JPH11155856A - 超音波ファントムおよびその製作方法 - Google Patents

超音波ファントムおよびその製作方法

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JPH11155856A
JPH11155856A JP32606697A JP32606697A JPH11155856A JP H11155856 A JPH11155856 A JP H11155856A JP 32606697 A JP32606697 A JP 32606697A JP 32606697 A JP32606697 A JP 32606697A JP H11155856 A JPH11155856 A JP H11155856A
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JP
Japan
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ultrasonic phantom
phantom
ultrasonic
polyvinyl alcohol
base material
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JP32606697A
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English (en)
Inventor
Stant Kawan
カワン・スタント
Norimichi Kawashima
徳道 川島
Shinichi Takeuchi
真一 竹内
Yoshie Honma
由え 本間
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Toin Gakuen
Original Assignee
Toin Gakuen
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 医用超音波の研究、関連装置、器具等の開発
製造、医師や技術者などの訓練のために供する、人体に
近似した音響特性に調整が容易な、経時安定性に優れた
超音波ファントムをよびその製造方法を提供する。 【解決手段】 母材にポリビニルアルコールを用い、母
材のポリビニルアルコールを懸濁する際の液体に酸性水
(Cl2,HClO,ClO-を含む)を用い、音響定数
を人体のそれに近似させるため、グラファイト、ガラス
ビーズ、樹脂製微小中空球、などの粉体を母材であるポ
リビニルアルコール懸濁液に混入する。また、本発明に
係る超音波ファントムにおいて、水分蒸発の防止策とし
て食品保存用ラップフィルムを使用したり、水分蒸発の
防止策として合成ゴム塗膜スプレーを使用することを特
徴とする超音波ファントムである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は医用超音波の研究、関連
装置、器具等の開発製造、医師技術者等の訓練用のため
供する超音波ファントムに関する。
【0002】
【従来の技術】医用超音波の研究、関連装置、器具等の
開発製造、医師技術者等の訓練の度に、人体を用いるこ
とは、物理的にも経済的にも問題があるために、一般に
超音波ファントムが用いられている。
【0003】この超音波ファントムは、人体と超音波特
性の近似した模擬体であり、通常、寒天やゼラチン製、
ゴム系のファントムを使用している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、寒天や
ゼラチンを母材とした超音波ファントムは、容易に音響
特性を調節することが可能である反面、腐敗や高温条件
下での溶解などの問題があり、長期間の使用や高温条件
下での使用は不可能であるという問題があった。
【0005】更に、ゴム系の超音波ファントムは経時的
に安定している反面、音響特性の確保が困難であるとい
う問題があった。
【0006】本発明は、このような従来の問題に鑑みて
なされたもので、母材に高分子ゲルであるポリビニルア
ルコールを使用することにより、腐敗の防止、高温条件
下での溶解の軽減、更にゴム系材料では困難であった音
響特性の調節が容易な超音波ファントムを提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明は次のように構成する。
【0008】本発明は、医用超音波の研究、関連装置、
器具等の開発製造、医師技術者等の訓練用のため供する
超音波ファントムを対象とし、本発明の超音波ファント
ムは、母材にポリビニルアルコールを用い、それを溶解
する媒質に、酸性水(Cl2,HClO,ClO-を含
む)を使用し、そこに目的に応じた音響定数になるよう
に粉体を混入し、固体化させ音響定数を安定させるため
冷凍解凍作業を行うことを特徴とする。すなわち、本発
明の超音波ファントムは母材に高分子ゲルであるポリビ
ニルアルコールを使用することにより、腐敗の防止がで
きる。また高温条件下での溶解の軽減、更にゴム系材料
では困難であった音響特性の調節を容易に実行可能な超
音波ファントムの作成が可能となる。
【0009】また、本発明の超音波ファントムは、更に
水分蒸発を防止するために、その表面を薄膜フィルムで
覆う、又は合成ゴム塗膜スプレーによりその表面を樹脂
膜で覆うことを特徴とする。
【0010】従って、薄膜フィルム又は合成ゴムスプレ
ーによる樹脂膜で超音波ファントムの表面を覆うことに
より水分の蒸発による経時変化を軽減できる。 また、
本発明の超音波ファントムは、母材を冷凍解凍作業を繰
り返し行うことにより音響定数を安定化させることが可
能である。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の超音波ファント
ムの一実施形態の製造方法を示したフローチャートであ
る。
【0012】本発明の超音波ファントムの母材として、
ポリビニルアルコール(PVA)を用いる。ポリビニル
アルコールは、一般に、白色粉末であり、温水に溶解す
る。また、合成糊、合成繊維、アセタール樹脂等の原料
として使用され、また一般的な利用例として紙加工材、
化粧品、フィルム、カプセル等が挙げられる。また、ポ
リピニルアルコールは、低重合度のものほど水に溶けや
すく、高分子長のもほど抗張力、皮膜強度、たわみ性が
大きく、けん化度が高くなると粘性が下がり、皮膜が強
くなり、冷水に溶けにくくなるという特徴を有してい
る。
【0013】本実施の形態で用いるポリビニルアルコー
ルの重合度は1500〜1800程度が好ましい。
【0014】本発明の超音波ファントムの製造方法は、
図1に示すように、70〜75℃まで熱した酸性水中
に、ポリビニルアルコール粉末を溶解させ、十分に混合
後、型に入れ脱泡を行い、薄膜フィルタ(例えばサラン
ラップ等)で、その表面を覆う。その後冷凍解凍を繰り
返すことにより、人体に近似した弾性を有し比較的特性
の安定な弾性体を形成することができる。
【0015】ここで、含水させたポリピニルアルコール
は、冷凍解凍を繰り返すことによって、下記化1に示す
ように、分子内で分子間水素結合し、ポリビニルアルコ
ール分子が相互に結びつき架橋状態を形成する。
【0016】
【化1】 更に、冷凍解凍を繰り返すことによって、ポリビニルア
ルコールの水酸基に水和して拘束されている水は保持さ
れるが、水酸基に拘束されていない遊離の水は、排出さ
れるため、ポリビニルアルコールの吸水ゲル化が進む。
【0017】上記酸性水としては、純水やイオン交換水
に、塩素(Cl2)、次亜塩素酸(HClO)、次亜塩
素酸イオン(ClO-)のいずれかを添加したものを用
いる。この酸性水のpHは3〜5程度である。酸性水に
ポリビニルアルコールを添加溶解させるのは、酸性水に
よってポリビニルアルコールの水酸基の活性を上げ、分
子内水素結合を促進させるためにである。これによって
ファントムの腐敗が抑圧されファントムの音響特性等の
経時安定性が大幅に改善できる。
【0018】従って、本発明の超音波ファントムの製造
方法は、酸性水のpH、冷凍解凍作業の繰り返し度によ
って、得られる超音波ファントムの弾性特性を制御する
ことができる。
【0019】<実施例1>70〜75℃まで熱したpH
3〜5の酸性水中に、ポリビニルアルコール粉末を9:
1の割合で十分に混合後、型に入れ脱泡を行い、家庭用
ラップフィルムで、その表面を覆った。その後マイナス
20℃程度で冷凍した後、20℃で解凍させ、この冷凍
解凍を1セットとして、10セット繰り返した。
【0020】得られた弾性体の音速は、1550(m/
s)であり、かなり人体の各部軟部組織の音速に近似し
た値となっている。しかしながら、この弾性体の減衰係
数は人体各部の軟部組織の一般的な減衰係数0.5〜
1.3(dB/cm/MHz)と比較すると無視し得る
ほど小かった。
【0021】<実施例2>そこで、減衰係数まで人体軟
部組織の値に近似させる必要がある場合には、上記実施
例1に準拠して、70〜75℃まで熱した酸性水中に、
ポリビニルアルコール粉末を溶解させ十分に混合した
後、グラファイト等の超音波に対する散乱性あるいは吸
収性を有する微粉体を混入させた。
【0022】図2には、本発明の実施形態の一例とし
て、ポリビニルアルコール製の超音波ファントムの前記
製造工程において、グラファイトの微粉末を混入した超
音波ファントムの減衰係数と超音波ファントム母材中に
おける混入グラファイトの重量濃度との関係を表す測定
データが示されている。図2によれば、混入グラファイ
トの重量濃度が6〜13%の間で人体の脂肪、腎臓、肝
臓等の超音波に対する減衰係数を近似できることが分か
る。
【0023】また、図3には、前記ポリビニルアルコー
ル製超音波ファントムの音速と超音波ファントム母材中
の混入グラファイトの重量濃度との関係が示されてい
る。この図3のグラフより、グラファイトの重量濃度が
ファントムの音速に及ぼす影響は非常に小さい。従っ
て、減衰係数を調整するために超音波ファントムにグラ
ファイト微粒子を混入させるときには、減衰係数を満足
するように混入グラファイトの重量濃度を調整すれば良
く、この時にグラファイトの重量濃度がファントムの音
速に及ぼす影響は考慮しなくても良いことになるので、
超音波ファントムの音響特性の設計が非常に容易にな
る。
【0024】図4には、ゼラチン製超音波ファントムと
本発明の超音波ファントムとの減衰の経時安定性の関係
を比較したグラフが示されている。図4より、本発明の
該超音波ファントムの減衰定数は、従来広く使用されて
いるゼラチン製超音波ファントムに比べ非常に経時変化
の小さいことがわかる。
【0025】また、図5には、本発明の超音波ファント
ムの音速の経時安定性に関するグラフが示されている。
このグラフより、本発明の超音波ファントムの音速は、
製作後60日以上経過しても、約1.3%程度増加する
だけでその変化は非常に小さい。また、この音速の増加
はファントム中に含まれる水分の蒸発に伴って生ずるも
のであるので、超音波ファントムをポリウレタン系ゴム
スプレーその他の各種樹脂スプレー等をその表面に塗布
したり、塗布によって形成された樹脂膜を更にラップフ
ィルムでラッピングするなどの処理を行うことによっ
て、更に安定化することが可能である。
【0026】本実施形態では、母材であるポリビニルア
ルコールに混入する粉体としてグラファイトを混入する
場合について述べてきたが、ガラスビーズ、樹脂製微小
中空球樹脂粉末、金属粉末、その他母材と音響の異なる
粉体を混入した超音波ファントムが本発明の範囲に含ま
れることも勿論のことである。
【0027】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の超音
波ファントムによれば、音響定数を容易に調節可能かつ
経時安定性を有する超音波ファントムが作製可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係るポリビニルアルコ
ール製超音波ファントムの製作手順を示す図である。
【図2】 本発明の実施の形態に係るポリビニルアルコ
ール製超音波ファントム中に混入するグラファイト微粒
子の重量濃度と減衰係数の関係を示す図である。
【図3】 本発明の実施例に係るポリビニルアルコール
製超音波ファントム中に混入するグラファイト微粒子の
重量濃度と音速の関係を示す図である。
【図4】 本発明の実施例に係るポリビニルアルコール
製超音波ファントムの減衰係数の経時変化特性を示す図
である。
【図5】 本発明の実施例に係るポリビニルアルコール
製超音波ファントムの減衰係数の経時変化特性を示す図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本間 由え 神奈川県横浜市青葉区鉄町1614番地 学校 法人桐蔭学園内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 母材にポリビニルアルコールを用いるこ
    とを特徴とする超音波ファントム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の超音波ファントムにおい
    て、 母材のポリビニルアルコールを懸濁する際の液体に酸性
    水を用いることを特徴とする超音波ファントム。
  3. 【請求項3】 請求項3記載の超音波ファントムにおい
    て、 音響定数を人体のそれに近似させるため、グラファイ
    ト、ガラスビーズ、樹脂製微小中空球、などの粉体を母
    材であるポリビニルアルコール懸濁液に混入することを
    特徴とする超音波ファントム。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の超音波ファントムにおい
    て、 更に、前記超音波ファントムより水分の蒸発の防止する
    ために、その表面に合成ゴム塗膜スプレーを塗布し樹脂
    膜で覆うことを特徴とする超音波ファントム。
  5. 【請求項5】 請求項3又は請求項4に記載の超音波フ
    ァントムにおいて、 更に、前記超音波ファントムより水分の蒸発を防止する
    ために、その表面に薄膜フィルムで覆うことを特徴とす
    る超音波ファントム。
  6. 【請求項6】請求項3記載の超音波ファントムにおい
    て、 前記母材を固体化させ、音響定数を安定させるために、
    冷凍解凍作業を繰り返すことを特徴とする超音波ファン
    トム。
JP32606697A 1997-11-27 1997-11-27 超音波ファントムおよびその製作方法 Pending JPH11155856A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005058766A (ja) * 2003-08-11 2005-03-10 Samsung Electronics Co Ltd 動雑音が除去された血流量信号検出装置及び方法、そしてこれを用いたストレス検査装置
JP2020166187A (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 国立大学法人東北大学 医療処置の訓練用皮膚モデル、医療処置の訓練用皮膚モデルのエコー画像の視認性調整方法および超音波ガイド法の穿刺手技訓練方法

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Effective date: 20010515