JPH111580A - 射出成形用樹脂およびそれを用いて成形してなる射出成形物 - Google Patents

射出成形用樹脂およびそれを用いて成形してなる射出成形物

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JPH111580A
JPH111580A JP15661997A JP15661997A JPH111580A JP H111580 A JPH111580 A JP H111580A JP 15661997 A JP15661997 A JP 15661997A JP 15661997 A JP15661997 A JP 15661997A JP H111580 A JPH111580 A JP H111580A
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resin
polyethylene
injection
mfr
injection molding
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JP15661997A
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English (en)
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Shoichi Adachi
正一 足立
Mamoru Noshiro
守 野城
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 射出成形品の製造に好適であり、特に、引張
り強度、曲げ弾性等の機械的物性、定ひずみ環境応力き
裂性、透明性に優れたポリエチレンを主体とする射出成
形用樹脂およびそれを用いて成形してなる射出成形物を
提供すること。 【解決手段】 特定範囲の密度、メルトフローレート、
メルトフローレート比、分子量分布、スウェル比を有す
るポリエチレンを主体とする射出成形用樹脂とその射出
成形物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形用樹脂お
よびそれを用いて成形してなる射出成形物に関し、詳し
くは、射出成形品の製造に好適であり、特に、引張り強
度、曲げ弾性等の機械的物性、定ひずみ環境応力き裂
性、透明性に優れたポリエチレンに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポ
リオレフィン樹脂を射出成形の材料として用いて、各種
の成形物が製造されている。例えば、特開平8−208
901号公報には、特定の密度を有するエチレン−α−
オレフィン共重合体とエチレン・プロピレン・ジエン三
元共重合体よりなるキーパッドが開示されている。特開
平7−102126号公報には、結晶性ポリプロピレン
系樹脂と特定の粘弾性を有するエチレン/α−オレフィ
ン共重合体エラストマーからなるポリプロピレン系樹脂
組成物が開示されている。特開平9−31255号公報
には、ポリエチレン樹脂と安息香酸系化合物の酸無水物
からなるポリエチレン樹脂組成物が開示されている。特
開平7−331021号公報には、特定のメルトフロー
レートと特定のエチレン含有量を有するエチレン−プロ
ピレンブロック共重合体とメタロセン化合物を触媒とし
て重合されたポリエチレン系樹脂と特定の粒径を有する
タルクとからなる射出成形用樹脂組成物が開示されてい
る。
【0003】従来から知られている射出成形用ポリエチ
レン系組成物は、射出成形において成形性、機械的物性
が優れているが、さらに引張り強度、曲げ弾性等の機械
的物性、定ひずみ環境応力き裂性、透明性の優れている
ものが要求されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、射出成形品
の製造に好適であり、特に、引張り強度、曲げ弾性等の
機械的物性、定ひずみ環境応力き裂性、透明性に優れた
ポリエチレンを主体とする射出成形用樹脂およびそれを
用いて成形してなる射出成形物を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の特性を
有するポリエチレンを主体とすることを特徴とする射出
成形用樹脂に関する。 ・ポリエチレン (1)密度(d)=0.880〜0.960(g/cm3) (2)190℃、2.16Kg荷重におけるメルトフロー
レート(MFR2.16)=0.01〜200(g/10分) (3)190℃、10.0kg荷重におけるメルトフロー
レート(MFR10.0)と190℃、2.16Kg荷重におけ
るメルトフローレート(MFR2.16)との比 (MFR10 .0)/
(MFR2.16)=3〜10 (4)分子量分布(Mw/Mn)=2.0〜4.0 (5)190℃におけるスウェル比(SR) SR<1.35
【0006】上記ポリエチレンがシングルサイト触媒よ
り製造されたことを特徴とする射出成形用樹脂に関す
る。
【0007】上記射出成形用樹脂を用いて成形してなる
射出成形物に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の射出成形用樹脂は、下記
の特性を有するポリエチレンを主体とするものである。
【0009】・ポリエチレン (1)密度(d)=0.880〜0.960(g/cm3)、好ましくは0.9
00〜0.925(g/cm3)、さらに好ましくは0.905〜0.925(g/c
m3)、特に好ましくは0.907〜918(g/cm3) (2)190℃、2.16Kg荷重におけるメルトフロー
レート(MFR2.16)=0.01〜200(g/10分)、好ましくは3
〜50(g/10分)、さらに好ましくは9〜50(g/10分)、特
に好ましくは15〜50(g/10分) (3)190℃、10.0kg荷重におけるメルトフロー
レート(MFR10.0)と190℃、2.16Kg荷重におけ
るメルトフローレート(MFR2.16)との比 (MFR10 .0)/
(MFR2.16)=3〜10、好ましくは3〜8、さらに好まし
くは3〜7、特に好ましくは4〜7 (4)分子量分布(Mw/Mn)=2.0〜4.0、好ましくは2.
2〜3.7、さらに好ましくは2.4〜3.5、特に好ましくは2.
6〜3.4 (5)190℃におけるスウェル比(SR)<1.35、好まし
くは(SR)≦1.25
【0010】上記の特性のうち、 (1)密度が上記の範囲より小さいと、射出成形品に最低
限必要な剛性が得られず、容器としての役割を果たさな
い。
【0011】(2)MFR2.16が上記の範囲より小さいと、
流動性が悪く射出成形が困難になる。また、上記の範囲
より大きいと、適当な収縮特性が得られず成形が困難に
なる。
【0012】(3)(MFR10.0)/(MFR2.16)が上記の範囲
より大きいと、表面平滑性が低下する。上記の範囲より
小さいと流動性が悪く成形が困難になる。
【0013】(4)分子量分布(Mw/Mn)が上記の範囲
より大きいと、表面平滑性が低下する。上記の範囲より
小さいと流動性が悪く成形が困難になる。 (5)スウェル比(SR)が上記の範囲より大きいと、表面
平滑性が低下する。
【0014】上記ポリエチレンは、下記の特性をさらに
有するものが好ましい。 (6)温度上昇溶離分別(TREF)により得られる溶出
温度に対する溶出量の標準偏差 σ≦17、さらに好ま
しくはσ≦16、特に好ましくはσ≦14。 (7)温度上昇溶離分別(TREF)により得られる微分
溶出曲線が複数のピークを有すること。
【0015】上記の特性のうち、 (6)溶出温度に対する溶出量の標準偏差σが上記の範囲
より大きいと、ポリマー中の粘着成分の量が多くなり、
金型からの離型性が悪くなり生産性に問題が生じる場合
がある。 (7)TREFにより得られる微分溶出曲線が上記のピー
クを有する場合、1つのピークを有する場合と比べ、透
明性がさらに向上する。
【0016】上記TREFにより得られる微分溶出曲線
のピークの数とは、温度範囲0〜135℃、積分溶出曲
線を1℃刻み、好ましくは2℃刻みの温度で、2回微分
して得られる計算値を縦軸に、溶出温度を横軸にして作
図し、該2回微分して得られる計算値の凸型の変曲点の
数であり、好ましくは、積分溶出曲線を2℃刻みの温度
で、1回微分して得られる微分値の全ての和を100と
規格して、微分値(T1、但し0℃と134℃を除く)
と該微分値より2℃低い微分値(T2)との差(T1−
T2)が0を超えてかつ該微分値(T1)より2℃高い
微分値(T3)との差(T3−T1)が−0.15以下
である微分値の数である、特に好ましくは積分溶出曲線
を2℃刻みの温度で、1回微分して得られる微分値の全
ての和を100と規格して、微分値(T1、但し0℃と
134℃を除く)と該微分値より2℃低い微分値(T
2)との差(T1−T2)が0.01以上でかつ該微分
値(T1)より2℃高い微分値(T3)との差(T3−
T1)が−0.20以下である微分値の数である。
【0017】上記ポリエチレンとしては、アルミナ又は
シリカ−アルミナに担持した酸化クロム等の触媒(フィ
リップス法)、アルミナに担持した酸化モリブデン等の
触媒(スタンダード法)、遷移金属化合物と有機金属化
合物よりなるチーグラー系触媒、メタロセン触媒系など
のいわゆるシングルサイト触媒などの存在下にエチレン
単独の重合によって得られる重合体、または、エチレン
と炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合によって得
られる共重合体などを用いることができる。
【0018】上記ポリエチレンとしては、特に、メタロ
セン触媒系などのいわゆるシングルサイト触媒の存在下
にエチレン単独の重合によって得られる重合体、また
は、エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重
合によって得られる共重合体が引張り強度、曲げ弾性等
の機械的物性、定ひずみ環境応力き裂性、透明性に優れ
ているので好ましい。
【0019】上記炭素数3〜10のα−オレフィンとして
は、プロピレン、ブテン-1、ペンテン-1、ヘキセン-1、
4-メチルペンテン-1、オクテン-1などが挙げられる。特
に、ヘキセン-1が、定ひずみ環境応力き裂性が優れてい
るため、好ましく用いられる。
【0020】上記エチレンとα−オレフィンとの共重合
体中のα−オレフィンから誘導される繰り返し単位は、
通常、好ましくは10モル%以下の範囲、さらに好まし
くは0.1〜5モル%の範囲で、特に好ましくは0.1
〜4モル%の範囲で含まれている。α−オレフィンは、
エチレン−α−オレフィン共重合体中に単独であって
も、二種以上含まれていてもよい。
【0021】シングルサイト系触媒としては、周期律表
第IV又はV族遷移金属のメタロセン化合物と、有機アル
ミニウム化合物及び/又はイオン性化合物の組合せが用
いられる。
【0022】周期律表第IV又はV族遷移金属としては、
チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム
(Hf)、バナジウム(V)などが好ましい。
【0023】そのメタロセン化合物とは、少なくとも一
個のシクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニ
ル基、ヒドロカルビル珪素などによって架橋されたも
の、さらにシクロペンタジエニル基が酸素、窒素、燐原
子に架橋されたものを配位子とする公知のメタロセン化
合物をいずれも使用できる。
【0024】これらのメタロセン化合物の具体例として
は、ジメチルシリル(2,4−ジメチルシクロペンタジエ
ニル)(3',5'−ジメチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロライド、ジメチルシリル(2,4−ジメチ
ルシクロペンタジエニル)(3',5'−ジメチルシクロペ
ンタジエニル)ハフニウムジクロライドなどのケイ素架
橋型メタロセン化合物、、エチレンビスインデニルジル
コニウムジクロライド、エチレンビスインデニルハフニ
ウムジクロライド、エチレンビス(メチルインデニル)
ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(メチルイン
デニル)ハフニウムジクロライドなどのインデニル系架
橋型メタロセン化合物を挙げることができる。
【0025】本発明でメタロセン化合物との組合せで用
いられる有機アルミニウム化合物としては、一般式、
(−Al(R)O−)nで示される直鎖状、あるいは環
状重合体(Rは炭素数1〜10の炭化水素基であり、一
部ハロゲン原子及び/又はRO基で置換されたものも含
む。nは重合度であり、5以上、好ましくは10以上で
ある)であり、具体例としてRがそれぞれメチル、エチ
ル、イソブチル基である、メチルアルモキサン、エチル
アルモキサン、イソブチルエチルアルモキサンなどが挙
げられる。
【0026】さらに、その他の有機アルミニウム化合物
としては、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルハロ
ゲノアルミニウム、セスキアルキルハロゲノアルミニウ
ム、アルケニルアルミニウム、ジアルキルハイドロアル
ミニウム、セスキアルキルハイドロアルミニウムなどが
挙げられる。
【0027】イオン性化合物としては、一般式、C+
-で示され、C+は有機化合物、有機金属化合物、ある
いは無機化合物の酸化性のカチオン、又はルイス塩基と
プロトンからなるブレンステッド酸であり、メタロセン
配位子のアニオンと反応してメタロセンのカチオンを生
成することができる。それらの具体例としては、特開平
4−253711号公報、同4−305585号公報、
特公表平5−507756号公報、同5−502906
号公報に記載されたようなものを用いることができる。
【0028】特に、テトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレートアニオンとトリフェニルカルボニウムカチ
オンあるいはジアルキルアニリニウムカチオンとのイオ
ン化合物が好ましい。これらのイオン化合物は、前記の
有機アルミニウム化合物と併用することができる。
【0029】シングルサイト系触媒によるエチレンの
(共)重合方法としては、良く知られた各種の方法を採
用でき、不活性ガス中での流動床式気相重合あるいは攪
拌式気相重合、不活性溶媒中でのスラリー重合、モノマ
ーを溶媒とするバルク重合などが挙げられる。
【0030】本発明の射出成形用樹脂は、用途に応じ
て、上記ポリエチレンを除く他のポリマー、例えば低密
度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−α−
オレフィン共重合体等を添加してもよい。これらポリマ
ーの添加量は、全ポリマー重量の30重量%以下、さら
に20重量%以下、特に10重量%以下が好ましい。特
に、低密度ポリエチレンは、流れ特性がさらに向上する
ため好ましく用いられる。
【0031】本発明の射出成形用樹脂は、用途に応じ
て、高級脂肪酸、高級脂肪族アミド、金属せっけん、グ
リセリンエステル等の滑剤、天然シリカ、合成シリカ、
タルク、珪藻土等のアンチブロッキング剤、フェノール
系、りん系、BHT等の酸化防止剤、ベンゾフェノン、
ベンゾトリアゾール、HALS等の紫外線吸収剤、水酸
化アルミニウム、水酸化マグネシウム、りん系、ハロゲ
ン系等の難燃剤、シリカ、炭酸カルシウム、マイカ、カ
ーボンブラック等の無機・有機充填剤、アゾ系、フタロ
シアニン系、キナクリドン系、酸化鉄、群青等の顔料、
帯電防止剤、界面活性剤などを添加することができる。
【0032】本発明の射出成形用樹脂は、射出成形によ
り、コンテナ類、ボトル類、ギア、ネジ等の工業部品、
ボトルのキャップ部品などの成形物を製造できる。射出
成形法として、一般的な射出成形法に加え、例えば、多
層射出成形のスキン層やコア層に用いて複合した構造の
成形品を得ることができる。また、多色やバーブル模様
の成形にも適用できる。
【0033】本発明の射出成形用樹脂およびそれを用い
て成形してなる射出成形物は、8時間以上、さらに10
時間以上、特に12時間以上の定ひずみ環境応力き裂時
間(ESCR)を有するものが、得られた成形物の置か
れた環境雰囲気下で発生する危険性のある耐き裂性が優
れているので好ましい。また、300mm以上、さらに
350mm以上、特に400mm以上のスパイラルフロ
ーを有するものが、成形時の流れ特性がよく生産性が向
上するので好ましい。
【0034】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。特性値は次のようにして測定した。
【0035】ポリエチレン特性の測定法 [1]密度: JIS K7112に準拠して、190
℃での2.16Kg荷重におけるMFR測定時に得られ
るストランドを100℃で1時間熱処理し、1時間かけて
室温まで徐冷したサンプルを密度勾配管を用いて測定し
た。 [2]メルトフローレート(MFR2.16): JIS
K7210に準拠して、メルトインデクサを用いて19
0℃における2.16Kg荷重での10分間にストラン
ド状に押し出される樹脂の重量を測定することにより求
めた。 [3]メルトフローレート比(MFR10.0)/(MFR
2.16): 上記(2)の方法と同様に10.0Kg荷重
で求めたMFR10.0をMFR2.16で除した値。
【0036】[4]分子量分布:ポリエチレン組成物の
分子量分布(Mw/Mn)の測定は、ゲル浸透クロマトグラ
フ(GPC)で行った。下記に測定方法を示す。 (1)測定装置: WATERS 150CV を使用
した。 (2)測定サンプル: ポリエチレン組成物を温度14
5℃、濃度1mg/mlで溶媒(o−ジクロルベンゼ
ン)に溶解させた。 (3)分子量分布測定:上記(2)の測定サンプル0.
4mlをGPCカラムAT−806MS ×2本に注入
し、 溶媒o−ジクロルベンゼン、温度145℃、1.
0ml/分の流速で行った。 GPCによる測定は35
分間行った。 GPCカラムにより分離された溶液中の
ポリマー濃度は、示差屈折計(RI)で測定した。分子
量は、ポリスチレンスタンダードにより換算した。 (4)データ処理:データ処理は、VAX−STATI
ON3100を用いた。上記(3)の測定で得られたG
PCクロマトグラムにベースラインを引くと、装置付属
のデータ処理ソフトを用いて、面積が積分され、数平均
分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、Mw/Mn
が自動で計算される。GPCクロマトグラム は、装置
の画面上、図の大きさとして、横軸に測定時間20分当
たり125mm、縦軸に全積分溶出量を100に規格
し、20当たり13mmで行った。
【0037】[5]スウェル比: 東洋精機キャピログ
ラフ1Cを用い、温度190℃、径2.09mmφ、長
さ8mm(テーパー付き)のオリフィスで、10mm/
minの速度で樹脂を押し出した際のノズル下7mmの
溶融ストランドの径(Ds)をレーザーで測定し、オリ
フィス径(Do)で割ったもの(Ds/Do)。
【0038】本発明のポリエチレン組成物の温度上昇溶
離分別(TREF)による微分溶出曲線の測定は、以下
の方法で行った。測定装置としてクロス分別装置(三菱
化学(株)製 CFC T150A)を使用し、付属の
操作マニュアルの測定法に従って行なった。このクロス
分別装置は、試料を溶解温度の差(ポリマーの結晶性の
差)を利用して分別する温度上昇溶離分別(TREF)
と、分別された区分を更に分子量で分別するゲル浸透ク
ロマトグラフ(GPC)を組み合わせた装置である。 (1)測定サンプル: ポリマーを温度135℃、濃度
3mg/mlで溶媒(o−ジクロルベンゼン)に溶解さ
せ、測定装置のサンプルループに注入した。以下の測定
は設定条件に従って自動で行った。 (2)サンプルループ内に保持された測定サンプルは、
溶解の温度差を利用して分別され、TREFカラム(不
活性担体であるガラスビーズ充填の内径4mm、長さ1
50mmのステンレス製カラム)に0.5ml注入され
る。 (3)注入の測定サンプルは、TREFカラムの中で1
35℃から0℃まで1℃/分の速度で冷却され、不活性
担体(ガラスビーズ)にコーティングされる。 (4)TREFカラムが温度0℃で30分間保持後、0
℃の温度で溶解している成分2mlが、1ml/分の流
速でTREFカラムからGPCカラム(Shodex
AT−806M/S×3本)へ注入される。 (5)GPCカラムで分子量により分別された溶液中の
ポリマー濃度は、赤外線分光光度計(IR)(波長3.
42nm)で測定された。 (6)GPCカラムで分子量による分別が行なわれてい
る間に、TREFカラムでは次の溶出温度(10℃)に
昇温され、その温度にて約30分間保持される。GPC
による測定は40分間隔で行なわる。以後、溶出温度は
以下の温度の順で段階的に昇温され、それぞれの溶出温
度で分別されるサンプルは、GPCによる分子量分別、
測定が繰り返し行われる。溶出温度の順:0℃、10
℃、20℃、25℃、30℃、35℃、40℃、45
℃、49℃、52℃、55℃、58℃、61℃、64
℃、67℃、70℃、73℃、76℃、79℃、82
℃、85℃、88℃、91℃,95℃、100℃、10
5℃、120℃、135℃(28フラクション)。 (7)データ処理は、装置付属のデータ処理ソフトを用
いて自動で行われる。解析順序は、[1]上記(5)、
(6)の測定で得られる各溶出温度でのGPCクロマト
グラムにベースラインを引き、面積が積分される。
[2]横軸/溶出温度、縦軸/GPCクロマトグラムの
積分値として、積分溶出曲線が計算される。[3]積分
溶出曲線を温度で微分して、横軸/溶出温度、縦軸/微
分の計算値として微分溶出曲線が計算、作図される。
[4]計算結果は、作図される。図の大きさは、横軸に
溶出温度を140℃当たり127.6mm、縦軸に全積
分溶出量を100に規格し、20当たり15mmであ
る。
【0039】[6]温度上昇溶離分別(TREF)によ
り得られる溶出温度に対する溶出量の標準偏差 σ:
装置付属のデータ処理ソフトを用いて、上記積分溶出曲
線(全積分溶出量を100に規格)より、温度0〜13
5℃の範囲で、2℃きざみの微分値(小数点2桁)を算
出させる。該微分値を用いて、標準偏差σを計算した。
【0040】ポリエチレンの評価と射出成形の評価 (1)スパイラルフロー(SP):射出成形機として
(株)日本製鋼所JSW140BII型を用い、金型とし
てスパイラル金型を用いた。ポリエチレンは、成形温度
210℃、射出圧力800Kg/cm2、金型温度40
℃の条件で成形した。スパイラル金型に流れ込んだポリ
エチレンの長さを測定した。 (2)定ひずみ環境応力き裂時間(ESCR):上記(1)で
得られた成形品を用い、温度165℃、圧力100Kg
/cm2の条件で3mm厚みの成形シートを作成した。
このシートを用いて、JIS K6760 4.7定ひ
ずみ環境応力き裂試験を行い、JIS記載の方法で定ひ
ずみ環境応力き裂時間(ESCR)を算出した。
【0041】機械的物性および透明性は、ポリマーを温
度165℃、圧力100Kg/cm 2の条件で0.5m
m厚みの成形したシートを使用した。 (3)引張強度、伸び:上記シートよりJIS2号ダンベ
ルを用いて、引張試験用サンプルを作成した。このサン
プルを温度23℃、引張速度200mm/minの条件
で、JIS K7113に準拠して測定した。 (4)曲げ弾性率:JIS K7203に準拠して測定し
た。 (5)透明性:ヘイズをJIS K7127に準拠して測
定した。
【0042】実施例1〜3、比較例1〜5 各実施例及び比較例で用いたポリエチレンの特性を表1
に、成形および成形物の特性を表2と3に示した。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【発明の効果】本発明の射出成形用樹脂およびそれを用
いて成形してなる射出成形物は、引張り強度、曲げ弾性
等の機械的物性、定ひずみ環境応力き裂性(ESC
R)、透明性に優れたものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の特性を有するポリエチレンを主体
    とすることを特徴とする射出成形用樹脂。 ・ポリエチレン (1)密度(d)=0.880〜0.960(g/cm3) (2)190℃、2.16Kg荷重におけるメルトフロー
    レート(MFR2.16)=0.01〜200(g/10分) (3)190℃、10.0kg荷重におけるメルトフロー
    レート(MFR10.0)と190℃、2.16Kg荷重におけ
    るメルトフローレート(MFR2.16)との比 (MFR10 .0)/
    (MFR2.16)=3〜10 (4)分子量分布(Mw/Mn)=2.0〜4.0 (5)190℃におけるスウェル比(SR) SR<1.35
  2. 【請求項2】 上記ポリエチレンがシングルサイト触媒
    より製造されたことを特徴とする請求項1記載の射出成
    形用樹脂。
  3. 【請求項3】 請求項1〜2記載の射出成形用樹脂を用
    いて成形してなる射出成形物。
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