JPH11159391A - 内燃機関のクランク角検出装置 - Google Patents

内燃機関のクランク角検出装置

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JPH11159391A
JPH11159391A JP32875697A JP32875697A JPH11159391A JP H11159391 A JPH11159391 A JP H11159391A JP 32875697 A JP32875697 A JP 32875697A JP 32875697 A JP32875697 A JP 32875697A JP H11159391 A JPH11159391 A JP H11159391A
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crank
signal
passage
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cam
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JP32875697A
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Inventor
Yuji Matsuoka
雄司 松岡
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】内燃機関の始動操作後に気筒判別を速やかに行
うことができる内燃機関のクランク角検出装置を提供す
る。 【解決手段】エンジン10のクランクシャフト15に一
体回転可能に設けられたクランクロータ54aの外周に
基準歯を等角度間隔毎に設ける。隣り合う一対の基準歯
間のうち特定の区間を気筒判別区間とし、同区間毎にそ
の数が異なる判別歯を配置する。ECU40は磁気セン
サ54bからの信号に基づいて同センサ54bの近傍を
通過する判別歯の数を計数し、その通過数に基づいてそ
の判別歯がいずれの気筒判別区間に属しているかを判断
する。ECU40はこの判定結果とカムポジションセン
サ60の出力信号とに基づいて気筒判別を実行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関におけるク
ランクシャフトの回転角度(クランク角)を検出する内
燃機関のクランク角検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の各気筒内に設けられたピスト
ンはコネクティングロッドを介してクランクシャフトに
連結されており、ピストンの往復動に伴ってクランクシ
ャフトが回転運動する。従って、気筒内におけるピスト
ンの位置はクランクシャフトの回転角度、即ちクランク
角(°CA、尚、「CA」は「crank angle 」の略称で
ある)に基づいて判断することができる。そして、点火
時期制御や燃料噴射時期制御といった内燃機関の各行程
(吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程)に同期し
た各種制御は、クランク角検出装置により検出されたク
ランク角に基づいて実行されている。
【0003】この種のクランク角検出装置としては、例
えば、特開平5−288112号公報に記載されている
クランク角検出装置が知られている。このクランク角検
出装置は、クランクシャフト近傍に設けられた回転数セ
ンサと、カムシャフト近傍に設けられた気筒判別センサ
とを備えている。
【0004】回転数センサはクランクシャフトに設けら
れたクランクロータと、同クランクロータに対して対向
可能に設けられた電磁ピックアップとから構成されてい
る。このクランクロータには、30°CA毎に被検出歯
が形成されているとともに、1つの被検出歯が欠落した
欠落部(不等間隔部)が形成されている。
【0005】また、気筒判別センサはカムシャフトに設
けられたカムロータと同カムロータに対して対向可能に
設けられた電磁ピックアップとから構成されている。こ
のカムロータには、1つの被検出歯が形成されており、
同カムロータが360°(720°CA)回転する毎に
気筒判別センサからは気筒判別信号が出力される。
【0006】このクランク角検出装置では、クランクロ
ータの回転に伴い欠落部が電磁ピックアップ近傍を通過
する際に回転数センサから出力される回転数信号を基準
位置信号とし、その基準位置信号出力後に出力される回
転数信号の信号数をカウントする。そして、そのカウン
タ値が所定値に達した時に気筒判別センサから気筒判別
信号が出力されているか否かによって各気筒の行程に対
応したクランク角の決定、即ち、気筒判別を行うことが
できる。
【0007】従って、上記クランク角検出装置では、2
つのセンサ(エンジン回転数センサ、気筒判別センサ)
を備えるだけで、気筒判別を行うことが可能となり、点
火すべき気筒の特定、燃料噴射すべき気筒の特定を行う
ことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例に係るクランク角検出装置では、例えば、欠落部が
電磁ピックアップ近傍を通過した直後に内燃機関の運転
が停止した場合、次回の機関始動時においてはクランク
シャフトが約360°CA回転した後でなければ次の欠
落部の通過が検出されず気筒判別を行うことができな
い。従って、上記従来例に係るクランク角検出装置で
は、気筒判別が遅れる場合があり機関始動性を向上させ
難いという問題があった。
【0009】本発明は、前記従来の問題点を解消するた
めになされたものであり、内燃機関の始動操作後に気筒
判別を速やかに行うことができる内燃機関のクランク角
検出装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載した発明では、4サイクル多気筒内
燃機関のクランクシャフトに一体回転可能に設けられ、
同クランクシャフトの回転方向に沿って等角度間隔毎に
配設された複数の第1通過被検出部を有するとともに、
隣り合う第1通過被検出部間のうち複数の所定区間に配
設され、その数が各所定区間毎で異なるように設定され
た第2通過被検出部を有するクランクロータと、クラン
クロータの回転に伴う第1通過被検出部及び第2通過被
検出部の通過を検出して各通過被検出部に応じた異なる
信号を出力する通過検出手段と、第1通過被検出部が通
過した後、隣り合う第1通過被検出部が通過するまでの
間に通過する第2通過被検出部の数を通過検出手段の信
号に基づいて計数する計数手段と、内燃機関のカムシャ
フトが半回転する毎に異なるカム角信号を出力するカム
角信号出力手段と、計数された第2通過被検出部の数及
びカム角信号に基づいて各気筒の行程に対応したクラン
ク角を検出するクランク角検出手段とを備えるようにし
ている。
【0011】上記構成において、クランクシャフトの回
転に伴ってクランクロータが回転すると、通過検出手段
は第1通過被検出部及び第2通過被検出部の通過を検出
するとともに、各通過被検出部に応じた信号を出力す
る。そして、計数手段はその出力された信号に基づい
て、第1通過被検出部が通過した後、隣り合う第1通過
被検出部が通過するまでの間に通過する第2通過被検出
部の数を計数する。
【0012】ここで、第1通過被検出部はクランクシャ
フトの回転方向に沿って等角度間隔毎に形成されている
ため、通過検出手段からはクランクシャフトが等角度回
転する毎に第1通過被検出部に対応した信号が出力され
る。
【0013】また、第2通過被検出部は隣り合う第1通
過被検出部間のうち複数の所定区間(以下、「気筒判別
区間」という)に配設され、その数が各気筒判別区間毎
で異なるように設定されている。従って、各気筒判別区
間に配設された第2通過被検出部が全て通過検出手段の
近傍を通過した後、更に第1通過被検出部が通過した時
点で前記計数手段により計数された第2通過被検出部の
数を参照することにより、その第2通過被検出部がいず
れの気筒判別区間に属しているかが判断されるととも
に、その判断結果に基づいて各気筒におけるピストン位
置が特定される。更に、上記構成においては気筒判別区
間が複数設けられているため、上記ピストン位置の特定
はクランクシャフトが一回転する間に複数回可能であ
る。
【0014】一方、カム角信号出力手段は、内燃機関の
カムシャフトが半回転する毎に異なるカム角信号を出力
する。各気筒の各行程における運転が行われる間にクラ
ンクシャフトは二回転するが、上記カム角信号を参照す
ることにより同クランクシャフトの回転が一回転目のも
のであるか二回転目のものであるかが特定される。
【0015】そして、クランク角検出手段は計数手段に
より計数された第2通過被検出部の数及びカム角信号出
力手段から出力されたカム角信号に基づいて各気筒の行
程に対応したクランク角の決定、即ち気筒判別が行われ
る。このように上記構成によればクランクシャフトが一
回転する間に気筒判別が複数回実行される。
【0016】ここで、上記気筒判別を確実に実行するう
えでは通過検出手段によって各通過被検出部の通過を確
実に検出することが必要である。図23(b)は、磁界
の方向を検出する検出素子M3を、同図(a)に示すよ
うに凸部M2が形成された磁性体M1の外周面に沿って
移動させた場合に、同素子M3から出力される検出信号
の変化を示している。また、図23(d)は、同検出素
子M3を、同図(c)に示すように凹部M4が形成され
た磁性体M1の外周面に沿って移動させた場合に、同素
子M3から出力される検出信号の変化を示している。
【0017】同図(b),(d)に示すように、検出素
子M3から出力される検出信号は、検出素子M3が凸部
M2或いは凹部M4の近傍を通過する際に基準値Vo か
ら一旦増減した後、同検出素子M3が凸部M2或いは凹
部M4の中心線C上を通過する際に再び基準値Vo に戻
ることがわかる。従って、検出素子M3の検出信号が上
記のように再び基準値Vo に達したタイミングt1を同
素子M3が凸部M2或いは凹部M4の中心線C上に位置
したタイミングとして検出することができる。
【0018】ところが、図24(a)に示すように磁性
体M1に対して複数の凸部M2がそれらの中心間距離が
異なるようにして形成されている場合には、同図(b)
に実線で示すように、検出素子M3が各凸部M2の中心
線C1〜C3上に位置するタイミングt1,t3,t5
と検出信号が基準値Vo となるタイミングt1,t2,
t4とが必ずしも一致しなくなる。
【0019】ここで、磁性体M1の外周面から検出素子
M3よりも更に所定距離Lだけ離間した位置に別の検出
素子M5を配置し、同素子M5を前記検出素子M3と同
様、磁性体の外周面に沿って移動させた場合、同素子M
5の検出信号は同図(b)に破線で示すように変化す
る。そして、この場合には検出素子M3,M5が各凸部
M2の中心線C1〜C3上に位置するときに、各検出素
子M3,M5の検出信号が常に一致することがわかる。
また、磁性体M1に対して凹部を複数形成するようにし
た場合(図示略)も同様に、各検出素子が各凹部の中心
線上に位置するときに、これら各検出素子の検出信号が
常に一致する。
【0020】請求項2に記載した発明は、上記知見に基
づいてなされたものであり、請求項1に記載した内燃機
関のクランク角検出装置において、クランクロータはそ
の外周部分に第1通過被検出部及び第2通過被検出部と
しての複数の凸部又は複数の凹部を有する磁性体からな
り、通過検出手段はクランクロータの外周近傍に生じる
磁界の方向を検出する素子であってクランクロータの外
周部分からその径方向に所定間隔を隔てて配置された一
対の検出素子を備え、各検出素子からの検出信号が一致
するタイミングを各通過被検出部の通過タイミングとし
て検出するようにしている。
【0021】従って、請求項2に記載した発明によれ
ば、請求項1に記載した発明の作用に加えて、各通過被
検出部の通過が所定のタイミング、即ち各通過被通過検
出部としての凸部又は凹部の中心線上に各検出素子が位
置するタイミングをもって確実に検出される。
【0022】請求項3に記載した発明は、請求項1に記
載した内燃機関のクランク角検出装置において、クラン
クロータはその外周部分に第1通過被検出部及び第2通
過被検出部としての複数の凸部を有する磁性体からな
り、通過検出手段はクランクロータの外周近傍に配設さ
れて同外周近傍における磁界の方向がクランクロータの
径方向と平行となるときに基準値となる検出信号を出力
するとともに各通過被検出部の通過に伴う磁界の方向変
化に基づき検出信号が基準値から増減して再び基準値と
なるタイミングを各通過被検出部の通過タイミングとし
て検出し、各通過被検出部間におけるクランクロータの
外周面と通過検出手段との距離が同クランクロータの回
転に伴って常に変化するように外周面を凹状に形成する
ようにしている。
【0023】上記構成と異なり、各通過被検出部間にお
けるクランクロータの外周部分を円弧状に形成した場
合、同外周部分の近傍では磁界の方向がクランクロータ
の径方向と平行となるため、同外周部分が通過検出手段
の近傍を通過するときには通過検出手段の検出信号が基
準値に保持されるようになる。このため、検出信号が基
準値に保持されているときにノイズ等の影響によって同
信号が各通過被検出部の通過とは無関係に増減して再び
基準値となると、このタイミングを各通過被検出部の通
過タイミングとして誤って検出してしまうおそれがあ
る。
【0024】この点、本発明に係る構成では、各通過被
検出部間におけるクランクロータの外周面と通過検出手
段との距離が同クランクロータの回転に伴って常に変化
するように外周面を凹状に形成しているため、各通過被
検出部間におけるクランクロータの外周部分近傍では磁
界の方向が同クランクロータの径方向に対して傾斜する
ようになる。従って、その外周部分が通過検出手段の近
傍を通過する場合でも同通過検出手段の検出信号が基準
値に保持されることがない。このため、仮にノイズ等の
影響により検出信号が変動するようなことがあっても、
同信号が基準値近傍で変動してしまうことは少なくなる
ため、上記のような通過タイミングの誤検出が抑制され
る。
【0025】
【発明の実施の形態】[第1の実施形態]以下、本発明
を4サイクルガソリンエンジン(以下、「エンジン」と
略記する)のクランク角検出装置に適用した第1の実施
形態について図1〜15を参照して説明する。
【0026】図1に示すように、エンジン10のシリン
ダブロック11内には8つのシリンダ12(同図ではそ
の第1気筒#1のみを示す)が形成されている。これら
各シリンダ12内にはピストン13が往復動可能に収容
されており、同ピストン13はコネクティングロッド1
4を介してクランクシャフト15に連結されている。ま
た、シリンダ12の内部においてピストン13の上方に
は燃焼室18が形成されている。
【0027】エンジン10のシリンダヘッド17には吸
気カムシャフト20及び排気カムシャフト21と、これ
ら各カムシャフト20,21の回転に伴い往復動する吸
気バルブ23及び排気バルブ24とが設けられている。
これら各カムシャフト20,21はタイミングベルト2
2によってクランクシャフト15に駆動連結されてい
る。このクランクシャフト15はエンジン10の各気筒
#1〜#8において各行程(吸気行程、圧縮行程、膨張
行程、排気行程)の運転が行われる間に二回転し、各カ
ムシャフト20,21はクランクシャフト15が二回転
する間に一回転する。シリンダヘッド17に形成された
吸気ポート26及び排気ポート27はこの各カムシャフ
ト20,21の回転に伴って各バルブ23,24が往復
動することにより所定のバルブタイミングで開閉され
る。
【0028】エンジン10には吸気バルブ23のバルブ
タイミングを変更するためのバルブタイミング変更装置
(以下、「VVT」と略記する)30が設けられてい
る。このVVT30によって吸気カムシャフト20が相
対回転させられることにより吸気バルブ23のバルブタ
イミングが変更される。また、VVT30によるバルブ
タイミングの変更動作は後述する電子制御装置(以下、
「ECU」と略記する)40によって制御される。
【0029】シリンダヘッド17には各気筒#1〜#8
に対応して点火プラグ50が設けられており、これら各
点火プラグ50はイグニッションコイル51に電気的に
接続されている。イグニッションコイル51において発
生した高電圧が点火プラグ50に供給されることによ
り、燃焼室18内において混合気の点火が行われる。ま
た、イグニッションコイル51における高電圧の発生時
期、即ち点火時期はECU40によってイグナイタ52
が制御されることにより調整される。
【0030】更に、シリンダヘッド17の近傍には各気
筒#1〜#8に対応して電磁弁式のインジェクタ53が
設けられており、同インジェクタ53から吸気ポート2
6に向けて燃料が噴射される。この燃料の噴射時期及び
噴射量はインジェクタ53の開閉弁時期がECU40に
より制御されることにより調節される。
【0031】次に、クランクシャフト15の近傍に設け
られたクランクポジションセンサ54について説明す
る。クランクポジションセンサ54は、クランクシャフ
ト15に固定されて同クランクシャフト15と一体に回
転するクランクロータ54aと、同クランクロータ54
aの外周面に対向するようにしてシリンダブロック11
に取り付けられた磁気センサ54bとを備えている。
【0032】クランクロータ54aは円板状の磁性体に
よって形成されており、その外周には図2に示すように
略矩形状をなす基準歯70及び判別歯71がそれぞれ複
数形成されている。
【0033】基準歯70はクランクロータ54aの外周
に等角度間隔(本実施形態では30°間隔)を隔てて1
2個形成されている。これに対して判別歯71は90°
間隔毎に配置された4つの基準歯70からクランクロー
タ54aの回転方向R1(図2に示す)に沿って等角度
間隔(本実施形態では5°間隔)を隔てて1乃至4個形
成されている。そして、一対の基準歯70とそれら各基
準歯70の間に配置された1乃至4個の判別歯71とに
よって複数の気筒判別区間、即ち、各基準歯70の間に
判別歯71が1個配置された第1の気筒判別区間S1、
同歯71が2個配置された第2の気筒判別区間S2、同
歯71が3個配置された第3の気筒判別区間S3、同歯
71が4個配置された第4の気筒判別区間S4がそれぞ
れ構成されている。
【0034】図3は第4の気筒判別区間S4に相当する
クランクロータ54aの外周部分を直線状に展開して示
すとともに、その外周部分に対向する磁気センサ54b
の一端部を示している。磁気センサ54bの一端部には
磁気抵抗型素子からなる第1検知部55及び第2検知部
56がクランクロータ54aの回転方向R1に沿って並
設されている。クランクロータ54aは磁性体によって
形成されているため、同ロータ54aの外周部分近傍に
は磁界が発生する。各検知部55,56はそれら各検知
部55,56の位置における磁界の向きを検出する。
【0035】ここで、各検知部55,56は、クランク
ロータ54aの回転方向R1に沿った両検知部55,5
6間の中心間距離L2と各歯70,71の中心間距離と
に関して以下の条件式が満たされるように配置されてい
る。
【0036】L3/2<L2<L1/2 ・・・(1) 上式(1)において「L1」は各気筒判別区間S1〜S
4を構成する一対の基準歯70のうちクランクロータ5
4aの回転方向R1側に位置する基準歯70(図3にお
いて左側に位置する基準歯70)と同基準歯70に隣接
する判別歯71との中心間距離であって、各気筒判別区
間S1〜S4において最も短い中心間距離である。即
ち、本実施形態においては、図3に示す第4の気筒判別
区間S4における基準歯70と同基準歯70に隣接する
判別歯71との距離がこの中心間距離L1に相当する。
また、「L3」は図3に示すように各判別歯71の中心
間距離である。
【0037】更に、磁気センサ54bには各検知部5
5,56からの検出信号を補正するための補正用検知部
57,58が各検知部55,56にそれぞれの対応して
設けられている。これら補正用検知部57,58は各検
知部55,56と同様の出力特性を有した磁気抵抗型素
子によって構成されている。図3に示すように、これら
補正用検知部57,58は各検知部55,56と同様、
クランクロータ54aの回転方向R1において所定の中
心間距離L2だけ離間した状態で配置されるとともに、
対応する各検知部55,56よりもクランクロータ54
aの外周面から更に所定距離△Lだけ離間した位置に配
置されている。
【0038】次に、吸気カムシャフト20の近傍に設け
られたカムポジションセンサ60について説明する。カ
ムポジションセンサ60は、図1に示すように、吸気カ
ムシャフト20に固定され同吸気カムシャフト20と一
体に回転するカムロータ60aと、同カムロータ60a
の外周面に対向するようにしてシリンダヘッド17に取
り付けられた磁気センサ60bとを備えている。
【0039】カムロータ60aは円板状の磁性体によっ
て形成されており、その外周には図4に示すように略矩
形状をなす複数の基準歯80及び判別歯81がそれぞれ
形成されている。
【0040】基準歯80はカムロータ60aの外周に等
角度間隔(本実施形態では45°間隔)を隔てて8個形
成されている。これに対して判別歯81は連続して配置
された4個の基準歯80に対応してそれぞれ1個ずつ、
その対応する基準歯80からカムロータ60aの回転方
向R2に沿って所定角度間隔(本実施形態では15°間
隔)を隔てて形成されている。従って、カムロータ60
aの外周には4個の基準歯80及び判別歯81が隣接し
て配置された区間(以下、「表気筒区間」という)と、
4個の基準歯80のみが配置された区間(以下、「裏気
筒区間」という)とが形成されている。
【0041】図5はカムロータ60aの外周部分を直線
状に展開して示すとともに、その外周部分に対向する磁
気センサ60bの一端側部分を示している。磁気センサ
60bの一端部にはクランクポジションセンサ54の磁
気センサ54bと同様、磁気抵抗型素子からなる第1検
知部61及び第2検知部62がカムロータ60aの回転
方向に沿って並設されている。カムロータ60aは磁性
体によって形成されているため、同ロータ60aの外周
部分近傍には磁界が発生する。各検知部61,62はこ
れら各検知部61,62の位置における磁界の向きを検
出する。
【0042】ここで、各検知部61,62は、カムロー
タ60aの回転方向R2に沿った両検知部61,62間
の中心間距離L5と各歯80,81の中心間距離とに関
して以下の条件式が満たされるように配置されている。
【0043】L4/2<L5<L6/2 ・・・(2) 上記条件式(2)において「L4」は基準歯80と同歯
80に対応して形成された判別歯81との中心間距離で
ある。また、「L6」は各判別歯81と同歯81とカム
ロータ60aの回転方向R2と同方向側で隣接する基準
歯80との中心間距離である。
【0044】更に、磁気センサ60bには各検知部6
1,62からの検出信号を補正するための補正用検知部
63,64が各検知部61,62にそれぞれの対応して
設けられている。これら補正用検知部63,64は各検
知部61,62と同様の出力特性を有した磁気抵抗型素
子により構成されている。図5に示すように各検知部6
1,62と同様、カムロータ60aの回転方向R2にお
いて所定の中心間距離L5だけ離間した状態で配置され
るとともに、対応する各検知部61,62よりもカムロ
ータ60aの外周面から更に所定距離△Lだけ離間した
位置に配置されている。
【0045】次に本実施形態に係るクランク角検出装置
の電気的構成について図6を参照して説明する。ECU
40は、関数データ及び各種制御プログラムが格納され
たROM41、ROM41に格納された各種プログラム
に基づいて演算処理を実行するCPU42、CPU42
での演算結果等を一時的に記憶するRAM43、ECU
40に対する電力供給停止時にRAM43に格納された
各種データを記憶保持するバックアップRAM44を備
えている。これらCPU42、ROM41、RAM43
及びバックアップRAM44は、双方向バス45を介し
て互いに接続されるとともに、入力回路46及び出力回
路47に接続されている。出力回路47にはVVT3
0、イグナイタ52、インジェクタ53が接続されてお
り、これらイグナイタ52等はCPU42において実行
された制御プログラムの演算結果に基づいてその作動が
制御される。
【0046】また、入力回路46には信号処理回路48
が接続されている。この信号処理回路48にはクランク
ポジションセンサ54及びカムポジションセンサ60が
接続されており、これら各センサ54,60の各検知部
55〜58,61〜64の出力信号が入力される。信号
処理回路48はこれら各出力信号を処理することによ
り、以下に説明するクランク基準角信号CRSG1,ク
ランク判別用信号CRSG2、カム基準角信号CASG
1、及びカム判別用信号CASG2を生成し、これら各
信号CRSG1,CRSG2,CASG1,CASG2
を入力回路46に対して出力する。
【0047】以下、クランクポジションセンサ54の各
検知部55〜58から出力される信号と、これら各出力
信号に基づいて生成されるクランク基準角信号CRSG
1及びクランク判別用信号CRSG2について説明す
る。
【0048】まず、図7に示すように、各検知部55〜
58のような磁界の方向を検出する磁気抵抗型素子Eを
前述した基準歯70或いは判別歯71のような一つの矩
形歯T(同図(b)に示す)の近傍を同図(a)に示す
二点鎖線上に沿って左から右へと移動させた場合を想定
し、その場合に磁気抵抗型素子Eから出力される信号の
変化(同図(c)に示す)について説明する。
【0049】(1)磁気抵抗型素子Eが矩形歯Tの左側
に位置し同矩形歯Tから十分に離間している場合 この場合には、図7(a)の二点鎖線上に示す矢印のよ
うに、各磁気抵抗型素子Eの各移動位置における磁界の
方向は矩形歯Tの中心線Cと平行な状態にある。従っ
て、磁気抵抗型素子Eの出力信号は図7(c)に示すよ
うに「0」に保持され変化しない。
【0050】(2)磁気抵抗型素子Eが矩形歯Tの左側
部近傍を通過する場合 この場合には、磁界の方向は矩形歯Tの中心線Cに対し
て徐々に傾斜した後、徐々に平行な状態に戻り、磁気抵
抗型素子Eが中心線Cに位置したときには再び同中心線
Cと平行な状態となる。従って、磁気抵抗型素子Eの出
力信号は「0」から一旦増加した後、再び「0」にまで
減少する。
【0051】(3)磁気抵抗型素子Eが矩形歯Tの右側
部近傍を通過する場合 この場合には、磁界の方向は矩形歯Tの中心線Cと平行
な状態から上記(2)の場合とは逆側に徐々に傾斜した
後、再び平行な状態に徐々に戻る。従って、磁気抵抗型
素子Eの出力信号は「0」から一旦減少した後、再び
「0」にまで増加する。
【0052】(4)磁気抵抗型素子Eが矩形歯Tの右側
に位置して矩形歯Tから十分に離間している場合 この場合には、磁界の方向は矩形歯Tの中心線Cと平行
な状態にある。従って、磁気抵抗型素子Eの出力信号は
「0」に保持され変化しない。
【0053】以上、説明したように磁気抵抗型素子Eか
らは図7(c)に示すような略正弦波状に変化する信号
が出力され、同信号は磁気抵抗型素子Eが矩形歯Tの中
心線Cを横切る際に減少しながら「0」となることがわ
かる。尚、磁気抵抗型素子Eを移動させる場合について
説明したが、同素子Eに対して矩形歯Tを相対的に移動
させる場合についても磁気抵抗型素子Eからは同様の信
号が出力される。
【0054】本実施形態では磁気抵抗型素子から出力さ
れる信号が同素子と矩形歯との相対的な位置変化に伴い
前述したように変化することを利用して、クランクロー
タ54a及びカムロータ60aに形成された各歯70,
71,80,81が各磁気センサ54b,60bの近傍
を通過したことを検出するようにしている。
【0055】図8は、第4の気筒判別区間S4における
各基準歯70及び判別歯71(同図(a)に示す)が前
記磁気センサ54bの近傍を通過する際に同磁気センサ
54bの第1検知部55から出力される信号A1(同図
(b)の実線)と、同検知部55に対応して設けられた
補正用検知部57から出力される信号A2(同図(b)
の破線)の変化をそれぞれ示している。
【0056】同図(b)に示すように、補正用検知部5
7の信号A2は第1検知部55の信号A1と比較してそ
の振幅が小さい。補正用検知部57は第1検知部55よ
りもクランクロータ54aの外周部分から離間して配置
されており、同補正用検知部57の位置における磁界の
方向変化が第1検知部55の位置における磁界の方向変
化よりも相対的に小さいからである。
【0057】また、第1検知部55の信号A1は同検知
部55が各歯70,71の中心線上を横切る際に必ずし
も「0」にはなっていない。本実施形態におけるクラン
クロータ54aでは、いずれの歯70,71に関しても
その中心線の両側部分において歯70,71が対称的に
は形成されておらず、各歯70,71の中心線上におけ
る磁界の状態が各歯70,71毎に異なっているからで
ある。従って、第1検知部55の信号A1が減少して
「0」になるタイミングと、同第1検知部55が各歯7
0,71のいずれかの中心線上に位置するタイミングと
がずれることとなる。そこで、信号処理回路48ではこ
のようなずれを補正するために以下のような処理が行わ
れる。
【0058】即ち、信号処理回路48は第1検知部55
の信号A1と補正用検知部57の信号A2との差分信号
DSG1(=A1−A2)を生成する。図8(c)に示
すように、この差分信号DSG1は各検知部55,57
が各歯70,71の中心線上を通過するときに常に
「0」となることがわかる。同図(b)に示すように、
各検知部55,57から出力される信号A1,A2は、
各検知部55,57が各歯70,71の中心線上に位置
したときにその大きさが常に等しくなるからである。こ
のようにして得られた差分信号DSG1に基づいて第1
検知部55が各歯70,71の中心線上を横切るタイミ
ングt1〜t6を求めることができる。
【0059】更に、信号処理回路48は上記差分信号D
SG1と同様に、第2検知部56及び補正用検知部58
の各信号に基づいて差分信号DSG2を生成するととも
に、これら各差分信号DSG1,DSG2に基づいてク
ランク基準角信号CRSG1及びクランク判別用信号C
RSG2をそれぞれ生成する。
【0060】図9(b)は、前記第4の気筒判別区間S
4の各歯70,71(同図(a)に示す)が磁気センサ
54aの近傍を通過する際に信号処理回路48において
生成される各差分信号DSG1,DSG2の変化を示し
ている。前述したように、各検知部55,56はクラン
クロータ54aの回転方向R1に沿って所定の中心間距
離L2だけ離間して配置されているため、第1検知部5
5及び補正用検知部57の信号に基づいて生成される差
分信号DSG1は第2検知部56及び補正用検知部58
の信号に基づいて生成される差分信号DSG2に対して
所定の位相遅れを有している。
【0061】まず、信号処理回路48は、図9(c)に
示すように、差分信号DSG1が「0」より大きい場合
にHレベルとなり、同差分信号DSG1が「0」以下で
ある場合にLレベルとなる第1の矩形信号TSG1を生
成する。同様にして信号処理回路48は、同図(d)に
示すように、差分信号DSG2が「0」より大きい場合
にHレベルとなり、同差分信号DSG2が「0」以下の
場合にLレベルとなる第2の矩形信号TSG2を生成す
る。
【0062】次に、信号処理回路48は第1の矩形信号
TSG1がHレベルからLレベルに切り替わるとき(タ
イミングt1〜t6)に第2の矩形信号TSG2がLレ
ベルである場合(タイミングt1,t6)に、図9
(e)に示すパルス状のクランク基準角信号CRSG1
を生成し、これを入力回路46に対して出力する。これ
に対して、信号処理回路48は第1の矩形信号TSG1
がHレベルからLレベルに切り替わるときに第2の矩形
信号TSG2がHレベルである場合(タイミングt2〜
t5)に、図9(f)に示すパルス状のクランク判別用
信号CRSG2を生成し、これを入力回路46に対して
出力する。
【0063】ここで、各検知部55,56は上記条件式
(1)を満たすように配置されているため、第1の矩形
信号TSG1がHレベルからLレベルに切り替わる際に
おける第2の矩形信号TSG2のレベルは、各検知部5
5,56の近傍を通過する歯70,71が基準歯70で
あるか或いは判別歯71であるかに応じて異なったもの
となる。即ち、図9(c),(d)に示すように、基準
歯70が通過する場合、第1の矩形信号TSG1がHレ
ベルからLレベルに切り替わる際における第2の矩形信
号TSG2のレベルは常にLレベルとなっているのに対
し、判別歯71が通過する場合、同レベルは常にHレベ
ルとなっている。
【0064】従って、各検知部55,56の近傍を基準
歯70が通過する毎に信号処理回路48からは入力回路
46に対してクランク基準角信号CRSG1が出力さ
れ、各検知部55,56の近傍を判別歯71が通過する
毎に信号処理回路48からは入力回路46に対してクラ
ンク判別用信号CRSG2が出力されることになる。
【0065】次に、カムポジションセンサ60の各検知
部61〜64から出力される信号と、これら各信号に基
づいて生成されるカム基準角信号CASG1及びカム判
別用信号CASG2について説明する。
【0066】信号処理回路48は前述した各差分信号D
SG1,DSG2を生成する場合と同様に、第1検知部
61及び補正用検知部63の出力信号から図10(b)
に実線で示す差分信号DSG3を生成するとともに、第
2検知部62及び補正用検知部64の出力信号から同図
(b)に破線で示す差分信号DSG4を生成する。前述
したように、各検知部61,62はカムロータ60aの
回転方向R2に沿って所定の中心間距離L5だけ離間し
て配置されているため、第1検知部61及び補正用検知
部63の信号に基づいて生成される差分信号DSG3は
第2検知部62及び補正用検知部64の信号に基づいて
生成される差分信号DSG4に対して所定の位相遅れを
有している。
【0067】次に、信号処理回路48は、図10(c)
に示すように、差分信号DSG3が「0」より大きい場
合にHレベルとなり、同差分信号DSG3が「0」以下
である場合にLレベルとなる第3の矩形信号TSG3を
生成する。同様にして信号処理回路48は、同図(d)
に示すように、差分信号DSG4が「0」より大きい場
合にHレベルとなり、同差分信号DSG4が「0」以下
である場合にLレベルとなる第4の矩形信号TSG4を
生成する。
【0068】更に、信号処理回路48は第3の矩形信号
TSG3がHレベルからLレベルに切り替わるとき(タ
イミングt1〜t3)に第4の矩形信号TSG4がLレ
ベルである場合(タイミングt1,t3)に、図10
(e)に示すパルス状のカム基準角信号CASG1を生
成し、これを入力回路46に対して出力する。これに対
して、信号処理回路48は第3の矩形信号TSG3がH
レベルからLレベルに切り替わるときに第4の矩形信号
TSG4がHレベルである場合(タイミングt2)に、
図10(f)に示すパルス状のカム判別用信号CASG
2を生成し、これを入力回路46に対して出力する。
【0069】ここで、各検知部61,62は上記条件式
(2)を満たすように配置されているため、第3の矩形
信号TSG3がHレベルからLレベルに切り替わる際に
おける第4の矩形信号TSG4のレベルは、各検知部6
1,62の近傍を通過する歯80,81が基準歯80で
あるか或いは判別歯81であるかに応じて異なったもの
となる。即ち、図10(c),(d)に示すように、各
検知部61,62の近傍を基準歯80が通過する場合、
第3の矩形信号TSG3がHレベルからLレベルに切り
替わる際における第4の矩形信号TSG4のレベルは常
にLレベルとなっているのに対し、判別歯81が通過す
る場合、同レベルは常にHレベルとなっている。
【0070】従って、各検知部61,62の近傍を基準
歯80が通過する毎に信号処理回路48からは入力回路
46に対してカム基準角信号CASG1が出力され、各
検知部61,62の近傍を判別歯81が通過する毎に信
号処理回路48からは入力回路46に対してカム判別用
信号CASG2が出力されることになる。
【0071】図11(a)〜(c)は上記各クランク基
準角信号CRSG1及びクランク判別用信号CRSG2
の出力態様をクランクロータ54aの各歯70,71と
対応させて示し、同図(d)〜(f),(g)〜(i)
は各カム基準角信号CASG1及びカム判別用信号CA
SG2の出力態様をカムロータ60aの各歯80,81
と対応させてそれぞれ示している。また、同図(d)〜
(f)はVVT30によって吸気バルブ23のバルブタ
イミングが最も遅角側に制御された際における各カム基
準角信号CASG1及びカム判別用信号CASG2の出
力態様を示し、同図(g)〜(i)は吸気バルブ23の
バルブタイミングが最も進角側に制御された際における
各カム基準角信号CASG1及びカム判別用信号CAS
G2の出力態様をそれぞれ示している。
【0072】同図に示すように、VVT30によって吸
気カムシャフト20の回転位相が変更されることによ
り、各カム基準角信号CASG1及びカム判別用信号C
ASG2が出力されるタイミングは変化するが、エンジ
ン10の始動時から気筒判別が終了するまでの期間はV
VT30によって吸気バルブ23のバルブタイミングは
常に最も遅角側に制御されるようになっている。従っ
て、図11(d)〜(f)に示すように、各カム基準角
信号CASG1及びカム判別用信号CASG2は、各気
筒判別区間S1〜S4の各歯70,71がクランクポジ
ションセンサ54の各検知部55,56近傍を通過して
いる期間内に必ず出力されるようになっている。
【0073】次に上記構成を備えたクランク角検出装置
におけるクランク角検出手順について図12〜15を参
照して説明する。まず、ECU40により実行されるメ
インルーチンについて図12のフローチャートを参照し
て説明する。このメインルーチンはエンジン10のイグ
ニッションスイッチ(図示略)が「ON」されたときに
開始され、同イグニッションスイッチが「OFF」され
るまで継続して実行される。尚、図12にはメインルー
チンにおいてECU40により実行される処理のうちク
ランク角検出手順に関する処理のみを示している。
【0074】ステップ100においてECU40は後述
するクランクカウンタ値CRC、判別用カウンタ値JD
C、カムカウンタ値CAC、カムレベル値CL、クラン
ク基準角信号検出フラグXCRSG1の初期化を行う。
前記バックアップRAM44にはこれら各値CRC、J
DC、CAC、CL、XCRSG1の初期値がそれぞれ
格納されており、ECU40は各値CRC、JDC、C
AC、CL、XCRSG1をこれら初期値と等しく設定
する。本実施形態においては、クランクカウンタ値CR
Cは「100」に初期化され、同様に判別用カウンタ値
JDCは「0」、カムカウンタ値CACは「100」、
カムレベル値CLは「100」、クランク基準角信号検
出フラグXCRSG1は「0」にそれぞれ初期化され
る。
【0075】ステップ200において、ECU40はク
ランク基準角信号CRSG1又はクランク判別用信号C
RSG2のいずれか一方が出力されているか否かを判定
する。ここで肯定判定された場合、ECU40は処理を
ステップ300に移行し、後述する「クランク角検出ル
ーチン」の各処理を実行する。従って、この「クランク
角検出ルーチン」はクランクポジションセンサ54の検
知部55,56近傍をクランクロータ54aの各歯7
0,71が通過する毎に割込処理として繰り返し実行さ
れる。これに対して、ステップ200において否定判定
された場合、又は「クランク角検出ルーチン」における
各処理を実行した場合、ECU40は処理をステップ4
00に移行する。
【0076】ステップ400において、ECU40はク
ランク基準角信号CRSG1が出力されているか否かを
判定する。ここで肯定判定された場合、ECU40は処
理をステップ500に移行する。そして、ステップ50
0において、ECU40はクランク基準角信号検出フラ
グXCRSG1を「1」に設定する。
【0077】このクランク基準角信号検出フラグXCR
SG1はイグニッションスイッチが「ON」されてメイ
ンルーチンが開始された後に、クランク基準角信号CR
SG1が少なくとも一回は出力されたか否かを判定する
ためのフラグである。従って、このクランク基準角信号
検出フラグXCRSG1はメインルーチンの開始後、ク
ランク基準角信号CRSG1が未だ出力されていない間
は「0」に保持され、同信号CRSG1が最初に出力さ
れたときに「1」に設定され、その後はメインルーチン
が終了するまで「1」に保持される。
【0078】一方、ステップ400において否定判定さ
れた場合、又はステップ500の処理を実行した場合、
ECU40は処理をステップ600に移行する。ステッ
プ600において、ECU40はカム基準角信号CAS
G1或いはカム判別用信号CASG2のいずれか一方が
出力されているか否かを判定する。ここで、肯定判定さ
れた場合、ECU40は処理をステップ700に移行
し、吸気カムシャフト20の回転角、即ちカム角を検出
する「カム角検出ルーチン」の各処理を実行する。従っ
て、この「カム角検出ルーチン」はカムポジションセン
サ60の検知部61,62近傍をカムロータ60aの各
歯80,81が通過する毎に割込処理として繰り返し実
行される。この「カム角検出ルーチン」については後述
する。
【0079】これに対して、ステップ600において否
定判定された場合、又は「カム角検出ルーチン」におけ
る各処理を実行した場合、ECU40は再びステップ2
00以降の処理を実行する。
【0080】次に、上記「クランク角検出ルーチン」に
おける各処理について図13のフローチャートを参照し
て説明する。ステップ310において、ECU40はク
ランク基準角信号検出フラグXCRSG1が「1」であ
るか否かを判定する。ここで否定判定された場合、クラ
ンク基準角信号CRSG1が未だ一度も出力されていな
いため、ECU40は本ルーチンにおける処理を一旦終
了する。
【0081】これに対して、ステップ310において肯
定判定された場合、クランク基準各信号CRSG1が少
なくとも一回は出力されたため、ECU40は処理をス
テップ320に移行する。
【0082】ステップ320において、ECU40はク
ランク基準角信号CRSG1が現在出力されているか否
かを判定する。ここで否定判定された場合、現在、クラ
ンク判別用信号CRSG2が出力されているため、EC
U40は処理をステップ322に移行する。そして、ス
テップ322において、ECU40は判別用カウンタ値
JDCを「1」だけインクリメントしてその値をRAM
43に格納する。
【0083】この判別用カウンタ値JDCは各気筒判別
区間S1〜S4における一方の基準歯70が各検知部5
5,56の近傍を通過した後に、同検知部55,56の
近傍を通過した判別歯71の数に相当するものである。
従って、他方の基準歯70の通過に伴って再びクランク
基準角信号CRSG1が出力された時点で、この判別用
カウンタ値JDCを参照することにより、それら各基準
歯70及び判別歯71がいずれの気筒判別区間S1〜S
4に属するのかを判別することができる。そして、その
判別結果に基づいてシリンダ12内におけるピストン1
3の位置を特定することができる。このステップ322
の処理を実行した後、ECU40は処理を本ルーチンに
おける処理を一旦終了する。
【0084】一方、ステップ320において肯定判定さ
れた場合、ECU40は現在、クランク基準角信号CR
SG1が出力されていることから処理をステップ330
に移行する。
【0085】ステップ330において、ECU40はカ
ムレベル値CL及び判別用カウンタ値JDCをRAM4
3から読み出す。このカムレベル値CLは現在、カムポ
ジションセンサ60の各検知部61,62の近傍を通過
しているカムロータ60aの歯80,81が表気筒区間
に属する歯80,81であるか、或いは裏気筒区間に属
する歯80であるか、換言すれば、クランクシャフト1
5の回転が1回転目のものであるか或いは2回転目のも
のであるかを判別するためのものであり、後述する「カ
ム角検出ルーチン」において設定されRAM43に格納
されている値である。後述するように、このカムレベル
値CLが「2」以上である場合、クランクシャフト15
の回転は1回転目のものであり、「2」未満である場
合、同シャフト15の回転は2回転目のものである。
【0086】更に、ステップ340において、ECU4
0はクランクカウンタ値CRCが「100」より小さい
か否かを判定する。このクランクカウンタ値CRCは各
気筒#1〜#8の行程に対応したクランク角に相当する
値である。従って、このクランクカウンタ値CRCに基
づいて点火時期制御や燃料噴射制御といった各種制御を
各気筒#1〜#8の行程に同期したタイミングで実行す
ることができる。クランクカウンタ値CRCは気筒判別
が終了していない間は初期値「100」に保持されてお
り、気筒判別が終了した後は気筒判別終了時の値からク
ランク角が30°CA増加する毎に「1」ずつインクリ
メントされ、「24」に達したときには「0」に設定さ
れる。そして、「0」から再びクランク角が30°CA
増加する毎に「1」ずつインクリメントされる。
【0087】ステップ340において否定判定された場
合、ECU40は未だ気筒判別が終了していないことか
ら処理をステップ342に移行し、同ステップ342以
降の各処理においてクランクカウンタ値CRCの決定、
即ち気筒判別を実行する。ステップ342において、E
CU40は判別用カウンタ値JDCが「0」であるか否
かを判定する。ここで肯定判定された場合、ECU40
は現在の制御周期までに少なくともクランク基準角信号
CRSG1が2回出力されたものの、各気筒判別区間S
1〜S4にいずれかの区間に属する判別歯71の全てが
各検知部55,56の近傍を通過していないことから、
ECU40は本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0088】これに対して、ステップ342において否
定判定された場合、いずれかの気筒判別区間S1〜S4
に属する判別歯71の全てが各検知部55,56の近傍
を通過したことから、ECU40は処理をステップ34
4に移行する。
【0089】ステップ344において、ECU40は判
別用カウンタ値JDCとカムレベル値CLとに基づいて
クランクカウンタ値CRCの算出、即ち気筒判別を行
う。前述したように、いずれか一つの気筒判別区間S1
〜S4にある全ての歯70,71が各検知部55,56
の近傍を通過した時点で判別用カウンタ値JDCを参照
することにより、シリンダ12内におけるピストン13
の位置を特定することができる。
【0090】しかしながら、シリンダ12内におけるピ
ストン13の位置のみでは各行程に対応したクランク角
を決定することができない。シリンダ12内におけるピ
ストン13の位置が同一となる時期が各気筒#1〜#8
の4行程中に二回存在するからである。
【0091】そこで、判別用カウンタ値JDCに加えて
カムレベル値CLを参照することによりクランクカウン
タ値CRCを算出することができ、例えば、各気筒#1
〜#8のピストン13が上死点にある場合にその上死点
が圧縮上死点なのか或いは吸気上死点なのかを判別する
ことができる。
【0092】前記ROM41にはこの判別用カウンタ値
JDC及びカムレベル値CLとクランクカウンタ値CR
Cとの関係を定義する関数マップが記憶されており、E
CU40はクランクカウンタ値CRCを算出する際にこ
の関数マップを参照する。
【0093】以下の表1はこの関数マップを示してい
る。ECU40は、例えば、判別用カウンタ値JDCが
「1」、カムレベル値CLが「1」である場合にはクラ
ンクカウンタ値CRCを「11」として算出し、判別用
カウンタ値JDCが「2」、カムレベル値CLが「2」
である場合にはクランクカウンタ値CRCを「2」とし
て算出する。
【0094】
【表1】
【0095】ステップ344においてクランクカウンタ
値CRCを算出した後、ECU40は処理をステップ3
46に移行する。そして、ステップ346において、E
CU40は判別用カウンタ値JDCを「0」に設定した
後、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0096】これに対して、前述したステップ340に
おいて肯定判定された場合、即ち、クランクカウンタ値
CRCが初期値「100」以外の値に変更されて気筒判
別が既に終了している場合、ECU40は処理をステッ
プ350に移行する。ステップ350において、ECU
40は判別用カウンタ値JDCが「1」であるか否か、
即ち第1の気筒判別区間S1の各歯70,71が各検知
部55,56の近傍を通過した直後であるか否かを判定
する。ここで否定判定された場合、ECU40は処理を
ステップ352に移行する。ステップ352及び同ステ
ップ352以降に実行される各ステップ356、358
の一連の処理はクランク基準角信号CRSG1が出力さ
れる毎に、即ち、クランクシャフト15が30°CA回
転する毎にクランクカウンタ値CRCを「1」づつイン
クリメントするための処理である。
【0097】ステップ352において、ECU40は現
在のクランクカウンタ値CRCを「1」だけインクリメ
ントする。次に、ステップ356において、ECU40
はクランクカウンタ値CRCが「24」であるか否かを
判定する。ここで肯定判定された場合、ステップ358
において、ECU40はクランクカウンタ値CRCを
「0」に設定する。一方、ステップ356で否定判定さ
れた場合、又はステップ358の処理を実行した場合、
ECU40は処理を後述するステップ380に移行す
る。
【0098】これに対して、ステップ350において肯
定判定された場合、ECU40は処理をステップ360
に移行する。そして、ステップ360において、ECU
40はカムレベル値CLが「2」以上であるか否かを判
定する。ここで肯定判定された場合、カムポジションセ
ンサ60の各検知部61,62近傍を通過するカムロー
タ60aの歯80,81が表気筒区間に属しており、ク
ランクシャフト15の回転が一回転目のものであるた
め、ECU40は処理をステップ362に移行する。そ
して、ステップ362において、ECU40はクランク
カウンタ値CRCを「23」に設定する。
【0099】一方、ステップ360において否定判定さ
れた場合、カムポジションセンサ60の各検知部61,
62近傍を通過するカムロータ60aの歯80,81が
裏気筒区間に属しており、クランクシャフト15の回転
が二回転目のものであるため、ECU40は処理をステ
ップ370に移行する。そして、ステップ370におい
て、ECU40はクランクカウンタ値CRCを「11」
に設定する。このステップ370の処理或いは前記ステ
ップ362の処理を実行した後、ECU40は処理をス
テップ380に移行する。
【0100】ここで、上記ステップ350、360、3
62、370の一連の処理は第1の気筒判別区間S1に
おける各歯70,71がクランクポジションセンサ54
の各検知部55,56近傍を通過する毎に実行される処
理であり、クランクカウンタ値CRCの修正を行うため
の処理である。例えば、仮にノイズ等の影響により各歯
70,71の通過とは無関係なクランク基準角信号CR
SG1やクランク判別用信号CRSG2が出力されてク
ランクカウンタ値CRCの値が正しい値からずれた場合
でも、上記ステップ350、360、362、370の
各処理を実行すことによってクランクシャフト15が一
回転する間にクランクカウンタ値CRCは必ず正しい値
に修正される。
【0101】そして、ステップ380において、ECU
40は判別用カウンタ値JDCを「0」に設定した後、
本ルーチンの処理を一旦終了する。次に、前記「カム角
検出ルーチン」における各処理について図14及び図1
5のフローチャートを参照して説明する。
【0102】ステップ700において、ECU40はカ
ム基準角信号CASG1が出力されているか否かを判定
する。ここで肯定判定された場合、ECU40はステッ
プ702に処理を移行する。
【0103】ステップ702においてカムレベル値CL
が「100」であるか否かを判定する。ここで肯定判定
された場合、ECU40は処理をステップ703に移行
する。ステップ703において、ECU40はカムレベ
ル値CLを「0」に設定した後、本ルーチンの処理を一
旦終了する。
【0104】これに対して、ステップ702において否
定判定された場合、ECU40は処理をステップ704
に移行する。ステップ704において、ECU40はカ
ムレベル値CLが「3」であるか否かを判定する。ここ
で、否定判定された場合、ECU40は処理をステップ
706に移行する。
【0105】ステップ706において、ECU40はカ
ムレベル値CLが「2」であるか否かを判定する。ここ
で肯定判定された場合、ECU40は処理をステップ7
07に移行する。そして、ステップ707において、E
CU40はカムカウンタ値CACを「4」に設定する。
【0106】これに対して、ステップ706において否
定判定された場合、即ち、カムレベル値CLが「1」又
は「0」である場合、ECU40は処理をステップ70
8に移行する。ステップ708において、ECU40は
カムカウンタ値CACを「3」だけインクリメントす
る。
【0107】このカムカウンタ値CACはクランクシャ
フト15が90°CA回転(吸気カムシャフト20が4
5°回転)してカム基準角信号CASG1が出力される
毎に、「3」ずつインクリメントされる値であり、カム
角に相当する値である。前述したようにエンジン10に
はVVT30が設けられており、同VVT30によって
吸気カムシャフト20が相対回転させられるため、カム
角を例えばクランク角(クランクカウンタ値CRC)に
基づいて一義的に決定することができない。そこで、本
実施形態に係るクランク角検出装置では、吸気カムシャ
フト20の回転角度を直接検出することにより、カム角
(カムカウンタ値CAC)を検出するようにしている。
また、クランクポジションセンサ54の故障等によりク
ランク角(クランクカウンタ値CRC)を検出すること
ができない場合に、このカムカウンタ値CACはクラン
クカウンタ値CRCの代用として用いることもできる。
【0108】次に、ステップ710において、ECU4
0はカムカウンタ値CACが「25」であるか否かを判
定する。ここで肯定判定された場合、ECU40は処理
をステップ712に移行する。そして、ステップ712
において、ECU40はカムカウンタ値CACを「1」
に設定する。
【0109】一方、前述したステップ704において肯
定判定された場合、ステップ710において否定判定さ
れた場合、或いは各ステップ707,712の各処理を
実行した場合、ECU40は処理をステップ714に移
行する。
【0110】ステップ714において、ECU40はカ
ムレベル値CLを「1」だけデクリメントする。そし
て、ステップ716において、ECU40はカムレベル
値CLが「0」より小さいか否かを判定する。ここで肯
定判定された場合、ECU40は処理をステップ718
に移行して、カムカウンタ値CLを「0」に設定する。
【0111】これに対して、ステップ716において否
定判定された場合、或いはステップ718の処理を実行
した場合、ECU40は本ルーチンの処理を一旦終了す
る。一方、前述したステップ700において否定判定さ
れた場合、即ち、現在、カム判別用信号CASG2が出
力されている場合、ECU40は処理を図15に示すス
テップ720に移行する。
【0112】ステップ720において、ECU40はカ
ムレベル値CLが「100」であるか否かを判定する。
ここで肯定判定された場合、ECU40は処理をステッ
プ721に移行する。そして、ステップ721におい
て、ECU40はカムレベル値CLを「3」に設定した
後、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0113】これに対して、ステップ720において否
定判定された場合、ECU40は処理をステップ722
に移行する。ステップ722において、ECU40はカ
ムレベル値CLが「0」であるか否かを判定する。ここ
で肯定判定された場合、ECU40は処理をステップ7
23に移行し、同ステップ723においてカムカウンタ
値CACを「16」に設定する。これに対して、ステッ
プ722において否定判定された場合、ECU40は処
理をステップ724に移行する。
【0114】ステップ724において、ECU40はカ
ムカウンタ値CACを「3」だけインクリメントする。
そして、続くステップ726において、ECU40はカ
ムカウンタ値CACが「25」であるか否かを判定す
る。ここで肯定判定された場合、ECU40は処理をス
テップ728に移行して、カムカウンタ値CACを
「1」に設定する。
【0115】一方、ステップ726において否定判定さ
れた場合、或いは各ステップ723,728の各処理を
実行した場合、ECU40は処理をステップ730に移
行する。そして、ステップ730において、ECU40
はカムレベル値CLを「3」に設定した後、本ルーチン
の処理を一旦終了する。
【0116】以上説明したように、上記「クランク角検
出ルーチン」及び「カム角検出ルーチン」ではクランク
角に相当するクランクカウンタ値CRC及びカム角に相
当するカムカウンタ値CACが算出される。そして、E
CU40はこれらクランクカウンタ値CRC及びカムカ
ウンタ値CACに基づいて点火時期制御や燃料噴射制
御、或いはバルブタイミング制御といった各種制御を実
行する。
【0117】ここで、本実施形態に係るクランク角検出
装置では、クランクロータ54aの外周に判別歯71の
数が異なる複数の気筒判別区間S1〜S4を設けてい
る。そして、各気筒判別区間S1〜S4の各歯70,7
1がクランクポジションセンサ54の各検知部55,5
6近傍を通過する際にその判別歯71の数を判別用カウ
ンタ値JDCとしてRAM43に記憶し、この判別用カ
ウンタ値JDCとカムレベル値CLとに基づいてクラン
クカウンタ値CRCを決定するようにしている。
【0118】ここで、各気筒判別区間S1〜S4はクラ
ンクロータ54aに対して90°CA間隔毎に4つ設け
られているため、クランクシャフト15が 1回転する
間にクランクカウンタ値CRCを決定することができる
時期、即ち、気筒判別の実行可能な時期が4回存在する
ことになる。
【0119】例えば、図11に示すタイミングt1でエ
ンジン10の始動が開始された場合には、第2の気筒判
別区間S2の各歯70の通過が全て検知されるタイミン
グt3においてクランクカウンタ値CRCを決定するこ
とができる。また、例えばタイミングt2のように、第
2の気筒判別区間S2の各歯70の一部が既に通過した
後にエンジン10の始動が開始された場合であっても、
第3の気筒判別区間S3における各歯70の通過が全て
検知されるタイミングt4においてクランクカウンタ値
CRCを決定することができる。
【0120】従って、本実施形態によれば、少なくとも
クランクシャフト15が約120°CA回転する間に気
筒判別を確実に実行することができる。その結果、点火
時期制御等の各気筒#1〜#8の行程に対応して実行さ
れる制御をより早期に開始することができようになるた
め、エンジン10の始動性を向上させることができる。
【0121】また、前記クランクポジションセンサ54
におけるクランクロータ54aでは、いずれの歯70,
71に関してもその中心線の両側部分において歯70,
71が対称的には形成されていない。このため、前述し
たように、各歯70,71の中心線上における磁界の状
態が各歯70,71毎に異なり、各検知部55,56の
信号が減少して「0」になるタイミングと、各検知部5
5,56が各歯70,71のいずれかの中心線上に位置
するタイミングとがずれることとなる。従って、これら
各検知部55,56の出力信号のみに基づいて、各歯7
0,71の通過を検出しようとした場合、その検出がで
きないか或いは正確な通過のタイミングを検出すること
が困難になる。
【0122】この点、本実施形態におけるクランクポジ
ションセンサ54では補正用検知部57,58を設け、
これら各検知部57,58からの出力信号に基づいて第
1検知部55及び第2検知部56の出力信号を補正し、
この補正後の信号、即ち前記差分信号DSG1,DSG
2に基づいて各歯70,71の通過を検出するようにし
ている。このため、各検知部55,56が各歯70,7
1の中心線上に位置したタイミングを正確に検出するこ
とができる。
【0123】また、カムポジションセンサ60に関して
も補正用検知部63,64を設けるようにしているた
め、上記と同様に第1検知部61及び第2検知部62が
カムロータ60aの中心線上に位置したタイミングを正
確に検出することができる。
【0124】このように、本実施形態によれば、クラン
クロータ54a及びカムロータ60aにおける各歯7
0,71,80,81の通過を確実に且つ正確なタイミ
ングで検出することができるようになり、より正確なク
ランク角検出を実行することができる。
【0125】更に、本実施形態では、前述したようにエ
ンジン10の始動時において吸気バルブ23のバルブタ
イミングをVVT30により最も遅角側に制御し、カム
基準角信号CASG1又はカム判別用信号CASG2を
各気筒判別区間S1〜S4の各歯70,71に対応した
クランク基準角信号CRSG1或いはクランク判別用信
号CRSG2の出力期間内に出力するようにしている。
【0126】例えば、本実施形態とは異なり、例えば吸
気バルブ23のバルブタイミングを最も進角側に制御し
た場合(図11(g)〜(i)参照)のように、カム基
準角信号CASG1又はカム判別用信号CASG2が各
気筒判別区間S1〜S4の各歯70,71に対応したク
ランク基準角信号CRSG1或いはクランク判別用信号
CRSG2の出力期間内に出力されない場合には、タイ
ミングt1でエンジン10の始動が開始された場合であ
っても、タイミングt4においてしか気筒判別を実行す
ることができない。従って、本実施形態のようにタイミ
ングt3において気筒判別を終了することができなくな
る。タイミングt1〜t3の期間にカム基準角信号CA
SG1或いはカム判別用信号CASG2が一度も出力さ
れないため、カムレベル値CLを決定することができな
いからである。
【0127】この点、本実施形態によれば、各気筒判別
区間S1〜S4のいずれかの区間における全ての歯7
0,71の通過が検知された時点でカムレベル値CLは
必ず決定されているため、確実にクランクカウンタ値C
RCの決定を行うことができる。その結果、本実施形態
によれば、クランク角をより速やかに決定することがで
き、エンジン10の始動性を更に向上させることができ
る。 [第2の実施形態]次に、第2の実施形態について上記
第1の実施形態との相違点を中心に説明する。尚、第1
の実施形態と同様の構成、制御手順、及び作用効果につ
いては説明を省略する。
【0128】本実施形態ではクランクポジションセンサ
54の磁気センサ54bに係る構成、及びカムポジショ
ンセンサ60の磁気センサ60bに係る構成が上記第1
の実施形態と相違している。
【0129】図16は第4の気筒判別区間S4に相当す
るクランクロータ54aの外周部分を直線状に展開して
示すとともに、その外周部分に対向する磁気センサ54
bの一端部を示している。磁気センサ54bの一端部に
は磁気抵抗型素子からなる第1検出素子90a、第2検
出素子90b、及び第3検出素子90cがクランクロー
タ54aの回転方向R1に沿って等間隔を隔てて並設さ
れている。これら各検出素子90a〜90cはクランク
ロータ54aの径方向における磁界の強さを検出するも
のである。
【0130】また、これら各検出素子90a〜90c
は、第1検出素子90a及び第2検出素子90bの中間
位置と第2検出素子90b及び第3検出素子90cの中
間位置との距離L7と、前述した各中心間距離L1,L
3との間に関して以下の条件式が満たされるように配置
されている。
【0131】L3/2<L7<L1/2 ・・・(3) そして、本実施形態におけるクランクポジションセンサ
54では第1検出素子90a及び第2検出素子90bに
より第1検知部91が構成され、第2検出素子90b及
び第3検出素子90cにより第2検知部92が構成され
ている。尚、本実施形態では第1の実施形態とは異なり
前記補正用検知部57,58は省略されている。
【0132】図17はカムロータ60aの外周部分を直
線状に展開して示すとともに、その外周部分に対向する
磁気センサ60bの一端部を示している。磁気センサ6
0bの一端部には磁気抵抗型素子からなる第1検出素子
94a、第2検出素子94b、及び第3検出素子94c
がカムロータ60aの回転方向R1に沿って等間隔を隔
てて並設されている。これら各検出素子94a〜94c
はカムロータ60aの径方向における磁界の強さを検出
するものである。
【0133】また、各検出素子94a〜94cは、第1
検出素子94a及び第2検出素子94bの中間位置と第
2検出素子94b及び第3検出素子94cの中間位置と
の距離L8と、前述した各中心間距離L4,L6との間
に関して以下の条件式が満たされるように配置されてい
る。
【0134】L4/2<L8<L6/2 ・・・(4) そして、本実施形態におけるカムポジションセンサ60
では第1検出素子94a及び第2検出素子94bにより
第1検知部95が構成され、第2検出素子94b及び第
3検出素子94cにより第2検知部96が構成されてい
る。尚、本実施形態では第1の実施形態とは異なり前記
補正用検知部63,64は省略されている。
【0135】次に、上記クランクポジションセンサ54
の各検知部91,92からの信号に基づき信号処理回路
48において生成されるクランク基準角信号CRSG1
及びクランク判別用信号CRSG2について説明する。
【0136】図18(b),(e)は、第4の気筒判別
区間S4における各基準歯70及び判別歯71(同図
(a)に示す)が前記磁気センサ54bの近傍を通過す
る際に前記各検知部91,92の検出素子90a〜90
cから出力される信号の変化を示している。同図(b)
の破線は第1検出素子90aの出力信号B1を示し、実
線は第2検出素子90bの出力信号B2を示している。
また、同図(e)の破線は第3検出素子90cの出力信
号B3を示し、実線は第2検出素子90bの出力信号B
2を示している。
【0137】まず、図18(c)に示すように、信号処
理回路48は第2検出素子90bの出力信号B2と第1
検出素子90aの出力信号B1との差分信号DSG1
(=B2−B1)を生成する。そして、信号処理回路4
8は、この差分信号DSG1が「0」より大きい場合に
Hレベルとなり、「0」以下である場合にLレベルとな
る第1の矩形信号TSG1を生成する。同図(d)に示
すようにこの第1の矩形信号TSG1はクランクロータ
54aの回転方向における第1検知部91の中心が各歯
70,71の中心線上に位置したときにHレベルからL
レベルに切り替わる。
【0138】更に、図18(f)に示すように、信号処
理回路48は第3検出素子90cの出力信号B3と第2
検出素子90bの出力信号B2との差分信号DSG2
(=B3−B2)を生成するとともに、同図(g)に示
すように、その差分信号DSG2が「0」より大きい場
合にHレベルとなり、「0」以下である場合にLレベル
となる第2の矩形信号TSG2を生成する。
【0139】そして、信号処理回路48は第1の実施形
態と同様に、上記各矩形信号TSG1,TSG2に基づ
いて図18(h),(i)に示すように、クランク基準
角信号CRSG1及びクランク判別用信号CRSG2を
生成し、これら各信号CRSG1,CRSG2を入力回
路46に対して出力する。
【0140】ここで、各検知部91,92は上記条件式
(3)を満たすように配置されているため、第1の矩形
信号TSG1がHレベルからLレベルに切り替わる際に
おける第2の矩形信号TSG2のレベルは、各検知部9
1,92の近傍を通過する歯70,71が基準歯70で
あるか或いは判別歯71であるかに応じて異なったもの
となる。即ち、各検知部91,92の近傍を基準歯70
が通過する場合、第1の矩形信号TSG1がHレベルか
らLレベルに切り替わる際における第2の矩形信号TS
G2のレベルは常にLレベルとなっているのに対し、判
別歯71が通過する場合、同レベルは常にHレベルとな
っている。
【0141】従って、各検知部91,92の近傍を基準
歯70が通過する毎に信号処理回路48からは入力回路
46に対してクランク基準角信号CRSG1が出力さ
れ、判別歯71が通過する毎に信号処理回路48からは
入力回路46に対してクランク判別用信号CRSG2が
出力されることになる。
【0142】次に、カムポジションセンサ60の各検知
部95,96から出力される信号と、これら各信号に基
づいて生成されるカム基準角信号CASG1及びカム判
別用信号CASG2について説明する。
【0143】図19(b),(e)は、カムロータ60
aの各基準歯80及び判別歯81(同図(a)に示す)
が前記磁気センサ60bの近傍を通過する際に前記各検
知部95,96の検出素子94a〜94bから出力され
る信号の変化を示している。同図(b)の破線は第1検
出素子94aの出力信号C1を示し、実線は第2検出素
子90bの出力信号C2を示している。また、同図
(e)の破線は第3検出素子94cの出力信号C3を示
し、実線は第2検出素子90bの出力信号C2を示して
いる。
【0144】まず、図19(c)に示すように、信号処
理回路48は第2検出素子94bの出力信号C2と第1
検出素子94aの出力信号C1との差分信号DSG3
(=C2−C1)を生成するとともに、同図(f)に示
すように、第3検出素子94cの出力信号C3と第2検
出素子94bの出力信号C2との差分信号DSG4(=
C3−C2)を生成する。そして、信号処理回路48は
前記各矩形信号TSG1,TSG2を生成する場合と同
様に、これら各差分信号DSG3,DSG4に基づいて
図19(d),(g)に示す第3の矩形信号TSG3及
び第4の矩形信号TSG4を生成する。更に、信号処理
回路48は第1の実施形態と同様に、これら各矩形信号
TSG3,TSG4に基づいて同図(h),(i)に示
すようなカム基準角信号CASG1及びカム判別用信号
CASG2をそれぞれ生成し、これら各信号CASG
1,CASG2を入力回路46に対して出力する。
【0145】ここで、各検知部95,96は上記条件式
(4)を満たすように配置されているため、第3の矩形
信号TSG3がHレベルからLレベルに切り替わる際に
おける第4の矩形信号TSG4のレベルは、各検知部9
5,96の近傍を通過する歯80,81が基準歯80で
あるか或いは判別歯81であるかに応じて異なったもの
となる。即ち、各検知部95,96の近傍を基準歯80
が通過する場合、第3の矩形信号TSG3がHレベルか
らLレベルに切り替わる際における第4の矩形信号TS
G4のレベルは常にLレベルとなっているのに対し、判
別歯81が通過する場合、同レベルは常にHレベルとな
っている。
【0146】従って、各検知部95,96の近傍を基準
歯80が通過する毎に信号処理回路48からは入力回路
46に対してカム基準角信号CASG1が出力され、各
検知部95,96の近傍を判別歯81が通過する毎に信
号処理回路48からは入力回路46に対してカム判別用
信号CASG2が出力されることになる。
【0147】そして、ECU40は、これらクランク基
準角信号CRSG1、クランク判別用信号CRSG2、
カム基準角信号CASG1、及びカム判別用信号CAS
G2に基づいて前述したメインルーチン、クランク角検
出ルーチン、カム角検出ルーチンをそれぞれ実行する。
【0148】このように構成された本実施形態によれ
ば、上記第1の実施形態と同等の作用効果を奏すること
ができることに加え、クランクポジションセンサ54及
びカムポジションセンサ60の各検知部91,92,9
5,96をそれぞれ各ロータ54a,60aの径方向に
おける磁界の強さを検出する磁気抵抗型素子によって構
成するようにしたため、前述したような補正用検知部5
7,58,63,64を設ける必要が無くなり各センサ
54,60における構成の簡素化を図ることができる。
【0149】[第3の実施形態]次に、第3の実施形態
について上記第1の実施形態との相違点を中心に説明す
る。尚、第1の実施形態と同様の構成、制御手順、及び
作用効果については説明を省略する。
【0150】本実施形態ではクランクロータ54a及び
カムロータ60aの外周部分における形状が第1の実施
形態と相違している。図20はクランクロータ54aの
外周部分の一部を示している。同図に示すように、本実
施形態のクランクロータ54aでは、判別歯71がそれ
らの間に存在しない一対の基準歯70間における外周部
分の外周面をV字状をなすように傾斜させている。ま
た、判別歯71と同歯71と隣接してクランクロータ5
4aの回転方向R1と同方向側に配置された基準歯70
との間における外周部分についても同様に、その外周面
をV字状に傾斜させている。本実施形態では、このよう
に上記外周部分の外周面を傾斜させ、各検知部55〜5
8により検出される磁界の方向を絶えず変化させること
によって、各検知部55〜58の出力信号におけるノイ
ズの影響を抑えるようにしている。
【0151】例えば、本実施形態と異なり、クランクロ
ータ54aの形状を図20に破線で示すような形状に設
定した場合には、図21に一点鎖線で示すように、これ
ら各検知部55〜58の出力信号が略「0」の状態とな
る期間が存在することとなる。図20に破線で示す部分
が各検知部55〜58を通過する際には、これら各検知
部55〜58における磁界の方向がクランクロータ54
aの径方向と常に一致するようになるからである。この
ように出力信号が「0」となる期間が存在していると、
例えばノイズ等の影響によって信号が「0」近傍で変動
した場合に、各歯70,71の通過とは無関係にクラン
ク基準角信号CRSG1やクランク判別用信号CRSG
2が出力されてしまうおそれがある。
【0152】この点、本実施形態に係る構成によれば、
図21に実線で示すように、これら各検知部55〜58
の出力信号は常に変化するようになり、同信号が「0」
に保持される期間が存在しなくなる。このため、ノイズ
等の影響により信号が変動した場合に、このノイズに起
因して各歯70,71の通過とは無関係にクランク基準
角信号CRSG1等が出力されてしまうことを抑制する
ことができる。
【0153】また、図22に示すように、カムロータ6
0aに関しても同様に、各歯80,81間における外周
部分が傾斜面によってV字状に形成されている。従っ
て、上記と同様に各歯80,81の通過とは無関係なカ
ム基準角信号CASG1やカム判別用信号CASG2の
出力を抑制することができる。
【0154】その結果、本実施形態によれば第1の実施
形態と同等の作用効果を奏することができることに加
え、クランクポジションセンサ54及びカムポジション
センサ60における耐ノイズ性を向上させることによ
り、更に正確なクランク角検出を実行することができる
ようになる。
【0155】以上説明した各実施形態は以下のようにそ
の構成を変更して実施することもできる。・上記第1及
び第2の実施形態ではクランクロータ54aの外周に各
歯70,71を形成し、同クランクロータ54aの回転
に伴う各歯70,71の通過を磁気センサ54bによっ
て検知するようにした。これに対して、クランクロータ
54aの外周に凹部を複数形成し、この凹部の通過を磁
気センサ54bによって検知するようにしてもよい。同
様に、カムロータ60aの外周に凹部を複数形成し、カ
ムロータ60aの回転に伴う凹部の通過を磁気センサ6
0bによって検知するようにしてもよい。
【0156】・上記各実施形態では判別歯71,81を
クランクロータ54a又はカムロータ60aの外周部分
に等角度間隔毎に形成するようにしたが、上記各条件式
(1)〜(4)を満たしていれば、これら各判別歯7
1,81を不等間隔毎に形成するようにしてもよい。
【0157】・上記各実施形態では気筒判別区間S1〜
S4を4つ設けるようにしたが、同区間の数を5つ以上
設けるようにしてもよく、或いは同区間を2つ或いは3
つ設けるようにしてもよい。
【0158】・上記各実施形態ではクランクロータ54
aの外周に30°毎に12個の基準歯70を配置するよ
うにしたが、この基準歯70の数は任意に設定すること
ができ、例えば、60°CA毎に6個の歯を配置すると
ともに、隣り合う基準歯70間のうち複数の所定区間に
判別歯71を配置するようにしてもよい。また、カムロ
ータ60aに関しても同様に基準歯80の数を変更する
ようにしてもよい。
【0159】・上記各実施形態ではクランク判別用信号
CRSG2の数をECU40(CPU42)によって計
数し、この数を判別用カウンタ値JDCとしてRAM4
3に記憶するようにしている。これに対して、ECU4
0にカウンタを別途設け、このカウンタにクランク判別
用信号CRSG2を入力するとともに、同カウンタから
クランク判別用信号CRSG2の入力回数を前記判別用
カウンタ値JDCとして読み出すようにしてもよい。こ
のように構成すれば、ECU40(CPU42)におけ
る演算負荷を軽減することができる。
【0160】・上記各実施形態ではエンジン10に吸気
バルブ23のバルブタイミングを変更するためのVVT
30を設けるようにしたが、このVVT30を省略する
ようにしてよい。或いは、エンジン10に排気バルブ2
4のバルブタイミングを変更するVVTを設けるように
してもよい。この場合には、上記カムロータ60aと同
様の構成を有するカムロータを排気カムシャフト21に
設けるようにする。更に、吸気バルブ23及び排気バル
ブ24の双方のバルブタイミングを変更するVVTをエ
ンジン10に設けるようにしてもよい。
【0161】・上記第2の実施形態において第1〜3検
出素子第90a〜90cをクランクロータ54aの回転
方向R1に沿って等間隔を隔てて設けるようにしたが、
これら各素子90a〜90cは不等間隔を隔てて設ける
ようにしてもよい。
【0162】・上記第2の実施形態において第2検出素
子90bを第1検知部91と第2検知部92で共用する
ようにしたが、各検知部91用として第1及び第2検出
素子、第2検知部92用として第3検出素子及び第4検
出素子をそれぞれ用いるようにしてもよい。
【0163】
【発明の効果】請求項1乃至3に記載した発明によれ
ば、クランクシャフトが一回転する間に各気筒の行程に
対応したクランク角の決定、即ち気筒判別が複数回実行
される。その結果、本発明によれば、内燃機関の始動時
に気筒判別を速やかに行うことができ、機関始動性を向
上させることができる。
【0164】特に請求項2に記載した発明では、各通過
被検出部の通過が所定のタイミング、即ち各通過被通過
検出部としての凸部又は凹部の中心線上に各検出素子が
位置するタイミングをもって確実に検出される。また、
請求項3に記載した発明では、ノイズ等の影響により検
出信号が変動するようなことがあっても、検出信号が基
準値近傍で変動してしまうことが少なくなり上記通過タ
イミングの誤検出が抑制される。その結果、請求項2又
は3に記載した発明によればより正確なクランク検出を
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態におけるクランク角検出装置を
示す概略構成図。
【図2】クランクロータの形状を示す平面図。
【図3】クランクポジションセンサの各検知部の配置状
態を示す説明図。
【図4】カムロータの形状を示す平面図。
【図5】カムポジションセンサの各検知部の配置状態を
示す説明図。
【図6】クランク角検出装置の電気的構成を示すブロッ
ク図。
【図7】クランクポジションセンサ及びカムポジション
センサにおける検出原理を説明するための説明図。
【図8】差分信号等の出力状態を示すタイミングチャー
ト。
【図9】クランク基準角信号及びクランク判別用信号等
の出力状態を示すタイミングチャート。
【図10】カム基準角信号及びカム判別用信号等の出力
状態を示すタイミングチャート。
【図11】クランク基準角信号、クランク判別用信号、
カム基準角信号及びカム判別用信号の出力状態を示すタ
イミングチャート。
【図12】メインルーチンの各処理を示すフローチャー
ト。
【図13】クランク角検出ルーチンの各処理を示すフロ
ーチャート。
【図14】カム角検出ルーチンの各処理を示すフローチ
ャート。
【図15】カム角検出ルーチンの各処理を示すフローチ
ャート。
【図16】第2の実施形態におけるクランクポジション
センサの各検知部の配置状態を示す説明図。
【図17】第2の実施形態におけるカムポジションセン
サの各検知部の配置状態を示す説明図
【図18】クランク基準角信号及びクランク判別用信号
等の出力状態を示すタイミングチャート。
【図19】カム基準角信号及びカム判別用信号等の出力
状態を示すタイミングチャート。
【図20】第3の実施形態におけるクランクロータを示
す平面図。
【図21】クランクポジションセンサの各検知部からの
出力信号を示すグラフ。
【図22】第3の実施形態におけるカムロータを示す平
面図。
【図23】本発明の作用を説明するための説明図。
【図24】本発明の作用を説明するための説明図。
【符号の説明】
10…エンジン、15…クランクシャフト、40…EC
U、54…クランクポジションセンサ、54a…クラン
クロータ、54b…磁気センサ、55…第1検知部、5
6…第2検知部、57,58…補正用検知部、60…カ
ムポジションセンサ、70…基準歯、71…判別歯、S
1…第1の気筒判別区間、S2…第2の気筒判別区間、
S3…第3の気筒判別区間、S4…第4の気筒判別区
間。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 4サイクル多気筒内燃機関のクランクシ
    ャフトに一体回転可能に設けられ、同クランクシャフト
    の回転方向に沿って等角度間隔毎に配設された複数の第
    1通過被検出部を有するとともに、隣り合う第1通過被
    検出部間のうち複数の所定区間に配設され、その数が前
    記各所定区間毎で異なるように設定された第2通過被検
    出部を有するクランクロータと、 前記クランクロータの回転に伴う前記第1通過被検出部
    及び第2通過被検出部の通過を検出して前記各通過被検
    出部に応じた異なる信号を出力する通過検出手段と、 第1通過被検出部が通過した後、隣り合う第1通過被検
    出部が通過するまでの間に通過する第2通過被検出部の
    数を前記通過検出手段の信号に基づいて計数する計数手
    段と、 前記内燃機関のカムシャフトが半回転する毎に異なるカ
    ム角信号を出力するカム角信号出力手段と、 前記計数された第2通過被検出部の数及び前記カム角信
    号に基づいて各気筒の行程に対応したクランク角を検出
    するクランク角検出手段とを備えたことを特徴とする内
    燃機関のクランク角検出装置。
  2. 【請求項2】 前記クランクロータはその外周部分に前
    記第1通過被検出部及び前記第2通過被検出部としての
    複数の凸部又は複数の凹部を有する磁性体からなり、前
    記通過検出手段は前記クランクロータの外周近傍に生じ
    る磁界の方向を検出する素子であって前記クランクロー
    タの外周部分からその径方向に所定間隔を隔てて配置さ
    れた一対の検出素子を備え、各検出素子からの検出信号
    が一致するタイミングを前記各通過被検出部の通過タイ
    ミングとして検出する請求項1に記載した内燃機関のク
    ランク角検出装置。
  3. 【請求項3】 前記クランクロータはその外周部分に前
    記第1通過被検出部及び前記第2通過被検出部としての
    複数の凸部を有する磁性体からなり、前記通過検出手段
    は前記クランクロータの外周近傍に配設されて同外周近
    傍における磁界の方向が前記クランクロータの径方向と
    平行となるときに基準値となる検出信号を出力するとと
    もに前記各通過被検出部の通過に伴う磁界の方向変化に
    基づき前記検出信号が前記基準値から増減して再び基準
    値となるタイミングを前記各通過被検出部の通過タイミ
    ングとして検出する請求項1に記載した内燃機関のクラ
    ンク角検出装置であって、前記各通過被検出部間におけ
    る前記クランクロータの外周面と前記通過検出手段との
    距離が同クランクロータの回転に伴って常に変化するよ
    うに前記外周面が凹状に形成されていることを特徴とす
    る内燃機関のクランク角検出装置。
JP32875697A 1997-09-30 1997-11-28 内燃機関のクランク角検出装置 Pending JPH11159391A (ja)

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JP32875697A JPH11159391A (ja) 1997-11-28 1997-11-28 内燃機関のクランク角検出装置
US09/161,526 US6035826A (en) 1997-09-30 1998-09-28 Crank angle detecting apparatus of internal combustion engine
DE69828127T DE69828127T2 (de) 1997-09-30 1998-09-29 Vorrichtung zur Feststellung des Winkels der Kurbelwelle eines Verbrennungsmotors
EP98118386A EP0905375B1 (en) 1997-09-30 1998-09-29 Crank angle detecting apparatus of internal combustion engine

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011021494A (ja) * 2009-07-13 2011-02-03 Toyota Motor Corp 多気筒内燃機関の始動制御装置
JP2014034942A (ja) * 2012-08-09 2014-02-24 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置

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