JPH11160208A - X線分析用試料調整方法および装置 - Google Patents

X線分析用試料調整方法および装置

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JPH11160208A
JPH11160208A JP9328003A JP32800397A JPH11160208A JP H11160208 A JPH11160208 A JP H11160208A JP 9328003 A JP9328003 A JP 9328003A JP 32800397 A JP32800397 A JP 32800397A JP H11160208 A JPH11160208 A JP H11160208A
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JP
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liquid
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JP9328003A
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English (en)
Inventor
Masahiro Nonoguchi
雅弘 野々口
Motoyuki Yamagami
基行 山上
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Rigaku Corp
Original Assignee
Rigaku Industrial Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸化膜の溶解中における分解液への雰囲気中
の不純物の混入を防止するとともに、被分析材から分解
液を容易に引き離すことができ、かつ、分解液の乾燥に
おいて分解液中の不純物が減少したり分析用の所定の位
置から試料がずれたりすることなく、さらに、分析精度
が向上するX線分析用試料調整方法および装置を提供す
る。 【解決手段】 試料調整は、分解液保持部材4の上面に
形成された保持部41に被分析材2の下面の付着物質2
1を溶解する分解液3を保持させた状態で、この分解液
3を前記被分析材2の下面に接触させ、分解液保持部材
4と被分析材2とを被分析材2の下面に平行な平面方向
に相対移動させることにより付着物質21を分解液3に
溶解させ、分解液3を保持した分解液保持部材4を被分
析材2の下面から引き離し、分解液3を分解液保持部材
4の保持部41で濃縮または乾燥させることによりX線
分析用の試料を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコンウェハ等
の被分析材の表面の付着物質を、分解液で溶解すること
でX線分析用の試料を調整する方法および装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】シリコンウェハ等のウェハ上に形成され
た酸化膜における不純物は、電気的特性に大きな影響を
与えることは良く知られている。電気的特性を向上させ
るためには、ウェハ表面からウェハへの不純物の混入を
抑制する必要があり、そのためにはウェハ表面上の汚染
を正確に分析し、測定する必要がある。
【0003】シリコンウェハ上に形成された酸化膜にお
ける極微量不純物の検出方法としては、シリコンウェハ
表面を薬液に溶かして抽出しその薬液を分析する化学的
方法や、シリコンウェハ表面を直接分析する物理的方法
がある。化学的方法としては、シリコンウェハ上に形成
された酸化膜とともに不純物を分解液であるフッ化水素
酸(HF)で化学分解させて、その溶解液を試料として
化学的に分析する方法がある。物理的方法としては、全
反射蛍光X線分析法が一般的に用いられる。
【0004】全反射蛍光X線分析法は、シリコンウェハ
表面に微小角度で一次X線(励起X線)を入射させて、
シリコンウェハ表面の不純物から発生する蛍光X線を半
導体検出器などの検出器で検出し、不純物を分析するも
のである。全反射蛍光X線分析法によれば、試料表面の
微小領域のみを分析するので、シリコンウェハの表面全
てを分析するには長時間を要する。また近年シリコンウ
ェハの清浄度の向上にともない、シリコンウェハ表面の
不純物濃度は低下してきている。そのため、高感度の分
析が必要になっている。そこで、酸化膜とともに不純物
を分解液であるフッ化水素酸を含む溶液で化学分解させ
て、その溶解液をシリコンウェハ上の一箇所に集め、こ
れを加熱乾燥させて不純物を濃縮し、その濃縮物を全反
射蛍光X線分析する方法がある。これによって分析時間
の短縮を図ることができ、その上不純物が濃縮されてい
るために高感度の分析が可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】酸化膜とともに不純物
を化学分解させるには、図3に示すようにシリコンウェ
ハ102の表面の酸化膜121を上側に配置し、その酸
化膜121と分解液保持部材104との間隙に分解液で
あるフッ化水素酸溶液103を保持させて、分解液保持
部材104の移動によりフッ化水素酸溶液103でシリ
コンウェハ102の表面全体を拭く形でシリコンウェハ
102の表面全体について、その酸化膜121とフッ化
水素酸溶液103を化学反応させ、不純物を含んだ酸化
膜121を溶解し、その回収液を分析する方法がある。
しかし、この方法では、酸化膜121のフッ化水素酸溶
液103による溶解工程の間に雰囲気中の不純物が落下
して分解液であるフッ化水素酸溶液103に蓄積されて
しまうという問題がある。
【0006】高感度、かつS/N比を大きく分析するた
めには、不純物を含んだ酸化膜121を溶解して、回収
した後の分解液103は乾燥されなければならない。分
解液103はシリコンウェハ102上で乾燥されるか、
またはシリコンウェハ102から引き上げられて別の乾
燥台上で乾燥される。シリコンウェハ102上で乾燥さ
れる場合は、シリコンウェハ102も加熱され、分解液
103中の不純物がシリコンウェハ102中に熱拡散し
て分解液103中の不純物が減少し、正確な分析ができ
なくなるという問題がある。また、不純物を回収した後
の分解液103は濃縮されていないために体積が大き
く、シリコンウェハ102上で乾燥されると、乾燥痕形
状が歪になり、形状の再現性が極めて低くなる。そのた
め、X線分析における分析精度が低下するという問題が
ある。さらに、分解液103の体積が大きいために、乾
燥後の試料の位置が分析用の所定の位置、例えばX線の
照射位置からずれるという問題がある。
【0007】また、シリコンウェハ102から引き上げ
られて別の乾燥台上で乾燥される場合は、分解液103
をシリコンウェハ102に残さずに引き上げるには、高
度の技術を要するためにコストがかかるという問題があ
る。
【0008】そこで本発明は、酸化膜の溶解中における
分解液への雰囲気中の不純物の混入を防止できるととも
に、被分析材から分解液を容易に引き離すことができ、
かつ、分解液の乾燥において分解液中の不純物が減少し
たり分析用の所定の位置から試料がずれたりすることな
く、さらに、分析精度が向上するX線分析用試料調整方
法および装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明のX線分析用試料調整方法では、分解液保持
部材の上面に形成された保持部に被分析材の下面の付着
物質を溶解する分解液を保持させた状態で、この分解液
を前記被分析材の下面に接触させ、前記分解液保持部材
と前記被分析材とを前記被分析材の下面と平行な平面方
向に相対移動させることにより前記下面の付着物質を前
記分解液に溶解させ、前記分解液を保持した前記分解液
保持部材を前記下面から引き離し、前記分解液を、前記
分解液保持部材の保持部に保持した状態で、濃縮または
乾燥させることによりX線分析用の試料を調整する。
【0010】このX線分析用試料調整方法では、前記分
解液が前記分解液保持部材の保持部に保持された状態
で、前記分解液の濃縮を行い、前記濃縮された分解液を
前記分解液保持部材の上面から下面に貫通した滴下孔を
通して試料台の疎水性表面に滴下し、その疎水性表面上
で乾燥させるのが好ましい。
【0011】本発明のX線分析用試料調整装置は、被分
析材の下面の付着物質を溶解する分解液を保持する分解
液保持部材と、前記被分析材と前記分解液保持部材とを
前記被分析材の下面と平行な平面方向に相対移動させる
ことにより前記付着物質を前記分解液で溶解したのち
に、前記分解液を保持した前記分解液保持部材を前記下
面から引き離す移動機構と、前記分解液を、前記分解液
保持部材の保持部に保持した状態で、濃縮または乾燥さ
せる乾燥手段とを備えている。
【0012】このX線分析用試料調整装置では、前記分
解液保持部材が上面から下面に貫通する滴下孔を有し、
さらに、前記分解液保持部材の保持部で濃縮された前記
分解液を、空気圧力による押圧力または吸引力によっ
て、前記滴下孔を通って落下させる落下誘導機構を備え
るのが好ましい。
【0013】前記した本発明のX線分析用試料調整方法
または調整装置によれば、被分析材の下面に付着物質が
あるので、付着物質を分解液に溶解させる間に雰囲気中
の不純物が分解液に落下して蓄積されることを防止でき
る。また、分解液保持部材の上面に保持部を形成して分
解液を保持しているので、分解液を被分析材の下面から
容易に引き離すことができるうえに、分解液を被分析材
に残すことなく回収できる。
【0014】本発明のX線分析用試料調整方法または調
整装置は、また、分解液を分解液保持部材の保持部に保
持された状態で濃縮または乾燥するため、シリコンウェ
ハの試料台上のみで分解液を濃縮および乾燥をする場合
に生じるような、試料台が加熱されて分解液中の不純物
が試料台中に熱拡散して正確な分析ができなくなってし
まうというおそれは少ない。また、濃縮または乾燥され
て体積が小さくなった分解液を試料台に滴下するので、
試料台上の分解液の形状の再現性は高く、そのためX線
分析における分析精度は向上する。さらに、試料台上で
分解液の体積が大幅に変わることはないため、乾燥され
た後の試料の位置は分析用の所定の位置からほとんどず
れることはない。
【0015】濃縮された分解液が分解液保持部材の上面
から下面に貫通した滴下孔を通って試料台の表面に滴下
されるようにすると、試料台への滴下を容易に行うこと
ができる。
【0016】また、分解液保持部材の下部は、先端が細
いことが好ましい。先端が細いと、分解液を試料台の表
面に滴下する際、分解液が試料台の測定用の所定の位置
にくるように正確な位置決めを容易に行うことができ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
したがって説明する。図1(a),(b)は本発明の実
施形態にかかるX線分析用試料調整装置を示す。図1
(a)の装置の正面図に示すように、この装置は、内面
がフッ素樹脂から形成された試料調整室1の内部と外部
に以下の構成部品を備え、その外側を装置室11が覆っ
ている。
【0018】試料調整室1内では、シリコンウェハのよ
うな被分析材2を真空チャックを備えたウェハ台51で
吸着している。ウェハ台51はモータからなる第1回転
駆動機52に連結し、被分析材2と吸着盤51とは第1
回転駆動機52によってそれぞれの中心軸Cの周りを回
転する。第1回転駆動機52は棒状のアーム53に支持
されている。このアーム53は試料調整室1の外部まで
延び、試料調整室1の外部の支持台55上のモータから
なる第2回転駆動機54によって、アーム軸心53Cを
中心として回転し、この回転により被分析材2はその上
面と下面とが反転し得る。
【0019】また、試料調整室1内には、分解液保持部
材4が設けられており、分解液保持部材4は、その上面
に形成された保持部41で分解液3を保持する。この分
解液3は、被分析材2の下面に付着した、不純物を含む
自然酸化膜や蒸着等により形成された酸化膜のような付
着物質21を溶解する。分解液保持部材4は棒形状でフ
ッ素樹脂から形成され、上面から下面に貫通した滴下孔
42(図2(a))を有する。分解液保持部材4はL字
形のアーム56の水平部で支持され、アーム56の垂直
部が試料調整室1の外部まで延びて、ラックとピニオン
のような上下方向の駆動機構と、モータと歯車減速機の
ような回転機構とを内蔵した第1駆動ユニット57に連
結されている。これにより、アーム56は、Z方向に上
下移動するとともに、アーム軸心56Cを中心として回
転する。アーム56の回転により、分解液保持部材4は
A方向(図1(b))に回転する。
【0020】試料調整室1内の上壁には、被分析材2の
中心軸C上に遠赤外線ランプ6からなる乾燥手段が設け
られており、遠赤外線をしぼるフード61を備え、集光
型となっている。
【0021】試料調整室1には、ステー46を介して壁
47に取り付けられたディスペンサー45が配置され
て、図1(b)に示すように、分解液保持部材4がA方
向の回転によってディスペンサー45の下方に移動する
ことで、分解液保持部材4の保持部41にディスペンサ
ー45から分解液3を注入できる。ステー46は壁47
の外方へ延出されており、ステー46の中空部に設けた
補充通路を通して、外部からディスペンサー45に分解
液3を補充する。
【0022】図1(a)に示すように、試料調整室1の
外部にはポンプ81が設けられ、このポンプ81に、清
浄な空気を導出する導出チューブ82が接続され、さら
にチューブ82の先端に蓋部材83が取り付けられてい
る。これらポンプ81,導出チューブ82,蓋部材83
により落下誘導機構8が形成されている。ポンプ81は
フィルタ87を介して清浄な空気を取り入れている。ポ
ンプ81は、上下方向の駆動機構と、被分析材2の表面
と平行な平面上のY方向(図1(b))である前後方向
の駆動機構とを内蔵した第2駆動ユニット85に連結さ
れており、この第2駆動ユニット85は支持台86上に
支持されている。これにより、蓋部材83はZ方向に上
下移動するとともに、Y方向(図1(b))に前後移動
することができ、被分析材2の中心軸Cの上方への移
動、および中心軸C上からの退避が可能である。導出チ
ューブ82が試料調整室1の内部から外部へ貫通する部
分には、導出チューブ82が上下、および前後移動でき
るように挿通孔88が形成されている。この挿通孔88
によって試料調整室1の外部の不純物が試料調整室1の
内部に混入すること防止するために、導出チューブ82
にはカバー84が取り付けられており、導出チューブ8
2が上下、前後のいかなる位置に移動してもカバー84
が挿通孔88を塞いでいる。
【0023】図1(b)は、試料調整装置の平面図であ
り、分解液3を保持した分解液保持部材4(図1
(a))は、これを取り付けたアーム56の中心軸56
Cを中心として回転し、分解液3の注入時はディスペン
サー45の下方へ移動して、分解液3を受け取る。分解
液3が被分析材2の付着物質21(図1(a))を分解
する時は、一旦、分解液保持部材4(図1(b))を被
分析材2の中心軸Cの下方へ移動させ、さらに、第1回
転駆動機52による被分析材2(図1(a))の回転に
より、分解液保持部材4(図1(a))を、被分析材2
(図1(a))の中心から外周へ向かう軌跡Sに沿って
A1方向へ移動させる。
【0024】前記アーム53,56およびステー46が
試料調整室1の内部から外部へ貫通する部分は、シール
部材によって封止され、試料調整室1の外部の不純物が
試料調整室1の内部に混入することを防止する。
【0025】次に、動作について説明する。分解液保持
部材4をディスペンサー45の下方へ移動させて、分解
液3を分解液保持部材4の保持部41に受け取った後、
分解液保持部材4を被分析材2の中心部へ回転移動さ
せ、さらに上方へ移動させて、図2(a)に示すよう
に、分解液3を被分析材2の下面の付着物質21に接触
させる。この実施形態では、被分析材2はシリコンウェ
ハであり、付着物質21はシリコン上の不純物を含む自
然酸化膜SiO2 である。その酸化膜中の不純物を分析
するための分解液3は、シリコンは侵さないがシリコン
酸化物は分解して溶解するフッ化水素酸(HF)溶液で
ある。
【0026】次に、図2(b)に示すように、被分析材
2を中心軸Cの周りに回転し、分解液保持部材4を被分
析材2の中心からA1方向に移動させることによって、
被分析材2の下面全ての付着物質21に分解液3を接触
させる。分解液3がシリコン酸化膜の付着物質21を溶
解し、その溶解液は分解液3に回収される。分解液3上
に被分析材2が位置しているので、付着物質21の溶解
中に雰囲気中の不純物が分解液3に落下して蓄積される
ことはほとんどない。
【0027】溶解液が分解液3に回収された後、第1駆
動ユニット57(図1(a))によって図2(c)に示
すように分解液3を保持した分解液保持部材4が下方の
Z1方向に移動し、分解液3を被分析材2から引き離
す。分解液保持部材4を下方のZ1方向に移動するだけ
で分解液3を被分析材2の下面から引き離すことがで
き、その上に分解液3は被分析材2の下面に残ることな
く回収される。
【0028】次に、分解液3を保持した分解液保持部材
4は、アーム53(図1(a))よりも上方、かつ、遠
赤外線ランプ6の下方に移動され、図2(d)に示すよ
うに、付着物質21を回収した分解液3は分解液保持部
材4の保持部41に保持された状態で、遠赤外線ランプ
6が分解液3を濃縮する。遠赤外線ランプ6の光は、分
解液3のみに集中するようにフード61によってしぼっ
て照射するので、分解液保持部材4の高温化が避けら
れ、分解液3中の不純物が分解液保持部材4に付着され
ることはない。溶解液を回収した分解液3が例えば約1
00μl(マイクロリットル)の場合、分解液3は表面
張力により球形状を保ち、分解液3は保持部41上で保
持されている。また、この分解液保持部材4上での分解
液3の濃縮の間、図1(a)に示すように、被分析材2
は試料台51および第1回転駆動機52の下方に位置し
ているので、遠赤外線ランプ6の光が被分析材2の表面
を照射することはない。さらに、図1(b)に示すよう
に、分解液3の濃縮の間、蓋部材83は遠赤外線ランプ
6の下方に位置しないので、蓋部材83が遠赤外線ラン
プ6の光を遮ることはない。
【0029】遠赤外線ランプ6を一定時間照射すること
で、濃縮された分解液3が例えば約10μl(マイクロ
リットル)位になる。この状態で照射を停止し、第2駆
動ユニット86により、蓋部材83を被分解液保持部材
に接近するY1方向(図1(b))へ移動させ、被分解
液保持部材4の上方に配置させ、次に下方へ移動させ、
図2(e)に示すように蓋部材83を分解液3に被せ
る。その後、ポンプ81によって分解液3の上方から若
干高圧の空気を送る。この空気圧力による押圧力によっ
て、分解液3は上方から押圧されて落下が誘導され、滴
下孔42を通って落下する。これに先立ち、試料台7と
して用いられる被分析材2を図1(a)に二点鎖線で示
す位置へ回転させておき、自然酸化膜21が分解回収さ
れた面を上向きにする。この状態で、滴下孔42を通っ
た分解液3を試料台7のほぼ中心に滴下させる。被分析
材2は、光学的に平坦で不純物が少なく、疎水性の表面
を有するシリコンウェハであるので、全反射蛍光X線分
析用の試料台7として適している。
【0030】全反射蛍光X線分析でない場合は、試料台
7としては疎水性の表面とするために、例えば炭素コー
ティングした樹脂プレートを用いることもできる。ま
た、試料ホルダに交差したワイヤを架け渡し、その交差
点に濃縮した分解液3を滴下してもよい。
【0031】また、この実施形態では、ポンプ81によ
って上方から押圧することにより分解液3の落下を誘導
しているが、分解液保持部材4の下方から滴下孔24内
の空気を吸引することにより、落下を誘導してもよい。
【0032】分解液保持部材4の下部43は、先端が細
くなっている。したがって、試料台7の測定用の位置で
ある所定の位置にくるように正確な位置への滴下を容易
に行うことができる。
【0033】次に、図2(f)に示すように、試料台7
上に滴下した分解液3を試料台7上で乾燥する。この
時、試料台7への熱的な影響を減少させるため、分解液
保持部材3上での濃縮と同様に遠赤外ランプからなる乾
燥手段6を用いて、ランプの光は分解液3のみに集中す
るようにフード61によってしぼって照射して、分解液
3を完全に乾燥する。分解液3は、分解液保持部材4上
で濃縮された後に試料台7上で乾燥されるため、シリコ
ンウェハの試料台7上で乾燥される場合のシリコンの温
度上昇による不純物の熱拡散を考慮する必要が少ない。
また、濃縮されて体積が小さくなった分解液3を試料台
7上で乾燥するため、乾燥された分解液の形状は再現性
が高く、X線分析における分析精度が向上する。さら
に、試料台7上で濃縮されて乾燥される場合、濃縮中に
分解液3の体積が小さくなるにつれ、分解液3が所定の
位置からずれてしまうおそれがあるが、濃縮された後に
試料台7上で乾燥されるので、所定の位置からずれるお
それは少ない。
【0034】以上の工程により調整された試料は、試料
台7(被分析材2)ごとX線分析装置に運ばれてX線分
析がおこなわれる。
【0035】
【発明の効果】以上のように、本発明のX線分析用試料
調整方法または調整装置によれば、被分析材の下面に付
着物質があるので、付着物質を分解液に溶解させる間に
雰囲気中の不純物が分解液に落下して蓄積されることを
防止できる。また、分解液保持部材の上面に保持部を形
成して分解液を保持しているので、分解液を被分析材の
下面から容易に引き離すことができるうえに、分解液を
被分析材に残すことなく回収できる。
【0036】さらに、分解液を分解液保持部材の保持部
に保持された状態で濃縮または乾燥するため、シリコン
ウェハの試料台上のみで分解液を濃縮および乾燥をする
場合に生じるような、試料台が加熱されて分解液中の不
純物が試料台中に熱拡散して正確な分析ができなくなっ
てしまうというおそれは少ない。また、濃縮または乾燥
されて体積が小さくなった分解液を試料台に滴下するの
で、試料台上の分解液の再現性は高く、そのためX線分
析における分析精度は向上し、試料台上での乾燥により
分解液の体積が大幅に変わることはないため、乾燥後の
試料の位置は分析用の所定の位置からほとんどずれるこ
とはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施形態にかかるX線分析用
試料調整装置の正面図、(b)は平面図である。
【図2】(a)〜(f)は、本発明の実施形態にかかる
X線分析用試料調整方法の工程を示す図である。
【図3】従来のX線分析用試料調整方法の説明図であ
る。
【符号の説明】
1…試料調整装置室、2…被分析材、21…付着物質、
3…分解液、4…分解液保持部材、41…保持部、42
…滴下孔、57…駆動ユニット(移動機構)、6…遠赤
外線ランプ(乾燥手段)、7…試料台、71…試料台表
面、8…落下誘導機構。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分解液保持部材の上面に形成された保持
    部に被分析材の下面の付着物質を溶解する分解液を保持
    させた状態で、この分解液を前記被分析材の下面に接触
    させ、 前記分解液保持部材と前記被分析材とを前記被分析材の
    下面と平行な平面方向に相対移動させることにより前記
    下面の付着物質を前記分解液に溶解させ、 前記分解液を保持した前記分解液保持部材を前記下面か
    ら引き離し、 前記分解液を、前記分解液保持部材の保持部に保持した
    状態で、濃縮または乾燥させることによりX線分析用の
    試料を調整するX線分析用試料調整方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記分解液が前記分
    解液保持部材の保持部に保持された状態で、前記分解液
    の濃縮を行い、 前記濃縮された分解液を前記分解液保持部材の上面から
    下面に貫通した滴下孔を通して試料台の疎水性表面上に
    滴下し、その疎水性表面上で乾燥させるX線分析用試料
    調整方法。
  3. 【請求項3】 被分析材の下面の付着物質を溶解する分
    解液を保持する分解液保持部材と、 前記被分析材と前記分解液保持部材とを前記被分析材の
    下面と平行な平面方向に相対移動させることにより前記
    付着物質を前記分解液で溶解したのちに、前記分解液を
    保持した前記分解液保持部材を前記下面から引き離す移
    動機構と、 前記分解液を、前記分解液保持部材の保持部に保持した
    状態で、濃縮または乾燥させる乾燥手段とを備えたX線
    分析用試料調整装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記分解液保持部材
    が上面から下面に貫通する滴下孔を有し、さらに、前記
    分解液保持部材の保持部で濃縮された前記分解液を、空
    気圧力による押圧力または吸引力によって、前記滴下孔
    を通って落下させる落下誘導機構を備えたX線分析用試
    料調整装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012132779A (ja) * 2010-12-21 2012-07-12 Sumco Corp シリコン試料の分析方法
JP2013224946A (ja) * 2007-08-16 2013-10-31 Caldera Pharmaceuticals Inc ウェルプレート

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