JPH11155955A - 恐怖症治療装置 - Google Patents

恐怖症治療装置

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JPH11155955A
JPH11155955A JP9324573A JP32457397A JPH11155955A JP H11155955 A JPH11155955 A JP H11155955A JP 9324573 A JP9324573 A JP 9324573A JP 32457397 A JP32457397 A JP 32457397A JP H11155955 A JPH11155955 A JP H11155955A
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JP
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patient
phobia
fear
wave
relaxation
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JP9324573A
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Hisanobu Kaitani
久宣 貝谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広場恐怖症など各種の恐怖症を、安全で快適
かつ効果的に治療する恐怖症治療装置を提供すること。 【解決手段】 本発明の恐怖症治療装置は、リラクセー
ション装置1+2とバーチャルリアリティ装置5+4+
2とを有し、交互に作動させる。リラクセーション装置
は、患者の脳波中のα波に同期した光刺激を発光部24
から患者に与え、α波の発生を促して患者をリラックス
させる。バーチャルリアリティ装置は、画像音声再生装
置5で恐怖対象の画像および音響を再生し、ヘッドセッ
ト4の疑似視覚装置41およびステレオヘッドホン45
で、恐怖対象を擬似的に患者に提示する。患者は、リラ
ックスした状態で恐怖対象に擬似的に暴露されるので、
逆制止により恐怖感覚の発生が抑制されて脱感作(怖く
なくなること)が進む。それゆえ、安全で快適かつ効果
的な恐怖症の治療を恐怖症患者に施すことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療装置の技術分
野に属し、より詳しくは広場恐怖症(アゴラフォビア)
を含む各種の恐怖症を治療するための治療装置の技術分
野に属する。
【0002】
【従来の技術】恐怖症には、高所恐怖症や閉所恐怖症あ
るいは対人恐怖症のように、所定の状況、環境または対
象物である恐怖対象ないし刺激に対し、異常に強い恐怖
感覚を抱き、情動障害を引き起こすことが特徴である。
恐怖症の代表的なものとしては、広場恐怖(アゴラフォ
ビア)、対人恐怖などの社会恐怖、高所恐怖や動物恐怖
などの特定の恐怖が挙げられる。恐怖症では各患者によ
って情動障害を引き起こす対象が異なり、恐怖対象が限
定されているのが普通である。
【0003】恐怖症の治療手段として従来から行われて
いたものには、薬物療法と行動療法とがある。薬物療法
は、特定の向精神薬を患者に投与することによって恐怖
感覚を緩和する治療手段であるが、薬物療法だけで恐怖
症を完全に克服するのは困難な場合が多く、行動療法と
の併用が必要であると見られている。
【0004】行動療法としては、例えば患者が実際に恐
怖を感じる場所に治療者の付き添いのもとで出かけるな
どして、恐怖を惹起する恐怖対象を患者に実際に体験さ
せて不合理な恐怖感覚を克服していく暴露療法(エクス
ポージャ)が代表的である。暴露療法が効果を挙げれ
ば、患者は恐怖症からかなり回復しているものと考えら
れる。
【0005】ところが、恐怖対象に対する恐怖感覚があ
まりにも強いために、暴露療法を施すことさえ困難な患
者も実際には少なくはない。このような患者には、段階
的に暴露療法を施していくことになるが、それでも暴露
療法を完了するに至るまでにはかなりの時間を要し、患
者にも治療者にも少なからぬ負担がかかる。また、暴露
療法の段階で強い恐怖感覚にとらわれ、暴露療法を不用
意に中断してしまう場合などのように、適切でない暴露
療法によってはかえって恐怖症の治癒から遠のいてしま
う危険さえあり得た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、暴露
療法とほぼ同様の恐怖症治療効果を挙げることができ、
暴露療法の少なくとも一部の代替手段ともなりうる、安
全で快適な恐怖症の治療装置を提供することを解決すべ
き課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記課題を解決するために、発明者は以下の手段を発明し
た。 (第1手段)本発明の第1手段は、請求項1記載の恐怖
症治療装置である。本手段では、バーチャルリアリティ
装置が、所定の恐怖対象に対して不合理な恐怖感覚を抱
く恐怖症を持つ患者に対して、その恐怖対象を視覚およ
びまたは聴覚により擬似的に認識させ、その患者に恐怖
感覚を引き起こす。一方、リラクセーション装置は、患
者の脳波に含まれるα波の発生を誘導して恐怖感覚を緩
和し、患者を快適にしてリラックスさせる。通常の場合
には、バーチャルリアリティ装置とリラクセーション装
置とは同時には使用されず、交互に使用される。
【0008】それゆえ、リラクセーション装置により患
者がリラックスしている状態になった後、バーチャルリ
アリティ装置による擬似的な恐怖対象に対峙すれば、比
較的容易に擬似的な恐怖対象に耐えることができるよう
になりやすい。また、バーチャルリアリティ装置によ
り、擬似的に恐怖対象に対峙している場合には、恐怖対
象はバーチャルリアリティであり、いつでも現実の安全
で快適な状態に戻れることを患者は認識しているので、
擬似的な恐怖対象に耐えやすい。つまり、患者は安心感
を持って恐怖対象に擬似的に対峙できるので、バーチャ
ルリアリティによる一種の暴露療法を、安全かつ比較的
快適に受けることができる。したがって、患者は、より
長時間にわたってバーチャルリアリティによる恐怖対象
に対峙して耐えることができるようになり、暴露療法に
準ずる治療効果があがるばかりではなく、場合によって
は暴露療法以上の効果を速やかにあげることができる。
【0009】さらに、バーチャルリアリティ装置による
擬似的な恐怖対象によって引き起こされる恐怖感覚が患
者に耐え難いほどに強大になった場合には、いったんバ
ーチャルリアリティ装置を停止して現実空間に戻ること
ができる。そればかりではなく、今度はリラクセーショ
ン装置を作動させ、患者の脳波に含まれるα波の発生を
誘導して恐怖感覚を緩和し、患者をリラックスさせるこ
とができる。患者がリラックスして脳波中に含まれるα
波が増え、患者の感情が安定したら、再びバーチャルリ
アリティ装置による擬似的な恐怖対象に対峙するように
する。
【0010】このようにリラクセーション装置とバーチ
ャルリアリティ装置とを交互に使用し、反復して擬似的
な恐怖対象に暴露されることにより、患者はだんだん安
定した感情で恐怖対象と対峙できるようになり、不合理
な恐怖感覚の発生は抑制される。この際、リラクセーシ
ョン装置によって患者がリラックス状態にあると、バー
チャルリアリティ装置により恐怖対象と対峙させられて
も、リラックス状態による逆制止が働き、恐怖感覚の発
生が抑制されるので患者は恐怖対象との対峙に耐えやす
くなる。
【0011】また、このように恐怖対象に擬似的に対峙
することによって恐怖対象に慣れ、恐怖対象による不合
理な恐怖感覚の発現が制止されること、すなわち恐怖対
象がだんだん怖くなくなることを脱感作と呼ぶ。すなわ
ち、恐怖対象に対する脱感作が十分に進めば、患者は恐
怖対象に対して不合理な恐怖感覚をあまり覚えなくな
り、恐怖症は寛解する。
【0012】なお、逆制止(reciprocal inhibition )
とは、リラックス状態にあるときに恐怖対象と対峙する
と、恐怖感覚の発生が抑制されることを意味する医学用
語である。また、脱感作(desensitization )とは、ネ
ガティヴな情動や生理的反応が消失していく仮定、また
は消失していくことを意味する医学用語である。したが
って、本手段の恐怖症治療装置によれば、患者にリラッ
クスした状態で擬似的に恐怖対象に繰り返し対峙しても
らうことにより、不合理な恐怖感覚の脱感作が進むの
で、恐怖症の治療効果があがる。すなわち本手段によれ
ば、暴露療法とほぼ同様の恐怖症治療効果を挙げること
ができ、暴露療法の少なくとも一部(または全部)の代
替手段ともなりうる、安全で快適な恐怖症の治療装置を
提供することができるという効果がある。
【0013】なお、本手段の恐怖症治療装置は、通常の
暴露療法を行わずに施す治療手段となりうるが、逆に通
常の暴露療法と並行して用いる治療手段ともなりうる。
最後に、恐怖症が十分に寛解したことを確認するために
は、患者が現実に恐怖対象と対峙してみて、不合理な恐
怖感覚があまり起こらず恐怖対象への暴露に対し容易に
耐えられることを確認すればよい。
【0014】(第2手段)本発明の第2手段は、請求項
2記載の恐怖症治療装置である。本手段では、バーチャ
ルリアリティ装置は、疑似視覚装置および疑似聴覚装置
を備えている。疑似視覚装置は、恐怖対象となるビデオ
映像を投影し、患者の視覚を通して患者を恐怖対象に擬
似的に暴露する装置である。疑似視覚装置は、例えば、
動物恐怖症の患者に対しては動物の映像を視認させ、高
所恐怖症の患者に対しては高所からの眺めを視認させ
る。あるいは、地下鉄恐怖症の患者に対しては、地下鉄
の入口から始まって改札を通ってホームに出、数本の地
下鉄を見送った後に地下鉄に乗っていくつか先の駅で降
りて出札し、出口にたどり着くまでのビデオ映像を患者
に視認させる。
【0015】一方、疑似聴覚装置は、患者の耳の近傍な
どで恐怖対象となる音響を発生させ、患者の聴覚を通し
て患者を恐怖対象に擬似的に暴露する装置である。疑似
聴覚装置は、通常は上記疑似視覚装置に連動して作用
し、バーチャルリアリティの現実感を増す作用をする。
現実感を増すためには、疑似視覚装置はステレオ音響を
発生させることが望ましい。なお、風の音など特定の音
に対する恐怖症を持つ患者の治療には、疑似視覚装置は
必ずしも上記疑似視覚装置との連動を要さず、場合によ
っては前述のリラクセーション装置と併用されても良
い。
【0016】疑似視覚装置と疑似聴覚装置とは、両々相
まって患者に与えるバーチャルリアリティの現実感を増
すことができる。したがって本手段によれば、前述の第
1手段の効果に加えて、患者の視覚と聴覚との両方を通
して恐怖対象を擬似的に体験させることができるので、
バーチャルリアリティの現実感が増し、より大きな治療
効果があがるという効果がある。
【0017】(第3手段)本発明の第3手段は、請求項
記載の恐怖症治療装置である。本手段では、バーチャル
リアリティ装置およびまたはリラクセーション装置は、
患者の身体に振動を加えるボディーソニック装置を備
え、上記各装置に連動して重低音の音響振動を患者に与
えることができる。
【0018】バーチャルリアリティ装置が、ボディーソ
ニック装置を備えている場合には、地下鉄などの乗り物
に対する恐怖症を持っている患者には、乗り物の振動を
擬似的に与えることができる。あるいは、風に音に対す
る恐怖症を持っている患者には、風の音と同期した振動
を身体に与えることができるので、患者はよりリアルに
強風の轟音を体感することができる。
【0019】したがって本手段によれば、前述の第1手
段の効果に加えて、バーチャルリアリティの現実感をい
っそう増すことができるので、さらに大きな治療効果が
あがるという効果がある。一方、リラクセーション装置
がボディーソニック装置を備えおり、さらにスピーカ等
にBGMを流す音楽装置を備えている場合には、ボディ
ーソニック装置によってBGMの重低音振動(体感音
楽)を患者に与えることができる。そうすれば、患者
は、BGMおよびその体感音楽によってリラックスする
ことができるので、α波にほぼ同期した刺激に精神を集
中し易くなり、リラクセーション装置のリラクセーショ
ン作用が強化される。
【0020】したがって本手段によれば、前述の第1手
段の効果に加えて、バーチャルリアリティ装置やリラク
セーション装置の作用が強化されるので、恐怖症の治療
効果がいっそうあがるという効果がある。 (第4手段)本発明の第4手段は、請求項4記載の恐怖
症治療装置である。
【0021】本手段のリラクセーション装置は、α波モ
ニター装置およびα波誘導装置とを備えている。α波モ
ニター装置は、恐怖症患者の脳波をモニターし、同脳波
中のα波の発生を検知してα波検知情報を生成する作用
を持つ。一方、α波誘導装置は、このα波検知情報に基
づき、α波の発生を誘導する光刺激、音響刺激、振動刺
激のうち少なくとも一つを患者に与える作用を有する。
【0022】本手段では、α波モニター装置がα波をモ
ニターしてα波検知情報を生成し、それに基づいてα波
誘導装置がα波の発生を誘導する刺激を患者に与えるの
で、患者の脳波中にα波が発生し易くなる。それゆえ、
患者はより容易にリラックスすることができるようにな
るので、リラクセーション装置の持つリラックス作用が
より有効に発揮される。
【0023】したがって本手段によれば、前述の第1手
段の効果に加えて、リラクセーション装置の持つリラッ
クス作用がより有効に発揮されるという効果がある。 (第5手段)本発明の第5手段は、請求項5記載の恐怖
症治療装置である。本手段の恐怖症治療装置には、患者
の脳波、心電図、心拍数、血圧、筋電位、容積脈波、皮
膚電位、皮膚振動および皮膚抵抗のうち少なくとも一つ
を検出し記録する生理データ検出記録装置が備わってい
る。
【0024】それゆえ本手段では、バーチャルリアリテ
ィ装置の運用中に、恐怖症患者の各種の生体情報(バイ
タルサイン)を各種のバイタルセンサで検出し、客観的
に観察しながらその記録を残すことができる。その結
果、患者の主観的な恐怖感覚の度合いだけではなく、患
者の生理的な変化をも客観的に評価することができるよ
うになるので、患者の状態の評価をより多面的に行うこ
とが可能になる。
【0025】また本手段では、リラクセーション装置の
運用中に、患者の各種の生体情報を検出し、客観的に観
察しながらその記録を残すことができる。その結果、患
者の主観的なリラクセーションの度合いだけではなく、
患者の生理的な状態の変化の度合いを客観的に観察する
ことができるようになるので、患者の状態の評価を患者
の主張だけによらず、客観的かつ多面的に行うことが可
能になる。
【0026】したがって本手段によれば、前述の第1手
段の効果に加えて、患者の緊張状態およびリラックス状
態の評価を、患者の主観による主張だけによらず、客観
的かつ多面的に行うことが可能になるという効果があ
る。また、患者の生体情報の記録を残すことができるの
で、本手段の恐怖症治療装置の作用を分析することによ
り、今後の恐怖症患者の治療方法(恐怖症治療装置の運
用方法)を検討することが容易になるという効果もあ
る。さらに、本手段の恐怖症治療装置の運用方法につい
ての研究を進めるうえで、貴著なデータが得られるとい
う効果もある。
【0027】ただし、本手段で恐怖症治療装置に付与さ
れる機能は、研究用のモニター機能であって、研究用で
はなく純粋に治療用に用いる際には、このモニター機能
は必要とはされない。 (第6手段)本発明の第6手段は、請求項6記載の恐怖
症治療装置である。
【0028】本手段の恐怖症治療装置は、バーチャルリ
アリティ装置とリラクセーション装置とを、統合して制
御する統合制御装置を備えている。それゆえ本手段で
は、バーチャルリアリティ装置とリラクセーション装置
とを別個に操作する必要はなくなる。すなわち、本手段
の恐怖症治療装置を操作する医療従事者は、統合制御装
置のコンソール(制御卓)等で、バーチャルリアリティ
装置およびリラクセーション装置の両装置の操作を行う
ことができるようになる。また、医療従事者は、バーチ
ャルリアリティ装置およびリラクセーション装置の両装
置の運用状態を、統合制御装置のモニタディスプレイ等
で容易にモニターすることができるので、観察力の多く
を患者へ振り向けることができるようになる。
【0029】したがって本手段によれば、前述の第1手
段の効果に加えて、バーチャルリアリティ装置およびリ
ラクセーション装置の運用が格段に容易になり、医療従
事者が患者をよりよく観察することができるようになる
という効果がある。
【0030】
【発明の実施の形態および実施例】本発明の恐怖症治療
装置の実施の形態については、当業者に実施可能な理解
が得られるよう、以下の実施例で明確かつ十分に説明す
る。 [実施例1] (実施例1の構成および作用)本発明の実施例1として
の恐怖症治療装置は、図1に示すように、バーチャルリ
アリティ装置5+4+2と、リラクセーション装置1+
2と、生理データ検出記録装置3と、統合制御装置6と
から構成されている。
【0031】バーチャルリアリティ装置5+4+2は、
所定の恐怖対象に対して不合理な恐怖感覚を抱く恐怖症
を持つ患者に対して、恐怖対象を視覚およびまたは聴覚
により擬似的に認識させ、患者に該恐怖感覚を引き起こ
す装置である。バーチャルリアリティ装置5+4+2
は、ランダムアクセスが可能なDVDビデオデッキであ
る画像音声再生装置5と、画像音声再生装置5に駆動さ
れるヘッドセット4およびリラックスチェア2とから構
成されている。
【0032】ヘッドセット4は、図2に示すように、ゴ
ーグル42と、ゴーグル42に被われている疑似視覚装
置41と、ゴーグル42を患者の額に固定するフレキシ
ブルフレーム43と、フレキシブルフレーム43の両端
に保持されている疑似聴覚装置としての一対のステレオ
ヘッドホン45と、フレキシブルフレーム43を患者の
頭部Hに固定するゴムバンド状のヘッドバンド44とか
らなる。すなわち、バーチャルリアリティ装置5+4+
2は、恐怖対象となる映像を投影する疑似視覚装置41
と、恐怖対象となる音響を発生させる疑似聴覚装置とし
てのステレオヘッドホン45とを、ヘッドセット4に装
備している。
【0033】疑似視覚装置41は、図3に示すように、
フレキシブルフレーム43およびヘッドバンド44によ
って患者の頭部Hに装用される。疑似視覚装置41は、
ゴーグル42に内蔵されている左右一対の表示部46で
あって、バックライト47、カラー液晶パネル48、レ
ンズ49、ハーフミラー50およびミラー51から構成
されている。
【0034】疑似視覚装置41は、画像音声再生装置5
から供給される立体画像信号(ステレオ画像信号)をカ
ラー液晶パネル48に映像として画像を生成し、恐怖対
象となる映像を患者の両目に立体視できるように投影す
る。患者は、疑似視覚装置41から投影されるステレオ
画像しか見ることができないので、ブラウン管などを用
いた通常のディスプレイよりも、よりリアルな現実感を
持って恐怖対象に対して擬似的に視覚により暴露され
る。
【0035】また、一対のステレオヘッドホンである疑
似聴覚装置45によって、画像音声再生装置5から供給
される恐怖対象となるステレオ音響が、患者の両耳Eに
与えられる。それゆえ、患者は擬似的な恐怖対象を、立
体的な音響空間像としてかなりリアルに体感することが
できる。さらに、バーチャルリアリティ装置5+4+2
は、再び図1に示すように、リラックスチェア2をも装
備している。リラックスチェア2には、患者の身体に振
動を加える複数のボディーソニック装置21eが内蔵さ
れており、画像音声再生装置5からの音響信号に駆動さ
れる。すなわち、ボディーソニック装置21eは、画像
音声再生装置5からの音響信号のうち低周波の部分をピ
ックアップして重低音振動を患者の身体に加えるので、
患者は恐怖対象の環境をよりリアルに体感することがで
きるようになる。
【0036】一方、リラクセーション装置1+2は、患
者の脳波に含まれるα波の発生を誘導して恐怖感覚を緩
和し、患者をリラックスさせる装置である。リラクセー
ション装置1+2は、患者の脳波をモニターし脳波中の
α波の発生を検知してα波検知情報を生成するα波モニ
ター装置してのリラクセーション制御装置1と、そのα
波検知情報に基づき患者の脳波中のα波の発生を誘導す
る光刺激および振動刺激を患者に与えるα波誘導装置と
してのリラックスチェア2とを有する。
【0037】リラックスチェア2は、再び図1に示すよ
うに、安楽椅子21と、安楽椅子21に内蔵されている
ボディーソニック装置21eと、安楽椅子21の頂部に
取り付けられているカプセル22およびフード23と、
フード23に固定されている発光部24と、フード23
に保持されている一対のステレオスピーカ25とからな
る。
【0038】安楽椅子21は、患者の臀部を支持する座
部21aと、座部21aと連続して配設され適当なリク
ライニング角を持って患者の背中を支持する背もたれ2
1bと、座部21aと連続して配設され起伏自在に支持
されており患者の脚部を支持する足支え21cと、座部
21aの両側部に固定されている一対の肘掛け21dと
からなる。安楽椅子21のうち、座部21a、背もたれ
21bおよび足支え21cには、それぞれ重低音スピー
カと似た構造のボディーソニック装置21eが内蔵ない
し裏面に装備されており、安楽椅子21に座った患者の
身体に振動刺激を与えることができるようになってい
る。
【0039】カプセル22は、図4に示すように、安楽
椅子21の頂部に取り付けられて患者の頭部H(図略)
を被う黒色のフード状の部材であり、患者の頭部Hに外
部からの光線が当たらないように患者の頭部を被って保
護している。一方、フード23は、暗色の半透明部材か
らなる二枚の覆い状の部材であり、患者の頭部を上部か
ら正面にかけて被って患者の視野を遮断する。フード2
3を下げた状態で患者の目と正対するフード23の中央
部の内側部分には、横に複数個並べられたLEDである
発光部24が固定されており、発光部24はリラクセー
ション制御装置1からの信号により赤色発光して点滅す
る。なお、フード23の内側には鏡面が形成されてお
り、患者が自ら脳波検出用の電極10を取り付けたり、
その取付け状態を確認したりすることができるようにな
っている。
【0040】カプセル22の両側部の内側には、左右一
対のステレオスピーカ25が、位置および方向の調整が
可能であるように保持されており、リラックスチェア2
に座った患者の両耳Eにそれぞれ対向する。ステレオス
ピーカ25は、リラクセーション制御装置1から供給さ
れる音響信号に駆動され、患者の聴覚にステレオで音響
刺激を与える機能を有する。
【0041】リラクセーション制御装置1は、図5に示
すように、生体アンプ11、帯域フィルタ12、レベル
自動調整回路13およびフィルタ特性制御回路14と、
音楽装置としてのCDプレーヤ15とを有する。生体ア
ンプ11は、患者の頭部Hに張り付けられている複数の
脳波検出用の電極10から電位信号を受け取り、患者の
脳波を検出して増幅する増幅装置である。そして、生体
アンプ11からの脳波信号は、帯域フィルタ12および
フィルタ特性制御回路14に伝達される。
【0042】帯域フィルタ12は、SFC(スイッチド
・キャパシタ・フィルタ)を構成要素とする所定の周波
数帯域の信号だけを通す信号フィルタである。帯域フィ
ルタ12においては、フィルタ特性制御回路14から与
えられるクロック信号の周波数に応じて、その通過帯域
の中心周波数が調整される。フィルタ特性制御回路14
は、生体アンプ11から入力された脳波信号を、高速フ
ーリエ変換や自己相関などの演算処理手法によって周波
数解析して、脳波信号のスペクトルを生成する。しかる
のちフィルタ特性制御回路14は、この脳波スペクトル
の中から所望の脳波(α波)を誘導するのに最も適した
周波数を選択し、同周波数を帯域フィルタ12に伝達す
る。すると、帯域フィルタ12は、その周波数を通過帯
域の中心周波数として、生体アンプ11からの脳波信号
の濾波を行う。
【0043】ここで、脳波中に発生するα波の周波数に
は個人差があるけれども、通常は、α波の周波数は約8
〜13Hzの範囲にある。それゆえ、フィルタ特性制御
回路14は、脳波信号の周波数スペクトルのうち、約8
〜13Hzの範囲における周波数スペクトルのピーク
を、α波を誘導するのに最も適した周波数として選択
し、同周波数または同周波数よりやや低めの周波数を帯
域フィルタ12に伝達する。その結果、帯域フィルタ1
2は、現状でのその患者に特有のα波の周波数にほぼ合
致した脳波信号だけを、その患者の現況に最も適した最
適α波信号として通過させ、レベル自動調整回路13に
伝達する。
【0044】レベル自動調整回路13は、帯域フィルタ
12から入力された最適α波信号の信号レベル(振幅)
を所定の適正なレベルに調整して、リラックスチェア2
のフード23に固定されている発光部24に伝達する。
発光部24は、リラックスチェア2に座った患者の眼前
で、患者の脳波中のα波に同期した赤色光を点滅または
脈動させ、患者の視覚に光刺激を与えて患者のα波の発
生を誘導する。
【0045】患者は、発光部24から自己のα波にほぼ
同期した光刺激を視覚に受けると、同光刺激による「引
き込み現象」(外部からの刺激により脳波の特定成分が
誘導される現象)を生じて、脳波中のα波の発生が強く
誘導されて強化される。そして、この誘導されたα波を
多く含む脳波は、再び電極10からピックアップされて
リラクセーション制御装置1の生体アンプ11に送られ
て、さらにα波の発生が促進される。つまり、患者自身
とリラクセーション制御装置1と発光部24との三者か
らなるα波信号の閉ループが構成され、患者自身を含む
α波信号の自励発信回路が形成される。
【0046】その結果、この自励発信回路の中では、フ
ィルタ特性制御回路14により選択されたα波信号のみ
を主成分とする信号が循環するようになる。すると、α
波信号による発光部24の点滅信号によって強力な引き
込み現象が生じ、患者の脳波中に含まれるα波は次第に
強まって、α波の含有率(スペクトル強度)および波高
値(振幅)が顕著に増大するに至る。以上の現象を生じ
させるリラクセーション装置1+2の作用を、「α波の
光フィードバック作用」と呼ぶことにする。
【0047】α波の発生は、患者がリラックスしている
状態を示す最も因果関係が強い現象であるから、患者の
脳波中でα波が支配的になれば、それをもって患者はリ
ラックスしているものと客観的に判別が付く。また、α
波は患者のリラックスの度合いを測る指標にもなるの
で、生体アンプ11に入力される脳波中のα波をモニタ
ーしていれば、患者のリラックスの度合いの見当が付く
ようになる。
【0048】なお、リラクセーション制御装置1は、上
記自励発信回路の構成要素11〜14とは別に、音楽装
置としてのCDプレーヤ15を備えている。CDプレー
ヤ15は、患者のお気に入りの音楽や小鳥のさえずりな
どの快い音響信号で、ステレオスピーカ25およびボデ
ィーソニック装置21eを駆動する。すると、患者は聴
覚で快い音楽または音響を楽しみ、その重低音部を振動
として体感し、快い音楽または音響を満喫することがで
きるので、いっそう容易にリラックスするようになる。
【0049】本実施例の恐怖症治療装置は、患者の脳波
を一組の電極10で検出する脳波計(図略)と、患者の
皮膚電位を電極10’で検出する皮膚電位計と(図略)
とを備えている。本実施例の恐怖症治療装置はまた、検
出された患者の脳波および皮膚電位をMO(磁気光)デ
ィスクまたはDVD(デジタル・ビデオ・デスク)に記
録する生理データ検出記録装置3とを備えている。生理
データ検出記録装置3は、脳波および皮膚電位の計測デ
ータを時刻信号とともに記録しておき、同記録にランダ
ムアクセスして再現することができる。それゆえ、上記
計測データを、患者の治療に関する参考情報として利用
したり、本実施例の恐怖症治療装置の運用に関する参考
上方として利用したりすることができる。なお、リラク
セーション装置1+2が作動していない状態でも、生理
データ検出記録装置3は、リラクセーション制御装置1
を素通りして、バイタルセンサ10,10’の計測デー
タを記録することができる。
【0050】本実施例の恐怖症治療装置はさらに、バー
チャルリアリティ装置5+4+2とリラクセーション装
置1+2と生理データ検出記録装置3とを統合して制御
する統合制御装置6を有する。統合制御装置6は、特別
仕様のパーソナルコンピュータであって、本実施例の恐
怖症治療装置を構成する全ての装置の状況を把握して操
作することができるように、モニタディスプレイ62
と、キーボード61およびマウス(図略)とを備えてい
る。
【0051】すなわち、本実施例の恐怖症治療装置を操
作する医療従事者は、統合制御装置6のモニタディスプ
レイ62により、バーチャルリアリティ装置5+4+2
とリラクセーション装置1+2と生理データ検出記録装
置3とをモニターすることができる。上記医療従事者ま
た、統合制御装置6からコマンドを送って、本実施例の
恐怖症治療装置を構成する全ての装置を思い通りに操作
することができる。
【0052】(実施例1の運用および作用効果)本実施
例の恐怖症治療装置は、以上のように構成されているの
で、たとえば以下のように運用され、恐怖症の治療に関
して顕著な作用効果を発揮する。以下の説明は、図1を
参照しつつ読まれたい。本実施例の恐怖症治療装置で
は、バーチャルリアリティ装置5+4+2が、所定の恐
怖対象に対して不合理な恐怖感覚を抱く恐怖症を持つ患
者に対して、その恐怖対象を視覚、聴覚および体感によ
り擬似的に認識させ、その患者に恐怖感覚を引き起こ
す。視覚による恐怖対象の提示は、ヘッドセット4に装
備されているゴーグル状の疑似視覚装置41によって行
われ、聴覚による恐怖対象の提示は、ヘッドセット4の
ステレオヘッドホン45によって行われる。また、体感
(患者の身体への重低音振動の加振)による恐怖対象の
提示は、リラックスチェア2に装備されたボディーソニ
ック装置21eによって行われる。すなわち、患者を恐
怖対象に擬似的に暴露させる装置は、疑似視覚装置4
1、疑似聴覚装置45およびボディーソニック装置21
eの三つの装置である。
【0053】第1の疑似視覚装置41は、患者の視覚を
周囲の情景から遮断して恐怖対象となるビデオ映像をゴ
ーグル42内に投影し、患者の視覚を通して患者を恐怖
対象に擬似的に暴露する(図3参照)。疑似視覚装置4
1は、例えば、動物恐怖症の患者に対しては動物の映像
を視認させ、高所恐怖症の患者に対しては高所からの眺
めを視認させる。あるいは、地下鉄恐怖症の患者に対し
ては、地下鉄の入口から始まって改札を通ってホームに
出、数本の地下鉄を見送った後に地下鉄に乗っていくつ
か先の駅で降りて出札し、出口にたどり着くまでのビデ
オ映像を患者に視認させる。
【0054】第2の疑似聴覚装置45は、ヘッドセット
4に装着されている一対のステレオヘッドホン45(図
3参照)である。疑似視覚装置41は、患者の両耳Eを
塞いで周囲の音響から遮断して恐怖対象となる音響を両
耳Eの近傍で発生させ、患者の聴覚を通して患者を恐怖
対象に擬似的に暴露する。疑似聴覚装置45は、疑似視
覚装置41に連動して作動し、ステレオ音響を発生させ
て、バーチャルリアリティの現実感を増す作用を発揮す
る。
【0055】第3のボディーソニック装置21eは、地
下鉄などの乗り物に対する恐怖症を持っている患者に対
し、乗り物の振動を擬似的に与えることができ、バーチ
ャルリアリティの現実感を強化する作用がある。あるい
は、風に音に対する恐怖症を持っている患者には、風の
音と同期した振動を身体に与えることができるので、患
者はよりリアルに強風の轟音を体感することができる。
【0056】したがって、疑似視覚装置41、疑似聴覚
装置45およびボディーソニック装置21eは、相まっ
て患者に与えるバーチャルリアリティの現実感を増すこ
とができる。その結果、患者の視覚、聴覚および体感を
通して、よりリアルに患者を恐怖対象に擬似的に暴露さ
せることができるので、より大きな治療効果があがると
いう効果がある。
【0057】一方、リラクセーション装置1+2は、前
述のようなα波のフィードバック作用により、患者の脳
波に含まれるα波の発生を誘導して恐怖感覚を緩和し、
患者を快適にしてリラックスさせることができる。ただ
し、バーチャルリアリティ装置5+4+2とリラクセー
ション装置1+2とは、同時には使用されず、通常は交
互に使用される。
【0058】本実施例の恐怖症治療装置に装備されてい
るリラクセーション装置1+2は、α波モニター装置と
してのリラクセーション制御装置1と、α波誘導装置と
してのリラックスチェア2とを備えている。α波モニタ
ー装置としてのリラクセーション制御装置1は、恐怖症
患者の脳波をモニターし、同脳波中のα波の発生を検知
してα波検知情報を生成する作用を持つ。一方、α波誘
導装置としてのリラックスチェア2は、このα波検知情
報に基づき、α波の発生を誘導する光刺激を発光部24
により患者に与える作用を有する。
【0059】そればかりではなくリラックスチェア2
は、リラクセーション制御装置1に備え付けの音楽装置
としてのCDプレーヤ15(図5参照)によって、ステ
レオスピーカ25にから患者の気持ちを落ち着ける音楽
などを患者に聞かせる。リラックスチェア2はさらに、
その音楽の重低音部をボディーソニック装置21eによ
り振動で患者に体感させる。また、患者は安楽椅子21
に身体を横たえているので、心身ともに緊張がほぐれ、
リラックスすることができる。それゆえ、患者はいっそ
うリラックスし易くなり、より効果的にリラクセーショ
ン作用が発揮される。
【0060】以上のように、本実施例の恐怖症治療装置
のリラクセーション装置1+2によれば、リラクセーシ
ョン制御装置1およびリラックスチェア2が、患者のα
波の発生を誘導するので、患者の脳波中にα波が発生し
易くなる。それゆえ、患者はより容易にリラックスする
ことができるようになるので、リラクセーション装置1
+2の持つリラックス作用がより有効に発揮される。
【0061】このようにして、リラクセーション装置1
+2により患者がリラックスしている状態になった後、
リラクセーション装置1+2をいったん停止させる。し
かる後、バーチャルリアリティ装置5+4+2を運用し
て、擬似的な恐怖対象に患者が対峙するようにすれば、
患者の精神状態が安定しているので恐怖感覚の発生に対
する逆制止が働き、比較的容易に擬似的な恐怖対象に耐
えることができるようになりやすい。また、バーチャル
リアリティ装置5+4+2により、患者が擬似的に恐怖
対象に対峙している場合には、恐怖対象はバーチャルリ
アリティであり、いつでも現実の安全で快適な状態に戻
れることを患者は認識している。それゆえ、患者は安心
感を持って擬似的な恐怖対象に対峙できるので、擬似的
な恐怖対象に耐えやすい。
【0062】その結果、患者は、バーチャルリアリティ
装置5+4+2による一種の暴露療法を、安全かつ比較
的快適に受けることができる。したがって、患者は、よ
り長時間にわたってバーチャルリアリティによる恐怖対
象に対峙して耐えることができるようになり、暴露療法
に準ずる治療効果があがる。そればかりではなく、現実
の恐怖対象暴露されることを目的として、患者は一々外
出しなくても済むので、場合によっては暴露療法以上の
効果を速やかにあげることができる。
【0063】さらに、バーチャルリアリティ装置5+4
+2による擬似的な恐怖対象によって引き起こされる恐
怖感覚が、患者に耐え難いほどに強大になった場合に
は、いったんバーチャルリアリティ装置5+4+2を停
止して現実空間に戻ることができる。そればかりではな
く、今度は再びリラクセーション装置1+2を作動さ
せ、患者の脳波に含まれるα波の発生を誘導して恐怖感
覚を緩和し、患者をリラックスさせることができる。患
者がリラックスして脳波中に含まれるα波が増え、患者
の感情が安定したら、再びバーチャルリアリティ装置5
+4+2による擬似的な恐怖対象に、患者は対峙するよ
うにする。すると、リラックス状態によって恐怖感覚に
対する逆制止が働き、患者の心には不合理な恐怖感覚が
あまり生じなくなる。
【0064】なお、本実施例の恐怖症治療装置による治
療の最後には、もう一度、リラクセーション装置1+4
+2’を作動させ、患者をリラックスさせて患者の精神
状態を安定させると良い。そうすれば、患者は治療後の
現実世界に落ち着いた気持ちで対処できるので、患者の
現実世界への適応を容易にすることができる。以上のよ
うに、リラクセーション装置1+2とバーチャルリアリ
ティ装置5+4+2とを交互に使用し、反復して擬似的
な恐怖対象に暴露されることにより、患者はだんだん安
定した感情で恐怖対象と対峙できるようになり、逆制止
が生じて不合理な恐怖感覚の発生は抑制される。すなわ
ち、患者のリラックスした状態が患者に恐怖感覚の発生
を制止する逆制止作用が働き、患者は恐怖対象に対して
あまり恐怖感覚が発生しなくなる。このように恐怖対象
に擬似的に対峙することによって恐怖対象に慣れ、恐怖
対象による不合理な恐怖感覚の発現が制止されること、
すなわち恐怖対象がだんだん怖くなくなることを脱感作
と呼ぶ。すなわち、本実施例の恐怖症治療装置を使用す
ることにより、逆制止によって恐怖対象に対する脱感作
が十分に進めば、患者は恐怖対象に対して不合理な恐怖
感覚をあまり覚えなくなり、恐怖症は寛解する。
【0065】したがって、本実施例の恐怖症治療装置に
よれば、患者にリラックスした状態で擬似的に恐怖対象
に繰り返し対峙してもらうことにより、不合理な恐怖感
覚の脱感作が進むので、恐怖症の治療効果があがる。す
なわち本実施例によれば、暴露療法とほぼ同様の恐怖症
治療効果を挙げることができ、暴露療法の少なくとも一
部(または全部)の代替手段ともなりうる、安全で快適
な恐怖症の治療装置を提供することができるという効果
がある。
【0066】なお、本実施例の恐怖症治療装置は、通常
の暴露療法を行わずに暴露療法の代わりに施される治療
手段となりうるが、逆に通常の暴露療法と並行して用い
る治療手段ともなりうる。最後に、恐怖症が十分に寛解
したことを確認するためには、患者が現実に恐怖対象と
対峙してみて、不合理な恐怖感覚があまり起こらず恐怖
対象への暴露に対し容易に耐えられることを確認すれば
よい。
【0067】(実施例1のその他の効果)以上の主要な
効果(恐怖症の治療効果)の他に、本実施例の恐怖症治
療装置は、次のような二つの付帯的な効果をも有する。
第1の効果は、再び図1に示すように、生理データ検出
記録装置3が装備されているので、客観的な患者の生理
的な変化の度合いを観察および再現することができるこ
とである。
【0068】すなわち、本実施例の恐怖症治療装置に
は、患者の脳波および皮膚電位を検出し記録する生理デ
ータ検出記録装置3が備わっている。それゆえ、バーチ
ャルリアリティ装置5+4+2の運用中に、恐怖症患者
の各種の脳波および皮膚電位を電極10,10’から検
出し、客観的に観察しながらその記録を残すことができ
る。その結果、患者の主観的な恐怖感覚の度合いだけで
はなく、患者の生理的な変化をも客観的に評価すること
ができるようになるので、患者の状態の評価をより多面
的に行うことが可能になる。
【0069】また、リラクセーション装置1+2の運用
中に、患者の各種の脳波および皮膚電位を検出し、客観
的に観察しながらその記録を残すことができる。その結
果、患者の主観的なリラクセーションの度合いだけでは
なく、客観的な患者の生理的な変化の度合いを観察する
ことができるようになるので、患者の状態の評価を患者
の主張だけによらず多面的に行うことが可能になる。
【0070】したがって、本実施例の恐怖症治療装置に
よればさらに、患者の緊張状態およびリラックス状態の
評価を、患者の主張だけによらず客観的かつ多面的に行
うことが可能になるという効果がある。また、患者の脳
波および皮膚電位の記録を残すことができるので、本実
施例の恐怖症治療装置の作用を分析することにより、今
後の恐怖症患者の治療方法(恐怖症治療装置の運用方
法)を検討することが容易になるという効果もある。さ
らに、本実施例の恐怖症治療装置の運用方法および作用
効果についての研究を進めるうえで、貴著なデータが得
られるという効果もある。
【0071】第2の効果は、統合制御装置6により本実
施例の恐怖症治療装置が装備している全ての装置の操作
と監視とを、操作員である医療従事者が一箇所で行うこ
とが可能になり、医療従事者のワークロードを低減でき
ることである。すなわち、本実施例の恐怖症治療装置
は、リラクセーション装置1+2、バーチャルリアリテ
ィ装置5+4+2および生理データ検出記録装置3の各
装置を、統合して制御する統合制御装置6を備えてい
る。それゆえ本実施例では、上記各装置を別個に操作す
る必要はなくなり、本実施例の恐怖症治療装置を操作す
る医療従事者は、統合制御装置6のキーボード61およ
びマウス(図略)などで、上記各装置の操作を行うこと
ができるようになる。また、医療従事者は、上記各装置
の運用状態を、統合制御装置6のモニタディスプレイ6
2等で一目でモニターすることができるので、観察力の
多くを患者へ振り向けることができるようになる。
【0072】したがって本実施例の恐怖症治療装置によ
ればさらに、上記各装置の運用が格段に容易になり、医
療従事者のワークロードが低減される分だけ、医療従事
者が患者をよりよく観察することができるようになると
いう効果がある。 (実施例1の変形態様1)本実施例の変形態様1とし
て、生理データ検出記録装置3が、患者の脳波、心電
図、心拍数、血圧、筋電位、容積脈波、皮膚電位、皮膚
振動および皮膚抵抗などの多くの種類の生理情報を、検
出して記録に留める恐怖症治療装置の実施が可能であ
る。
【0073】本変形態様によれば、より多くの種類の患
者の生理情報を検出して記録することができるので、患
者の状態をより詳しくモニターすることができるだけで
はなく、恐怖症治療装置の運用方法についての客観的な
データをより多く記録することができるという効果があ
る。それゆえ、本変形態様の恐怖症治療装置は、研究用
の実施態様としての価値がある。
【0074】(実施例1の変形態様2)本実施例の変形
態様2として、統合制御装置6を有することなしに、バ
ーチャルリアリティ装置5+4+2とリラクセーション
装置1+2と生理データ検出記録装置3とが、それぞれ
互いに独立して装備されている恐怖症治療装置の実施も
可能である。
【0075】本変形態様では、特別仕様のパーソナルコ
ンピュータである統合制御装置6がないので、操作員で
ある医療従事者は、バーチャルリアリティ装置5+4+
2とリラクセーション装置1+2と生理データ検出記録
装置3とをそれぞれ個別に操作する。それゆえ、本変形
態様の恐怖症治療装置の操作は煩雑になり、医療従事者
のワークロードも増えるが、前述の実施例1に準ずる恐
怖症の治療効果をあげることはできる。
【0076】したがって、本変形態様の恐怖症治療装置
によれば、前述の実施例1に準ずる恐怖症の治療効果を
あげることができながら、統合制御装置6を装備しない
分だけコストダウンできるという効果がある。 [実施例2] (実施例2の構成)本発明の実施例2としての恐怖症治
療装置は、図6に示すように、リラクセーション装置1
+4+2’、バーチャルリアリティ装置5+4+2’、
生理データ検出記録装置3および統合制御装置6から構
成されている。
【0077】本実施例の恐怖症治療装置では、リラクセ
ーション制御装置1、生理データ検出記録装置3、画像
音声再生装置5および統合制御装置6は、実施例1のそ
れら(図1参照)と同一である。一方、図6を前述の図
1と比較すれば明らかなように、本実施例ではリラック
スチェア2’の構成が実施例1と異なっている。すなわ
ち、本実施例のリラックスチェア2’は、前述の実施例
1のリラックスチェア2から、カプセル22、フード2
3、発光部24およびステレオスピーカ25を取り去っ
たものである。それゆえ、リラックスチェア2’には、
α波を誘導する光刺激を患者の視覚に与える機能や、快
適な音楽を患者に聴かせる機能は備わっていない。
【0078】その代わり、リラクセーション装置1+4
+2’は、ヘッドセット4の疑似視覚装置41およびス
テレオヘッドホン45を使用して、実施例1の発光部2
4およびステレオスピーカ25を代替する。すなわち、
リラクセーション制御装置1からα波誘導信号がヘッド
セット4の疑似視覚装置41に供給され、疑似視覚装置
41が明滅する光刺激を患者の視覚に与える。また、リ
ラクセーション制御装置1のCDプレーヤ15(図5参
照)からのステレオ音響信号が、ヘッドセット4のステ
レオヘッドホン45に供給され、患者は心地よい音楽を
聴きながらリラックスすることができる。
【0079】(実施例2の作用効果)本実施例におい
て、リラクセーション装置1+4+2’の作動中に、実
施例1の発光部24およびステレオスピーカ25に替え
て、ヘッドセット4の疑似視覚装置41およびステレオ
ヘッドホン45が使用される。これ以外の点では、本実
施例の各装置の運用方法および作用効果は、実施例1と
同様である。それゆえ、本実施例の恐怖症治療装置によ
っても、実施例1と同様の恐怖症の治療効果が得られ
る。
【0080】したがって本手段によれば、前述の実施例
1の効果に加えて、リラックスチェア2’が簡素化され
ている分だけ安価であるうえに、患者はヘッドセット4
を装用したり外したりする手間が省けるという効果があ
る。 (実施例2の各種変形態様)本実施例の恐怖症治療装置
に対しても、実施例1の変形態様1や変形態様2に相当
する変形態様の実施が可能である。コストダウンをさら
に進めたい場合には、患者の生体情報の記録を残せなく
なるが、生理データ検出記録装置3を省略しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1としての恐怖症治療装置の全体構成
を示すブロック図
【図2】 実施例1のヘッドセットの形状および構成を
示す斜視図。
【図3】 実施例1のヘッドセットの構成および作用を
示す部分透視図
【図4】 実施例1のリラックスチェアの要部構成を示
す斜視図
【図5】 実施例1のリラクセーション装置の構成を示
すブロック図
【図6】 実施例2としての恐怖症治療装置の全体構成
を示すブロック図
【符号の説明】
1+2,1+4+2’:リラクセーション装置 1:リラクセーション制御装置(α波モニター装置とし
て) 10:脳波検出用の電極(一組) 10’:皮膚電位
計用の電極 11:生体アンプ(脳波を増幅するオペアンプ) 12:帯域フィルタ 13:レベル自動調整回路 14:フィルタ特性制御回路 15:CDプレーヤ(音楽装置として) 2,2’:リラックスチェア(α波誘導装置として) 21:安楽椅子 21a:座部 21b:背もたれ 21c:足支え 21d:肘掛け 21e:ボディーソニック装置 22:カプセル 23:フード 230:ピボット 24:発光部(複数のLED) 25:ステレオスピーカ(疑似聴覚装置として) 3:生理データ検出器録装置 5+4+2,5+4+2’:バーチャルリアリティ装置 5:画像音声再生装置(DVDビデオデッキ) 4:ヘッドセット 41:疑似視覚装置 42:ゴーグル 43:フレキシブルフレーム 44:ヘッドバンド 45:ステレオヘッドホン 46:表示部 47:バックライト 48:カラー液晶パネル 49:レンズ 50:ハーフミラー 51:ミラー 6:統合制御装置 61:キーボード 62:モニ
タディスプレイ H:恐怖症患者の頭部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の恐怖対象に対して不合理な恐怖感覚
    を抱く恐怖症を持つ患者に対して、該恐怖対象を視覚お
    よびまたは聴覚により擬似的に認識させ、該患者に該恐
    怖感覚を引き起こすバーチャルリアリティ装置と、 該患者の脳波に含まれるα波の発生を誘導して該恐怖感
    覚を緩和し、該患者をリラックスさせるリラクセーショ
    ン装置と、を有することを特徴とする恐怖症治療装置。
  2. 【請求項2】前記バーチャルリアリティ装置は、 前記恐怖対象となる映像を投影する疑似視覚装置と、 該恐怖対象となる音響を発生させる疑似聴覚装置と、を
    有する請求項1記載の恐怖症治療装置。
  3. 【請求項3】前記バーチャルリアリティ装置およびまた
    は前記リラクセーション装置は、前記患者の身体に振動
    を加えるボディーソニック装置を有し、 該リラクセーション装置は、快い音楽または音響を発生
    させる音楽装置を有する、 請求項1記載の恐怖症治療装置。
  4. 【請求項4】前記リラクセーション装置は、 前記患者の前記脳波をモニターし、前記α波の発生を検
    知してα波検知情報を生成するα波モニター装置と、 該α波検知情報に基づき該α波の発生を誘導する光刺
    激、音響刺激、振動刺激のうち少なくとも一つを該患者
    に与えるα波誘導装置と、を有する請求項1記載の恐怖
    症治療装置。
  5. 【請求項5】前記患者の脳波、心電図、心拍数、血圧、
    筋電位、容積脈波、皮膚電位、皮膚振動および皮膚抵抗
    のうち少なくとも一つを検出し記録する生理データ検出
    記録装置を有する、 請求項1記載の恐怖症治療装置。
  6. 【請求項6】前記バーチャルリアリティ装置と前記リラ
    クセーション装置とを統合して制御する統合制御装置を
    有する、 請求項1記載の恐怖症治療装置。
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