JPH11164542A - リニアモータ及び画像読み取り装置 - Google Patents

リニアモータ及び画像読み取り装置

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JPH11164542A
JPH11164542A JP10223442A JP22344298A JPH11164542A JP H11164542 A JPH11164542 A JP H11164542A JP 10223442 A JP10223442 A JP 10223442A JP 22344298 A JP22344298 A JP 22344298A JP H11164542 A JPH11164542 A JP H11164542A
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JP
Japan
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field magnet
circuit board
mover
electric circuit
stator
Prior art date
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Pending
Application number
JP10223442A
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English (en)
Inventor
Mitsutoshi Iko
光俊 位高
Katsuhiro Nanba
克宏 難波
Masazo Ishiyama
雅三 石山
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Publication date
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Priority to US09/152,542 priority patent/US6064128A/en
Publication of JPH11164542A publication Critical patent/JPH11164542A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K41/00Propulsion systems in which a rigid body is moved along a path due to dynamo-electric interaction between the body and a magnetic field travelling along the path
    • H02K41/02Linear motors; Sectional motors
    • H02K41/03Synchronous motors; Motors moving step by step; Reluctance motors

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ムービングコイル型のリニアモータであっ
て、可動子から引き出されるハーネスのケーブル数を少
なくできるとともに、可動子上に配置される界磁マグネ
ット用センサやエンコーダ用センサからの出力電気信号
が、ノイズにより影響されるのを抑制でき、それだけ精
度良く駆動できるリニアモータを提供する。 【解決手段】 界磁マグネット11を有する固定子1
と、固定子1に外嵌する電機子コイル21を有する可動
子2とからなるリニアモータ。可動子2上に配置する電
気回路基板23によって、電機子コイル21を構成する
6つのコイルを所定の結線状態に結線する。基板23上
には、界磁マグネット11の磁極を検出するためのホー
ル素子h1 、h2 、h3 、エンコーダ用の光センサ41
の出力信号を二値化処理する回路51、52、及びこれ
らの信号に基づき電機子コイルへの通電制御を行うモー
タ駆動制御回路6を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、N極の磁極とS極
の磁極とが所定方向に直線状に交互に並ぶ界磁マグネッ
トを有する固定子と、界磁マグネットに臨む電機子コイ
ルを有し、固定子に沿って移動することができる可動子
とを備えるリニアモータ、及びかかるリニアモータを、
原稿画像を光学的に走査して読み取るために、照明ラン
プを含む光学部品を搭載して、直線的に移動させるスラ
イダの駆動に利用する画像読み取り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】リニアモータは、複写機、プリンタ、イ
メージスキャナ等のOA機器、X−Yテーブル、物品搬
送装置等のFA機器、カメラ等の光学機器などの広い分
野において、物品を直線的に移動させることに利用され
ている。リニアモータとしては、N極の磁極とS極の磁
極とが所定方向に直線状に交互に並ぶ界磁マグネットを
固定子とし、界磁マグネットに臨む電機子コイルを固定
子に沿って移動させる可動子とするリニアモータが知ら
れている。このタイプのリニアモータは、ムービングコ
イル型のリニアモータと呼ばれるものである。
【0003】ムービングコイル型のリニアモータにおい
ては、可動子中の電機子コイルに通電して可動子を固定
子に沿って駆動するために、或いは、さらに、次に述べ
るような可動子上に設けられる各種センサからの情報に
基づき、可動子中の電機子コイルへの通電を制御するた
めに、電機子コイルへの通電回路と可動子上の電機子コ
イルや各種センサとを接続するハーネス(電線ケーブル
の束)が可動子からは引き出される。
【0004】電機子コイルへの通電を制御するために設
けられるセンサとしては、例えば、移動する電機子コイ
ルが臨む界磁マグネットの磁極の極性を検出したり、界
磁マグネットにより形成される磁界の大きさを検出する
ための界磁マグネット用のセンサである。かかる界磁マ
グネット用のセンサとしては、磁極の極性や磁界の強さ
に応じた電気信号を出力することができるホール素子や
磁気抵抗素子(MR素子)等の磁電変換素子が通常採用
される。
【0005】電機子コイルへの通電を制御するために可
動子上に配置されるセンサとしては、この他、エンコー
ダ用のセンサを挙げることができる。エンコーダは、か
かる可動子上に配置されるエンコーダ用センサと、定位
置に配置され、固定子長手方向に延びるエンコーダスケ
ールとからなる。エンコーダとしては、光学式のものと
磁気式のものが知られている。
【0006】光学式エンコーダの場合、エンコーダスケ
ールは、光学的に異なる二つの面が固定子長手方向に交
互に並んだものである。例えば、光の反射率の異なる二
つの面(例えば、白色の面と黒色の面)を固定子長手方
向に交互に並べると、いわゆる反射式のエンコーダとな
る。また、光の透過率の異なる二つの面を固定子長手方
向に交互に並べると、いわゆる透過式のエンコーダとな
る。いずれにしても、光学式のエンコーダ用センサとし
ては、光の光量に応じた電気信号を出力することができ
るフォトダイオードやフォトトランジスタ等の光電変換
素子が採用される。また、エンコーダスケールに向けて
光を照射する発光ダイオード(LED)等の発光素子
と、光電変換素子が一つになった、換言すればワンパッ
ケージ化されたいわゆる光センサが採用されることもあ
る。
【0007】磁気式エンコーダの場合、エンコーダスケ
ールは、N極の磁極とS極の磁極とが固定子長手方向に
交互に並んだものである。磁気式のエンコーダ用センサ
としては、磁気式のエンコーダスケールの磁極の極性
や、磁界の強さに応じた電気信号を出力する磁気抵抗素
子(MR素子)やホール素子などの磁電変換素子が通常
採用される。
【0008】電機子コイルに通電して、可動子を固定子
に沿って駆動するための通電駆動回路は、通常、上記の
界磁マグネット用センサからの界磁マグネット信号及び
(又は)エンコーダ用センサからのエンコーダ信号など
に基づいて、電機子コイルに通電するものである。回路
をコンパクトにするなどために、かかる通電駆動回路に
おいてはモータドライブICが採用されることがある。
かかる通電駆動回路は、可動子外の定位置に配置されて
いる。
【0009】このようなムービングコイル型のリニアモ
ータは、例えば、原稿画像を光学的に走査して読み取る
ためのイメージスキャナ等の画像読み取り装置において
利用されている。画像読み取り装置においては、原稿画
像を光学的に走査するために照明ランプなどの光学部品
を搭載するスライダが所定方向に直線的に移動され、か
かるスライダの駆動にリニアモータを利用できる。照明
ランプとしては、蛍光灯が用いられることが多く、かか
る照明ランプの点灯回路は、可動子外の定位置に配置さ
れている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このように
可動子上の電機子コイルに通電したり、界磁マグネット
用のセンサからの出力信号を伝達したり、エンコーダ用
センサからの出力信号を伝達したりするなどのために、
可動子から引き出され、通電駆動回路に接続されるハー
ネスの線数(ケーブル数)が多くなると、ハーネスが取
り扱いにくく、ハーネスの配線引き回しがしにくくな
る。電機子コイルは、通常、2以上のコイルから構成さ
れることが多く、例えば3相通電するような場合には、
電機子コイルは3つのコイルを一組とするコイル群の1
組又は複数組からなり、いずれにしても、電機子コイル
を構成するコイルの数が多くなると、それだけ可動子か
ら引き出されるケーブル数は多くなり、さらにハーネス
の引き回しがしにくくなる。かかるハーネスが無理に折
り曲げられたりして、ハーネスが切れたりすると、可動
子を駆動することができなくなることもある。
【0011】また、前述のように電機子コイルへの通電
制御等のために、可動子上に界磁マグネット用の磁電変
換素子、エンコーダ用の光電変換素子、エンコーダ用の
磁電変換素子を配置する場合には、これらの素子から出
力される電気信号が、通常、微弱なアナログ信号である
ため、可動子から引き出されるハーネスによる信号伝送
途中において、ノイズの影響を受けやすい。これら素子
から出力される信号がノイズの影響を受けると、精度の
よい通電制御ができなくなり、可動子を精度よく駆動で
きなくなってしまう。かかるノイズを発生するノイズ源
としては、例えば次のものを挙げることができる。可動
子から引き出されるハーネスには、電機子コイルに通電
するためのケーブルが含まれており、かかる電機子コイ
ルへの通電のためのケーブルには、これら素子から出力
される信号等に比べ大電流が流れるため、また、かかる
電機子コイルへの通電のためのケーブルは、これら素子
から出力される信号を伝送するためのケーブルと並行し
て引き回されることが多いため、かかる電機子コイルへ
の通電のためのケーブルはノイズ源となる。また、リニ
アモータを例えば、原稿画像を光学的に走査して読み取
るための画像読み取り装置において、光学部品を搭載す
るスライダを直線的に移動させるのに利用する場合にお
いて、かかる画像読み取り装置が各種情報を表示するた
めの液晶表示装置を備えているときには、液晶表示装置
の表示回路もノイズ源となる。
【0012】また、上記のようにリニアモータを画像読
み取り装置における蛍光灯等の照明ランプを含む光学部
品を搭載するスライダの駆動に利用する場合には、可動
子外の定位置に配置される照明ランプ点灯回路からのケ
ーブルも、可動子又はその近傍のスライダ部分から引き
出されることとなり、かかるケーブルによってさらに可
動子又はその近傍から引き出されるハーネスの線数が増
え、それだけハーネスの引き回しがさらに困難になる。
また、このような画像読み取り装置において、前述のよ
うにノイズの影響によって、可動子が精度よく駆動され
ないと、良好な画像読み取りを行うことができなくなっ
てしまう。
【0013】そこで、本発明は、N極の磁極とS極の磁
極とが所定方向に直線状に交互に並ぶ界磁マグネットを
有する固定子と、前記界磁マグネットに臨む電機子コイ
ルを有し、前記固定子に沿って移動することができる可
動子とを備えるタイプのリニアモータ、換言すれば、い
わゆるムービングコイル型のリニアモータであって、可
動子から引き出されるハーネスのケーブル数を少なくで
き、それだけハーネスを引き回しやすいリニアモータを
提供することを第1の課題とする。
【0014】また、本発明は、上記ムービングコイル型
のリニアモータであって、電機子コイルの通電制御のた
めに可動子上に配置される界磁マグネット用のセンサや
エンコーダ用のセンサからの出力電気信号が、ノイズに
より影響されるのを抑制でき、それだけ精度よく可動子
を駆動することができるリニアモータを提供することを
第2の課題とする。
【0015】また、本発明は、上記ムービングコイル型
のリニアモータを、原稿画像を光学的に走査するため
に、照明ランプ等の光学部品を搭載して直線的に移動さ
せるスライダの駆動に利用する画像読み取り装置であっ
て、可動子から引き出されるハーネスのケーブル数を少
なくでき、それだけハーネスを引き回しやすい画像読み
取り装置を提供することを第3の課題とする。
【0016】また、本発明は、上記ムービングコイル型
のリニアモータをスライダの駆動に利用する画像読み取
り装置であって、電機子コイルの通電制御のために可動
子上に配置される界磁マグネット用のセンサやエンコー
ダ用のセンサからの出力電気信号が、ノイズにより影響
されるのを抑制して、精度よくリニアモータの可動子を
駆動でき、それだけ良好な画像読み取りを行うことがで
きる画像読み取り装置を提供することを第4の課題とす
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記第1の課題を解決す
るために本発明は、N極の磁極とS極の磁極とが所定方
向に直線状に交互に並ぶ界磁マグネットを有する固定子
と、前記界磁マグネットに臨む電機子コイルを有し、前
記固定子に沿って移動することができる可動子とを備え
る、いわゆるムービングコイル型のリニアモータであっ
て、前記電機子コイルに通電して前記可動子を駆動する
ための駆動回路を備えており、前記駆動回路は、前記可
動子上に配置される電気回路基板に形成されていること
を特徴とするリニアモータを提供する。
【0018】ムービングコイル型のリニアモータの一例
として、N極の磁極とS極の磁極とが所定方向に直線状
に交互に並ぶ界磁マグネットを有し、該所定方向に延び
るシャフト状の固定子と、前記界磁マグネットに外嵌す
る電機子コイルを有し、前記固定子に沿って移動するこ
とができる可動子とを備えるシャフト型リニアモータを
挙げることができる。また、ムービングコイル型のリニ
アモータの他の例として、平板形のN極の磁極と平板形
のS極の磁極とが所定方向に直線状に交互に並ぶ界磁マ
グネットを有する固定子と、前記界磁マグネットに開口
面が臨む環状の電機子コイルを有し、前記固定子に沿っ
て移動することができる可動子とを備える平板型リニア
モータを挙げることができる。
【0019】いずれにしても、電機子コイルに通電する
と、かかる電機子コイルに流れる電流と界磁マグネット
の形成する磁界との相互作用により電機子コイルには電
磁力がかかり、可動子を固定子長手方向に駆動すること
ができる。電機子コイルへの通電は、可動子上に配置さ
れる電気回路基板に形成された駆動回路によって行われ
る。かかる駆動回路としては、例えばモータドライブI
Cを含む駆動回路を挙げることができる。なお、かかる
駆動回路は、モータの駆動の開始を指令したり、モータ
の駆動の停止を指令するための回路などを含んでいなく
てもよい。
【0020】かかる駆動回路を、可動子上の電気回路基
板上に形成したことによって、電機子コイルと駆動回路
とは、可動子上において接続できる。したがって、従来
のように、電機子コイルと駆動回路とを接続するための
ケーブルを、可動子から引き出されるハーネスに含ませ
る必要がない。これにより、可動子から引き出されるハ
ーネスのケーブル数を減らすことができる。
【0021】前記電機子コイルが2以上の単コイルから
なる場合において、これらの各コイルを所定の結線状態
に結線する必要があるときには、該各コイルを前記駆動
回路が形成されている電気回路基板に電気的に接続し
て、該電気回路基板に設ける配線パターンによって所定
の結線状態に結線してもよい。所定の結線状態として
は、例えば、電機子コイルが三つのコイルを一組とする
コイル群を一組又は複数組備えている場合において、こ
れら各コイルがスター結線された状態である。三つのコ
イルを一組とするコイル群について複数組をスター結線
するときには、並列接続と組み合わせてスター結線すれ
ばよい。
【0022】このように、各コイルを電気回路基板に形
成した配線パターンによって所定の結線状態にすると、
電気回路基板を用いずに、各コイルを半田付け等によっ
て所定の結線状態にする場合に比べて、容易に所定の結
線状態にすることができる。また、各コイルの結線状態
を間違えることも少なくなる。前記駆動回路によって、
電機子コイルが臨む界磁マグネットの磁極の極性などに
基づき電機子コイルに通電する場合などにおいて、前記
可動子上の前記界磁マグネットに臨む位置に配置される
界磁マグネット用磁電変換素子と、前記界磁マグネット
用磁電変換素子の出力する電気信号を二値化処理するこ
とができる界磁マグネット信号処理回路とを設けるとき
には、前記界磁マグネット信号処理回路は前記駆動回路
が形成されている電気回路基板に形成してもよい。
【0023】界磁マグネット用磁電変換素子は、固定子
長手方向において電機子コイルと所定の位置関係となる
ように配置すればよい。界磁マグネット用磁電変換素子
は、必要に応じて1又は2以上を配置すればよい。界磁
マグネット信号処理回路は、界磁マグネット用磁電変換
素子の数に合わせて設ければよい。界磁マグネット用磁
電変換素子としては、例えばホール素子や、磁気抵抗素
子を挙げることができる。ホール素子を採用すると、磁
極の極性を検出することができる。ホール素子として
は、例えばInSb(インジウムアンチモン)系ホール
素子、InAs(インジウムひ素)系ホール素子、Ga
As(ガリウムひ素)系ホール素子を挙げることができ
る。InSb系ホール素子は、出力信号(ホール電圧)
が大きくなる。GaAs系ホール素子は、温度特性が良
好になる。界磁マグネット用磁電変換素子と、界磁マグ
ネット信号処理回路とがワンパッケージ化(ワンチップ
化)されたホールICを採用してもよい。ホールIC
は、通常、二値化処理回路を備えており、この他増幅処
理回路などを含んだものであってもよい。
【0024】界磁マグネット用磁電変換素子は、可動子
の移動とともに、界磁マグネットのN極の磁極とS極の
磁極とに交互に臨むこととなり、これらの磁極が形成す
る磁界(磁界の強さ及び(又は)磁界の向き(磁極の極
性))に応じた電気信号を出力する。磁電変換素子から
出力される電気信号は、通常、アナログ信号となる。か
かるアナログ信号は微弱な場合が多い。かかる磁電変換
素子からの出力信号は、界磁マグネット信号処理回路に
よって二値化(いわゆるデジタル化)処理され、デジタ
ル信号に変換される。
【0025】二値化処理は、入力される電気信号の代表
的には電圧値に基づき、大小いずれか一つの値をとる電
気信号を出力するものである。二値化処理は、例えば、
入力電気信号と、所定のしきい値とを比較判断すること
によって行うことができる。このような比較判断は、例
えばコンパレータを含む回路によって行うことができ
る。或いは、磁電変換素子が、所定の基準値に対して互
いに反転した二つの電気信号を出力する場合には、二値
化処理は、これら二つの出力信号を比較判断することに
よっても行うことができる。このような比較判断は、例
えば差動増幅器など用いて行うことができる。このよう
にすると、磁電変換素子の二つの出力信号にノイズが重
畳しても、かかるノイズの影響を抑制することができ
る。いずれにしても、ヒステリシス特性を持たせて比較
判断してもよい。また、磁電変換素子の出力信号を二値
化処理する前に、必要に応じて増幅処理などを行っても
よい。
【0026】前記駆動回路は、界磁マグネット用磁電変
換素子から出力され、界磁マグネット信号処理回路によ
って二値化処理された電気信号を、代表的には、界磁マ
グネットの形成する磁界であって、電機子コイルに作用
する磁界の向き及び(又は)磁界の強さに応じた電流を
電機子コイルに流すことに利用できる。界磁マグネット
用磁電変換素子やホールICは、駆動回路が形成されて
いる電気回路基板上に配置して、該電気回路基板に支持
させてもよい。
【0027】駆動回路、界磁マグネット用磁電変換素
子、界磁マグネット信号処理回路を同じ電気回路基板上
に配置すると、これらの間の配線距離を短くすることが
でき、それだけノイズに強くなる。これにより、駆動回
路は、界磁マグネット信号に基づき精度よく電機子コイ
ルへの通電制御を行うことができ、可動子を精度よく駆
動することができる。従来においては、駆動回路が可動
子外に配置されていたため、可動子上に配置される界磁
マグネット用磁電変換素子から駆動回路までの距離は長
く、それだけノイズに弱かった。
【0028】また、駆動回路を可動子上の電気回路基板
に形成したことによって、界磁マグネット用磁電変換素
子により検出された界磁マグネット情報は、可動子上に
おいて駆動回路に入力することができる。したがって、
従来のように、界磁マグネット用磁電変換素子により検
出された情報を駆動回路に伝送するためのケーブルを、
可動子から引き出されるハーネスに含ませる必要がな
い。これにより、可動子から引き出されるハーネスのケ
ーブル数を減らすことができる。
【0029】界磁マグネット用磁電変換素子を、駆動回
路が形成されている電気回路基板上に配置して、該電気
回路基板に支持させる場合には、該電気回路基板は固定
子長手方向における位置が調整できるように可動子上に
設けてもよい。このようにすると、固定子長手方向にお
ける電機子コイルと界磁マグネット用磁電変換素子との
位置関係を所定の位置関係になるように容易に調整でき
る。
【0030】界磁マグネット用磁電変換素子として前述
のホール素子を採用する場合において、特に、GaAs
系ホール素子に比べて、出力信号が大きい反面温度特性
が悪いInSb系ホール素子を採用するときには、かか
るホール素子は温度の影響の少ない位置に配置すること
が好ましい。固定子が水平方向に延びている場合には、
ホール素子、或いはホール素子を支持する電気回路基板
を前記可動子上の鉛直方向下側であって、電機子コイル
より鉛直方向下側に配置すると、通電により発熱する電
機子コイルからの熱の影響を抑制することができる。
【0031】前記駆動回路によって、可動子の固定子長
手方向における位置や、可動子の移動速度などに基づき
電機子コイルに通電する場合などにおいて、前記固定子
の長手方向に延び、定位置に配置されるエンコーダスケ
ールと、前記可動子上であって、前記エンコーダスケー
ルに臨む位置に配置されるエンコーダ用センサと、前記
エンコーダ用センサの出力する電気信号を二値化処理す
ることができるエンコーダ信号処理回路とを設けるとき
には、前記エンコーダ信号処理回路は駆動回路が形成さ
れている電気回路基板上に形成してもよい。
【0032】エンコーダ用センサとして、発光素子及び
エンコーダ用光電変換素子を含む光センサを設ける場合
には、エンコーダスケールは光学式のものとすればよ
い。これらにより、光学式のエンコーダを構成できる。
発光素子としては、例えば発光ダイオード(LED)を
挙げることができる。光電変換素子としては、例えば、
フォトダイオード、フォトトランジスタを挙げることが
できる。
【0033】光学式エンコーダスケールは、例えば光の
反射率の異なる光高反射率面と、光低反射率面とが固定
子長手方向に交互に並んだものとすればよい。この場
合、発光素子と光電変換素子とは、いずれもエンコーダ
スケールのこれらの面が設けられている面に臨むよう
に、可動子上に配置する。可動子の移動とともに、発光
素子及び光電変換素子は、光高反射率面と光低反射率面
とに交互に臨むこととなり、光電変換素子は発光素子か
ら照射され、光高反射率面又は光低反射率面によって反
射された光の強度に応じた電気信号を出力する。
【0034】光学式エンコーダスケールは、光の透過率
の異なる光高透過率面と、光低透過率面とが固定子長手
方向に交互に並んだものとしてもよい。この場合、発光
素子と光電変換素子とは、エンコーダスケールを間に挟
んで、それぞれこれらの面に臨むように可動子上に配置
する。可動子の移動とともに、発光素子及び光電変換素
子は、光高透過率面と光低透過率面とに交互に臨むこと
となり、光電変換素子は発光素子から照射され、光高透
過率面又は光低透過率面を透過する光の強度に応じた電
気信号を出力する。
【0035】いずれにしても、光電変換素子から出力さ
れる電気信号は、通常、微弱なアナログ信号である。か
かる光電変換素子からの出力信号は、エンコーダ信号処
理回路によって二値化処理され、デジタル信号に変換さ
れる。エンコーダ用センサとして、光センサに代えてエ
ンコーダ用磁電変換素子を設ける場合には、エンコーダ
スケールは磁気式のものとすればよい。これらにより、
磁気式のエンコーダを構成できる。磁電変換素子として
は、例えば、磁気抵抗素子(いわゆるMR素子)、ホー
ル素子を挙げることができる。
【0036】磁気式エンコーダスケールは、N極の磁極
とS極の磁極とが固定子長手方向に交互に並んだもので
ある。可動子の移動とともに、磁電変換素子は、N極の
磁極とS極の磁極とに交互に臨むこととなり、これらの
磁極が形成する磁界(磁界の強さ及び(又は)磁界の向
き(磁極の極性))に応じた電気信号を出力する。磁電
変換素子から出力される電気信号は、通常、アナログ信
号である。かかるアナログ信号は微弱な場合が多い。か
かる磁電変換素子からの出力信号は、エンコーダ信号処
理回路によって二値化処理される。
【0037】いずれにしても、駆動回路は、エンコーダ
信号処理回路から出力されるエンコーダ信号を、電機子
コイルに通電して可動子を駆動するときにおける駆動制
御(例えば、位置制御、速度制御、PLL制御等)に利
用できる。この他、エンコーダ信号は、直線的に移動す
る可動子の位置検出や、速度検出に利用できる。発光素
子及び前記エンコーダ用光電変換素子を含む光センサ、
又はエンコーダ用磁電変換素子は、前記駆動回路が形成
されている電気回路基板上に配置してもよい。
【0038】駆動回路、光センサ又はエンコーダ用磁電
変換素子、エンコーダ信号処理回路を同じ電気回路基板
上に配置すると、これらの間の配線距離を短くすること
ができ、それだけノイズに強くなる。これにより、駆動
回路は、エンコーダ信号に基づき精度よく電機子コイル
への通電制御を行うことができ、可動子を精度よく駆動
することができる。従来においては、駆動回路が可動子
外に配置されていたため、可動子上に配置される光セン
サ又はエンコーダ用磁電変換素子から駆動回路までの距
離は長く、それだけノイズに弱かった。
【0039】また、駆動回路を可動子上の電気回路基板
上に形成したことによって、光センサ又はエンコーダ用
磁電変換素子により検出されたエンコーダ情報は、可動
子上において駆動回路に入力することができる。したが
って、従来のように、光センサ又はエンコーダ用磁電変
換素子により検出された情報を駆動回路に伝送するため
のケーブルを、可動子から引き出されるハーネスに含ま
せる必要がない。これにより、可動子から引き出される
ハーネスのケーブル数を減らすことができる。
【0040】前記電気回路基板への入出力用ハーネス
は、該電気回路基板の前記固定子長手方向における端部
から、該固定子長手方向に引き出すと、かかるハーネス
を引き回しやすくなる。かかる入出力用ハーネスには、
例えば、電気回路基板に形成されている回路に電源電圧
を供給したりするものである。前記電気回路基板を片面
基板とすると、両面基板にするよりも低コストにでき
る。前記電気回路基板を両面基板とすると、同じ面積の
片面基板に比べて実装可能な面積はほぼ2倍となるた
め、それだけ基板面積を小さく、コンパクトにできる。
【0041】前記第3の課題を解決するために本発明
は、原稿画像を光学的に走査して読み取るための画像読
み取り装置であって、原稿画像を光学的に走査するため
に照明ランプを含む光学部品を搭載し、所定方向に直線
的に駆動されるスライダと、前記照明ランプを点灯する
ためのランプ点灯回路と、N極の磁極とS極の磁極とが
前記所定方向に直線状に交互に並ぶ界磁マグネットを有
する固定子と、前記界磁マグネットに臨む電機子コイル
を有し、前記固定子に沿って移動することができ、前記
スライダに結合された可動子と、前記電機子コイルに通
電して前記可動子を駆動するための駆動回路とを備えて
おり、前記ランプ点灯回路、及び前記駆動回路は、前記
可動子上に配置される電気回路基板に形成されているこ
とを特徴とする画像読み取り装置を提供する。
【0042】画像読み取り装置としては、例えば、イメ
ージスキャナを挙げることができる。また、この画像読
み取り装置は、例えば複写機にも適用できる。可動子上
に配置される電気回路基板上には、駆動回路が形成され
ているとともに、照明ランプを点灯するためのランプ点
灯回路が形成されている。本発明に係る画像読み取り装
置は、上記説明した本発明に係るリニアモータの可動子
を、照明ランプを含む光学部品を搭載するスライダに連
結して、かかるスライダの駆動に利用するものである。
したがって、前述の本発明に係るリニアモータに関して
述べたことは、本発明に係る画像読み取り装置において
も同様である。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1から図3に本発明に係る画像
読み取り装置の一例を示す。図1は、該装置の概略平面
図である。図2は、図1に示すX−X線に沿う概略断面
図である。図3は、図1に示すY−Y線に沿う概略断面
図である。
【0044】図1から図3に示す画像読み取り装置にお
いては、詳しくは後述するが、光学部品を搭載する二つ
のスライダの駆動に、それぞれ本発明に係るリニアモー
タが利用されている。この画像読み取り装置は、原稿を
載置するための透明原稿台ガラスGLを装置上部に備え
ている。原稿台ガラスGLの上部には開閉可能にカバー
CVが設けられている。なお、図1においては、カバー
CVは図示が省略されている。原稿台ガラスGLの下部
には、原稿台ガラスGL上に載置される原稿を光学的に
走査するために、原稿台ガラスGLに平行に移動するこ
とができ、光学部品を搭載する2つのスライダSL1、
SL2が配置されている。
【0045】スライダSL1にはリニアモータLMaの
可動子2が連結されており、同様にスライダSL2には
リニアモータLMbの可動子2が連結されている。これ
らのリニアモータLMa、LMbは、詳しくは後述する
が、これらの可動子2にそれぞれ取り付けられる電気回
路基板23に形成される回路が一部異なる以外は、実質
的に同じ構成のリニアモータである。いずれの可動子2
も、スライダSL1、SL2を移動させる方向である原
稿台ガラスGLに平行なシャフト部材10に外嵌してお
り、シャフト部材10に沿って移動できる。シャフト部
材10には界磁マグネットが形成されており、シャフト
部材10は定位置に配置されている。このようなシャフ
ト部材10は、二つのリニアモータLMa、LMbの共
通の固定子1を構成している。いずれの可動子2も、固
定子1に外嵌する電機子コイル21を有している。リニ
アモータLMa、LMbは、いわゆるムービングコイル
型のリニアモータである。
【0046】リニアモータLMaの電機子コイル21に
通電すると、コイル21に流れる電流と、シャフト部材
10に形成されている界磁マグネットの形成する磁界と
の相互作用によって、電機子コイル21を有する可動子
2を固定子1に沿って駆動することができる。同様に、
リニアモータLMbの電機子コイル21に通電すると、
その可動子2を固定子1に沿って駆動することができ
る。
【0047】スライダSL1には、光学部品として、原
稿台ガラスGL上に載置される原稿に光を照射するため
の照明ランプLPと、原稿からの反射光をスライダSL
2の方に導くための反射ミラーm1とが搭載されてい
る。照明ランプLPは、本例では蛍光灯である。スライ
ダSL1の可動子2が取り付けられている端部との反対
側の端部には、ローラrが設けられている。ローラr
は、原稿台ガラスGL及び固定子1に平行に配置された
板状のガイド部材G上を転動できる。これらによって、
スライダSL1は、その姿勢を保ちつつ移動することが
できる。
【0048】スライダSL2には、光学部品として、ス
ライダSL1上の反射ミラーm1から導かれた画像光を
読み取りユニット8に導くための反射ミラーm2、m3
が搭載されている。スライダSL2も前記スライダSL
1と同様の位置にローラrを有し、姿勢を保ちつつ移動
することができる。読み取りユニット8は、スライダS
L2上の反射ミラーm3から導かれた画像光を結像する
ためのレンズ81や、該結像された画像光を読み取るた
めのCCD82を有している。なお、このようなユニッ
ト8に代えて、ミラーm3からの光を画像形成用の感光
体に導く反射手段を設ける等により、アナログ複写機に
適用可能の画像読み取り装置とすることもできる。
【0049】原稿台ガラスGL上の所定の位置に載置さ
れる原稿の画像を読み取るときには、スライダSL1上
の照明ランプLPを点灯させて、スライダSL1、SL
2をそれぞれに連結されたリニアモータLMa、LMb
によって、原稿台ガラスGLに平行に駆動して、原稿全
体を走査する。スライダSL1とスライダSL2とは、
例えばこれらの速度比が2:1となるように駆動され
る。このとき、照明ランプLPから照射され、原稿によ
って反射された光はミラーm1、m2、m3によって、
順次読み取りユニット8に導かれる。読み取りユニット
8においては、原稿からの反射光が結像レンズ81によ
って、CCD82上に結像され、CCD82によって原
稿画像が順次読みとられる。
【0050】次に、スライダSL1、SL2を駆動する
ために各スライダに連結されているリニアモータLM
a、LMbについて詳しく説明する。前述のように、こ
れらリニアモータは、これらそれぞれの可動子2に取り
付けられている電気回路基板に形成されている回路の一
部が異なる以外は、実質的に同じ構成のリニアモータで
あるので、以下においては、リニアモータLMaを例に
とって、これらのリニアモータについて説明する。
【0051】図4に、リニアモータLMaの概略斜視図
を示す。図5に、リニアモータLMaの一部を断面で示
す概略側面図を示す。図6に、リニアモータLMaの図
5に示すZ−Z線に沿う概略断面図を示す。図4から図
6に示すリニアモータLMaは、いわゆるシャフト型の
リニアモータである。
【0052】リニアモータLMaは、前述のように界磁
用のマグネットが形成されている直線棒状のシャフト部
材10と、これに外嵌する電機子コイル21とを有して
いる。リニアモータLMaは、界磁マグネットが形成さ
れたシャフト部材10を、定位置に配置する固定子と
し、電機子コイル21を固定子に沿って移動させる可動
子の主要部とする、いわゆるムービングコイル型のリニ
アモータである。リニアモータLMaは、さらにシャフ
ト部材10と平行に配置されるエンコーダスケール31
を有している。
【0053】シャフト部材10は、機械加工可能且つ着
磁可能の材料(例えば、Fe−Cr−Co系金属、マン
ガンアルミニウム(MnAl))からなる。シャフト部
材10は断面が円形に形成されており、その表面は平滑
に加工形成されている。シャフト部材10は、その長手
方向に沿って図7に示すような等ピッチの好ましくは略
矩形の磁束分布となるように着磁されている。これによ
り、シャフト部材10には、その長手方向に沿ってN極
とS極の磁極が同じ磁極幅(固定子長手方向の長さ)で
交互に並んだ界磁マグネット11が形成されている。界
磁マグネット11の各磁極の固定子長手方向の幅P
m は、本例では30mmである。
【0054】シャフト部材10は、水平方向に延びるよ
うにその両端部を図示を省略した支持手段によって支持
され、定位置に配置されている。このように定位置に配
置され、界磁マグネット11が形成されたシャフト部材
10は、リニアモータLMaの固定子1を構成してい
る。電機子コイル21は、本例では、U、V及びW相の
3つのコイルを1組とするコイル群を2組有しており、
第1組のコイル群、第2組のコイル群の順に、固定子長
手方向に配置されている。第1組のコイル群は、コイル
U1、LV1及びLW1からなり、この順に固定子長手方向
に配置されている。第2組のコイル群は、コイルLU2
V2及びLW2からなり、この順に固定子長手方向に配置
されている。いずれの組の各コイルもリング状であり、
固定子1に外嵌するように配置されている。これらコイ
ルは、それには限定されないが本例では、それぞれ磁極
ピッチPm の1/3の幅に形成されている。これらコイ
ルのうちいずれの隣合う二つのコイルも、それらの中心
位置が固定子長手方向にPm /3ずつずらして配置され
ている。電機子コイル21を構成するこれら各コイル
は、本例では、その外周面を接着剤によってコーティン
グするようにして固着されており、一体化されている。
【0055】電機子コイル21は、固定子1に外嵌し、
一つの面(下側の面)が開口する中空直方体状のフレー
ム22の中空部分に内蔵されており、フレーム22の内
周面に支持されている。電機子コイル21とフレーム2
2とは一体化している。フレーム22には、その固定子
長手方向における両端部に、固定子1に外嵌し、摺動可
能な軸受け221が設けられており、かかる軸受け22
1によって、一体化された電機子コイル21やフレーム
22は固定子1に沿って滑らかに移動できる。一体化さ
れた電機子コイル21とフレーム22とは、リニアモー
タLMaの可動子2を構成している。
【0056】可動子2のフレーム22の下部には、その
開口する面を覆うように、電気回路基板23が取り付け
られている。電機子コイル21の各コイルの両端子21
1は、電気回路基板23に接続されていて、これら各コ
イルを所定の結線状態にするための基板23上の配線パ
ターンに電気的に接続されている。なお、電気回路基板
23に形成されている配線パターン及び各コイルにより
形成される電気回路については後述する。
【0057】磁極の極性に応じた電気信号を出力するこ
とができる磁電変換素子の一種であるホール素子が、電
機子コイル21の各コイルと界磁マグネット11の磁極
との固定子長手方向における位置関係を検出し、その位
置と各コイルが対向する界磁マグネット11の磁極の極
性とに応じてコイル通電を行うために設けられている。
ホール素子は、電機子コイル21の外周側における界磁
マグネット11に臨む位置であって、固定子長手方向に
おける次の位置に配置されている。すなわち、固定子1
の長手方向において、コイルLU1の中心位置から図5中
右側にPm /6ずらした位置にホール素子h1 が配置さ
れている。同様に、コイルLV1の中心位置から図5中右
側にPm /6ずらした位置にホール素子h2 が配置され
ており、コイルLW1の中心位置から図5中右側にPm
6ずらした位置にホール素子h3が配置されている。
【0058】これらホール素子は、前述の電気回路基板
23に支持されている。さらに言うと、これらホール素
子は、電気回路基板23の界磁マグネット11に臨む側
の面において支持されている。電気回路基板23には、
図8に示すようにその四隅に孔231が設けられてい
る。これら孔231を通して、ネジSをフレーム22に
螺合させることによって、前述のように電気回路基板2
3はフレーム22に取り付けられている。孔231は、
固定子長手方向に延びる長孔であり、これにより電気回
路基板23の固定子長手方向におけるフレーム22に対
する取付け位置を調整することができる。これらによ
り、ホール素子h1 、h2 、h3 の固定子長手方向にお
けるコイルL U1、LV1、LW1に対する位置関係を、上記
の位置関係になるように容易に調整することができる。
なお、電気回路基板23には、これら各ホール素子の出
力信号を二値化処理などする界磁マグネット信号処理回
路が形成されており、これら各ホール素子の出力信号ラ
インはかかる界磁マグネット信号処理回路に接続されて
いる。かかる界磁マグネット信号処理回路については後
述する。
【0059】エンコーダスケール31は、本例では光学
式のものであり、図4に示すように固定子長手方向に光
高反射率面311と光低反射率面312とが交互に固定
子長手方向に並んだものである。本例においては、これ
ら反射率の異なる二つの面は100μmピッチにて固定
子長手方向に並んでいる。エンコーダスケール31は、
両端部を図示を省略した支持手段により支持され、可動
子2の鉛直方向下側の定位置に配置されている。
【0060】可動子2上には、エンコーダスケール31
に臨む位置に光センサ41が配置されている。さらに詳
しく言うと、光センサ41は、可動子2のフレーム22
に取り付けられている電気回路基板23のホール素子h
1 、h2 、h3 が配置されている面とは反対側の下側の
面上に配置されている。光センサ41は、本例では、エ
ンコーダスケール31に向けて光を照射する発光素子
(本例では発光ダイオード)411と、発光素子411
から照射され、スケール31により反射された光を受光
して、その光量に応じた電気信号を出力することができ
る光電変換素子の一つであるフォトダイオード412と
を含んでいる。なお、電気回路基板23には、フォトダ
イオード412の出力信号を二値化処理などするエンコ
ーダ信号処理回路が形成されており、フォトダイオード
412の出力信号ラインはかかるエンコーダ信号処理回
路に接続されている。かかるエンコーダ信号処理回路に
ついては後述する。
【0061】図9に、電気回路基板23に形成されてい
る電気的な回路の概略ブロック図を示す。前述のように
電気回路基板23においては、電機子コイル21の各コ
イルが、電気回路基板23に形成されている配線パター
ンによって所定の結線状態に結線されている。また、電
気回路基板23には、光センサ41のフォトダイオード
412からの出力信号を二値化することができるエンコ
ーダ信号処理回路51、及びホール素子h1 、h2 、h
3 の各出力信号を二値化することができる界磁マグネッ
ト信号処理回路52が形成されている。また、これらエ
ンコーダ信号処理回路51、界磁マグネット信号処理回
路52から出力されるエンコーダ信号や界磁マグネット
信号などに基づき、電機子コイル21への通電を制御す
るモータ駆動制御回路6が形成されている。モータ駆動
制御回路6は、いわゆるモータドライブICを含んでい
る。
【0062】照明ランプLPを搭載するスライダSL1
に連結されたリニアモータLMaの可動子2に取り付け
られる電気回路基板23には、さらに、照明ランプLP
を点灯するためのランプ点灯回路53が形成されてい
る。スライダSL2に連結されたリニアモータLMbの
可動子2に取り付けられる電気回路基板には、このラン
プ点灯回路53以外の上記した回路が形成されている。
すなわち、スライダSL1に連結されたリニアモータL
Maの電気回路基板と、スライダSL2に連結されたリ
ニアモータLMbの電気回路基板の違いは、ランプ点灯
回路53の有無である。
【0063】可動子2上の電気回路基板23に形成され
ているモータ駆動制御回路6及びランプ点灯回路53
は、可動子2外の定位置に配置されて、画像読み取り装
置の全体を制御するシステム制御部9からの指令に基づ
き、モータの駆動を行ったり、照明ランプLPを点灯さ
せたりする。可動子2外のシステム制御部9と、可動子
2上の電気回路基板23に形成された回路とは、ハーネ
ス71により接続されている。ハーネス71は、雌雄一
対のコネクタ72により電気回路基板23に接続されて
いる。
【0064】本例においては、ハーネス71により、次
の信号などが伝送される。一つには、電気回路基板23
に形成された回路(ホール素子や光センサ41を含む)
への電源電圧の供給が行われる。また、システム制御部
9からモータ制御回路6へは、モータの駆動をスタート
又はストップする旨を示す信号(スタート・ストップ信
号)、駆動方向を示す信号(駆動方向信号)、基準クロ
ック信号が伝送される。さらに、システム制御部9から
ランプ点灯回路53へは、照明ランプを点灯又は消灯す
る旨の信号(ランプ点灯・消灯信号)が伝送される。
【0065】次に、電気回路基板23上の上記各回路に
ついて順に説明する。電機子コイル21の第1組のU相
コイルLU1、V相コイルLV1及びW相コイルLW1と、第
2組のU相コイルLU2、V相コイルLV2、W相コイルL
W2とは、次のように結線されている。すなわち、各組の
U相コイル同士、V相コイル同士、W相コイル同士はそ
れぞれ並列に接続されており、そしてこれら並列に接続
されたコイルがスター結線されている。なお、図9中各
コイル横の黒丸は、固定子1に対する巻き線方向の違い
を示している。電流の流れる向きのコイル入口側に黒丸
が描かれているときと、電流の流れる向きのコイル出口
側に黒丸が描かれているときとでは、固定子1に対する
電流の流れる方向は反対になる。
【0066】各コイルを半田付け等によって上記の結線
状態にする場合に比べて、本例のように電気回路基板2
3に設けた配線パターンによって結線すると、容易に上
記の結線状態にすることができる。各コイルを半田付け
等によって上記の結線状態にするときには、結線箇所に
よっては何本もの線が集まって、結線しにくく、作業が
難しい。また、電気回路基板23を用いて結線したこと
によって、各コイルの結線を間違えることも少なくな
る。
【0067】エンコーダ信号処理回路51は、光センサ
41のフォトダイオード412から出力される電気信号
を二値化処理してデジタル信号(二値信号)に変換する
ための回路である。エンコーダ信号処理回路51を図1
0に示す。前記光センサ41は、発光素子411とフォ
トダイオード412とがワンパッケージ化されたもので
あり、光電変換素子であるフォトダイオード412を二
つ有している。これら二つのフォトダイオード412
は、互いに90°位相のずれた信号を出力するように、
固定子長手方向においてエンコーダスケール31のピッ
チの1/2ずらして配置されている。なお、図5におい
ては、フォトダイオード412の一つは図示が省略され
ている。そして、光センサ41からは、互いに90°位
相のずれた信号として、A相信号とB相信号とが出力さ
れる。また、光センサ41からは、これらA相信号、B
相信号と互いに反転した信号が、それぞれA/相信号、
B/相信号として出力される。A相信号とA/相信号と
は、コンパレータ511によって二値化され、デジタル
信号に変換される。B相信号とB/相信号とは、コンパ
レータ512によって二値化され、デジタル信号に変換
される。なお、コンパレータ511、512は、本例で
は日本電気(株)製、μPC393を採用している。
【0068】エンコーダ信号処理回路51によって二値
化(デジタル化)された信号に基づき、可動子2の位置
検出、速度検出、駆動制御を行うことができる。本例に
おいては、モータ駆動制御回路6において後述するよう
にPLL制御(位相同期制御)に利用される。界磁マグ
ネット信号処理回路52は、ホール素子h1 、h2 、h
3 から出力される各電気信号を二値化処理してデジタル
信号に変換するための回路である。界磁マグネット信号
処理回路52を図11に示す。
【0069】本例においては、ホール素子h1 の出力信
号は、増幅器521により増幅され、シュミットトリガ
回路522によりヒステリシス特性を持たせて二値化し
て、トランジスタ523を介して界磁マグネット信号と
して出力される。なお、ホール素子h1 には安定化電源
524を介して電源電圧が供給されている。界磁マグネ
ット信号処理回路52は、このような回路を各ホール素
子に対して有している。
【0070】界磁マグネット信号処理回路52によって
二値化(デジタル化)された界磁マグネット信号に基づ
き、本例では、後述するようにモータ駆動制御回路6に
おいて電機子コイル21への通電制御が行われる。ホー
ル素子と界磁マグネット信号処理回路に代えて、これら
がワンチップ化(ワンパッケージ化)されたホールIC
を採用してもよい。例えば、図11に示すホール素子と
界磁マグネット信号処理回路とを含むホールICとし
て、松下電器産業(株)製、DN6846Sを採用する
ことができる。
【0071】図12に、前記モータ駆動制御回路6の内
部構成の一例の概略ブロック図を示す。モータ駆動制御
回路6は、PLL制御回路部(位相同期制御回路部)6
2、補償回路部63及び通電制御回路部64を有してい
る。PLL制御回路部62には、システム制御部9から
リニアモータ可動子2の目的とする速度に応じた周波数
の基準クロック信号が入力される。
【0072】PLL制御回路部62には、さらに、光セ
ンサ41から出力され、エンコーダ信号処理回路51に
より二値化されたエンコーダ信号が、可動子2の実際の
移動速度を示す信号としてフィードバック入力される。
PLL制御回路部62においては、システム制御部9か
らの基準クロック信号とエンコーダ信号処理回路51か
らの移動速度を示すエンコーダ信号との位相差に応じた
信号が補償回路部63に出力される。
【0073】補償回路部63においては、伝達系の進み
遅れ補償が行われ、基準クロック信号と移動速度信号と
の位相差に応じた補償された信号は、通電制御回路部6
4に入力される。通電制御回路部64は、かかる補償さ
れた信号に応じた一定電流を、各ホール素子から出力さ
れ、界磁マグネット信号処理回路によって二値化された
界磁マグネット信号に基づき、図13及び図14に示す
タイミングにて各コイルに通電する。これにより、各相
のコイルには、目的とする速度に応じた基準クロック信
号と可動子2の実際の移動速度に応じた信号との、位相
を合わせるような電流が流されるため、可動子2を目的
とする速度にて駆動することができる。
【0074】なお、図13は、可動子2を図5中左方向
に駆動するときの各コイルへの通電タイミングを示して
おり、図14は、可動子2を図5中右方向に駆動すると
きの各コイルへの通電タイミングを示している。このよ
うなタイミングにて通電すると、各コイルには、それぞ
れそのコイルの固定子1長手方向における中心位置が、
界磁マグネット11の磁極の該方向における駆動方向上
流端よりPm /6駆動方向に進んだ位置から、さらに2
m /3駆動方向に進んだ位置までの間、そのコイルが
対向する磁極の極性に応じて、そのコイルが駆動方向に
電磁力を発生する向きの一定電流が流されることにな
る。したがって、各コイルに通電されるときには、その
コイルの全ての部分が一方の極性の磁極(N極又はS
極)に対向する位置にあり、N極及びS極の両極に跨が
っていない。これにより、各コイルに通電される電流
は、可動子2を駆動したい方向とは逆の方向に駆動する
推力には変換されず、全てが可動子2を駆動したい方向
に駆動する推力に変換されるので、効率がよい。また、
同様の理由により、可動子2が固定子1に沿って移動す
るとき、その推力の変動もほとんどない。
【0075】図15に、このようなモータ駆動制御回路
をより具体的に示す。図15に示すモータ駆動制御回路
は、前述のPLL制御回路部62や補償回路部63を含
んだモータドライブICを中心に構成されている。な
お、本例ではモータドライブICとして、三洋電機
(株)製、LB1823を採用している。以上説明した
ように、本発明のリニアモータLMa、LMbにおいて
は、可動子2に取り付けられる電気回路基板23に、モ
ータドライブICを含むモータ駆動制御回路を形成した
ことにより、可動子2上に配置されるホール素子からの
界磁マグネット信号や、可動子2上に配置される光セン
サ41からのエンコーダ信号は、可動子2上の同一回路
基板内において伝送すれば足り、その伝送距離を短くす
ることができる。したがって、これら信号へのノイズの
影響を抑制することができ、それだけ正確な情報伝達を
行うことができる。これにより、リニアモータの可動子
2を精度良く駆動することができ、各スライダは精度良
く駆動され、それだけ良好な画像読み取りを行うことが
できる。従来のようにモータ駆動制御回路が可動子外の
定位置に配置される場合には、これら信号は、少なくと
も可動子可動長程度の距離を引き回されるハーネスによ
って、かかるハーネス長の長い距離を伝送する必要があ
り、ノイズに弱かった。
【0076】また、これらの信号は、従来のように可動
子2外へ引き出す必要がなくなったため、可動子2から
引き出されるハーネス71のケーブル数を減らすことが
できる。同様に、電機子コイル21とモータ駆動制御回
路6とを接続する線も、可動子2外へ引き出す必要がな
いため、これによっても可動子2から引き出されるハー
ネス71のケーブル数を減らすことができる。
【0077】このように可動子2から引き出されるハー
ネス71のケーブル数は従来より少ないため、ハーネス
71はそれだけ装置内において引き回しやすく、リニア
モータの動作信頼性も向上する。ハーネス71のケーブ
ル数が削減されたため、それだけ低コストになる。電機
子コイル21とモータ駆動制御回路6との接続は、同一
回路基板内において行われるため、その配線距離は短く
てすむ。従来のように、可動子から引き出される長いハ
ーネスによって接続するときには、電機子コイル21の
コイル抵抗は数Ω程度であるため、また、かかるハーネ
スには大電流が流れるため、かかるハーネス(各ケーブ
ル)の電気抵抗によって、各コイルには設計どおりの電
流が流れないことがあり、所定の駆動力が得られないこ
とがあった。したがって、かかるハーネスの抵抗値も考
慮して、コイル設計等もしなければならず、手間がかか
ったが、本発明のように同一回路基板内において短い配
線距離にて電機子コイル21とモータ駆動制御回路6と
を接続すると、これらの間の配線抵抗もほとんど問題に
ならない。また、かかる大電流が流れるハーネスを装置
内において、引き回す必要がないため、それだけ信頼性
が高い。
【0078】照明ランプLPを点灯させるためのランプ
点灯回路53を、可動子2上の電気回路基板23に形成
したため、従来のようにランプ点灯回路を可動子外の定
位置に配置する場合に比べて、両者を結ぶハーネスを短
くできる。かかるハーネスには、本例のように照明ラン
プLPが蛍光灯の場合には、高周波の大電流が流れるた
め、ノイズ源となってしまうが、かかるハーネスは短
く、また、可動子2から可動子外に引き出されるハーネ
ス71とは並行して配置されないので、それだけノイズ
の影響を抑制できる。
【0079】なお、ランプ点灯回路53から発生するノ
イズが、電器回路基板23上の他の回路(モータ駆動制
御回路6、エンコーダ信号処理回路51、界磁マグネッ
ト信号処理回路52など)に与える影響を抑制するため
に、ランプ点灯回路53と基板23上の他の回路とを分
けるように電磁シールド手段を基板23上に設けてもよ
い。
【0080】可動子から引き出されるハーネス71は、
図5に示すように、固定子長手方向、換言すれば可動子
移動方向に引き出されているため、ハーネス71は引き
回しやすく、ハーネス71に無理な力がかかったりし
て、ハーネス71が切れたりすることが抑制でき、それ
だけ長期にわたり安定して信号伝送等を行うことができ
る。このようにハーネス71を可動子移動方向に引出し
やすくするために、コネクタ72は電気回路基板23上
において、可動子移動方向における端部に設けられてい
る。
【0081】また、ホール素子h1 、h2 、h3 が配置
される電気回路基板23は、前述のように基板23に設
けた長孔231によって固定子長手方向における電機子
コイル23に対する位置を調整して、上記の位置に正確
に合わせることができるので、これらホール素子によっ
て、通電を開始すべき位置である各コイルの固定子1長
手方向における中心位置が、界磁マグネット11の磁極
の該方向における駆動方向上流端よりPm /6駆動方向
に進んだ位置、及び通電を停止すべき位置であるさらに
2Pm /3駆動方向に進んだ位置を正確に検出すること
ができる。電機子コイル21の各コイルと各ホール素子
との固定子長手方向における位置関係が前記した位置関
係からずれていると、各コイルにはN極とS極の両極に
跨がっているときに通電されてしまうときがあり、推力
変動が大きくなって、リニアモータを精度良く駆動でき
ない。
【0082】電気回路基板23は、可動子2の鉛直方向
下側、さらに言うと、電機子コイル21の下側に配置さ
れているため、通電によって発熱する電機子コイル21
からの熱による電気回路基板23上の電子部品、電気回
路への影響を抑制できる。本例のように、ホール素子が
電機子コイル21の外周側に配置され、ホール素子が電
機子コイル21の内周側に配置されるときに比べて、界
磁マグネット11から遠い位置に配置されている場合に
は、ホール素子として、GaAs系ホール素子に比べて
出力信号が大きいInSb系ホール素子が採用されるこ
とがある。この場合、GaAs系ホール素子に比べてI
nSb系ホール素子は、出力信号が大きい反面温度特性
が悪いが、上記のようにホール素子は、電機子コイル2
1からの熱の影響を受けがたい位置に配置されているた
め、ホール素子によりそれだけ精度のよい磁極の極性検
出を行うことができる。
【0083】電気回路基板23としては、いわゆる両面
基板を採用したため、前述のようにホール素子h1 、h
2 、h3 と、光センサ41とをそれぞれ基板23の表裏
の各面に配置することができた。これにより、基板23
はコンパクトにすることができ、それだけ可動子2全体
をコンパクト化することができる。電気回路基板23と
しては、片面基板を採用してもよい。片面基板にする
と、基板23を低コストにできる。基板23を片面基板
にするときには、例えば図16に示すようにホール素
子、光センサ、エンコーダスケールを基板片面に配置す
ればよい。ホール素子は、電気回路基板23の図5等に
示す位置と同様の位置に配置されており、光センサ41
は、基板23のホール素子が配置されている面と同じ側
の面に配置されている。この場合もエンコーダスケール
31は、固定子1と平行に、光センサ41に臨む位置に
配置されている。
【0084】以上説明したように本発明のリニアモータ
LMa、LMbにおいては、電機子コイル21への通電
制御のために可動子2上に配置される界磁マグネット用
のホール素子h1 、h2 、h3 やエンコーダ用の光セン
サ41からの出力信号へのノイズの影響を抑制でき、モ
ータ駆動制御回路6にそれだけ正確な界磁マグネット情
報やエンコーダ情報を伝達することができる。これによ
り、可動子2を精度良く駆動することができる。したが
って、かかるリニアモータLMa、LMbをそれぞれス
ライダSLI、SL2の駆動に利用する本発明の画像読
み取り装置においては、ノイズの影響を抑制してスライ
ダを精度良く駆動でき、それだけ良好な画像読み取りを
行うことができる。
【0085】なお、エンコーダとしては、光学式で反射
式のエンコーダを採用したが、透過式のものを採用して
もよい。また、磁気式のエンコーダを採用してもよい。
エンコーダを磁気式とする場合には、エンコーダスケー
ルは、N極の磁極とS極の磁極とが固定子長手方向に交
互に並ぶものとし、光センサに代えて、磁気抵抗素子
(MR素子)等の磁電変換素子を採用すればよい。磁気
抵抗素子の出力信号を二値化するための回路の一例を図
17に示す。
【0086】図17に示すMR素子530からは180
°位相の異なる二つの信号が出力される。かかる二つの
信号は、差動増幅器531により差動増幅され、コンパ
レータ532により二値化されてデジタル信号に変換さ
れる。
【0087】
【発明の効果】本発明によると、N極の磁極とS極の磁
極とが所定方向に直線状に交互に並ぶ界磁マグネットを
有する固定子と、前記界磁マグネットに臨む電機子コイ
ルを有し、前記固定子に沿って移動することができる可
動子とを備えるタイプのリニアモータ、換言すれば、い
わゆるムービングコイル型のリニアモータであって、可
動子から引き出されるハーネスのケーブル数を少なくで
き、それだけハーネスを引き回しやすいリニアモータを
提供することができる。
【0088】また、本発明によると、上記ムービングコ
イル型のリニアモータであって、電機子コイルの通電制
御のために可動子上に配置される界磁マグネット用のセ
ンサやエンコーダ用のセンサからの出力電気信号が、ノ
イズにより影響されるのを抑制でき、それだけ精度よく
可動子を駆動することができるリニアモータを提供する
ことができる。
【0089】また、本発明によると、上記ムービングコ
イル型のリニアモータを、原稿画像を光学的に走査する
ために、照明ランプ等の光学部品を搭載して直線的に移
動させるスライダの駆動に利用する画像読み取り装置で
あって、可動子から引き出されるハーネスのケーブル数
を少なくでき、それだけハーネスを引き回しやすい画像
読み取り装置を提供することができる。
【0090】また、本発明によると、上記ムービングコ
イル型のリニアモータをスライダの駆動に利用する画像
読み取り装置であって、電機子コイルの通電制御のため
に可動子上に配置される界磁マグネット用のセンサやエ
ンコーダ用のセンサからの出力電気信号が、ノイズによ
り影響されるのを抑制して、精度よくリニアモータの可
動子を駆動でき、それだけ良好な画像読み取りを行うこ
とができる画像読み取り装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像読み取り装置の一例の概略平
面図である。
【図2】図1に示すX−X線に沿う画像読み取り装置の
概略断面図である。
【図3】図1に示すY−Y線に沿う画像読み取り装置の
概略断面図である。
【図4】本発明に係るリニアモータの一例の概略斜視図
である。
【図5】図4のリニアモータの一部断面概略側面図であ
る。
【図6】図5に示すZ−Z線に沿うリニアモータの概略
断面図である。
【図7】界磁マグネットが形成する固定子長手方向にお
ける磁束分布の一例である。
【図8】電気回路基板を可動子のフレームに取り付ける
様子を示す図である。
【図9】リニアモータの電気回路基板上の回路の一例の
概略ブロック図である。
【図10】エンコーダ信号処理回路の一例を示す図であ
る。
【図11】界磁マグネット信号処理回路の一例を示す図
である。
【図12】モータ駆動回路の一例の概略ブロック図であ
る。
【図13】図5のリニアモータの可動子を図5中左方向
に駆動するときの、各ホール素子の検出磁極と、各コイ
ルへの通電タイミングとの関係を示す図である。
【図14】図5のリニアモータの可動子を図5中右方向
に駆動するときの、各ホール素子の検出磁極と、各コイ
ルへの通電タイミングとの関係を示す図である。
【図15】モータ駆動回路のより具体的な回路の一例を
示す図である。
【図16】本発明に係るリニアモータの他の例の概略断
面図である。
【図17】エンコーダ信号処理回路の他の例を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 固定子 10 シャフト部材 11 界磁マグネット 2 可動子 21 電機子コイル 22 フレーム 221 軸受け 23、24 電気回路基板 31 光学式エンコーダスケール 41 光センサ 411 発光素子 412 フォトダイオード(光電変換素子) 51 エンコーダ信号処理回路 52 界磁マグネット信号処理回路 6 モータ駆動制御回路 h1 、h2 、h3 ホール素子(磁電変換素子) 71 ハーネス 72 コネクタ

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】N極の磁極とS極の磁極とが所定方向に直
    線状に交互に並ぶ界磁マグネットを有する固定子と、前
    記界磁マグネットに臨む電機子コイルを有し、前記固定
    子に沿って移動することができる可動子とを備えるリニ
    アモータであって、 前記電機子コイルに通電して前記可動子を駆動するため
    の駆動回路を備えており、 前記駆動回路は、前記可動子上に配置される電気回路基
    板に形成されていることを特徴とするリニアモータ。
  2. 【請求項2】前記電機子コイルは2以上の単コイルから
    なり、該各コイルは前記電気回路基板に電気的に接続さ
    れており、該各コイルは、該電気回路基板によって所定
    の結線状態に結線されている請求項1記載のリニアモー
    タ。
  3. 【請求項3】前記可動子上の前記界磁マグネットに臨む
    位置に配置される界磁マグネット用磁電変換素子と、 前記界磁マグネット用磁電変換素子の出力する電気信号
    を二値化処理することができる界磁マグネット信号処理
    回路とを備えており、 前記界磁マグネット信号処理回路は前記電気回路基板に
    形成されている請求項1又は2記載のリニアモータ。
  4. 【請求項4】前記界磁マグネット用磁電変換素子及び界
    磁マグネット信号処理回路として、ホールICが採用さ
    れている請求項3記載のリニアモータ。
  5. 【請求項5】前記界磁マグネット用磁電変換素子は前記
    電気回路基板上に配置されている請求項3又は4記載の
    リニアモータ。
  6. 【請求項6】前記電気回路基板は、前記電機子コイルに
    対する前記固定子長手方向における位置が調整できるよ
    うに前記可動子上に設けられている請求項5記載のリニ
    アモータ。
  7. 【請求項7】前記固定子の長手方向に延び、定位置に配
    置されるエンコーダスケールと、 前記可動子上であって、前記エンコーダスケールに臨む
    位置に配置されるエンコーダ用センサと、 前記エンコーダ用センサの出力する電気信号を、二値化
    処理することができるエンコーダ信号処理回路とを備え
    ており、 前記エンコーダ信号処理回路は前記電気回路基板上に形
    成されている請求項1から6のいずれかに記載のリニア
    モータ。
  8. 【請求項8】前記エンコーダ用センサは、前記電気回路
    基板により支持されている請求項7記載のリニアモー
    タ。
  9. 【請求項9】前記電気回路基板への入出力用ハーネス
    は、該電気回路基板の前記固定子長手方向における端部
    から、該固定子長手方向に引き出されている請求項1か
    ら8のいずれかに記載のリニアモータ。
  10. 【請求項10】原稿画像を光学的に走査して読み取るた
    めの画像読み取り装置であって、 原稿画像を光学的に走査するために照明ランプを含む光
    学部品を搭載し、所定方向に直線的に駆動されるスライ
    ダと、 前記照明ランプを点灯するためのランプ点灯回路と、 N極の磁極とS極の磁極とが前記所定方向に直線状に交
    互に並ぶ界磁マグネットを有する固定子と、 前記界磁マグネットに臨む電機子コイルを有し、前記固
    定子に沿って移動することができ、前記スライダに結合
    された可動子と、 前記電機子コイルに通電して前記可動子を駆動するため
    の駆動回路とを備えており、 前記ランプ点灯回路及び前記駆動回路は、前記可動子上
    に配置される電気回路基板に形成されていることを特徴
    とする画像読み取り装置。
  11. 【請求項11】前記電機子コイルは2以上の単コイルか
    らなり、該各コイルは前記電気回路基板に電気的に接続
    されており、該各コイルは、該電気回路基板によって所
    定の結線状態に結線されている請求項10記載の画像読
    み取り装置。
  12. 【請求項12】前記可動子上の前記界磁マグネットに臨
    む位置に配置される界磁マグネット用磁電変換素子と、 前記界磁マグネット用磁電変換素子の出力する電気信号
    を二値化処理することができる界磁マグネット信号処理
    回路とを備えており、 前記界磁マグネット信号処理回路は前記電気回路基板に
    形成されている請求項10又は11記載の画像読み取り
    装置。
  13. 【請求項13】前記界磁マグネット用磁電変換素子及び
    界磁マグネット信号処理回路として、ホールICが採用
    されている請求項12記載の画像読み取り装置。
  14. 【請求項14】前記界磁マグネット用磁電変換素子は前
    記電気回路基板上に配置されている請求項12又は13
    記載の画像読み取り装置。
  15. 【請求項15】前記電気回路基板は、前記電機子コイル
    に対する前記固定子長手方向における位置が調整できる
    ように前記可動子上に設けられている請求項14記載の
    画像読み取り装置。
  16. 【請求項16】前記固定子の長手方向に延び、定位置に
    配置されるエンコーダスケールと、 前記可動子上であって、前記エンコーダスケールに臨む
    位置に配置されるエンコーダ用センサと、 前記エンコーダ用センサの出力する電気信号を、二値化
    処理することができるエンコーダ信号処理回路とを備え
    ており、 前記エンコーダ信号処理回路は前記電気回路基板上に形
    成されている請求項10から15のいずれかに記載の画
    像読み取り装置。
  17. 【請求項17】前記エンコーダ用センサは前記電気回路
    基板により支持されている請求項16記載の画像読み取
    り装置。
  18. 【請求項18】前記電気回路基板への入出力用ハーネス
    は、該電気回路基板の前記固定子長手方向における端部
    から、該固定子長手方向に引き出されている請求項10
    から17のいずれかに記載の画像読み取り装置。
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