JPH11172386A - 耐エロージョン性に優れた熱交換器用Al合金フィン材の製造方法 - Google Patents

耐エロージョン性に優れた熱交換器用Al合金フィン材の製造方法

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JPH11172386A
JPH11172386A JP34129997A JP34129997A JPH11172386A JP H11172386 A JPH11172386 A JP H11172386A JP 34129997 A JP34129997 A JP 34129997A JP 34129997 A JP34129997 A JP 34129997A JP H11172386 A JPH11172386 A JP H11172386A
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JP
Japan
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fin material
cold rolling
ingot
cooling rate
alloy
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Application number
JP34129997A
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Inventor
Shu Kuroda
周 黒田
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MA Aluminum Corp
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Mitsubishi Aluminum Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐エロージョン性に優れた熱交換器用Al合
金フィン材の製造方法を提供する。 【解決手段】 Al合金を鋳型に鋳造し、ただちに冷却
速度:15℃/sec〜1000℃/secで冷却して
得られたインゴットに冷間圧延および中間焼鈍を施し、
最終冷間圧延を圧延率:5〜35%で行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、耐エロージョン
性に優れた熱交換器用Al合金フィン材の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に自動車のラジエータなどと
して用いられている熱交換器の構造部材であるフィン材
は、冷媒通路形成体(例えば、管材)にろう付けして金
属的に結合させ、伝熱面積を広くすることにより、熱交
換効率の向上を図っている。これらフィン材として通常
はAA1050合金、AA3003合金などが用いられ
ている。
【0003】フィン材を冷媒通路形成体にろう付けする
際に、図1の一部拡大断面図に示されるように、フィン
材1および冷媒通路形成体2の一部は溶融ろうによって
溶解される共にフィン材と冷媒通路形成体の隙間が溶融
ろうによって充填されてフィレット3を形成し、このフ
ィレット3によりフィン材1と冷媒通路形成体2の強固
な接合がなされている。この場合、フィン材1および冷
媒通路形成体2の一部が溶融ろうによって溶解されるこ
とをエロージョン(侵食)といい、この侵食された部分
をエロージョン部4という。適度な厚さのエロージョン
部4の存在はフィン材と冷媒通路形成体の強固な接合に
大きく寄与している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、自動車などの燃
費の向上から、自動車部品の1つである熱交換器につい
ても軽量化および小型化が求められており、熱交換器の
フィン材についても薄肉化されて熱交換器の軽量化およ
び小型化が促進されている。しかし、従来のフィン材は
溶融ろうによってエロージョン(侵食)されやすく、こ
のエロージョン(侵食)されやすい薄肉のフィン材を冷
媒通路形成体にろう付けすると、フィン材が薄肉である
ために、図2の拡大断面図に示されるように、フィン材
1の厚さに比べてエロージョン部4が大きくなり、フィ
レット3に接する部分のフィン材1の肉厚tが極端に薄
くなって、最悪の場合はエロージョン部4がフィン材1
を貫通し、熱交換器のフィン材として必要な耐圧強度お
よび構造を保てなくなるばかりでなく熱交換機能の低下
は避けられないという問題が生じてきた。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、強度および熱伝導度を低下させ
ることなく耐エロージョン性に優れたフィン材を得るべ
く研究を行なった結果、以下のことが分かったのであ
る。すなわち、(a)フィン材の溶融ろうによるエロー
ジョンは、一般に結晶粒内部と粒界で生じるが、従来の
フィン材であるAA1050合金、AA3003合金な
どは結晶粒界で優先的に進行してること、(b)粒界で
のエロージョンの進行は粒界の性質に大きく依存してい
ること、すなわち、隣接する結晶の方位の違いが大きい
ほどエロージョンが激しく起きること、(c)したがっ
て、フィン材の溶融ろうによるエロージョンを抑えるた
めには、結晶粒を大きくして結晶粒界を少なくし、さら
に隣接する結晶の方位を近いものにすればよいこと、
(d)結晶粒を大きくし隣接する結晶の方位を近いもの
にするには、Al合金を鋳型に鋳造した後ただちに冷却
速度:15℃/sec〜1000℃/secで冷却し、
得られたインゴットを熱間圧延することなく冷間圧延お
よび中間焼鈍を施し、最終冷間圧延を通常よりも低い圧
延率:5〜35%で行うことにより得られること、など
が分かったのである。
【0006】この発明は、かかる研究結果に基づいて成
されたものであって、Al合金を鋳型に鋳造すると同時
に冷却速度:15℃/sec〜1000℃/secで冷
却して得られたインゴットを冷間圧延し、中間焼鈍を施
したのち圧延率:5〜35%の最終冷間圧延を行う耐エ
ロージョン性に優れた熱交換器用Al合金フィン材の製
造方法、に特徴を有するものである。
【0007】この発明の耐エロージョン性に優れたフィ
ン材の製造条件を上記の通りに限定した理由を説明す
る。 (a)インゴット鋳造時の冷却速度 インゴット鋳造と同時に冷却する速度(以下、インゴッ
ト鋳造時の冷却速度という)を大きくすると溶質元素の
晶出物量の少ないインゴットが得られ、この晶出物量が
少ないインゴットを最終冷間圧延前に中間焼鈍すると結
晶粒が粗大化し、耐エロージョン性が向上する。したが
って、インゴット鋳造時の冷却速度が大きいほど溶質元
素の晶出物量が減るので好ましいが、冷却速度が15℃
/sec.未満では溶質元素の晶出物量が多く発生し過
ぎて、最終冷間圧延前の中間焼鈍時に発生する結晶粒が
小さくなり過ぎるので好ましくなく、一方、インゴット
鋳造時の冷却速度は1000℃/sec.が限界である
から、インゴット鋳造時の冷却速度は15℃/sec.
〜1000℃/sec.に定めた。インゴット鋳造時の
冷却速度の一層好ましい範囲は50℃/sec.〜50
0℃/sec.である。
【0008】(b)最終冷間圧延の圧延率 前記インゴット鋳造時の冷却速度は15℃/sec.〜
1000℃/sec.で冷却して得られたインゴットを
冷間圧延し、中間焼鈍して結晶粒を粗大化したのち最終
冷間圧延する時のこの発明の圧延率は、従来の最終冷間
圧延の圧延率:40〜80%に対してこれよりも低い圧
延率:5〜35%(好ましくは、10〜29%)で行
う。この低い圧延率の最終冷間圧延を行うことは、中間
焼鈍で粗大化した結晶粒を維持しつつ隣接する結晶の結
晶方位をより近くするためであるが、最終冷間圧延時の
圧延率が5%未満では隣接する結晶の結晶方位が近くな
らず、一方、圧延率が35%を越えると完全な圧延加工
組織(繊維組織)となり、この組織を有するフィン材を
ろう付けすると、ろうが溶融する直前の温度で微細な再
結晶粒が発生し、また隣接する結晶の結晶方位が近くな
る効果も半減するので好ましくないという理由によるも
のである。
【0009】
【発明の実施の形態】表1に示される成分組成をもった
Al合金A〜Fを用意した。
【0010】
【表1】
【0011】これらAl合金A〜Fを通常の溶解法によ
り溶解し、得られたAl合金溶湯を幅:200mm×長
さ:500mm×厚さ:10mmの寸法のキャビティをもっ
た金型に鋳造し、冷却水量を変えることにより表2〜表
3に示される冷却速度で冷却し、インゴットを製造し
た。このインゴットを冷間圧延して冷延板とした後、4
50℃、2時間保持の条件で中間焼鈍し、ついで表2〜
表3に示される圧延率で最終冷間圧延し、板厚:100
μmのフィン材を製造することにより発明法1〜13お
よび比較法1〜7を実施した。
【0012】さらに、Al合金Aのインゴットを表3に
示される冷却速度で冷却し、得られたインゴットを通常
の条件で均熱処理し、熱間圧延し、さらに通常の条件で
中間焼鈍を必要に応じて加えながら冷間圧延することに
より厚さ:100μmの冷延板とすることにより従来法
を実施した。
【0013】一方、心材としてAl−1重量%Mn−
0.15重量%Cu(AA3003)を用意し、さらに
ろう材としてAl−7.5重量%Si(AA4343)
を用意し、心材:ろう材=85:15のクラッド率とな
るように心材の片面にろう材をクラッドした厚さ:0.
3mmのブレージングシートを作製した。このブレージ
ングシートの片面にコルゲート加工を施した本発明法1
〜13、比較法1〜7および従来法でそれぞれ作製した
フィン材を組み付け、これにフラックスを塗布した後、
ろう付け熱処理し、その後断面の観察を行うことによ
り、ろうによるフィンの最大エロージョン深さ(図1の
エロージョン部4の厚さH)を測定し、その結果を表2
〜表3に示した。
【0014】
【表2】
【0015】
【表3】 (*印は、この発明から外れている値を示す)
【0016】表1〜表3に示される結果から、本発明法
1〜13により得られたフィン材は、従来法により得ら
れたフィン材と比べて、溶融ろうによる最大エロージョ
ン深さが小さく、貫通がないところから、この発明の方
法は従来よりも格段に優れた耐エロージョン性を有する
フィン材を提供できることが明らかである。
【0017】一方、比較法1〜7に見られるように、こ
の発明の範囲から外れた条件で製造したフィン材(表3
において、この発明の範囲から外れた条件に*印を付し
て示した)は、溶融ろうによるフィン材のエロージョン
による最大エロージョン深さが大きかったり貫通が生じ
たりして好ましくないことが分かる。
【0018】
【発明の効果】上述のように、この発明の熱交換器用A
l合金フィン材の製造方法によると、耐エロージョン性
に優れたフィン材を提供することができるので、Al熱
交換器は軽量化および小型化が可能であると共に、熱交
換機能の一層の向上に役立つものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィン材を冷媒通路形成体にろう付けして得ら
れた接合部の一部拡大断面図である。
【図2】フィン材を冷媒通路形成体にろう付けして得ら
れた接合部の一部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 フィン材、 2 冷媒通路形成体、 3 フィレット、 4 エロージョン部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22F 1/00 681 C22F 1/00 681 682 682 685 685Z 692 692A 694 694A

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Al合金を鋳型に鋳造すると同時に冷却
    速度:15℃/sec〜1000℃/secで冷却して
    得られたインゴットを冷間圧延し、中間焼鈍を施したの
    ち圧延率:5〜35%の最終冷間圧延を行うことを特徴
    とする耐エロージョン性に優れた熱交換器用Al合金フ
    ィン材の製造方法。
JP34129997A 1997-12-11 1997-12-11 耐エロージョン性に優れた熱交換器用Al合金フィン材の製造方法 Pending JPH11172386A (ja)

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JP34129997A JPH11172386A (ja) 1997-12-11 1997-12-11 耐エロージョン性に優れた熱交換器用Al合金フィン材の製造方法

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002256403A (ja) * 2001-02-28 2002-09-11 Mitsubishi Alum Co Ltd 熱交換器のフィン材の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002256403A (ja) * 2001-02-28 2002-09-11 Mitsubishi Alum Co Ltd 熱交換器のフィン材の製造方法

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