JPH11158307A - 使い捨ておむつのバックシート用フィルム - Google Patents

使い捨ておむつのバックシート用フィルム

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JPH11158307A
JPH11158307A JP9327707A JP32770797A JPH11158307A JP H11158307 A JPH11158307 A JP H11158307A JP 9327707 A JP9327707 A JP 9327707A JP 32770797 A JP32770797 A JP 32770797A JP H11158307 A JPH11158307 A JP H11158307A
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JP
Japan
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film
propylene
ethylene
matrix
copolymer rubber
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JP9327707A
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English (en)
Inventor
Hiroshige Sano
博成 佐野
Yukio Uchiyama
幸夫 内山
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 通気性、透湿性に優れると共に、優れたソフ
ト感を有し、表面の汚れの生じ難い通気性フィルムから
なる、使い捨ておむつのバックシート用フィルムを提供
する。 【解決手段】 結晶性プロピレン系樹脂のマトリックス
(a) 67〜95体積%と、少なくともエチレン−α−オ
レフィン共重合体ゴムを含有する分散相(b) 33〜5体
積%との分散構造のプロピレン系樹脂組成物からなるフ
ィルムであって、そのフィルムのマトリックス(a) 中に
フィルムの厚さ方向に向かって形成されたクレーズ(c)
と、分散相(b) 中に形成されたボイド(d) を有している
通気性フィルムからなる、使い捨ておむつのバックシー
ト用フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通気性、透湿性に
優れると共に、優れたソフト感を有する、使い捨ておむ
つのバックシート用フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、使い捨ておむつのバックシー
ト用フィルムとして、例えば、ポリオレフィン樹脂に硫
酸バリウム等の充填剤を配合した樹脂組成物からなるフ
ィルムを延伸して通気性を付与したフィルム(特開昭6
0−185803号公報等)、ポリオレフィン樹脂に充
填剤と液状のポリブタジエン等の炭化水素重合体とを配
合した樹脂組成物からなるフィルムを延伸して通気性を
付与したフィルム(特開昭58−149303号公報
等)等が知られている。しかし、これらの通気性フィル
ムは、多量に配合された充填剤がおむつの加工時や使用
時等にフィルム表面から脱離したり、液状物がフィルム
表面にブリードアウトしてベタツキが生じたりすること
等によりフィルム表面が汚れたり、充填剤を多量に配合
していることや延伸したフィルムであること等に起因す
る特有の、ソフト感が必ずしも十分ではない等の欠点を
有していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、使い捨てお
むつのバックシート用フィルムにおける前述の従来技術
に鑑みてなされたものであって、従って、通気性、透湿
性に優れると共に、優れたソフト感を有し、表面の汚れ
の生じ難い通気性フィルムからなる、使い捨ておむつの
バックシート用フィルムを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明等は、前述の課題
を解決すべく鋭意検討した結果、結晶性プロピレン系樹
脂とエチレン−α−オレフィン共重合体ゴムからなり、
結晶性プロピレン系樹脂のマトリックス(海)中に共重
合体ゴムがドメイン(島)として分散した海−島の高次
分散構造を形成した組成物からなるフィルムを、単純に
引っ張って変形させるだけでは塑性変形してフィルム全
域の分子鎖が配列するのみであるが、局部的に曲げ応力
を作用させて変形すると、マトリックス中にフィルムの
厚さ方向に向かってクレーズが成長すると共に、分散相
中にボイドが形成された通気性フィルムが得られ、これ
により、充填剤を多量に配合せず、かつ、延伸フィルム
とせずとも、目的を達成できることを見出し、本発明を
完成したもので、即ち、本発明は、結晶性プロピレン系
樹脂のマトリックス67〜95体積%と、少なくともエ
チレン−α−オレフィン共重合体ゴムを含有する分散相
33〜5体積%との分散構造のプロピレン系樹脂組成物
からなるフィルムであって、そのフィルムのマトリック
ス中にフィルムの厚さ方向に向かって形成されたクレー
ズと、分散相中に形成されたボイドを有している通気性
フィルムからなる、使い捨ておむつのバックシート用フ
ィルム、を要旨とする。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明において、結晶性プロピレ
ン系樹脂のマトリックスと、少なくともエチレン−α−
オレフィン共重合体ゴムを含有する分散相との分散構造
のプロピレン系樹脂組成物としては、以下の二つの場合
の樹脂組成物が挙げられる。その一つは、プロピレン−
エチレンブロック共重合体のみからなるプロピレン系樹
脂組成物である。プロピレン−エチレンブロック共重合
体は、結晶性プロピレン単独重合体のマトリックス中
に、エチレン単独重合体とエチレン−プロピレン共重合
体ゴムとが分散相を形成した分散構造を採ることが知ら
れている。他の一つは、プロピレン単独重合体、または
プロピレン−α−オレフィンブロックまたはランダム共
重合体等のプロピレン系樹脂に、エチレン−α−オレフ
ィン共重合体ゴムを配合したプロピレン系樹脂組成物で
ある。
【0006】なお、ここで、プロピレン−α−オレフィ
ンブロックまたはランダム共重合体におけるα−オレフ
ィンとしては、エチレン、ブテン−1、3−メチル−ブ
テン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘキセン−1、
ヘプテン−1、オクテン−1等の炭素数2〜12、好ま
しくは2〜8程度のα−オレフィンが挙げられる。ま
た、エチレン−α−オレフィン共重合体ゴムにおけるα
−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、3−
メチル−ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘキ
セン−1、ヘプテン−1、オクテン−1等の炭素数3〜
12、好ましくは3〜8程度のα−オレフィンが挙げら
れ、共重合体ゴムとしては、さらに非共役ジエンが共重
合されていてもよい。
【0007】これらの中で、マトリックスを形成する結
晶性プロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合
体、プロピレン−エチレン共重合体が好ましく、また、
分散相を形成するエチレン−α−オレフィン共重合体ゴ
ムとしては、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、およ
び、市販品として、例えば、日本合成ゴム社製の「JS
R EP」、三井石油化学工業社製の「タフマー」、デ
ュポンダウ社製の「エンゲージ」等が好ましい具体例と
して挙げられる。
【0008】マトリックスを形成する前記結晶性プロピ
レン系樹脂は、メルトフローレート(MFR)が、23
0℃、2.16kg荷重での測定で2〜150g/10
分であるのが好ましく、5〜100g/10分であるの
が特に好ましい。MFRが前記範囲未満では、通気性フ
ィルムとして通気性の均一なフィルムが得られ難い傾向
となり、また、MFRが前記範囲超過では、通気性フィ
ルムとしての機械的強度が不十分となる傾向となる。な
お、結晶性プロピレン系樹脂のこのMFRは、重合によ
り得られるものの外、重合後に有機過酸化物等によって
分子切断して調整して得られたものであってもよい。ま
た、この結晶性プロピレン系樹脂は、後述するフィルム
の変形処理におけるクレーズやボイドの形成効率の面か
ら、結晶化度が、X線測定による方法で35%以上であ
るのが好ましく、40%以上であるのが特に好ましい。
【0009】また、分散相を形成する前記エチレン−α
−オレフィン共重合体ゴムは、後述するフィルムの変形
処理におけるクレーズやボイドの形成効率、および、ソ
フト感付与の面から、100%歪み時の応力から求めた
引張弾性率が120kg/cm2 以下であるのが好まし
く、100kg/cm2 以下であるのが特に好ましい。
また、同様の理由から、密度が0.895g/cm3
下であるのが好ましく、0.890g/cm3 以下であ
るのが特に好ましい。また、このエチレン−α−オレフ
ィン共重合体ゴムは、クレーズやボイドの形成効率の面
から、MFRが、230℃、2.16kg荷重での測定
で20g/10分以下であるのが好ましく、15g/1
0分以下であるのが特に好ましい。
【0010】本発明における前記プロピレン系樹脂組成
物の製造方法は、特に制約はなく公知の方法を採ること
ができる。例えば、フィルム成形に先立って押出機、ロ
ール、バンバリーミキサー等で予め混練してもよいし、
ドライブレンドして直接にフィルム成形に供することも
できる。なお、本発明におけるプロピレン系樹脂組成物
には、本発明の効果を損なわない範囲で、酸化防止剤、
光安定剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、滑剤、可
塑剤、顔料等の添加剤、充填剤等が配合されていてもよ
い。
【0011】本発明におけるプロピレン系樹脂組成物
は、結晶性プロピレン系樹脂のマトリックス(海)中
に、エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム、または、
エチレン−α−オレフィン共重合体ゴムと、プロピレン
−α−オレフィンブロック共重合体の共単量体としての
α−オレフィンの重合体とが、即ち、少なくともエチレ
ン−α−オレフィン共重合体を含有する含有物が、ドメ
イン(島)として分散した海−島の高次分散構造を形成
している。本発明においては、この分散相の分散サイズ
は、0.1〜50μmであるのが好ましく、0.2〜3
0μmであるのが特に好ましい。前記範囲未満では、形
成されるクレーズの量が少なくなり、通気性フィルムと
しての通気性が不十分となる傾向となる。また、前記範
囲超過では、通気性フィルムとしての機械的強度が不十
分となる傾向となる。
【0012】本発明において、前記プロピレン系樹脂組
成物中に占める前記結晶性プロピレン系樹脂のマトリッ
クスと、少なくともエチレン−α−オレフィン共重合体
ゴムを含有する分散相との組成割合は、体積分率で、前
者マトリックスが67〜95体積%、後者分散相が33
〜5体積%であり、前者が70〜95体積%、後者が3
0〜5体積%であるのが好ましく、前者が75〜95体
積%、後者が25〜5体積%であるのが特に好ましい。
後者分散相が前記範囲未満では、形成されるクレーズの
量が少なくなり、通気性フィルムとしての通気性が不十
分となる。また、前記範囲超過では、前者マトリックス
中に分散する後者分散相の一部が連続化して、クレーズ
形成に優先して塑性変形が起こってクレーズの量が少な
くなり、同様に通気性フィルムとしての通気性が不十分
となる。
【0013】なお、ここで、マトリックスと分散相の体
積分率は、以下の方法により測定したものである。フィ
ルムから切り出した2mm×2mmの大きさの小片を、
エポキシ樹脂で包埋し、−100℃に冷却しながらウル
トラミクロトーム(ライヘルト社製、「ウルトラカット
N」)を用いて切削した後、マトリックスをエッチング
した面を走査型電子顕微鏡(日立製作所製、「S80
0」)で写真撮影した。写真を画像処理して、単位面積
当たりの分散相の面積分率を求めて全分散相の体積分率
とし、残りをマトリックスの体積分率とした。
【0014】本発明における前記プロピレン系樹脂組成
物のフィルムの成形方法も、特に制約はなく公知の方法
を採ることができる。例えば、Tダイによるフラットフ
ィルム成形法や環状ダイによるインフレーションフィル
ム成形法等を採ることができる。また、フィルムの厚さ
は、特に制限はないが、フィルムの成形安定性、後述す
るフィルムの変形処理におけるクレーズやボイドの形成
効率の面から、および使い捨ておむつのバックシート用
フィルムとして、5〜50μmの範囲であるのが好まし
く、10〜40μmの範囲であるのが特に好ましい。
【0015】本発明の通気性フィルムの製造は、前記プ
ロピレン系樹脂組成物のフィルムを、例えば、図2に示
す基本構成装置を用いて、局部的に曲げ応力を作用させ
て変形処理することにより行うことができる。即ち、フ
ィルムF0 をニップロール2,2でブレーキを掛けなが
ら送り出しロール1から図面矢印方向に送り出し、ニッ
プロール4,4で図面矢印方向に引き取り、巻き取りロ
ール5に巻き取ることにより、フィルムF0 に張力を働
かせて緊張状態を保ちつつ、その間のフィルムF0 面に
先端部3aが鋭角な支持体3を当接して局部的に折り曲
げ、その折り曲げ変形域を連続的に移動させることによ
り、通気性フィルムFが製造される。
【0016】ここで、支持体3の先端部3aの角度は、
15〜80度の範囲とするのが好ましく、また、フィル
ムの折り曲げ角度θは、50〜140度の範囲とするの
が好ましく、50〜120度とするのが特に好ましく、
60〜100度とするのがさらに好ましい。いずれの角
度も、前記範囲未満では、フィルムへの応力集中が過度
になってフィルムが切断する恐れがあり、安定した製造
が困難となる傾向となり、また、前記範囲超過では、フ
ィルム中でのクレーズの形成が不十分となって通気性フ
ィルムとしての通気性が不十分となる傾向となる。な
お、フィルムのこの変形処理は、通常は、室温でなされ
るが、場合によっては一定の設定温度下であってもよい
し、また、変形処理後、クレーズを固定化するために、
オーブン等の熱処理装置を設けることもできる。
【0017】前記プロピレン系樹脂組成物のフィルム
は、前記変形処理により、結晶性プロピレン系樹脂のマ
トリックス中にフィルムの厚さ方向に向かって貫通した
クレーズが形成されると共に、エチレン−α−オレフィ
ン共重合体ゴム、またはエチレン−α−オレフィン共重
合体ゴムと、プロピレン−α−オレフィンブロック共重
合体の共単量体としてのα−オレフィンの重合体との分
散相中にボイドが形成された、本発明における通気性フ
ィルムとなる。なお、ここで、クレーズは、フィルムの
局部的な変形により局部的に配向した分子束と、径が
0.1μm未満のミクロボイドの集合体から構成されて
いるものであり、局部的な変形方向に垂直な方向、即
ち、フィルムの厚さ方向に向かって形成される。また、
ボイドは、大きさが0.1μm以上の空隙である。
【0018】そして、クレーズの形成位置は、その両端
がどこに位置するかにより、樹脂マトリックスと樹脂
マトリックス間、ゴム分散相とゴム分散相間、樹脂
マトリックスとゴム分散相間、ボイドとボイド間、
樹脂マトリックスとボイド間、ゴム分散相とボイド
間、の6種類に分類される。本発明における通気性ィル
ムは、フィルムの厚さ方向に向かって形成された前記6
種類のクレーズの組み合わせにより、フィルムの厚さ方
向に貫通している経路を有している割合(以降、貫通分
率という。)が、フィルムの通気性の面から、30%以
上であるのが好ましく、35%以上であるのが特に好ま
しく、40%以上であるのがさらに好ましい。
【0019】なお、ここで、クレーズの貫通分率は、以
下の方法により測定したものである。通気性フィルムか
ら切り出した2mm×2mmの大きさの小片を、エポキ
シ樹脂で包埋し、四酸化ルテニウムで染色した後、ウル
トラミクロトーム(ライヘルト社製、「ウルトラカット
N」)を用いてフィルムの成形方向で厚さ方向に切断し
て、その切断面構造を走査型電子顕微鏡(日立製作所
製、「S800」)で、倍率2000倍で写真撮影し
た。図1はその写真を模写した模式図で、図面上の左右
方向がフィルムの厚さ方向に該当し、図中、aは結晶性
プロピレン系樹脂のマトリックス、bはエチレン−α−
オレフィン共重合体ゴムを少なくとも含有する分散相、
cはマトリックス中に形成されたクレーズ、dは分散相
中に形成されたボイドである。図において、前記6種類
の全クレーズ数と、その中でフィルムを貫通している経
路を有しているクレーズ数をそれぞれ計測し、前者に対
する後者の百分率で貫通分率を求めた。
【0020】本発明における通気性フィルムは、プロピ
レン系樹脂組成物フィルム中に分散している少なくとも
エチレン−α−オレフィン共重合体ゴムを含有する分散
相の量、分散形状、分散径、および、フィルムの変形処
理における支持体先端部の角度、フィルムの折り曲げ角
度、フィルムの緊張度合、温度等を調整することによ
り、通気性フィルムとしてのクレーズの量、幅、相互間
隔、貫通分率、および、ボイドの量、大きさ等を調節で
き、それにより通気性フィルムとしての通気性の程度を
調節することができる。例えば、エチレン−α−オレフ
ィン共重合体ゴムの量を多くして分散粒子数を多くした
り、フィルムの変形処理における折り曲げ角度を小さく
したり、緊張度合を大きくすると、通気性フィルム中に
形成されるクレーズやボイドの量が多くなり、その結
果、通気性が増大する。
【0021】以上説明した本発明における通気性フィル
ムは、ボイドやゴム分散相を仲立ちとして形成されてい
るクレーズがフィルムの厚さ方向に貫通していることに
より、酸素や窒素、あるいは水蒸気等の気体がこのミク
ロボイドの集合体であるクレーズを拡散することにより
通気性が発現する一方、そのクレーズを構成するミクロ
ボイドが極微細であるため、液体や固形物を通過させ
ず、尿漏れ等は起こらないとの作用を有するものと考え
られる。
【0022】本発明の、使い捨ておむつのバックシート
用フィルムは、以上説明した通気性フィルムからなり、
その通気性は、JIS P8117に準拠した通気度が
400〜5000秒/100ccで、JIS K712
9に準拠した透湿度が1000〜6000g/m2 ・2
4hrであるのが好適である。通気度が前記範囲未満ま
たは透湿度が前記範囲超過では、使い捨ておむつのバッ
クシートとして用いたときに尿漏れが生じる恐れがあ
り、また、通気度が前記範囲超過または透湿度が前記範
囲未満では、使い捨ておむつのバックシートとして用い
たときに内部むれが起こる恐れがある。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。なお、実施例および
比較例に用いたプロピレン系樹脂およびエチレン−α−
オレフィン共重合体ゴムを、以下に示す。
【0024】プロピレン系樹脂 エチレン−プロピレン共重合体ゴム含有量14重量
%、MFR30g/10分のプロピレン−エチレンブロ
ック共重合体、マトリックスのMFR40g/10分、
結晶化度57%(日本ポリケム社製、「ノバテックPP
BC03B) エチレン−プロピレン共重合体ゴム含有量15重量
%、MFR8g/10分のプロピレン−エチレンブロッ
ク共重合体、マトリックスのMFR35g/10分、結
晶化度56%(日本ポリケム社製、「ノバテックPP
BC3E) MFR5g/10分、結晶化度52%のプロピレン単
独重合体(日本ポリケム社製、「ノバテックPP MA
4」) エチレン−プロピレン共重合体ゴム含有量26重量
%、MFR0.8g/10分のプロピレン−エチレンブ
ロック共重合体、マトリックスのMFR8g/10分、
結晶化度53%(日本ポリケム社製、「ノバテックPP
BC8D)
【0025】エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム MFR0.8g/10分、密度0.862g/c
3 、引張弾性率13kg/cm2 のエチレン−プロピ
レン共重合体ゴム(日本合成ゴム社製、「JSREP0
7P」) MFR3g/10分、密度0.860g/cm3 、引
張弾性率11kg/cm2 のエチレン−プロピレン共重
合体ゴム(日本合成ゴム社製、「JSR EP02
P」) MFR0.8g/10分、密度0.868g/c
3 、引張弾性率18kg/cm2 のエチレン−オクテ
ン−1共重合体ゴム(デュポンダウ社製、「エンゲージ
EG8180」)
【0026】なお、前記における諸物性は、以下の方法
により測定したものである。 ・MFR JIS K7210に準拠し、230℃、2.16kg
荷重にて測定した。 ・結晶化度 160℃で作製した厚さ2mmのプレスシートを用い
て、X線発生装置(理学電気社製)にゴニオメーターを
取り付け、回折角5度から40度までの範囲で広角X線
回折図形を得、ポリプロピレンの結晶由来の(11
0)、(040)、(130)、(111)の結晶ピー
ク強度から結晶化度を求めた。 ・密度 JIS K7112に準拠し、密度勾配管法により測定
した。 ・引張弾性率 JIS K7127に準拠し、インストロン型引張試験
機を用いて測定した応力−歪み曲線の100%歪み時の
応力から求めた。
【0027】実施例1〜7、比較例1〜3 表1に示す配合割合のプロピレン系樹脂とエチレン−α
−オレフィン共重合体ゴムとを、安定剤として、テトラ
キス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−
4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタンを
0.1重量部、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ホスファイトを0.05重量部添加して、二軸混練
機(神戸製作所社製、「2FCM」)を用いて、樹脂温
度210℃、スクリュー回転数800rpmで混練して
ペレット化した。(なお、表1中、「予備混練なし」と
記載するものについては、この混練工程を経ずに、ドラ
イブレンドのみを行った。) 引き続いて、径75mm、リップ幅1mmの環状ダイを
装着したシリンダー径50mmの押出機(三鈴エリー社
製)を用いて、樹脂温度190〜220℃、引取速度3
0m/分、ブローアップ比2で、表1に示す厚さのフィ
ルムを成形した。なお、実施例2については、幅300
mm、リップ幅1mmのTダイを装着したシリンダー径
35mmの押出機(プラコー社製)を用いて、樹脂温度
230℃、引取速度20m/分でフィルムを成形した。
得られた各フィルムについて、分散相の体積分率を求
め、結果を表1に示した。
【0028】一方、得られた各フィルムについて、図2
に示す装置を用いて、20kgの張力下、支持体の先端
部の角度を60度、フィルムの折り曲げ角度を80度と
して、変形処理を施し、110℃に設定した2本の加熱
ロール間を通して熱処理することにより、通気性フィル
ムを製造した。得られた各通気性フィルムについて、以
下に示す方法でボイド、クレーズの形成状態を走査型電
子顕微鏡を用いて観察し、さらにクレーズの貫通分率を
求め、結果を表1に示した。また、以下に示す方法で、
通気度、透湿度、透水性、フィルム感触、および引張強
度を測定、評価し、結果を表1に示した。
【0029】・ボンド、クレーズの形成状態 クレーズの貫通分率を観察する電子顕微鏡写真におい
て、任意に選んだ10μm×10μmの視野において1
個以上のボイドが認められるものをボイド「あり」、認
められないものをボイド「なし」とし、同様に、1本以
上のクレーズが認められるものをクレーズ「あり」、認
められないものをクレーズ「なし」として評価した。
【0030】・通気度 JIS P8117に準拠して測定した。 ・透湿度 JIS K7129に準拠し、赤外センサー法により測
定した。 ・透水性 通気性フィルムで10cm角の袋を作製し、その中に水
を入れて濾紙上に8時間放置した後の濾紙の湿り具合を
観察し、濾紙に少しでも湿りが認められ透水が生じたも
のを「×」、濾紙の湿りが全く認められず透水がないも
のを「○」として、評価した。
【0031】・フィルム感触 通気性フィルムを手で掴んだときの感触を以下の5段階
に分けて評価した。 1;きわめて柔らかく、ソフト感あり。 2;柔らかく、ソフト感あり。 3;少し硬さがあり、ソフト感不足。 4;硬さがある。 5;きわめて硬い。 ・引張強度 JIS K7127に準拠し、インストロン型引張試験
機を用いて、破断点強度を測定した。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、通気性、透湿性に優れ
ると共に、優れたソフト感を有し、表面の汚れの生じ難
い通気性フィルムからなる、使い捨ておむつのバックシ
ート用フィルムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における通気性フィルムの切断面の走
査型電子顕微鏡写真(倍率2000倍)を模写した模式
図である。
【図2】 本発明における通気性フィルムの製造のため
の基本構成装置を示す模式図である。
【符号の説明】
a ;結晶性プロピレン系樹脂のマトリックス b ;エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム含有分散
相 c ;クレーズ d ;ボイド 1 ;送り出しロール 2 ;ニップロール 3 ;支持体 3a;先端部 4 ;ニップロール 5 ;巻き取りロール F0 ;フィルム F ;通気性フィルム

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶性プロピレン系樹脂のマトリックス
    67〜95体積%と、少なくともエチレン−α−オレフ
    ィン共重合体ゴムを含有する分散相33〜5体積%との
    分散構造のプロピレン系樹脂組成物からなるフィルムで
    あって、そのフィルムのマトリックス中にフィルムの厚
    さ方向に向かって形成されたクレーズと、分散相中に形
    成されたボイドを有している通気性フィルムからなるこ
    とを特徴とする、使い捨ておむつのバックシート用フィ
    ルム。
  2. 【請求項2】 通気度が400〜5000秒/100c
    cで、透湿度が1000〜6000g/m2 ・24hr
    である請求項1に記載の、使い捨ておむつのバックシー
    ト用フィルム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007277444A (ja) * 2006-04-10 2007-10-25 Sumitomo Chemical Co Ltd 樹脂組成物
JP2008150628A (ja) * 2008-03-19 2008-07-03 Chisso Corp ポリオレフィン樹脂多孔膜

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