JPH11170325A - 射出成形機の制御方法及び制御装置 - Google Patents

射出成形機の制御方法及び制御装置

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JPH11170325A
JPH11170325A JP36171097A JP36171097A JPH11170325A JP H11170325 A JPH11170325 A JP H11170325A JP 36171097 A JP36171097 A JP 36171097A JP 36171097 A JP36171097 A JP 36171097A JP H11170325 A JPH11170325 A JP H11170325A
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matrix
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control
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gain
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JP36171097A
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Inventor
Tetsuaki Neko
哲明 根子
Kozo Inoue
幸三 井上
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Fanuc Corp
Original Assignee
Fanuc Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数のセンサからの出力によって複数の制御
量を制御できるようにすることができる射出成形機の制
御方法及び制御装置を提供する。 【解決手段】 制御しようとする射出成形機の制御対象
1から複数のセンサS1〜SNで制御量を検出し検出値
行列Yを構成する。各制御量に対する指令でコマンド行
列Xを構成し、コマンド行列Xから検出値行列Yを減じ
て偏差行列Eを求める。ゲイン行列Gに偏差行列Eを乗
じて操作量行列ΔUを求める。操作量行列ΔUの各操作
量を対応する要素を駆動するモータの位置指令、速度指
令、トルク指令のいずれかに、補正量として加算する
か、各指令の代わりにこの操作量を用いるかしてモータ
を制御する。制御対象を複数の制御量によって制御する
ようにしたから、より精密で適確な制御を行うことがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形機の制御
方法、制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】射出成形機においては、型締部の可動金
型が取付けられた可動盤、樹脂の射出を行うスクリュ、
金型内から成形品を取り出すエジェクタ等、可動する可
動部材の位置や速度及び力(圧力)をフィードバック制
御することが一般に行われている。これらのフィードバ
ック制御を行うために可動部材の位置や速度を検出する
センサ、力(圧力)を検出するセンサを備えている。例
えば、樹脂圧を制御するために型内圧力を検出するセン
サ、ノズル圧力を検出するセンサ、射出時や計量時に樹
脂からスクリュに加わる圧力を検出するロードセル等の
センサを備えている。そして、これらの圧力を検出する
センサの1つを用い、圧力(力)を検出しその圧力をフ
ィードバック制御したり、検出圧力に応じて、可動部材
の指令移動速度を切り替え、速度のフィードバック制御
を行ったり、又は、可動部材の位置を検出するセンサか
ら検出される位置に応じて、指令圧力を切換え圧力のフ
ィードバック制御を行ったり、指令速度を切換え速度の
フィードバック制御をしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術で
は、1つのセンサで検出した検出出力に基づいて、圧力
を制御したり、速度を制御するもので、1つの検出出力
によって1つの制御量をフィードバック制御するもので
ある。しかし、圧力を制御すれば速度が変化し、速度を
制御すれば、圧力が変化する。例えば、射出制御の場
合、圧力を制御すれば、射出速度が変化し、射出速度を
制御すれば圧力も変化する。圧力も射出速度も制御する
ことはできない。
【0004】又、射出制御の場合、射出開始時には型内
センサでは樹脂圧を検出することができず、ノズル圧力
やスクリュに掛かる圧力をセンサで検出して圧力の制御
を行った方がよい。一方、金型内に樹脂が充填した後等
は、ノズル圧力やスクリュに掛かる圧力よりも型内圧力
を検出して制御した方がよい。さらに、金型内の樹脂の
圧力をエジェクタ装置や型締装置を駆動して制御する場
合、型内圧力はエジェクタ装置の駆動量や力、型締装置
の可動盤の移動量や力、さらにはスクリュによって樹脂
に与える力、移動量等によって変化する。
【0005】そこで、複数のセンサからの出力によって
複数の制御量を制御できるようにすることができる射出
成形機の制御方法及び制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、制御対象に対
して制御対象の各制御量を検出する複数のセンサを設け
ると共に、各センサで検出される制御量に対する指令で
構成されるコマンド行列と各制御量に対応するフィード
バックゲインで構成されるゲイン行列を記憶する記憶手
段と、該記憶手段に記憶されている上記コマンド行列及
び上記ゲイン行列と上記複数のセンサから得られる検出
値で構成する検出値行列によって操作を行う1以上の要
素の操作量で構成される操作量行列を求める手段とを備
え、該手段で求められた操作を行う要素に対する操作量
により上記制御対象を制御するようにした。
【0007】特に、上記操作量行列を求める手段は、コ
マンド行列から上記複数のセンサから得られる検出値で
構成する検出値行列を減じて偏差行列を求め、該偏差行
列に上記ゲイン行列を乗じて1以上の要素の操作量で構
成される操作量行列を求めるようにした。
【0008】または、制御量に対する指令と制御量に対
して操作を行う2以上の要素の操作量を求めるためのフ
ィードバックゲインで構成されるゲイン行列を記憶する
記憶手段と、上記指令、制御量を検出する1つのセンサ
から得られる検出値及び上記ゲイン行列により、操作を
行う2以上の要素の操作量で構成される操作量行列を求
める手段とを備え、該手段で求められた操作を行う要素
に対する操作量により上記制御対象を制御するさらに、
選択手段を設け、上記求められた操作量行列の各要素の
操作量を、各要素に対応する制御対象に対して作用する
可動部材の位置指令、速度指令、力指令のいずれか1つ
の代わりに上記求められた操作量行列の各要素の操作量
を使用するように選択するようにした。又は、各要素に
対応する制御対象に対して作用する可動部材の位置指
令、速度指令、力指令のいずれか1つに対する補正量と
して上記求められた操作量行列の各要素の操作量を加算
する手段を設けて制御対象を制御するようにした。又、
上記求められた操作量行列の各要素の操作量と各要素に
対応する制御対象に対して作用する可動部材の位置指
令、速度指令、力指令のいずれか1つとを選択し比較
し、小さい方を選択した指令とする比較手段とを設け
て、制御対象を制御するようにした。さらに、上記記憶
手段にはコマンド行列及びゲイン行列の各要素を時間の
関数もしくは制御対象に対して作用する可動部材の位置
の関数として記憶設定しておく。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の作用原理を説明
する説明図であり、射出成形機のスクリュや型締機構の
可動盤等の可動部材をサーボモータで駆動制御する電動
式射出成形機に適用した例を示している。
【0010】制御対象1の射出成形機には、スクリュを
駆動制御するサーボモータ、型締機構の可動盤を駆動制
御するサーボモータ、エジェクト装置を駆動制御するサ
ーボモータ、スクリュの回転駆動を制御するサーボモー
タ等の複数のモータM1〜M4が設けられている。又、
金型内の樹脂圧を検出する型内圧センサ、加熱シリンダ
の先端部のノズル内の圧力を検出するノズル圧センサ、
スクリュに加わる樹脂からの圧力を検出するロードセル
等のセンサ(以下このセンサをロードセルという)、タ
イバーに設けられたロードセルや歪み計によって型締力
を検出する型締力センサ等の複数のセンサS1〜SNが
設けられている。
【0011】又、各サーボモータM1〜M4にはそれぞ
れ、該モータの回転位置、速度を検出しモータによって
駆動される可動部材の位置、速度を検出するパルスエン
コーダ等の位置・速度検出器が設けられ、この検出され
た位置・速度はサーボ回路2にそれぞれフィードバック
される。なお、図1では、サーボ回路2を1つだけ記載
しているが、このサーボ回路2は各モータM1〜M4毎
に設けられ、各サーボ回路2からの出力で各サーボモー
タM1〜M4は駆動制御され、各サーボモータM1〜M
4に設けられた位置・速度検出器からの位置・速度フィ
ードバック信号はそれぞれのサーボ回路2にフィードバ
ックされるものである。図1では、説明を簡単にするた
めに1つのサーボ回路のみを代表として記載している。
【0012】各サーボ回路2では、指令位置と位置・速
度検出器からフィードバックされてくる位置のフィード
バック信号により位置偏差を求め位置ループ制御(位置
のフィードバック制御)を行い速度指令Vcmd を求め、
該速度指令Vcmd と位置・速度検出器からフィードバッ
クされてくる速度フィードバック信号より速度ループ制
御(速度フィードバック制御)を行いトルク指令(電流
指令であり力の指令を意味する)を求め、このトルク指
令と、図示しない電流検出器からの電流フィードバック
信号によって電流ループ制御を行い、図示しないインバ
ータ等のアンプを介してそれぞれのサーボモータM1〜
M4を駆動制御する。ただし、位置制御を必要としない
場合、例えばスクリュ回転を駆動制御するモータに対し
ては位置ループはなく速度ループと電流ループのみで速
度制御がなされる。さらに、圧力(力)のみを制御する
必要がある場合には、位置ループ、速度ループはなく電
流ループのみで圧力(力)制御が行われる。以上は従来
の電動式射出成形機の各可動部材を駆動するサーボモー
タの駆動制御と同一である。
【0013】一方、本発明においては、制御対象1の射
出成形機よりN個の制御量をセンサS1〜SNで検出し
N行1列の検出値行列Yを求め、N個の制御量のそれぞ
れの指令値としてN行1列のコマンド行列Xを与えて、
コマンド行列Xから検出値行列Yを減じてN行1列の偏
差行列E(=X−Y)を求め、M行N列のゲイン行列G
に上記N行1列の偏差行列Eを乗じてM行1列の操作量
行列ΔUを求め、位置指令、速度指令又は電流指令の補
正量とするか、直接指令値とする。なお、制御量の指令
値やゲインは時間もしくは位置(例えばスクリュ位置)
によって変えるものであり、変化するものとして各行列
を表す下記の数1〜数5の式ではこの時間もしくは位置
を変数iとして表している。
【0014】
【数1】
【0015】
【数2】
【0016】
【数3】
【0017】
【数4】
【0018】
【数5】 なお、上記例では、数3式〜数5式に示すように、フィ
ードバック制御において比例制御しか行わない例を示し
たが、比例、微分、積分制御を行う時には、3式で求め
られた偏差行列E(この場合この偏差行列をEP とす
る)の変化量を偏差微分行列ED として数6式のように
求め、また、偏差行列Epを積算して、数7式の用に偏
差積分行列EI として求め、また、比例、微分、積分ゲ
イン行列を上記数4式のようにそれぞれ与えることによ
って(比例ゲイン行列をGP 、微分ゲイン行列をGD 、
積分ゲイン行列をGI とする)、比例、微分、積分フィ
ードバック制御を行って数8式のように操作量行列を求
めてもよい。また、積分制御は行わず比例微分フィード
バック制御でも、もしくは微分制御は行わず比例積分フ
ィードバック制御を行ってもよい。
【0019】
【数6】
【0020】
【数7】
【0021】
【数8】 本発明においては、上記求めた操作量行列ΔUの各要素
操作量ΔU1(i)〜ΔUM(i)を指令値に対する補正量とし
て用いる場合、この操作量を指令値の代わりに用いる場
合、さらに指令値かこの操作量の小さい方(場合によっ
ては大きい方)を用いる場合がある。
【0022】図2は操作量行列ΔUの各要素操作量ΔU
1(i)〜ΔUM(i)を指令値に対する補正量として用いたと
きのサーボ回路の各ループ制御のブロック図である。こ
の場合、指令に対して、求めた操作量ΔU1(i)〜ΔUM
(i)が対応する指令に加算され補正された指令となり、
この指令からフィードバック量を減じて位置、速度又は
電流ループ制御が行われることになる。例えば、図2に
おいて、位置指令に対して補正を行う場合には、図2に
おける指令は位置指令であり、求めた操作量行列ΔUに
おける位置に関する操作量が補正量ΔUとなる。又、こ
の補正された位置指令と位置のフィードバック信号とに
よって位置ループ処理がなされることになる。
【0023】図3は、操作量行列ΔUの各要素操作量Δ
U1(i)〜ΔUM(i)を指令値とする場合のサーボ回路の各
ループ制御のブロック図である。例えば、速度ループ制
御によって出力されるトルク指令(電流指令)や、直接
力(圧力)制御を行うときに直接指令される力(圧力)
指令の代わりにこの求められた操作量行列ΔUの圧力
(力)に対応する操作量を電流ループへの指令としこの
指令と電流フィードバック信号によって電流ループ制御
を行うことになる。
【0024】図4は、指令値と求められた操作量ΔU1
(i)〜ΔUM(i)の対応する操作量とを比較して、小さい
方(場合によっては大きい方)を位置や、速度や電流ル
ープの指令とするサーボ回路の各ループ制御のブロック
図である。
【0025】図5は、位置ループ制御は行わず、速度ル
ープと電流ループ制御を行うときの時間もしくは位置i
の関数として設定される指令とフィードバックゲインの
テーブルを示す一例である。時間もしくは位置(例えば
スクリュ位置)iの関数として、コマンド行列Xの各要
素X1(i)、X2(i)、…が設定され、又速度指令としてV
(i) が設定される。又、ゲイン行列Gの各要素G11(i)
、G12(i) 、…G21(i) G22(i) 、…が設定される。
そして、上述した方法によって操作量行列ΔU(i) が求
められ、速度指令もしくは電流指令(トルク指令)のど
ちらか一方が上記図2〜図4に示す方法によって補正も
しくは切り替えられることになる。例えば、速度に対す
る操作量を求めたときには、図2に示す方法ではこの操
作量を設定速度に加算し速度ループ制御に対する速度指
令とし、図3に示す方法では、設定した指令速度を選択
するか、求められた速度に関する操作量を速度指令とし
て選択するか、その選択によって、速度ループへの速度
指令が異なることになる。さらに、図4の方法を用いた
場合には、設定された速度指令と求められた操作量との
小さい方(もしくは大きい方)を速度ループの速度指令
となる。
【0026】なお、位置ループ制御も行う場合は、図5
における速度指令が位置指令に代わり、電流ループ制御
の圧力制御のみを行う場合には、図5における速度指令
が圧力(電流)指令となる。
【0027】次に上述した本発明を電動式射出成形機に
適用した一実施形態について説明する。図6は電動式射
出成形機を制御する制御装置10のブロック図である。
制御装置10は、数値制御用のマイクロプロセッサであ
るCNC用CPU25、プログラマブルマシンコントロ
ーラ用のマイクロプロセッサであるPMC用CPU1
8、サーボ制御用のマイクロプロセッサであるサーボC
PU20、および、A/D変換器16を介して射出成形
機本体側に設けられた各種圧力を検出するセンサからの
信号をサンプリング処理を行ってRAM12に記憶する
圧力モニタ用CPU17を有し、バス22を介して相互
の入出力を選択することにより各マイクロプロセッサ間
での情報伝達が行えるようになっている。なお、図6で
はA/D変換器16は1つのみ図示しているが、圧力を
検出するセンサの数だけA/D変換器が設けられ、各セ
ンサで検出された圧力は圧力モニタ用CPU17に入力
されるようになっている。センサとしては、金型に取付
けられ金型内の樹脂圧力を検出する型内圧センサ、加熱
シリンダの先端に設けられたノズル部分に設けられ該ノ
ズル内の樹脂圧力を検出するノズル圧センサ、スクリュ
に取付けられ樹脂からスクリュに加わる圧力を検出する
センサであるロードセル、タイバーに取付けられタイバ
ーに掛かる力を検出し型締力を検出するロードセルや歪
み計等の型締力センサ等があり、必要に応じてこれらの
センサが射出成形機に取付けられ、これらのセンサの検
出出力はそれぞれA/D変換器を介して圧力モニタ用C
PU17に入力され、RAM12に検出圧力等が記憶さ
れることになる。
【0028】PMC用CPU18には射出成形機のシー
ケンス動作を制御するシーケンスプログラム等を記憶し
たROM13および演算データの一時記憶等に用いられ
るRAM14が接続され、CNC用CPU25には、射
出成形機を全体的に制御する自動運転プログラム等を記
憶したROM27および演算データの一時記憶等に用い
られるRAM28が接続されている。
【0029】また、サーボCPU20には、上述した位
置ループ、速度ループ、電流ループの処理を行うサーボ
制御専用の制御プログラムを格納したROM21やデー
タの一時記憶に用いられるRAM19が接続されてい
る。圧力モニタ用CPU17には、該圧力モニタ用CP
Uが行う制御の制御プログラムを記憶したROM11お
よび、前述した、各種センサが検出した圧力等を記憶す
るRAM12が接続されている。更に、サーボCPU2
0には、該CPU20からの指令に基いて型締用,射出
用,スクリュー回転用,エジェクタ用等の各軸のサーボ
モータを駆動するサーボアンプが接続され、各軸のサー
ボモータに取付けられた位置・速度検出器Pからの出力
がサーボCPU20に帰還されるようになっている。各
軸の現在位置は位置・速度検出器からの位置のフィード
バック信号に基いてサーボCPU20により算出され、
各軸の現在位置記憶レジスタに更新記憶される。図6に
おいては1軸分のサーボアンプ15とサーボモータMお
よび位置・速度検出器Pについてのみ示しているが、ク
ランプ用,射出用,エジェクタ用等の各軸の構成は皆こ
れと同様である。但し、スクリュー回転用のものに関し
ては現在位置を検出する必要はなく、速度のみを検出す
ればよい。
【0030】インターフェイス23は射出成形機本体の
各部に配備したリミットスイッチや操作盤からの信号を
受信したり射出成形機の周辺機器等に各種の指令を伝達
したりするための入出力インターフェイスである。ディ
スプレイ付手動データ入力装置29はCRT表示回路2
6を介してバス22に接続され、グラフ表示画面や機能
メニューの選択および各種データの入力操作等が行える
ようになっており、数値データ入力用のテンキーおよび
各種のファンクションキー等が設けられている。
【0031】不揮発性メモリ24は射出成形作業に関す
る成形条件と各種設定値,パラメータ,マクロ変数等を
記憶する成形データ保存用のメモリである。各種成形条
件や、前述した図5に示す時間や位置の関数として指令
値と設定フィードバックゲインを記憶するテーブルが不
揮発性メモリ24内に記憶される。
【0032】以上の構成により、PMC用CPU18が
射出成形機全体のシーケンス動作を制御し、CNC用C
PU25がROM27の運転プログラムや不揮発性メモ
リ24の成形条件等に基いて各軸のサーボモータに対し
て移動指令の分配を行い、サーボCPU20は各軸に対
して分配された移動指令と位置・速度検出器で検出され
た位置および速度のフィードバック信号等に基いて、従
来と同様に位置ループ制御,速度ループ制御さらには電
流ループ制御等のサーボ制御を行い、いわゆるディジタ
ルサーボ処理を実行するすると共に、前述した操作量行
列ΔUを求めて、上述した図2〜図4の処理を行うもの
である。
【0033】そこで、本発明の第1の実施形態として、
ノズルセンサ、型内圧センサ、ロードセルから検出され
るノズル圧力、型内圧力、樹脂からスクリュに加わる圧
力を検出し、これら3つの検出圧力に基づいて、スクリ
ュを軸方向に駆動し射出及び計量する射出用サーボモー
タの操作量(以下射出軸操作量という)、エジェクタピ
ンを金型内に突出させるエジェクタ装置を駆動するサー
ボモータの操作量(以下エジェクタ操作量という)を求
めて射出、保圧工程、計量工程の樹脂圧を制御する方法
を説明する。なお、この実施形態では、位置ループから
出力される速度指令に代えて、この求めたスクリュ操作
量、エジェクタ操作量をそれぞれの速度指令とするもの
としている。すなわち図3の制御を行うものとしてい
る。
【0034】この場合、コマンド行列X、検出値行列
Y、偏差行列E、ゲイン行列G、操作量行列ΔUは次の
数9〜数13式で示すものとなる(なお、比例フイード
バック制御のみを行う例を示している)。
【0035】
【数9】
【0036】
【数10】
【0037】
【数11】
【0038】
【数12】
【0039】
【数13】 この場合、コマンド行列X、ゲイン行列Gは図5に示す
ように、予め時間の関数として設定されているが、速度
指令は設定されていない。なお、位置指令は従来と同様
に別に設定されているものとする。ゲイン行列Gの各要
素はおおむね図12に示すように射出開始からの時間の
関数として設定されている。すなわち、射出開始時に
は、射出軸操作量としては、ロードセル圧力によるフィ
ードバック制御を重視し、射出が進行するにつれて型内
圧力の影響を加味し、徐々にロードセル圧力よりも型内
圧力によるフィードバック制御を重視する。そして、型
内に樹脂が充填された後には型内圧力のみによるフィー
ドバック制御を行い、その後、金型内の樹脂が固化する
につれて、徐々にロードセル圧力による制御の重みを上
げ、さらに、型内圧力による制御の重みを徐々に下げる
と共にノズル圧による圧力フィードバック制御の重みを
上げて制御するように、ゲインG11,G12,G13
を設定している。
【0040】又、エジェクタ操作量を決めるゲインG2
1,G22,G23については、ロードセル圧力や、ノ
ズル圧力による圧力フィードバック制御を行わず、型内
圧力のみで圧力制御を行うようにし、射出開始からゲイ
ンG22を徐々に上げ検出型内圧力による圧力制御を徐
々に上げ、樹脂の充填が完了した後にはゲインG22を
一定にして圧力制御を行い、金型内の樹脂が固化するに
つれて該ゲインG22を徐々に下げ検出型内圧力による
制御の重みを低下させる。
【0041】このようにして、樹脂への圧力制御を射出
軸操作量とエジェクタ操作量によって圧力フィードバッ
ク制御を行う。
【0042】図7は、この第1の実施形態の制御の処理
フローチャートで、射出軸のサーボモータを駆動制御す
るサーボCPU20が位置・速度ループ処理周期毎に実
行するものである。
【0043】PMC用CPU18からの信号により、射
出保圧中か判断し(ステップa1)、射出保圧中でなけ
れば、後述するフラグFを「0」にセットして通常の位
置、速度ループ処理を行い、トルク指令を求めて電流ル
ープ処理に引き渡し(ステップa10,a11)、当該
位置、速度ループ処理周期の処理を終了する。
【0044】一方、射出保圧工程になると、フラグFが
「1」にセットされているか否か判断し(ステップa
2)、最初は初期設定で「0」にセットされているか
ら、ステップa3に移行して、フラグFを「1」にセッ
トし、指令及びゲインテーブルに記憶されたコマンド行
列X(i)、ゲイン行列G(i)を指定する指標iを
「0」にセットする。次にこの指標iで指定されるコマ
ンド行列X(i)、ゲイン行列G(i)の各要素を指令
及びゲインテーブルから読みだす(ステップa4)と共
に、検出値行列Yの各要素を読み取る(ステップa
5)。すなわちロードセル、型内圧センサ、ノズル圧セ
ンサで検出され圧力モニタCPU17を介してRAM1
2に記憶されているこの時点の検出圧力Y1,Y2,Y
3をそれぞれ読みだす。そして、数11式の処理(コマ
ンド行列X(i)から検出値行列Yを減ずる処理)を行
って偏差行列E(i)を求め、数13式の処理、すなわ
ちゲイン行列G(i)に偏差行列E(i)を乗じて操作
量行列ΔU(i)を求める(ステップa6)。
【0045】こうして求められた操作量行列ΔU(i)
の要素であるエジェクタ操作量ΔU2(i)を、エジェ
クタを駆動制御するサーボモータのサーボ処理に引き渡
し(ステップa7)、射出軸操作量ΔU1(i)を速度
指令として速度ループ処理を行いトルク指令を求めて電
流ループ処理に引き渡し(ステップa8)、射出軸を駆
動制御するサーボモータを駆動することになる。なお、
エジェクタ装置を駆動制御するサーボモータのサーボ制
御処理を行うサーボCPU(このCPUはこの射出軸を
制御するCPUである場合も、他のCPUで行う場合も
ある)は、ステップa7で引き渡されたエジェクタ操作
量を速度指令として、同様に速度ループ処理を行いトル
ク指令を求め、電流ループに引き渡してエジェクタ装置
を駆動するサーボモータを駆動制御することになる。
【0046】そして指標iを「1」インクリメントして
(ステップa9)当該周期の処理を終了する。次の周期
からは、フラグFが「1」にセットされているから、ス
テップa2からステップa4に移行し、前述したステッ
プa4以下の処理を実行することになる。そして、射出
保圧工程が終了するとステップa1からステップa10
に移行してフラグFを「0」にセットし従来と同様の位
置、速度ループ処理を実行しトルク指令を求めることに
なる。
【0047】以上のようにして、射出保圧工程中、金型
内等の樹脂は、スクリュとエジェクタによってその圧力
が制御され、しかも、スクリュに加わる樹脂からの圧
力、ノズル内の樹脂圧力及び型内圧力に基づいて制御さ
れることになるから、射出保圧中の樹脂圧力を最適に制
御することができ、良成形品を得ることができる。
【0048】上記第1の実施形態では、上記圧力のフィ
ードバック制御によって得られた操作量行列ΔU(i)
を位置ループ処理によって得られた速度指令(もしくは
位置ループ処理を行わずに設定された速度指令)の代わ
りに用いたが(図3の例)、図4に示すように、位置ル
ープ処理によって得られた速度指令もしくは設定されて
いる速度指令と操作量行列ΔU(i)の要素と比較して
小さい方(安全性を考慮する必要がなく大きい方が適し
ていれば大きい方)を速度指令として速度ループ処理を
行うようにしてもよい。
【0049】また、樹脂圧を制御するための操作量とし
て、金型温度を追加してもよい。この場合には、数12
式のゲイン行列G(i)に金型温度制御のためのフィー
ドバックゲインG31(i)、G32(i)、G33
(i)が加わり、3行3列のゲイン行列G(i)となる
と共に、数13式に示す操作量行列ΔU(i)には、金
型温度の操作量ΔU3(i)が加わり、3行1列の操作
量行列ΔU(i)となる。
【0050】図8は、上記第1の実施形態を位置ループ
処理によって得られた速度指令Vcmd と圧力フィードバ
ックによって得られた操作量行列ΔU(i)のスクリュ
操作量ΔU1(i)を比較して、小さい方を速度ループ
への速度指令とする制御方法を採用した第1の実施形態
の変形例の処理フローチャートである。
【0051】図7に示す処理フローチャートと同一の処
理のステップは、同一符号で示している。図7に示す処
理フローチャートと相違する点は、ステップa1とa2
の間にステップb1の位置ループ処理を行って速度指令
Vcmd を求めることと、ステップa8の代わりに、ステ
ップb2〜b4の処理が加わった点である。
【0052】射出保圧工程中ではないときは、図7と同
様にフラグFを「0」にセットし通常の処理(ステップ
a10,a11)を行って当該位置・速度ループ処理周
期の処理を終了する。射出保圧工程になると、位置ルー
プ処理を行って速度指令Vcmd を求め(ステップb
1)、図7で説明したステップa2〜a7の処理を行い
操作量行列ΔU(i)を求める。そして、求められた操
作量行列ΔU(i)の要素の射出軸操作量ΔU1(i)
とステップb1で求めた速度指令Vcmd を比較し、速度
指令Vcmd が射出軸操作量ΔU1(i) 以下であれば、こ
の速度指令Vcmd を速度ループへの速度指令とし、速度
指令Vcmd が射出軸操作量ΔU1(i) より大きければ、
射出軸操作量ΔU1(i) を速度ループへの速度指令と
し、速度ループ処理を行いトルク指令を求めて電流ルー
プへ引き渡す(ステップb2〜b4)。そして指標iを
「1」インクリメントして当該周期の処理を終了する。
【0053】なお、ステップa7で操作量行列ΔU
(i)の要素のエジェクタ操作量ΔU2(i)が引き渡
されたエジェクタ装置のサーボ処理では、速度指令が与
えられていれば、このステップb2〜b4と同様の処理
を行うが、エジェクタ装置に対して、位置指令もしくは
速度指令が与えられていない場合には、図7で説明した
ように、このエジェクタ操作量ΔU2(i)を速度指令
として速度ループ処理を行いトルク指令を求めることに
なる。
【0054】図9は、上記第1の実施形態のさらに別の
変形である。この例は、図2に示すように圧力フィード
バック制御により求められた操作量行列ΔU(i)を速
度指令に加算するものである。この場合、ゲイン行列と
して設定される各要素のゲインは、図7の処理で行う場
合と比較し、小さい値が設定されている。図7に示す処
理と比較し、同一の処理は同一ステップ番号を付し、相
違する点は、ステップa1とa2の間にステップc1が
加わったことと、ステップa8の代わりにステップc2
となっている点である。
【0055】射出保圧工程中ではないときは、図7,図
8と同様の処理(通常処理)が行われ、射出保圧工程に
なると、位置ループ処理を行い速度指令Vcmd を求め
(ステップc1)、図7で説明したと同一のステップa
2〜a7の処理を行い操作量行列ΔU(i)を求める。
そして、ステップc1で求めた速度指令Vcmd に操作量
行列ΔU(i)の要素の射出軸操作量ΔU1(i)を加
算して速度ループへの速度指令として速度ループ処理を
行いトルク指令を求め電流ループ処理へ引き渡し射出軸
のサーボモータを駆動制御し、指標iをインクリメント
して当該処理周期の処理を終了する。一方、ステップa
7でエジェクタ操作量ΔU2(i)が引き渡されたエジ
ェクタ制御処理では、速度指令にこのエジェクタ操作量
ΔU2(i)を加算して速度ループへの速度指令として
速度ループ処理を行ってトルク指令を求めて電流ループ
に引き渡しエジェクタ装置を駆動するサーボモータを駆
動制御する。
【0056】なお、図9で示す実施形態では、ステップ
c1で位置ループ処理を行って速度指令Vcmd を求める
ようにしたが、所定の目標圧になるような速度指令波形
(Vcmd 波形)を計算あるいは試行(成形)によって求
め、図5に示すように指令及びゲインテーブルに記憶し
ておき、この記憶された速度指令を読み出すようにして
もよい。この場合には、図9において、ステップc1が
なくなりステップa1からステップa2に移行し、ステ
ップa4において、指標iで指定されるコマンド行列X
(i)、ゲイン行列G(i)の各要素を指令及びゲイン
テーブルから読みだすと同時に、速度指令Vcmd (i)
も読み出すことになり、図9のステップc2の処理では
この読み出した速度指令Vcmd (i)にΔUI(i)を
加算して速度ループ処理を行うことになる。
【0057】次に、樹脂が射出された後、型締力を増大
させ成形品を成形する型盤圧縮制御に本発明を適用した
第2の実施形態について説明する。この第2の実施形態
では、クランプ(型締)装置で駆動される可動金型の位
置(以下クランプ位置という)と、型締力の2つのパラ
メータによってクランプ操作量を制御する。この第2の
実施形態では、コマンド行列Xは型締力指令と、クラン
プ位置指令で構成され、検出値行列Yは、型締力を検出
する型締力センサの出力と型締装置を駆動するサーボモ
ータの回転位置を検出する位置・速度検出器(もしくは
可動側金型の位置を検出する位置・速度検出器)で検出
される検出クランプ位置で構成される。この第2の実施
形態におけるコマンド行列X、検出値行列Y、偏差行列
E、ゲイン行列G、操作量行列ΔUは次の数14〜数1
8式で示すものとなる(この場合も比例フィードバック
制御の例を示す)。
【0058】
【数14】
【0059】
【数15】
【0060】
【数16】
【0061】
【数17】
【0062】
【数18】 そして、この第2の実施形態による型盤圧縮制御は、型
盤圧縮制御開始の最初の領域では位置のフィードバック
制御の重みを大きくし、型締力のフィードバック制御の
重みを徐々に増大させてゆき、その後位置のフィードバ
ック制御の重みを徐々に減少させると共に型締力のフィ
ードバック制御の重みを徐々に増大させ、次に位置のフ
ィードバック制御を行わずに型締力のフィードバック制
御のみ行い、最終領域では、位置のフィードバック制御
の重みを徐々に増大させ、型締力のフィードバック制御
の重みを徐々に減少させ「0」とする制御方法を行う。
この場合のゲイン行列Gの要素G11、G12は図13
に示す時間の関数としてのゲインスケジュールとなる。
【0063】図10は、クランプ装置を駆動するサーボ
モータのサーボ制御処理を行うサーボCPUが実行する
位置、速度ループ処理周期毎の処理フローチャートであ
る。
【0064】まず、型閉じ、型締期間を表すフラグF1
が「1」にセットされているか否か判断し(ステップd
1)、最初は、初期設定で「0」がセットされており、
ステップd1からステップd12に移行してPMC用C
PU18から型閉じ工程を示す信号が出力されているか
判断し、型閉じ工程でなければ、通常の処理、すなわ
ち、通常の位置・速度ループ処理を実行し(ステップd
15)、当該周期の処理を終了する。
【0065】一方、ステップd12で型閉じ工程に入っ
たことが検出されると、フラグF1を「1」にセットし
(ステップd13)、通常の処理を行い当該周期の処理
を終了する。次の周期からは、フラグFが「1」にセッ
トされているから、ステップd1からステップd2に移
行し、型タッチ位置まで移動したか判断し、移動してい
なければ、ステップd15に移行し通常の処理を行う。
すなわち、金型がタッチするまでは、通常の位置・速度
ループ処理を実行する。
【0066】そして、ステップd2で金型がタッチした
ことが検出されると、フラグF2が「1」にセットされ
ているか判断し(ステップd3)、最初は「0」にセッ
トされているから、ステップd4へ移行して該フラグF
2を「1」にセットし、指令及びゲインテーブルから指
令及びゲインを呼び出すアドレスを示す指標iを「0」
にセットし(ステップd5)、該指標iで示されるアド
レスからコマンド行列X(i)の各要素の型締力指令
値、クランプ位置指令値を読む(ステップd6)。さら
に、位置・速度検出器で検出されるクランプ位置と、型
締力センサで検出されRAM12に記憶されているこの
時点の型締力を圧力モニタ用CPU17を介して読み取
る。すなわち、検出値行列Yを読み取る(ステップd
7)。
【0067】次に、数16式、数18式の演算を行って
操作量行列ΔU(i)を求める(ステップd8)。こう
して求められた操作量行列ΔU(i)のクランプ操作量
を速度指令として、速度ループ処理を行いトルク指令を
求め電流ループへ引き渡し(ステップd9)、指標iを
「1」インクリメントして当該周期の処理を終了する。
【0068】次の周期からは、フラグF1,F2が
「1」にセットされ、型タッチ位置を越えているから、
ステップd1〜d3からステップd11に移行し、冷却
工程中か判断し、冷却工程に入っていなければ、ステッ
プd6以下の前述した処理を実行する。以下、ステップ
d1〜d3、d11、d6〜d10の処理が、位置・速
度ループ処理周期毎実行される。
【0069】上述したように、ゲイン行列G(i)の型
締力のフィードバックゲインG11(i)は、最初は小
さく、徐々に増大するものであり、且つ位置のフィード
バックゲインG12(i)は最初は大きい値であるか
ら、型タッチ後の最初の区間(型盤圧縮の最初の区間)
では、位置フィードバック制御の重みが大きい制御がな
され、徐々に位置フードバック制御の重みが小さくな
り、型締力のフィードバック制御が増大する。そして、
位置のフィードバックゲインG12(i)が「0」とな
った区間では、型締力のフィードバック制御のみが実行
されることになる。その後、位置のフィードバックゲイ
ンG12(i)が徐々に増大し、型締力のフィードバッ
クゲインG11(i)は徐々に減少し「0」となるか
ら、型締期間の最後の区間領域では位置のフィードバッ
ク制御が重視して行われることになる。
【0070】型盤圧縮制御が終了し、冷却工程に入りス
テップd11で、PMC用CPUからの信号によって冷
却工程に入ったことが検出されるとステップd11から
ステップd14に移行し、フラグF1,F2を「0」に
セットし、通常の処理、すなわち、通常の位置・速度ル
ープ処理を行いトルク指令を求めて電流ループに引き渡
して、型締装置のサーボモータを駆動制御して型締装置
の位置速度制御がなされることになる。以下、次の型閉
じ工程に入るまで、ステップd1、d12、d15の処
理が位置・速度処理周期毎実行されることになる。
【0071】次に本発明の第3の実施形態として、射出
保圧工程時における樹脂圧制御をロードセルで検出され
る樹脂からスクリュに加わる圧力と、型内圧センサで検
出される型内圧力によって圧力フィードバックを切り替
えて制御する実施形態を説明する。
【0072】この場合、コマンド行列Xとしては、型内
圧力指令とスクリュに与える射出圧指令で構成され、検
出値行列Yは型内圧センサで検出される型内圧力とロー
ドセルで検出されるロードセル圧力で構成され、ゲイン
行列Gは、型内圧力のフィードバックゲインに対応する
GCと、スクリュによる射出圧力のフィードバックゲイ
ンに対応するGLで構成され、操作量行列ΔUは射出軸
操作量としており、この実施形態では、この射出軸操作
量ΔUを射出軸(スクリュ)を駆動するサーボモータの
サーボ回路における速度指令とするようにしている。こ
の場合のコマンド行列X、検出値行列Y、偏差行列E、
ゲイン行列G、操作量行列ΔUは次の数19〜数23式
のようになる(この場合も比例フィードバック制御の例
を示す)。
【0073】
【数19】
【0074】
【数20】
【0075】
【数21】
【0076】
【数22】
【0077】
【数23】 又、ゲイン行列の各要素GC,GLは、検出型内圧力の
大きさによって圧力制御を切換えるものであるから、図
14に示すように、射出開始から金型内に樹脂がほぼ充
填されるまでは、ロードセルで検出された樹脂圧による
射出圧のフィードバック制御を行うようにゲインGLを
所定の値とし、型内センサで検出される型内圧力による
フィードバック制御は行わないものとしこの間のゲイン
GCを「0」にセットし、金型内に樹脂がほぼ充填され
てから所定時間は、ゲインGCを所定の値、ゲインGL
を「0」とし、所定時間を経過すると、ゲインGC=
0、ゲインGL=所定値としている。
【0078】図11は、射出軸を駆動するサーボモータ
のサーボ制御を実行するサーボCPUが位置・速度ルー
プ処理周期毎実行する処理のフローチャートである。ま
ず、射出保圧工程中か否か判断し(ステップe1)、射
出保圧工程中でなければ、フラグF1,F2,F3を
「0」にセットすると共にカウンタEを「0」にセット
し、通常の位置・速度ループ処理を行いトルク指令を求
め電流ループに引き渡し(ステップe18,e19)、
当該処理周期の処理を終了する。以下射出保圧工程中で
なければこの処理を各周期毎実行する。
【0079】一方、射出保圧工程中になると、フラグF
1が「1」か判断し(ステップe2)、最初は初期設定
で「0」にセットされているから、ステップe3に移行
してフラグF1を1にセットし、指標iを「0」にセッ
トし、スクリュによる射出圧力のフィードバックゲイン
に対応するGLを設定所定値に、型内圧力のフィードバ
ックゲインに対応するGCを「0」にセットする。次
に、スクリュ現在位置A(スクリュ位置は、加熱シリン
ダの最先端が原点「0」とする座標系が設定され、最初
はスクリュが後退した計量点位置を示している)を読み
レジスタCに格納し、型内圧力センサから検出される型
内圧Y1(最初は「0」が検出される)を読みレジスタ
Dに格納する(ステップe4)。
【0080】次に、テーブルの指標iで示されるアドレ
ス位置に設定されている型内圧力指令値X1(i)、射
出圧指令値X2(i)を読むと共に樹脂からスクリュに
加わる圧力であるロードセル圧Y2を読む。なお、この
実施形態では、ゲインGC、GLを後述するように、検
出された型内圧力Y1によって切り替えるようにしてい
るから、指令及びゲインテーブルにはこれらゲインG
C、GLの値は設定されておらず、型内圧力指令値X1
(i)、射出圧指令値X2(i)が時間の関数として記
憶されている(指標iに基づいて記憶されている)。
【0081】続いて、読み込んだ型内圧Y1と予めゲイ
ン切換えのために設定されている圧力Hとを比較し、検
出型内圧Y1が設定値Hを越えているか判断する(ステ
ップe6)。最初は、検出型内圧Y1は小さな値である
から、ステップe6の判断は偽となりステップe9に進
み、フラグF3が「1」にセットされているか判断する
が、該フラグF3は最初は「0」にセットされているか
ら、ステップe10に進み、読み取った現時点のスクリ
ュ位置AがレジスタCに記憶する値より小さいか、すな
わち、スクリュが前進しているかを判断し、且つ検出し
た型内圧Y1がレジスタDに記憶する圧力より小さいか
を判断する。最初は、ステップe4で、レジスタに現時
点のスクリュ位置Aを格納し、レジスタDに現時点の検
出型内圧Y1を格納しているから、C=A、D=Y1で
あり、ステップe10の判断は偽となるからステップe
12に進み、カウンタEの値が型内圧力によりフィード
バック制御する期間として設定されている値E0 を越え
ているか判断するが、該カウンタEは初期設定で「0」
にセットされているから、偽となり、ステップe14に
進み、ステップe3で設定されたゲインGC,GLとス
テップe5で読み込んだ型内圧力指令X1(i) 、射出圧
指令X2(i) 、及びステップe4,e5で読み取ったこ
の時点における型内圧Y1、ロードセル圧Y2によって
数21、数23の演算を行い射出軸操作量ΔU(i) を求
める。
【0082】こうして求められた射出軸操作量ΔU(i)
を速度指令として、速度ループ処理を行いトルク指令を
求め電流ループに引き渡し(ステップe15)、レジス
タCに読み取ったスクリュ位置Aを格納し、レジスタD
に検出した型内圧Y1を格納すると共に指標iを「1」
インクリメントして当該射出軸の位置、速度ループ処理
周期の処理を終了する。
【0083】次の周期からは、フラグF1が「1」にセ
ットされているから、ステップe1,e2と処理しステ
ップe17に進む。ステップe17ではスクリュ位置A
と型内圧Y1を読みステップe5以下の処理を行う。射
出工程の前半部分では、金型内に樹脂が充填されておら
ず、型内圧Y1は設定値Hを越えることはないのでステ
ップe6では、偽となりステップe9に進み、フラグF
3は「0」であるから、ステップe10に進み、射出工
程の前半部分では、スクリュが前進して、レジスタCに
記憶する前周期で検出したスクリュ位置より当該周期で
検出したスクリュ位置Aの方が小さな値になっていて
も、当該周期で検出した型内圧Y1が前周期で検出しレ
ジスタDに記憶する型内圧よりも小さくなることはない
ので、ステップe10は偽となりステップe12に進
む。カウンタEはカウントアップされておらず「0」の
ままであるからステップe12は偽となり、ステップe
14以下の処理を実行することになる。すなわちゲイン
行列Gは変更されず(ステップe3で設定されたGC=
0、GL=所定値)、射出軸操作量ΔU(i) が求められ
速度ループ処理が行われることになる。
【0084】次の周期からは、各周期毎ステップe1、
e2、e17、e5、e6、e9、e10、e12、e
14〜e16の処理がなされ、ゲインGLが所定値でゲ
インGCが「0」であることから、射出圧指令X2(i)
とロードセルで検出されるロードセル圧Y2により射出
軸操作量ΔU(i) が求められ樹脂からスクリュに加わる
圧力による圧力フィードバック制御がなされることにな
る。そして、射出が進み、金型内に樹脂が充填され、ス
テップe6で検出される型内圧Y1が設定された圧力H
を越えると、ステップe6からステップe7に進み、フ
ラグF2が「1」にセットされているか否か判断し、最
初は該フラグF2は「0」にセットされているから、ス
テップe8に進んで、フラグF2を「1」にセットする
と共に、ゲインGLを「0」、ゲインGCを「所定値」
に設定する。
【0085】そして、フラグF3はまだ「1」にセット
されていないから、ステップe9からステップe10に
移行するが、スクリュが前進し金型内に樹脂の充填が進
むにつれて、検出型内圧Y1は増大するから、ステップ
e10の判断は偽となり、ステップe12、ステップe
14と進む。ステップe14では、ステップe8でゲイ
ンGL=0、ゲインGC=所定値にセットされているか
ら、数23式の演算で求められる射出軸操作量ΔU(i)
は型内圧力指令X1(i) と検出型内圧Y1により求めら
れることになる。そして、前述したステップe15、e
16の処理をして当該周期の処理を終了する。すなわ
ち、型内圧力による圧力フィードバック制御がなされる
ことになる。
【0086】次の周期からは、フラグF1,F2が
「1」にセットされていることから、ステップe1、e
2、e17、e5、e6、e7、e9、e10と処理
し、スクリュが前進し、検出型内圧Y1が前周期で検出
しレジスタDに記憶する圧力より小さくならない限り、
ステップe12、e14〜e16の処理を行う。
【0087】上記処理を各処理周期毎行っている間に、
型内の樹脂の固化が進み、スクリュは前進しているが、
検出型内圧Y1が前周期よりも小さくなり、ステップe
10でC>Aで且つD>Y1となったことが検出される
と、カウンタEを「1」インクリメントし(ステップe
11)、ステップe12に移行する。そして、該カウン
タEの値が設定値E0 を越えない限り、ステップe12
からステップe14に進み、ステップe14〜e16の
処理を行う。すなわち、型内圧力によるフィードバック
制御がなされる。
【0088】次の周期からは、ステップe1、e2、e
17、e5、e6、e7、e9〜e12、e14〜e1
6の処理が各周期毎実行され、ステップe12で、カウ
ンタEの値が設定値E0 を越えると、ステップe13に
移行してフラグF3を「1」にセットし、ゲインGLを
設定所定値、ゲインGCを「0」にセットし、ステップ
e14以下の処理を行う。すなわち、ロードセルで検出
される射出圧による圧力フィードバック制御がなされ
る。そして、フラグF3が「1」にセットされているか
ら、ステップe9からe14に移行するようになり、射
出保圧工程が終了するまで、ステップe1、e2、e1
7、e5〜e7、e9、e14〜e16の処理がなされ
スクリュに加わる圧力による圧力フィードバック制御が
なされることになる。
【0089】そして、射出保圧工程が終了すると、ステ
ップe1からステップe18に進み、前述したフラグF
1,F2,F3を「0」、カウンタEを「0」にセット
し通常の処理を行うことになる(ステップe19)。
【0090】なお、上記第3の実施形態では、ステップ
e10でスクリュが前進していることをも判断条件とし
たが、この条件を取り、単に検出型内圧Y1が減少した
こと(D>Y1)のみを判断し、ステップe11に移行
しカウンタEをカウントアップするか否かを判断しても
よい。又、この第3の実施形態では、ステップe14で
求めた射出軸操作量ΔUを指令速度とし、速度ループ処
理してトルク指令を求めるようにしたが、この求めた射
出軸操作量ΔUをトルク指令として、速度ループ処理を
行わずに、そのまま電流ループに引き渡すようにしても
よい。この場合はゲイン行列Gの要素GL、GCの値
は、射出軸操作量ΔUを指令速度とするときと比べ、異
なる値となる。
【0091】また、速度指令Vcmd を指令及びゲインテ
ーブルに記憶しておき、この記憶された速度指令Vcmd
もステップe5で読みだし、ステップe15では、この
読み出した速度指令Vcmd にステップe14で求めた射
出軸操作量ΔUを加算して、速度ループへの速度指令と
してもよい。すなわち図2の処理を行ってもよい。
【0092】上述した各実施形態では、コマンド行列X
さらにはゲイン行列Gの各要素を時間の関数として設定
したが(第3の実施形態では、ゲイン行列Gは一部時間
の関数ではない)、時間の関数ではなくスクリュ位置の
関数として設定してもよい。この場合、スクリュ位置に
対するコマンド行列X、ゲイン行列Yを設定記憶させて
おき、位置、速度ループ処理周期毎にスクリュ位置を読
み込み、読み込んだスクリュ位置に応じて指令及びゲイ
ンテーブルに記憶するコマンド行列X、ゲイン行列Yを
読みだすようにすればよい。
【0093】又、上記各実施形態では、本発明をモータ
で駆動される射出成形機に適用したが、油圧式の射出成
形機に適用できることはもちろんである。
【0094】
【発明の効果】本発明は、制御対象の制御量を複数のセ
ンサで検出し、さらに検出される制御量に対する指令で
フィードバック制御し、制御対象を複数の制御量によっ
て制御するようにしたから、より精密で適確な制御を行
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の作用原理を説明する説明図である。
【図2】本発明における操作量の適用の仕方の第1の例
の説明図である。
【図3】本発明における操作量の適用の仕方の第2の例
の説明図である。
【図4】本発明における操作量の適用の仕方の第3の例
の説明図である。
【図5】指令及びゲインテーブルの一例を示す図であ
る。
【図6】本発明を実施する射出成形機の制御装置の一実
施形態を示す要部ブロック図である。
【図7】本発明の第1の実施形態を実施するフローチャ
ートである。
【図8】本発明の第1の実施形態の別の例を実施するフ
ローチャートである。
【図9】本発明の第1の実施形態のさらに別の例を実施
するフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施形態を実施するフローチ
ャートである。
【図11】本発明の第3の実施形態を実施するフローチ
ャートである。
【図12】本発明の第1の実施形態におけるゲインスケ
ジュールの例である。
【図13】本発明の第2の実施形態におけるゲインスケ
ジュールの例である。
【図14】本発明の第3の実施形態におけるゲインスケ
ジュールの例である。
【符号の説明】
1 射出成形機の制御対象 M1,M2,M3,M4 サーボモータ S1,S2…SN センサ X コマンド行列 Y 検出値行列 G ゲイン行列 E 偏差行列 ΔU 操作量

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御対象の各制御量を検出する複数のセ
    ンサを設け、各センサで検出される制御量に対する指令
    で構成されるコマンド行列と、各制御量に対応するフィ
    ードバックゲインで構成されるゲイン行列を与え、上記
    コマンド行列、上記複数のセンサから得られる検出値で
    構成する検出値行列及び上記ゲイン行列により、操作を
    行う1以上の要素の操作量で構成される操作量行列を求
    め、操作を行う要素に対して求めた操作量により上記制
    御対象を制御する射出成形機の制御方法。
  2. 【請求項2】 制御対象の各制御量を検出する複数のセ
    ンサを設け、各センサで検出される制御量に対する指令
    で構成されるコマンド行列と、各制御量に対応するフィ
    ードバックゲインで構成されるゲイン行列を与え、上記
    コマンド行列から上記複数のセンサから得られる検出値
    で構成する検出値行列を減じて偏差行列を求め、該偏差
    行列に上記ゲイン行列を乗じて操作を行う1以上の要素
    の操作量で構成される操作量行列を求め、操作を行う要
    素に対して求めた操作量により上記制御対象を制御する
    射出成形機の制御方法。
  3. 【請求項3】 制御対象の1つの制御量を検出するセン
    サを設け、該センサで検出される制御量に対する指令
    と、上記制御量に対して操作を行う2以上の要素の操作
    量を求めるためのフィードバックゲインで構成されるゲ
    イン行列を与え、上記指令、上記センサから得られる検
    出値及び上記ゲイン行列により、操作を行う2以上の要
    素の操作量で構成される操作量行列を求め、操作を行う
    要素に対して求めた操作量により上記制御対象を制御す
    る射出成形機の制御方法。
  4. 【請求項4】 制御対象の1つの制御量を検出するセン
    サを設け、該センサで検出される制御量に対する指令
    と、上記制御量に対して操作を行う2以上の要素の操作
    量を求めるためのフィードバックゲインで構成されるゲ
    イン行列を与え、上記指令から上記センサから得られる
    検出値を減じて偏差を求め、該偏差に上記ゲイン行列を
    乗じて操作を行う2以上の要素の操作量で構成される操
    作量行列を求め、操作を行う要素に対して求めた操作量
    により上記制御対象を制御する射出成形機の制御方法。
  5. 【請求項5】 上記求められた操作量行列の各要素の操
    作量を、各要素に対応する制御対象に対して作用する可
    動部材の位置指令、速度指令、力指令のいずれか1つの
    代わりに用いる請求項1乃至4記載の内1項記載の射出
    成形機の制御方法。
  6. 【請求項6】 上記求められた操作量行列の各要素の操
    作量を、各要素に対応する制御対象に対して作用する可
    動部材の位置指令、速度指令、力指令のいずれか1つに
    対する補正量とする請求項1乃至4記載の内1項記載の
    射出成形機の制御方法。
  7. 【請求項7】 各要素に対応する制御対象に対して作用
    する可動部材の位置指令、速度指令、力指令のいずれか
    1つを選択して上記求められた操作量行列の各要素の操
    作量と比較し、小さい方を選択した指令とする請求項1
    乃至4記載の内1項記載の射出成形機の制御方法。
  8. 【請求項8】 上記コマンド行列または指令及びゲイン
    行列の各要素は、時間の関数もしくは制御対象に対して
    作用する可動部材の位置の関数とした請求項1乃至7記
    載の内1項記載の射出成形機の制御方法。
  9. 【請求項9】 上記ゲイン行列は、比例制御の比例ゲイ
    ン行列、積分制御の積分ゲイン行列及び微分制御の微分
    ゲイン行列の1以上で構成されている請求項1乃至8記
    載の内1項記載の射出成形機の制御方法。
  10. 【請求項10】 制御対象の各制御量を検出する複数の
    センサと、各センサで検出される制御量に対する指令で
    構成されるコマンド行列と各制御量に対応するフィード
    バックゲインで構成されるゲイン行列とを記憶する記憶
    手段と、該記憶手段に記憶されている上記コマンド行列
    及び上記ゲイン行列と上記複数のセンサから得られる検
    出値で構成する検出値行列によって操作を行う1以上の
    要素の操作量で構成される操作量行列を求める手段とを
    備え、操作を行う要素に対して求めた操作量により上記
    制御対象を制御する射出成形機の制御装置。
  11. 【請求項11】 制御対象の各制御量を検出する複数の
    センサと、各センサで検出される制御量に対する指令で
    構成されるコマンド行列と各制御量に対応するフィード
    バックゲインで構成されるゲイン行列とを記憶する記憶
    手段と、コマンド行列から上記複数のセンサから得られ
    る検出値で構成する検出値行列を減じて偏差行列を求
    め、該偏差行列に上記ゲイン行列を乗じて1以上の要素
    の操作量で構成される操作量行列を求める手段とを備
    え、操作を行う要素に対して求めた操作量により上記制
    御対象を制御する射出成形機の制御装置。
  12. 【請求項12】 制御対象の1つの制御量を検出するセ
    ンサと、該センサで検出される制御量に対する指令と上
    記制御量に対して操作を行う2以上の要素の操作量を求
    めるためのフィードバックゲインで構成されるゲイン行
    列とを記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶されてい
    る上記指令及び上記ゲイン行列と上記センサから得られ
    る検出値によって操作を行う2以上の要素の操作量で構
    成される操作量行列を求める手段とを備え、操作を行う
    要素に対して求めた操作量により上記制御対象を制御す
    る射出成形機の制御装置。
  13. 【請求項13】 制御対象の1つの制御量を検出するセ
    ンサと、該センサで検出される制御量に対する指令と上
    記制御量に対して操作を行う2以上の要素の操作量を求
    めるためのフィードバックゲインで構成されるゲイン行
    列とを記憶する記憶手段と、上記指令から上記センサか
    ら得られる検出値を減じて偏差を求め、該偏差に上記ゲ
    イン行列を乗じて2以上の要素の操作量で構成される操
    作量行列を求める手段とを備え、操作を行う要素に対し
    て求めた操作量により上記制御対象を制御する射出成形
    機の制御装置。
  14. 【請求項14】 上記求められた操作量行列の各要素の
    操作量を、各要素に対応する制御対象に対して作用する
    可動部材の位置指令、速度指令、力指令のいずれか1つ
    の代わりに用いる選択手段を備える請求項10乃至13
    記載の内1項記載の射出成形機の制御装置。
  15. 【請求項15】 上記求められた操作量行列の各要素の
    操作量を、各要素に対応する制御対象に対して作用する
    可動部材の位置指令、速度指令、力指令のいずれか1つ
    に対する補正量として加算する手段を備える請求項10
    乃至13記載の内1項記載の射出成形機の制御装置。
  16. 【請求項16】 各要素に対応する制御対象に対して作
    用する可動部材の位置指令、速度指令、力指令のいずれ
    か1つと上記求められた操作量行列の各要素の操作量と
    を選択し比較し、小さい方を選択した指令とする比較手
    段とを備える請求項10乃至13記載の内1項記載の射
    出成形機の制御装置。
  17. 【請求項17】 上記記憶手段には指令またはコマンド
    行列及びゲイン行列の各要素が時間の関数もしくは制御
    対象に対して作用する可動部材の位置の関数として記憶
    されている請求項10乃至16記載の内1項記載の射出
    成形機の制御装置。
  18. 【請求項18】 上記ゲイン行列は、比例制御の比例ゲ
    イン行列、積分制御の積分ゲイン行列及び微分制御の微
    分ゲイン行列の1以上で構成されている請求項10乃至
    17記載の内1項記載の射出成形機の制御装置。
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