JPH11157557A - キャップと容器の密封構造 - Google Patents

キャップと容器の密封構造

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JPH11157557A
JPH11157557A JP9328404A JP32840497A JPH11157557A JP H11157557 A JPH11157557 A JP H11157557A JP 9328404 A JP9328404 A JP 9328404A JP 32840497 A JP32840497 A JP 32840497A JP H11157557 A JPH11157557 A JP H11157557A
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packing
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善春 高橋
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滋夫 荒井
Toshihiro Ueda
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャッピング工程のねじ切り工程を同時に行
うものであって、かつ、従来のピルファープルーフ構造
におけるバンド部のないキャップを使用したキャップと
容器の密封構造を提供する。 【解決手段】 容器口部(1a)に薄肉金属製のキャッ
プ(10)を外装し、キャップの頂板部(10a)及び
頂板部と容器口部先端の間に介装したパッキン(11)
を押圧しつつ、キャップの側胴部の容器口部外周のねじ
山(1b)と対向する領域を押圧変形させてねじ溝(1
0f)を形成する。キャップの側胴部の下端部を容器口
部に対して非係合とする。キャップの頂板部の周縁を押
圧変形させて下向きに屈曲する屈曲部(10g)を形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、容器口部に薄肉金
属製のキャップを装着してなるキャップと容器の密封構
造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の密封構造としては、図6
に示すピルファープルーフ構造が知られている。この密
封構造において、容器1の口部1aは、その外周にねじ
山1bと、周方向に連続するビード部(膨出部)1cと
を備えている。一方、キャップ2は、頂板部2aの裏面
にパッキン3を備えると共に、頂板部2aの周縁から垂
下する側胴部2bに、切口2cとブリッジ2d,2eと
を交互に形成してなる周方向に連続する第1の分離部2
fと、最も幅広のブリッジ2eの一端からキャップ2の
下端まで延在する第2の分離部2gとを備えている。
【0003】このピルファープルーフ構造では、キャッ
プ2を容器1の口部1aに取り付ける工程(キャッピン
グ工程)とキャップ2の側胴部2bにねじを形成する工
程(ねじ形成工程)とを同時に行うことができる。すな
わち、押圧面7aを平坦面としたプレッシャーヘッド7
により容器1の口部1aに外装したキャップ2の頂板部
2a及びパッキン3を押圧しつつ、スレッドローラ6に
よりねじ山1bに対向する領域を押圧変形させてねじ溝
2hを形成し、さらに、キャップ2の下端部を屈曲させ
てビード部1cの下端部と係合する係合部2iを形成す
る。
【0004】上記のようにプレッシャーヘッド7により
頂板部2aを押圧すると、頂板部2aと口部1aの先端
との間でパッキン3が弾性的に圧縮されて厚みが減少す
る。ねじ山1bの形成後にプレッシャーヘッド7による
押圧を解除すると、圧縮されたパッキン3はもとの厚み
まで弾性的に復元しようとする。しかし、キャップ2は
係合部2iとビード部1cの係合により上方(矢印A)
への移動が拘束されているため、上記パッキン3の弾性
的な復元はキャップ2の頂板部2aにより拘束される。
よって、プレッシャーヘッド7による押圧を解除した後
もパッキン3は圧縮状態に保持される。そのため、パッ
キン3は口部1aの先端面1dに密着し、これによって
容器1内部の気密性が確保される。
【0005】開栓時に、キャップ2を握って矢印Rで示
す方向に回転すると、第1の分離部2fにおいて幅広の
ブリッジ2eを除くすべてのブリッジ2dが上下に分断
されると共に、第1の分離部2fよりも下側の部分(バ
ンド部2j)が第2の分離部2gを境に左右に引き裂か
れる。その結果、図7に示すように、上記ブリッジ2e
を介してバンド部2jがつながった状態でキャップ2が
口部1aから外れる。その後、バンド部2jを分離すれ
ば、ねじ山1bとねじ溝2hとの係合により、キャップ
2を口部1aに着脱することができる。
【0006】一般に、密閉構造形成後輸送、貯蔵等を経
てユーザーの手元に届いた状態での開封のためにキャッ
プ2に加える必要があるトルク(開栓トルク)は5kg
・cm〜25kg・cmの範囲に設定することが好まし
い。5kg・cm未満であると開栓トルクが小さすぎて
それ以前は未開封であったことが確認できず、ユーザー
は不安感を感じる。一方、25kg・cm以上であると
開栓トルクが大き過ぎて開栓が困難となる。
【0007】上記図6に示すピルファープルーフ構造の
場合、開栓トルクの最大値は上記ブリッジ部2dを切断
する際に必要となるトルクであり、その値は13kg・
cm程度である。よって、このピルファープルーフ構造
であれば、いわゆるピルファープルーフ性が得られ、ユ
ーザーが不安感を感じることがなく、かつ、開栓可能な
トルク値となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記ピルファープルー
フ構造のようにキャッピング工程とねじ形成工程を同時
に行えば、キャップを回転させて容器口部に螺合する必
要がないためキャッピング工程を高速化することができ
る。しかし、近時、以下の理由よりピルファープルーフ
構造のキャップ2からバンド部2jをなくしたいという
要求が高まっている。
【0009】まず、近年、ガラス製ビン等の容器におい
ては、リサイクルの必要性が高まっているが、上記ピル
ファープルーフ構造では、ブリッジ2dの分断時に幅広
のブリッジ2eまで分断されてしまうと、開栓後の容器
1にバンド部2jが残留することがある。この場合、容
器1をリサイクルに供するには、容器1とは材質の異な
るバンド部2jを煩雑な手作業により除去することが必
要となる。
【0010】また、上記図7に示すように、正常に開栓
した場合、キャップ2にはブリッジ部2eを介してバン
ド部2jがつながっているが、このバンド部2jを分離
するためにブリッブ2eを捩って切断しようとすると、
手を怪我するおそれがある。
【0011】さらに、上記バンド部2jは、上記ピルフ
ァープルーフ性を確保するためのものであるが、いった
ん開封した後は不要となるため、材料費の低減、省資源
の観点からもバンド部2jをなくすことが望まれる。
【0012】そこで、本発明者は、ピルファープルーフ
構造のキャップ2の側胴部2bからブリッジ部2jをな
くした密封構造を、平坦な押圧面7aを有するプレッシ
ャーヘッドを使用して製作し、その開栓トルクを測定し
た。その結果、下記の表1に示すように、密封構造形成
直後の開栓トルクが平均5.7kg・cm、密封構造形
成後2日経過した時点での開栓トルクが平均7.7kg
・cmであった。なお、表1において“○”は左端の欄
の開栓トルクの値の範囲に含まれる実験結果を示してい
る。また、ヘッド荷重とは、プレッシャーヘッド7を口
部1aに外装したキャップ2の頂板部2aに押圧する力
である。輸送、貯蔵等のために密閉構造形成後の容器を
積み上げた状態で放置すると、開栓トルクは平均5kg
・cm程度低下する。よって、表1に示す開栓トルクで
は、この低下分を考慮するとユーザーの手元に届いた時
点での開栓トルクの平均値は、上記した開栓トルクの設
定範囲(5kg・cm〜25kg・cm)に含まれなく
なる。このように、従来のピルファープルーフ構造から
単にバンド部2jをなくすだけでは、十分な開栓トルク
が得られず、消費者等がキャップを開栓した際に、初め
ての開栓であるという感覚が得られず実用化することが
できない。
【0013】
【表1】
【0014】上記のような開栓トルクの低下は、上記係
合部2iを含むバンド部2jをなくしたことに起因する
ものである。すなわち、図8(A)に示すように、スレ
ッドローラ6が当接している間はキャップ2の側胴部2
bは口部1aのねじ山1bに密着しているが、図8
(B)に示すようにスレッドローラ6が離れると、キャ
ップ2自体が有する弾性によりキャップ2の側胴部2b
は口部1aから離れる(スプリングバック)。この図8
(B)の状態では、ねじ山1bとねじ溝2hの間には
0.25mm程度の隙間δが存在している。そして、ス
レッドローラ6によるねじ溝2hの形成が終了してプレ
ッシャーヘッド7がキャップ2から離れると、プレッシ
ャーヘッド7により圧縮されていたパッキン3が弾性的
にもとの厚みに復元しようとするため、キャップ2は上
方に移動しようとする。上記したようにピルファープル
ーフ構造では、ビード部1cと係合部2iの係合により
キャップ2の上方への移動が拘束されるが、バンド部2
jをなくした構造では、上記隙間δの分だけキャップ2
は上方に移動し、図8(C)に示すように、ねじ山1b
とねじ溝2hが係合することによりキャップ2の移動が
拘束される。よって、バンド部2jをなくした構造で
は、キャッピング工程の終了時点でのパッキン3の圧縮
量が上記隙間δの分だけピルファープルーフ構造の場合
よりも少ない。このようにパッキン3の圧縮量が少ない
と、パッキン3がもとの厚みに復元することによって生
じるキャップ2を口部1aへ締め付ける力が低下し、開
栓トルクが小さくなり、輸送時等の積み上げによる開栓
トルクの低下も大きい。従って、ピルファープルーフ構
造からバンド部2jをなくした構造を実用化するには、
上記パッキン3の圧縮量の減少に相当する分の開栓トル
クを、何らかの方法で補う必要がある。
【0015】なお、図9に示すように、予めねじ溝5a
を形成したキャップ(ねじキャップ5)を容器1の口部
1aに取り付けることにより、容器1内を密封し、ねじ
キャップ5及び口部1aの外周に、分離用のミシン目8
aを設けたキャップシール8を外装した構造が従来より
知られている。この構造では、キャップは上記ピルファ
ープルーフ構造のようなバンド部を備えていない。しか
し、この密封構造では、キャップ5を容器1の口部1a
に螺合する必要があり、キャッピング工程の高速化を図
ることができない。また、この密封構造では、キャップ
5自体の強度を確保するために板厚の厚い材料を使用す
る必要があり、材料コストが増大する。
【0016】本発明は、上記従来のキャップと容器の密
封構造における問題を解決するためになされたものであ
り、従来のピルファープルーフ構造のようなバンド部の
ないキャップを使用し、かつ、キャッピング工程とねじ
形成工程を同時に行う密封構造において、充分な開栓ト
ルクを保持できるようにすることを課題としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、容器口部にパッキンを介在させて薄肉金
属製のキャップを外装し、キャップの頂板部とパッキン
を容器口部の先端に押圧しつつ、キャップの側胴部の容
器口部外周のねじ山と対向する領域を押圧変形させてね
じ溝を形成するキャップと容器の密封構造において、上
記キャップの側胴部の下端部を上記容器口部に対して非
係合とすると共に、上記キャップの頂板部の周縁を押圧
変形させて下向きに屈曲する屈曲部を形成したことを特
徴としている。
【0018】本発明では、キャップの頂板部の周縁を押
圧変形させて下向きに屈曲する屈曲部を形成しているた
め、圧縮されたパッキンがもとの厚みに復元しようとす
る力に加えて、屈曲部が変形前の位置に弾性的に復帰し
ようとする力がキャップの締付力として作用する。よっ
て、側胴部の下端部を容器口部と非係合としているのに
もかかわらず、十分な開栓トルクを得られ、従来のピル
ファープルーフ構造のようにバンド部及び係合部を設け
る必要がない。
【0019】上記キャップの側胴部の下端部を、径方向
外向き又は内向きに湾曲させてカール部を形成してもよ
い。この場合、下端部に鋭利な切り口等がないため、開
封時等に手を切るおそれがなく安全である。
【0020】容器口部外周に、ねじ山よりも下方側にビ
ード部を設け、かつ、容器のねじ山の下方側の先端と上
記ビード部の上端との間に隙間を設けてもよい。この場
合、ねじ山の下方側の先端と対応する部分のキャップの
側胴部は、未開封であればねじ溝と反対方向に窪み、開
封済みであれはねじ溝と同方向に膨出するため、キャッ
プが未開封か否かを視覚的に確認することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】次に、図1及び図2に示す本発明
の実施形態について説明する。本実施形態に係るキャッ
プ10と容器1の密封構造は、キャッピング工程とねじ
形成工程を同時に行うようにしたものであり、かつ、キ
ャップ10の下端にはピルファープルーフ構造の場合の
ようなバンド部を設けていない。なお、容器1は、図6
に示したピルファープルーフ構造の場合と同一であるの
で、同一の要素には同一の符号を付して説明を省略す
る。
【0022】キャップ10はアルミニウム等の薄肉金属
により形成され、円板状の頂板部10aと、この頂板部
10aの周縁から垂下する側胴部10bとを備えてい
る。側胴部10bの上端部側を縮径して環状凹部10c
が設けてあり、この環状凹部10cと頂板部10aとの
間に開栓時に把持するためのローレット部10dが形成
されている。また、頂板部10aの裏面にはパッキン1
1が装着されている。さらに、側胴部10bの下端部を
内向きに湾曲させてカール部10eが形成されている。
図2に示すように、容器1の口部1aに装着する前のキ
ャップ10には、ねじ溝は設けられていない。
【0023】本実施形態の密封構造を形成するには、ま
ず、頂板部10aの裏面にパッキン11を装着したキャ
ップ10を容器1の口部1aに外装する。プレッシャー
ヘッド12により、頂板部10a及びパッキン11を口
部1aの上端面1dを所定のヘッド荷重Fで押圧する。
この状態でキャップ10の側胴部10bに押し付けたス
レッドローラ6を口部1aのねじ山1bをなぞるように
移動させ、側胴部10bのねじ山1bに対応する領域を
押圧変形させてねじ溝10fを形成する。その後、図1
に示すように、キャップ10の側胴部10bには、キャ
ップシール8を外装する。
【0024】図2及び図3に示すように、上記プレッシ
ャーヘッド12のキャップ10との当接面は、円形の平
坦面12aの全周縁に所定のテーパ角度θをなす平坦な
テーパ面12bを設けてなる。そのため、頂板部10a
の周縁はテーパ面12bにより押圧されて弾性的に屈曲
し、頂板部10aの平坦な中央部10hの全周に上記テ
ーパ角度θに対応する角度をなして下向きに延在する屈
曲部10gが形成される。なお、図4に示すようにテー
パ面12bを曲率半径r1が20〜25mm程度の曲面
としてもよい。
【0025】上記スレッドローラ6によるねじ形成工程
は、従来のピルファープルーフ構造の場合と同様であ
り、上記図8(A)〜(B)において説明したように、
上記スレッドローラ6が側胴部10bの下端から離れ、
かつ、プレッシャーヘッド12を除去すると、圧縮され
たパッキン11がもとの厚みに弾性的に復帰しようとす
る力により、キャップ10がねじ山10bとねじ溝10
fの間の隙間δ(図8(B)参照)の分だけ上昇する。
そして、この上昇分だけパッキン3がもとの厚みに復元
しようとする力が低下し、その分だけキャップ2の締付
力が低下することになる。しかし、本実施形態では、上
記のように頂板部10aの周縁を弾性変形させて形成し
た屈曲部10gが、図1において矢印Bで示すように、
中央部10hとの接続部分10iを支点として変形前の
位置、すなわち頂板部10aの中央部10hと同一平面
の位置に弾性的に復帰しようとする。すなわち、屈曲部
10gは、いわばばねとして機能し、この屈曲部10g
が生じるばね力はキャップ10の締付力として作用す
る。このように本実施形態では、圧縮されたパッキン1
1がもとの厚みに弾性的に復元しようとするが、上記屈
曲部10gがもとの位置に弾性的に復帰しようとするば
ね力がキャップ10の締付力として作用する。よって、
上記隙間δの分だけパッキン11の圧縮量が減少するこ
とによって生じるキャップ10の締付力の低下は、上記
屈曲部10gのばね力により補われる。
【0026】開封時には、上記のように口部1aに装着
されたキャップ10を握って矢印R方向に回転すると、
ねじ溝10fがねじ山1bに沿って移動しつつ上昇す
る。また、キャップ10の回転に伴って、キャップシー
ル8が分離部8aで捩切られる。この際、上記屈曲部1
0gのばね力がキャップ10の締付力として作用するた
め、図6に示すピルファープルーフ構造における係止部
2iのような側胴部10bの下端を口部1aに係合する
構造を設けていないにもかかわらず、十分な開栓トルク
を得ることができる。また、パッキン11のみでなく屈
曲部10gのばね力により開栓トルクを得ているため、
密封構造形成後の輸送、貯蔵等のために高温状態やキャ
ップ10の頂板部10aに荷重を載置した状態となるこ
とによりパッキン11がクリープ変形等を起こした場合
にも開栓トルクの低下を抑制することができる。さら
に、輸送時の振動等による開栓トルクの低下も防止され
る。
【0027】なお、上記のようにキャップ10の下端部
にはカール部10eを形成しており、鋭利な切り口等は
ない。よって、上記開封時や開封後のキャップ10の着
脱時に手を切るおそれがなく安全である。カール部10
eはキャップ10の下端部を外向きに湾曲させることに
より形成してもよい。
【0028】本発明の効果を確認するために種々の実験
を行った。まず、テーパ角度θ(図3参照)が10°、
13°及び16°の3種類のプレッシャーヘッド12を
用意し、これらを使用して上記実施形態の密封構造を形
成した。以下の実験ではいずれもパッキン11としてハ
イシート工業株式会社製の商品名PETハイシート20
0T(非圧縮時の厚みが2mm)を使用した。また、ヘ
ッド荷重Fは150kgとした。
【0029】テーパ角度θ=10°,13°,16°の
それぞれについて密封構造形成し、直後及び室温で1週
間経過した後の開栓トルクを測定した。テーパ角度θが
10°の場合の測定結果を表2、テーパ角度θが13°
の場合の測定結果を表3、テーパ角度θが16°の場合
の測定結果を表4に示す。
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】上記表1から表4より明らかなように、テ
ーパ角度θ=10°,13°,16°のいずれについて
も、開栓トルクの平均値及び個々のサンプルの開栓トル
クの範囲は、10kg・cm〜20kg・cmの範囲に
あり、上記輸送等による5kg・cm程度の開栓トルク
の低下があった場合でも、上記ユーザーに不安感を与え
ない開栓トルクの設定範囲(5kg・cm〜25kg・
cm)に含まれる。このように、テーパ角度θ=10
°、13°,16°に設定すれば、開栓トルクを好適な
範囲に設定できる。なお、密封構造の形成直後よりも1
週間経過後の方が開栓トルクが高いのは、パッキン11
の容器口部1aに対する密着度が向上するからである。
【0034】テーパ角度θが13°の場合について積圧
荷重試験を行った。この積圧荷重試験は、密封構造を形
成後にキャップ10の上方から容器1本について20k
g、40kgの2種類の荷重をかけ、温度を40°Cと
した状態で放置し、3日後の開栓トルクを測定するもの
である。測定結果を表5に示す。
【0035】
【表5】
【0036】この表5に示すように、積圧荷重試験後の
開栓トルクは平均値で11.3kg・cm(40kg/
本)、12.7kg・cm(20kg/本)であった。
この積圧荷重試験の結果と、上記表3に示すテーパ角度
θ=13°で室温放置の場合を比較すると、開栓トルク
の低下は認められるものの、上記開栓トルクの設定範囲
(10kg・cm〜20kg・cm)に止まっている。
よって、本発明では、キャップ10に負荷がかかる状態
や高温状態で放置されても、開栓トルクが好適な範囲に
維持されることが確認できる。
【0037】テーパ角度θ=10°,13°,16°に
ついて輸送試験を行った。この輸送試験では、容器1に
水道水を入れて密封構造を形成したものを12本用意し
て1個のダンボール箱に入れて、大阪−東京間でトラッ
ク便で1往復及び2往復輸送した後の開栓トルクを測定
した。測定結果を表6に示す。
【0038】
【表6】
【0039】この表6と上記表2から表4を比較する
と、テーパ角度θが10°、13°及び16°のいずれ
の場合についても輸送による開栓トルクの低下が認めら
れるが、輸送後開栓トルクはユーザーが不安感を感じな
い範囲の開栓トルク(5kg・cm〜25kg・cm)
に止まっている。よって、本発明の密封構造であれば、
輸送時の振動等による開栓トルクの低下を抑制できるこ
とが確認できる。
【0040】以上の実験より、プレッシャーヘッドのテ
ーパ角度θは10°〜16°程度の範囲に設定すれば、
開栓トルクが好適な範囲となることが確認できる。な
お、表2から表4より明らかなように、テーパ角度θが
大きくなると開栓トルクが増加し、テーパ角度θが小さ
くなると開栓トルクが減少する傾向があるため、テーパ
角度θを5°〜20°程度の範囲に設定すれば開栓トル
クが上記好適な範囲となることが推察される。
【0041】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るもではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記
実施形態では、容器1に形成したねじ山1bは、ビード
部1bの上端まで連続しているが、図5(A)に示すよ
うに、このねじ山1bは、ビード部1cに達する途中で
途切れ、ねじ山1bの下方側の先端1eと上記ビード部
の上端との間に隙間sが存在していてもよい。この場
合、図5(B)に示すように、ねじ山1bの下方側の先
端に到達したスレッドローラ6は矢印Cで示すように上
昇し、上段のねじ山1bに係止される。その結果、開放
前は、側胴部10bの図5(B)において10kで示す
側胴部10bのねじ山1bの先端1eに対応する領域が
ねじ溝10fとは反対方向(容器1側)に窪んだ状態と
なる。そして、開栓時にキャップ10を矢印R方向に回
転させると、この窪んだ領域10kは、容器1のねじ山
1bによりねじ溝10fの窪む方向と同方向(外向き)
に膨出する。よって、容器1のねじ山1bをかかる構造
とすれば、領域10kが窪んでいれば未開封、領域10
kが窪んでいなければ開封済みである。すなわち、この
場合、キャップ10の領域10kを見ることにより未開
封か否かを視覚で確認することができる。
【0042】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
にかかるキャップと容器の密封構造では、キャップの頂
板部の周縁を押圧変形させて下向きに屈曲する屈曲部を
設けているため、この屈曲部が変形前の位置に弾性的に
復帰しようとする力によりキャップの締付力が高まる。
よって、ユーザーがそれ以前未開封であったことを確認
できないという不安感を感じることのない十分な開栓ト
ルクが得られる。よって、側胴部の下端部が容器口部と
非係合としているのにもかかわらず、従来のピルファー
プルーフ構造のようにバンド部及び係合部を設ける必要
がない。また、本発明の密封構造は、キャッピング工程
とねじ形成工程を同時に行うものであるため、キャッピ
ング工程の高速化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る密封構造を示す部分
断面正面図である。
【図2】 封止前のキャップと容器の部分断面分解正面
図である。
【図3】 プレッシャーヘッドを示す部分断面図であ
る。
【図4】 プレッシャーヘッドの他の例を示す部分断面
図である。
【図5】 (A)は本発明の変形例にかかる容器の口部
を示す部分側面図、(B)は本発明の変形例に係る密閉
構造を示す部分断面正面図である。
【図6】 従来の密封構造の一例を示す部分断面正面図
である。
【図7】 開栓後の従来のキャップを示す正面図であ
る。
【図8】 (A)、(B)及び(C)はねじ形成工程を
説明するための部分概略断面図である。
【図9】 従来の密封構造の他の一例を示す部分断面正
面図である。
【符号の説明】
1 容器 1a 口部 1b ねじ山 10 キャップ 10a 頂板部 10b 側胴部 10e カール部 10f ねじ溝 10g 屈曲部 10h 中央部 10i 接続部 11 パッキン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器口部にパッキンを介在させて薄肉金
    属製のキャップを外装し、キャップの頂板部とパッキン
    を容器口部の先端に押圧しつつ、キャップの側胴部の容
    器口部外周のねじ山と対向する領域を押圧変形させてね
    じ溝を形成するキャップと容器の密封構造において、 上記キャップの側胴部の下端部を上記容器口部に対して
    非係合とすると共に、上記キャップの頂板部の周縁を押
    圧変形させて下向きに屈曲する屈曲部を形成したことを
    特徴とするキャップと容器の密封構造。
  2. 【請求項2】 上記キャップの側胴部の下端部を径方向
    外向き又は内向きに湾曲させてカール部を形成している
    ことを特徴とする請求項1に記載のキャップと容器の密
    封構造。
  3. 【請求項3】 上記容器口部外周に、ねじ山よりも下方
    側にビード部を設け、かつ、容器のねじ山の下方側の先
    端と上記ビード部の上端との間に隙間を設けたことを特
    徴とする請求項1又は請求項2に記載のキャップと容器
    の密封構造。
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