JPH11158671A - コロナ放電脱脂処理金属基材 - Google Patents

コロナ放電脱脂処理金属基材

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JPH11158671A
JPH11158671A JP32924297A JP32924297A JPH11158671A JP H11158671 A JPH11158671 A JP H11158671A JP 32924297 A JP32924297 A JP 32924297A JP 32924297 A JP32924297 A JP 32924297A JP H11158671 A JPH11158671 A JP H11158671A
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JP
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corona discharge
degreasing
residual oil
degreased
surface tension
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Application number
JP32924297A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Sato
哲男 佐藤
Sumikatsu Oomura
純克 大村
Kenji Shindo
健二 新藤
Masahiko Kawai
正彦 川井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Shindoh Co Ltd
MA Aluminum Corp
Original Assignee
Mitsubishi Aluminum Co Ltd
Mitsubishi Shindoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、コロナ放電処理により得られた全
く新規であり、従来技術では決して得られない残油量と
表面張力の関係を有するコロナ放電脱脂処理金属基材の
提供を目的とする。 【解決手段】 本発明は、表面の残油量と表面張力との
相関関係において、残油量0.5mg以下の範囲におい
て表面張力60ダイン/cm以上、あるいは、0.5m
gを超えて1.0mg以下の範囲において49ダイン/
cm以上、あるいは、1.0mgを超えて1.5mg以下
の範囲において38ダイン/cm以上、あるいは、1.
5mgを超えて2.5mg以下の範囲において36ダイ
ン/cm以上のいずれかの関係を満足し、コロナ放電処
理が施されたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脱脂処理金属基材
として画期的な性能を有する金属基材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、アルミニウム箔または銅箔などの
金属箔は種々の用途に供されており、例えば、アルミニ
ウム箔を用いた包装用材料、建築パネル等においては、
有機高分子フィルムと金属箔が貼り合わせて使用され、
フレキシブルプリント配線基板においては基板上に貼り
合わせ、印刷エッチングした銅箔により電気回路が構成
され、リチウム2次電池用の集電体においてはアルミニ
ウム箔あるいは銅箔に活物質が貼着されて集電体が構成
されている。以上のように金属箔は、多くの場合におい
て他の材料、例えば、プラスチックフィルムにおいては
ポリエチレン、ポリエステル及びポリイミドなどのフィ
ルムあるいは紙などと貼り合わされて使用されており、
包装用としては、通気度を低くして強度的に高くした上
で化粧性も加味されて市場に供されている。
【0003】これらの金属箔に他の材料を貼着して用い
る場合、金属箔に対する他の材料の密着性を高める必要
があり、この密着性が劣るようであると、包装用におい
ては金属箔の剥がれを引き起こし、フレキシブルプリン
ト配線基板においては回路の銅箔剥がれを引き起こし、
2次電池用集電体においては箔と活物質との密着性の低
下、ひいては、箔と活物質との界面での電子の移動を妨
げて集電性能の劣化を引き起こすおそれがある。従って
これらの目的に供される金属箔においてはその表面状態
が問題とされるが、これらの金属箔は一般に圧延加工を
経て製造されるので、金属箔の表面には圧延仕上時に圧
延ロールに潤滑用に供給された圧延油がわずかに残留し
ているものである。金属箔の表面にこのような圧延油が
残留しているようであると、他の材料との密着性が低下
するので一般的には、圧延後に必ず脱脂工程を設けて金
属箔表面の脱脂を行うようにしている。
【0004】この種の金属箔を脱脂するには、従来、酸
またはアルカリ系の水溶液もしくは界面活性剤を用いた
湿式脱脂処理が一般的であり、一部には有機溶剤を用い
た脱脂処理も行われている。また、湿式脱脂法以外の脱
脂方法として真空雰囲気中でプラズマ処理を施す物理的
な脱脂処理方法、あるいは、金属箔を焼鈍して油を揮発
させることによる脱脂処理方法なども知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の一般
的な脱脂法のうち、水系無機酸あるいはアルカリ脱脂あ
るいは界面活性剤を用いた方法では、金属箔がアルミニ
ウム箔の場合に箔の表面に水酸化皮膜が形成されてしま
い、他の材料との接着性の試験を行った場合に水酸化皮
膜が凝集破壊を引き起こし、容易に剥離するおそれがあ
った。加えて、接着界面に水酸化皮膜が存在している
と、温度を上げた場合に接着性が著しく低下する傾向が
あった。 更に、有機溶剤による脱脂については、現状
の技術において金属箔表面の圧延油の充分な脱脂は困難
であり、他の材料との密着力を先に説明した他の脱脂法
による程度に高めることができなかった。
【0006】一方、これらの湿式系の脱脂システムは、
酸洗浄あるいはアルカリ洗浄装置あるいは界面活性剤洗
浄装置、中和装置、水洗装置、乾燥装置の集合システム
となるので、設備としては長大であり、しかも、大量の
水を消費し、更に廃液処理施設も必要になるので、ラン
ニングコスト、設備費用の面、あるいは、省資源の面で
も好ましくない。更に、プラズマ処理を利用した表面脱
脂法にあっては、真空系で処理を行う必要があるため
に、連続処理が困難であり、バッチ処理とならざるを得
ないので、生産性が著しく劣り、設備自体も大がかりに
なる問題がある。また、湿式系の脱脂装置においては例
えばアルミニウム箔と銅箔といった異種の金属箔を同じ
装置で兼用して処理することは不可能な問題がある。
【0007】一方、従来から、プラスチックやガラスな
どの表面改質技術の1つとしてコロナ放電を利用した表
面処理方法が知られている。コロナ放電処理とは、大気
圧状態において一対の電極間に被処理材を挟み込み、両
電極間に交流の高電圧を印加してコロナ放電を励起し、
被処理材の表面をコロナ放電に曝すことで被処理材の表
面状態を改質する技術として知られている。そして、こ
の種のコロナ放電処理をプラスチック基材に施すなら
ば、表面部分の樹脂の主鎖を断ち切ることができ、表面
状態を改質できるので、プラスチック基材に印刷を施す
場合のインキの接着性が向上し、印刷仕上がりが向上す
る、あるいは、フレキシブルプリント基板においては銅
箔等の回路の基板に対する接着性が向上するなどの利点
を得ることができる。
【0008】このような背景に鑑み、本願発明者らはコ
ロナ放電処理技術を用いて金属箔の表面改質処理が可能
であるか否かについて研究開発を進めている。この研究
開発の一環として本願発明者らは、圧延仕上後の銅箔に
ついてコロナ放電処理を施す種々の実験を実施した。と
ころが、圧延仕上後の銅箔に対してコロナ放電処理を施
し、コロナ放電処理後の表面残油量および表面張力など
の計測を行ってみても、特に優位な面は見られず、表面
の性状はほとんど変化が見られなかった。また、コロナ
放電処理技術の分野において、一般的には、金属の表面
は導電体でありプラスチックの場合のように表面樹脂の
主鎖が断ち切られるような性状変化もなされないので、
金属基材の表面状態の大幅な改質は困難であるとの認識
が主流となっていた。
【0009】そこで本願発明者らは、圧延仕上げ後のア
ルミニウムの金属箔を用いてコロナ放電処理を施し、そ
の際にコロナ放電処理の条件を種々変更して実験を行な
い、アルミニウムの金属箔の表面状態について表面残油
量および表面張力の計測を行ってみたところ、驚くべき
ことに、表面張力の著しい向上効果と、残油量の著しい
減少効果を得ることができることを知見した。また、こ
の知見に基づき、圧延仕上後の銅箔に対して更に種々の
条件でコロナ放電処理を施す実験を行ってみたところ、
本願発明者らが従来は効果を得ることができないと認識
していた圧延後の銅箔に対し、コロナ放電処理により、
表面の性状、特に、残油量と表面張力を大幅に改善でき
ることを知見した。本願発明は、これらの知見に基づい
てなされたものである。
【0010】本願発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、コロナ放電処理により得られた全く新規な脱脂金属
基材の提供を目的とする。本願発明は、従来技術では決
して得られない残油量と表面張力の関係を有するコロナ
放電脱脂処理金属基材の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するために、残油量と表面張力との相関関係において残
油量0.5mg/m2以下の範囲において表面張力60ダ
イン/cm以上、あるいは、0.5mg/m2を超えて
1.0mg/m2以下の範囲において49ダイン/cm以
上、あるいは、1.0mg/m2を超えて1.5mg/m2
以下の範囲において38ダイン/cm以上、あるいは、
1.5mg/m2を超えて2.5mg/m2以下の範囲にお
いて36ダイン/cm以上のいずれかの関係を満足し、
コロナ放電処理が施されたものであることを特徴とす
る。更に本願発明の金属基材は、エネルギー密度50W
・min/m2以上のコロナ放電処理が施されて残油量
2.5mg/m2以下に脱脂されてなることを特徴とす
る。また、本願発明の金属基材は、箔状に圧延された後
にエネルギー密度50W・min/m2以上のコロナ放
電処理が施されて残油量2.5mg/m2以下に脱脂され
てなるものでも良い。
【0012】従来の湿式脱脂による脱脂効果に比較する
と、コロナ放電処理により、金属基材において全く同じ
残油量においても著しい表面張力向上効果が得られる。
これは、コロナ放電処理によって金属基材表面の油除去
効果に加え、金属基材の表面で化学結合をしている残油
の一部が酸化するなどの特殊な性状変化を起こし、表面
張力向上効果に効果的に寄与したためであると思われ
る。
【0013】更に本発明は、エネルギー密度50W・m
in/m2以上のコロナ放電処理が施されて残油量2.5
mg/m2以下に脱脂されてなり、表面の残油量と表面
張力との相関関係において、残油量0.5mg/m2以下
の範囲において表面張力60ダイン/cm以上、あるい
は、0.5mg/m2を超えて1.0mg/m2以下の範囲
において49ダイン/cm以上、あるいは、1.0mg
/m2を超えて1.5mg/m2以下の範囲において38
ダイン/cm以上、あるいは、1.5mg/m2を超えて
2.5mg/m2以下の範囲において36ダイン/cm以
上のいずれかの関係を満足するものであることを特徴と
する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本願発明の実施の形態につ
いて詳細に説明するが、本願発明が以下に説明する実施
の形態に限定されるものではないのは勿論である。図1
はAl箔や銅箔などの金属箔に対してコロナ放電処理を
施すための装置の一例を示すもので、この例の装置は、
アースされた金属製のロール1とこのロール1上に接近
離間自在に設けられた電極ロッド2とを具備して構成さ
れ、ロール1が一方の電極に、電極ロッド2が他方の電
極とされて一組の対になる電極が構成されるとともに、
電極ロッド2に電源装置(交流電力印加手段)3が接続
されていて、電極ロッド2とロール1との間に高周波電
力を投入して電極ロッド2とロール1との間にコロナ放
電を励起できるように構成されている。
【0015】より詳しくは、前記ロール1は水平に設置
された回転軸5を中心として回転自在に支持され、この
回転軸5は図示略の軸受けにより支持されるとともに、
回転軸5の一端部側にはロール1をアース状態にするた
めのアース線6が接続されている。また、前述の状態の
ロール1にAl箔等の箔状の金属基材7を連続供給でき
るように、ロール1の一方側(図1では左側)に供給ロ
ールなどの供給装置8が、ロール1の他方側(図1では
右側)に巻取ロールなどの取出装置9が設けられてい
る。なお、コロナ放電を励起するために具体的には、2
0kV〜30kV程度の電圧で周波数20〜30kHz
程度の周波数で交流電力を1〜5mm程度の電極ギャッ
プに印加することで大気中で常温常圧で励起することが
できる。
【0016】前記電極ロッド2は、金属ロッド2aの周
囲を誘電体層2bで被覆して構成されたもので、その長
さ方向を前記ロール1の軸心と平行にして設置されると
ともに、電極ロッド2はその両端部を絶縁板11で支持
され、更に絶縁板11、11が上下昇降自在のフレーム
12に取り付けられていて、このフレーム12の昇降動
作により電極ロッド2がロール1の上部に接近して所定
の間隔をあけた状態でロール1の上面と平行に対向でき
るように構成されている。
【0017】以上の構成の装置を用いて金属基材7の脱
脂工程を行い、表面脱脂金属基材を製造するには、ま
ず、供給装置8からロール1に向けて箔状の金属基材7
を送り込むとともに、取出装置9で巻き取る動作を行
う。なおここで用いる金属基材7は、アルミニウム箔、
銅箔、鉛箔、ニッケル箔、ステンレス箔などであり、い
ずれもこの工程において脱脂を行う前の工程において圧
延加工を経て得られたものである。この圧延加工におい
ては、金属基材7がアルミニウム箔や銅箔の場合であれ
ば、溶湯状態から得たインゴットを段階的に徐々に圧延
ロールで圧下して薄く延展し、各圧延ロールに必要な圧
延油を供給しながら製造されたものである。従って金属
基材7にはその表面に少量の圧延油としてのパラフィン
系有機潤滑剤、極圧添加剤としての少量の高級脂肪酸、
アルコール、エステルなどが残存した状態で供給装置8
に巻き付けられている。
【0018】この状態の金属基材7をロール1の上部側
に巻掛けつつ一定の速度で取出装置9で取り出す際に、
ロール1の上面と電極ロッド2との間のギャップを1〜
3mm程度に設定し、電源装置3から電極ロッド2に高
周波電力を投入し、大気中において常温で電極ロッド2
とロール1との間にコロナ放電を励起する。
【0019】この際のコロナ放電励起に要するエネルギ
ー密度は、50W・min/m2以上とする必要があ
る。このエネルギー密度とは、50Wの放電電力を1分
間、電極の単位面積m2あたりに印加するという意味で
ある。また、金属基材7のロール1に対する供給速度
(移動速度)を高くした場合は投入電力を高くする必要
があるが、脱脂性能を向上させるためのエネルギー密度
として見ると50W・min/m2以上の範囲であって
も、100〜500W・min/m2の範囲が好まし
く、100〜400min/m2の範囲がより好まし
い。エネルギー密度が小さすぎると脱脂効果が低下し、
エネルギー密度が大きすぎると、残留した圧延油が酸化
して酸化皮膜が不要に厚くなるとともに酸化皮膜の増大
により接触抵抗が大きくなり、脱脂状態が良好になって
も、表面の電気抵抗が大きくなり、例えば、用途の1つ
である集電体としての性能が悪くなるおそれがある。
【0020】電極ロッド2とロール1との間でコロナ放
電が励起されると、ロール1に接してコロナ放電に曝さ
れる金属基材7の表面部分では残留した圧延油が一部蒸
発されて減少し、更に他の残留圧延油も一部特殊な酸化
状態に性状変化されるか、金属基材7の表面で特殊な結
合状態とされる。また、金属基材7の表面に残存してい
る極圧添加剤としての少量の高級脂肪酸、アルコール、
エステルなども大部分は揮発され、残りの一部は金属基
材7の表面で特殊な結合状態とされ、金属基材7の表面
には薄い酸化皮膜が形成される。これらにより、金属基
材7の表面の残油量が減少するとともに、表面張力の著
しい向上効果を示す脱脂金属基材15を得ることができ
る。
【0021】この例で得られた脱脂金属基材15である
ならば、表面が充分に脱脂されて残油量が少ないととも
に表面の酸化皮膜も充分に薄いので、他の材料との密着
性に優れる。具体的には、アルミニウム箔あるいは銅箔
において活物質を貼着して2次電池用の電極を構成する
場合に活物質の密着性に優れ、活物質との電子のやりと
りも円滑になされるようになる。より具体的には、リチ
ウム2次電池においてアルミニウム箔または銅箔にリチ
ウム酸コバルトなどの活物質を貼着する場合に用いて好
適な脱脂金属基材15が得られる。また、アルミニウム
箔を包装用材料として用いる場合、建材パネルなどで有
機フィルムを貼り合わせて使用する場合等に他の材料と
の接合性も良好にすることができる。
【0022】以上のようにコロナ放電処理を施して脱脂
した脱脂金属基材15にあっては、後述の実施例で説明
する如く残油量が少なく、高い表面張力を示す。しかも
この脱脂金属基材15にあっては、残油量の割に極めて
高い表面張力を示すので、従来の湿式脱脂法により得ら
れる表面脱脂金属基材とは全く異なるものである。即
ち、従来の湿式脱脂法によって金属基材の表面残油量を
減少させた基材とは表面残油の性状が異なり、本発明に
より得られた脱脂金属基材15は、この表面残油のコロ
ナ放電による酸化と表面での油の結合状態が従来の湿式
脱脂法による性状とは全く異なるので、この相違に起因
して特に高い表面張力状態を得ることができるものと思
われる。
【0023】より具体的には残油量と表面張力との関係
において、残油量1.5mg/m2以上、2.5mg/m2
以下の範囲において、水系脱脂処理で25〜32ダイン
/cmであるものが、コロナ放電処理脱脂では36以上
で42程度まで、残油量1.0mg/m2以上、1.5m
g/m2以下の範囲において、水系脱脂処理で25〜3
2ダイン/cmであるものが、コロナ放電処理脱脂では
38以上で49程度まで、残油量0.5mg/m2以上、
1.0mg/m2以下の範囲において、水系脱脂処理で3
2〜43ダイン/cmであるものが、コロナ放電処理脱
脂では49以上で60程度まで、残油量0.1mg/m2
以上、0.5mg/m2以下の範囲において、水系脱脂処
理で43〜56ダイン/cmであるものが、コロナ放電
処理脱脂では60以上で72程度までの値がそれぞれ得
られる。
【0024】次に、図1と図2に示す脱脂装置であるな
らば、従来の湿式脱脂法の如く酸洗浄あるいはアルカリ
洗浄装置、中和装置、水洗装置、乾燥装置などの集合シ
ステムとはならず、装置全体を小型化できるとともに、
処理液や廃液も出ないので、環境衛生的にも有利であ
り、更に、真空排気を必要とするプラズマ脱脂などの物
理的な脱脂法とは異なり、大気中で実現できるために連
続処理と大量処理が容易にできる特徴を有する。また、
金属箔としてアルミニウムからなるもの銅からなるもの
に限らず、他の種々の金属箔を区別無く脱脂することが
できる上に、アルミニウム箔を脱脂した後で銅箔を脱脂
するなどのように、1つの装置で異種金属の箔を自由に
脱脂することができるので、使用する溶液や薬液に応じ
て脱脂する基材が限定されていた従来の湿式脱脂法とは
異なる優れた特徴を有する。
【0025】ところで、図1に示す装置で脱脂する金属
基材7は、圧延工程を経られているので、その表面には
微量の圧延油が残留している。この微量の圧延油が3m
g/m2以下の範囲であれば、前述の如くコロナ放電脱
脂処理が可能であるが。3mg/m2を超える量の残油
が存在すると、コロナ放電処理による脱脂処理効果が出
難くなり、5mg/m2を超える量の残油が存在すると
コロナ放電処理による脱脂処理効果が殆ど出なくなる。
このため、通常のアルミニウム箔においては圧延仕上が
り状態で残油量が3mg/m2程度以下であるので問題
ないが、銅箔の場合は残油量がこれよりも多い(概ね5
mg/m2を超える量)ので、このような金属基材に対
しては、一旦、金属基材を湿式系の一般的な脱脂法で簡
単に脱脂して残油量を3mg/m2程度以下としてから
コロナ放電脱脂処理を施すことが好ましい。このように
本願発明のコロナ放電脱脂技術は、従来の一般的な水系
あるいは有機系の湿式脱脂処理方法に加えて行うことも
できる。
【0026】図3〜図7は、本発明基材の製造に用いる
脱脂処理装置の他の例を示すもので、この例の装置は、
箱形のフレーム20とその内部に個々に水平に架設され
た複数の電極ロッド21と、電極ロッド21に対して接
近離間自在に水平に設けられたロール22とを主体とし
て構成されている。前記フレーム20の内上部には、複
数の排気筒25が互いに離間して水平に架設され、各排
気筒25の底部側に支持フレーム26に保持された形で
複数の碍子27・・・と絶縁板28、28を介して電極ロ
ッド21・・・が設けられている。この例の装置では前記
絶縁板28、28に6本ずつ電極ロッド21が装着され
(図6参照)、絶縁板28、28に装着された6本の電
極ロッド21がロール22の外周面の軌跡に沿うよう
に、即ち、各電極ロッド21がロール22の外周面に接
近した場合に各電極ロッド21がロール周面と等しい距
離離間するように電極ロッド21が配置されている。な
お、両端部を絶縁板28、28で支持された6本一組の
電極ロッド21は、この例では4組設けられていて、図
5に示すようにロール22を電極ロッド群に接近させた
場合にロール22の上半分程度の面積を複数の電極ロッ
ド21で覆うことができるように配置されている。
【0027】前記ロール22は回転軸30によりフレー
ム20の下部側に水平に支持され、前記回転軸30を支
持した下部フレーム31がフレーム20に対して上下に
移動自在に設けられていて、ロール22と電極ロッド2
1・・・は相対的に接近離間自在に構成されている。な
お、図4において符号32は回転速度センサ、33はロ
ール22のアースを取るためのブラシ接点、34はフレ
ーム20上に設置されて前記電極ロッド21とロール2
2との間に高周波高電圧を印加するための電源装置(交
流電力印加装置)、35は排気筒25の端部側に設けら
れた吸塵機等の排気装置、8はロール22に金属箔など
の金属基材7を供給するための供給ロール等の供給装
置、9はロール22から処理済みの脱脂金属基材15を
巻き取るための巻取ロール等の取出装置をそれぞれ示し
ている。
【0028】以上の構成の装置を用いて金属基材7の脱
脂工程を行い、表面脱脂金属基材15を製造するには、
まず、供給装置8からロール22に向けて箔状の金属基
材7を一定の速度で送り込むとともに、取出装置9で巻
き取る動作を行う。
【0029】この状態の金属基材7をロール22の上部
側に巻掛けつつ一定の速度で取出装置39で取り出す際
に、ロール2の上面と電極ロッド21・・・との間のギャ
ップを1〜3mm程度に設定し、電源装置34から電極
ロッド21・・・に高周波高電力を投入し、大気中におい
て常温で電極ロッド21・・・とロール22との間にコロ
ナ放電を励起する。この際のコロナ放電励起に要するエ
ネルギー密度は、先の例の場合と同様に50W・min
/m2以上とする必要がある。
【0030】なお、この例の装置では複数の電極ロッド
21を設けているので、金属基材7に印加するべきコロ
ナ放電処理のエネルギー密度を先の例の場合と同じ数値
とする場合に、1本当たりの電極ロッド21に投入する
電力量を先の例の場合よりも小さくすることができる。
なお、1本の電極ロッドに対してあまりに多くのエネル
ギー密度をかけてコロナ放電処理すると金属基材7の表
面にコロナ放電による損傷を与えるおそれがあるので好
ましくない。また、エネルギー密度が50W・min/
2を下回るようであると脱脂効果は十分ではない。
【0031】電極ロッド21・・・とロール22との間で
コロナ放電が励起されると、ロール22に接してコロナ
放電に曝される金属基材7の表面部分では残留した圧延
油、極圧添加剤等が大部分蒸発されて減少し、更に他の
残留物も金属基材7の表面と特殊な化学結合状態とされ
るか、一部特殊な酸化状態及び表面に極性基を生成する
などの状態に性状変化される。これにより、先の例の場
合と同様に金属基材7の表面の残油量が減少するととも
に、表面張力の著しい向上効果を得ることができる。
【0032】図8は脱脂金属基材を製造する装置の更に
他の例を示すものである。この例の如く、供給装置40
と取出装置41との間に、複数のロール42(この例で
は4基)をそれぞれ水平に、かつ、設置位置が交互に上
下するように(図8に示すように側面千鳥状配置状態
に)設け、複数のロール42の内、金属基材47をロー
ル上部側に巻掛けるものを1つおきに、金属基材47を
ロール下部側に巻掛けるものを1つおきに配置してこの
例の装置が構成されている。そして、各ロール42の基
材巻掛け部分にギャップを介して電極ロッド43を接近
離間自在に配置することでこの例の装置が構成されてい
る。
【0033】この例の装置にあっては、基材47の上面
を1番目のロール42でコロナ放電処理により脱脂した
後で基材47の裏面を2番目のロール42でコロナ放電
処理により脱脂し、更に、基材47の上面を3番目のロ
ール42でコロナ放電処理により脱脂し、最後に基材4
7の裏面を4番目のロール42でコロナ放電処理により
脱脂する。この例の如く複数のロール42を配置してコ
ロナ放電処理することで、金属基材47の表面と裏面を
一括して脱脂することができ、両面脱脂金属基材48を
得ることができる。また、金属基材47を脱脂する場合
に、本例の如く2本のロール42、42で脱脂しても良
く、3本以上のロールを用いる方法または装置を採用し
ても良い。
【0034】次にこの例の如く複数のロール42で金属
基材47をコロナ放電脱脂処理する場合に、複数のロー
ル42で印加するエネルギー密度の合計として50W・
min/m2以上の値となるように各ロール42でのエ
ネルギー密度を設定することが好ましい。
【0035】
【実施例】「実施例1」圧延仕上がり状態の厚さ20μ
mのアルミニウム箔を複数用意し、これらに対して水系
アルカリ脱脂、有機溶剤(N-パラフィン)脱脂とコロ
ナ放電処理による脱脂をそれぞれ施してそれらの効果を
評価した。なお、アルミニウム箔の製造においては、パ
ラフィン系の圧延油とエステル系の極圧添加剤とが圧延
ロールに供給されて圧延加工されているので、圧延仕上
げ状態のアルミニウム箔には微量の圧延油等の残留物が
付着していることになる。また、得られた脱脂アルミニ
ウム箔に対してリチウム電池用活物質のバインダー(フ
ッ化ビニリデン)との接着性を評価した。なお、水系脱
脂とは、基材を水洗浄した後に、60℃のPH11のア
ルカリ溶液に10秒間浸漬して脱脂した後で再度水洗浄
し、熱風乾燥する処理とした。以上の結果を以下の第1
表に示す。
【0036】
【表1】
【0037】表1に示す結果から明らかなように、コロ
ナ放電処理による脱脂を行った場合に、水系アルカリ液
に浸漬して行う従来の脱脂方法を超える優れた表面張力
を得ることができることが判明した。第1表に示す結果
から、コロナ放電処理のエネルギー密度を30W・mi
n/m2に設定した場合、残油量の減少量が少ない上
に、表面張力向上効果が殆ど見られない。このため、有
機溶剤脱脂を超える優れた表面張力と少ない残油量を達
成するためには、コロナ放電処理のエネルギー密度を5
0W・min/m2以上に設定する必要があることが明
らかになった。また、2次電池用活物質の貼着などの目
的において活物質との高い密着性を確保するためには、
50ダイン(dyne)/cm程度以上が必要とされているの
で、この目的のためには、コロナ放電処理のエネルギー
密度を100W・min/m2以上に設定することがよ
り好ましいことが判明した。
【0038】次に、コロナ放電処理のエネルギー密度の
上限を500W・min/m2に設定することが好まし
い。これは、コロナ放電処理のエネルギー密度を100
W・min/m2以上とすることで優れた表面張力と残
油量を両立できるが、エネルギー密度の上昇に伴って酸
化皮膜の厚さが増加する(酸化皮膜の成長が見られ
る)、又は生成された極性基が分解除去されてしまうた
めである。この酸化皮膜の厚さが大きくなりすぎると、
表面での電気抵抗が増大し、2次電池用活物質貼着用、
例えば、リチウムイオン2次電池用集電体用として好ま
しくなくなる。よって、コロナ放電処理のエネルギー密
度は50〜500W・min/m2の範囲であっても、
50〜400W・min/m2の範囲が好ましく、10
0〜400W・min/m2の範囲がより好ましいこと
が判明した。
【0039】「実施例2」厚さ50μmの圧延仕上がり
後の銅箔について、有機溶剤脱脂およびコロナ放電脱脂
処理を加えた材料について、表面の濡れ性、防錆効果へ
の影響、およびバインダーとの接着性を調べた。バイン
ダーとの接着性については、実施例1と同等の方法(セ
ロテープによる剥離テスト)で行い、防錆効果を評価す
るために湿度90%、50℃の環境促進テストを行っ
た。それらの結果をまとめて以下の表2に示す。また、
表2の試料No.2、3については、有機脱脂液の中に
は防錆剤(ベンゾトリアゾール)を添加しており、乾燥
時に箔表面に残留し防錆効果を発すると考えられる。ま
た、表面の濡れ性(表面張力)については、実施例1と
同等の方法で行った結果を以下の表2に併せて示す。表
2においてコロナ処理とは300W・min/m2のパ
ワーでコロナ放電脱脂処理を施したものである。
【0040】 「表2」 表面処理条件 表面張力 セロテープテスト 防錆テスト 試料 (dyne/cm) (変色テスト) No.1 有機溶剤脱脂のみ 34 2 × No.2 有機溶剤脱脂 36 2 ○ +防錆剤 No.3 有機溶剤脱脂+防 60 5 ○ 錆剤+コロナ処理
【0041】表2に示す結果から、有機溶剤脱脂を行っ
て防錆剤を添加することに加えてコロナ放電脱脂処理を
行うことで、防錆剤の防錆効果を維持した上で表面張力
を大幅に増大させることができることが明らかになっ
た。
【0042】「実施例3」次に、本願発明に係るコロナ
放電脱脂処理の効果と一般的な水系脱脂処理の効果の相
違について実験した。表1に示す実施例1で得られたコ
ロナ放電処理脱脂により得られた脱脂金属基材にあって
は、コロナ放電脱脂処理時に印加するエネルギー密度を
上昇させることで徐々に残油量が減少して表面張力が向
上する。また、表1に示す如く有機溶剤脱脂を行った上
に更にコロナ放電処理脱脂を施して得た脱脂金属基材に
あっても同様に印加するエネルギー密度を上昇させるこ
とで徐々に残油量が減少して表面張力が向上する。な
お、水系脱脂とは、基材を水洗浄した後に、60℃のP
H11のアルカリ水溶液に10秒間浸漬して脱脂した後
で再度水洗浄し、熱風乾燥する処理とした。更に、表1
に示す水系アルカリ液に浸漬して行う脱脂処理において
処理時間の調節により残油量を調整した場合に得られる
残油量と表面張力の関係を求めた。
【0043】これらの結果を基に、金属基材の表面にお
いて脱脂後に残存する残油量とその残油量の際に得られ
た表面張力との相関関係を図9に示す。また、表1に示
した実験結果に加え、コロナ放電脱脂処理時のエネルギ
ー密度を調整して残油量を1.0mg/m2とした場合に
得られた表面張力は49dyne/cm2であり、有機溶剤脱脂
に加えてコロナ放電脱脂処理時のエネルギー密度を調整
して残油量を1.0mg/m2とした場合に得られた表面
張力は50dyne/cm2であった。これらの結果において、
コロナ放電脱脂処理のみで得られた表面張力値を図9に
・印で示し、有機溶剤脱脂に加えてコロナ放電脱脂処理
も施した試料で得られた表面張力値を図9に△印で示
す。
【0044】図9に示す結果から明らかなように、本願
発明で得られる脱脂金属基材の残油量と表面張力の関係
と、水系脱脂による脱脂金属基材の残油量と表面張力の
関係は明らかに異なっている。これらの比較から、本願
発明で得られた脱脂金属基材にあっては、同じ程度の残
油量であっても、水系脱脂によるものよりも一層高い
(20dyne/cm2程度高い)表面張力を示すことが判明し
た。これは、コロナ放電処理脱脂により、基材表面の残
油等の微量残留物の性状が異なり、一部が酸化される
か、表面に極性基を生成するか、又は金属表面と化学結
合するなど、表面の残油等の微量残留物が特殊な性状に
変化しているためであると思われる。
【0045】図9に示す関係から、残油量と表面張力と
の関係において具体的には、残油量1.5mg/m2
上、2.5mg/m2以下の範囲において、水系脱脂処理
で25〜32ダイン/cmであるものが、コロナ放電処
理脱脂では36ダイン/cm以上で42ダイン/cm程
度まで、残油量1.0mg/m2以上、1.5mg/m2
下の範囲において、水系脱脂処理で25〜32ダイン/
cmであるものが、コロナ放電処理脱脂では38ダイン
/cm以上で49ダイン/cm程度まで、残油量0.5
mg/m2以上、1.0mg/m2以下の範囲において、
水系脱脂処理で32〜43ダイン/cmであるものが、
コロナ放電処理脱脂では49ダイン/cm以上で60ダ
イン/cm程度まで、残油量0.1mg/m2以上、0.
5mg/m2以下の範囲において、水系脱脂処理で43
〜56ダイン/cmであるものが、コロナ放電処理脱脂
では60ダイン/cm以上で72ダイン/cm程度まで
の値がそれぞれ得られる。以上のことから、本願発明で
得られるコロナ放電脱脂処理金属基材は、従来の湿式脱
脂法では得られない特殊な表面状態とされた結果、従来
の湿式脱脂方法では得られない優れた特性を有している
ことが明らかになった。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、従
来の湿式脱脂法により得られる脱脂金属基材に比べて同
等の残油量において10〜20ダイン/cmも高い表面
張力値を示す脱脂金属基材を提供できる。より具体的に
は、本発明により、表面の残油量と表面張力との相関関
係において、残油量0.5mg/m2以下の範囲において
表面張力60ダイン/cm以上、あるいは、0.5mg
/m2を超えて1.0mg/m2以下の範囲において49
ダイン/cm以上、あるいは、1.0mg/m2を超えて
1.5mg/m2以下の範囲において38ダイン/cm以
上、あるいは、1.5mg/m2を超えて2.5mg/m2
以下の範囲において36ダイン/cm以上のいずれかの
関係を満足するコロナ放電脱脂金属基材を提供できる。
【0047】また、エネルギー密度50W・min/m
2以上のコロナ放電処理を施して残油量2.5mg/m2
以下に脱脂されてなるので、充分なエネルギー密度を有
するコロナ放電脱脂処理により効果的に表面の残油量を
少なくして表面張力の高い状態の金属基材が得られる。
そして、本発明によれば、同じレベルの残油量の割に従
来の湿式脱脂法によるものよりも高い表面張力を示す金
属基材を得ることができる。また、コロナ放電処理は常
温常圧の大気中で処理できる方法なので、雰囲気を真空
あるいは減圧雰囲気などに調整する必要のあったプラズ
マ処理に比べて格段に扱いやすく、また、連続処理が可
能なので大量の脱脂金属基材が容易に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施に用いるコロナ放電脱脂処理装
置の一例を示す正面略図。
【図2】 同例の装置の要部を示す側面図。
【図3】 本発明の実施に用いるコロナ放電脱脂処理装
置の他の例を示す正面略図。
【図4】 同例を示す側面略図。
【図5】 同例のロールと電極ロッドを離間した状態の
斜視図。
【図6】 同例の電極ロッドの支持構造部分を示す斜視
図。
【図7】 同例の電源装置とロールと電極ロッドの接続
関係を示す図。
【図8】 本発明の実施に用いるコロナ放電脱脂処理装
置の更に別の例を示す側面略図。
【図9】 実施例で得られたコロナ放電脱脂処理金属基
材の一例の表面張力の測定結果を示す図である。
【符号の説明】
1、22・・・ロール、2、21・・・電極ロッド、3、34
・・・電源装置(高周波電力印加手段)、7・・・金属基材、
8・・・供給装置、9・・・取出装置、15・・・脱脂金属基
材。
フロントページの続き (72)発明者 新藤 健二 静岡県裾野市平松85番地 三菱アルミニウ ム株式会社富士製作所内 (72)発明者 川井 正彦 東京都港区芝2丁目3番3号 三菱アルミ ニウム株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面の残油量と表面張力との相関関係に
    おいて、残油量0.5mg/m2以下の範囲において表面
    張力60ダイン/cm以上、あるいは、0.5mg/m2
    を超えて1.0mg/m2以下の範囲において49ダイン
    /cm以上、あるいは、1.0mg/m2を超えて1.5
    mg/m2以下の範囲において38ダイン/cm以上、
    あるいは、1.5mg/m2を超えて2.5mg/m2以下
    の範囲において36ダイン/cm以上のいずれかの関係
    を満足し、コロナ放電処理が施されたものであることを
    特徴とするコロナ放電脱脂処理金属基材。
  2. 【請求項2】 エネルギー密度50W・min/m2
    上のコロナ放電処理が施されて残油量2.5mg/m2
    下に脱脂されてなることを特徴とするコロナ放電脱脂処
    理金属基材。
  3. 【請求項3】 箔状に圧延された後にコロナ放電処理が
    施されてなることを特徴とする請求項2記載のコロナ放
    電脱脂処理金属基材。
  4. 【請求項4】 エネルギー密度50W・min/m2
    上のコロナ放電処理が施されて残油量2.5mg/m2
    下に脱脂されてなり、表面の残油量と表面張力との相関
    関係において、残油量0.5mg/m2以下の範囲におい
    て表面張力60ダイン/cm以上、あるいは、0.5m
    g/m2を超えて1.0mg/m2以下の範囲において4
    9ダイン/cm以上、あるいは、1.0mg/m2を超え
    て1.5mg/m2以下の範囲において38ダイン/cm
    以上、あるいは、1.5mg/m 2を超えて2.5mg/
    2以下の範囲において36ダイン/cm以上のいずれ
    かの関係を満足するものであることを特徴とするコロナ
    放電脱脂処理金属基材。
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