JPH11157863A - 非金属材料の分割方法 - Google Patents

非金属材料の分割方法

Info

Publication number
JPH11157863A
JPH11157863A JP9314728A JP31472897A JPH11157863A JP H11157863 A JPH11157863 A JP H11157863A JP 9314728 A JP9314728 A JP 9314728A JP 31472897 A JP31472897 A JP 31472897A JP H11157863 A JPH11157863 A JP H11157863A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crack
substrate
heating zone
dividing
cooling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9314728A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Sawada
博司 沢田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Renesas Semiconductor Manufacturing Co Ltd
Kansai Nippon Electric Co Ltd
Original Assignee
Renesas Semiconductor Manufacturing Co Ltd
Kansai Nippon Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Renesas Semiconductor Manufacturing Co Ltd, Kansai Nippon Electric Co Ltd filed Critical Renesas Semiconductor Manufacturing Co Ltd
Priority to JP9314728A priority Critical patent/JPH11157863A/ja
Priority to EP98117545A priority patent/EP0903327A3/en
Priority to KR1019980038390A priority patent/KR100267416B1/ko
Publication of JPH11157863A publication Critical patent/JPH11157863A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Perforating, Stamping-Out Or Severing By Means Other Than Cutting (AREA)
  • Re-Forming, After-Treatment, Cutting And Transporting Of Glass Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 板幅が大きい基板であっても切り残しや面外
変形がなく、直進性よく高速に分割できる非金属材料の
分割方法を提供する。 【解決手段】 支持台1上にガラス基板2を載置して固
定し、ガラス基板2の下面にシーズヒータ3を接触して
配設し、加熱帯2aを形成することにより、ガラス基板
2の側端面6にあらかじめ形成された端面キズ4から亀
裂5を進展開始させる。次に、亀裂5の先端部をガラス
基板2の上面側に移動可能に配設されたノズル9からエ
アーを噴射して局所冷却することにより亀裂をさらに進
展させ、ノズル9を基板の終端面まで移動させてガラス
基板2を分割する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子工業などで使用
されるガラスのような脆い非金属材料を熱応力を利用し
て分割する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、カラーPDP,LCD,ELなど
ガラス基板を使用する電子工業の分野では、製造コスト
を低減するために、大型かつ平坦なガラス基板に多数個
取りできるように複数のパターンを形成後、個々に分割
する工程を必要とし、微小なガラスのかけら、ゴミなど
が発生しないように分割する加工技術の開発が望まれて
いる。
【0003】この種の分割方法として熱応力を利用した
ものがあり、これについて以下図面を参照して説明す
る。図9に示すように、支持台1の上に厚さ約3mmの
低融点ガラス基板2が載置され、該ガラス基板2の下面
に接触して線熱源、例えば、直径9mm、長さ1400
mm、入力600Wのシーズヒータ3が配設されてい
る。また、ガラス基板2の一側端部6の分割開始位置に
は例えばダイヤモンドポイントなどにより端面キズ4が
形成されている。ここで、シーズヒータ3に通電すると
シーズヒータに沿った直線状の領域(破線で示す加熱
帯)2aの温度が上昇する。すると、基板の端面6には
図10(a)に示すx方向の応力7,8に比例した応力
がy方向にも発生する。端面キズ4には応力が集中し、
ガラスの引長強度を越えると端面キズ4から加熱帯2a
に沿って亀裂5が発生する。亀裂5が発生すると図10
(b)に示すようなモーメントMにより応力拡大係数が
発生し、この値がガラスの破壊じん性値を越えると亀裂
は更に進展を続ける。線熱源による亀裂進展メカニズム
は、等温場において図10(a)に示すような引張応力
7と圧縮応力8を受けるモデルと等価であり、これらの
応力によって上記のモーメントが作用するといえる。さ
て、亀裂が終端面6’に達する場合、ガラス基板2は分
割される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来の線熱源に
よる分解方法では、亀裂進展の直進性は良好であるが、
図11に示すように亀裂の先端からガラス基板の終端面
までの距離dとガラス基板の板幅Wがd/W<1.5に
なると、終端面6’に発生する応力7’,8’によって
亀裂を閉じようとするモーメントM’が作用して亀裂が
終端面に近づくと応力拡大係数が図12に示すように減
少する。このため、亀裂進展速度が低下し、板幅Wが広
い基板では亀裂が終端面まで到達せず切り残しが生じる
という致命的な不具合があった。また、板ガラスでは板
幅Wが大きくなると、例えば800mmを越えると、切
り残しが生じると共に、亀裂進展速度の低下による加熱
時間の増大によって加熱部分とその他の部分の温度差が
大きくなりすぎて面外変形を起こし、不良品になるとい
う不具合もあった。
【0005】本発明は上記従来の技術の問題点に鑑みて
提案されたもので、その目的は板幅が大きい基板であっ
ても切り残しや面外変形がなく、かつ、直進性よく高速
に分割できる非金属材料の分割方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の非金属材料の分
割方法は、非金属材料からなる基板に線熱源を接触して
加熱帯を形成し、外加熱帯に発生した亀裂の先端部を局
所冷却して加熱帯に沿って亀裂を進展させることにより
分割することを特徴とする。
【0007】また、非金属材料からなる基板に線熱源を
接触して加熱帯を形成し、加熱によって亀裂を進展させ
るに際し、亀裂が終端面に近づくにつれ亀裂を閉じさせ
る作用をする応力を打ち消すような逆符号の応力を終端
面に作用させることを特徴とする。
【0008】また、非金属材料からなる基板に線熱源を
接触して加熱帯を形成し、該加熱帯に発生した亀裂を局
所冷却すると共に、前記逆符号の応力を基板の終端面に
作用させることを特徴とする。
【0009】また、基板の一方の面に線熱源を接触し、
他方の面の加熱帯に冷却用媒体を噴射して局所冷却する
ことを特徴とする。
【0010】また、基板と線熱源との接触部を双方向か
ら冷却用媒体を噴射して局所冷却することを特徴とす
る。
【0011】また、基板に対してノズルを傾斜して配設
し、亀裂の後方に向かって噴射することを特徴とする。
【0012】また、局所冷却領域の径が基板の幅の0.
5%以上であることを特徴とする。
【0013】また、基板の終端面の分割予定部を固定
し、かつ、該分割予定部の両側を亀裂進展方向と直角方
向に可動自在に保持することにより、逆符号の応力を終
端面に作用させることを特徴とする。
【0014】また、基板の終端面の分割予定部を固定
し、かつ、該分割予定部の両側に亀裂進展方向の外力を
加えることにより、逆符号の応力を終端面に作用させる
ことを特徴とする。
【0015】また、非金属材料からなる基板に線熱源を
接触して加熱帯を形成し、前記基板の端面キズが形成さ
れた一端面と対向する終端面の近傍の加熱帯を冷却位置
を固定して局所冷却すると共に、前記端面キズから加熱
帯に発生した亀裂を局所冷却し、この亀裂の局所冷却部
を加熱帯に沿って移動させて亀裂を加熱帯に沿って進展
させることを特徴とする。
【0016】また、冷却位置を固定した局所冷却におけ
る冷却位置X0が終端面を基準(X0=0)として、0<
0≦0.2Lの範囲(ただし、Lは基板の長さ)であ
ることを特徴とする。
【0017】上記の手段により、板幅が大きい基板であ
っても、切り残しや面外変形がなく、かつ、直進性と高
速性に優れた非金属材料の分割方法を提供できる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明は、ガラス,セラミックな
どの板幅が広く脆い非金属材料を熱応力を利用して分割
する方法を開示するものであり、非金属材料からなる帯
板状の基板にシーズヒータなどの線熱源を接触して基板
に加熱帯を形成し、基板の一側端面にあらかじめ形成さ
れた端面キズから加熱によって亀裂を進展させるに際
し、亀裂が終端面に近づくにつれ亀裂を閉じさせる作用
をする応力を打ち消すような逆符号の応力を終端面に作
用させることにより、亀裂進展速度を終端面まで低下さ
せずに基板を分割することを特徴とする。
【0019】また、前記端面キズから加熱によって若干
進展した亀裂の先端部を室温または室温以下に局所冷却
し、かつ、冷却領域を加熱帯に沿って移動させることに
より基板の終端面まで高速に亀裂を進展させ、基板を分
割することを特徴とする。特に、亀裂先端の局所冷却と
前記の逆符号の応力を併用することにより、進展速度を
低下させることなくすみやかに終端面まで亀裂を進展さ
せることが可能になる。
【0020】最適な冷却領域は亀裂の先端部であって、
かつ、亀裂の先端より後方である。亀裂の先端より前方
の領域のみを冷却すると亀裂が進展しなくなるので、こ
の領域の冷却は避けるべきである。亀裂の先端部と亀裂
の先端より前方の領域とにまたがって冷却してもよい
が、前方の領域は極力小さくすべきである。
【0021】局所冷却領域の形状は、亀裂の両側(進展
方向に向かって左右の領域)を対称に冷却できるもので
あればどのような形状でもよい。また、冷却領域の大き
さは下限値が存在し、この下限値は基板の幅Wによって
異なる。亀裂の進展方向の領域の径をXとすると、望ま
しい条件はX/W>0.005である。すなわち、基板
の幅0.5%以上の径の領域を冷却する必要がある。
【0022】局所冷却は、室温より所定温度まで加熱さ
れた加熱帯の一部(亀裂先端部)を室温まで冷却すれば
十分である。したがって、局所冷却は局所に非加熱領域
を形成することに相当する。勿論、室温以下まで冷却し
ても良い。冷却手段は室温のエアー、エアーと水の混合
物、冷却された金属、セラミックなどの固体を基板に接
触させてもよい。この方法は流体による冷却に比べ冷却
領域を正確に制御でき、必要な領域のみ正確に冷却でき
るので、応力拡大係数が大きくなり亀裂進展速度が大き
いという利点がある。
【0023】冷却用媒体をノズルから噴射する場合、基
板の一方の面に線熱源を接触して加熱帯を形成し、基板
の他方の面に噴射してもよい。より望ましい方法は、線
熱源の両側に設置された一対のノズルにより、線熱源と
基板との接触部へ双方向から噴射することである。この
方法は基板と線熱源の両方が同時に局所冷却され、さら
に線熱源と基板の間に薄い流体膜が発生し基板への熱伝
導がなくなるため熱応力の応答性が良く、亀裂の進展速
度が大きい利点がある。また、亀裂先端の前方領域を冷
却しないようにノズルを傾斜して配設し、冷却用媒体が
亀裂後方へ噴射されるようにしてもよい。
【0024】線熱源であるヒータを基板に接触させるに
際し、ヒータと基板の間に非接触部ができないようにヒ
ータの支持を行うと共に、ヒータを支持するに際し、ヒ
ータの温度が支持部で低下しないようにヒータの略全域
を支持する。
【0025】その他、線熱源は直線状だけでなく曲線状
であってもよい。
【0026】
【実施例】以下、本発明の分割方法の一実施例について
図面を参照して説明する。図1に示すように、支持台1
に長さ1100mm、幅1440mm、厚さ2.8mm
のソーダガラス基板2を載置し、固定する(手段は図示
しない)。該ガラス基板2の下面に分割予定線に沿って
線熱源であるシーズヒータ(直径9mm,長さ1440
mm,入力600W)3を接触して配設する。その際、
温度分布が不均一にならないようにシーズヒータとガラ
ス基板を全長にわたって密着させる。ガラス基板2の一
側端部6の分割開始位置にはあらかじめ端面キズ4を形
成しておく。その際、ガラス基板の外観品質を低下させ
ないために、端面キズ4はガラス基板2の上、下面では
なく側端面に厚み方向に刻線を入れて形成する。一方、
ガラス基板2の上面側には冷却用ノズル9を開口部をガ
ラス基板側にして設置する。
【0027】上記のようにセットしてから、シーズヒー
タの電源を入れ、シーズヒータと接触しているガラス基
板の直線状の領域を加熱して加熱帯2aを形成する。ガ
ラス基板の温度が所定温度、例えば50℃まで上昇する
と、端面キズに応力が集中し亀裂が発生する。亀裂が発
生すると上記のモーメントの作用により応力拡大係数が
発生し、必要最小限のエネルギーですみやかに滑らかな
亀裂進展が開始する。亀裂進展の開始直後にノズル9か
ら室温のエアー(空気)をガラス基板2の上面に噴射し
て亀裂の先端部を室温まで局所冷却すると、加熱による
応力変化と局所冷却による応力変化の相乗効果によって
高速度で亀裂が進展する。亀裂の進展にともなってノズ
ル9を駆動装置(図示しない)によって亀裂進展方向に
移動させ、常に亀裂先端部を局所冷却することにより、
亀裂はガラス基板2の終端面6’まで直進性よく高速度
で確実に進展し、1440mm幅のような幅広のガラス
基板であっても面外変形や切り残しのない分割ができ
る。
【0028】局所冷却がない従来の線熱源による加熱だ
けの場合、亀裂先端部は図2の実践5aで示す形状をし
ているが、亀裂5の先端部の略円形の領域10を局所冷
却すると、亀裂先端部は矢印Aの方向に収縮し実線5b
で示すように大きく開口する。この亀裂先端部の大きな
開口形状は線熱源による応力拡大係数と局所冷却による
応力拡大係数の重ね合わせによって形成されるもので、
亀裂進展の原動力となっている。収縮力Aはガラス基板
の表面で発生するので、本発明は比較的薄い基板の分割
に好適する。
【0029】本発明は局所冷却によって亀裂先端部に図
2の矢印Aで示される収縮力を発生させ亀裂先端部を開
口させることを特徴とする。したがって、どの領域を局
所冷却するかは本発明にとって重要な要素である。ポイ
ントは図3(a)に示すような亀裂先端の前方の領域1
1を局所冷却しないことである。理由は、前方の領域1
1を局所冷却すると、亀裂が進展しようとする前方の領
域11の近傍に矢印Bで示す収縮力が発生して開口を阻
止するため亀裂が進展できないからである。また、実際
のエアー噴射において、エアーの広がりによっては図3
(b)に示すように亀裂先端部と亀裂の前方にまたがっ
て領域12を局所冷却してしまう場合があり、開口を促
進する収縮力と、開口を抑制する収縮力とが存在するこ
とになるので、開口を抑制する収縮力を小さくするため
に亀裂先端の前方の冷却領域(斜線部)を極力小さくす
る必要がある。そのためには、ノズル9を亀裂の後方側
へ傾斜して設置し、エアーが後方へ噴射されるようにす
るとよい。
【0030】次に、局所冷却する領域の形状は特に限定
されるものでなく、円形でもよいし、楕円形でもよい
し、矩形でもよい。また、局所冷却する領域の大きさ
は、図2に示すように亀裂の進展方向に沿う径(あるい
は長さ)Xで表すことができる。基板の幅をWとする
と、望ましくはX/W>0.005の範囲であって、例
えば幅が1000mmであれば径5mm以上の領域を冷
却する必要がある。径がこれ以下になると収縮力Aが不
十分であり、亀裂先端部が十分に開口せず、亀裂の進展
にあまり寄与しない。径の上限は亀裂の進展性の観点か
らは特に限定する必要はなく、他の観点から決定すれば
よい。
【0031】図1に示す装置構成でガラス基板をセット
してからヒータの電源を入れた場合、幅1440mmの
ガラス基板の端面キズから亀裂進展が始まるまで60〜
65secかかり、その後亀裂が終端面まで1100m
m進展するのに約60secかかった。端面キズから亀
裂進展が始まる際のヒータ温度は約135℃であり、分
割完了時のヒータ温度は約215℃であった。ガラス基
板の上面の加熱帯の温度はヒータの真上で約50℃、5
mm離れると約25℃であった(ただし室温20℃)。
【0032】このように、たかだか50℃に加熱された
ガラス基板の加熱帯を、ノズル9からエアーを噴射して
室温程度まで局所冷却することによって、上記のように
亀裂を進展させ基板を分割することができる。また、室
温以下にあらかじめ冷却された気体を噴射して加熱帯を
室温以下に局所冷却すると大きな収縮力Aが得られ、亀
裂先端の開口も大きくなって亀裂が容易に進展する。し
かし、冷却した気体はガラス基板の冷却力が大きいの
で、亀裂先端の前方領域11を冷却しないようにノズル
9を亀裂の後方側へ傾斜させる方法は有効である。
【0033】上記の実施例では、ガラス基板をセットし
てからヒータの電源を入れたのでヒータの温度上昇に時
間がかかる。そこであらかじめ所定の温度まで加熱した
ヒータをガラス基板に接触させることにより、端面キズ
から亀裂進展開始までの時間を短縮することができる。
【0034】次に、ヒータの支持方法について説明す
る。図1の構成では、ヒータ支持方法は図4に示すよう
にブロック13で複数箇所支えているが、ブロック13
に接触している部分のヒータ温度が他の部分よりも大幅
に低下するため、ブロック手前で亀裂が一時停止し、数
秒後一気にブロックを越えた位置まで進展し、分割面に
乱れを発生させる。さらにブロックにより支えていない
部分のヒータの直線性を確保できないため、分割の直線
性が悪化する。これらの点を改良するために、図5に示
すように熱膨張による逃げ14を確保した状態でヒータ
の略全域を支持するヒータガイド15が有効である。
【0035】次に、本発明の分割方法の他の実施例につ
いて説明する。この実施例は図6の要部拡大断面図に示
すように、ガラス基板2の下面にヒータガイド15によ
って支持されたシーズヒータ3が接触して設置され、特
にガラス基板2とシーズヒータ3の接触部16はシーズ
ヒータ3の両側に設置された一対のノズル17,17か
ら噴射されるエアーによって局所冷却される。エアーは
接触部16に向かって噴射されるがある程度の広がりを
有するので接触部16の近傍のガラス基板とヒータを同
時に効率よく冷却する。また、ガラス基板の加熱面を直
接冷却するので温度低下の応答性が良好であり、このた
め冷却に応じて亀裂先端部にすみやかに開口部が形成さ
れ、短時間のうちに亀裂が進展する。また、接触部16
にエアーを噴射することにより、ガラス基板2とシーズ
ヒータ3の間に微小な隙間が形成されるので、ガラス基
板の局所冷却がさらに効率よく行われるという作用効果
もある。
【0036】上記の各実施例ではガラス基板は固定し、
ノズルを移動させた場合について説明したが、逆にノズ
ルを固定しガラス基板を移動してもよい。要は、亀裂の
進展中常に亀裂先端部を局所冷却することが重要であ
る。そのためには亀裂の進展位置を検出し、位置に応じ
て移動させる制御手段が必要である。この制御手段は種
々の構成が考えられ、例えばカメラによる検出と画像処
理などは有効な手段である。
【0037】さて、上記の亀裂先端部を局所冷却する方
法は亀裂進度速度が早く、また、亀裂が終端面に近づい
た時の応力拡大係数の減小も大幅に緩和されるという特
徴があるが、この方法でも十分ではなく亀裂が基板の終
端面に近くなると速度が遅くなるという問題点がある。
これは線熱源で亀裂を進展させて分割する方法に特有の
もので、局所冷却がない場合、亀裂が終端面に近づきd
/W〈1.5になると、終端部の応力が図11に示すよ
うに亀裂を閉じさせる作用をし、応力拡大係数が急減す
ることが原因になっている。したがって、この応力を打
ち消すような逆符号の応力を終端面に作用させておき、
線熱源で加熱すると、終端面での応力拡大係数の低下が
補償され、略一定の速度で亀裂を終端面まで進展させる
ことができる。特に、終端面への逆符号応力の作用と、
亀裂先端の局所冷却とを併用することにより、高速かつ
速度が低下しない基板の分割が可能となる。
【0038】逆符号の応力は、図11に示した応力分布
と逆符号の分布で自由表面である基板終端面に作用さ
せ、疑似的に半無限帯板と同様の応力状態にすることが
理想である。実際には図7(a)に示すように、基板の
終端面の分割予定線上のC部をチャック等の治具で挟
み、亀裂進展方向(x方向)に可動しないように固定す
ると共に、C部の両側の部分、例えば端部B,Bを亀裂
進展方向と直角方向(y方向)に可動自在に治具で保持
することにより実現できる。また、図7(b)に示すよ
うに、C部を同様に固定すると共に、C部の両側の部
分、例えばB,B部をチャック等の治具で挟み、かつ、
x方向に引っ張ることによりB,B部にx方向の外力を
作用させるようにしてもよい。要は、図7のモーメント
Mが生じるように応力を作用すればよく、そのための具
体的な手段は上記に限らない。
【0039】次に本発明の分割方法の別の実施例につい
て説明する。本発明は、上記のように非金属材料からな
る帯板状の基板2にシーズヒータなどの線熱源3を接触
して基板に加熱帯2aを形成し、基板の一側端面にあら
かじめ形成された端面キズ4から加熱によって亀裂5を
進展させるに際し、亀裂の先端部を局所冷却し、かつ、
冷却領域を加熱帯に沿って移動させることにより基板の
終端面まで高速に亀裂を進展させ、基板を分割すること
を特徴とする。端面キズ4は基板の一方の端面6に亀裂
が発生しやすくするために導入さるが、基板の幅が狭い
場合は端面キズを導入した端面6からのみ上記のように
亀裂が進展する。しかし、基板の幅が広い場合(例え
ば、板幅Wが300mm以上)は、反対の端面(終端面
6’)からも亀裂が進展することがある。このように対
向する2つの端面から発生した亀裂が進展して接近し、
ついには2つの亀裂が1つに合流する。合流部分の亀裂
は直線性が悪く、分割精度が低下して品質が低下する。
【0040】この問題を解決するための方法を説明す
る。すなわち、図8に示すように、基板2の終端面6’
の近傍の加熱帯2a上のP点を局所冷却する。この局所
冷却はP点に固定され、移動しない。この固定冷却と併
用して上記のようにノズル9を端面6から端面6’へ移
動して端面キズ4から発生した亀裂5を終端面6’へ進
展させる。P点の固定冷却により終端面6’にy方向の
圧縮応力が発生し、一方、端面6にはy方向の引張力が
生じるので、終端面6’では亀裂進展が妨げられ、端面
6では亀裂進展が促されるので、確実に一方の端面6か
らのみ短時間で亀裂を進展させることができる。なお、
この現象はP点が終端面6’に近い程短時間で効果が生
じるが、P点が終端面6’上になると冷却点Pにy方向
の圧縮応力が発生しなくなるので、終端面6’上は冷却
するべきではない。したがって、望ましい冷却点Pの範
囲は、終端面6’を基準にしてP点の座標を(X0
0)とすれば、0<X0≦0.2Lである。ただしLは
基板の長さである。X0=0(終端面)は除く。また、
上限を0.2Lとした理由は、X0≧0.2Lとなると
端面6‘に圧縮応力が係にくくなる上、端面6に引張応
力が発生しなくなるためである。なお、上記の終端面近
傍の冷却位置を固定した局所冷却において、具体的な冷
却方法はすでに説明した移動する局所冷却の場合と同様
であり、説明を省略する。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、ガラス,セラミックな
どの非金属材料からなる基板にシーズヒータなどの線熱
源を接触して加熱帯を形成し、該加熱帯に発生した亀裂
の先端部を局所冷却して加熱帯に沿って亀裂を進展させ
て基板を分割するようにしたので、板幅が大きい基板で
あっても切り残しや面外変形がなく、かつ直進性に優れ
た非金属材料の分割方法を提供できる。また、基板の終
端面に亀裂を閉じさせる作用をする応力を打ち消す逆符
号の応力を作用させることにより、高速かつ一様速度の
分割方法を提供できる。また、基板の終端面の近傍を併
せて局所冷却することにより、幅の広い基板において終
端面からも亀裂が進展し、2つの亀裂の合流部での分割
の直線性が低下する問題を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の非金属材料の分割方法の一実施例を
説明するための斜視図
【図2】 本発明の局所冷却による亀裂先端部の形状変
化を説明するための図
【図3】 局所冷却の領域と応力の関係を説明するため
の図
【図4】 本発明に係るシーズヒータの支持方法の一実
施例を示す図
【図5】 本発明に係るシーズヒータの支持方法の他の
実施例を示す図
【図6】 本発明の分割方法の他の実施例を説明するた
めの図
【図7】 基板の終端面に逆符号の応力を作用させるた
めの原理図
【図8】 本発明の移動局所冷却と固定局所冷却の併用
を説明する図
【図9】 従来の線熱源による基板の分割方法を示す斜
視図
【図10】 従来の線熱源による基板分割の原理を説明
するための図
【図11】 終端面近傍での応力拡大係数の減少を説明
するための図
【図12】 リガメント長さと応力拡大係数の関係を示
す図
【符号の説明】
1 ガラス基板の支持台 2 ガラス基板 2a 加熱帯 3 シーズヒータ(線熱源) 4 端面キズ 5 亀裂 5a 加熱による亀裂先端形状 5b 局所冷却による亀裂先端形状 6 基板の側端面 9,17 ノズル 10,11,12 局所冷却の領域 13 ヒータ支持ブロック 14 熱膨張による逃げ 15 ヒータガイド 16 ヒータと基板の接触部

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非金属材料からなる基板に線熱源を接触し
    て加熱帯を形成し、該加熱帯に発生した亀裂を局所冷却
    し、加熱帯に沿って亀裂を進展させる非金属材料の分割
    方法。
  2. 【請求項2】非金属材料からなる基板に線熱源を接触し
    て加熱帯を形成し、加熱によって亀裂を進展させるに際
    し、亀裂が終端面に近づくにつれ亀裂を閉じさせる作用
    をする応力を打ち消すような逆符号の応力を終端面に作
    用させる非金属材料の分割方法。
  3. 【請求項3】非金属材料からなる基板に線熱源を接触し
    て加熱帯を形成し、該加熱帯に発生した亀裂を局所冷却
    すると共に、亀裂が終端面に近づくにつれ亀裂を閉じさ
    せる作用をする応力を打ち消すような逆符号の応力を終
    端面に作用させ、加熱帯に沿って亀裂を進展させる非金
    属材料の分割方法。
  4. 【請求項4】亀裂先端部を冷却することを特徴とする請
    求項1または請求項3に記載の非金属材料の分割方法。
  5. 【請求項5】基板の一方の面に線熱源を接触し、他方の
    面に冷却用媒体を噴射して局所冷却することを特徴とす
    る請求項1または請求項3に記載の非金属材料の分割方
    法。
  6. 【請求項6】基板と線熱源との接触部に双方向から冷却
    用媒体を噴射して局所冷却することを特徴とする請求項
    1または請求項3に記載の非金属材料の分割方法。
  7. 【請求項7】基板に対してノズルを傾斜して配設し、亀
    裂の後方に向かって噴射することを特徴とする請求項5
    または請求項6に記載の非金属材料の分割方法。
  8. 【請求項8】局所冷却領域の径が基板の幅の0.5%以
    上であることを特徴とする請求項1または請求項3に記
    載の非金属材料の分割方法。
  9. 【請求項9】基板の終端面の分割予定部を固定し、か
    つ、該分割予定部の両側を亀裂進展方向と直角方向に可
    動自在に保持することを特徴とする請求項2に記載の非
    金属材料の分割方法。
  10. 【請求項10】基板の終端面の分割予定部を固定し、か
    つ、該分割予定部の両側に亀裂進展方向の外力を加える
    ことを特徴とする請求項2に記載の非金属材料の分割方
    法。
  11. 【請求項11】非金属材料からなる基板に線熱源を接触
    して加熱帯を形成し、前記基板の端面キズが形成された
    一端面と対向する終端面の近傍の加熱帯を冷却位置を固
    定して局所冷却すると共に、前記端面キズから加熱帯に
    発生した亀裂を局所冷却し、この亀裂の局所冷却部を加
    熱帯に沿って移動させて亀裂を加熱帯に沿って進展させ
    る非金属材料の分割方法。
  12. 【請求項12】冷却位置を固定した局所冷却における冷
    却位置X0が終端面を基準(X0=0)として、0<X0
    ≦0.2Lの範囲(ただし、Lは基板の長さ)であるこ
    とを特徴とする請求項11に記載の非金属材料の分割方
    法。
JP9314728A 1997-05-29 1997-11-17 非金属材料の分割方法 Pending JPH11157863A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9314728A JPH11157863A (ja) 1997-05-29 1997-11-17 非金属材料の分割方法
EP98117545A EP0903327A3 (en) 1997-09-17 1998-09-16 Method for separating non-metal material
KR1019980038390A KR100267416B1 (ko) 1997-09-17 1998-09-17 비금속 재료의 분할 방법

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13947697 1997-05-29
JP9-251515 1997-09-17
JP9-139476 1997-09-17
JP25151597 1997-09-17
JP9314728A JPH11157863A (ja) 1997-05-29 1997-11-17 非金属材料の分割方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11157863A true JPH11157863A (ja) 1999-06-15

Family

ID=27317879

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9314728A Pending JPH11157863A (ja) 1997-05-29 1997-11-17 非金属材料の分割方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11157863A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007055072A (ja) * 2005-08-24 2007-03-08 Lemi Ltd 脆性材料の誘電損失に基づく高周波加熱割断方法及び装置
JP2013505890A (ja) * 2009-09-29 2013-02-21 ピコドリル エスアー 基板を切断する方法及び切断のための装置
JP2015205799A (ja) * 2014-04-22 2015-11-19 株式会社オハラ 板ガラスの切断方法
KR20160015385A (ko) 2013-07-08 2016-02-12 카와사키 주코교 카부시키 카이샤 취성 재료 판재의 분단 방법 및 분단 장치
TWI601700B (zh) * 2013-11-04 2017-10-11 康寧精密素材股份有限公司 用於切割強化玻璃的方法及設備
JPWO2016125609A1 (ja) * 2015-02-03 2017-10-12 セントラル硝子株式会社 脆性材料の切断方法、脆性材料の切断装置、切断脆性材料の製造方法及び切断脆性材料
JP2023027456A (ja) * 2021-08-17 2023-03-02 三星ダイヤモンド工業株式会社 基板ブレイク装置および基板ブレイク方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007055072A (ja) * 2005-08-24 2007-03-08 Lemi Ltd 脆性材料の誘電損失に基づく高周波加熱割断方法及び装置
JP2013505890A (ja) * 2009-09-29 2013-02-21 ピコドリル エスアー 基板を切断する方法及び切断のための装置
KR20160015385A (ko) 2013-07-08 2016-02-12 카와사키 주코교 카부시키 카이샤 취성 재료 판재의 분단 방법 및 분단 장치
TWI601700B (zh) * 2013-11-04 2017-10-11 康寧精密素材股份有限公司 用於切割強化玻璃的方法及設備
JP2015205799A (ja) * 2014-04-22 2015-11-19 株式会社オハラ 板ガラスの切断方法
JPWO2016125609A1 (ja) * 2015-02-03 2017-10-12 セントラル硝子株式会社 脆性材料の切断方法、脆性材料の切断装置、切断脆性材料の製造方法及び切断脆性材料
US10576651B2 (en) 2015-02-03 2020-03-03 Central Glass Co., Ltd. Method of cutting brittle material, device for cutting brittle material, method of manufacturing cut brittle material and cut brittle material
JP2023027456A (ja) * 2021-08-17 2023-03-02 三星ダイヤモンド工業株式会社 基板ブレイク装置および基板ブレイク方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI529022B (zh) 雷射劃線及分裂薄玻璃之方法
US9533910B2 (en) Methods for laser cutting glass substrates
TWI481575B (zh) 易碎材料板材之刻劃方法
KR100849696B1 (ko) 취성재료의 스크라이브 방법 및 스크라이브 장치
JP3923526B2 (ja) 壊れやすい材料の分断方法および装置
TWI513670B (zh) 分離強化玻璃基板之方法
EP2432616B1 (en) Method of separating a thin glass sheet using laser beam
US20070039990A1 (en) Impact induced crack propagation in a brittle material
JP2003117921A (ja) 非金属基板切断方法
JP2020180043A (ja) フレキシブル薄型ガラスにおいてアール部を切断する方法および装置
KR101404250B1 (ko) 취성 재료의 분할 장치 및 할단 방법
WO2008103239A1 (en) Thermal edge finishing
Shin et al. Strength of ultra-thin glass cut by internal scribing using a femtosecond Bessel beam
JP5478957B2 (ja) 脆性材料基板の割断方法
JPH11157863A (ja) 非金属材料の分割方法
KR100267416B1 (ko) 비금속 재료의 분할 방법
Kuo et al. Laser cleaving on glass sheets with multiple laser beams
JP2003034545A (ja) レーザ割断装置及び方法、並びに電気光学パネルの割断方法
JP2002100590A (ja) 割断装置及びその方法
Iwatsuki et al. Examination of internal stress by photoelasticity in laser cleaving of glass
JP2009023885A (ja) レーザ照射によるガラス基板表面の表面傷部の修復法
KR100631304B1 (ko) 레이저 빔을 이용한 유리기판 절단 장치 및 그 방법
JP2003025323A (ja) レーザ割断装置及び方法、並びに電気光学パネルの割断方法
KR100799434B1 (ko) 레이저 절단장치 및 방법
JP2004026524A (ja) 硬質脆性板のスクライブ方法及び装置