JPH11169181A - 遺伝子工学的手法による酵母様真菌の同定方法 - Google Patents

遺伝子工学的手法による酵母様真菌の同定方法

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JPH11169181A
JPH11169181A JP9354044A JP35404497A JPH11169181A JP H11169181 A JPH11169181 A JP H11169181A JP 9354044 A JP9354044 A JP 9354044A JP 35404497 A JP35404497 A JP 35404497A JP H11169181 A JPH11169181 A JP H11169181A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便で、誤差も少なく、短時間に実施でき、
しかも試験方法が統一された酵母様真菌の分離、同定法
を開発すること。 【解決手段】 被検菌より抽出したゲノムDNAを鋳型
とし、配列表の配列番号1に記載のオリゴヌクレオチド
および配列表の配列番号2に記載のオリゴヌクレオチド
の組み合わせ、または配列表の配列番号3に記載のオリ
ゴヌクレオチドおよび配列表の配列番号4に記載のオリ
ゴヌクレオチドの組み合わせからなる1対のオリゴヌク
レオチドをプライマーとして用いたポリメラーゼ連鎖反
応法により酵母の18S−リボソームRNAをコードす
る遺伝子の中腹領域のDNAの増幅を行い、得られた増
幅産物の塩基配列を常法により決定し、該配列を既知の
DNA塩基配列と比較し、被検菌が最も高い相同性を有
する酵母様真菌種として同定することを特徴とする酵母
様真菌の同定方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は酵母様真菌の同定方
法に関し、詳しくは酵母様真菌の18S−リボソームR
NA(以下、18S−rRNAと略すことがある。)を
コードする遺伝子の中腹流域に特異的な塩基配列および
それを用いて特定の酵母様真菌を迅速、かつ正確に同定
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】酵母様真菌は通常、腐生菌として自然
界、特に土壌中、水中、空中、植物などに広く生息して
いる。中でもサッカロミセス・セレビシェ(Saccharomyc
es cerevisiae)は、ビール酵母、酒酵母、ワイン酵
母、パン酵母などの名で呼ばれることからも明らかなよ
うに、古くから醸造や食品製造に大いに利用されてき
た。一方、一部の酵母様真菌は人やその他の動物の消化
管、上気道、体表面などに生息する。Human-associated
yeasts と呼ばれる寄生性の酵母様真菌種は近年増加す
る傾向にあり、現在30菌種が人から分離されている。
酵母全体の種の中では非常に少数ではあるが、これらの
中には人間に疾患等を引き起こす原因菌(例えばカンジ
ダ属、クリプトコッカス属、トリコスポロン属など)も
存在し、該原因菌による疾患等の予防や治療に関する研
究は現在でも精力的に行われている。このような背景の
もとで、酵母様真菌がいかなる種類に属しているかを同
定することは、疾患や食品の変敗等の原因究明あるいは
伝搬経路の解明などに大きく寄与するものである。
【0003】酵母様真菌の分類学的位置は多様であり、
菌種は接合菌を除く全ての真菌分類群、すなわち担子
菌、子嚢菌、不完全菌にまたがって広く分布する。これ
ら3つの分類群に帰属する酵母様真菌種は子嚢菌酵母、
担子菌酵母および不完全菌酵母と呼ばれる。これら酵母
様真菌は古くから肉眼または顕微鏡で形態を観察するこ
とや染色、培養所見が最も重要な項目で、この相違によ
って大別されている。さらに、生理・生化学的性質の違
いにより詳細な分類が行われている。そのため、形態重
視で分類されている真菌の分類には経験以外に頼れるす
べが見出されず、また前述したとおり、酵母様真菌は各
門に多岐に分類されており、これが酵母様真菌を含めて
真菌全体の同定を難しくしているポイントである。近
年、古典的な分類基準に加えて、機器分析の技術向上に
伴いユビキノン型、アイソザイムパターン、抗原パター
ン、DNA塩基組成、DNA−DNA相同性などが新し
い分類基準として取り入れられた結果、より系統的な分
類体系を作ることが可能となった。さらに、分子生物学
の急速な進歩により、酵母様真菌の遺伝子を用いた分析
は発展し、多くのデータが蓄積されつつある。
【0004】一般的には、食品分野において酵母様真菌
を同定する場合、Medical important Fungi, a Guide t
o IdentificationやYEASTSなどのマニュアルに従って被
検酵母様菌となる酵母様真菌の形態観察および生理・生
化学的性質によって分類される。しかしながら、形態、
炭素源利用能、糖発酵能などに関与する仔細な相違に基
づく場合がしばしばあり、またこれらの作業は非常に煩
雑で判定に熟練と技量を要し、かつ日数も多くかかるた
め、迅速に結果が要求される場合には不向きである。そ
のため、最近では簡易キットも発売され、汎用化されて
いるものの、同定可能な菌種の範囲が狭く、かつ人為的
または菌株による誤差が多い等の問題があり、広範囲な
細菌の同定に応用するには多くの課題が残されている。
また、菌体構成成分の化学分類的手法も報告されている
が、菌種間の相違が顕著でないため、これらは補足また
は追加的なデータにとどまり、酵母様真菌の同定に大き
く貢献するには至っていないのが現状である。
【0005】一方、近年の遺伝子工学技術の急速な進歩
に伴い、酵母様真菌の同定においても遺伝子解析などの
技術が、上記した従来の手法に付加されるようになって
きた。例えば、カンジダ・アルビカンス(Candida albi
cans)のnestedPCR法による遺伝子診断(感染症学雑
誌、68巻、12号:1465項−1471項(199
4))、クリプトコッカス・ネオホルマンス(Cryptoco
ccus neoformans) のポリメラーゼ連鎖反応法(PCR
法)による遺伝子診断(J. Clin. Microbiol.、34巻、2
826-2828 項(1996) 、トリコスポロン・クタネウム(T
richosporoncutaneum) のPCR法による遺伝子診断
(化学療法の領域、12巻、1442-1448 項(1996))など
医真菌分野ではこのように遺伝子工学的手法を利用した
同定法が報告されている。また、ハイブリダイゼーショ
ン法によって酵母様真菌を同定する方法も提案されてい
る(特開平8−89254号公報)が、同定できる菌種
が限られている。
【0006】このように、微生物の分類や同定の分野へ
の遺伝子工学の導入は、真菌だけでなく、細菌類など普
遍的に行われるようになってきた。しかし、上記の方法
は菌種によっては特定のプライマーやプローブなどを必
要とするため、極めて限られた範囲の酵母様真菌にしか
有効でなく、ある程度の範囲に被検菌を絞り込むまで
は、従来から行われている形態や生理・生化学的手法に
頼らざるを得ないのが現状である。
【0007】一方、情報網の発達により、既に解析され
ている遺伝子情報は容易に入手することができ、これを
利用して未知の遺伝子の検索を行ったり、生物間での遺
伝子の相同性を検討する等に利用することができる。こ
のうち、酵母様真菌の遺伝子に関して最も多く解析・登
録されているものの1つがrRNAをコードしている遺
伝子である。リボソームは、ウイルスなどを除く全ての
生物に存在しており、真菌の場合は3種類のRNAとタ
ンパク質からなり、菌種間で微妙な違いはあるもののそ
の大きさはほとんど共通している。
【0008】リボソームは、8S−および26S−rR
NAと21種のタンパク質からなる大きなサブユニット
と18S−rRNAと31種のタンパク質からなる小さ
なサブユニットから構成されており、28S−rRNA
は約2900塩基、18S−rRNAは約1800塩
基、8S−rRNAは約120塩基でそれぞれ構成され
ている。これらの塩基配列は、酵母様真菌の種類によっ
て相違が見られるため、これらの情報は酵母様真菌の分
類に大きく貢献することになり、それぞれの塩基配列に
基づく系統分類が行われている。中でも、最も情報量が
多く存在し、普遍的に活用されているのが18S−rR
NAである。これまでは、酵母様真菌同定の最終項目と
して該18S−rRNA遺伝子の全塩基配列を決定し、
それまでに得られた形態、生理・生化学的性状やその他
の化学分析とを併せて酵母様真菌を同定するのが、酵母
様真菌同定の流れとして受入れられている。しかしなが
ら、18S−rRNAをコードする遺伝子の塩基配列か
ら酵母様真菌を同定しようとする試みは、塩基配列を容
易に決められなかったり、データベースの不足等の理由
から、まだ十分には浸透していない。さらに、18S−
rRNA遺伝子の一部の塩基配列を用いた酵母様真菌の
系統分類に関しては皆無である。
【0009】遺伝子の塩基配列の決定に際しては、従来
Maxam-Gilbert 法が行われていたが、現在ではヌクレオ
チドアナログとDNAポリメラーゼとを用いたダイデオ
キシ(dideoxy) 法、蛍光ラベルしたプライマーまたはダ
イデオキシヌクレオチドを用いた塩基配列決定法、自動
DNAシーケンサーを用いる方法などが挙げられる。こ
れらの方法は、解析時間の短縮や再現性の向上などにつ
いても改善がなされており、容易、かつ短時間で目的と
する塩基配列を決定することが可能である。しかし、こ
れらの方法の中には、放射性同位元素を利用しているた
めに特殊な施設や試薬、さらには技量が要求されたり、
解析のためには高価な機器が必要であるものもある。こ
のため、専門機関を除いては、依然として酵母様真菌の
分類・同定は煩雑で時間がかかる形態や生理・生化学的
手法からのアプローチが中心となっている。加えて、こ
れまでに開発されたいずれの遺伝子工学的な手法によっ
ても、被検菌となる菌株がどの属に属する酵母様真菌で
あるかといった情報を、形態観察および生理・生化学的
手法により得ていなければ有効に活用することができな
いといった問題を抱えている。さらに、現在行われてい
る18S−rRNA遺伝子の塩基配列をもとに酵母様真
菌を同定する方法は、該塩基配列のほぼ全領域を系統分
類の対象としているために、複数回のシークエンス解析
が必要であり、経費や時間などの面で従来の形態観察お
よび生理・生化学的手法に取って代わるには至っていな
い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そのため、簡便で、誤
差も少なく、短時間に実施でき、しかも試験方法が統一
された酵母様真菌の分離、同定法の開発が望まれてい
た。そこで本発明者らは、迅速、簡便、かつ確実に酵母
様真菌を同定するために、最もデータ量の豊富な18S
−rRNA遺伝子に着目し、その塩基配列の相同性に基
づく酵母様真菌の同定アプローチを試みた。すなわち、
1回のシークエンス解析で決定できる配列数(約300
塩基程度)であること、決定した配列が属間および種間
において変化に富んでいることを基本条件とし、前記し
た酵母様真菌に共通なプライマー領域の検索を行ったと
ころ、1対のプライマー配列がこれらの条件を満たして
いることを見出した。そこで、この配列に相補的なDN
A断片を合成して、これら酵母様真菌に対するプライマ
ーとしての評価を行うため、特定の酵母様真菌のゲノム
DNAを鋳型としてPCR法を行ったところ、約300
塩基からなるDNA断片が増幅されていることが電気泳
動法によって確認された。これらの増幅したDNAの塩
基配列を決定し、コンピュータによる相同性解析または
インターネットによる相同性検索を行ったところ、該配
列は鋳型として用いた酵母様真菌の同じ領域の塩基配列
と最も高い相同性で一致した。本発明は、かかる知見に
基づいて完成されたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、被検菌より抽出したゲノムDNAを鋳型とし、配列
表の配列番号1および配列番号2に記載のオリゴヌクレ
オチドまたは配列表の配列番号3および配列番号4に記
載のオリゴヌクレオチドの組み合わせからなる1対のオ
リゴヌクレオチドをプライマーとして用いたポリメラー
ゼ連鎖反応法により酵母様真菌の18S−リボソームR
NAをコードする遺伝子の中腹領域のDNAの増幅を行
い、得られた増幅産物の塩基配列を常法により決定し、
該配列を既知のDNA塩基配列と比較し、被検菌が最も
高い相同性を有する酵母様真菌種として同定することを
特徴とする酵母様真菌の同定方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳しく説明す
る。本発明の方法により被検菌の同定対象とされる酵母
様真菌は、既に18S−rRNA遺伝子の塩基配列が解
析され、データベース等に登録されているものである。
このような酵母様真菌の具体例としては、第1表に示し
た酵母様真菌などが挙げられる。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】
【表3】
【0016】
【表4】
【0017】ところで、18S−rRNAをコードする
遺伝子は酵母様真菌の科間または属間では相違が多いけ
れども、種間では比較的よく保存されていることが知ら
れており、このような塩基配列の相同または相違により
酵母様真菌は系統分類されている。しかし、従来は18
S−rRNAのほぼ全領域(約1.7kbp)のみを系
統分類の対象として利用しており、該遺伝子の部分領域
により酵母様真菌を系統分類する試みは殆ど行われてい
ない。酵母様真菌全種に共通となるプライマーとしての
条件を満たす領域は見出すことができないが、本発明者
らの研究の結果、上記の第1表に示した菌種の範囲にお
いては、共通となるプライマーとしての条件を満たすよ
うな非常に類似した配列を見出すことができた。
【0018】配列表の配列番号1〜4に示した合成オリ
ゴヌクレオチドは、上記した酵母様真菌の18S−rR
NA遺伝子の塩基配列を検索し、酵母様真菌の属間およ
び種間において変化に富んでいる中腹領域の約300塩
基程度の配列を増幅することが可能な領域をコードする
ように設計されたものである。被検菌より抽出したゲノ
ムDNAを鋳型として、該配列番号1または2に記載の
オリゴヌクレオチドと配列番号3または4に記載のオリ
ゴヌクレオチドよりなる1対のプライマーを用いてPC
R法を行って得られた増幅産物は、1回のシークエンス
解析により塩基配列を決定することが可能である。これ
らのプライマーは、DNA合成装置を用いて合成するこ
とができ、そのままもしくはHPLC等で適宜精製して
使用することができる。また、本発明においては、該プ
ライマーの全長または前記したように該配列の1個もし
くは数個の塩基が置換、付加もしくは欠失したものを用
いる。これらの具体例としては、例えば配列番号1に関
して説明すると、配列番号5の如く、配列番号1の5’
末端側から7番目の塩基(T)がCに置換したものでも
よいし、配列番号1の5’末端側に18塩基を付加した
配列(配列番号6)でもよいし、配列番号1の3’末端
側の2塩基(CG)が欠落したものでもよい。配列番号
1以外の配列についても同様に配列の1個もしくは数個
の塩基が置換、付加もしくは欠失したものであってもよ
い。
【0019】本発明においては、配列表の配列番号1〜
4に示したオリゴヌクレオチド(これらの配列の1個も
しくは数個の塩基が置換、付加もしくは欠失した塩基配
列からなるオリゴヌクレオチドを含む。)を組み合わせ
て1対のプライマーとして用いるが、5’末端側のプラ
イマーと3’末端側のプライマーを組み合わせて用い、
具体的には配列番号1および2に記載のプライマーの組
み合わせ、または配列番号3または4に記載のプライマ
ーの組み合わせからなる1対のプライマーを使用する。
【0020】本発明のプライマーは、前記したように、
酵母様真菌全種に完全に共通となる塩基配列を持つもの
ではないが、第1に示した菌種の範囲においては共通な
プライマーとしての諸条件を満たす非常に類似した配列
である。つまり、菌種によってはプライマー配列のうち
の幾つかの塩基が異なるものも存在するが、そのような
菌種についても本発明のプライマーを用いて所期の配列
を増幅することができる。
【0021】次に、本発明による酵母様真菌の同定方法
について説明する。まず、被検菌より常法に従ってゲノ
ムDNAを抽出する。これを鋳型として上記の1対のプ
ライマーを用いてPCR法を行い、該酵母様真菌の18
S−リボソームRNAをコードする遺伝子の中腹領域の
約300塩基を増幅する。PCR法については、パーキ
ンエルマー社や宝酒造社などから市販されているタック
DNAポリメラーゼを含む遺伝子増幅キットおよび自動
遺伝子増幅装置を用いて行うことができる。反応は常法
により行えばよいが、好ましい反応条件の1例は、変性
95℃で0.5分間、アニーリング50℃で0.5分
間、伸長反応72℃で2分間の合成反応のサイクルを3
0サイクル行う方法である。
【0022】続いて、上記で得たPCR増幅産物の塩基
配列を決定するため、目的とするPCR増幅産物を検出
する。検出方法としては、アガロースゲル電気泳動また
はポリアクリルアミド電気泳動、スポット法またはサザ
ンブロット法などの常法が挙げられる。なお、スポット
法およびサザンブロット法において、該PCR増幅産物
を検出するためのプローブDNAは、増幅した塩基配列
領域内で適宜選択すればよい。PCR増幅産物の塩基配
列を決定する方法としては、特に限定されないが、PC
R増幅産物をパーキンエルマー社やファルマシア社など
から市販されている塩基配列決定キットを用いた自動D
NAシーケンサーによって決定する方法や、PCR増幅
産物をM13ファージベクターにクローニングしファー
ジDNAを調製した後にサンガー法により決定する方法
などが挙げられる。
【0023】このようにして決定した18S−rRNA
遺伝子の中腹領域の約300塩基の塩基配列を、既知の
データベース等に登録されている塩基配列との相同性を
比較することによって、被検菌の同定を行う。具体的に
は、該塩基配列をGene Works(帝人システムテクノロジ
ー社)やDNASISシステム(宝酒造社)などから市
販されている遺伝子解析ソフトを使用して解析すること
ができ、インターネットを用いてDDBJ(日本DNA
データバンク)などのシステムにより、決定したこれら
酵母様真菌の塩基配列の相同性検索を行う。さらに、未
知の酵母様真菌以外の真菌についても、本発明の方法に
従い、1対のプライマーを使用してPCR法により増幅
し、その塩基配列を決定することにより、該真菌を同定
することができる。
【0024】
【実施例】以下において、本発明を実施例により詳しく
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 実施例1 (1)被検菌のゲノムDNAの調製 酵母様真菌を被検菌として、該酵母様真菌をそれぞれの
至適条件下で培養した。培養条件については、通常ポテ
トデキストロース寒天培地を用いて30℃で24時間培
養した。なお、以下において、ゲノムDNAの調製は、
すべてOmuni Prep(GENO TECH社製) を用いて行った。
【0025】(2)PCR法 (1)において得たゲノムDNA0.1μgを鋳型と
し、自動遺伝子増幅装置サーマルサイクラー(宝酒造社
製)を用いてPCR法を行った。プライマーは、配列表
の配列番号1および配列番号2に記載のオリゴヌクレオ
チドを使用した。このプライマーは、すべてオリゴサー
ビスつくば研究所に合成委託した。なお、PCR法の反
応液は、ゲノムDNA0.1μgを含む溶液を0.2m
lのエッペンチューブにとり、10μlの10×PCR
バッファー(100mM トリス−HCl(pH8.
3),500mM KCl,15mM MgCl2)、
8μlのdNTP混合液(dATP、dCTP、dGT
P、dTTPを各2.5mM)、0.5μlの5ユニッ
ト/μlのタックDNAポリメラーゼ、各5μlのプラ
イマー、これに滅菌水を加えて100μlの溶液とし
た。
【0026】PCRの反応条件は、変性95℃で0.5
分間、アニーリング50℃で0.5分間、伸長反応72
℃で2分間の合成反応サイクルを30サイクル行った。
反応終了後、PCR増幅産物を含む反応液10μlを
試料として、1%GTGアガロース(FMC社製)ゲル
電気泳動を行い、エチジウムブロマイドで染色して増幅
された約300塩基のDNAを確認した。
【0027】(3)PCR増幅産物の塩基配列の決定 上記の(2)によって得られた増幅産物反応液90μl
に、20%PEG溶液(20%PEG 6000(w/
v),2.5M NaCl)を67μl加えてよく撹拌
した後、氷上にて1時間放置した。その後、15000
rpmで20分間遠心分離し、沈殿物を70%エタノー
ルで洗浄後、再度同じ条件で遠心分離した後、風乾し
た。こうして得たPCR増幅産物を、滅菌蒸留水に50
μg/μlとなるように溶解させた。続いて、該PCR
増幅産物溶液6μlを試料として用い、ダイターミネー
ターサイクルシークエンスキット(パーキンエルマー社
製)により目的とする領域の塩基配列を決定した。その
結果、313塩基の配列が決定された。
【0028】(4)被検菌の同定 (3)において決定した塩基配列から、プライマー領域
をGene Works(帝人システムテクノロジー社)を用いて
修飾し、その塩基配列について、DDBJのホモロジーサー
チシステム(blastn)により相同性を検索した。
結果を第2表に示す。表中には、被検菌の塩基配列と相
同性の高い配列を与えるものを順に5種まで記載した。
但し、相同性が80%以下のものは記載していない。表
示したように、被検菌は100%の相同性を示したブレ
ラ・アノマラ(Bulle ra anomala)であると同定された。
【0029】
【表5】
【0030】実施例2 酵母様真菌を被検菌として、該酵母様真菌の同定を行っ
た。なお、実験はすべて実施例1と同じ条件で行った。
結果を第3表に示す。この結果、PCR法によって増幅
した321塩基の配列が決定され、DDBJのホモロジーサ
ーチシステム(blastn)を用いて該塩基配列の相
同性について検索し、被検菌は100%の相同性を示し
たクリプトコッカス・アルビダス(Cryptococcus albi
dus)であると同定された。
【0031】
【表6】
【0032】実施例3 酵母様真菌を被検菌として、該酵母様真菌の同定を行っ
た。なお、実験はすべて実施例1と同じ条件で行った。
結果を第4表に示す。この結果、PCR法によって増幅
した320塩基の配列が決定され、DDBJのホモロジーサ
ーチシステム(blastn)を用いて該塩基配列の相
同性について検索し、被検菌は相同性99%、配列中の
不一致の塩基数1を示したデバリオミセス・ハンゼニイ
Debaryomyces hansenii) と同定された。
【0033】
【表7】
【0034】実施例4 酵母様真菌を被検菌として、該酵母様真菌の同定を行っ
た。なお、実験はすべて実施例1と同じ条件で行った。
結果を第5表に示す。この結果、PCR法によって増幅
した312塩基の配列が決定され、DDBJのホモロジーサ
ーチシステム(blastn)を用いて該塩基配列の相
同性について検索し、被検菌は100%の相同性を示し
たデッケラ・ブルキセレンセス(Dekkera bruxellensi
s) であると同定した。
【0035】
【表8】
【0036】実施例5 酵母様真菌を被検菌として、該酵母様真菌の同定を行っ
た。なお、実験はすべて実施例1と同じ条件で行った。
結果を第6表に示す。この結果、PCR法によって増幅
した323塩基の配列が決定され、DDBJのホモロジーサ
ーチシステム(blastn)を用いて該塩基配列の相
同性について検索し、被検菌は100%の相同性で一致
したフィロバシディウム・ネオホルマンス (Filobasidi
um neoformans) であると同定した。
【0037】
【表9】
【0038】実施例6 酵母様真菌を被検菌として、該酵母様真菌の同定を行っ
た。なお、実験はすべて実施例1と同じ条件で行った。
結果を第7表に示す。この結果、PCR法によって増幅
した320塩基の配列が決定され、DDBJのホモロジーサ
ーチシステム(blastn)を用いて該塩基配列の相
同性について検索し、被検菌は100%の相同性で一致
したクルイエロミセス・ポリスポラス(Kluyeromyces
polysporus) であると同定した。
【0039】
【表10】
【0040】実施例7 酵母様真菌を被検菌として、該酵母様真菌の同定を行っ
た。なお、実験はすべて実施例1と同じ条件で行った。
結果を第8表に示す。この結果、PCR法によって増幅
した328塩基の配列が決定され、DDBJのホモロジーサ
ーチシステム(blastn)を用いて該塩基配列の相
同性について検索し、被検菌は100%の相同性で一致
したロドトルラ・グルチニス(Rhodotorula glutinis)
であると同定した。
【0041】
【表11】
【0042】実施例8 酵母様真菌を被検菌として、該酵母様真菌の同定を行っ
た。なお、実験はすべて実施例1と同じ条件で行った。
結果を第9表に示す。この被検菌について、PCR法に
よって増幅した321塩基の配列を決定し、DDBJのホモ
ロジーサーチシステム(blastn)を用いて該塩基
配列の相同性について検索した結果、被検菌は100%
の相同性で一致したサッカロミセス・バヤナス(Sacchar
omycesbayanus)であると同定した。
【0043】
【表12】
【0044】実施例9 酵母様真菌を被検菌として、該酵母様真菌の同定を行っ
た。なお、実験はすべて実施例1と同じ条件で行った。
結果を第10表に示す。この被検菌について、PCR法
によって増幅した326塩基の配列を決定し、DDBJのホ
モロジーサーチシステム(blastn)を用いて該塩
基配列の相同性について検索した結果、被検菌は100
%の相同性で一致したシゾサッカロミセス・ジャポニク
(Schizosaccharomyces japonicus)であると同定され
た。
【0045】
【表13】
【0046】実施例10 酵母様真菌を被検菌として、該酵母様真菌の同定を行っ
た。なお、実験はすべて実施例1と同じ条件で行った。
結果を第11表に示す。この被検菌について、PCR法
によって増幅した319塩基の配列を決定し、DDBJのホ
モロジーサーチシステム(blastn)を用いて該塩
基配列の相同性について検索した。その結果、被検菌は
相同性99%を示したトルロスポラ・デルブリッキイ(T
orulaspora delbrueckii)であると同定された。
【0047】
【表14】
【0048】実施例11 酵母様真菌を被検菌として、該酵母様真菌の同定を行っ
た。なお、実験はすべて実施例1と同じ条件で行った。
結果を第12表に示す。この被検菌について、PCR法
によって増幅した323塩基の配列を決定し、DDBJのホ
モロジーサーチシステム(blastn)を用いて該塩
基配列の相同性について検索した。その結果、被検菌は
相同性99%を示したトリコスポロン・クタネウム(Tr
ichosporon cutaneum) であると同定された。
【0049】
【表15】
【0050】実施例12 酵母様真菌を被検菌として、該酵母様真菌の同定を行っ
た。なお、実験はすべて実施例1と同じ条件で行った。
結果を第13表に示す。この被検菌について、PCR法
によって増幅した326塩基の配列を決定し、DDBJのホ
モロジーサーチシステム(blastn)を用いて該塩
基配列の相同性について検索した。その結果、被検菌は
相同性99%を示したチゴサッカロミセス・ビスポラス
(Zygosaccharomyces bisporus) であると同定された。
【0051】
【表16】
【0052】
【発明の効果】本発明により、特定の酵母様真菌のゲノ
ムDNAを鋳型として該プライマーを用いたPCR法を
行い、得られた増幅産物についてDNA塩基配列を決定
し、該配列を既知のDNA塩基配列との相同性を比較す
ることによって、該酵母様真菌を同定する方法が提供さ
れる。この方法は、同じ酵母様真菌群においては統一さ
れた試験方法で実施することができ、簡便な方法で酵母
様真菌を同定できる。したがって、本発明は酵母様真菌
由来のヒトの疾患や食品の変敗等の原因究明あるいは伝
搬経路の解明などに大きく寄与するものである。
【0053】
【配列表】
【0054】配列番号:1 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴 特徴を示す記号:rRNA 特徴を決定した方法:S 配列 TCC AAG GAA GGC AGC AGG CGC
【0055】配列番号:2 配列の長さ:23 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴 特徴を示す記号:rRNA 特徴を決定した方法:S 配列 GCC TGC TTT GAA CAC TCT AAT TT
【0056】配列番号:3 配列の長さ:23 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴 特徴を示す記号:rRNA 特徴を決定した方法:S 配列 CGG ACG AAA CTT GTG AGA TTA AA
【0057】配列番号:4 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴 特徴を示す記号:rRNA 特徴を決定した方法:S 配列 AGG TTC CTT CCG TCG TCC GCG
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C12Q 1/04 C12R 1:85) (72)発明者 若林 佳子 静岡県藤枝市宮原223番1号 三井農林株 式会社食品総合研究所内 (72)発明者 原 征彦 静岡県藤枝市宮原223番1号 三井農林株 式会社食品総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検菌より抽出したゲノムDNAを鋳型
    とし、配列表の配列番号1に記載のオリゴヌクレオチド
    および配列表の配列番号2に記載のオリゴヌクレオチド
    の組み合わせ、または配列表の配列番号3に記載のオリ
    ゴヌクレオチドおよび配列表の配列番号4に記載のオリ
    ゴヌクレオチドの組み合わせからなる1対のオリゴヌク
    レオチドをプライマーとして用いたポリメラーゼ連鎖反
    応法により酵母の18S−リボソームRNAをコードす
    る遺伝子の中腹領域のDNAの増幅を行い、得られた増
    幅産物の塩基配列を常法により決定し、該配列を既知の
    DNA塩基配列と比較し、被検菌が最も高い相同性を有
    する酵母様真菌種として同定することを特徴とする酵母
    様真菌の同定方法。
  2. 【請求項2】 酵母様真菌が、ベンシングトニア(Bens
    ingtonia) 属、ブレラ(Bullera) 属、カンジダ(Candid
    a) 属、クリプトコッカス(Cryptococcus)属、デバリオ
    ミセス(Debaryomyces)属、デッケラ(Dekkera) 属、クル
    イエロミセス(Kluyeromyces)属、メチニコウィア(Metsc
    hnikowia) 属、ロドトルラ(Rhodotorula) 属、スポロボ
    ロミセス(Sporobolomyces)属、トルラスポラ(Torulaspo
    ra) 属、トレメラ(Tremella)属、トリコスポロン(Trich
    osporon)属、ウデニオミセス(Udeniomyces) 属、チゴサ
    ッカロミセス(Zygosaccharomyces) 属、ロイコスポリジ
    ウム(Leucosporidium)属、フィロバシディウム(Filobas
    idium)属、フィロバシディエラ(Filobasidiella)属、エ
    ンドミセス(Endomyces) 属、サッカロミセス(Saccharom
    yces) 属、シストフィロバシディウム(Systofilobasidi
    um) 属、ブレッタノミセス(Brettanomyces) 属およびジ
    ポダスクス(Dipodascus)属のいずれかに属するものであ
    ることを特徴とする請求項1記載の酵母様真菌の同定方
    法。
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