JPH111721A - リング状部材の変形矯正装置 - Google Patents

リング状部材の変形矯正装置

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JPH111721A
JPH111721A JP9217813A JP21781397A JPH111721A JP H111721 A JPH111721 A JP H111721A JP 9217813 A JP9217813 A JP 9217813A JP 21781397 A JP21781397 A JP 21781397A JP H111721 A JPH111721 A JP H111721A
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恵造 堀
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秀樹 國分
Manabu Ohori
學 大堀
Yasuo Uchiumi
靖夫 内海
Akitoshi Maeda
明年 前田
Shoichi Akase
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Abstract

(57)【要約】 【課題】転がり軸受の軌道輪のようなリング状の部材を
製造する際の焼き入れ変形を、セラミックス型を使用し
て焼戻し処理することにより矯正する場合に、脆性材料
のセラミックス型を使用しているので、ワ−クセット位
置にわずかなズレがあると型が破損する。また、これを
避けるためにワークの正確な位置決めを行おうとする
と、高速連続処理が困難になる。 【解決手段】圧入シリンダ5と矯正型2との間に、リン
グ状部材Wを位置決めするワーク位置決め手段20を設
けた。ワーク位置決め手段20は、リング状部材Wが嵌
合する半円状ないしU字状の開口21を有する位置決め
体22と、その出口側において旋回可能に軸支されてリ
ング状部材を支持する支持レール23とを備え、リング
状部材Wを矯正型2に対し正確に位置決めする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば転がり軸受
の軌道輪のようなリング状部材の熱処理変形を、拘束状
態で焼戻し処理するとともに矯正する装置(矯正テンパ
装置)の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば転がり軸受の内,外輪の如き転動
装置のリング状の部材を製造する際には、それらのリン
グ状部材に施された熱処理による焼き入れ変形を、焼戻
し処理で矯正することが行われている。従来のこの種の
リング状部材の変形矯正用の装置としては、例えば特願
平07−522827号公報(国際公開番号W096/
06194、1996・2・29公開)に示されている
転動部品の矯正テンパ装置がある。このものは、リング
状部材の外周面,端面の少なくとも一つを拘束するセラ
ミックス製の矯正型と、その矯正型に近接配置した電熱
加熱,高周波誘導加熱等の加熱手段と、矯正型に対向し
て進退し先端部に取り付けた圧入治具でリング状部材を
矯正型に挿入する圧入シリンダとを有する。そして、矯
正型内に圧入されたリング状部材を高周波誘導加熱する
ことによる熱膨張と焼戻しの進行を利用して、短時間で
リング状部材の変形矯正を行うようにしたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のリング状部材の変形矯正の技術では、非常に精密に
加工された脆性材料のセラミックス型を使用しているの
で、その型にワークであるリング状部材を圧入する際
に、ワ−クセット位置にわずかなズレがあるとセラミッ
クス型が破損するおそれがある。また、これを避けるた
めにワークの正確な位置決めを行おうとすると、複数個
のワークを高速で連続処理することが困難となり、実用
的でない。すなわち、従来のリング状部材の変形矯正装
置は、安定した高速連続稼働という点で問題があり、な
お改良の余地があった。
【0004】そこで、本発明は、このような従来の問題
点に着目してなされたものであり、変形矯正型に圧入す
る前に予めワークの位置決めを正確に行うことにより、
安定した高速連続稼働を可能としたリング状部材の変形
矯正装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に係る本発明は、装置本体に設けられて
リング状部材の外周面と端面との少なくとも一つを拘束
する矯正型と、その矯正型に対向して進退し、先端部に
取り付けた圧入治具でリング状部材を保持して矯正型に
挿入する圧入シリンダとを有するリング状部材の変形矯
正装置において、前記圧入シリンダと矯正型との間に、
圧入シリンダの移動方向に対しリング状部材を位置決め
するワーク位置決め手段を設け、当該ワーク位置決め手
段は、前記リング状部材の直径の1/2の曲率とされた
半円状ないしU字状の開口を前記圧入シリンダの移動方
向に貫通させてなる位置決め体と、前記リング状部材の
反圧入シリンダ側の端面を支持する支持面を有する支持
レールと、その支持レールを前記圧入シリンダの進行方
向に旋回可能に軸支する旋回軸と、前記位置決め体の反
圧入シリンダ側の端面に前記支持レールの支持面が当接
するように支持レールを付勢するシャッタバネとからな
ることを特徴とする。
【0006】このように構成すると、リング状部材を先
ずワーク位置決め手段の位置決め体のU字状開口部分に
受け入れて正確に位置決めすることができ、その後圧入
シリンダを作動させて圧入治具でリング状部材を保持し
矯正型に圧入すれば、ズレがないので矯正型を損傷する
ことなく正確に挿入できて高速で安定した連続的な矯正
が可能になる。
【0007】ここに、本発明のリング状部材の変形矯正
装置にあっては、前記ワーク位置決め手段と前記矯正型
との間に、リング状部材の外径寸法より大きい貫通孔を
有するゲートプレートと、そのゲートプレートを装置本
体に対し支持する懸架バネと、前記ゲートプレートの位
置変化を検出する位置センサとからなるゲート手段を有
するものとすることができる。
【0008】このようなゲート手段を設けることによ
り、矯正対象以外の部材(異品)の混入やリング状部材
が傾くなどの事態を予知できるので、矯正型の損傷を確
実に防止することができる。
【0009】また、本発明のリング状部材の変形矯正装
置にあっては、前記ゲート手段は、ゲートプレートの前
記矯正型と対向する側において前記貫通孔の外周から貫
通孔の中心に向かう放射状に複数設けられた板バネと、
当該板バネに近接して設けられたワーク吸着手段とを有
するものとすることができる。
【0010】このような板バネやワーク吸着手段をゲー
ト手段に設けることにより、圧入治具で保持したリング
状部材を矯正型に圧入できずに、そのリング状部材を保
持したまま圧入治具が後退すると、板バネがリング状部
材の通過を阻止すると共にワーク吸着手段が分離したリ
ング状部材を吸着保持するので、リング状部材が落下し
て矯正型を傷つけたり、あるいはそのまま後退してワー
ク位置決め手段を壊すなどの事故を防止することができ
る。
【0011】また、本発明のリング状部材の変形矯正装
置にあっては、前記矯正型は、その型面の半径方向外方
に接して設けられた矯正型加熱用ヒータと、型面の半径
方向内方に近接して設けられたリング状部材加熱用高周
波コイルとを有するものとすることができる。
【0012】このような加熱手段を矯正型に設けると、
矯正型加熱用ヒータが高周波コイルの誘導電流に影響さ
れず、リング状部材の加熱効率が高くなり、かつ矯正型
を温めているのでリング状部材が均熱されると共に、矯
正型加熱用ヒータを切った後自然に、あるいは次のリン
グ状部材が矯正型に圧入された時に、リング状部材が矯
正型から離型できる。
【0013】更にまた、本発明のリング状部材の変形矯
正装置にあっては、前記圧入治具は、リング状部材の内
径よりも大きい直径を有する挿入部と、リング状部材の
端面を案内する端面支持面と、リング状部材の内周面お
よび端面のいずれかを係止保持する係止力が前記ゲート
手段の板バネよりも弱く設定されている係止手段とを有
するものとすることができる。
【0014】このように圧入治具を構成すると、リング
状部材を係止手段で保持しつつワーク位置決め手段から
矯正型へ確実に搬送できるし、且つ矯正型に挿入できず
に圧入治具で持ち帰るリング状部材を、ゲート手段にお
いて確実に圧入治具から分離させることができる。
【0015】また、更に好ましい他の実施形態として、
装置本体に設けられてリング状部材の外周面と端面との
少なくとも一つを拘束する矯正型と、その矯正型を加熱
する加熱手段と、前記矯正型に対向して進退し、先端部
に取り付けた圧入治具でリング状部材を保持して矯正型
に挿入する圧入シリンダとを有するリング状部材の変形
矯正装置において、 1.前記加熱手段と矯正型とをベースに一体に取付けて
なる型ユニット。
【0016】2.前記圧入治具にリング状部材を装着す
るロボット。 3.前記圧入治具へ装着したリング状部材の位置の適否
を検出する光学装置。 の少なくとも一つを備えたものとすることができる。
【0017】このように構成すると、寸法が異なるリン
グ状部材の変形矯正をより短時間で連続的に行うことが
でき、量産性を向上させることができる。すなわち、加
熱手段,矯正型,ベースを中心軸を合わせ位置決めし、
予め一体に固定してユニット化しておくことにより、リ
ング状部材の寸法が異なる毎に、これらを現場で位置調
整しつつ取り付ける時間(位置調整時間)が省略でき
て、組み替え所要時間が大幅に短縮される。
【0018】リング状部材の搬送と圧入治具への装着を
ロボット化することにより、待機場所からワークである
リング状部材を搬送し且つ正しく位置決めするためのワ
ーク位置決め手段が省略できるから、リング状部材の寸
法が異なる毎にワーク位置決め手段を組み替える手間が
不要になり、搬送・位置決めがより迅速にできる。
【0019】リング状部材の位置検出用の光学装置を圧
入治具に設けることにより、リング状部材の装着の有無
及び型へのリング状部材の装着姿勢の適否を間接的に保
証できるから、ゲート手段が省略できる。よって、リン
グ状部材の寸法が異なる毎にゲート手段を交換する手間
が不要になり、組み替え所要時間が大幅に短縮される。
【0020】また、本発明のリング状部材の変形矯正装
置にあっては、当該リング状部材の内径形状に合わせて
成形した非磁性材からなる部材を、高周波誘導加熱時に
当該リング状部材の内径に接触させるものとすることが
できる。このような部材を内径側に接触させることによ
り、リング状部材の内径部の熱拡散を均一にできて、そ
の結果例えば製品である外輪の円周および内径溝部の硬
さも均一化される。
【0021】また、本発明のリング状部材の変形矯正装
置にあっては、当該リング状部材を加熱する高周波加熱
コイルとして、そのコイル曲折部周辺に高透磁率の磁性
体を、特定の範囲に付着させたものを用いることができ
る。このような高透磁率の磁性体を誘導加熱コイルの補
助として付加することにより、1ターンの加熱コイルに
おける不連続なコイル形状に起因する加熱ムラをなくし
て、被加熱体であるリング状部材の円周方向での硬さム
ラを低減できる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1ないし図8は本発明の一実施
形態を示すもので、図1は装置の主要部分の構成を示す
概略図、図2は圧入治具の一例で(a)は半断面図で表
した正面図、(b)は側面図、図3は圧入治具の他の例
で(a)は半断面図で表した正面図、(b)は側面図、
図4はワーク位置決め手段の右側面図、図5はその平面
図、図6はゲート手段の断面図、図7はシーケンス図、
図8は装置の作動を説明するフローチャートである。
【0023】先ず、全体の構成を図1に従って説明する
と、リング状部材の変形矯正装置の本体1内に、リング
状部材(以下、ワークともいう)Wの変形を矯正するた
めの矯正型2が設けられている。図示の矯正型2は円筒
状で、例えばSi3 4 ,SiC,Al2 3 ,ZrO
2 などのようなセラミックスからなり、その内径面2n
にリング状のワークWが外径面を拘束した状態で挿入さ
れる。なお、矯正型2の内径面2nにおけるワーク挿入
側の端縁(図では上縁部)は4〜45°の傾斜を付ける
と、ワークWを矯正型2へ圧入する際に案内となり、連
続稼働に好適である。
【0024】この矯正型2の上下には、加熱手段として
のワーク加熱用高周波(誘導加熱)コイル3が型の上下
両端面に近接してそれぞれ設けられている。各高周波コ
イル3の内径は、矯正型2の内径より若干大きい程度に
して被加熱物であるワークWにできるだけ近づけるよう
にされている。また、矯正型2の上下両端面に密着させ
て、当該矯正型2を加熱する手段である型加熱用ヒータ
4が高周波コイル3とは離して半径方向の外方にそれぞ
れ配設されている。なお、型加熱用ヒータ4は、電熱ヒ
ータ又は熱媒体液等を用いたヒータとし、これに図示し
ない熱電対のような温度センサを有する型温度調整器お
よび冷却装置を組み合わせて矯正型2の温度を所定範囲
に調整できるようにするとよい。
【0025】変形矯正装置の本体1には、更に、前記矯
正型2に対向して進退する圧入シリンダ5が配設されて
おり、その圧入シリンダ5の先端部に、ワークWを保持
して矯正型に挿入する圧入治具10が取り付けてある。
【0026】そして、前記圧入シリンダ5と矯正型2と
の間に、圧入シリンダ5の移動方向(この実施形態では
上下方向)に対してワークWを位置決めするワーク位置
決め手段20が配設されると共に、そのワーク位置決め
手段20と矯正型2との間には、変形矯正の対象外のリ
ング状部材(異品)の混入やワークWが傾くなどの事態
を矯正型に圧入する前に予知するべくワークWの姿勢や
寸法等の適否を判断するためのゲート手段30が配設さ
れている。
【0027】続いて、上記全体構成の各部分ごとの構成
を述べる。前記圧入治具10は、図2に示すように、圧
入シリンダ5への取付け穴11を有する円筒状の取付け
部12と、リング状の部材であるワークWへ挿入される
円筒状の挿入部13と、その先端のテーパ部14とを備
えている。取付け部12の外径はワークWの外径より小
さく内径より大きい寸法とされ、挿入部13の外径はワ
ークWの内径より若干小さい寸法とされている。取付け
部12と挿入部13との境目の段面は、ワークWの端面
を案内する端面支持面15である。また、挿入部13と
テーパ部14との境目のあたりには、ワークWの内周面
に係止してワークWを保持する係止手段としてのスプリ
ングプランジャ16が内設されている。このスプリング
プランジャ16は、挿入部13の肉厚を中心から外面に
向かって半径方向に貫通すると共に外面の開口径がやや
絞られている横穴16aに内蔵されており、その開口か
ら一部が外方へ突出しているボール16b,これを外方
へ弾圧する圧縮コイルばね16c,プラグ16dで構成
されている。ワークWが内径面に浅い溝を有するリング
の場合には、ボール16bの突出部分がその溝に嵌合し
て係止するので、例えば単列深溝玉軸受の外輪のように
内径面に軌道溝を有するものでは特に有効である。
【0028】図3は、圧入治具10の他の例で、係止手
段として図2に示したスプリングプランジャ16の代わ
りにマグネット17を用いた点が異なっている。マグネ
ット17は、ワークWの端面を案内する端面支持面15
に設けた穴に埋設して取り付けてある。したがってこの
場合は、ワークWの内周面に係止してワークWを保持す
る代わりに、ワークWの端面を磁力で吸着することによ
り係止保持するものであり、内径面に溝のないワークW
であっても対応可能である。
【0029】なお、上記スプリングプランジャ16の個
数や圧縮コイルばね16cの弾性力の強さ、また上記マ
グネット17の個数や磁力の強さは、矯正型2へのワー
クWの圧入力やワークWの重量等を考慮し、ワークWを
確実に保持するのに十分な大きさとするが、但し後述す
るゲート手段30に設けられたワーク分離用の板ばね3
5の弾性力より弱く設定する必要がある。係止手段の個
数については、少なくとも1個は必要であるが、ワーク
Wを正確な姿勢に保持して位置決めするには3個以上と
するのが望ましい。また、圧入治具10の材質は、誘導
加熱されない例えばオーステナイト系ステンレス鋼,真
鍮,アルミニウム合金等が望ましい。
【0030】前記ワーク位置決め手段20は、図1,図
4,図5に示すように、ワークWの直径Dの半分(1/
2D)の曲率半径rとされた半円状ないしU字状の開口
21が圧入シリンダ5の移動方向(本実施形態では上下
方向)に貫通形成されているブロック状の位置決め体2
2と、ワークWの圧入シリンダ5とは反対側の端面Wb
を支持する支持面23aを有する断面L形の支持レール
23と、圧入シリンダ5の進行(ここでは下方向への)
に伴い当該支持レール23を図4に矢符号A,Bで示す
方向へ旋回させて開くことができるように軸支する旋回
軸24と、前記位置決め体22の圧入シリンダ5とは反
対側の端面22bに支持レール23の支持面23aが当
接するように支持レール23を閉じる方向に付勢するシ
ャッタばね25とからなっている。前記位置決め体22
内には、その半円状の開口21内のワークWの有無及び
確実な位置決めを検知するためのセンサとして近接スイ
ッチKSW1が内設されている。
【0031】また、位置決め体22の一側面にねじ穴2
6が設けられ、これに開度調整ねじ27が螺合されてい
る。この開度調整ねじ27は、コイルばね28を通して
一方の支持レール23の側面のルーズな挿通孔29を貫
通しており、前記コイルばね28により支持レール23
を矢符号Bの反対方向すなわち閉じる方向に弾圧して位
置決め体22に密着させている。この開度調整ねじ27
の締め込み量を加減して支持レール23の開度を調整す
ることが可能である。
【0032】なお、対向する一対の支持レール23,2
3の端部のすき間距離Lは、ワークWの外径より小さい
ものとし、ワークWの素通りを阻止し、圧入治具10の
単独通過は許容するようになっている。
【0033】上記ワーク位置決め手段20の側方には、
多数のワークWを積み重ねて貯えるマガジン6が配設し
てあり、そのマガジン6の下端とワーク位置決め手段2
0との間は、ワークWを搬送するガイド7a付きの搬送
レール7が架設されれている。そして、マガジン6に貯
蔵された最下段のワークWをワーク位置決め手段20に
搬送する搬送手段として、位置決めシリンダ8が搬送レ
ール7の上に設置されている。この位置決めシリンダ8
は前進限のストローク長がワーク毎に一定になるように
予め設定してもよい。
【0034】前記ゲート手段30は、図6に示すよう
に、ワークWの外径寸法より大きい貫通孔31aを中心
部に有するゲートプレート31と、そのゲートプレート
31を装置本体1に対し支持する懸架ばね32と、前記
ゲートプレート31の外縁近くに配設されゲートプレー
ト31の位置変化(傾きや水平方向のずれ)を検出する
位置センサKSW4とを有する。その位置センサKSW
4としては、例えば光学式や磁気式などのような非接触
型の近接スイッチがよく、例えばゲートプレート31の
両サイド寄りの対称位置に配してゲートプレート31と
の間のすき間δを常時測定しその変化を検出するように
なっている。すなわち、ワークWを保持した圧入治具1
0がゲート手段30を下方へ通過する時、例えばその真
円度が著しく大きいなどの変形矯正の対象外のワークW
や、圧入治具10による保持姿勢が不良で傾くなどした
ワークWが混入すると、ゲートプレート31に接触して
動かすから、それを位置センサKSW4が検知し、矯正
型2に圧入する前に予知して装置を停止させることがで
きるようにしている。
【0035】更に、ゲートプレート31の矯正型2に対
向する面(下面側)には、前記貫通孔31aの外周から
中心に向けて放射状に複数設けられたワーク分離用の板
バネ35と、当該板バネ35に近接して設けられたワー
ク吸着手段としてのマグネット36とを有する。ワーク
分離用の板バネ35同士の相対する内端の間の間隔L1
は、ワークWの外径寸法より小さくしてあり、ワークW
が下降する場合は板バネ35が下方に弾性変形して通過
を許すが、ワークWが上昇しようとすると板バネ35が
干渉して通過を阻止するという逆止機能を備えたものに
なっている。
【0036】また、このゲートプレート31の直下に、
透過型センサSEN1が配設されている。このような板
バネ35やマグネット36及びセンサSEN1をゲート
プレート31の下面側に設けることにより、圧入治具1
0で保持したワークWを矯正型2に圧入できずに、その
まま圧入治具10が後退した場合に対応する。すなわ
ち、その場合は、板バネ35がワークWの通過を阻止し
て圧入治具10から分離させると共に、マグネット36
が分離したワークWを吸着保持し、且つ分離したワーク
Wを透過型センサSEN1が検知して装置を停止させ
る。これにより、ワークWが落下して矯正型2を傷つけ
たり或いはそのまま後退してワーク位置決め手段を壊す
などの事故を防止できるようにしている。
【0037】上記のリング状部材の変形矯正装置は、自
動制御で連続運転される。そのシーケンス図を図7に示
す。制御母線の左側に回路の番地を、右側に接点の使用
番地を示してある。
【0038】1,2番地は運転準備の回路で、リレーR
1が手動操作自動復帰スイッチPBS1(a接点),P
BS2(b接点)とアンド接続され、当該リレーR1の
a接点とスイッチPBS1とがオア接続されて自己保持
回路を形成している。スイッチPBS1を押すとリレー
R1がオンして自己保持されると共に3番地の連続運転
開始回路に介装されているリレーR1のa接点がオンと
なり、自動運転待機状態になる。一方、PBS2を押す
とリレーR1がオフとなり、運転準備は解除される。
【0039】3,4番地は連続運転開始の回路で、リレ
ーR2が手動操作自動復帰スイッチPBS3(a接
点),PBS4(b接点),リレーR1のa接点とアン
ド接続され、リレーR2のa接点とスイッチPBS3と
がオア接続されて自己保持回路を形成している。前記運
転準備回路がオンの状態でスイッチPBS3を押すと、
リレーR2のコイルに通電されて自己保持されると共に
5番地の位置決めシリンダ前進条件設定回路に介装され
ているリレーR2のa接点がオンとなり自動連続運転可
能になる。一方、スイッチPBS4を押すとリレーR2
のコイル通電がオフとなり、自動連続運転は解除され
る。
【0040】5,6番地は位置決めシリンダの前進条件
設定回路である。リレーR3が接続され、そのa接点で
自己保持回路を形成して位置決めシリンダ8の前進条件
を設定している。すなわち、3番地の連続運転開始回路
のリレーR2のa接点と、16番地の圧入シリンダ上昇
端検出回路を形成している圧入シリンダ5の上昇端検出
リレーR7のa接点と、19番地の位置決め体内ワーク
の存在確認回路を形成している位置決め体22内のワー
クWの確認用リレーR10のb接点と、20番地のゲー
トプレート内ワークの存在確認回路を形成しているゲー
トプレート31内のワークWの確認用リレーR11のa
接点とがアンド接続されると共に、リレーR3のa接点
とオア接続されて自己保持回路を形成している。更に、
この自己保持回路とリレーR3との間に、位置決めシリ
ダ8の後退信号用リレーR5(9番地)のb接点及びワ
ーク加熱用リレーR13(22番地)のb接点がインタ
ーロック接点として介装されている。
【0041】この回路構成によれば、位置決めシリンダ
8の前進は、連続運転開始用のリレーR2オン(スイ
ッチPBS3が押され)、圧入シリンダ5の上昇端検
出リレーR7オン(圧入シリンダ5が上昇端に位置
し)、位置決め体22内のワークWの確認用リレーR
10オフ(位置決め体22内にワークWなし)、ゲー
トプレート31内のワーク確認用のリレーR11オン
(ゲートプレート31上にワークWなし)、位置決め
シリンダ8の後退用リレーR5オフ(位置決めシリンダ
8は後退中ではない)、矯正型2の加熱用リレーR1
3オフ(加熱されていない)との条件が全て満たされた
ときにのみ開始できる。これにより、矯正型2と圧入シ
リンダ5との衝突や、矯正型2内にワークWが存在する
のに次のワークを送入する(二重送入)などのトラブル
が防止されている。
【0042】7,8番地は圧入シリンダ5の下降(前
進)条件の設定回路である。リレーR4が接続され、そ
のa接点で自己保持回路を形成して圧入シリンダ5の下
降条件を設定している。すなわち、前記5番地の位置決
めシリンダの前進条件設定回路を形成している位置決め
シリンダ8の前進用のリレーR3のa接点と、9番地の
位置決めシリダの後退条件設定回路を形成している位置
決めシリンダ8の後退用リレーR5のb接点と、19番
地の位置決め体内ワークの存在確認回路を形成している
位置決め体22内のワークWの確認用リレーR10のa
接点と、20番地のゲートプレート内ワークの存在確認
回路を形成しているゲートプレート31内のワークWの
確認用リレーR11のa接点とがアンド接続されると共
に、リレーR4のa接点とオア接続されて自己保持回路
を形成している。更に、この自己保持回路とリレーR4
との間に、圧入シリンダ5の上昇条件設定用リレーR6
(11番地)のb接点,圧入シリンダ5の圧力異常検出
用リレーR8のb接点及び置決めシリダ8の後退信号用
リレーR5(9番地)のb接点及びゲートプレート31
内へのワークWの圧入姿勢の異常検出用リレーR9(1
8番地)のa接点がインターロック接点として介装され
ている。
【0043】この回路構成によれば、圧入シリンダ5の
下降は、位置決めシリンダ8の前進用のリレーR3オ
ンで位置決めシリンダ8後退用のリレーR5オフ(位置
決めシリンダ8が前進している)、位置決め体22内
のワーク確認用リレーR10オン(位置決め体22内に
ワークWが存在している)、透過型センサSEN1の
ワークW検出用リレーR11オン(ゲートプレート31
上にワークWなし)、圧入シリンダ5の上昇確認用の
リレーR6オフ(圧入シリンダ5が上昇済)、圧入シ
リンダ5の圧力異常検出用リレーR8オフ(圧力異常な
し)、ゲートプレート31内ワークWの圧入姿勢異常
検出用リレーR9オン(圧入姿勢異常なし)との条件が
全て満たされたときにのみ開始できる。これにより、位
置決め体22内にワークWが送入されていないのに圧入
シリンダ5が下降したり、ゲートプレート31内にワー
クWが存在しているのに次のワークWが位置決め体22
内に送入されるなどのトラブルが防止される。また、圧
入シリンダ5の圧力が異常であったり、矯正型2に圧入
されるワークWの姿勢が不良であると、圧入シリンダ5
の下降は阻止される。
【0044】9,10番地は位置決めシリンダ8の後退
条件設定回路である。リレーR5が接続され、そのa接
点と21番地の圧入シリンダ下降端検出回路を形成して
いる圧入シリンダ5の下降端検出用リレーR12のa接
点とで自己保持回路を形成すると共に、11番地の圧入
シリンダ上昇条件設定回路を形成している圧入シリンダ
5の上昇条件設定用のリレーR6のb接点がインターロ
ック接点として介装されている。
【0045】すなわち、位置決めシリンダ8は、圧入シ
リンダ5が下降端に到達して下降端検出用リレーR12
がオンすると後退を開始する。そして、圧入シリンダ上
昇条件設定回路(11番地)の圧入シリンダ上昇条件設
定用リレーR6がオンし圧入シリンダ5が上昇を開始す
ると後退を停止する。
【0046】11,12番地は圧入シリンダ5の上昇条
件設定回路である。リレーR6が接続され、そのa接点
と圧入シリンダ5の上昇を遅延させるディレータイマT
1のa接点とで自己保持回路を形成すると共に、16番
地の圧入シリンダ上昇端検出回路を形成している圧入シ
リンダ5の上昇端検出用リレーR7のb接点がインター
ロック接点として介装されている。
【0047】すなわち、位置決めシリンダ8の後退開始
からタイマ設定時間が経過しタイマT1のa接点がオン
したとき圧入シリンダ5が上昇を開始する。そして、上
昇端に到達してスイッチKSW3をオンすると上昇端検
出用リレーR7のb接点がオフとなりリレーR6がオフ
されて圧入シリンダ5の上昇が停止する。
【0048】13番地は位置決めシリンダ8の駆動用電
磁弁SOL1の駆動回路で、位置決めシリンダ8の前進
条件設定回路(5番地)のリレーR3のa接点がオンす
るとSOL1がオンになり、位置決めシリンダ8が作動
する。
【0049】14番地は圧入シリンダ5の駆動用電磁弁
SOL2の駆動回路で、圧入シリンダ5の下降条件設定
回路(7番地)のリレーR4のa接点がオンするとSO
L2がオンになり、圧入シリンダ5が作動する。
【0050】15番地は圧入シリンダ5の上昇開始のタ
イミング設定回路で、位置決めシリンダ8の後退条件設
定回路(9番地)のリレーR5のa接点がオンするとデ
ィレータイマT1のコイルに通電して、圧入シリンダ5
の上昇条件設定回路(11番地)のタイマ接点がオンに
なる。
【0051】16番地は圧入シリンダ5の上昇端検出回
路で、リレーR7に上昇端検出スイッチKSW3が接続
され、圧入シリンダ5が上昇して上限に到達すると上昇
端検出スイッチKSW3がオンになりリレーR7に通電
して、5番地,22番地のa接点がオンになると共に1
1番地のb接点がオフになる。このリレーR7のb接点
オフにより、圧入シリンダ5の上昇条件設定回路がイン
ターロックされて圧入シリンダ5の上昇が停止する。
【0052】17番地は圧入シリンダ5の圧力異常検出
回路で、リレーR8にプレッシャスイッチPSWの接点
が接続され、圧力が設定値を越えるとプレッシャスイッ
チPSWがオンになりリレーR8が通電してそのb接点
(7番地)がオフになる。これにより、圧入シリンダ5
の下降条件設定回路がインターロックされて圧入シリン
ダ5の下降は阻止される。
【0053】18番地はゲートプレート31の姿勢(ワ
ークWの圧入姿勢)の異常検出回路で、ワークWの圧入
姿勢の異常が検出されてリレーR9の近接スイッチKS
W4のb接点がオフされるとリレーR9がオフして、そ
のa接点(7番地)がオフとなり、圧入シリンダ5の下
降動作が阻止される。
【0054】19番地は位置決め体22内のワークWの
存在確認回路で、リレーR10にワークWの有無を検知
する近接スイッチKSW1のa接点が接続され、位置決
め体22内にワークWが検出されて近接スイッチKSW
1の接点がオンするとリレーR10がオンになり、5番
地の位置決めシリンダ前進条件設定回路のリレーR10
のb接点がオフになり、位置決めシリンダ8の前進が停
止する。
【0055】20番地はゲートプレート31内のワーク
Wの存在確認回路で、リレーR11にワークWの有無を
検知する透過型センサSEN1のb接点が接続され、ワ
ークWが検出されて透過型センサSEN1のb接点がオ
フになるとリレーR11がオフになり、5番地の位置決
めシリンダ前進条件設定回路,7番地の圧入シリンダ下
降条件設定回路,22番地の型加熱開始条件設定回路に
おけるリレーR11の各a接点がオフして、位置決めシ
リンダ8の前進,圧入シリンダ5の下降,型の加熱がそ
れぞれ阻止される。
【0056】21番地は圧入シリンダ5の下降端検出回
路で、リレーR12に下降端検出スイッチKSW2が接
続され、圧入シリンダ5が下降して下限に到達すると下
限端検出スイッチKSW2がオンになりリレーR12に
通電して、9番地の位置決めシリンダ後退条件設定回路
にあるリレーR12のa接点がオンになる。これによ
り、位置決めシリンダ8の後退が開始される。
【0057】22番地は型内にあるワークWの加熱開始
条件設定回路で、外部の加熱制御部に接続されたリレー
R13が接続されて矯正型2内のワークWの加熱条件を
設定している。すなわち、圧入シリンダ5の上昇端検知
回路(16番地)のリレーR7のa接点と、ゲートプレ
ート内のワーク存在確認回路(20番地)のリレーR1
1のa接点と、23番地の圧入記憶回路のリレーR14
のa接点と、外部からの加熱終了指示接点とがアンド接
続されており、圧入シリンダ5が上昇端にあり、ゲート
プレート31内にワークWは存在せず、かつ外部からの
加熱終了指示信号がないとき、ワーク加熱用高周波コイ
ル3に通電されてワークWの加熱が行われる。
【0058】23,24番地は矯正型2へのワークWの
圧入を記憶する回路で、リレーR14が接続され、その
a接点と圧入シリンダ下降条件設定回路(7番地)のリ
レーR4のa接点とで自己保持回路を形成して、圧入シ
リンダ5の下降による矯正型2へのワークWの圧入を記
憶すると共に、型内ワークWの加熱開始条件設定回路
(22番地)に接続されているリレーR14のa接点を
オンにして矯正型2内のワークWの加熱を可能にする。
【0059】加熱終了は外部からの加熱終了指示によ
る。次に、上記リング状部材の変形矯正装置の作用を説
明する。マガジン6にストックされているワークWのう
ち最下段のものが、位置決めシリンダ8に押し出され、
搬送レール7を経由してワーク位置決め手段20の位置
決め体22内にセットされる。
【0060】続いて、圧入シリンダ5の先端に取り付け
られている圧入治具10が下降しつつ位置決めシリンダ
8内にあるワークWに嵌合し、そのままワークWを保持
して下降を続ける。このとき、ワークWは位置決めシリ
ンダ8により押されたままセットされているので、圧入
治具10が当たっても位置ずれするおそれはなく、圧入
治具10は確実にワークWを保持することができる。ま
た、位置決め体22の底部でワークWを支えているワー
ク支持レール23はシャッターばね25で吊られている
ので、圧入シリンダ5の押圧力で容易に下方に観音開き
に押し開かれる。位置決め体22から押し出されたワー
クWはゲート手段30のゲートプレート31を通過し
て、矯正型2内に挿入される。こうしてワークWが圧入
治具10に嵌合して保持され、位置決め体22から取り
出されゲートプレート31を抜けて矯正型2に挿入され
るまでの間、圧入シリンダ5は動作速度を極端に落とす
ことなく下降しつづけることができる。
【0061】矯正型2の内径はワークWの最大外径より
も若干小さくなっているため、ワークWを矯正型2に圧
入した後圧入シリンダ5を上昇させれば、圧入治具10
とワークWの内径面との係合が解けて圧入治具10は上
昇し、ワークWは矯正型2に保持される。しかし、ワー
クWに異品が混入するなど、何らかの理由でワークWが
矯正型2に保持されずに圧入治具10と共に上昇した場
合には、ゲートプレート31に取り付けられたワーク分
離用の板ばね35の逆止機能が働いてワークWの通過を
阻止する。しかるに、圧入治具10のワーク係止手段で
あるスプリングプランジャ16のワーク保持力に打ち勝
って圧入シリンダ5が上昇するので、ワークWは圧入治
具10から離脱すると共に、マグネット36に吸着保持
される。このワークWを透過型センサSEN1が検知し
て装置を停止させるので、連続稼働によるセラミックス
製の矯正型2の破損を防ぐことができる。
【0062】以下、図8に示すフローチャートに基づき
リング状部材の変形矯正装置の自動連続動作を説明す
る。本装置は、矯正型2内とマガジン6内以外には装置
内にワークWが存在せず、したがって位置決め体22内
のワーク確認用のセンサである近接スイッチKSW1や
ゲートプレート31の下の透過型センサSEN1等の各
センサが異常を示していない場合に、連続運転スタート
用スイッチPBS3を手動でオンすると自動運転が可能
になる。
【0063】ステップS1:圧入シリンダ5が上昇端に
あるか否かを確認する。上昇端にあればシリンダ上昇端
検出用のスイッチKSW3がオンするので、16番地の
リレーR7がオンして5番地の位置決めシリンダ前進条
件設定回路のリレーR7のa接点がオンになる。
【0064】ステップS2:ゲート手段30のゲートプ
レート31にワークWが存在するか否かを確認する。ワ
ークWがなければ透過型センサSEN1が検知しないの
で20番地に介装されたリレーR11はオンし、5番地
の位置決めシリンダ前進条件設定回路のリレーR11の
a接点がオンになる。
【0065】ステップS3:ワーク位置決め手段20の
位置決め体22内にワークWが存在するか否かを確認す
る。位置決め体22内にワークWがなければ、位置決め
体のワーク確認用センサである近接スイッチKSW1が
オフのままであるので、19番地の位置決め体内ワーク
確認用リレーR10はオフであり、5番地の位置決めシ
リンダ前進条件設定回路のリレーR10のb接点はオン
のままである。
【0066】ステップS4:かくして圧入シリンダ5が
上昇端にあり、且つ位置決め体22内にもゲートプレー
ト31にもワークWが存在しない場合に、5番地の位置
決めシリンダ前進条件設定回路のリレーR3のコイルに
通電され、13番地の位置決めシリンダ駆動回路のSO
L1が作動して位置決めシリンダ8が前進する。マガジ
ン6にストックされているワークWの最下段のものが、
前進する位置決めシリンダ8に押されて搬送レール7の
上を滑り位置決め体22内に搬送されて、U字形の開口
21内に嵌め込み押しつけらた状態でセットされる。
【0067】ステップS5:位置決め体22内に取り付
けてあるワーク存在確認用の近接スイッチKSW1でワ
ークWが確実にセットされたか否かを確認する。セット
が完了すれば、近接スイッチKSW1が作動して19番
地の位置決め体内ワーク確認回路のリレーR10のコイ
ルに通電され、7番地の圧入シリンダ下降条件設定回路
の下降開始条件の一つ(リレーR10のa接点オン)が
満たされる。
【0068】ステップS6:ステップS2と同じく、ゲ
ート手段30のゲートプレート31にワークWが存在す
るか否かを確認する。ワークWがなければ透過型センサ
SEN1が作動しないので20番地に介装されたリレー
R11はオンであり、7番地の圧入シリンダ下降条件設
定回路の下降開始条件のさらに一つ(リレーR11のa
接点オン)も満たされる。また、位置決めシリンダ8は
この時点では前進限に位置しているから、圧入シリンダ
5の更に他の下降開始の条件であるリレーR3のa接点
オン及びリレーR5のb接点オンも満たされる。
【0069】ステップS7:かくして、位置決め体22
内にはワークWが存在し、一方、ゲートプレート31に
はワークWが存在しなければ、7番地の圧入シリンダ下
降条件設定回路のリレーR4のコイルに通電され、14
番地の圧入シリンダ駆動回路のSOL2が作動して圧入
シリンダ5が下降する。そして、下降の途中で圧入シリ
ンダ5の先端に取り付けた圧入治具10の挿入部13が
位置決め体22内のワークWの内径面に嵌入される。そ
れと共にスプリングプランジャ16のボール16bがワ
ークWの内径面にある軌道溝に係合し、ワークWが圧入
治具10に保持される。圧入治具10は、端面支持面1
5でワークWの上端面を下方に押圧しつつ、ゲート手段
0に向かってなお下降を続ける。
【0070】ステップS8:ワークWを矯正型2内に圧
入する前にゲート手段30を通過させて、圧入治具10
に保持されたワークWの姿勢が異常であるか否かを予め
確認する。すなわち、ワークWの保持姿勢が正常でない
場合(或いはワークWが異品の場合)には、ワークWが
ゲート手段30を通過する際にゲートプレート31に接
触してこれを動かす。するとその動きを、ゲートプレー
ト31に近接して設置されている姿勢検出用の近接スイ
ッチKSW4が検知し18番地のワーク圧入姿勢の異常
検出回路のリレーR9のコイル通電がオフされ、7番地
の圧入シリンダ下降条件回路のリレーR4がオフとなっ
て圧入シリンダ5の下降動作が停止する。一方、ワーク
Wの保持姿勢に異常がなければ、ワークWを保持した圧
入治具10と圧入シリンダ5はゲートプレート31の貫
通孔31aを通過してそのまま下降動作を続ける。そし
て、圧入治具10に保持されたワークWの矯正型2内へ
の圧入が開始される。
【0071】ステップS9:ワークWの矯正型2への圧
入力が異常であるか否かを確認する。ワークWはその最
大径よりも若干小さい径の内径面2nに圧入される。こ
の圧入の圧力が過小の場合はワークWが矯正型2の適正
位置に圧入されてはいないか、またはワークWが圧入治
具10に保持されてないないことが予想される。反対
に、圧入力が過大の場合には矯正型2が損傷されるおそ
れがある。そこで、圧入力を17番地の圧力異常検出回
路のプレッシャスイッチPSWで検知し、過小または過
大の場合はリレーR8に通電させて圧入シリンダ下降条
件設定回路(7番地)を遮断し、圧入シリンダ5の下降
を停止する。
【0072】ステップS10:矯正型2への圧入力が正
常の場合はワークWの圧入が行われる。圧入シリンダ5
の下降ストローク長は一定に設定されており、圧入シリ
ンダ5が下降端に到達して停止する。
【0073】ステップS11:圧入シリンダ5が下降端
に到達すると、21番地の圧入シリンダ下降端検出回路
の検出スイッチKSW2がオンになりリレーR12のコ
イルに通電される。これにより、9番地の位置決めシリ
ンダ後退条件設定回路に介装されているリレーR12の
a接点がオンしてリレーR5が作動し、自己保持される
と共に位置決めシリンダ8が後退する。
【0074】ステップS12:圧入シリンダ5の後退開
始と同時に、15番地に介装されているディレータイマ
T1のコイルに通電されて、11番地の圧入シリンダ上
昇条件設定回路に介装されているリレーR6のタイマ接
点がオンしてリレーR6が作動し、自己保持されると共
に圧入シリンダ5が上昇を始める。このとき、位置決め
シリンダ8の後退は停止する。ワークWは、圧入治具1
0の保持力より著しく大きい所定の圧入力で矯正型2に
保持されているので、圧入シリンダ5が上昇してもワー
クWは矯正型2に保持されたままであり、圧入治具10
とワークWとの係合は自然に解除されて圧入シリンダ5
の上昇が開始される。
【0075】ステップS13:圧入シリンダ5及び圧入
治具10が、ゲート手段30のゲートプレート31の貫
通孔31aを通過し、更にワーク位置決め手段20を通
り抜けて上昇して上昇端に到達したか否かを確認する。
圧入シリンダ5が上昇端に到達すると、16番地の圧入
シリンダ上昇端検出回路に介装されている上限スイッチ
KSW3の接点がオンしてリレーR7のコイルに通電さ
れ、11番地の圧入シリンダ上昇条件設定回路が遮断さ
れて、その結果圧入シリンダ駆動用SOL2(14番
地)がオフとなり圧入シリンダ5が停止する。
【0076】ステップS14:ゲート手段30の部分に
ワークWが存在していないことを確認する。すなわち、
圧入シリンダ5が上昇端に到達しても、必ずしもワーク
Wは矯正型2内に正しく保持されているとは限らない。
何らかの理由により(例えば、矯正型2のワーク保持力
が圧入治具10のワーク保持力より小さい)ワークWが
矯正型2に保持されずに圧入治具10と共に上昇した場
合、そのワークWはゲート手段30のゲートプレート3
1の下に設置してあるワーク分離用の板ばね35に引っ
掛かり圧入治具10から離脱される。圧入治具10は圧
入シリンダ5と共にそのまま上昇するが、離脱されたワ
ークWはマグネット36に吸着されて保持される。これ
を透過型センサSEN1が検知すると、20番地のゲー
ト部ワーク確認回路のリレーR11のコイルの通電が遮
断されて圧入シリンダ5,位置決めシリンダ8の駆動が
停止されると共に矯正型2内のワークWの加熱も停止さ
れる。ゲート手段30の部分にワークWが存在しない場
合は正常と判断され、次のステップS15に移行する。
【0077】ステップS15:圧入シリンダ5が上昇端
に到達し且つゲート手段30にワークWが存在しない場
合は、ワーク加熱用高周波コイル3によるワークWの型
内加熱が行われる。この加熱で、ワークWは矯正型2内
で熱膨張し、型内径面2nとの差分に基づいて外径側か
ら拘束されつつ所定の加工代を与えられると同時に焼戻
しがなされ、ワークWの焼き入れ変形が短時間で矯正さ
れる。焼戻し及び矯正に必要な時間が経過した後ワーク
Wの加熱を断ち、矯正型2の内径面2nにワークWが拘
束された状態が続くが、次第にワークWの温度が低下し
てワークW寸法が収縮し、その収縮量が大きい時には、
やがて矯正型2から離脱(落下)する。これによりリン
グ状部材の変形矯正装置による矯正動作の1サイクルが
終了する。
【0078】続いて、図9ないし図12に本発明の他の
実施形態を示す。この実施形態は量産タイプのリング状
部材変形矯正装置であり、図9はその全体構成の主要部
を示す概略図、図10は圧入治具の一例を示し(a)半
断面図で表した正面図、(b)は側面図、図11は装置
の作動を説明するフローチャート、図12は装置の組み
替え時の所要時間の割合を上記第一の実施形態の場合と
比較して示す図である。なお、上記第1の実施形態と同
一部分には同一の符号を付して重複説明を省略する。
【0079】この実施形態にあっては、図9に示すよう
に矯正型2,ワーク加熱用高周波コイル3,型加熱用ヒ
ータ4が、間座40を介して押さえ治具A,押さえ治具
Bによりベース41に固定され、型ユニット(以下、ベ
ースユニットという)42として一体化されている。そ
れらの各構成部材は、各自の中心軸を一致させて予め組
み付けられている。
【0080】すなわち、矯正型2はべ一ス41に設けら
れた矯正型2の外径よりもやや大きい内径の凹部44に
収まり、矯正型2の一部はべ一ス凹部44の底部と接し
ている。ここで、矯正型2とべ一ス41との間には断熱
材を挟んでもよい。型加熱用ヒータ4は断熱材製の間座
40と矯正型2とで挟まれており、矯正型2に密着して
いる。間座40の幅(高さ)はワーク加熱用高周波コイ
ル3の上面とほぼ同じである。その間座40は型加熱用
ヒータ4およびワーク加熱用高周波コイル3と共に押さ
え治具Bと矯正型2とに挟まれている。この押さえ治具
Bは押さえ治具Aによって押下げられており、押さえ治
具Aはベース41にボルト止めして固定されている。又
図示していないが、ワーク加熱用高周波コイル3とベー
ス41はボルト等の締結手段によって固定してもよい。
【0081】以上の通り、べ一スユニツト42はいくつ
かの部品から構成されているが、あたかも一つの部品と
して扱うことが可能になっている。しかして、矯正型2
はワークWの種類に応じて寸法・形状等が異なるもので
あるから、変形矯正装置で取り扱うワークWの種類分だ
けの矯正型が必要であり、したがってベースユニット4
2も取り扱うワークWの種類の分だけ予め用意してお
く。
【0082】このベースユニット42の上方に圧入シリ
ンダ5がベースユニット42と同軸に配設されている。
その圧入シリンダ5の先端部に圧入治具10が取り付け
てある点は第1の実施形態と同様である。しかして、本
実施形態の圧入治具10は先の図2に示したスプリング
プランジャ式のワーク係止手段を有するもので良く、図
3に示したマグネット式のワーク係止手段を有するもの
でも良い(図10にはマグネット17を有するものを示
している)。但しいずれにしても、ワークヘ挿入される
円筒状の挿入部13に、円周の任意の点から他の点へ直
線的に貫通する透過孔43が加工されている点が異な
る。この透過孔43は圧入治具10の中心を経由する
(直径を通る)とともにワークを案内する端面支持面1
5のできるだけ近くに設けることが望ましい。また、そ
の本数については、少なくとも1本が必要であるが、ワ
ークの圧入治具への保持姿勢を正確に判定するためには
2本以上とするのが望ましい。
【0083】圧入治具10の周辺には、当該圧入治具1
0に装着したリング状のワークWの位置の適否を検出す
る光学装置46として透過型センサが配設されている。
その光学装置46は、例えば赤色又は赤外LEDからな
る投光部46aと、ホトダイオードからなる受光部46
bとで前記透過孔43を挟むようにして配設され、投光
部46aの投射光が透過孔43を透過して受光部46b
に受光されるようにしてある。
【0084】本実施形態にあっては、圧入治具10に設
けた透過孔43と前記光学装置46とで、圧入治具10
に装着されるワークWの姿勢や寸法等の適否を判断す
る。そのため、第1の実施形態において用いたゲート手
段30は不要である。
【0085】上記の圧入治具10にワークを供給するロ
ボット50が、変形矯正装置本体に隣接されている。ロ
ボット50は、図示しないワーク供給装置からワークW
を受け取り、ロボットハンド50aで把持してワークW
が適正寸法か否かを判断した後に変形矯正装置本体の方
へ旋回してワークWを圧入治具10の直下に位置決め
し、待機中の圧入治具10にワークWを係合させる機能
を備えている。そして、係合が正常であれば再び旋回し
て原点復帰し、ワークWが適正に係合できないものの場
合は、当該ワークWを異品排出箱へ排出してから原点位
置に復帰するようになっている。
【0086】本実施形態にあっては、ワーク供給装置の
ワークWをロボットハンド50aで搬送して圧入治具1
0の下方に位置決めする。そのため、第1の実施形態に
おいて用いたワーク位置決め手段20は不要である。
【0087】以下に、図11の流れ図にしたがって、上
記第2の実施形態の動作を説明する。図中、左側がロボ
ット、右側が装置本体の動作である。 ステップA1:ロボットハンド50aは原点に復帰して
いる。
【0088】ステップA2:ロボットハンド50aで図
外のワーク供給装置に用意されたワークWを掴む。 ステップA3:ロボットハンド50aがワークWを掴ん
だら、ロボットハンド50aの変位(開度)等により、
掴んだワークWが異品(外径サイズ違い等)であるか否
かを判断する。
【0089】ステップA4:異品と判明すれぱ、ロボツ
トは異品箱へワークWを排出し、原点位置に復帰する。
一方、保持したワークWが良品(処理対象ワーク)であ
れば、ロボツトハンド50aはワークWを保持したまま
旋回して自らの向きを変えて矯正装置本体と対峙する。
【0090】そして、ステップA5で、矯正装置本体は
圧入シリンダ5がその上昇端にあるか否かを判断し、且
つステップA6でワーク加熱がoffの状態であるか否
かを判断する。
【0091】ステップA7:圧入シリンダ5が上昇端に
あり、且つワーク加熱がoffの状態であるならば、ロ
ボットハンド50aは把持しているワークWを圧入シリ
ンダ5に取り付けてある圧入治具10の直下に移動させ
る。その後、やや動作速度をゆるめてワークWを圧入治
具10に向かって移動させ、圧入治具10にワークWを
セットする。
【0092】ステップA8:続いて、ロボットハンド5
0aが上昇端にあるか否かを判断する。この時ワークW
の内径が過小であればワークWを圧入治具10に挿入す
ることはできず、したがってロボットハンド50aは所
定の上昇端にまで移動できない。その場合は、ロボット
はワークWを異品排出箱へ排出して(ステップ4)、原
点位置に復帰する(ステップA1)。
【0093】ステップA9:圧入治具10にワークWが
一旦正常に係合された場合は、ロボットハンド50aは
下降端まで移動する。
【0094】ステップA10:ワークWの内径が過大な
どの理由により圧入治具10の端面支持面15でワーク
Wを正しく支持できずにワークWが傾いてしまった時
は、透過型センサーである光学装置46から例えば十字
に交叉して形成された透過孔43への投射光は、そのう
ちの一方が透過し他方が遮蔽されて不均衡になることか
らワークを検知できない。この場合はロボットがワーク
Wを再び把持して異品排出箱へ排出し(ステップ4)、
原点位置へ復帰する(ステップA1)。
【0095】ここで、ワークWが圧入治具10に正常に
係合されていればステップA11に進む。 ステップA11:ワークWの圧入治具10へのセットが
完了したので、ロボットは再び旋回して原点復帰する。
さらに、ワーク供給装置においてワークが準備されてい
れば、矯正装置本体の動作には関係なく、上記のステッ
プA1〜A3が実行されて、ロボットハンド50aは次
のワークを保持し、本体と対時した状態で待機する。
【0096】ステップA12:一方、矯正装置本体にお
いては、圧入治具10に正常にワークWが係止保持され
ていれば、圧入シリンダは下降を開始し、ワークは矯正
型2へ圧入される。
【0097】ステップA13:このとき、圧入力が異常
(過大あるいは過小)か否かを判断する。異常であれ
ば、矯正装置本体は警報を発すると共に停止する。
【0098】ステップA14:圧入力が正常な範囲にあ
れば、圧入シリンダは下降端まで下降を続ける。 ステップA15:下降端に達したら、圧入シリンダ5が
上昇端へ移動する。
【0099】ステップA16:その後、ワーク加熱用高
周波コイル3によるワークWの型内加熱が行なわれる。
この加熱で、ワークは矯正型内で熱膨張し、型内径面2
nとの差分に基づいて外径側から拘束されつつ所定の加
工代を与えられると同時に焼戻しがなされ、ワークの焼
入れ変形が短時間で矯正される。
【0100】焼戻しおよび矯正に必要な時間が経過した
か否かを判断しながら加熱を行い(ステップA17)、
加熱終了条件に達したらワークWの加熱を断つ(ステッ
プA18)。加熱終了後も暫く矯正型2の内径面2nに
ワークWが拘束された状態が続くが、次第にワークの温
度が低下してワーク寸法が収縮し、その収縮量が大きい
時には、やがて矯正型2から離脱(落下)する。これに
よりリング状部材の変形矯正装置による矯正動作の1サ
イクルが終了する。
【0101】図12は本発明の第2の実施形態により型
組み替えの所要時間が短縮した結果を示しており、
(a)は本発明の第1の実施形態の場合(b)は本発明
の第2の実施形態の場合である。
【0102】以下、図12について説明する。第1の実
施形態(a)の場合は9つあった組み替えの項目数が、
第2の実施形態(b)では4つとなっている。この項目
で、温度測定位置と圧入治具については、(a)と
(b)とで組み替えにおいて内容が変わっていないこと
から、両図における所要時間は同じである。
【0103】また、第1の実施形態(a)でのゲート手
段30、位置決め手段20、搬送手段6,7,8は、第
2の実施形態(b)の場合には存在しなくなったため、
それらの組み替え所要時間は(b)においては存在しな
い。更に、ワーク加熱用高周波コイル3,型加熱用ヒー
タ4,矯正型2の組み替えについては、第2の実施形態
においてべ一スユニット42として一体化したために、
第1の実施形態(a)における型加熱用高周波コイル
3,型加熱用ヒータ4,矯正型2の個々の組み替えは第
2の実施形態(b)においては項目がなくなり、新たに
べ一スユニット42ごとの組み替え項目が生まれてい
る。組み替え時の圧入位置調整すなわち矯正型2のZ方
向(図で上下方向)の位置調整の所要時間についても、
第2の実施形態(b)の方が第1の実施形態(a)より
も短縮された。
【0104】なお、上記第2の実施形態では、加熱手
段としてのワーク加熱用高周波コイル3及び圧入治具
10にリング状部材であるワークWを装着するロボット
50並びに圧入治具10へ装着したリング状部材Wの
位置の適否を検出する光学装置46の全部を備えた場合
について説明したが、これに限らず、〜のうちの少
なくとも一つを備えたものであっても良い。
【0105】図13〜図15に、本発明の更に他の実施
形態を示す。この実施形態は、変形矯正中のリング状部
材の熱拡散を均一化することにより、製品の硬さムラの
低減を図ったものである。図13はその全体構成の主要
部を示す概略図、図14はその一構成部品(内径ブッシ
ュ)の構造を示すもので(a)は平面図、(b)は側面
図、(c)は(a)のc−c線断面で表した部分断面
図、図15は硬さムラの低減効果を検証したもので、
(a)はリング状部材の硬さ勾配の変化を比較した図、
(b)はその測定箇所を示す断面図である。なお、上記
第1の実施形態(図1)及び第2の実施形態(図9)で
示されるワーク位置決め手段20,ゲート手段30ない
しロボット50等の構成部分は図示を省き、且つその他
の同一構成部分には同一の符号を付して重複説明を省略
する。
【0106】この実施形態では、矯正型2の下方に、ワ
ークWの内径形状に合うように成形された割型(以下、
内径ブッシュという)52とその昇降用シリンダ53と
が設置されると共に、矯正型2から排出されたワークW
を横方向に押し出すワーク排出シリンダ54が受け台5
5上に配設されている。受け台55の中心には、ワーク
Wの外径より少し小さく且つ内径ブッシュ52の外径よ
り少し大きい直径の穴55aが開口している。内径ブッ
シュ52は、ワーク加熱用高周波コイル3で高周波誘導
加熱されないように非磁性材のセラミックスで形成され
ており、三または四分割された割型になっている。そし
て、図14に示すように、セラミックス製ばね56で径
方向に移動可能に弾性支持され、常時は拡径した状態と
なるように、例えば調整ねじ57でセラミックばね56
を調整して昇降用シリンダ53の頭部に取り付けられて
いる。なお、ワーク加熱用高周波コイル3により加熱さ
れるワークWの温度を赤外線温度計で測定し(ワークW
の内径に、矯正型2のすき間から赤外線を照射して測定
する)、その測定結果に基づき温度調節器59で加熱温
度を調整するようにしている。
【0107】この場合の手順は、図13に示すように、
先ずワークWを圧入治具10で矯正型2に圧入する(手
順)。その後、ワーク加熱用高周波コイル3に高周波
電流を流し、ワークW内に渦電流を発生させて加熱す
る。このときの周波数は高いほど効率が良いが、反面、
周波数が高いと表皮効果で渦電流がワーク表面に流れ
て、加熱に温度むらができてしまう。効率と均熱とのバ
ランスを考慮すると周波数は200Hz〜10KHzの
範囲が良い。矯正型2は非磁性体であるセラミックスを
使用しているため高周波加熱されず、磁性材料からなる
ワークWのみが加熱されて熱膨張する。ワーク材料の軸
受鋼の線膨張係数がおよそ12.5×10-6であるのに
対してセラミックスのそれは2.5〜3.3×10-6
あるから、伝熱によりセラミックス矯正型2が加熱され
てもその膨張量はワークWに比べて極めて小さい。かく
して、ワークWの自由な膨張が抑制されて、その焼き入
れ変形が矯正される。
【0108】ここまでの経過は第1,第2の各実施形態
の場合とほぼ同様である。しかし、このままでは、ワー
クWの外径側のみがセラミッスス製の矯正型2に接触し
ており、ワークWの他の箇所は非接触のままであるか
ら、ワークW内部に発生した熱の拡散度合いが内径側と
外径側とでは異なることになる。すなわち、ワーク外径
側は高周波加熱されないセラミックス矯正型2に接触し
ているために加熱後の冷却速度が速い。これに対して、
その他の非接触部分は空冷となるために熱が残留しやす
い。その結果、ワーク全体として僅かな温度ムラが生じ
る。これが、ワーク焼戻しの温度ムラとなって内径の硬
さが外径のそれより低くなり、硬さムラを生じてしまう
傾向がある。また、繰り返し精度の点においても、ワー
ク外径の硬さは安定しているのに対し、内径の硬さは不
安定である。ところが、ワークWが軸受の外輪の場合、
機能面は内径側にあるため、内径側の硬さムラがあると
軸受寿命に影響してくるので好ましくない。また、ワー
ク加熱用高周波コイル3とワークWとの同軸度のずれな
どによる相対位置の微妙なずれがあると、ワークWの円
周方向の硬さムラが発生する。
【0109】そこで、本実施形態では、これらの硬さム
ラの発生に対処するため、ワークWを圧入治具10で矯
正型2に圧入したら(手順)、続いて下方の内径ブッ
シュ52を昇降用シリンダ53で押し上げてワークWの
内径面に圧入する(手順)。この圧入に際して、内径
ブッシュ52は矯正型2に当接すると、セラミックス製
ばね56で拡径した状態から一度縮径し、ワークW内で
拡径して内径面にならい密着する。このようにして、ワ
ークWの内外径面に矯正型2と内径ブッシュ52とを密
着させた状態にした後、ワーク加熱用高周波コイル3に
高周波電流を流して加熱を開始し、ワークWの焼戻し矯
正が行われる。ワークWの外径及び内径の両面ともにセ
ラミックス部材(2,52)に接触しているため、温度
ムラによる硬さムラの発生は抑制される。
【0110】加熱が終了すると、矯正型2の上方から次
のワークWが圧入治具10で矯正型2内に圧入されてき
て、処理済のワークWを下方へ押し出す。このとき、内
径ブッシュ52の昇降用シリンダ53の下降とタイミン
グを合わせることで、ワークWと昇降用シリンダ53と
が一緒にワークWともども下降する(手順)。下降す
るワークWが受け台55の上面の穴55aに到達する
と、受け台55に遮られてワークWは停止する。一方、
内径ブッシュ52,昇降用シリンダ53は受け台55の
穴55aを通過し下限位置ま1下降する(手順)。
【0111】受け台55上に残ったワークWは、ワーク
排出シリンダ54により横方向に押し出される(手順
)。ワークWを押し出したワーク排出シリンダ54は
すぐに戻る。すると、昇降用シリンダ53が上昇を始め
て、既に矯正型2内に挿入されている次のワークWの内
径に挿入され、次サイクルが始まる。
【0112】図15は、このようにして焼戻し矯正され
たワークWである軸受外輪の径方向(軌道溝中央から外
径に至るまで)の断面硬さ勾配を測定して、内径ブッシ
ュ52を用いない場合と比較した図である。この図か
ら、矯正型2に内径ブッシュ52を併用した場合には、
矯正型2のみ使用の場合より内径溝の表面硬さが大きく
なっていることが明らかである。こうして機能面である
内径溝表面の硬さが硬くなることは、軸受寿命を延長さ
せるという効果をもたらす。また、内径ブッシュ52を
ワークWの内径に接触させることで内径部の熱拡散を均
一にすることができて、ワーク円周および外輪内径溝部
の硬さも均一化されるという効果が得られる。更にま
た、矯正型2と内径ブッシュ52とを、予め型加熱用ヒ
ータ4で180℃以下に予熱してからワーク加熱用高周
波コイル3による加熱を行うようにすると、加熱効率が
あがるためにランニングコストが安くなるという効果が
得られる。
【0113】図16〜図22に、本発明の第4の実施形
態を示す。この実施形態は、リング状部材の変形矯正装
置に使用するワーク加熱用高周波コイルを改良すること
により、製品の円周方向の硬さムラの低減を図ったもの
である。図16は矯正型に取り付けたワーク加熱用高周
波コイルの概要を示す平面図、図17はそのXVII−XVII
線断面図、図18は同コイルの要部拡大平面図、図19
はそのXVIII −XVIII 線断面図、図20は硬さムラの低
減効果を示す(硬さムラとηとの関係)図、図21は硬
さムラの低減効果を示す(硬さムラとζとの関係)図、
図22はワークの硬さ測定部位を示した平面図である。
【0114】上述した第1〜第3の各実施形態におい
て、ワーク加熱用高周波コイル3として図16,図17
に示すような1ターンの高周波コイルを使用した場合
に、コイル曲折部Rの周辺とその他の部分とでは、ワー
クWに与える磁束密度が異なるため、ワークWの円周方
向で加熱ムラが生じて、その結果製品に円周方向の硬さ
ムラが形成され易い。
【0115】本発明で使用されるワーク加熱用高周波コ
イル3は、電磁気的な設計上の観点から1ターンとされ
る場合が多い。1ターンのコイルには、その構造上、電
源供給部となる二箇所の曲折部Rの間に間隙Cが存在す
ることは避けられない。この間隙Cと他の箇所(例えば
コイル先端部S)とでは、誘導加熱時のワークWに与え
られる磁束密度が異なるために、加熱ムラが発生する。
この現象に対処するため、本実施形態では、図18,図
19に示すように、ワーク加熱用高周波コイル3の外径
側曲折部Rgの周辺に、高透磁率の磁性体61を付着さ
せて磁束洩れを防止する。その磁性体61の付着範囲
(寸法)は、コイル直線部における磁性体長さlsおよ
び磁性体端とコイル中心線とのなす角度θできまる。
【0116】いま、ワーク加熱用高周波コイル(以下、
単にコイルという)3の幅をWc、コイル直線部の間隙
をC、コイル外径をDcとする。また、磁性体61につ
いては、コイル直線部における長さをls、コイル外径
側の曲折部Rg とコイル中心線とのなす角度をθ0 、磁
性体61を施す端とコイル中心線とのなす角度をθとす
る。また、コイル直線部における磁性体長さlsとコイ
ル幅Wcとの比ls/Wcをηとおき、磁性体端とコイ
ル中心線とのなす角度θとコイル外径側の曲折部Rg
コイル中心線とのなす角度θ0 との比θ/θ0 をζとお
く。
【0117】すなわち、 η=ls/Wc ……(1) ζ=θ/θ0 ……(2) ∵ θ0 =sin-1{(Wc+C/2)/(Dc/2)} このとき、η≧1.0かつζ=1.3〜3.0となるよ
うに、磁性体61を付着させる。
【0118】ここに、上記のパラメータηおよびζは磁
性体61が付着する部分の寸法を決める重要な係数であ
る。各パラメータは、ワークWの大きさとワーク加熱用
高周波コイル3の大きさとの関係を規定する下記の式
(3)の条件を満足したときに特に効果が大きい。
【0119】 (Dc−2Wc)/Dw=1.05〜2.00 ……(3) 但し、Dwはワーク外径である。以下に、この第4の実
施形態に関する具体例を説明する。
【0120】すなわち、下記仕様の高周波加熱コイル3
の曲折部周辺に付着させる高透磁率の磁性体61に関
し、パラメータηおよびζを種々に変えたコイルを用い
て矯正型2内のリング状のワークWを加熱し、ワークの
円周方向の硬さムラを測定する実験を行った。
【0121】(a)コイルの仕様: コイル外径Dc=67mm コイル幅Wc=8mm 直線部間隙C=6mm 高透磁率材料の厚さt=2mm 高透磁率材料の端部とコイル中心線とのなす角θ=3
4.5° (b)ワークの円周方向の硬さムラ:図22に示すよう
に、リング状のワークWにおいて、記号〜の5か所
の位置で硬さを測定し、最大値と最小値との差を算出し
た。記号はコイルの先端部側の位置で、ワーク温度が
一番高いところである。記号はコイルの曲折部側の位
置で、ワーク温度が一番低いところである。
【0122】(c)高透磁率材料のコイル直線部におけ
る長さlsを変えたパラメータηの変化と硬さムラ〔H
v〕との関係を図20に示す。この結果から、コイル直
線部長さlsが大きくなると硬さムラが少なくなる傾向
が認められる。具体的には、硬さムラを最小にするには
ηが1.0以上となるようにすることが必要であり、
1.0未満では硬さムラが急激に増大する。以上のこと
から、本第4の実施形態におけるパラメータηの範囲は
1.0以上とするのが良い。
【0123】(d)磁性体61を施す端とコイル中心線
とのなす角度θを変えたパラメータζの変化と硬さムラ
〔Hv〕との関係を図21に示す。なお、この場合の他
方のパラメータηはη=2.0一定に保持した。
【0124】この結果から、パラメータζが1.3〜
3.0の範囲にあるとき、硬さムラは許容限度である1
0[Hv]を満足することがわかる。ζが1.3未満の
場合には、パラメータζが小さくなるにしたがって硬さ
ムラが大きくなっている。これは、パラメータζが1.
3より小さい場合には、高透磁率の磁性体61を付着さ
せて磁束密度を増大させることで加熱不足を是正させる
効果が小さいため、コイル曲折部周辺での焼戻しの進行
が、その他の部分に比べて遅れるからである。一方、パ
ラメータζが3.0より大きい場合には、パラメータζ
が大きくなるにしたがい硬さムラも大きくなる。これ
は、高透磁率の磁性体61を付着した範囲が大きいため
に、図22に示す記号〜の箇所が加熱過多となって
しまい、その他の部分に比べて硬さが低くなるためであ
る。以上のことから、本第4の実施形態におけるパラメ
ータζの範囲は1.3〜3.0とするのが良い。
【0125】なお、誘導加熱コイルの補助として使用す
る高透磁率の磁性体の透磁率は、コイルの周波数が大き
いほど小さいものが好ましい。例えば、コイル周波数が
先に述べたように0.2〜10kHzの場合、当該磁性
体の最大透磁率は80〜120が好ましい。
【0126】また、本実施形態に用いられる高透磁率の
磁性体にはヒステリシス損が少なく、電気抵抗が高いこ
とが望まれ、例えば軟質磁性材料(上田太郎他2共著
「機械材料」, p184 〜189 ,昭和33年1月1日初版
発行,共立出版)であり、フェライトをバインダで結合
塗布できる磁性塗料が望ましい。
【0127】この第4の実施形態によれば、1ターンの
誘導加熱コイルの曲折部周辺に高透磁率の磁性体を付着
させることにより、不連続なコイル形状に起因する加熱
ムラによるワークの円周方向の硬さムラを低減できると
いう効果を奏する。
【0128】以下、図23〜図25に本発明の第5の実
施形態を示す。この実施形態は、リング状部材の変形量
の測定手段と焼戻し矯正手段とを一体化して、同一リン
グ状部材につき複数回の加熱矯正を行えるようにしたも
ので、例えば楕円状に変形したワークの真円度をワーク
の内径側から矯正する場合の例である。図23は内径矯
正装置の概略図、図24はその加熱時の作動説明図、図
25は動作を説明するフローチャートである。
【0129】べ一ス70上に、揺動コマ71が中心線C
に対し半径方向に放射線上を進退自在に配設されてお
り、その揺動コマ71の上にワークをその内径面側で保
持するチャック爪72がネジなどで一体的に取り付けら
れている。ベース70は中心線Cを軸に回転可能になっ
ている。揺動こま71は、例えば半円状に二分割されて
いて、その半径方向の進退運動(すなわち開閉運動)を
図示しないシリンダ装置でまたはコレットにカムを挿入
して行うようにして、サイズの異なるワークWに広く適
用できるようになっている。チャック爪72は、その外
面にワークWの内径への挿入面72aとワークWの一方
の端面を受ける受面72bを備えており、誘導加熱され
にくい材料例えばセラミックス,オーステナイト系ステ
ンレス鋼,真鍮,アルミニウム合金等の材料を用いて形
成されている。上記ベース70,揺動コマ71,チャッ
ク爪72でベースユニット75が構成されている。
【0130】上記チャック爪72の外周近くには、この
チャック爪72に挿入されたワークWの外径面に径方向
から接近してその寸法(真円度)を測定する変位センサ
73設置されている。その設置位置は、被測定面(図示
の例ではワークWの外径面)が平滑であるならば、ワー
ク幅中央を測定できる位置が好ましい。この変位センサ
ー73の測定方式としては、渦電流式、超音波式、接触
式、レーザー式など公知の方式のいずれでも良い。いず
れの方式を用いる場合も、変位センサー73自体は、ワ
ークWに対する間隔を測定時には測定可能範囲内とし、
非測定時には退避させる図外の移動機構により支持され
るものとする。また、変位センサー73のとほぼ同じレ
ベルに、更に放射温度計74が設置されている。このも
のは、ワークWの加熱中に測温できるように、ワーク外
径面の温度を測定できる位置に配置されている。
【0131】上記チャック爪72の上方に、ワーク加熱
用高周波コイル3が配設されている。この場合は、中心
線Cに対して平行(図23で上下方向)に移動可能とさ
れ、図24に示すように、ワーク加熱時にはワークWに
接触しない程度にできるだけワーク外径面に近づけるよ
うにする。
【0132】なお、べ一スユニツト75へのワークWの
着脱はここでは図示していないが、例えば図9の場合と
同じくロボット50により行われ、そのワークWの搬送
は例えば図外の搬送装置(コンベア等)により行われ
る。
【0133】以下、図25に示すフローチャートに基づ
き、この実施形態におけるリング状部材の変形矯正装置
の自動連続動作を説明する。 ステップB1:図外の搬入コンベアが稼動し、ワークW
は予め決められた位置まで搬送される。ワークWの搬送
が完了すればステップB2へ進む。
【0134】ステップB2:図外の搬送用ロボットが、
ステツプB1で搬送されてきたワークを保持し、そのワ
ーク中心をべ一ス70の中心線C上に一致させる。その
後、ワークを下降させてチャツク爪72のワーク受面7
2bにワークWの下端面を乗せる。続いてチャック爪7
2が揺動コマ71に伴ってべ一ス70の半径方向の外向
きに動きワークWを保持する。この時の保持力は極めて
小さく、ワークWに弾性変形を及ぼさない程度に制御さ
れている。ワークWのチャック爪72への保持が終了す
れば、ロボットはワークWを離して原点に復帰する。
【0135】ステップB3:変位センサー73がその測
定範囲内までワークに近づく。図23においては接触式
のセンサーを用いているので、測定子の先端はワーク外
径面に接触している。ワークWを保持したままべ一スユ
ニット75が回転し、変位センサー73が測定を始め
る。測定は、測定を開始してからワークWが少なくとも
1回転する間は連続して行う。測定終了後、加熱回数が
三回以下で測定結果がOKの時は、OK信号が発信され
る。また、同一ワークWが三回以上加熱されており、且
つ、測定結果(真円度)がNGの時はNG信号が発信さ
れる。ここで、OK信号またはNG信号が発信された場
合はステップB6に進む。
【0136】ステップB4:加熱回数が二回以下で且つ
測定結果(真円度)がNGの時は焼戻し矯正のルーテイ
ンに入る。べ一スユニツト75は、ワークWの直径の最
も小さい個所が再チャッキング位置となるように回転
し、停止する。変位センサー73は、ワークWの再チャ
ッキングとワーク加熱用高周波コイル3の移動の妨げと
ならないように退避(後退)する。ロボットがチャック
爪72に保持されたワークWをつかみ、その位置で停止
する。その後、チャック爪72は揺動コマ71とともに
べ一ス70の半径方向の内向きに移動して、ワークWを
チャック爪72から開放する。そして、ワークWの直径
の最も小さい個所で、チャック爪72によりワーク内径
面から再チャッキングがなされる。この時の保持力は、
ステップB2でワークWを保持した時よりも充分大き
い。チャック爪72によるワークWの保持が終了すれ
ば、ロボットはワークWを離して原点復帰する。
【0137】ステップB5:ワーク加熱用高周波コイル
3が加熱位置まで移動する(図24の状態)。ワークW
はべ一スユニット75とともに回転を始め、誘導加熱さ
れる。加熱終了条件を満足すれば加熱は終了し、べ一ス
ユニット75の回転も停止する。加熱終了条件は、ワー
クWの最高到達温度、加熱時間またはそれらの組合わせ
で決定される。そして、高周波コイル3が元の待機位置
にまで退避(図24では上昇)する。さらに、チャック
爪72のワークを保持する力を極力、ワークWの弾性変
形が起こらない程度にまで小さくする。この後、ステッ
プB3に移行する。
【0138】ステップB6:ステップB3の最後におい
て、OK信号またはNG信号が発信された場合はステッ
プB6に進む。
【0139】ロボットがチャック爪72により保持され
ているワークWを外径面で保持し、チャック爪72は揺
動コマ71とともに半径方向内向きに移動することによ
りワークWを離す。そして、ロボットは、ステップB3
においてOK信号が発進されているときは合格品の排出
個所ヘ、またNG信号が発信されているときは不合格品
の排出個所へ、ワークWを排出する。その後、ロボット
は原点復帰し、作業終了信号が入っていなければステッ
プB1に戻る。作業終了信号が入っていれば全作業を終
了する。
【0140】この第5の実施形態によれば、例えば楕円
状に変形したリング状部材の真円度を矯正する場合、当
該部材の短軸側を内径から(または長軸側を外径から)
拘束して弾性変形させた状態で焼戻し処理する過程で表
れる塑性を利用して短時間に矯正することができる。し
かも、リング状部材の変形(真円度)の測定と焼戻し矯
正を自動的に連動させ、また同一のリング状部材につい
て複数回の矯正を一連の作業として行えるものとしたた
め、短時間で効果的に連続処理することが可能になると
いう効果を奏する。
【0141】
【発明の効果】以上、説明したように、請求項1に係る
本発明のリング状部材の変形矯正装置によれば、リング
状部材(ワーク)の熱処理変形を矯正型にワークを拘束
した状態で焼戻し処理することにより行うに際して、変
形矯正型にワークを圧入する前に、予めワークの位置決
めを正確に行うようにしたため、矯正型に対するワ−ク
セット位置にズレがなく、複数個のワークを高速で連続
処理することが可能となり、その結果安定した高速連続
稼働ができるという効果を奏する。
【0142】また、好ましい実施形態によれば、リング
状部材の熱処理変形を、矯正型にワークを拘束した状態
で焼戻し処理することにより行なうに際して、型組み替
え時の交換部品を削除,代替あるいは一体化したため、
交換部品や調整個所が滅少し、その結果短時間で組み替
えを終了できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の概略図である。
【図2】図1に示す圧入治具の一例で、(a)は半断面
で表した正面図、(b)はその側面図である。
【図3】圧入治具の他の例で、(a)は半断面で表した
正面図、(b)はその側面図である。
【図4】図1に示すワーク位置決め手段20の半断面で
表した側面図である。
【図5】図4の平面図である。
【図6】図1に示すゲート手段30の拡大図である。
【図7】図1に示す装置のシーケンス図である。
【図8】図1に示す装置の動作を説明するフローチャー
トである。
【図9】本発明の他の実施形態の概略図である。
【図10】図9に示す圧入治具の一例で、(a)は半断
面で表した正面図、(b)はその側面図である。
【図11】図9に示す装置の動作を説明するフローチャ
ートである。
【図12】第1の実施形態と第2の実施形態との型組み
替えの所要時間の割合を比較して示す図である。
【図13】本発明の第3の実施形態の概略図である。
【図14】図13に示される内径型とその昇降装置の図
で、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は(a)
のc−c線断面の部分拡大図である。
【図15】図13の変形矯正装置で加熱処理したリング
状部材の径方向の硬さ勾配の図である。
【図16】本発明の矯正型と加熱用高周波コイルとの平
面図である。
【図17】図16のXVII−XVII線断面図である。
【図18】本発明の第4の実施形態における加熱用高周
波コイルへの磁性体の付着位置を説明する部分平面図で
ある。
【図19】図18のXIX −XIX 線断面図である。
【図20】図18に示す磁性体を付着した高周波コイル
を用いた場合の、硬さムラとパラメータηとの関係を表
した図である。
【図21】図18に示す磁性体を付着した高周波コイル
を用いた場合の、硬さムラとパラメータζとの関係(但
し、ηは一定)を表した図である。
【図22】リング状部材の硬さ測定箇所を示す平面図で
ある。
【図23】本発明の第5の実施形態の概略図である。
【図24】図23に示すものの加熱時の作動説明図であ
る。
【図25】第5の実施形態の動作を説明するフローチャ
ートである。
【符号の説明】
1 装置本体 2 矯正型 3 加熱手段(ワーク加熱用高周波コイル) 4 加熱手段(型加熱用ヒータ) 5 圧入シリンダ 7 搬送レール 8 位置決めシリンダ 10 圧入治具 20 ワーク位置決め手段 21 開口 22 位置決め体 23 支持レール 24 旋回軸 25 シャッタばね 30 ゲート手段 31a 貫通孔 31 ゲートプレート 32 懸架ばね 35 ワーク分離用板ばね 36 マグネット 40 間座 41 ベース 42 型ユニット 43 透過孔 46 光学装置 50 ロボット 52 割型(内径ブッシュ) 53 昇降用シリンダ 56 セラミックス製ばね 61 磁性体 70 ベース 71 揺動コマ 72 チャック爪 73 変位センサ 75 ベースユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内海 靖夫 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 (72)発明者 前田 明年 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 (72)発明者 赤瀬 祥一 滋賀県大津市晴嵐1−16−1 日本精工株 式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 装置本体に設けられてリング状部材の外
    周面と端面との少なくとも一つを拘束する矯正型と、そ
    の矯正型に対向して進退し、先端部に取り付けた圧入治
    具でリング状部材を保持して矯正型に挿入する圧入シリ
    ンダとを有するリング状部材の変形矯正装置において、 前記圧入シリンダと矯正型との間に、圧入シリンダの移
    動方向に対しリング状部材を位置決めするワーク位置決
    め手段を設け、当該ワーク位置決め手段は、前記リング
    状部材の直径の1/2の曲率とされた半円状ないしU字
    状の開口を前記圧入シリンダの移動方向に貫通させてな
    る位置決め体と、前記リング状部材の反圧入シリンダ側
    の端面を支持する支持面を有する支持レールと、その支
    持レールを前記圧入シリンダの進行方向に旋回可能に軸
    支する旋回軸と、前記位置決め体の反圧入シリンダ側の
    端面に前記支持レールの支持面が当接するように支持レ
    ールを付勢するシャッタバネとからなることを特徴とす
    るリング状部材の変形矯正装置。
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