図
5と同じであり、説明は書略する。このような構造の耐
摩耗コーティングベンド管は、ベンド部が二重プロテク
タ構造となっているためこの部分は伝熱管としての機能
を果たせず、直管部のみの伝熱面積となり、層内管の長
さが長くなりコスト高の原因となっていた。また、プロ
テクタ材の適用も工法が煩雑であり狭隘個所への適用で
あることから品質の不安定性や工数増による生産性の低
さといった問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような従
来技術の実状に鑑み、耐摩耗性が良好でベンド部におい
ても良好な伝熱特性を有する耐摩耗コーティングベンド
管が得られ、工程数も少ない耐摩耗コーティングベンド
管の作製方法を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決する手段として、ボイラチューブのベンド部への自
溶性合金の適用を検討した。基体管(ボイラチューブ)
が低合金鋼の場合、ベンド加工後に自溶性合金の溶射
を行い、その後、溶融処理を行う方法、直管に自溶性
合金を溶射し、その後ベンド加工と溶融処理の同時施工
が考えられる。しかし、については加工、溶射及び溶
融処理の3工程によるコスト高、また、自溶性合金皮膜
部の溶融処理後の冷却時に管母材の変態による膨張と自
溶性合金皮膜部の収縮で皮膜部に引張応力が発生し、管
表面に割れが発生する問題がある。また、については
ベンド加工と溶融処理の同時施工でコスト低減はできる
が、と同様に溶融処理後の冷却段階で皮膜部に割れが
発生する問題があった。炭素鋼の場合には、溶融処理後
の冷却速度を遅くすると、母材が粗粒化傾向になる問題
があり、また、オーステナイト系鋼の場合、溶融処理時
に冷却を遅くすると溶射皮膜と母材との界面が鋭敏化傾
向になる問題があった。
【0006】本発明者らはボイラチューブのベンド部へ
の自溶性合金の適用についてさらに検討を進め、自溶性
合金としてJIS4種のNi基自溶性合金を選択し、基
体管の材質に応じて処理条件を適切に制御することによ
り、前記課題が解決できることを見出し、本発明を完成
した。すなわち、本発明は次の(1)〜(3)の構成を
採るものである。
【0007】(1)JIS4種のNi基自溶性合金を溶
射した低合金鋼製ボイラチューブ直管を、該直管の溶射
皮膜を緻密化するための溶融処理を行いながらベンド加
工するとともに、溶融処理後のベンド管をベンド加工が
終了するまで均一再加熱して800〜900℃に保持
し、ベンド加工終了ののち、800℃から500℃まで
の冷却速度を毎秒0.015〜0.019℃の範囲に制
御して冷却することを特徴とする耐摩耗コーティングベ
ンド管の作製方法。
【0008】(2)JIS4種のNi基自溶性合金を溶
射した炭素鋼製ボイラチューブ直管を、該直管の溶射皮
膜を緻密化するための溶融処理を行いながらベンド加工
するとともに、溶融処理後のベンド管をベンド加工が終
了するまで均一再加熱して800〜900℃に保持し、
ベンド加工終了ののち、800℃から500℃までの冷
却速度を毎秒0.075〜0.091℃の範囲に制御し
て冷却することを特徴とする耐摩耗コーティングベンド
管の作製方法。
【0009】(3)JIS4種のNi基自溶性合金を溶
射したオーステナイト系鋼製ボイラチューブ直管を、該
直管の溶射皮膜を緻密化するための溶融処理を行いなが
らベンド加工するとともに、溶融処理後のベンド管を8
00℃から500℃までの冷却速度を毎秒2.950℃
以上に制御して冷却することを特徴とする耐摩耗コーテ
ィングベンド管の作製方法。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において耐摩耗層として使
用するJIS4種のNi基自溶性合金は、JIS H8
303の自溶性合金中のニッケル自溶合金の4種に相当
するもので、重量%でCr:12〜17%、B:2.5
〜4%、Si:3.5〜5%、C:0.4〜0.9%、
Fe:5%以下、Co:1%以下、Mo:4%以下、C
u:4%以下、残部Ni及び不可避的不純物の組成を有
し、溶射後の皮膜のロックウェルC硬さが50以上、6
0未満のものである。本発明の方法においては、粉末ガ
ス溶射法、プラズマ溶射法等により厚さ1〜5mmの溶
射皮膜を形成させる。厚みが1mm未満では十分な耐摩
耗性が得られず、また、5mmを超えると伝熱特性を阻
害したり、経済性が劣ることとなる。
【0011】本発明の方法は、JIS4種のNi基自溶
性合金を溶射した炭素鋼、低合金鋼、オーステナイト系
鋼などからなるボイラチューブ直管に溶融処理を行いな
がらベンド加工し、加工後の冷却条件をボイラチューブ
直管(基材)の材質に合わせて制御するようにしたこと
を特徴とする。溶融処理は1000〜1100℃に加熱
することによって行い、この処理と同時にベンド加工を
行いベンド部を形成させる。この時の加熱手段としては
高周波加熱が望ましい。
【0012】溶融処理の加熱方法を高周波加熱とするこ
とにより、高周波の表皮効果により溶射皮膜よりも基材
の鋼管表面がより加熱され、JIS4種のNi基自溶性
合金皮膜と基材界面の加熱状態が良好になり、優れた密
着性が得られる。また、溶射皮膜の過熱がなく皮膜の溶
融たれ落ちを防止することができ、厚膜化が可能とな
る。さらに、高周波加熱によって基材の鋼管も高温とな
り、溶融処理と同時にベンド加工を行うことができる。
すなわち、高周波加熱によれば電気的制御によって温度
制御ができることと、加熱範囲が狭いことなどから、ガ
ス炎加熱法ではできないベンド加工を効率よく行うこと
ができる。ここで高周波加熱に使用する高周波としては
出力50〜80kW、周波数5〜10kHzのものが好
適である。
【0013】次に、溶融処理及びベンド加工後の冷却条
件について説明する。前記(1)の発明は基材であるボ
イラチューブがJISのSTBA24、2.25Cr−
1Mo鋼などの低合金鋼の場合である。この材料の場合
は溶融処理後に急冷(炉外での放冷を含む)すると冷却
過程で生ずる基材のベイナイト変態による膨張と自溶性
合金皮膜の収縮により皮膜部に引張応力が発生し皮膜割
れを起こす。この冷却による皮膜割れを抑制するため、
溶融処理及びベンド加工を行った部分を再加熱し、全体
の処理が完了するまで800〜900℃の範囲に保持す
る。そして、加工部分全体の溶融処理及びベンド加工が
終了後、速やかに熱処理炉又は簡易炉等に装入し、80
0℃から500℃までの冷却速度を毎秒0.015〜
0.019℃となるように制御して冷却する。この冷却
速度は通常の炉冷程度に相当するものである。このよう
にすることによって、冷却過程で生ずる基材のベイナイ
ト変態領域を避けることができ、ベンド加工部の自溶性
合金皮膜部の割れ発生を抑制することができ、良好な耐
摩耗コーティングベンド管を容易に作製することができ
る。
【0014】前記(2)の発明は基材であるボイラチュ
ーブがJISのSTB42、STB410Sなどの炭素
鋼の場合である。この材料の場合は溶融処理後の冷却過
程で基材の粗粒化(冷却速度が極端に遅いと結晶粒が成
長し粗粒化傾向になる)を抑制するため、800〜90
0℃の範囲での再加熱と温度保持のあと、速やかに簡易
炉等に装入し、800℃から500℃までの冷却速度を
毎秒0.075〜0.091℃となるように制御して冷
却する(例えば保温材を用いて徐冷する)。この冷却速
度は通常の炉冷と炉外での放冷の中間冷却に相当するも
のである。このようにすることによって、冷却過程で生
ずる基材の粗粒化を抑制することができ、良好な耐摩耗
コーティングベンド管を容易に作製することができる。
【0015】前記(3)の発明は基材であるボイラチュ
ーブがSUS304、SUS310、SUS347HT
Bなどオーステナイト系鋼の場合である。この材料の場
合、550〜800℃の範囲ではCr炭化物の析出が起
こる。これにより隣接部の粒界に極端なCr欠乏帯が生
じ、腐食しやすくなる。この現象を鋭敏化という。その
ため、この材料の場合は溶融処理後の冷却過程で母材の
鋭敏化(冷却速度が遅いと皮膜界面の母材部が鋭敏化傾
向になる)を抑制するため、強制冷却とする。すなわ
ち、溶融処理及びベンド加工あとの再加熱及び保温は行
わず、800℃から500℃までの冷却速度が毎秒2.
950℃以上となるように制御して冷却する。通常は溶
融処理後に空気を吹きつけるなどの方法により強制冷却
とする。このようにすることによって、冷却過程で生ず
る母材と皮膜層界面の鋭敏化を抑制することができ、良
好な耐摩耗コーティングベンド管を容易に作製すること
ができる。
【0016】
【実施例】以下実施例により本発明の方法をさらに具体
的に説明する。図1及び図2に本発明の方法による溶融
処理及びベンド加工の同時施工の状況を示す。図1
(a)は溶融処理及びベンド加工の同時施工前の状態、
図1(b)は同時施工中の状態を示す図であり、また、
図2(a)及び(b)はそれぞれ図1(b)のd−d及
びe−e断面図である。図1及び図2において1はボイ
ラチューブ、2はボイラチューブ1にJIS4種のNi
基自溶性合金を溶射した自溶性合金皮膜、3は自溶性合
金皮膜部を溶融処理するための高周波加熱コイル、6は
ボイラチューブ1をベンド加工するためのベンダー治
具、7はベンダー治具6の支点、8は溶融処理後の皮膜
部の放熱を防止するための再加熱高周波コイルである。
【0017】図3は図1及び図2に従って作製した耐摩
耗コーティングベンド管の構造を示す図であり、図3
(a)は90°ベンド部、図3(b)は180°ベンド
部の断面図を示し、図3(c)は図3(a)及び(b)
のc−c断面図に相当する。
【0018】(実施例1)図1及び図2の方式に準じ
て、低合金鋼(2.25Cr−1Mo鋼)からなるボイ
ラチューブ1(内径34.6mm、厚み7.0mm)
に、溶射によりJIS4種のNi基自溶性合金皮膜2を
形成させた(厚さ1mm)直管を使用して、皮膜層の緻
密化を行う処理(溶融処理)及びベンド加工の同時施工
を行い、本発明の耐摩耗コーティングベンド管を作製し
た。すなわち、JIS4種のNi基自溶性合金皮膜2を
形成させたボイラチューブ1をベンダー治具6に固定
し、前記ボイラチューブ1を一定速度で送りながら、高
周波加熱コイル3を用いて溶融処理(1050℃)を施
工するとともに支点7を介してベンダー治具6を同時回
転させてベンド加工を行った。なお、使用したJIS4
種のNi基自溶性合金の組成は重量%でCr:16.9
5%、B:3.35%、Si:3.96%、C:0.8
4%、Fe:3.45%、Mo:2.09%、Cu:
3.13%、残部Ni及び不可避的不純物である。
【0019】その際、溶融処理後の皮膜割れ(溶融処理
後の冷却過程で生ずる母材のベイナイト変態と自溶性合
金皮膜の収縮の重複で生じる引張応力で皮膜部に割れが
発生する)を抑制するため、再加熱高周波コイル8によ
り溶融処理及びベンド加工を行った部分を均一再加熱
(約850℃)し、全体の処理が完了するまで850℃
±10℃に保持した。溶融処理及びベンド加工終了まで
温度保持した後、速やかに熱処理炉に装入し、800℃
から500℃まで炉冷した(冷却速度:毎秒0.016
9℃程度)。このようにすることによって、冷却過程で
生ずる母材のベイナイト変態領域を避けることができ、
ベンド加工部の自溶性合金皮膜部の割れ発生を抑制する
ことができ、良好な耐摩耗コーティングベンド管を容易
に作製することができた。
【0020】(実施例2)炭素鋼(STB410S鋼)
からなるボイラチューブ1(内径40mm、厚み5.4
mm)に、溶射によりJIS4種のNi基自溶性合金皮
膜2を形成させた(厚さ1mm)直管を使用して、皮膜
層の緻密化を行う処理(溶融処理)及びベンド加工の同
時施工を行い、本発明の耐摩耗コーティングベンド管を
作製した。この例においては全体のベンド加工終了まで
は実施例1と同条件で操作した。すなわち、実施例1と
同様にして溶融処理及びベンド加工終了まで温度保持し
た後、速やかに簡易炉に装入し保温材を巻いて徐冷する
ことにより、800℃から500℃まで中間冷却した
(冷却速度:毎秒0.0828℃程度、炉冷と放冷の中
間程度に相当)。このようにすることによって、冷却過
程で生ずる母材の粗粒化を抑制することができ、良好な
耐摩耗コーティングベンド管を容易に作製することがで
きた。
【0021】(実施例3)オーステナイト系鋼(SUS
347HTB)からなるボイラチューブ1(内径41.
6mm、厚み4.6mm)に、溶射によりJIS4種の
Ni基自溶性合金皮膜2を形成させた(厚さ1mm)直
管を使用して、皮膜層の緻密化を行う処理(溶融処理)
及びベンド加工の同時施工を行い、本発明の耐摩耗コー
ティングベンド管を作製した。この実施例の場合は10
50℃に加熱して溶融処理及びベンド加工を行った後、
再加熱及び保温は行わず、加熱部に空気を吹きつけて8
00℃から500℃まで強制冷却した(冷却速度:毎秒
2.950℃程度)。このようにすることによって、冷
却過程で生ずる母材と皮膜層界面の鋭敏化を抑制するこ
とができ、良好な耐摩耗コーティングベンド管を容易に
作製することができた。
【0022】
【発明の効果】前記(1)の発明によれば、JIS4種
のNi基自溶性合金を溶射した低合金鋼製ボイラチュー
ブ直管を、溶融処理を行いながらベンド加工することに
よって、冷却過程で生ずる基材のベイナイト変態領域を
避けることができ、ベンド加工部の自溶性合金皮膜部の
割れ発生を抑制することができ、良好な耐摩耗コーティ
ングベンド管を容易に作製することができる。前記
(2)の発明によれば、JIS4種のNi基自溶性合金
を溶射した炭素鋼製ボイラチューブ直管を、溶融処理を
行いながらベンド加工することによって、冷却過程で生
ずる基材の粗粒化を抑制することができ、良好な耐摩耗
コーティングベンド管を容易に作製することができる。
前記(3)の発明によれば、JIS4種のNi基自溶性
合金を溶射したオーステナイト系鋼製ボイラチューブ直
管を、溶融処理を行いながらベンド加工することによっ
て、冷却過程で生ずる基材と皮膜層界面の鋭敏化を抑制
することができ、良好な耐摩耗コーティングベンド管を
容易に作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法による溶融処理及びベンド加工の
同時施工の状況を示す説明図。
【図2】図1のd−d及びe−e断面図。
【図3】図1に従って作製した耐摩耗コーティングベン
ド管の90°ベンド加工部及び180°ベンド加工部の
断面図。
【図4】従来の加圧流動床ボイラの層内管の構造の1例
を示す説明図(その1)。
【図5】従来の加圧流動床ボイラの層内管の構造の1例
を示す説明図(その2)。
【図6】従来手法で作製した層内管の90°ベンド加工
部及び180°ベンド加工部の断面図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋山 寛 長崎県長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工 業株式会社長崎造船所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 JIS4種のNi基自溶性合金を溶射し
    た低合金鋼製ボイラチューブ直管を、該直管の溶射皮膜
    を緻密化するための溶融処理を行いながらベンド加工す
    るとともに、溶融処理後のベンド管をベンド加工が終了
    するまで均一再加熱して800〜900℃に保持し、ベ
    ンド加工終了ののち、800℃から500℃までの冷却
    速度を毎秒0.015〜0.019℃の範囲に制御して
    冷却することを特徴とする耐摩耗コーティングベンド管
    の作製方法。
  2. 【請求項2】 JIS4種のNi基自溶性合金を溶射し
    た炭素鋼製ボイラチューブ直管を、該直管の溶射皮膜を
    緻密化するための溶融処理を行いながらベンド加工する
    とともに、溶融処理後のベンド管をベンド加工が終了す
    るまで均一再加熱して800〜900℃に保持し、ベン
    ド加工終了ののち、800℃から500℃までの冷却速
    度を毎秒0.075〜0.091℃の範囲に制御して冷
    却することを特徴とする耐摩耗コーティングベンド管の
    作製方法。
  3. 【請求項3】 JIS4種のNi基自溶性合金を溶射し
    たオーステナイト系鋼製ボイラチューブ直管を、該直管
    の溶射皮膜を緻密化するための溶融処理を行いながらベ
    ンド加工するとともに、溶融処理後のベンド管を、80
    0℃から500℃までの冷却速度を毎秒2.950℃以
    上に制御して冷却することを特徴とする耐摩耗コーティ
    ングベンド管の作製方法。
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