JPH11172365A - 中心部特性に優れる高張力鋼およびその製造方法 - Google Patents

中心部特性に優れる高張力鋼およびその製造方法

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JPH11172365A
JPH11172365A JP34237297A JP34237297A JPH11172365A JP H11172365 A JPH11172365 A JP H11172365A JP 34237297 A JP34237297 A JP 34237297A JP 34237297 A JP34237297 A JP 34237297A JP H11172365 A JPH11172365 A JP H11172365A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】900MPa以上の引張強さ、中心部の靭性、
耐HICおよび溶接性に優れた高張力鋼および製造方法
の提供。 【解決手段】(1)重量比にて、C:0.02〜0.1%、Si:0.6
%以下、Mn:0.2%〜2%、Ni:0.2〜1.2%、Ti:0.005〜0.03
%、Al:0.1%以下、N:0.001〜0.006%、B:0.0005〜0.0025
%、Cr:0.6%超え1.2%以下、Mo:0.6%超え1.2%以下、任意
元素Cu、Nb、V、Caを含み、下部ベイナイトとマルテン
サイトの混合組織の体積率が組織全体の90%以上で混合
組織のうち下部ベイナイトの体積率が10%以上であり、
かつ旧γ粒のアスペクト比が3以上、TS900MPa以上の高
張力鋼。 (2)鋳片を、900〜1200℃に加熱後圧延し、γの未再
結晶温度域での累積圧下率を50%以上とし、Ar3点以上
で圧延を終了し、Ar3点以上から10〜45℃/sの冷却速度
で冷却し、必要に応じてAc1点未満で焼戻しする(1)
の高張力鋼の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、900MPa以上
の引張強さを有する溶接性と中心部靭性に優れる高張力
鋼、とくに、天然ガスや原油輸送用ラインパイプ、各種
圧力容器等に利用される高張力鋼およびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】天然ガス、原油等を長距離輸送するパイ
プラインにおいて、輸送コストの低減は普遍的なニーズ
であり、操業圧力の上昇による輸送効率の改善が必要と
されている。操業圧力を高めるには、従来の強度グレー
ドのパイプの肉厚を増加させる方法が考えられるが、こ
の方法では現地での溶接施工能率を低下させるとともに
構造物の重量増加による施工効率の低下を生じる問題が
ある。これに対しパイプ素材そのものを高強度化し肉厚
の増大を制限するニーズが高まっており、たとえば、米
国石油協会(API)においてX80グレード鋼が規格
化され実用に供されている。
【0003】X80より高強度のラインパイプ用鋼材と
して、Mn含有率を高くしたX100グレード超の高強
度鋼およびその製造方法が、特開平8−199292号
公報、特開平8−209290号公報、特開平8−20
9291号公報、特開平8−269544号公報、特開
平8−269545号公報、特開平8−269546号
公報に開示されている。
【0004】Mnを高めた高強度鋼は安価に高強度化す
ることが可能であるが、Mnが2%を超えるような高強
度鋼を連続鋳造法によって鋳造すると鋳片中心部へのM
nの偏析が著しくなるために、特にX100グレードを
超える高強度鋼では低温靱性や耐水素誘起割れ性(耐H
IC性)などの特性が悪くなる。
【0005】一方、Mnを2%以下とした高強度鋼にお
いて、近年ではCuの時効析出を利用したX100グレ
ードを超える高強度鋼およびその製造方法が、特開平8
−104922号公報、特開平8−209287号公
報、特開平8−209288号公報に開示されている。
しかしながら、Cuの析出強化を利用する方法による
と、母材の高強度と優れた現地溶接性は得られるもの
の、マトリックス中に分散したCu析出物のために優れ
た靭性を兼ね備えるには不十分である。
【0006】これらに対し、Mnを1.5%以下に制限
して高強度鋼を製造する方法が特開平8−269542
号公報に開示されている。この方法によれば、Cu含有
率を0.5%以上という比較的低めに設定するにもかか
わらず高強度を得ることが可能である。しかし、B含有
率を0.0004%以下に制限しているために十分な焼
入性を得ることができず、使用状態の鋼の靭性を左右す
る中心部の靭性に最も好適な下部ベイナイトとマルテン
サイトの混合組織を得ることができない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、90
0MPa以上の引張強さを満足する溶接性と中心部特性
に優れた高張力鋼を提供することにある。具体的には下
記の性質を全て備える高張力鋼およびその製造方法を提
供することにある。
【0008】母材 :(1)TS≧900MPa
(2)vEー40≧120J 溶接部:(1)TS≧900MPa (2)vE-20≧
70J 耐HIC性:NACEの定めるTM0177溶液中での
割れ率1%以下 現地溶接性:y開先溶接割れ試験において予熱なしの条
件で割れなし
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは母材の引張
強さが900MPa以上の各種の鋼について実験を行い
下記の事項を確認することができた。
【0010】(a)Mnを2%以下(好ましくは1.7
%未満)に抑えると、中心部の偏析を大幅に軽減するこ
とができる。その結果、中心部の耐HIC性が大幅に向
上する。
【0011】(b)Mn低下にともなう焼入性の低下、
およびそれに起因する強度と靭性の低下等は、Cuの析
出強化を利用することなくCr、Mo、Bの増量により
補うことができ、かつ高Mn鋼に比較して一層良好な靭
性を確保することができる。
【0012】(c)上記(b)のB、Cr、Moの増量
の程度は、焼入性を向上させ、全板厚にわたってつぎの
金属組織が得られるようにする。すなわち、マルテンサ
イトと下部ベイナイトの混合組織が、体積率で90%以
上となるようにし、かつ該混合組織中の下部ベイナイト
の体積率を10%以上とする。
【0013】本発明は上記事項を組み合わせて現場試作
を経て完成されたもので、その要旨は下記の高張力鋼お
よびその製造方法にある。
【0014】(1)重量比にて、 C:0.02〜0.1% Si:0.6%以下 Mn:0.2%〜2% Ni:0.2〜1.2% Ti:0.005〜0.03% Al:0.1%以下 N:0.001〜0.006% B:0.0005〜0.0025% Cr:0.6%超え1.2%以下 Mo:0.6%超え1.2%以下 Cu:0〜0.6% Nb:0〜0.1% V:0〜0.1% Ca:0〜0.006% を含み、不可避的不純物元素のうちのP:0.015%
以下、S:0.003%以下であり、下部ベイナイトと
マルテンサイトの混合組織の体積率が金属組織全体の9
0%以上、該混合組織のなかでの下部ベイナイトの体積
率が10%以上であり、かつ旧オーステナイト粒のアス
ペクト比が3以上である引張強さが900MPa以上の
中心部特性に優れた高張力鋼。
【0015】(2)鋳片を、900〜1200℃に加熱
後圧延し、オーステナイトの未再結晶温度域での累積圧
下率を50%以上とし、Ar3点以上で圧延を終了し、A
r3点以上から10〜45℃/sの範囲内の冷却速度で少
なくとも500℃まで冷却する上記(1)に記載する高
張力鋼の製造方法。
【0016】(3)さらに、Ac1点未満で焼戻処理を加
える上記(2)の製造方法。
【0017】上記各発明において、金属組織中にオース
テナイトが残留する場合はX線回折によりその体積率を
求める。そのほか、上部ベイナイト、パーライト等はピ
クラール等でエッチした金属面を光学顕微鏡で観察する
ことにより下部ベイナイトおよびマルテンサイトとの混
合組織と識別することができる。また、これらの組織中
に生成する炭化物もそれぞれの組織内で形態的な特徴を
有するので、炭化物を抽出したレプリカを2000倍程
度の倍率で電子顕微鏡観察することにより識別でき、し
たがって下部ベイナイトとマルテンサイトの混合組織の
比率を求めることができる。この体積率は10〜30視
野で平均化した体積率をさす。さらに判別が困難な場合
は、薄膜を電子顕微鏡により透過観察を行う。この場合
には倍率が5000倍以上となるので、視野数を20〜
50視野程度に増やして平均するのがよい。
【0018】旧オーステナイト粒のアスペクト比とは、
圧延方向に延伸したオーステナイト粒の径(長径)を板
厚方向の径(短径)で除した値をさす。
【0019】未再結晶温度域は再結晶が生じない温度域
をさす。900MPa以上の引張強さを満たすほど合金
元素を含む鋼の場合、未再結晶温度域は975℃以下A
r3点以上の温度域が該当する。累積圧下率はこの未再結
晶温度域での累積圧下率をさし、(975℃での肉厚−
Ar3点での肉厚)/(975℃での肉厚)をいう。
【0020】圧延後の冷却速度および冷却停止温度等
は、肉厚中心部における冷却速度および冷却停止温度等
をさす。
【0021】
【発明の実際の形態】つぎに本発明を上記のように限定
した理由を詳述する。以後の説明において合金元素の含
有率の「%」は「重量%」を表示する。
【0022】1.化学組成 C:0.02〜0.1% Cは強度上昇に有効な元素であり、本発明鋼において所
望の強度を得るためには0.02%以上が必要である。
しかし、0.1%を超えると鋼の靱性を劣化させるだけ
でなく、現地での溶接施工性を著しく劣化させるため、
上限を0.1%と制限する。
【0023】Si:0.6%以下 Siは脱酸に有効な元素であるが、0.6%を超えると
溶接熱影響部(HAZ:Heat Affected Zone)の靭性を低下
させるだけでなく、加工性を劣化させるため上限を0.
6%とする。Si含有率は実質的に0でも良いが、Si
を0にすると脱酸時にAlの損失が大きくなるので、通
常は脱酸をおこなって残存する程度の含有率、例えば
0.01%程度が下限として望ましい。
【0024】Mn:0.2〜2% Mnは強度上昇に有効な元素であり、そのためには、
0.2%以上の含有率とする。しかし、2%を超えると
中心部の特性が劣化するため、引張強さにおいて900
MPa以上の高強度鋼を製造する場合には、Mn含有率
を2%以下に制限することが必要であり、望ましくは
1.7%未満に抑える必要がある。さらに望ましくは
1.5%未満にするのが良い。
【0025】Ni:0.2〜1.2% Niは強度上昇に有効な元素であると同時に、靱性およ
び脆性亀裂の伝播停止特性を改善する効果を有する。こ
のためにNiは0.2%以上とする。しかし、1.2%
を超えるとコストアップに見合うだけの強度上昇と靭性
の改善が得られないので上限を1.2%とする。
【0026】Ti:0.005〜0.03% Tiはスラブ加熱時のオーステナイト結晶粒の微細化に
有効な元素であり、0.005%以上とする。特にNb
含有鋼の場合には、Nbによって助長される連続鋳造ス
ラブ表面のヒビワレを抑制するのに微量Tiが有効であ
る。0.005%以上含有することによりこのような効
果を発揮する。しかしながら0.03%を超えると、T
iNが粗大化しオーステナイト結晶粒の微細化効果が消
滅するため、Tiの上限は0.03%とする。
【0027】Al:0.1%以下 Alは、通常、脱酸剤として鋼に添加される。酸素と結
合せずに鋼中に残留するAl、すなわちsolAlは、
AlNの析出による組織の微細化作用を有しており、母
材靱性の改善からも有用な元素である。上記Alは、s
olAlおよび酸素と結合したAlすなわちinsol
Alの両方をさす。過剰なAlは酸化物等の介在物の粗
大化を招き鋼の清浄度を害するため、その上限を0.1
%とする。好ましい上限値は0.06%さらに好ましく
は0.05%である。
【0028】N:0.001〜0.006% NはTiとともにTiNを形成しスラブ再加熱時および
溶接時のオーステナイト粒の粗大化を抑制する作用を有
する。このような効果を得るための下限値は0.001
%である。一方、Nの増加はスラブ品質の劣化および固
溶Nの増加によるHAZ靱性の劣化を生じるためその上
限値を0.006%とする。
【0029】B:0.0005〜0.0025% Bは0.0005%未満では強度確保ができないので、
0.0005%以上とする。一方、0.0025%を超
えると靭性が劣化するため、上限を0.0025%とす
る。
【0030】Cr:0.6%超え1.2%以下 Crは高Mn含有による中心部特性の劣化を回避し、か
つ強度を満足させるために添加する。強度確保のために
は0.6%を超えて含有させることが必要である。しか
しながら1.2%を超えるとCr系の炭化物量が増加し
靭性が劣化するため、上限を1.2%とする。
【0031】Mo:0.6%超え1.2%以下 Moは、Mnを高めることなく焼入性を確保することが
でき、中心部特性の劣化を回避しかつ強度を満足させる
ので、0.6%を超える含有率とする。しかしながら
1.2%を超えるとMo系の炭化物量が増加し靭性が劣
化するため、上限を1.2%とする。
【0032】Cu:0〜0.6% Cuは無添加でもよい。Cuは強度上昇に有効な元素で
あるが、0.2%未満ではその効果が明確でないので、
添加する場合には、0.2%以上の含有率とすることが
望ましい。しかし、0.6%を超えると靭性が劣化する
ため、上限は0.6%とする。
【0033】Nb:0〜0.1% Nbは添加しなくてもよい。Nbは制御圧延においてオ
ーステナイト結晶粒の微細化に有効な元素であり、その
ためには、0.01%以上含有することが望ましい。し
かし0.1%を超えると靭性が劣化するばかりか現地で
の溶接施工性を著しく劣化するため、上限を0.1%と
する。
【0034】V:0〜0.1% Vは無添加でもよい。Vは強度上昇に有効なのでTS9
00MPaを確保するためには、0.01%以上含ませ
ることが望ましい。しかし、0.1%を超えると靭性を
劣化させるため、上限を0.1%とする。強度と靭性の
両方をともに良好にするには、0.02〜0.06%程
度含有させるのが望ましい。
【0035】Ca:0〜0.006% Caは無添加でもよい。CaはMnSの形態を制御し鋼
の圧延方向と直角方向の靱性を向上させる作用がある
が、0.0003%未満では効果が小さいので含ませる
場合には0.0003%以上とすることが望ましい。一
方、0.006%を超えると鋼中の非金属介在物が増加
し内部欠陥の原因となるので0.006%以下とする。
【0036】P:0.015%以下、S:0.003%
以下 PやSの含有率は鋼の靱性に著しい影響を及ぼすため含
有率の低減を図る必要がある。Pの低減はスラブの中心
偏析を軽減するとともに、粒界での脆性破壊を低減す
る。SはMnSとなって鋼中に析出し、これが圧延によ
り延伸し靱性に悪影響を及ぼす。これらの悪影響を抑制
するためには、Pを0.015%以下、かつSを0.0
03%以下とする。
【0037】個々の合金元素の制限に加えて本発明では
さらに炭素当量(=C+(Mn/6)+{(Cu+Ni)/15}+{(Cr+Mo+V)/
5}:単位 wt% )を0.4〜0.65%の範囲に制限する
ことが望ましい。炭素当量の制限により母材のみならず
HAZにおいても下部ベイナイトとマルテンサイトの混
合組織とすることができ、靱性劣化を伴うことなく広い
製造範囲で所望の組織を有する鋼を得ることが可能であ
る。炭素当量が0.4%未満の場合には焼入性の不足か
ら母材の引張強さを900MPa以上とすることが困難
となり、また、炭素当量が0.65%を超える場合には
焼入性は過度に上昇しHAZ靱性および鋼板表面での靱
性が劣化する場合がある。
【0038】2.金属組織 母材の強度と靱性を同時に満たすためには下部ベイナイ
トとマルテンサイトの混合組織とし、両組織をあわせて
体積率90%以上とする。上限は100%であってもよ
い。ここでいう下部ベイナイトとはラス状ベイニティッ
クフェライト内部に同フェライトの端面と60度の角度
をなす面上にセメンタイトが整列析出した組織をいう。
すなわち、セメンタイトとフェライトとは当該フェライ
ト端面において一定の方位関係を満足する。したがっ
て、1つのベイニティックフェライト内部の析出面は1
つのみである。焼戻マルテンサイトもマルテンサイトラ
ス内部にセメンタイトが析出した組織であるが、セメン
タイトの析出面に4つのバリアント(立方晶のなかで等
価な4つの面)が存在することが下部ベイナイト中のセ
メンタイトとの相違点である。下部ベイナイトとマルテ
ンサイトの混合組織の靱性が優れる要因は、マルテンサ
イトに先んじて生成する下部ベイナイトが「壁」となっ
てオーステナイト粒を細分し、マルテンサイトの成長お
よびパケット(脆性破壊の破面単位に一致する)の粗大
化を抑制するためである。強度を満足しつつ、靱性を向
上させるためには、下部ベイナイトの体積率はマルテン
サイトと下部ベイナイトの総計の10%以上とする。す
なわち、マルテンサイトと下部ベイナイトの混合組織の
なかでの体積率を10%以上とする。ただし、あまり下
部ベイナイトの体積率が増えると引張強さが低下して9
00MPaを満足することができない場合があるので、
混合組織中の下部ベイナイトの体積率は75%以下とす
ることが望ましい。
【0039】強度を満たすことを前提に、下部ベイナイ
トとマルテンサイトの混合組織で靱性をより一層改善す
るためには、下部ベイナイトを微細に分散させることが
重要である。このためには、後記するように圧延後未再
結晶状態のオーステナイトから変態させる必要がある。
これにより下部ベイナイトの核生成サイトが増加し、オ
ーステナイト粒界および粒内の多くのサイトから下部ベ
イナイトを生成させることができる。こうした効果を出
現させるために必要な未再結晶オーステナイトの扁平度
はアスペクト比にして3以上必要である。ここで、オー
ステナイト粒のアスペクト比はオーステナイト粒の圧延
方向の直径(長径)を板厚方向の直径(短径)で除した
値をさす。
【0040】3.製造方法 次に製造方法について詳説する。本製造方法において最
も肝要なのは、オーステナイト粒界のみならず熱間圧延
によって導入された集積転位を保存したオーステナイト
の粒内からも下部ベイナイトとマルテンサイトを核生成
させ、これを適当な体積率とすることである。鋳片加熱
温度については、加熱時のオーステナイト結晶粒の粗大
化を防止するために1200℃以下とし、一方、圧延中
の結晶粒の微細化および圧延後の析出強化に有効なM
o、Nb等の炭窒化物を固溶させるために900℃以
上、望ましくは950℃以上とする。圧延温度について
は十分に管理される必要がある。オーステナイト粒内か
らのベイニティックフェライトを核生成させ、かつベイ
ニティックフェライトの成長を抑えるためには高密度の
転位が必要であり、そのためにはオーステナイトの未再
結晶温度域で累積圧下率50%以上の圧延を行うことが
必須である。一方、オーステナイトの未再結晶温度域で
の累積圧下率が90%を超えると機械的性質の異方性が
著しくなるので、未再結晶温度域での累積圧下率は90
%以下とすることが望ましい。
【0041】Ar3点未満の温度域を緩冷却されるとき生
成する上部ベイナイトを抑制するためには、Ar3点以上
から一定範囲の冷却速度で冷却しなければならない。こ
の圧延後の冷却速度は、下部ベイナイトとマルテンサイ
トの混合組織を上記の体積率とするために必要であり、
肉厚中心部の冷却速度で10〜45℃/sの範囲とす
る。冷却速度が10℃/s未満の場合は上部ベイナイト
が生成し、下部ベイナイトとマルテンサイトの混合組織
の体積率が90%未満、とくに合金元素が低めの場合に
は60%未満となるので強度と靱性、アレスト性が劣化
する。一方45℃/sを超えると下部ベイナイト組織が
生成せずマルテンサイトのみの組織となり、靱性とアレ
スト性が劣化する。上記冷却速度での冷却は、少なくと
も350℃まではおこなう。その後は脱水素のために徐
冷してもよい。
【0042】
【実施例】つぎに実施例により、本発明の効果について
説明する。
【0043】供試鋼板は、表1および表2に示す化学成
分を有する鋼を常法により溶製し、連続鋳造し得られた
鋳片を表3に示す種々の条件で圧延したもので、板厚は
12〜35mmである。表1〜表2の鋼のAr3点は、5
00〜600℃の範囲にある。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】これらの鋼板の板厚中心部より試験片(引
張試験片: JIS Z 2201 10号、衝撃試験片:JIS Z 2202
4号)を採取し、引張試験(JIS Z 2241)および2mm
Vノッチシャルピー衝撃試験(JIS Z 2242)をおこなっ
た。また、市販のフラックスと100キロハイテン用の
ワイヤを用いてサブマージアーク溶接による突き合わせ
溶接継手についても引張試験とシャルピー衝撃試験をお
こなった。
【0048】また、現地溶接施工性を評価するために、
y開先溶接割れ試験(JIS Z 3158)を行った。溶接材料
は市販の100キロハイテン用SMAW(Shielded Met
al Arc Welding :手溶接)の棒を用い、溶接時溶着金属
に含まれる拡散性水素量が1.5cc/100gとなる
ように吸湿条件を一定に整えた。また、原油や天然ガス
と接するので、耐HIC特性の評価をおこなった。短冊
状の試験片は4点曲げ拘束治具に装着され試験片中央部
に母材の降伏強さの応力がかかるように曲げが加えら
れ、NACEの定めるTM0177溶液中に720時間
浸漬され、割れの有無が調査された。
【0049】表4はこれら試験の結果を示す一覧表であ
る。
【0050】
【表4】
【0051】本発明の限定範囲内の化学組成の鋼を用い
たにもかかわらず、比較例である試験番号11、12は
未再結晶域での累積圧下率が不足したためアスペクト比
が3未満となった。その結果、オーステナイト粒内から
下部ベイナイトが核発生しないために靭性が低くなっ
た。また、試験番号13、14は冷却速度が小さいため
に本発明の限定範囲内の組織とならず、引張強さを確保
できなかった。試験番号15はC含有率が高すぎ靭性が
低く、16はC含有率が低すぎ引張強さを確保できなか
った。試験番号17、18、19、21は、それぞれS
i、Mn、Cu、Crが高いために引張強さは高いが、
靭性が低い。とくにMn含有率の高い18は、中心偏析
を反映してHIC特性およびy開先拘束割れ試験も好ま
しくない結果となった。試験番号20は、Crが少ない
ために下部ベイナイトとマルテンサイトの混合組織が得
られず、強度が不足した。試験番号22はMoが本発明
の限定範囲より低いために引張強さが低下し、23はM
oが高すぎたので靭性が劣化した。試験番号24、25
はそれぞれV、Nbが高いために靭性が劣化し、さらに
25ではHIC特性もy開先拘束割れ試験も好ましくな
い結果となった。試験番号26または28は、Tiまた
はBが低い場合であるが、いずれの場合も引張強さが低
くなった。Tiが低い場合は、NをTiによりTiNと
して十分固定できず、Bの大部分がBNを形成してしま
いBの焼入性向上効果が発揮されなかったと推定され
た。TiまたはBが過剰の試験番号27または29はと
もに靭性が劣化した。Alが過剰の試験番号30は靭性
およびy開先拘束割れ試験の性能劣化が著しいものとな
った。N含有率が低い試験番号31または高い32はと
もに靭性が劣化し、かつHIC特性も芳しい結果となら
なかった。
【0052】これに対して、本発明例の試験番号1〜1
0では900MPa以上の引張強さと−40℃でのシャ
ルピー衝撃試験において120J以上の吸収エネルギー
が得られた。また、溶接部について継手部の引張試験お
よびシャルピー衝撃試験についても、引張強さで900
MPa以上、シャルピー衝撃試験では−20℃における
吸収エネルギーが70J以上となっている。さらに現地
溶接施工において予熱なしで溶接をおこなっても溶接部
に割れが発生しなかった。耐HIC特性は割れ率が1%
以下となった。
【0053】
【発明の効果】本発明により、引張強さ900MPa以
上を具備し、かつ中心部において靭性、耐HIC特性お
よび溶接性の良好な高張力鋼を得ることができる。その
結果、パイプラインの施工能率および輸送効率を飛躍的
に改善することが可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小溝 裕一 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号住 友金属工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量比にて、 C:0.02〜0.1% Si:0.6%以下 Mn:0.2%〜2% Ni:0.2〜1.2% Ti:0.005〜0.03% Al:0.1%以下 N:0.001〜0.006% B:0.0005〜0.0025% Cr:0.6%超え1.2%以下 Mo:0.6%超え1.2%以下 Cu:0〜0.6% Nb:0〜0.1% V:0〜0.1% Ca:0〜0.006% を含み、不可避的不純物元素のうちのP:0.015%
    以下、S:0.003%以下であり、下部ベイナイトと
    マルテンサイトの混合組織の体積率が金属組織全体の9
    0%以上、該混合組織のなかでの下部ベイナイトの体積
    率が10%以上であり、かつ旧オーステナイト粒のアス
    ペクト比が3以上であることを特徴とする引張強さが9
    00MPa以上の中心部特性に優れた高張力鋼。
  2. 【請求項2】鋳片を、900〜1200℃に加熱後圧延
    し、オーステナイトの未再結晶温度域での累積圧下率を
    50%以上とし、Ar3点以上で圧延を終了し、Ar3点以
    上から10〜45℃/sの範囲内の冷却速度で少なくと
    も500℃まで冷却することを特徴とする請求項1に記
    載する高張力鋼の製造方法。
  3. 【請求項3】さらに、Ac1点未満で焼戻処理を加えるこ
    とを特徴とする請求項2に記載する製造方法。
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