JPH11160366A - 高調波電圧測定方法 - Google Patents

高調波電圧測定方法

Info

Publication number
JPH11160366A
JPH11160366A JP9340675A JP34067597A JPH11160366A JP H11160366 A JPH11160366 A JP H11160366A JP 9340675 A JP9340675 A JP 9340675A JP 34067597 A JP34067597 A JP 34067597A JP H11160366 A JPH11160366 A JP H11160366A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
harmonic
voltage
measured
current
measurement
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9340675A
Other languages
English (en)
Inventor
Isao Koda
勲 香田
Masakazu Tsukamoto
政和 塚本
Katsuhiko Uno
克彦 鵜野
Yasukazu Natsuda
育千 夏田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chubu Electric Power Co Inc
Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
Chubu Electric Power Co Inc
Nissin Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chubu Electric Power Co Inc, Nissin Electric Co Ltd filed Critical Chubu Electric Power Co Inc
Priority to JP9340675A priority Critical patent/JPH11160366A/ja
Publication of JPH11160366A publication Critical patent/JPH11160366A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Instrument Details And Bridges, And Automatic Balancing Devices (AREA)
  • Measurement Of Current Or Voltage (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンデンサ形計器用変圧器(以下PDとい
う)を使用し、その2次負担の影響を排除して系統の高
調波電圧を精度よく測定する。 【解決手段】 PD2の1次側を系統1に接続した後、
高調波電圧の測定前に、PD2次回路の2次負担7より
上流側の計測点9を注入点inとし、この点inに基本
波周波数の非整数倍の中間高調波の電流を注入して中間
高調波についての注入点inの上流側,2次負担側の等
価回路インピーダンスを求め、これらの等価回路インピ
ーダンスから、測定対象の高調波についての上流側,2
次負担側の等価回路インピーダンスZPD,ZL を補間演
算して決定するとともにインピーダンスZL に並列な等
価電流源IL を決定し、測定対象の高調波についてのP
D2の周波数特性補正用の回路定数を決定し、高調波電
圧の測定時に、測定対象の高調波計測点aの計測電圧と
決定した回路定数とにより、2次負担の影響を排除して
1次側の測定対象の高調波の電圧を求め、系統1の高調
波電圧を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に特別高圧以上
の高電圧の電力系統の高調波電圧をコンデンサ形計器用
変圧器を用いて測定する高調波電圧測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、特別高圧(特高),超高圧等の特
高以上の高電圧の電力系統にあっては、例えば日新電機
技報,第30巻第4号(通巻72号),日新電機株式会
社,p.8−21(昭和62年11月30日)に記載さ
れているように、TV或いはPDと呼ばれるコンデンサ
形計器用変圧器(以下PDという)が電圧計測に用いら
れる。
【0003】そして、いわゆる1次リアクトル形のPD
はほぼ図6に示すように構成され、系統1にPD2の1
次側のコンデンサ3,4が接続され、コンデンサ3,4
により系統電圧が分圧される。
【0004】その際、コンデンサ4と,その両端間の1
次リアクトル5,絶縁用の変圧器6の1次巻線6aの直
列回路とにより、60Hzまたは50Hzの系統の基本
波周波数fsの共振回路が形成され、基本波周波数fs
の電圧(基本波電圧)が変圧器6の2次巻線6bに発生
する。
【0005】そして、この2次巻線6bの電圧がメー
タ,リレー等のPD2の2次負担7に与えられ、この2
次負担7が2次巻線6bの基本波電圧により動作する。
【0006】ところで、2次巻線6bの電圧を出力用の
変圧器8を介して外部の計測装置等に供給し、DFT,
FFT等の周波数解析を行えば、その結果から系統の周
波数n・fs(nは2以上の自然数)の第n高調波の電
圧を測定することができる。
【0007】しかし、2次負担7が高調波発生要素(発
生源)を形成し、単に測定するのみでは、その共振作用
により高調波電圧の測定誤差が生じる。
【0008】そこで、「平成9年電気学会全国大会講演
論文集」(電気学会全国大会,平成9年3月10日発
行)の論文番号1695「PDを用いた高調波測定によ
るデータ補正法」には、2次負担の大きさ,力率等によ
る高調波電圧の測定誤差を排除するため、系統にPDを
接続して実際に使用する前(運用前)に、系統の高調波
電圧を模擬した歪電圧を供試PDの1次側に印加し、そ
の1次側及び2次側の電圧,電流を測定してその結果か
ら例えばn=5の第5次の高調波(第5調波)について
の補正係数を求めておき、運用中は、この補正係数を用
いて第5次の高調波の測定電圧を補正することが記載さ
れている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記講演論文集に記載
の測定方法の場合、系統に接続する前に、PDに系統の
高調波電圧を模擬した歪電圧を印加して予め補正係数を
決定するため、歪電圧発生源のインピーダンス等の種々
の要因により、補正係数を実使用状態に即して正確に決
定することができず、同論文集の6−553頁の表1に
も記載されているように補正後の高調波電圧の測定結果
に必ず誤差が含まれ、高調波電圧の精度の高い測定が行
えない問題点がある。
【0010】本発明は、PDを用いて系統の高調波電圧
を精度よく測定し得るようにすることを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、この出願の請求項1記載の高調波電圧測定方法に
おいては、PDの1次側を系統に接続した後、高調波電
圧を測定する前に、PDの2次回路の2次負担より上流
側の計測点を注入点とし、この注入点に基本波周波数f
sの非整数倍の周波数の電流を中間高調波の電流として
注入し、注入点から上流側,2次負担側に流れる中間高
調波の電流及び注入点の中間高調波の電圧を計測して中
間高調波についての注入点の上流側,2次負担側の等価
回路インピーダンスを求め、測定対象の高調波の上,下
の中間高調波についての注入点の上流側,2次負担側の
等価回路インピーダンスから,測定対象の高調波につい
ての1次側からみて直列に接続された注入点の上流側,
2次負担側の等価回路インピーダンスを補間演算して決
定し、注入点の2次負担側の測定対象の高調波の周波数
の電流,電圧及び決定した等価回路インピーダンスから
この等価回路インピーダンスに並列接続された2次負担
の高調波発生源としての等価電流源を決定し、測定対象
の高調波についての注入点の上流側,2次負担側の決定
した等価回路インピーダンス及び等価電流源により、測
定対象の高調波についてのコンデンサ形計器用変圧器の
周波数特性補正用の回路定数を決定し、測定時に、測定
対象の高調波についての計測点の計測電圧と回路定数と
により、2次負担の影響を排除して1次側の測定対象の
高調波の電圧を求め、2次負担の影響を排除して系統の
高調波電圧を測定する。
【0012】したがって、PDを実際に系統に接続した
後、高調波電圧を測定する前に、PD2次回路の注入点
に、例えば周波数n・fsの測定対象の高調波を挟むそ
の上,下の基本波周波数fsの非整数倍の周波数fα,
fβ(fα<n・fs<fβ)の中間高調波の電流がそ
れぞれ注入される。
【0013】このとき、両中間高調波の電流は系統に本
来存在しない周波数の電流であり、PD2次回路におい
て、注入点から上流側,2次負担側へのそれぞれの分流
及び電圧を、系統の基本波及び高調波の影響を受けるこ
となく精度よく測定することができる。
【0014】そして、注入点の上流側に分流した中間高
調波の電流及びその電圧により注入点の上流側の中間高
調波についての等価回路インピーダンスが求まり、注入
点の2次負担側に分流した中間高調波の電流及びその電
圧により注入点の2次負担側の中間高調波についての等
価回路インピーダンスが求まる。
【0015】そして、前記2周波数fα,fβの中間高
調波についての上流側,2次負担側それぞれの等価回路
インピーダンスの平均から、測定対象の高調波について
の注入点の上流側,2次負担側の等価回路インピーダン
スが補間演算されて求まる。
【0016】さらに、注入点から2次負担側に流れる測
定対象の高調波の電流及びその電圧を測定することによ
り、測定された電流,電圧及び決定した2次負担側の等
価回路インピーダンスから、この等価回路インピーダン
スに並列な測定対象の高調波についての2次負担の等価
電流源が求められて決定される。
【0017】そして、注入点の上流側,2次負担側の等
価回路インピーダンス及び等価電流源により、系統に接
続した実使用状態でのPDの測定対象の高調波について
の周波数特性補正用の回路定数が決定される。
【0018】このとき、中間高調波の電流注入に基づ
き、測定対象の高調波についての回路定数が精度よく求
められ決定される。
【0019】そして、回路定数の決定後に高調波電圧の
測定に移行し、高調波電圧の測定時、測定対象の高調波
の計測点での計測電圧と事前に決定した前記回路定数と
に基づき、2次負担による測定電圧の変動を補償し、2
次負担の影響を排除してPDの1次側の測定対象の高調
波の電圧が求められる。
【0020】したがって、PDの2次負担の影響を排除
して高精度に系統の高調波電圧の測定が行える。
【0021】そして、PDの高調波電圧に対する回路定
数を測定前に予め決定しておくため、高調波電圧の測定
時は計測点の電圧測定のみを行えばよく、とくに特性の
時間変化(負荷変動)が少ないリレー等を2次負担とす
る場合の高調波電圧の測定に好適である。
【0022】つぎに、請求項2記載の高調波電圧測定方
法においては、PDの1次側を系統に接続した後、高調
波電圧の測定前に、PD2次回路の2次負担より上流側
の計測点を注入点とし、この注入点に基本波周波数の非
整数倍の周波数の電流を中間高調波の電流として注入
し、注入点から上流側に流れる中間高調波の電流及び注
入点の中間高調波の電圧を計測して中間高調波について
の注入点の上流側の等価回路インピーダンスを求め、測
定対象の高調波の上,下の中間高調波についての注入点
の上流側の等価回路インピーダンスから測定対象の高調
波についての注入点の上流側の等価回路インピーダンス
を補間演算して決定し、測定時に、測定対象の高調波に
ついての計測点の計測電圧及び2次負担側の電流を計測
し、測定対象の高調波についての計測電圧に、2次負担
側に流れる測定対象の高調波の計測電流に基づく等価回
路インピーダンスの電圧降下を加算し、2次負担の影響
を排除して1次側の測定対象の高調波の電圧を求め、2
次負担の影響を排除して系統の高調波電圧を測定する。
【0023】したがって、この場合は高調波電圧の測定
時に、PD2次回路の注入点に、例えば前記の周波数f
α,fβ((fα<n・fs<fβ)それぞれの中間高
調波の電流を注入し、注入点から上流側に分流する両中
間高調波の電流及び電圧を計測し、この計測結果に基づ
いて注入点の上流側の両中間高調波についての等価回路
インピーダンスが求められる。
【0024】さらに、これらの等価回路インピーダンス
に基づき、請求項1の場合と同様の補間演算から測定対
象の高調波についての注入点の上流側の等価回路インピ
ーダンスが精度よく求められて決定される。
【0025】そして、この決定後に高調波電圧の測定に
移行し、PD2次回路の計測点(注入点)での測定対象
の高調波の電圧及び2次負担側に流れる電流が計測され
る。
【0026】このとき、計測される電圧,電流は、2次
負担がリレー等の場合、そのリレー動作等に基づく特性
変動(負荷変動)にしたがって時々刻々変化する。
【0027】そして、計測点の測定対象の高調波の測定
電圧が、2次負担側に流れる計測電流に基づく上流側の
等価回路インピーダンスの電圧降下を加算して補正さ
れ、前記計測電圧が2次負担のない周波数特性の電圧に
補正される。
【0028】さらに、この補正された計測電圧に基づ
き、PDの1次側の測定対象の高調波の電圧が求められ
る。
【0029】このとき、中間高調波の電流の注入に基づ
き、請求項1の場合と同様に精度よく系統の高調波電圧
が測定される。
【0030】そして、2次負担の時々刻々の変動に追従
して測定電圧の補正量が変化するため、とくに特性の時
間変化(負荷変動)が生じるリレー等を2次負担とする
場合の高調波電圧の測定に好適である。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、図
1ないし図5を参照して説明する。 (1形態)まず、請求項1の測定方法に対応する本発明
の実施の1形態につき、図1ないし図3を参照して説明
する。図1は高調波電圧測定前の中間高調波測定時の構
成を示し、1次リアクトル形のPD2は1次側が系統1
に接続される。
【0032】そして、変圧器6の2次側のPD2の2次
回路において、変圧器6の2次巻線6bと2次負担7と
の間の高調波電圧の計測点aが中間高調波の電流の注入
点inに設定され、この注入点inにインバータ等から
なる電流注入装置9が接続される。
【0033】この電流注入装置9は、基本波周波数fs
の非整数倍の周波数の本来は系統1に存在しない中間高
調波の電流を注入点inに注入する。
【0034】そして、測定対象の高調波を周波数n・f
sの第n次の高調波とすると、中間高調波の電流は、具
体的には、例えば測定対象の高調波を挟むその上,下の
基本波周波数fsの非整数倍の2周波数fα,fβ(f
α<n・fs<fβ)の電流である。
【0035】つぎに、注入点inに注入されてその上流
側(PD1次側)に流れる電流,注入点inの2次負担
側に流れる電流は、注入点inの上流側,2次負担側に
設けられた計器用の変流器10,11それぞれにより計
測される。
【0036】そして、変流器10,11の計測電流及び
変圧器8の計測電圧が図外の測定処理装置に供給され、
この測定処理装置は計測電流及び計測電圧をデジタル化
してDFT,FFT等の周波数解析を施し、中間高調波
の電流注入に基づき、注入点inの上流側,2次負担側
に分流した中間高調波の電流を測定する。
【0037】なお、注入点inの上流側,2次負担側の
電流を共に直接計測する代わりに、電流注入装置9から
注入点inに注入される電流を図1の計器用の変流器1
2により計測し、変流器10,11のいずれか一方と変
流器12の計測電流の差から変流器10,11の他方の
計測電流を求めて注入点inの上流側,2次負担側に分
流した中間高調波の電流を計測してもよい。
【0038】つぎに、コンデンサ3,4の容量をC1
2 とすると、これらの容量C1 ,C2 は既知であり、
系統1の測定対象の高調波の電圧をVH(n)とし、この電
圧VH(n)についてのコンデンサ4の端子間の電圧(分
圧)をVH(n)’とすると、電圧VH(n),VH(n)’はつぎ
の数1の式の関係を有し、電圧VH(n)’を測定すれば、
電圧VH(n)が求まる。
【0039】
【数1】VH(n)={(C1 +C2 )/C1 }・VH(n)
【0040】さらに、説明を簡単にするため、図1の変
圧器6が変圧比1対1でその変換損等を無視することが
できるとすると、測定対象の高調波及び中間高調波に対
して、注入点inの1次側は同図の1次リアクトル5に
基づき、図2の等価回路インピーダンスZPDの直列回路
で表すことができる。
【0041】また、注入点inの2次負担側(負荷側)
は、図1の2次負担7に基づく図2の等価回路インピー
ダンスZL と等価電流源IL との並列回路になる。
【0042】そのため、高調波電圧測定前の中間高調波
注入時、図1は図2の等価回路で表すことができる。
【0043】そして、図1の変流器10,11の中間高
調波の測定電流をI1(m),I2(m)とし、注入点inの中
間高調波の電圧をV(m) とすると、電圧V(m) ,電流I
1(m)により、V(m) /I1(m)から中間高調波についての
上流側のインピーダンスZPDの値ZPD(m) が求まる。
【0044】また、中間高調波に対しては2次負担7が
共振回路を形成しないため、電圧V(m) ,電流I2(m)
より、V(m) /I2(m)から中間高調波についての2次負
担側の等価回路インピーダンスZL の値ZL(m)も求ま
る。
【0045】そして、中間高調波電流の注入時、高調波
電流注入装置9から注入点inに周波数fα,fβそれ
ぞれの中間高調波の電流I(m) α, (m) βを注入し、
周波数fα,fβの中間高調波につき、その電流注入に
基づく等価回路インピーダンスZPD,ZL の値ZPD(m)
α,ZPD(m) β,ZL(m)α,ZL(m)βを求める。
【0046】つぎに、測定対象の高調波が両中間高調波
の間の周波数であるため、測定処理装置により、最も簡
単には周波数fα,fβについての等価回路インピーダ
ンスZPD,ZL の測定値の単純平均{ZPD(m) α+Z
PD(m) β}/2,{ZL(m)α+ZL(m)β}/2から測定
対象の高調波についての等価回路インピーダンスZPD
L の値ZPD(n) ,ZL(n)を補間演算して求める。
【0047】そして、等価回路インピーダンスZPD,Z
L を求めて決定した後、電流注入装置9の電流注入を停
止し、変流器11の計測電流,変圧器8の計測電圧の周
波数解析により、注入点inを通って2次負担7に流れ
る測定対象の高調波の電流,電圧を測定する。
【0048】この測定値をI2(n),V(n) とし、測定対
象の高調波についての等価電流源IL の値をIL(n)とす
ると、測定処理装置により、IL(n)=I2(n)−(V(n)
/ZL(n))の演算から等価電流源IL の値IL(n)を決定
する。
【0049】そして、測定対象の高調波についての等価
回路インピーダンスZPD,ZL 及び等価電流源IL を決
定し、PD2の測定対象の高調波についての周波数特性
補正用の回路定数を決定し、この回路定数を補正係数と
して測定処理装置に設定し、測定前の処理を終了して高
調波電圧の測定に移行する。
【0050】そして、高調波電圧の測定時は、変流器1
0〜12が不要であり、等価回路が図3に示すようにな
る。
【0051】そして、変圧器8の出力に基づく計測点a
(注入点in)の測定電圧の周波数解析により、計測点
aの測定対象の高調波電圧が求められ、この電圧をV
(n) とすると、この電圧V(n) はつぎの数2の式で表さ
れる。
【0052】
【数2】V(n) =VH(n)’・{ZL /(ZPD+ZL )}
+IL ・(ZPD//ZL )=VH(n)’・{ZL /(ZPD
L )}+IL ・{ZPD・ZL /(ZPD+ZL )}
【0053】そして、測定処理装置により、つぎの数3
の式の演算から等価電流源IL の影響を排除してコンデ
ンサ4の端子間の測定対象の高調波電圧VH(n)’を求め
る。
【0054】
【数3】VH(n)’={V(n) −IL ・(ZPD//ZL )}
/{(ZPD+ZL )/ZL
【0055】さらに、数3の式の演算結果に基づき、数
1の式の演算から系統1の測定対象の高調波電圧VH(n)
を求めて測定する。
【0056】この測定のくり返しにより、特高以上の系
統の時々刻々変化する高調波電圧を、PD2を使用し、
その2次負担7の影響を排除して精度よく測定すること
ができる。
【0057】そして、この実施の形態の場合、高調波電
圧の測定前に、測定対象の高調波についてのPD2の回
路定数,すなわち等価回路インピーダンスZPD,ZL
等価電流源IL を求めて決定しておくため、高調波電圧
の測定時には、PD2の2次回路の測定対象の高調波電
圧のみを測定すればよく、電流注入装置9は勿論、変流
器10〜12等も不要であり、とくに、2次負担7が特
性の時間変化のないメータ等の場合に、小型な構成で精
度の高い測定が行える利点がある。
【0058】(他の形態)つぎに、請求項2に対応する
本発明の実施の他の形態につき、図4,図5を参照して
説明する。この実施の形態にあっては、高調波電圧の測
定前の中間高調波電流の注入時に、図1のPD2に同図
の電流注入装置9と変流器10を接続し、電流注入装置
9から注入点inに、例えば周波数fα,fβの中間高
調波の電流を注入する。
【0059】このとき、等価回路は図4に示すようにな
り、変流器10の計測電流及び変圧器8の計測電圧を図
外の測定処理装置により周波数解析し、周波数fα,f
βの中間高調波それぞれにつき、注入点inの上流側の
電流I1(m)及び注入点inの電圧V(m) を求め、V(m)
/I1(m)の演算により、両中間高調波についての注入点
inの上流側の等価回路インピーダンスZPDの値Z
PD(m) α,ZPD(m) βを求める。なお、図4において、
図1〜図3と同一符号は同一もしくは相当するものを示
す。
【0060】そして、両中間高調波についての等価回路
インピーダンスZPDから、前記1形態と同様にして、測
定対象の高調波についての等価回路インピーダンスZPD
の値ZPD(n) を補間演算して決定し、測定処理装置に周
波数特性補正用の補正係数として設定する。
【0061】つぎに、電流注入装置9及び変流器10を
取外し、図1の変流器11を取付けて高調波電圧の測定
に移行する。
【0062】このとき、等価回路は図5に示すようにな
り、高調波電圧の測定時、変流器11の計測電流及び変
圧器7の計測電圧を測定処理装置により処理し、それら
の周波数解析により、計測点a(注入点in)の2次負
担側の時々刻々変化する測定対象の高調波電流I2(n)
びその高調波電圧V(n) を求める。
【0063】さらに、つぎの数4の式の演算により、計
測点aの高調波電圧V(n) に、高調波電流I2(n)の通流
に基づく等価回路インピーダンスZPDの電圧降下を加算
し、2次負担7による高調波電圧V(n) の変動を補償
し、2次負担7の影響を排除してコンデンサ4の端子間
の計測対象の高調波電圧VH(n)’を求める。
【0064】
【数4】VH(n)’=V(n) +ZPD・I(n)
【0065】さらに、数1の式の演算から系統1の測定
対象の高調波電圧VH(n)を求めて測定する。
【0066】この場合、高調波電圧の測定中に変流器1
1を要するが、計測点a(注入点in)を通る時々刻々
の電流I2(n)の測定に基づき、時々刻々変化する2次負
担7の影響を排除して測定対象の高調波電圧を計測する
ため、2次負担7がリレー等の特性の時間変化(負荷変
動)を有する場合にも、いわゆるリアルタイム計測によ
り極めて精度の高い測定が行える利点がある。
【0067】そして、前記両実施の形態において、測定
対象の高調波を挟むその上,下の中間高調波の電流は、
基本波周波数fsの非整数倍の周波数であればよく、そ
の周波数,個数等は系統の状態や測定精度等に応じて適
当に設定すればよい。
【0068】また、実際には、系統1の相毎に前記両実
施の形態それぞれの手法で高調波電圧が測定される。
【0069】
【発明の効果】本発明は、以下に記載する効果を奏す
る。まず、請求項1の場合は、コンデンサ形計器用変圧
器(PD)2を実際に系統1に接続した後、高調波電圧
を測定する前に、PD2次回路の注入点inに測定対象
の高調波の上,下の基本波周波数の非整数倍の周波数の
中間高調波の電流を注入し、中間高調波についての注入
点inの上流側及び2次負担側の等価回路インピーダン
スを求めて測定対象の高調波についての注入点の上流
側,2次負担側の等価回路インピーダンスZPD,ZL
補間演算して求めることができる。
【0070】さらに、注入点inから2次負担側に流れ
る測定対象の高調波の電流及びその電圧を測定して2次
負担側の等価回路インピーダンスZL に並列な測定対象
の高調波についての2次負担の等価電流源IL を求めて
決定することができる。
【0071】そして、等価回路インピーダンスZPD,Z
L 及び等価電流源IL により、系統1に接続した運用状
態での測定対象の高調波についてのPD2の周波数特性
補正用の回路定数を決定することができる。
【0072】このとき、中間高調波の電流は系統1に本
来存在しない周波数の電流であり、この電流の注入に基
づく測定から、測定対象の高調波についてのPD2の周
波数特性補正用の回路定数が系統1の基本波及び高調波
の影響を受けることなく精度よく求まる。
【0073】そして、この回路定数の決定後に高調波電
圧の測定に移行すると、計測点a(in)での測定対象
の高調波の計測電圧と事前に決定した前記回路定数に基
づき、2次負担7による測定電圧の変動を補償し、2次
負担7の影響を排除してPD2の1次側の測定対象の高
調波の電圧を求めることができる。
【0074】そのため、PD2の2次負担7の影響を排
除して高精度に系統1の高調波電圧の測定を行うことが
できる。
【0075】そして、PD2の高調波電圧の測定前に予
め決定しておくため、高調波電圧の測定時は計測点の電
圧測定のみを行えばよく、とくに特性の時間変化(負荷
変動)が少ないメータ等を2次負担7とする場合に好適
な高調波電圧測定方法を提供することができる。
【0076】つぎに、請求項2の場合は高調波電圧の測
定時に、PD2次回路の注入点inに、中間高調波の電
流を注入し、注入点inから上流側に分流する中間高調
波の電流及び電圧を計測し、注入点inの上流側の中間
高調波についての等価回路インピーダンスを求めて測定
対象の高調波についての注入点inの上流側の等価回路
インピーダンスZPDを精度よく求めて決定することがで
きる。
【0077】そして、この決定後に高調波電圧の測定に
移行し、計測点a(注入点in)での測定対象の高調波
の電圧及び計測点aから2次負担側に流れる電流の計測
に基づき、計測点aの測定対象の高調波の測定電圧が、
2次負担側に流れる計測電流に基づく上流側の等価回路
インピーダンスの電圧降下を加算して補正され、前記計
測電圧が2次負担7のない状態の電圧に補償される。
【0078】そして、この補償された計測電圧に基づ
き、PD2の1次側の測定対象の高調波の電圧が求めら
れて測定される。
【0079】このとき、中間高調波の電流の注入に基づ
き、請求項1の場合と同様に精度よく系統1の高調波電
圧を測定することができる。
【0080】そして、高調波電圧の測定時に2次負担側
に流れる測定対象の高調波の電流を計測し、2次負担7
の特性変化(負荷変動)に追従して測定電圧の補正量が
変化するため、とくに特性の時間変化(負荷変動)が生
じるリレー等を2次負担7とする場合に好適な高調波電
圧測定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の1形態の高調波電圧測定前の中
間高調波測定時の回路図である。
【図2】図1の測定説明用の等価回路図である。
【図3】本発明の実施の1形態の高調波電圧測定時の等
価回路図である。
【図4】本発明の実施の他の形態の中間高調波測定時の
等価回路図である。
【図5】本発明の実施の他の形態の高調波電圧測定時の
等価回路図である。
【符号の説明】
1 系統 2 コンデンサ形計器用変圧器(PD) 7 2次負担 9 電流注入装置 a(in) 計測点(注入点) IL 等価電流源 ZPD,ZL 等価回路インピーダンス
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年2月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の1形態の高調波電圧測定前の中
間高調波測定時の回路図である。
【図2】図1の測定説明用の等価回路図である。
【図3】本発明の実施の1形態の高調波電圧測定時の等
価回路図である。
【図4】本発明の実施の他の形態の中間高調波測定時の
等価回路図である。
【図5】本発明の実施の他の形態の高調波電圧測定時の
等価回路図である。
【図6】コンデンサ形計器用変圧器の回路結線図であ
る。
【符号の説明】 1 系統 2 コンデンサ形計器用変圧器(PD) 7 2次負担 9 電流注入装置 a(in) 計測点(注入点) IL 等価電流源 ZPD,ZL 等価回路インピーダンス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鵜野 克彦 京都市右京区梅津高畝町47番地 日新電機 株式会社内 (72)発明者 夏田 育千 京都市右京区梅津高畝町47番地 日新電機 株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2次負担としてメータ,リレー等の高調
    波発生要素が接続されたコンデンサ形計器用変圧器の1
    次側を系統に接続し、 前記コンデンサ形計器用変圧器の2次回路の計測電圧を
    周波数解析して前記系統の基本波周波数の整数倍の周波
    数の高調波電圧を測定する高調波電圧測定方法におい
    て、 前記コンデンサ形計器用変圧器の1次側を系統に接続し
    た後、 測定前に、 前記2次回路の前記2次負担より上流側の計測点を注入
    点とし、該注入点に前記基本波周波数の非整数倍の周波
    数の電流を中間高調波の電流として注入し、 前記注入点から上流側,2次負担側に流れる前記中間高
    調波の電流及び前記注入点の前記中間高調波の電圧を計
    測して前記中間高調波についての前記注入点の上流側,
    2次負担側の等価回路インピーダンスを求め、 測定対象の高調波の上,下の前記中間高調波についての
    前記注入点の上流側,2次負担側の等価回路インピーダ
    ンスから,測定対象の高調波についての前記注入点の上
    流側,2次負担側の等価回路インピーダンスを補間演算
    して決定し、 前記注入点の2次負担側の測定対象の高調波の周波数の
    電流,電圧及び決定した等価回路インピーダンスから該
    等価回路インピーダンスに並列接続された前記2次負担
    の高調波発生源としての等価電流源を決定し、 測定対象の高調波についての前記注入点の上流側,2次
    負担側の決定した等価回路インピーダンス及び前記等価
    電流源により、測定対象の高調波についての前記コンデ
    ンサ形計器用変圧器の周波数特性補正用の回路定数を決
    定し、 測定時に、 測定対象の高調波についての前記計測点の前記計測電圧
    と前記回路定数とにより、前記2次負担の影響を排除し
    て前記1次側の測定対象の高調波の電圧を求め、 前記2次負担の影響を排除して系統の高調波電圧を測定
    することを特徴とする高調波電圧測定方法。
  2. 【請求項2】 2次負担としてメータ,リレー等の高調
    波発生要素が接続されたコンデンサ形計器用変圧器の1
    次側を系統に接続し、 前記コンデンサ形計器用変圧器の2次回路の計測電圧を
    周波数解析して前記系統の基本波周波数の整数倍の周波
    数の高調波電圧を測定する高調波電圧測定方法におい
    て、 前記コンデンサ形計器用変圧器の1次側を系統に接続し
    た後、 測定前に、 前記2次回路の前記2次負担より上流側の計測点を注入
    点とし、該注入点に前記基本波周波数の非整数倍の周波
    数の電流を中間高調波の電流として注入し、 前記注入点から上流側に流れる前記中間高調波の電流及
    び前記注入点の前記中間高調波の電圧を計測して前記中
    間高調波についての前記注入点の上流側の等価回路イン
    ピーダンスを求め、 測定対象の高調波の上,下の前記中間高調波についての
    前記注入点の上流側の等価回路インピーダンスから測定
    対象の高調波についての前記注入点の上流側の等価回路
    インピーダンスを補間演算して決定し、 測定時に、 測定対象の高調波についての前記計測点の前記計測電圧
    及び前記2次負担側の電流を計測し、 測定対象の高調波についての前記計測電圧に、前記2次
    負担側の測定対象の高調波の計測電流に基づく前記等価
    回路インピーダンスの電圧降下を加算し、前記2次負担
    の影響を排除して前記1次側の測定対象の高調波の電圧
    を求め、 前記2次負担の影響を排除して系統の高調波電圧を測定
    することを特徴とする高調波電圧測定方法。
JP9340675A 1997-11-25 1997-11-25 高調波電圧測定方法 Pending JPH11160366A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9340675A JPH11160366A (ja) 1997-11-25 1997-11-25 高調波電圧測定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9340675A JPH11160366A (ja) 1997-11-25 1997-11-25 高調波電圧測定方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11160366A true JPH11160366A (ja) 1999-06-18

Family

ID=18339244

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9340675A Pending JPH11160366A (ja) 1997-11-25 1997-11-25 高調波電圧測定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11160366A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009257870A (ja) * 2008-04-15 2009-11-05 Nakajima Denki Seisakusho:Kk 三相配電線の相電圧検出方法、零相電圧検出方法、線間電圧検出方法と、三相配電線の相電圧高調波検出方法、零相電圧高調波検出方法、線間電圧高調波検出方法、それら検出に使用される電圧検出装置
CN103675446A (zh) * 2013-12-23 2014-03-26 重庆大学 一种实时精确的谐波源定位系统和方法
JP2014521980A (ja) * 2011-08-19 2014-08-28 アカデミア ゴルニツォ−ハットニツァ アイエム. スタニスラワ スタシツァ ダブリュー クラクフィ 高電圧を測定する補正済み周波数特性を有する適応型分圧器

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009257870A (ja) * 2008-04-15 2009-11-05 Nakajima Denki Seisakusho:Kk 三相配電線の相電圧検出方法、零相電圧検出方法、線間電圧検出方法と、三相配電線の相電圧高調波検出方法、零相電圧高調波検出方法、線間電圧高調波検出方法、それら検出に使用される電圧検出装置
JP2014521980A (ja) * 2011-08-19 2014-08-28 アカデミア ゴルニツォ−ハットニツァ アイエム. スタニスラワ スタシツァ ダブリュー クラクフィ 高電圧を測定する補正済み周波数特性を有する適応型分圧器
CN103675446A (zh) * 2013-12-23 2014-03-26 重庆大学 一种实时精确的谐波源定位系统和方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Gallo et al. Desynchronized processing technique for harmonic and interharmonic analysis
Crotti et al. Frequency response of MV voltage transformer under actual waveforms
D'Avanzo et al. Impact of inductive current transformers on synchrophasor measurement in presence of modulations
JP3234339B2 (ja) 電力測定装置および方法
JP2016133355A (ja) 鉄損測定方法および鉄損測定装置
US6147475A (en) Prediction of harmonic distortion and application of power-factor correction in AC power systems
Letizia et al. Low cost procedure for frequency characterization of voltage instrument transformers
Salor Spectral correction-based method for interharmonics analysis of power signals with fundamental frequency deviation
Yan et al. Effect of step response measurement arrangement on the correction of ultrahigh-voltage lightning impulse dividers
JPH11160366A (ja) 高調波電圧測定方法
Kadar et al. The effect of current and voltage transformers accuracy on harmonic measurements in electric arc furnaces
Crotti et al. The use of voltage transformers for the measurement of power system subharmonics in compliance with international standards
Zhang et al. A novelty digital algorithm for online measurement of dielectric loss factor of electronic transformers
EP0430256B1 (en) Method and equipment for cablibrating output levels of waveform analyzing apparatus
Aristoy et al. Measuring system for calibrating high voltage instrument transformers at distorted waveforms
Zinkernagel A double frequency method for the determination of the voltage dependent capacitance variation of compressed gas capacitors
Saadeddine et al. Reference calibrator for combined and composite high voltage impulse tests
Crotti et al. Frequency calibration of MV voltage transformer under actual waveforms
CN110007129B (zh) 一种应用于动态电能计量的三相电压实时估计方法
Jol et al. Improved sampling wattmeter for low frequencies (45 Hz-55 Hz)
TW555994B (en) Group delay test method and device
JP2001004685A (ja) 電力系統の高調波特性測定方法
JPH09325164A (ja) 絶縁体の損失電流測定方法
JP2004354093A (ja) 電力ケーブルの劣化診断方法
Georgakopoulos Selecting calibration waveforms for power analyzers and meters under nonsinusoidal conditions