JPH11158195A - トール油ピッチに含まれるトール油アルコール成分の抽出方法 - Google Patents

トール油ピッチに含まれるトール油アルコール成分の抽出方法

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JPH11158195A
JPH11158195A JP34051697A JP34051697A JPH11158195A JP H11158195 A JPH11158195 A JP H11158195A JP 34051697 A JP34051697 A JP 34051697A JP 34051697 A JP34051697 A JP 34051697A JP H11158195 A JPH11158195 A JP H11158195A
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JP
Japan
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tall oil
alcohol component
extraction
pitch
solvent
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JP34051697A
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English (en)
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Youichirou Ezaki
陽一郎 恵崎
Tatsuya Okumura
辰也 奥村
Fumi Yamada
文 山田
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Arakawa Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Arakawa Chemical Industries Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/74Recovery of fats, fatty oils, fatty acids or other fatty substances, e.g. lanolin or waxes

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抽出溶媒の回収、分離が容易で、しかもトー
ル油ピッチのアルカリ加水分解物からトール油アルコー
ル成分を効率よく抽出する方法を提供すること。 【解決手段】 トール油ピッチのアルカリ加水分解物に
水を加え、当該加水分解物の固形分濃度が40重量%以
下になるように調製した水溶液に、炭素数4〜12のア
ルコール系溶媒および/または炭素数4〜12のケトン
系溶媒を加え、当該水溶液からトール油ピッチに含まれ
るトール油アルコール成分を抽出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はトール油ピッチか
ら、ステロール類、ジテルペンアルコール類、直鎖アル
コールなどのアルコール成分(以下、トール油アルコー
ル成分という)を抽出する方法に関する。抽出されたト
ール油アルコール成分は医薬原料、工業原料として有用
である。
【0002】
【従来の技術】粗製トール油の蒸留残査であるトール油
ピッチは粗製トール油の20〜40%の収率で得られえ
るものであり、主成分として粗製トール油の蒸留時に生
じた脂肪酸やロジンとトール油アルコール成分とのエス
テル化物を含む。
【0003】かかるトール油ピッチはそのままでは有効
な利用方法がないため、その殆どが、従来、燃料として
しか利用されていない。しかし、トール油ピッチはエス
テル化物であるため、アルカリ水酸化物により当該エス
テル化物の構成成分である脂肪酸やロジンのナトリウム
塩(以下、トール油石鹸という)とトール油アルコール
成分に加水分解し、各構成成分を分離して、その有効を
図ることができる。
【0004】トール油ピッチのアルカリ加水分解物か
ら、トール油アルコール成分を分離する方法としては、
トール油アルコール成分が油溶性であり、トール油石鹸
が水溶性であることを利用して、トール油ピッチのアル
カリ加水分解物を水−水溶性有機溶媒に溶解した後、溶
媒抽出する方法が一般的である。たとえば、トール油ピ
ッチをメタノール中でアルカリ加水分解し、これに水を
加えベンゼンで抽出する方法(Svensk Papperstigning
51, 531-6 (1948))、トール油ピッチアルカリ加水
分解物に水−イソプロピルアルコール溶液を加え石油ベ
ンジンで向流抽出する方法(米国特許明細書2530810
号)などが知られている。
【0005】しかし、これらの方法により、トール油ア
ルコール成分を効率よく抽出するには多量の低級アルコ
ール類などの水溶性有機溶媒を使用しなければならな
い。また、水層中には水溶性有機溶媒の他に抽出溶媒が
存在するため、水溶性有機溶媒を回収使用するためには
精密分留が必要である。このように、従来行われている
一般的なトール油アルコール成分の抽出方法では、水溶
性有機溶媒の使用が必須とされるため、その回収、分離
の点に問題があり、また水溶性有機溶媒の引火点が低い
ことなどから、工業的に実施するには著しい不利があ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、抽出溶媒の
回収、分離が容易で、しかもトール油ピッチのアルカリ
加水分解物からトール油アルコール成分を効率よく抽出
する方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、トール油ピッチの
アルカリ加水分解物をその固形分濃度が40重量%以下
になるように調製した水溶液に、トール油アルコール成
分の抽出溶媒として、炭素数4〜12のアルコール系溶
媒および/または炭素数4〜12のケトン系溶媒を用い
ることより前記課題を解決できることを見出し、本発明
を解決するに到った。
【0008】すなわち本発明は、トール油ピッチのアル
カリ加水分解物に水を加え、当該加水分解物の固形分濃
度が40重量%以下になるように調製した水溶液に、炭
素数4〜12のアルコール系溶媒および/または炭素数
4〜12のケトン系溶媒を加え、当該水溶液からトール
油ピッチに含まれるトール油アルコール成分を抽出する
ことを特徴とするトール油ピッチに含まれるトール油ア
ルコール成分の抽出方法に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で用いるトール油ピッチは
粗製トール油を蒸留した残査であり、トール油ピッチの
アルカリ加水分解物はトール油ピッチとアルカリ金属水
酸化物の水溶液を混合し加熱し加水分解反応を行うこと
により得られる。
【0010】アルカリ金属水酸化物としては水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどがあげら
れるが、なかでも水酸化ナトリウムが好ましい。アルカ
リ金属水酸化物の水溶液の濃度は特に制限されないが、
加水分解の反応速度の点から10重量%程度以上が望ま
しく、30重量%以上が好適である。トール油ピッチに
対するアルカリ金属水酸化物の量は、トール油ピッチの
ケン化価の通常1〜3当量程度である。加水分解の反応
温度は通常80〜200℃程度、反応時間は反応温度に
よって異なるが通常0.5〜10時間程度で、完全に加
水分解される。
【0011】本発明では、かかるトール油ピッチのアル
カリ加水分解物に、水を加え、固形分濃度が40重量%
以下の水溶液を調製する。固形分濃度が40重量%を超
える場合には、本発明の抽出方法に用いる抽出溶媒を加
え撹拌後静置しても有機層と水層が分離しなかったり分
離したとしても有機層に濁りを生ずる。効率的にトール
油アルコール成分の抽出を行なうには、当該水溶液の固
形分濃度を15重量%以上に調製するのが好ましい。特
に、抽出溶媒として炭素数4〜12のケトン系溶媒を用
いる場合には当該水溶液の固形分濃度を15重量%以上
に調製するのが好ましい。
【0012】次いで、上記トール油ピッチのアルカリ加
水分解物を含む所定濃度以下の水溶液に、抽出溶媒とし
て炭素数4〜12のアルコール系溶媒および/または炭
素数4〜12のケトン系溶媒を加え、当該水溶液からト
ール油ピッチのアルカリ加水分解物に含まれるトール油
アルコール成分を抽出する。炭素数が3以下のアルコー
ル系溶媒やケトン系溶媒は、水溶解性であるため抽出溶
媒として使用できない。
【0013】炭素数4〜12のアルコール系溶媒として
は、たとえば、1−ブタノール、2−ブタノール、1−
ヘキサノール、シクロヘキサノール、1−オクタノー
ル、2−エチル−1−ヘキサノールなどをあげることが
できる。また、炭素数4〜12のケトン系溶媒として
は、たとえば、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタ
ノン、シクロヘキサノン、2−オクタノンなどをあげる
ことができる。
【0014】抽出溶媒の使用量は特に制限されないが、
1回の抽出につき、トール油ピッチのアルカリ加水分解
物を含む水溶液に対し、通常、20〜500重量%程度
を用いる。20重量%に満たない場合には、抽出溶媒の
種類によっては有機層と水層とが分離し難い場合があ
る。一方、500重量%を超えて使用しても抽出量は変
わらず、むしろ少量の抽出溶媒を数回に分けて使用する
方の抽出効率が高い。
【0015】具体的な、抽出方法としては、たとえば、
上記トール油ピッチのアルカリ加水分解物を含む所定濃
度以下の水溶液に前記抽出溶媒を加え激しく撹拌した後
に静置し、分離した有機層と水層を分離する方法があげ
られる。抽出温度は通常室温で行うが、抽出溶媒の種類
によっては最も抽出効率のよい温度で抽出を行うことが
できる。
【0016】分離した有機層(抽出溶媒層)にはトール
油アルコール成分が含まれている。有機層中のトール油
アルコール成分は、抽出溶媒を留去することにより得ら
れる。トール油アルコール成分の抽出量は、トール油ピ
ッチのアルカリ加水分解物の水溶液の固形分に対し通常
15〜40重量%程度である。また、本発明の抽出方法
に使用した抽出溶媒は、その殆ど全てを有機層から回収
できる。
【0017】一方、水層にはトール油石鹸が含まれてい
る。なお、1回の抽出では、水層には抽出されなかった
トール油アルコール成分が含まれている場合があるので
同様の抽出操作を複数回繰り返して行なうこともでき
る。こうして分離された水層にはトール油アルコール成
分を殆ど含まない。
【0018】
【発明の効果】本発明の抽出方法によれば、トール油ピ
ッチのアルカリ加水分解物からトール油アルコール成分
を効率的に抽出でき、しかも抽出溶媒の回収、分離が容
易である。また、抽出処理されたトール油ピッチのアル
カリ加水分解物中には、トール油アルコール成分が殆ど
なく、トール油石鹸を多量に含むため、これを中和する
ことにより、非常に酸価の高い高品質の粗製トール油と
同様のものが得られる。
【0019】
【実施例】以下に実施例および比較例をあげて本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定
されるものではない。
【0020】合成例1〜6 トール油ピッチ(ケン化価103)100重量部に、4
8重量%水酸化ナトリウム水溶液20部を加え、105
℃で1時間反応させた。反応後、表1に示す量の希釈水
を加え、表1に示す固形分濃度のトール油ピッチのアル
カリ加水分解物の水溶液を得た。なお、固形分濃度は得
られたトール油ピッチのアルカリ加水分解物の水溶液の
一部を、105℃で4時間乾燥させ、その乾燥重量を測
定して求めた。
【0021】
【表1】
【0022】実施例1〜11、比較例1〜8 表2に示す合成例で得られたトール油ピッチのアルカリ
加水分解物の水溶液1000gに、表2に示す抽出溶媒
(種類、使用量)を加え10分間激しく撹拌した後、分
液ロートに移し30分間静置した。水層と有機層の分離
状態を表3に示す。水層と有機層の分離状態の良好なも
の、または有機層を分離可能なものについては有機層を
分離し、水層についてはさらに2回同様な操作を行っ
た。これらの有機層をあわせた後、抽出溶媒を除去しト
ール油アルコール成分を得た。トール油アルコール成分
の抽出量およびトール油ピッチのアルカリ加水分解物の
水溶液の固形分に対する抽出率を表3に、トール油アル
コール成分の水酸基価およびトール油アルコール成分中
のステロール類の含有率を表4に示す。また、水層には
硫酸を加えてpH3に調製した後、トルエンを加えた。
トルエン層を濃縮して得られたもの(抽出残ピッチ)の
酸価を測定した。その結果を表4に示す。
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】なお、比較例4〜6では水層と有機相に分
離せず均一相となり茶褐色の沈殿を生じた。比較例7、
8では水層、有機層ともに激しく乳化し水層と有機層が
分離しなかった。
【0026】
【表4】
【0027】トール油アルコール成分中のステロール類
の含有率は、得られたトール油アルコールをテトラヒド
ロフラン−メタノール混合溶媒に溶解し、内部標準物質
としてデルタ−4−アンドロステン−3、17−ジオン
(東京化成、純度99.5%)を用いガスクロマトグラ
フィー分析により行なった。キャピラリーカラム:SC
A−5(スペルコ社製)。液相厚 25ミクロン、内径
0.25mm×30m。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トール油ピッチのアルカリ加水分解物に
    水を加え、当該加水分解物の固形分濃度が40重量%以
    下になるように調製した水溶液に、炭素数4〜12のア
    ルコール系溶媒および/または炭素数4〜12のケトン
    系溶媒を加え、当該水溶液からトール油ピッチに含まれ
    るトール油アルコール成分を抽出することを特徴とする
    トール油ピッチに含まれるトール油アルコール成分の抽
    出方法。
JP34051697A 1997-11-25 1997-11-25 トール油ピッチに含まれるトール油アルコール成分の抽出方法 Pending JPH11158195A (ja)

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