JPH11162513A - ポリマー電解質及びこれを用いたリチウム二次電池 - Google Patents

ポリマー電解質及びこれを用いたリチウム二次電池

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JPH11162513A
JPH11162513A JP9326546A JP32654697A JPH11162513A JP H11162513 A JPH11162513 A JP H11162513A JP 9326546 A JP9326546 A JP 9326546A JP 32654697 A JP32654697 A JP 32654697A JP H11162513 A JPH11162513 A JP H11162513A
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mol
copolymer elastomer
polymer electrolyte
elastomer
polymer
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JP9326546A
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English (en)
Inventor
Takayuki Nakamura
隆之 中村
Tadashi Ino
忠 伊野
Kenji Ichikawa
賢治 市川
Yoshihide Tohata
好秀 東畑
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電解液を保持する能力が高くかつ十分な膜強度
を有するリチウム二次電池用高分子ゲル電解質及びそれ
を用いたリチウム二次電池を提供する。 【解決手段】極限粘度〔η〕(ml/g)が0.1〜3
50である含フッ素共重合体エラストマーに非水電解液
を含浸させゲル状にしたポリマー電解質及びそれを用い
たリチウム二次電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリマー電解質お
よびこれを用いたリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年オーディオテープレコーダー、カメ
ラ一体型ビデオテープレコーダー、パーソナルコンピュ
ーター、携帯電話等小型で携帯に適した精密電気・電子
機器の需要が益々増大している。これに伴って、これら
の駆動用電源を担う小型、軽量で且つ高エネルギー密度
を有する、充電可能ないわゆる二次電池が求められるよ
うになり、従来の鉛蓄電池やニッケル−カドミウム二次
電池以外に、ニッケル−水素系や、リチウム系等の新し
い高性能の二次電池が次々と商品化されている。
【0003】さらに、最近ではCO2排出量削減や大気
汚染防止といった環境問題改善のために、高性能二次電
池に対して大きな期待が寄せられている。具体的には、
電気自動車(EV)や電力供給の負荷平準化を目的とし
た、いわゆるロードコンディショナーが挙げられる。E
Vは、主に二次電池に蓄積された電気エネルギーで動力
を得るものであり、搭載される二次電池のエネルギー密
度によってその性能が決められるといっても過言ではな
い。また、ロードコンディショナーは夜間の過剰電力を
二次電池に蓄積し、昼間の電力不足時に放電させて使用
するものであるが、各々の建物内に設置される必要があ
り、大きなスペースがとれないため高いエネルギー密度
が要求される。
【0004】このような用途で特徴的なことは、一般に
大型の高性能二次電池が要求されることである。大型の
高性能二次電池は、大量のエネルギーを蓄積しているこ
とから特に高いレベルの安全性が求められる。
【0005】これらの新しい二次電池の中でも、特に負
極にリチウム金属やその合金あるいはリチウムイオンを
吸蔵・放出できる化合物を備えたいわゆるリチウム系二
次電池はそのエネルギー密度の高さから大きな期待を寄
せられている。
【0006】一般に二次電池は、負極と正極、及びイオ
ン伝導性を有する電解質(電解液)、さらに負極と正極
の短絡を防ぐためのセパレーターから構成される。上記
リチウム系二次電池は、非水電解液、即ち炭酸エステル
などの有機溶剤にリチウム塩を溶解させた溶液が用いら
れている。この非水電解液は本質的に可燃性であるた
め、安全性確保のための対策が重要である。
【0007】特にセパレーターは、負極と正極の短絡を
防止するという役割を有すると共に、電解液を電池系内
に安定に保持する機能をも有しており、安全性確保のた
めには最も重要な構成要素である。
【0008】現在最も一般的に用いられているセパレー
ターはポリエチレン、ポリプロピレンなどの炭化水素系
ポリオレフィン樹脂の多孔膜である。これらは融点以上
の高温で樹脂が溶解して細孔を塞ぐ、いわゆるシャット
ダウン機能を有しており、異常反応による電池の破裂を
防ぐことが可能である。しかしながらこれらポリオレフ
ィン樹脂は、電解液の保持性が不十分であり、電池外装
缶外部に電解液が染み出す、いわゆる液漏れの危険があ
る。
【0009】ポリオレフィン樹脂の表面をプラズマ処理
等により親水化する方法や界面活性剤を用いて電解液の
保持性を改善する方法が提案されているが、その効果は
十分とはいえない。
【0010】これらの問題点を本質的に解決する方法と
して、電解液を用いない、即ち電解液の代わりに固体電
解質を用いる試みがなされているが、電気伝導度が低い
ために大きな放電電流が得られないという欠点があり、
実用化には至っていない。
【0011】そこで、非水電解液に膨潤する樹脂をセパ
レーターとして用いることにより、本質的に電解液の保
持性を改善したいわゆる「高分子ゲル電解質」が注目さ
れている。高分子ゲル電解質に要求される特性は、以下
のようなものである。
【0012】(1)電解液を保持する能力が高く、かつ
リチウムイオンの伝導度を高くできること: (2)容易に薄膜状に加工でき、電池内で十分な膜強度
を有すること; (3)電池反応系内で化学的に安定なこと、特に酸化安
定性が高いこと;及び (4)熱的に安定で、高温での使用に耐えること。
【0013】現在のところ、ポリエチレンオキシドやポ
リプロピレンオキシド等のポリエーテル樹脂が高分子ゲ
ル電解質として広く検討されているが、(1)の特性が
不十分であり、電池性能及び安全性が十分に確保できて
いないのが実状である。
【0014】一般に、フッ素含有ポリマーは化学的、熱
的安定性に優れており、(3)、(4)の条件を満足し
たゲル電解質として優れた潜在能力を有していると考え
られる。
【0015】例えば、特表平8−507407号は、約
4〜12.5モル%(8〜25重量%)のヘキサフルオ
ロプロペンを共重合したビニリデン系共重合体を用いる
ポリマー電解質が記載されている。また、特開平9−2
2727号公報には、1.5〜20モル%(3〜40重
量%)のヘキサフルオロプロペンを共重合したビニリデ
ン系共重合体を用いるポリマー電解質が記載されてい
る。
【0016】しかしながら、これら公報に記載のポリマ
ー電解質は、ヘキサフルオロプロペンの共重合割合から
みて結晶性のポリマーであるため、フィルム強度には優
れるが、非水電解液の保持性に問題がある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、フィルム強
度と非水電解液の保持性の両方に優れたポリマー電解質
およびこれを用いたリチウム二次電池を提供することを
目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下のポリマ
ー電解質およびリチウム二次電池を提供するものであ
る。
【0019】項1. 極限粘度〔η〕(ml/g)が
0.1から350である含フッ素共重合体エラストマー
に非水電解液を含浸させゲル状にしたポリマー電解質。
【0020】項2. 含フッ素共重合体エラストマー
が、ビニリデンフルオライドから誘導される繰り返し単
位35〜85モル%、ヘキサフルオロプロペンから誘導
される繰り返し単位13〜45モル%、テトラフルオロ
エチレンから誘導される繰り返し単位0〜35モル%か
らなるビニリデン系共重合体エラストマーである項1に
記載のポリマー電解質。
【0021】項3. ビニリデン系共重合体エラストマ
ーの極限粘度〔η〕(ml/g)が100〜350であ
る項2に記載のポリマー電解質。
【0022】項4. ビニリデン系共重合体エラストマ
ーが、一般式: R(I)p(Br)q (1) 〔式中、Rは炭素数1〜16の飽和フルオロ炭化水素基
もしくはクロロフルオロ炭化水素基、または炭素数1〜
3の炭化水素基を示し、p、qは各々0、1または2の
整数を示し、p+q=2である。〕で示される化合物を
連鎖移動剤として用い、ラジカル重合によって得られる
項2に記載のポリマー電解質。
【0023】項5. ビニリデン系共重合体エラストマ
ーが、架橋されたものである項2〜4のいずれかに記載
のポリマー電解質。
【0024】項6. 項1〜4のいずれかに記載の含フ
ッ素共重合体エラストマーと、これと相溶し得るポリマ
ーとの混合物に非水電解液を含浸させゲル状にしたポリ
マー電解質。
【0025】項7. ビニリデン系共重合体エラストマ
ーが乳化重合法により得られる項2〜5のいずれかに記
載のポリマー電解質。
【0026】項8. 負極と正極との間に項1〜7のい
ずれかに記載のポリマー電解質を配したポリマ−リチウ
ム二次電池。
【0027】以下、本発明について具体的に説明する。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の含フッ素共重合体エラス
トマーは非晶質であり、その極限粘度〔η〕(ml/
g)は、好ましくは0.1〜350、より好ましくは1
00〜350である。極限粘度が0.1より低いと粘度
が低すぎてゲル状にならず、350より大きいと粘度が
大きすぎて取り扱いが困難となる。また、そのガラス転
移点は室温(25℃)以下のものである。
【0029】含フッ素共重合体エラストマーとしては、
具体的には下記の1)〜7)が挙げられる。
【0030】1)ビニリデンフルオライドから誘導され
る繰り返し単位35〜85モル%、好ましくは50〜8
0モル%、ヘキサフルオロプロペンから誘導される繰り
返し単位13〜45モル%、好ましくは20〜40モル
%、テトラフルオロエチレンから誘導される繰り返し単
位0〜35モル%、好ましくは0〜25モル%からなる
ビニリデン系共重合体エラストマー; 2)ビニリデンフルオライドから誘導される繰り返し単
位30〜70モル%、好ましくは40〜60モル%、テ
トラフルオロエチレンから誘導される繰り返し単位10
〜50モル%、好ましくは20〜40モル%、プロピレ
ンから誘導される繰り返し単位5〜35モル%、好まし
くは10〜30モル%からなり、ガラス転移温度が25
℃以下であるビニリデン系共重合体エラストマー; 3)ポリジメチルシロキサンにおいて、珪素に結合する
少なくとも一つのメチル基をフルオロアルキル基で置換
した含フッ素シリコンエラストマー(ここでフルオロア
ルキル基とは、−CH2(CF2nXで表され、n=1
〜4、XはHまたはFである); 4)ポリホスファゼンにおいて、リンに結合する少なく
とも一つのアルコキシ基がフルオロアルコキシ基である
含フッ素ホスファゼンエラストマー(ここで、フルオロ
アルコキシ基とは、−OCH2m2m+1(m=1、2、
3)、−OCH2CH2p2p+1(p=1〜10の整
数)で表されるものである); 5)ビニリデンフルオライドから誘導される繰り返し単
位50〜70モル%、好ましくは50〜60モル%、ヘ
キサフルオロプロペンから誘導される繰り返し単位15
〜30モル%、好ましくは20〜30モル%、エチレン
から誘導される繰り返し単位10〜40モル%、好まし
くは20〜30モル%からなるビニリデン系共重合体エ
ラストマー; 6)エチレンから誘導される繰り返し単位50〜75モ
ル%、好ましくは60〜75モル%、ヘキサフルオロプ
ロペンから誘導される繰り返し単位15〜45モル%、
好ましくは25〜40モル%、テトラフルオロエチレン
から誘導される繰り返し単位0〜15モル%、好ましく
は0〜10モル%からなるビニリデン系共重合体エラス
トマー; 7)ビニリデンフルオライドから誘導される繰り返し単
位35〜95モル%、好ましくは50〜80モル%、フ
ルオロビニルエーテルから誘導される繰り返し単位5〜
45モル%、好ましくは10〜30モル%、テトラフル
オロエチレンから誘導される繰り返し単位0〜35モル
%、好ましくは0〜25モル%からなるビニリデン系共
重合体エラストマー(ここで、フルオロビニルエーテル
とは、CF2=CFORfであり、Rfは、 −Cn2n+1(n=1,2,3)、 −〔CF2CF(CF3)O〕mn2n+1(m,n=1、
2、3)、 −CH2(CF2kX(X=HまたはF、k=1〜8の
整数)。
【0031】これらの含フッ素共重合体エラストマー
は、一般式(1)の連鎖移動剤を用いて乳化重合により
合成することも可能である。
【0032】たとえば、実質的に無酸素下で、水媒体中
で、ヨウ素化合物または臭素化合物、、好ましくはジヨ
ウ素化合物の存在下に、前記パーハロオレフィン、要す
れば硬化部位を与える単量体を加圧下で撹拌しながらラ
ジカル開始剤の存在下乳化重合を行う方法が挙げられ
る。
【0033】用いるジヨウ素化合物の代表例としては、
たとえば1,3−ジヨードパーフルオロプロパン、1,
4−ジヨードパーフルオロブタン、1,3−ジヨード−
2−クロロパーフルオロプロパン、1,5−ジヨード−
2,4−ジクロロパーフルオロペンタン、1,6−ジヨ
ードパーフルオロヘキサン、1,8−ジヨードパーフル
オロオクタン、1,12−ジヨードパーフルオロドデカ
ン及び1,16−ジヨードパーフルオロヘキサデカン、
ジヨードメタン、1,2−ジヨードエタンである。これ
らの化合物は単独で使用してもよく、相互に組み合わせ
て使用することもできる。なかでも、1,4−ジヨード
パーフルオロブタンが好ましい。ジヨウ素化合物の量
は、ビニリデン系共重合体エラストマー全重量に対して
0.01〜1重量%である。
【0034】また、前記ビニリデン系共重合体エラスト
マーには、ヨウ素を含む単量体を共重合することも可能
である。ヨウ素を含む単量体としては、パーフルオロビ
ニルエーテル化合物が、その共重合性から好適である。
たとえば、パーフルオロ(6,6ジヒドロ−6−ヨード
−3−オキサ−1−ヘキセン)や、パーフルオロ(5−
ヨード−3−オキサ−1−ペンテン)などが好適であ
る。
【0035】ビニリデン系共重合体エラストマーの架橋
体として、具体的には、前述の1)、2)、5)、
6)、7)に記載された含フッ素共重合体エラストマー
については、次のような方法で架橋により強度を高める
ことができる。
【0036】1)ポリアミン加硫、ポリオール加硫、パ
ーオキサイド加硫系が考えられ、受酸剤(酸化マグネシ
ウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム)、加硫剤
(ヘキサメチレンジアミン−カルバメート、ビスフェノ
ールAF、トリアリルイソシアヌレート+有機過酸化物
など)等をそれぞれの加硫系で必要に応じて用いる。充
填剤として、カーボンブラックなどが含フッ素共重合体
エラストマーの加硫(架橋)には使用されるが、この場
合には不要である。ポリマー電解質の強度をさらに添加
物で補強したい場合は、電池反応に影響の少ないフィラ
ーとして、酸化珪素(SiO2)などを添加してもよ
い。加硫後の共重合体は、適当な溶媒に浸漬して膨潤さ
せ、残存する受酸剤、加硫剤などを溶出させることも可
能である。
【0037】2)架橋部位となりうる官能基を側鎖等に
有する単量体を全共重合体を基準として5モル%まで共
重合させた含フッ素共重合体エラストマーを、その官能
基のみ、またはそれら官能基と結合を与える化合物とを
後で反応させて架橋することも可能である。具体的に官
能基としては、チオール、過酸化物、カルボキシル基、
ニトリル基、エポキシ基、アミン基、アゾ基、シリル基
などが挙げられる。これらを側鎖に有し、含フッ素共重
合体を構成する単量体と共重合し得るエチレン不飽和性
化合物であれば、どのようなものでも構わない。
【0038】含フッ素共重合体エラストマーと相溶し得
るポリマーとの混合物とは、以下のように説明される。
【0039】1)含フッ素共重合体エラストマー(特に
好ましいのは、ビニリデンを構造単位として含むビニリ
デン系共重合体エラストマー)を適当な溶媒に分散また
は溶解させ、それに多官能性のジアクリル酸エステルの
モノマーまたはオリゴマー、ポリマーを加え、種々の方
法により3次元重合架橋させる。必要に応じてアクリル
酸エステルモノマーを共重合させてもよい。重合開始剤
としては、通常の方法が考えられるが、熱または活性光
線、特に紫外線照射により重合・架橋させるのがポリマ
ー電解質を製造するのに効果的である。アクリル酸エス
テル系は、ビニリデン系共重合体エラストマーとの相溶
性が良いので、均一な架橋体を作成し易いが、その他の
炭化水素系の多官能性モノマーを用いても構わない。炭
化水素系モノマーは、含フッ素共重合体エラストマーに
対して1〜50重量%(好ましくは1〜10重量%)用
いられる。もちろん含フッ素ジアクリル酸エステルなど
はさらに共重合体との相溶性が良い。
【0040】特に、極限粘度〔η〕(ml/g)が0.
1〜100の含フッ素共重合体エラストマーについて
は、前述の架橋、混合により強度を高めるのが好まし
い。勿論、それ以上の極限粘度を有する含フッ素共重合
体エラストマーについても適用できる。
【0041】非水電解液は、非水溶媒に解離可能なリチ
ウム塩を、例えば0.2〜2モル/L程度溶解させて製
造することができる。該非水溶媒としては、特に限定さ
れるものではないが、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、
炭酸ブチレン等の環状カーボネート、炭酸ジメチル、炭
酸ジエチル、炭酸メチルエチル、炭酸ジプロピル等の鎖
状カーボネート、γ−ブチロラクトン等の環状エステ
ル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン等の鎖状エー
テル化合物の単独または2種以上の混合溶媒が使用でき
る。解離可能なリチウム塩も従来公知の電解質がいずれ
も使用でき、例えばLiClO4、LiAsF6、LiP
6、LiBF4、LiCl、LiBr、LiCH3
3、LiCF3SO3、Li(CF3SO22N、Li
(CF3SO23C、及びLiSbF6が挙げられる。
【0042】本発明のポリマー電解質が適用されるリチ
ウム二次電池は、負極と正極の間に本発明のポリマー電
解質を配して製造される。
【0043】負極活物質としては特に限定されるもので
はないが、金属リチウムやリチウム等をドープ/脱ドー
プ可能な炭素質材料が用いられ、例えば、ポリアセン、
ポリピロール等の導電性ポリマー、あるいはコークス、
ポリマー炭、カーボンファイバー等の他、単位体積当た
りのエネルギー密度が大きいことから熱分解炭素類、コ
ークス類(石油コークス、ピッチコークス、石炭コーク
ス等)、カーボンブラック(アセチレンブラック等)、
ガラス状炭素、有機高分子材料焼結体(有機高分子材料
を500℃以上の温度で不活性ガス気流中、あるいは真
空中で焼成したもの)、炭素繊維等が好ましい。
【0044】一方、正極活物質としては、特に限定され
るものではないが、二酸化マンガン、五酸化バナジウム
の様な遷移金属酸化物や、硫化鉄、硫化チタンのような
遷移金属硫化物、さらにはこれらとリチウムとの複合酸
化物などを用いることができる。特に、高電圧、高エネ
ルギー密度が得られ、サイクル特性にも優れることか
ら、式LiXA1−YMYO2(Aは、Mn、Co、及び
Niからなる群から選ばれる少なくとも一種の遷移金属
元素、MはB、Mg、Ca、Sr、Ba,Ti、V、C
r、Mn、Fe、Co、Ni、Al、In、Nb、M
o、W、Y及びRhよりなる群から選ばれる少なくとも
一種の元素、0.05≦X≦1.1;0≦Y≦0.5)
で表される複合酸化物が挙げられる。複合酸化物の具体
的としては、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニ
ッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウ
ム(LiMnO2またはLiMn24)等が望ましい。
【0045】
【発明の効果】本発明の含フッ素共重合体エラストマー
は、非晶質であるため、非水電解液の保持性に優れてい
る。また、該共重合体を用いて製造された膜(シート)
は十分な膜強度を有しており、架橋体および硬化性ポリ
マーを配合したポリマーアロイは、特に膜強度に優れ
る。
【0046】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例を用いてよ
り詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定され
ない。
【0047】なお、以下の実施例において、以下の略号
を用いる。
【0048】”2F”=ビニリデンフルオライド; ”4F”=テトラフルオロエチレン ”6F”=ヘキサフルオロプロペン 実施例1 2F/4F/6F=65/20/15モル%の割合で各
モノマーを用い、乳化重合によりビニリデン系共重合体
エラストマーを得た。得られたエラストマーの極限粘度
〔η〕=216(ml/g)であった。
【0049】実施例2 2F/4F/6F=63/21/16モル%の割合で各
モノマーを用い、乳化重合によりビニリデン系共重合体
エラストマーを得た。得られたエラストマーの極限粘度
〔η〕=285(ml/g)であった。
【0050】実施例3 2F/4F/6F=50/20/30モル%の割合で各
モノマーを用い、乳化重合によりビニリデン系共重合体
エラストマーを得た。得られたエラストマーの極限粘度
〔η〕=154(ml/g)であった。
【0051】実施例4 2F/4F/6F=65/18/17モル%の割合で各
モノマーを用い、乳化重合によりビニリデン系共重合体
エラストマーを得た。得られたエラストマーの極限粘度
〔η〕=32(ml/g)であった。
【0052】比較例1 2F/6F=92/8モル%の割合で各モノマーを用
い、乳化重合により比較化合物として結晶性の含フッ素
ポリマーを得た。得られた含フッ素ポリマーの極限粘度
〔η〕=162(ml/g)であった。
【0053】試験例1:浸漬テスト 実施例1〜4で作製した含フッ素共重合体エラストマー
および比較例1で作製した含フッ素ポリマーをヒートプ
レスして厚さ100μmのシートを得た。このシートを
1×5cmに切り出してサンプルとした。
【0054】一方、プロピレンカーボネート/エチレン
カーボネート=1/1溶液にLiClO4を1モル/リ
ットルの濃度で溶解した電解液(以下単に電解液と記
す)を作製した。この電解液を50ccのガラスビンに
40gとり、80℃のアルゴン雰囲気下に保存した。
【0055】上記1×5cmのサンプルを80℃の電解
液に投入し、15分間放置して電解液を含浸させた。浸
漬前後のシートの体積増加率を測定した。結果を表1に
示す。
【0056】試験例2:強度測定 実施例1〜3で作製した含フッ素共重合体エラストマー
および比較例1で作製した含フッ素ポリマーをTHFに
10重量%の濃度になるように溶解した。この溶液20
gに電解液2gを加えて十分に混合した。この溶液を乾
燥空気中でPTFEシート上にキャストし、25℃で1
時間放置してTHFを揮発させ、厚さ約100μmの電
解液を含浸させたシート(ゲル電解質膜)を作製した。
【0057】また、実施例4で作成した含フッ素共重合
体エラストマーをフッ素アルコール(HCF2CF2CH
2OH)に10重量%の濃度になるよう溶解させ、さら
に樹脂分に対して0.05重量%の光重合開始剤(DA
ROCUR1116;商品名)を加えて均一な溶液を調
製した。この溶液を乾燥空気中でPTFEシートにキャ
ストしてTHFを揮発除去した。次に1000ミリジュ
ール/cm2の紫外線を照射して厚さ約100μmのシ
ートを得た。このシート2gを、2gの電解液+18g
のTHF混合液に膨潤させたところ、ほとんどが吸収さ
れてゲル状になった。乾燥空気内でTHFを揮発させゲ
ル電解質を作製した。
【0058】オートグラフにてこのシートの破断強度を
測定した。結果を表1に示す。
【0059】試験例3:イオン伝導度 試験例2で得たゲル電解質膜を、ソーラトロン社製イン
ピーダンスアナライザ(1260型)を用い、通常の交
流インピーダンス法で周波数20Hz〜1kHzにてイ
オン伝導度を測定した。結果を表1に示す。
【0060】
【表1】 使用ポリマー 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 比較例1 体積変化率(%) 102 83 60 溶解 21 引張強度(MPa) 0.7 1.2 0.8 1.2 2.3イオン 伝導度(S/cm-1) 3.9×10-4 2.1×10-4 2.2×10-4 4.0×10-4 1×10-5 総合評価 ○ ○ ○ ○ △ なお、表1の総合評価は、体積変化率、引張強度及びイ
オン伝導度の評価の平均を意味し、”○”は全ての項目
についてポリマー電解質に求められる要求水準を満たす
ことを意味し、”△”は、少なくとも1つの項目につい
てポリマー電解質に求められる要求水準を満たさないこ
とを意味する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市川 賢治 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 東畑 好秀 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】極限粘度〔η〕(ml/g)が0.1から
    350である含フッ素共重合体エラストマーに非水電解
    液を含浸させゲル状にしたポリマー電解質。
  2. 【請求項2】含フッ素共重合体エラストマーが、ビニリ
    デンフルオライドから誘導される繰り返し単位35〜8
    5モル%、ヘキサフルオロプロペンから誘導される繰り
    返し単位13〜45モル%、テトラフルオロエチレンか
    ら誘導される繰り返し単位0〜35モル%からなるビニ
    リデン系共重合体エラストマーである請求項1に記載の
    ポリマー電解質。
  3. 【請求項3】ビニリデン系共重合体エラストマーの極限
    粘度〔η〕(ml/g)が100〜350である請求項
    2に記載のポリマー電解質。
  4. 【請求項4】ビニリデン系共重合体エラストマーが、一
    般式: R(I)p(Br)q (1) 〔式中、Rは炭素数1〜16の飽和フルオロ炭化水素基
    もしくはクロロフルオロ炭化水素基、または炭素数1〜
    3の炭化水素基を示し、p、qは各々0、1または2の
    整数を示し、p+q=2である。〕で示される化合物を
    連鎖移動剤として用い、ラジカル重合によって得られる
    請求項2に記載のポリマー電解質。
  5. 【請求項5】ビニリデン系共重合体エラストマーが、架
    橋されたものである請求項2〜4のいずれかに記載のポ
    リマー電解質。
  6. 【請求項6】請求項1〜4のいずれかに記載の含フッ素
    共重合体エラストマーと、これと相溶し得るポリマーと
    の混合物に非水電解液を含浸させゲル状にしたポリマー
    電解質。
  7. 【請求項7】ビニリデン系共重合体エラストマーが乳化
    重合法により得られる請求項2〜5のいずれかに記載の
    ポリマー電解質。
  8. 【請求項8】負極と正極との間に請求項1〜7のいずれ
    かに記載のポリマー電解質を配したポリマーリチウム二
    次電池。
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