JPH11158799A - 偽造防止用紙およびそれを用いた印刷物 - Google Patents

偽造防止用紙およびそれを用いた印刷物

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JPH11158799A
JPH11158799A JP32730497A JP32730497A JPH11158799A JP H11158799 A JPH11158799 A JP H11158799A JP 32730497 A JP32730497 A JP 32730497A JP 32730497 A JP32730497 A JP 32730497A JP H11158799 A JPH11158799 A JP H11158799A
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Hideyoshi Ide
英誉 井出
Toshifumi Imai
敏文 今井
Satoshi Gocho
智 牛腸
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Abstract

(57)【要約】 【課題】真偽判定が簡単確実にでき、かつ印刷技術や電
子複写機による偽造や切り貼りによる番号改ざんを不可
能にする偽造防止用紙およびそれを用いた印刷物を提供
することにある。 【解決手段】用紙基材10に顕色剤22を塗布もしくは
混入し、発色剤42を高分子物質でなるマイクロチュー
ブ50に内包したものを、少なくとも前記塗布面に接着
剤などを介して貼り付けてなるものか、前記発色剤42
をマイクロチューブ50に内包したものを前記基材10
に漉き込んでなる偽造防止用紙100としたものであ
る。また、用紙基材10に発色剤42を塗布もしくは混
入し、顕色剤22をマイクロチューブ50に内包したも
のを、少なくとも前記塗布面に接着剤などを介して貼り
付けてなるか、前記顕色剤22をマイクロチューブ50
に内包したものを基材10に漉き込んでなる偽造防止用
紙100としたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、商品券、宝くじ、
入場券等の紙からなる有価証券類の偽造防止に関するも
ので、さらに詳しくは、電子複写機による偽造や宝くじ
等の番号改ざん行為が極めて困難である偽造防止策を施
した用紙およびこの用紙を用いた印刷物に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、紙は紙幣をはじめ、株券、債券、
商品券、宝くじ等、金銭的価値を有する有価証券として
幅広く使用されている。それら有価証券用紙は容易に偽
造又は変造出来ない様に、紙自身に透かしを施したり、
あるいはマイクロ文字や凹版印刷、隠し文字、蛍光印刷
等の特殊な印刷を施したり、金属光沢を有する箔やホロ
グラム箔等を転写またはシールで施してあるのが一般的
である。
【0003】これらの有価証券類が偽造される場合は、
主に印刷による方法と電子複写機による方法があるが、
今日では電子複写機の解像度が格段に良くなり、電子複
写機さえあれば簡単に本物と見分けがつかないくらい正
確に複写できることから、電子複写機による偽造が増加
している。この場合には、マイクロ文字や隠し文字のよ
うなパターン印刷法では、オリジナルとコピーを見分け
ることが困難になっている。
【0004】さらに、電子複写機や通常の印刷による偽
造に対しては、紙自身の偽造防止策として黒透かしや白
透かしのような透かし技術が、真偽判定が簡単で偽造防
止効果が高いとして多くの有価証券類において現在でも
使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、電子複写機に
よる精巧な偽造品に対し、黒透かしや白透かしでは環境
条件によっては真偽判定が正確に行えないことがあり、
偽造された有価証券類が使用されてしまうという問題点
があった。
【0006】また、有価証券類用紙の偽造が不可能で
も、くじ券等の番号を他の券からの番号に切り貼りする
切り貼り改ざんという不正行為が避けられないという問
題があった。
【0007】本発明は、かかる従来技術の問題点を解決
するものであり、その課題とするところは、真偽判定が
簡単確実にでき、かつ印刷技術や電子複写機による偽造
や切り貼りによる番号改ざんを不可能にする偽造防止用
紙およびそれを用いた印刷物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明において上記課題
を達成するために、まず請求項1の発明では、紙からな
る基材に顕色剤を塗布もしくは混入し、発色剤となる染
料を高分子物質でなるマイクロチューブに内包したもの
を、少なくとも前記塗布面に接着剤等を介して貼り付け
てなることを特徴とする偽造防止用紙としたものであ
る。
【0009】また、請求項2の発明では、前記発色剤と
なる染料を高分子物質でなるマイクロチューブに内包し
たものを前記基材に漉き込んでなることを特徴とする請
求項1記載の偽造防止用紙としたものである。
【0010】また、請求項3の発明では、紙からなる基
材に発色剤となる染料を塗布もしくは混入し、顕色剤を
高分子物質でなるマイクロチューブに内包したものを、
少なくとも前記塗布面に接着剤等を介して貼り付けてな
ることを特徴とする偽造防止用紙としたものである。
【0011】また、請求項4の発明では、前記顕色剤を
高分子物質でなるマイクロチューブに内包したものを基
材に漉き込んでなることを特徴とする請求項3記載の偽
造防止用紙としたものである。
【0012】また、請求項5の発明では、前記請求項
1、2、3または4に記載の偽造防止用紙に、有価証券
類の印刷を施してなることを特徴とする偽造防止用紙を
用いた印刷物としたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を説明す
る。本発明の偽造防止用紙は、まず、図1に示すよう
に、紙からなる基材(10)に顕色剤を塗布して顕色剤
層(20)を形成し、発色剤(42)となる染料を高分
子物質でなるマイクロチューブ(50)に内包したもの
を少なくとも前記顕色剤層(20)面に接着剤層(3
0)を介して貼り付けてなるものである。
【0014】また、本発明の偽造防止用紙(100)の
他の構成は、図2に示すように、紙からなる基材(1
0)に顕色剤(22)を混入し、発色剤(42)となる
染料を高分子物質でなるマイクロチューブ(50)に内
包したものを、少なくとも前記紙からなる基材(10)
の片面に接着剤層(30)を介して貼り付けてなるもの
である。
【0015】また、本発明の偽造防止用紙(100)の
第3の構成は、図3に示すように、紙からなる基材(1
0)に、顕色剤(22)および発色剤(42)となる染
料を高分子物質でなるマイクロチューブ(50)に内包
したものとを漉き込んでなるものである。
【0016】また、本発明の偽造防止用紙(100)の
第4の構成は、図4に示すように、紙からなる基材(1
0)に発色剤となる染料を塗布し発色剤層(40)を形
成し、顕色剤(22)を高分子物質でなるマイクロチュ
ーブ(50)に内包したものを、少なくとも前記発色剤
層(40)の形成面に接着剤層(30)を介して貼り付
けてなるものである。
【0017】さらにまた、本発明の偽造防止用紙(10
0)の第5の構成は、図5に示すように、紙からなる基
材(10)に発色剤(42)となる染料を混入し、顕色
剤(22)を高分子物質でなるマイクロチューブ(5
0)に内包したものを少なくとも前記紙からなる基材
(10)の片面に接着剤層(30)を介して貼り付けて
なるものである。
【0018】さらにまた、本発明の偽造防止用紙(10
0)の第6の構成は、図6に示すように、上記発色剤
(42)および顕色剤(22)を高分子物質でなるマイ
クロチューブ(50)に内包したものとを漉き込んでな
るものである。
【0019】さらにまた、本発明の偽造防止用紙(10
0)の第7の構成は、図7に示すように、紙からなる基
材(10)内に、上記発色剤(42)を高分子物質でな
るマイクロチューブ(50)に内包したものを漉き込ん
だ紙からなる基材(10)の少なくとも片面に顕色剤層
(20)を形成してなるものである。
【0020】さらにまた、本発明の偽造防止用紙(10
0)の第8の構成は、図8に示すように、紙からなる基
材(10)内に、上記顕色剤(22)を高分子物質でな
るマイクロチューブ(50)に内包したものを漉き込ん
だ紙からなる基材(10)の少なくとも片面に発色剤層
(40)を形成してなるものである。
【0021】以上のような構成の偽造防止用紙(10
0)において、この用紙の一部をカッター等でマイクロ
チューブ(50)の長手方向に対して略直角方向に切断
することにより、マイクロチューブ(50)が切断さ
れ、内包されている顕色剤(22)もしくは発色剤(4
2)が、その外部にある発色剤(42)もしくは顕色剤
(22)と接触して反応し、紙からなる基材(10)の
切断面が発色するので、用紙の真偽判定が容易となるも
のである。
【0022】また、上記の偽造防止用紙(100)を使
用したくじ券等において、券の表面層を切り取った番号
数字部に、他の同種のくじ券の数字番号部の表面層を切
り取り、はめ込むという切り貼り改ざん行為では、切り
口が発色するため、改ざん行為は一見して発見すること
ができ、よって改ざん行為を不可能にする効果を有する
ものである。
【0023】以下本発明の偽造防止用紙(100)に係
わる材料や積層法等について詳細に説明する。本発明の
用紙の原料となるパルプ繊維としては、針葉樹や広葉
樹、イネ、エスパルト、バガス、麻、亜麻、ケナフ、カ
ンナビス等の木材パルプからなる植物繊維、またはポリ
エチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリアクリ
レート、ポリ塩化ビニル等のプラスチックから作られた
合成繊維等が用いられる。
【0024】本発明に用いる用紙は、原料である前記の
パルプ繊維を水中にて叩解し、漉いて絡ませた後、脱水
・乾燥させて作られる。このとき、紙は原料であるセル
ロースの水酸基間の水素結合により繊維間強度が得られ
る。また、紙に用いるてん料としてはクレイ、タルク、
炭酸カルシウム、二酸化チタン等があり、サイズ剤とし
てはロジン、アルキル・ケテン・ダイマー、無水ステア
リン酸、アルケニル無水こはく酸、ワックス等があり、
紙力増強剤には変性デンプン、ポリビニルアルコール、
ポリアクリルアミド、尿素−ホルムアルデヒド、メラミ
ン−ホルムアルデヒド、ポリエチレンイミン等があり、
これらの材料をそれぞれ抄紙時に加え、主として長網抄
紙機で抄造する。
【0025】抄紙方法は、通常の植物繊維紙の製造に用
いられる方法でよく、原料濃度を0.5〜10%、好ま
しくは1〜2%の水希薄原料で十分に膨潤させた繊維を
よく混練し、スダレ・網目状のワイヤーなどに流して並
べて搾水後、加温により水分を蒸発させて作られる。
【0026】また、植物繊維以外の例えば合成繊維を混
入した紙の場合は、合成繊維間に水素結合等の結合力を
持たないため結着剤を必要とすることが多いので、合成
繊維比率と結着剤量は、紙の強度を落とさない程度に適
宜決めるのが望ましい。
【0027】発色剤(42)となる染料としては、分散
染料、油溶性染料、塩基性染料等、任意の染料が使用で
きるが、電子を供与して、または酸等のプロトンを受容
して発色する塩基性染料の公知の化合物の中から適宜選
択するのが望ましい。このような化合物は、ラクトン、
ラクタム、サルトン、スピロピラン、エステル、アミド
等の部分骨格を有し、顕色剤(22)と接触してこれら
の部分骨格が開環もしくは開裂するものであり、好まし
い化合物としては、例えばトリアリールメタン系化合
物、ジフェニルメタン系化合物、キサンテン系化合物、
チアジン系化合物、スピロピラン系化合物等を挙げるこ
とができる。
【0028】本発明で使用する染料と発色反応を起こす
顕色剤(22)は、公知のものの中から適宜使用するこ
とができる。例えば、ロイコ染料に対する顕色剤として
は、フェノール化合物、含硫フェノール性化合物、カル
ボン酸系化合物、スルホン酸系化合物、スルホン系化合
物、尿素系又はチオ尿素系化合物等が挙げられ、その詳
細は、例えば、紙パルプ技術タイムス(1985年)4
9−54頁、及び65−70頁に記載されている。
【0029】顕色剤(22)または発色剤(42)とな
る染料が用紙基材(10)に塗布される場合は、水に難
溶または不溶性の有機溶剤に溶解し、水溶性高分子を保
護コロイドとして有する水相と混合し、乳化分散した分
散物の形で使用され、用紙基材中に混入する場合は、用
紙基材(10)の製造時、具体的には原料を水中で叩解
して水希薄原料とした後に、粉末の形態で混入し、高速
攪拌、超音波分散等、通常の微粒子乳化等に用いられる
手段を使用して混合分散する。このとき、水希薄原料が
酸性やアルカリ性にならないようにphを調整する。
【0030】また、前項の用紙基材(10)に塗布され
る顕色剤(22)または発色剤(42)となる染料を溶
解する有機溶剤は、公知のものから適宜使用することが
できるが、好ましくはエステル類の他、トリアリルメタ
ン(例えば、トリトルイルメタン、トルイルジフェニー
ルメタン等のトリアリルメタン)、ターフェニル化合物
(例えば、ターフェニル)、アルキル化ジフェニルエー
テル(例えば、プロピルジフェニルエーテル)、ジフェ
ニルエーテル塩素化パラフィン等が挙げられる。
【0031】本発明においては、前項の有機溶剤の中で
もエステル類を使用することが、溶解性、及び乳化分散
物の乳化安定性の点から特に好ましい。
【0032】前項のエステル類としては、燐酸エステル
類(例えば、燐酸トリフェニル、燐酸ブチル、燐酸トリ
クレジル、燐酸オクチル、燐酸クレジルジフェニル)、
フタル酸エステル(例えば、フタル酸ジブチル、フタル
酸−2−エチルヘキシル、フタル酸エチル、フタル酸オ
クチル、フタル酸ブチルベンジル)、テトラヒドロフタ
ル酸ジオクチル、安息香酸エステル(例えば、安息香酸
エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸
イソペンチル、安息香酸ベンジル)アビエチン酸エステ
ル(例えば、アビエチン酸エチル、アビエチン酸ベンジ
ル)、アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデシル、ア
ゼライン酸ジオクチル、シュウ酸エステル(例えば、シ
ュウ酸ジブチル、シュウ酸ジペンチル)、マロン酸ジエ
チル、マレイン酸エステル(例えば、マレイン酸ジメチ
ル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル)、クエ
ン酸トリブチル、ソルビン酸エステル(例えば、ソルビ
ン酸メチル、ソルビン酸エチル、ソルビン酸ブチル)、
セバシン酸エステル(例えば、セバシン酸ジブチル、セ
バシン酸ジオクチル)、エチレングリコールエステル類
(ギ酸モノエステル及びジエステル、酪酸モノエステル
及びジエステル、ラウリン酸モノエステル及びジエステ
ル、パルミチン酸モノエステル及びジエステル、オレイ
ン酸モノエステル及びジエステル)、トリアセチン、炭
酸ジエチル、炭酸ジフェニル、炭酸エチレン、炭酸プロ
ピレン、ホウ酸エステル(例えば、ホウ酸トリブチル、
ホウ酸トリペンチル)等が挙げられる。これらの中で
も、燐酸トリクレジルを混合して使用した場合には顕色
剤(22)の乳化分散安定性が特に良好なので好まし
い。
【0033】顕色剤(22)または発色剤(42)とな
る染料を溶解した油相と混合する水相に、保護コロイド
として含有される水溶性高分子は、公知のアニオン性高
分子、ノニオン性高分子、両性高分子の中から適宜選択
することが可能であるが、特にポリビニルアルコールや
ゼラチン、セルロース誘導体等が好ましい。
【0034】本発明における顕色剤(22)または発色
剤(42)となる染料の乳化分散物は、この顕色剤(2
2)または発色剤(42)となる染料を含有する油相と
保護コロイドを含有する水相を、高速攪拌、超音波分散
等、通常の微粒子乳化に用いられる手段を使用して混合
分散することにより、容易に得ることができる。
【0035】本発明に係わる用紙の基材(10)に、顕
色剤(22)または発色剤(42)となる染料を塗布す
る場合、適当なバインダーを用いて塗工される。バイン
ダーとしては、ポリビニルアルコール、メチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セスロース、アラビアゴム、ゼラチン、ポリビニルピロ
リドン、カゼイン、スチレン−ブタジエンラテックス、
アクリロニトリル−ブタジエンラテックス、ポリ酢酸ビ
ニル、ポリアクリル酸エステル、エチレン−酢酸ビニル
供重合体等、各種のエマルジョンを用いることができ
る。
【0036】前項のバインダーを用いて塗布する方法
は、乳化分散した分散物の主成分、およびバインダー、
必要な場合はその他の添加物、等を含有した塗布液を作
り、バー塗工法、グラビア印刷法、ロールコーティング
塗工法、スプレー塗工法等の塗工法により塗布乾燥し、
用紙の基材(10)上に固形分が2〜30g/m2の発
色剤層(40)が設けられる。
【0037】本発明におけるマイクロチューブ(50)
の材料としては、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエス
テル、ポリカーボネート、尿素−ホルムアルデヒド樹
脂、メラミン樹脂、ポリスチレン、スチレンメタクリレ
ート供重合体、スチレン−アクリレート供重合体、ゼラ
チン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等
が挙げられ、この内ポリウレタン、ポリウレア、ポリア
ミド、ポリエステル、ポリカーボネート等が望ましく、
必要な場合にはこれらの高分子物質を2種類以上併用す
ることも可能である。
【0038】前記の顕色剤(22)または発色剤(4
2)となる染料を内包するマイクロチューブ(50)
は、本発明に係わる用紙の基紙(10)のどちらか片方
の面上に接着剤層(30)を設けて貼り付けるか、好ま
しくは前記の混合抄紙法や抄き合わせ法等によって用紙
の基材(10)の層中に漉き込むことにより、更なる偽
造防止効果が向上する。
【0039】また、前記のマイクロチューブ(50)は
直径としては5〜50μm程度のものが使用できるが、
本発明の偽造防止用紙(100)に用いる場合、あまり
厚いと印刷等を施す用紙としては意匠性を損なう他に、
用紙の基材(10)の層中に漉き入れされる場合は抄紙
も難しくなることから、15〜25μm程度が好まし
い。
【0040】本発明の偽造防止策が施された偽造防止用
紙(100)への印刷は、従来の紙の場合と同じ設備と
方法が使用可能である。すなわち、オフセット印刷法、
スクリーン印刷法、グラビア印刷法、凸版印刷法、凹版
印刷法等の印刷法で文字や絵柄を印刷することができ
る。
【0041】本発明の偽造防止策が施された偽造防止用
紙(100)の断裁加工は、用紙に顕色剤(22)また
は発色剤(42)である染料を内包したマイクロチュー
ブ(50)が貼り付け、または漉き込まれているため、
断裁前に断裁部分を熱融着加工し、このとき断裁加工に
よってマイクロチューブ(50)内の顕色剤(22)も
しくは発色剤(42)である染料が、用紙の基材(1
0)に塗布又は混入された、発色剤(42)である染料
もしくは顕色剤(22)に触れて発色しないように注意
する必要がある。
【0042】本発明の偽造防止策が施された偽造防止用
紙(100)は、用紙の一部を切断すると、貼り付けま
たは漉き込まれているマイクロチューブ(50)が破断
し、内包された顕色剤(22)と用紙上のまたは用紙に
混入された発色剤(42)である染料が接触、あるいは
マイクロチューブ(50)に内包された発色剤(42)
である染料と用紙上のまたは用紙に混入された顕色剤
(22)が接触して反応することによって発色し、特別
な器具を用いなくとも目視により確実に真偽判定ができ
るものである。
【0043】
【実施例】次に本発明を実施例により、さらに具体的に
説明する。 〈実施例1〉用紙の原料としては針葉樹パルプを用い、
水中で叩解して濃度を1.5%とした後、粉末状の発色
剤である2−(2−フルオロフェニルアミノ)−6−ジ
エチルアミノフルオランを0.5%混入し、長網抄紙機
で抄造し、図5に示す発色剤(42)混入の紙からなる
基材(10)とした。
【0044】一方、下記の構造式
【0045】
【化1】 で表される顕色剤(22)30gを、1−フェニル−1
−キシリルエタン8gと酢酸エチル30gに溶解した
後、これを、直径20μmのポリエステルからなるマイ
クロチューブ(50)に内包した。
【0046】次に、発色剤(42)を混入した紙からな
る基材(10)上に、顕色剤(22)を内包したマイク
ロチューブ(50)を接着する接着剤層(30)を積層
した。この接着剤層(30)は、グラビアコーティング
法にて水溶性のポリビニル系バインダーを厚さ2μmに
均一にコーティングした。
【0047】しかる後に、接着剤層(30)を積層した
紙からなる基材(10)にマイクロチューブ(50)を
接着し、真偽判定時の切断部分(マイクロチューブ(5
0)の長手方向と直角方向(矢印P))には加熱した歯
によるミシン目を入れ、所定の断裁部分には加熱圧着を
行い、断裁加工して偽造防止策を施した偽造防止用紙
(100)を作製した。
【0048】〈実施例2〉用紙の原料としては針葉樹パ
ルプを用い、水中で叩解して濃度を1.5%とした後、
実施例1と同様の粉末状の発色剤(42)を0.5%混
入し、さらに実施例1で用いた顕色剤(22)を内包し
たマイクロチューブ(50)を紙層中に漉き込んで脱
水、乾燥させ、図6に示すような偽造防止策を施した偽
造防止用紙(100)とした。
【0049】
【発明の効果】本発明は以上の構成であるから、下記に
示す如き効果がある。すなわち、紙からなる基材に顕色
剤を塗布もしくは混入し、発色剤となる染料を高分子物
質でなるマイクロチューブで内包したものを少なくとも
前記塗布面に接着剤等を介して貼り付けてなるか、また
は、前記発色剤となる染料を高分子物質でなるマイクロ
チューブに内包したものを基材に漉き込んでなる、また
は、紙からなる基材に発色剤となる染料を塗布もしくは
混入し、顕色剤を高分子物質でなるマイクロチューブに
内包したものを少なくとも前記塗布面に接着剤等を介し
て貼り付けてなるか、または、この顕色剤を内包したマ
イクロチューブを基材に漉き込んでなる偽造防止用紙と
したもので、マイクロチューブの切断によって発色し、
真偽判定が簡単確実にでき、かつ印刷技術や電子複写機
による偽造や切り貼りによる番号改ざんを不可能にする
偽造防止用紙およびそれを用いた印刷物を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す偽造防止用紙を模式
的に側断面で表した説明図である。
【図2】本発明の実施の形態を示す他の構成の偽造防止
用紙を模式的に側断面で表した説明図である。
【図3】本発明の実施の形態を示す第3の構成の偽造防
止用紙を模式的に側断面で表した説明図である。
【図4】本発明の実施の形態を示す第4の構成の偽造防
止用紙を模式的に側断面で表した説明図である。
【図5】本発明の実施の形態を示す第5の構成の偽造防
止用紙を模式的に側断面で表した説明図である。
【図6】本発明の実施の形態を示す第6の構成の偽造防
止用紙を模式的に側断面で表した説明図である。
【図7】本発明の実施の形態を示す第7の構成の偽造防
止用紙を模式的に側断面で表した説明図である。
【図8】本発明の実施の形態を示す第8の構成の偽造防
止用紙を模式的に側断面で表した説明図である。
【符号の説明】
10‥‥基材 20‥‥顕色剤層 22‥‥顕色剤 30‥‥接着剤層 40‥‥発色剤層 42‥‥発色剤 50‥‥マイクロチューブ 100‥‥偽造防止用紙

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紙からなる基材に顕色剤を塗布もしくは混
    入し、発色剤となる染料を高分子物質でなるマイクロチ
    ューブに内包したものを、少なくとも前記塗布面に接着
    剤などを介して貼り付けてなることを特徴とする偽造防
    止用紙。
  2. 【請求項2】前記発色剤となる染料を高分子物質でなる
    マイクロチューブに内包したものを基材に漉き込んでな
    ることを特徴とする請求項1記載の偽造防止用紙。
  3. 【請求項3】紙からなる基材に発色剤となる染料を塗布
    もしくは混入し、顕色剤を高分子物質でなるマイクロチ
    ューブに内包したものを少なくとも前記塗布面に接着剤
    等を介して貼り付けてなることを特徴とする偽造防止用
    紙。
  4. 【請求項4】前記顕色剤を高分子物質でなるマイクロチ
    ューブに内包したものを基材に漉き込んでなることを特
    徴とする請求項3記載の偽造防止用紙。
  5. 【請求項5】前記請求項1、2、3または4に記載の偽
    造防止用紙に、有価証券類の印刷を施してなることを特
    徴とする偽造防止用紙を用いた印刷物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001009435A1 (de) * 1999-07-30 2001-02-08 Mitsubishi Hitec Paper Flensburg Gmbh Aufzeichnungspapier mit einer kombination mehrerer sicherheitsmerkmale
KR100338182B1 (ko) * 1999-12-17 2002-05-24 민태영 약품 변색 보안 용지의 제조 방법
JP2007169842A (ja) * 2005-12-22 2007-07-05 Oji Paper Co Ltd 偽造防止用紙
JP2013022853A (ja) * 2011-07-21 2013-02-04 Dainippon Printing Co Ltd スクラッチカード

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