JPH11171327A - コンクリート成形品用反転装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置が小型化できると共に製作容易でコスト
も安く、しかもコンクリート成形品の形や大きさに関係
がなく使用できる範囲の広いコンクリート成形品用反転
装置を提供する。 【解決手段】 箱枠体２からなる一対の受台１ａ，１ｂ
を互いに一側端で軸支３し、各箱枠体２，２には軸支３
部の中心軸線と平行なローラ５を複数並列し、一方の受
台１ａが水平位置にあるとき他方の受台１ｂが一方の受
台１ａに対し起立又は１８０度をなすように倒伏可能で
あり、かつ両受台１ａ，１ｂが所定の角度を保持したま
ま鉛直面内で回動可能に構成され、両受台１ａ，１ｂを
回転させることでコンクリート成形品を反転させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えばＵ型側溝の
ようなコンクリート成形品を上下に反転させるコンクリ
ート成形品用反転装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】例えば、図４に示されるようなＵ型側溝
Ｕは、使用に際して左右両側壁ａ，ａの上端面ｂ，ｂが
設置個所の路面と面一になるようにして全体を地中に埋
設するため、左右両側壁ａ，ａの上端面ｂ，ｂが平坦面
になるように開口面ｃが下向きとなり、かつ底壁ｄが上
向きとなるように成形型を組み立て、該成形型にセメン
トを流し込んで成形するようにしている。そこで、この
ように開口面ｃを下向きにして成形されたＵ型側溝Ｕは
製品として搬出するために反転装置により天地返しが行
なわれており、通常この反転装置はＵ型側溝Ｕの製造ラ
インに組み込まれている。

【０００３】ところで、このような反転装置には、例え
ば、従来図５ないし図７に示されるものが採用されてい
る。図５に示される反転装置Ａ１は中心軸を中心として
矢視方向に回転する円柱状の回転体１０１の水平方向に
コンクリート成形品（Ｕ型側溝Ｕ）を挿入する角孔１０
２が貫設され、この角孔１０２にコンクリート成形品を
挿入させた状態で回転体１０１を反転（１８０度回転）
させるものである。

【０００４】また、図６に示される反転装置Ａ２は、直
立された回転円盤１０３の前側面に左右一対をなすフォ
ーク１０４，１０４が水平に突設され、これらのフォー
ク１０４，１０４対にコンクリート成形品（Ｕ型側溝
Ｕ）の左右両側壁ａ，ａを挟持した状態で回転円盤１０
３を矢視方向に反転（１８０度回転）させるものであ
る。

【０００５】さらに、図７に示される反転装置Ａ３は、
鉛直に吊下される門型の支持枠体１０５の両下端に挟圧
子１０６が回転可能に対設され、これらの挟圧子１０６
でコンクリート成形品（Ｕ型側溝Ｕ）の左右両側壁ａ，
ａを挟持し、さらに油圧又は空気圧で挟圧子１０６，１
０６対を加圧した状態でコンクリート成形品を矢視方向
に反転（１８０度回転）させるものである。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、図５に示し
た反転装置Ａ１は、コンクリート成形品の大きさに応じ
て装置が大型になり、製作が困難で製作費もかなり高価
となる。また、反転することができるコンクリート成形
品の大きさが前記角孔１０２の大きさ以下に制限され使
用できる範囲が狭い。さらに、コンクリート成形品の進
入方向及び取出方向が何れも左右２方向に限られ、この
ため製造ラインの設計が困難となる場合が有るといった
課題があった。

【０００７】また、図６に示した反転装置Ａ２も、装置
がコンクリート成形品の大きさに応じて大型になり製作
が困難であるばかりか製作費が高額になる。また、反転
させるコンクリート成形品の横幅がフォーク１０４，１
０４対の間隔とほぼ一致するものに限られ使用できる範
囲が極めて狭く、しかも、長尺物の反転は無理である。
また、反転時の安定度も低く、ともすると、コンクリー
ト成形品が滑り落ちて落下する虞れが有る。さらに、コ
ンクリート成形品の進入方向は上下前の３方向からでき
るが、取出方向は上後２方向に限られ、この場合もやは
り製造ラインの設計が困難となる場合が有るといった課
題があった。

【０００８】また、図７に示した反転装置Ａ３もコンク
リート成形品の大きさに応じて装置が大型になり、しか
も、反転できるコンクリート成形品の横幅並びに長さに
制約があり使用できる範囲が狭く、挟圧子１０６の押圧
力が弱いと保持したコンクリート成形品が滑って落下す
る危険があるといった課題があった。

【０００９】そこで本発明は、このような従来技術にみ
られる課題を解決すべくなされたもので、装置が小型化
でき製作も容易であり、しかも価格が低廉となり、ま
た、反転させるコンクリート成形品の形状や大きさに余
り関係がないことから使用できる範囲が広がり、さら
に、コンクリート成形品の進入方向及び取出方向が多方
向となることで製造ラインの設計が自由に行なえるコン
クリート成形品用反転装置を提供することを目的とする
ものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明に係るコンクリー
ト成形品用反転装置は、箱枠体からなる一対の受台を互
いに一側端で軸支し、前記各箱枠体には前記軸支部の中
心軸線と平行をなすローラを複数並列してなり、いずれ
か一方の受台が水平位置にあるとき他方の受台が鉛直面
内で一方の受台に対して例えば９０度をなすように起立
又は１８０度をなすように倒伏し得るようにし、かつ、
両受台が例えば９０度の角度を保持したまま鉛直面内で
回動し得るようにした。そこで、一方の受台を水平にし
てその上面に開口面が下向きで成形されたＵ型側溝をそ
のまま載置し、この状態で他方の受台を一方の受台に対
して９０度の角度をなすように起立させる。そして、こ
のまま両受台を９０度他方の受台側へ回転させて他方の
受台上面にＵ型側溝を移動させる。次いで一方の受台を
９０度元に戻して水平にし、前記Ｕ型側溝を他方の受台
から一方の受台へ移動させる。更に、他方の受台を一方
の受台に対して９０度をなすように起立させたまま両受
台を他方の受台側へ再び９０度回転させることによりＵ
型側溝がその開口面が上向きとなるように反転させるこ
とができる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下本発明に係るコンクリート成
形品用反転装置の実施の形態を図面と共に説明する。図
１は本発明に係る反転装置Ａの斜視図であり、該反転装
置Ａは一方の受台１ａと他方の受台１ｂとの組み合わせ
より構成される。これらの一方の受台１ａ及び他方の受
台１ｂは長方形をなす箱枠体２からなり、長手方向の一
側端で軸支３される。各箱枠体２，２には前記軸支３部
の中心軸線Ｌと平行をなしかつ軸４により自在に回転す
るローラ５が複数並列されている。また、一方の受台１
ａの他側端には上端が該受台１ａの上面より上方へ突出
する停止板６が設けられている。これは、一方の受台１
ａの上面に載置されるＵ型側溝Ｕがそこから無用に落下
するのを防止するためである。

【００１２】そして、一方の受台１ａが水平位置にある
とき、他方の受台１ｂは鉛直面内で一方の受台１ａに対
して９０度をなすように起立または１８０度をなすよう
に倒伏できるようになっている。これは他方の受台１ｂ
に対する一方の受台１ａとの関係についても同様であ
る。更に、両受台１ａ，１ｂは９０度の角度を保持した
まま鉛直面内で９０度回転し得るようになっている。こ
れら両受台１ａ，１ｂの回動動作は図示しないエアーシ
リンダーまたは油圧シリンダーによって制御されて行な
われる。

【００１３】本発明に係るコンクリート成形品用反転装
置Ａは上記構成よりなり、次にその使用方法について述
べる。コンクリート成形品としてはＵ型側溝Ｕが示され
る。図２は反転装置Ａの作用を順に説明する側面図。図
３は同平面図である。なお、図２と図３の同じ位置は同
一の符号を付している。先ず、図２（ａ），図３（ａ）
に示すように、水平にした一方の受台１ａ上面に開口面
ｃが下向きのＵ型側溝Ｕを一方の受台１ａに対して直交
するようにして載置し、他方の受台１ｂを一方の受台１
ａに対して９０度をなすように起立させておく。この状
態で、両受台１ａ，１ｂを９０度の角度を保持したまま
図２（ｂ）で矢視する方向に９０度回転させ、Ｕ型側溝
Ｕを図２（ｃ），図３（ｃ）に示すように開口面ｃを左
横向きにして他方の受台１２上面に移動させる。次い
で、図２（ｄ），図３（ｄ）に示すように一方の受台１
ａを９０度元に戻して水平にし、Ｕ型側溝Ｕを図２
（ｅ），図３（ｅ）に示すように他方の受台１ｂから一
方の受台１ａ側に移動させ、他方の受台１ｂを図２
（ｆ），図３（ｆ）に示すように一方の受台１ａに対し
て９０度をなすように起立させる。更に、この状態で両
受台１ａ，１ｂを９０度の角度を保持したまま図２
（ｇ）で矢視する方向に９０度回転させてＵ型側溝Ｕを
図２（ｈ），図３（ｈ）に示すように他方の受台１２上
面に移動させる。これによりＵ型側溝Ｕを開口面ｃが上
向きとなるように反転させることができる。

【００１４】そして、前記Ｕ型側溝Ｕを図２（ｉ）に矢
視する方向に取り出すか、又は一方の受台１ａを矢視す
る方向に９０度戻して水平にした状態でＵ型側溝Ｕを図
２（ｊ）に示すように他方の受台１ｂから一方の受台１
ａ側に移動して矢視する方向に取り出す。図２（ｉ）及
び（ｊ）の状態からＵ型側溝Ｕを取り出した後、図２
（ｋ）に示すように他方の受台１ｂを垂直に起立させ、
一方の受台１ａ上面に次なるＵ型側溝Ｕを進入させ載置
させる。以下前記と同じ手順でＵ型側溝Ｕを反転させ
る。なお、前記Ｕ型側溝Ｕの取り出し方向は、図２
（ｉ）の左・右側の他に、上方または前後方向でも良
く、合計５方向に取り出すことができる。

【００１５】

【発明の効果】以上述べたように本発明に係るコンクリ
ート成形品用反転装置は、一対をなす受台の一側端を互
いに軸支して、鉛直面内で互いに起立または倒伏し得る
構成からなるので、装置が小型化できる。しかも構造が
簡単であって製作が容易であり、低廉な価格で提供でき
る。また、一対をなす受台を互いに水平にした状態で
は、各受台の前後，左右，上方の５方向が解放されて制
約がないから、コンクリート成形品は形や大きさにとら
われることなく反転させることができ使用できる範囲が
広く、しかも安定性よく反転させることができる。さら
に、前述のように、コンクリート成形品が５方向から進
入または取り出しできることから、製造ラインの設計が
制約なく容易であり、さらにまた、ライン内に組み込む
ことも、ライン外で単独に使用することもできるといっ
たように多くの利点を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るコンクリート成形品用反転装置の
斜視図。

【図２】反転装置の作用説明側面図。

【図３】同作用説明平面図。

【図４】Ｕ型側溝の斜視図。

【図５】従来の反転装置の斜視図。

【図６】従来の反転装置の使用状態の斜視図。

【図７】従来の反転装置の使用状態の斜視図。

【符号の説明】

１ａ 一方の受台 １ｂ 他方の受台 ２ 箱枠体 ３ 軸 ５ ローラ Ａ コンクリート成形品用反転装置

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 箱枠体からなる一対の受台を互いに一側
   端で軸支し、前記各箱枠体には前記軸支部の中心軸線と
   平行をなすローラを複数並列してなり、いずれか一方の
   受台が水平位置にあるとき他方の受台が鉛直面内で一方
   の受台に対し起立又は１８０度をなすように倒伏し得る
   ようにし、かつ両受台が所定の角度を保持したまま鉛直
   面内で回動し得るようにしたことを特徴とするコンクリ
   ート成形品用反転装置。