JPH11155373A - 植物栽培方法及び装置 - Google Patents

植物栽培方法及び装置

Info

Publication number
JPH11155373A
JPH11155373A JP9336597A JP33659797A JPH11155373A JP H11155373 A JPH11155373 A JP H11155373A JP 9336597 A JP9336597 A JP 9336597A JP 33659797 A JP33659797 A JP 33659797A JP H11155373 A JPH11155373 A JP H11155373A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plant
cultivation
fluorescent lamp
output
fluorescent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9336597A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeo Takayanagi
栄夫 高柳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ET HARVEST KK
Original Assignee
ET HARVEST KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ET HARVEST KK filed Critical ET HARVEST KK
Priority to JP9336597A priority Critical patent/JPH11155373A/ja
Priority to PCT/JP1998/002510 priority patent/WO1998056236A1/ja
Priority to CA002261815A priority patent/CA2261815C/en
Priority to EP98923153A priority patent/EP0937385A1/en
Priority to US09/242,172 priority patent/US6105309A/en
Publication of JPH11155373A publication Critical patent/JPH11155373A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P60/00Technologies relating to agriculture, livestock or agroalimentary industries
    • Y02P60/20Reduction of greenhouse gas [GHG] emissions in agriculture, e.g. CO2

Landscapes

  • Cultivation Of Plants (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】この発明は、蛍光灯の発する光を最大限に効率
的に植物栽培に利用することにより、電力消費を最小限
にして植物栽培のコストの最大要因である電力コストを
下げると共に、蛍光灯から発生する熱量を最小限とする
ことによりチップ・バーン等の熱障害が生じないように
した植物栽培方法及び装置を提供することを目的とす
る。 【解決手段】上記課題を解決するために、この発明の植
物栽培方法及び装置は、肥料成分を含有する培養液また
は培地に植物の根を植え込み、栽培室の全方向の内壁を
反射面で覆い、蛍光灯によって植物を生育する人工光源
を用いた植物栽培方法において、前記蛍光灯の出力を制
御して、定格の30〜70%の出力で用いることにより
蛍光灯の表面をほぼ室温状態で植物を生育させた植物栽
培方法及び装置である。前記蛍光灯の出力はインバータ
で制御され、前記植物を蛍光灯に接触状態で生育させる
ことも可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、人工光源によ
り、野菜類や花、草等を水耕または培地栽培をする植物
栽培方法及び装置、特に肥料成分を含有する培養液や培
地に植物の根を植え込み、炭酸ガス濃度を500ppm以上、
好ましくは1000〜5000ppm という高濃度に維持した栽培
室の全方向の内壁を反射面で覆い、蛍光灯によって植物
を生育する人工光源を用いた植物栽培方法及び装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】天然土壌と太陽光線を利用しないで植物
を生育させる水耕栽培方法及び装置は数々知られてい
る。例えば、特開昭62−55028号公報〜特開昭6
2−55029号公報や、本発明者が開発した特開昭6
3−240731号公報、特公平6−61190号公
報、特開平7−50929号公報、特開平7−5094
1号公報に記載の構成のものが知られている。
【0003】上記した従来の発明は、水耕栽培の光源と
して蛍光灯を使用し、しかも蛍光灯の位置を植物の生育
に伴って移動させ、植物の上端部と蛍光灯の間隔を所定
の範囲内に保つようにしたものである。
【0004】しかし、水耕栽培、特に葉菜類の水耕栽培
においては、熱障害の発生が問題である。熱障害は、葉
が縮れたり黒変化(チップバーン)しついには枯れてし
まう現象であり、全体が枯れないまでも部分的にチップ
・バーンが起きてしまうと栽培する葉菜類の商品価値が
なくなってしまうので、水耕栽培においてはチップ・バ
ーンを起こさないように十分注意することが重要であ
る。
【0005】高圧ナトリューム灯やメタルハロイド灯等
熱発生量の多い人工光源を用いた水耕栽培は、たいてい
この熱障害の発生を生じやすく問題となるので、葉面と
光源との距離をとりこの問題を回避している。
【0006】チップ・バーンは、人工光源の熱が葉の表
面に蓄積し、この蓄積された熱の発散が十分行われずに
葉の表面が痛むものと考えられ、自然光(太陽)の場合
は生じ難く人工光栽培に生じ易い現象である。
【0007】したがって、上記熱の蓄積が行われないよ
うに、人工光源の光の植物生育への寄与効率を極力高く
して人工光源による熱の発生(特に輻射熱)を少なくす
ると共に、葉の表面からの熱の放散が十分行われればチ
ップバーンを防止することができる。
【0008】従来、この熱障害を防止するため、植物の
中心に冷気を吹き付ける方法や照射時間を間欠的にし
て、照射を停止する時間(いわゆる、夜)を与えること
が行われている。しかし、前者は電力消費の増大と共に
植物に風を与えることが植物の生育を阻害し、後者の場
合は照射を停止する時間は光合成が行われないので、植
物の成長が遅くなる欠点がある。
【0009】また、従来光源より発せられた光源に含ま
れる熱線をコールドミラーで除去し、可視光のみを光フ
ァイバーで植物に送るアイデアもあった(特開平7−1
07868号公報)が、光量が十分取れず、また光ファ
イバーが大量に必要であって装置が複雑、高価格にな
り、現実的でなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、蛍光灯の
発する光を最大限に効率的に植物栽培に利用することに
より、電力消費を最小限にして植物栽培のコストの最大
要因である電力コストを下げ、路地物と競争できるコス
トにすると共に、併せて上記光源(蛍光灯)から発生す
る熱量を最小限とすることにより前記チップ・バーン等
の熱障害が生じないようにした植物栽培方法及び装置を
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明の植物栽培方法は、肥料成分を含有する培
養液または培地に植物の根を植え込み、炭酸ガス濃度を
500 〜5000ppm に維持した栽培室の全方向の内壁を反射
面で覆って、蛍光灯によって植物を生育する人工光源を
用いた植物栽培方法において、
【0012】前記蛍光灯の出力を制御して、定格の30
〜70%の出力で用いることにより蛍光灯の表面をほぼ
室温状態で植物を生育させたことを特徴とする植物栽培
方法である。前記蛍光灯の出力はインバータで制御さ
れ、前記植物を蛍光灯に接触状態で生育させることも可
能である。
【0013】また、この発明の植物栽培装置は、同様
に、肥料成分を含有する培養液または培地に植物の根を
植え込み、炭酸ガス濃度を500 〜5000ppm に維持した栽
培室の全方向の内壁を反射面で覆い、蛍光灯によって植
物を生育する人工光源を用いた植物栽培装置において、
【0014】前記蛍光灯の出力を制御して、定格の30
〜70%の出力で用いることにより蛍光灯の表面をほぼ
室温状態で植物を生育させたことを特徴とする植物栽培
装置である。同様に、前記蛍光灯の出力はインバータで
制御され、前記植物を蛍光灯に接触状態で生育させるこ
とも可能である。
【0015】
【発明の実施の形態】発明者は、先に栽培のための生育
室内面の上下左右なるべく多くの表面をアルミ箔等の反
射層で覆い、上記人工光源の光の光合成への寄与率を高
める工夫をしている(例えば、特開平7−50941号
公報)。なお、上記人工光源としては発熱量の少ない蛍
光灯、それも実験の結果、スペクトル分布が植物の生育
に最も適していると思われる3〜5波長蛍光灯を用いて
いる。
【0016】多重反射を利用して使用する人工光源の上
記光合成への寄与率を最大限に上げることは相対的に使
用する人工光源の光量(光源の本数)を減らすことにな
り、電力消費を少なくすると共に人工光源からの熱の発
生を極めて少なくする効果がある。同時に、光量が少な
いと人工光源の輻射熱の影響が小さいので、該光源を植
物に近接して設けても熱障害を起こさない効果がある。
光源を植物の直ぐ上に設けられることは栽培槽のスペー
スもその分小さくできることになる。
【0017】一方、植物は根の発育が十分であると、養
分と共に根から水分をよく吸い上げて葉からの蒸発量も
増えるものと考えられる。葉の表面からの蒸発が多けれ
ば葉の表面の温度が蒸発熱によって低下し、熱障害を回
避することができる。従来、根の発育のためには、根の
部分に対する酸素の供給が必要と考えられ、水耕栽培に
おいては植物の根の上部の部分を空気層に露出する構成
が一般的であった。しかし、根の発育のためには、根の
大部分が水中に没している方がよいことは明らかであ
る。この場合、根への酸素の供給及び根腐れ防止が問題
となる。
【0018】発明者は、先に培養液中に炭酸ガス濃度の
高い空気をポンプにより強制的に送り込んで培養液の腐
敗を防止する技術を開発した(特公平6−61190号
公報)。この方法を用いると、炭酸ガスと共に酸素も常
時培養液中に供給されるので、根元の部分まで培養液中
に浸っても根への酸素供給は十分に行われる。すなわ
ち、上記炭酸ガス濃度の高い空気といえども根の発育に
必要な酸素を十分含んでいるので、根への酸素供給も十
分行われるのである。さらに、この観点に基づき、培養
液中に炭酸ガス濃度の高い空気をポンプにより常時継続
的にかつ強制的に送り込む水耕栽培方法において、常時
植物の根を根元まで培養液中に浸して根の発育を十分促
進させるものを提案している(特願平9−171180
号)。根の十分な発育によって葉も十分成長することに
なり、丈夫な葉はその表面からの水分の蒸発が活発なの
で、蒸発熱により葉の表面からの熱の放散が促進され
る。これによって、チップ・バーン現象が防止され、こ
のことはさらに植物をよりよく生育させることにつなが
るという良循環が機能することになる。
【0019】そして、前記酸素供給がよく行わわれると
共に、根の直下から常に泡状の空気が根の中に浸透する
ので根の活性化が図られる。また、前記炭酸ガス濃度が
濃いためによる水耕液の酸性化や上記泡状空気の攪拌作
用が液中の微生物等の発生を抑制するため、この発明に
よる水耕栽培方法は、前記十分な酸素供給とあいまっ
て、植物の根の部分が根元まで常時水に浸っているにも
拘わらず根腐れを起こすことがない。逆に、前述の如
く、根をどっぷり水耕液中に浸すことにより従来あり得
ないほど根の発育が促進され、このことにより植物の生
育がよくなると共に、根からの水分の吸収、及び葉から
の水分の蒸発が良くなり、熱の放散が促進され、チップ
・バーンが抑止されることになる。これはさらに、従来
苦労していた、葉の表面からの熱の放散の問題を楽に
し、従って蛍光灯を植物の直近まで近ずけること(光の
有効利用が図れる)を可能にし、栽培層の多重反射の利
用とあいまって人工光栽培の変動費の半分以上を占める
電力使用量を大幅に減らすことに成功した。
【0020】さらに、栽培室の置かれている環境(通常
はビル内)は植物の生育のためには植物の適正温度に空
調されているが、栽培室は内面が全て反射板で覆われて
いて密閉構造であり、しかも人工光源が内部に設置され
ているので外気より温度が高くなる。別途、同じ出願人
の提案にあるように、この栽培室内の温度上昇を極力防
止するため、栽培槽両側面反射板の上下、及び栽培槽床
および天井反射板の両サイドが若干の隙間が空けてあ
る。前記栽培室内の熱せられた空気は該隙間から自然に
外部に放出されて栽培室内の温度上昇が妨げられる。
【0021】また、この発明の装置においては、炭酸ガ
スを含む空気が培養液中から発生して葉の裏部分に向か
って下から上へ気流が発生することになり、葉の表面を
空冷する効果がある。実際、栽培室の温度より、葉の表
面の温度は1〜2°C低いと考えられる。
【0022】以下に本発明を図面の実施例に基づいて詳
細に説明する。図1は本発明に用いられる植物栽培装置
の実施例を示す全体構成図であり、図2は培養液の循環
路を含む栽培槽の外観図、図3は上記構成の部分詳細図
である。図4(a)、図5は同様に、この発明に用いら
れる植物栽培装置の模式横断面図である。図4(b)
は、図4(a)の模式上面図である。
【0023】図1,図2において、1は塩化ビニール製
の長方形箱状の栽培槽であり、市販の建築用の樋が用い
られる。該栽培槽は、断面半円径の栽培槽でもよい。図
1において、9a〜9dは栽培槽を形成するための鉄製
のフレームであり、栽培槽の設置される建物の許す限
り、長手方向に長く組み立てられる。上記栽培槽は、横
フレーム9b,9cの間に形成される。栽培槽は上下方
向に建物の天井までの高さが許される限り、高く積み上
げられる。すなわち、図1においては、簡単のため1段
しか図示されていないが、実際の量産化体制の植物工場
では部屋内の床から天井まで置けるだけの段数が設置さ
れるので、通常は6〜8段となる。図4はこの一例とし
て3列4段の栽培空間を模式図で示している。図2にお
いて、3は最上段の栽培槽1に培養液を供給する循環ポ
ンプである。
【0024】図3に示される水耕液の循環は次のとおり
である。循環ポンプにより供給された培養液は下段の栽
培槽1へ自然落下して、ポンプ3によりまた上段の栽培
槽に戻る過程を経て栽培槽内を循環する。栽培槽1内に
おける培養液の水位は、根の根元が常に培養液中に没し
ているようにサイホン4(図2)あるいは水位調整用の
管51(図3)によって一定に保たれる。循環ポンプ3
は連続もしくは一定時間間隔(例えば、15分)で自動
的に運転させる。
【0025】この発明における水耕液の供給の一例は以
下のようになる。循環ポンプにより連続的に最上段に供
給された培養液は、図3に示すように、各段において水
位調整用の管51によりオーバーフロー分が下段の栽培
槽へ自然落下して、ポンプ3によりまた上段の栽培槽に
戻る過程を経て栽培槽内を循環する。この発明における
栽培槽1各段内における培養液の深さは図3に示す如
く、育成台10の底部が浸る位の水位に保たれ、この水
位は上記水位調整用の管51によって一定に保たれる。
【0026】栽培槽1の一例が図2に示される。図2に
は、育成台10を移動可能に支える支持片8が設けられ
ており、支持片8は培養液が育成台の底面に浸る位の水
位となっても該支持片が培養液に没しないようにやや高
めの位置に設けられている。従って、育成台10は細長
い形状をしていて、長手方向の中央部がやや凹んだ構造
のものが用いられる。栽培槽内では、この育成台10が
図2に示されるように両端を前記支持片8に指示され
て、横方向に自由にスライドできるように隙間を空けず
に配置されている。該育成台10は、上面にステンレ
ス、アルミ等の反射部材13を有する金属や樹脂部材か
らなり、苗11を挿入する孔12を有する。例えばレタ
スの場合は、上記孔12は育成台に3〜4つ設けられて
いて、双葉から本葉2〜3枚出た状態になった根部上部
をウレタン等で巻き付けて、前記孔に挿入する。このよ
うに、通常は横3〜4列で育成される。
【0027】図1に示される栽培槽は実際に植物工場で
採用されている推奨されるこの発明の他の実施例であ
る。図1において、育成台10は一体化され横3列に並
んだ複数の栽培槽1に跨る形で作られており、発砲スチ
ロールの上にアルミ箔が反射材として貼られている。育
成台の断面は図の如く、波打っており、栽培槽の中央部
分に相当する育成台部分は栽培槽の中に凹んだ形で作ら
れている。この凹んだ部分の底面は水耕液1に極めて近
接しており、植物の根の上部まで水耕液に浸るように設
計されている。水耕液の内部には、図3に示されるよう
に孔の開いた空気管が植物の直下に通されていて、常時
CO2 を多く含む空気が泡状になって上記多数の孔から
放出されている。このため、植物の根が前記の如く根元
まで浸されていても根への酸素供給が十分行われる。
【0028】図1及び図4において、前記長手方向に組
み立てられた鉄製のフレーム9a〜9dで囲まれた空間
が栽培室(図4の15)となる。該空間15は左右上下
がアルミ箔が貼られた反射部材で囲まれている。図1,
図4において、6はフレーム9a,9dに取り付けられ
た横面の反射部材であり、7は上側フレーム9bに取り
付けられた栽培室の天井反射部材である。上記横面反射
部材の下の部分はわざと隙間14を空けてある。これは
栽培室内部に籠もる熱を対流によって外部に排出するた
めの工夫である。前記栽培室天井部分は図1では蛍光灯
を取り付ける取付部材7しか図示されていないが、実際
は図4に示されるように、取付部材7の間にもアルミ箔
が貼られる。すなわち、栽培室の天井部分は全面が反射
部材で覆われる。なお、上記栽培室天井左右には図4に
示されるように多少の隙間があけられる。前記のように
育成台の表面もアルミ箔で覆われているので、前記横面
の隙間を除いた上下左右のほぼ全面が反射面となってい
る。
【0029】蛍光灯の光は上記栽培室内で多重反射をす
ることになるので、植物に無駄無く照射される。このこ
とにより、蛍光灯のような弱い光でも十分植物を育成さ
せることができるようになり、また逆に高熱を発生する
人工光源を用いることがないので、前記チップバーンの
発生が極めて少なくできることとなり、省エネ効果と同
時に柔らかい無農薬の葉菜類が安い費用で栽培すること
が可能となった。
【0030】さらに、この発明の特徴はこの栽培方法を
押し進め、蛍光灯の光量が定格の30〜70%の出力で
用いることによっても十分なだけ栽培技術を高めたこと
である。蛍光灯は他の光源に比較すると比較的発熱量は
少ないが、それでも定格で動作させると100〜200
°Cと手で触っていられない位の表面温度となってしま
う。従って、該蛍光灯の表面に植物が接触すると、従来
の輻射熱に加え、該接触熱が加わり、焼け焦げ現象を起
こしてしまう。
【0031】蛍光灯を定格の30〜70%の出力で用い
ると、蛍光灯の表面をほぼ室温状態(せいぜい室温より
5〜10°C高い温度)とすることができる。これは前
述の如く、光量の植物生育への照射効率を極めて高くす
ることに成功したためできたことである。
【0032】すなわち、 栽培室の全面を反射面で覆うことにより、人工光源の
光を多重反射させ該光源の光の植物照射への効率を最大
限に高めたこと。 栽培槽の植物の直下から濃度の高いCO2 を含む気泡
を放出させ、気泡による強制対流により植物の葉の表面
の熱の放散を促進したこと。 同じく、上記気泡の放出により植物の根への酸素供給
を十分なものとし、従って植物の根を根元まで浸すこと
により根の発育を促進させ、丈夫な根からの水分吸収と
葉からの水分蒸発を活発化させて葉の表面の冷却効果を
促進したこと。 栽培槽の横面上下に隙間を空け、栽培室内の熱の対流
による放散を促進する工夫をしたこと。 また、これらの工夫により蛍光灯の光量を減らし、そ
れはまた同時に蛍光灯からの熱の発生も従来よりきわめ
て少なくなることになり、それによりさらに植物に近接
して光源を設けられることとなり、このことがさらに光
量を減らすことに繋がるという好循環現象が起こったこ
と。 といった数々の要因の相乗効果が最終的に蛍光灯の出力
を定格の30〜70%の出力で用いることによっても十
分植物を生育することが可能になったのである。
【0033】以下、さらに詳細に実施例について説明す
る。実験によれば図1において育成台の上で幼苗移植か
ら収穫になるまで3〜4週間位であり、ほぼ毎日育成台
10を育成室の長手方向に移動させ、最後に収穫ができ
る。建物2内の温度はエアコン装置により16〜20°
Cに保たれる。
【0034】栽培槽1内では、植物の栽培期間中継続的
に、前記培養液中に炭酸ガス濃度の高い空気をポンプ2
6により強制的に吹き込みながら気泡状にして送り込
む。この発明においては、図3に示される如く、栽培槽
の培養液中に空気供給チューブ34が埋設されており、
上記炭酸ガス濃度の高い空気が該空気チューブ34に設
けられた小孔から噴き出し、気泡となって生じる。空気
供給チューブ34の上記噴き出し口は、植物の根への酸
素供給の点からも、また葉の表面への炭酸ガス供給の点
や葉の表面への空冷効果の点からも植物の根の直下近辺
に設けられることが有効である。
【0035】この発明の装置は、植物の直下から炭酸ガ
スが気泡の形で供給されるので、従来のように栽培室内
に別途炭酸ガスを満たす方法より、炭酸ガスの吸収効率
が優っている。それと同時に、上記植物の栽培期間中継
続的に前記培養液中に炭酸ガス濃度の高い空気を強制的
に吹き込みながら気泡状にして発生させることにより、
該気泡に含まれる酸素により根への酸素供給も十分なさ
れると共に、上記炭酸ガスが前記培養液を弱酸性にし気
泡の攪拌作用とあいまって、培養液中の微生物や微細な
有機物の腐敗が防止される効果がある。
【0036】さらに、上記気泡は植物の葉の裏から上昇
するので、葉の表面を空冷する効果があり、葉の人工光
源による温度上昇による熱障害(チップバーン)を防止
する効果がある。
【0037】各空気吹き込み用チューブ34には、炭酸
ガス発生装置で発生した炭酸ガスがポンプで供給されて
もいいし、別途工場内の一角に炭酸ガス発生用の燃焼装
置を設けて、工場内の環境を前記炭酸ガスの濃度にして
工場内の空気をそのまま供給してもよい。上記炭酸ガス
発生装置は、例えば白金を酸化燃焼触媒としてベンジ
ン、ブタンその他の燃料を燃焼させる接触酸化方式の燃
焼装置を用いることもできる。該装置は燃料を常に一定
状態で燃焼することができ、その燃焼状態により炭酸ガ
スが継続的に安定して発生するものである。工場内の一
角に炭酸ガス発生用の燃焼装置を設けた場合、工場の広
さにもよるが大体植物の消費する炭酸ガスの量と上記燃
焼装置の発生する炭酸ガスの量が同じくらいで環境の炭
酸ガス濃度がほぼ一定になることが確認されている。
【0038】植物の光合成に炭酸ガスは欠かせず、上記
濃度の高い炭酸ガスは栽培槽の炭酸ガス濃度を約1000pp
m に保つ働きをする。なお、栽培槽10の培養液に吹き
込む空気の炭酸ガス濃度が500ppm以下では培養液の腐敗
防止効果がほとんど期待できないし、また5000ppm 以上
では炭酸ガス濃度が高過ぎてpH値が低くなり、培養液に
含まれる無機の肥料成分が析出する場合があるので、10
00〜5000ppm 程度が好ましい。また、炭酸ガス濃度の高
い空気を培養液に継続的に吹き込む場合には多孔チュー
ブを使用しないでノズル、その他の構成を採用してもよ
い。以上の栽培装置を用い、植物としてはレタスを用い
て栽培実験を行った。人工光源は各植物列の天井に40
Wの蛍光灯を栽培室長手方向に並べて出力40〜65%
のものを用いた。
【0039】苗としては本葉3〜4枚になったものを用
い、育成台に2枚の苗を30cm離し、それぞれの孔2に
挿入して支持した。植物11の上端と蛍光灯16の間隔
を1〜10cmとし、植物の成長にともなって、毎日1度
の割合で植物育成板を横方向に動かし、上記間隔をたも
って3週間育成した。また、培養液の循環ポンプ3は連
続運転し、各段の水位は植物の根元まで浸るようにほぼ
一定に保った。培養液は市販の水耕用肥料を用い、建物
2内の温度は17°C、炭酸ガス濃度は1000ppm 以上、
照度は6000ルックス以上とした。その結果、1株の重さ
は150〜200gづつ毎日1回収穫でき、品質はいず
れも良好であった。そして、前述の如く、蛍光灯の表面
はほぼ室温に近い状態なので植物が生育して葉の上の方
が蛍光灯に直接接触してもチップ・バーンを起こすこと
はなかった。なお、栽培する植物はレタスに限られず、
他の葉菜類や根菜類、観賞用の植物、あるいはトマトや
ハーブといったもの、さらには稲でも可能である。
【0040】上記のように葉が直接蛍光灯の表面に接触
してもチップ・バーンを起こさないことはこの発明の栽
培方法及び装置の他の応用例が考えられる。その例をい
くつか図5に示す。
【0041】従来蛍光灯は、図4に示す如く栽培室の天
井に設置されていた。これは植物が大きくなっても植物
の葉に接触しないためである。しかし、この発明の栽培
方法及び装置を用いれば、図5の第1,2段に図示され
るように蛍光灯を天井からつるして植物の横方向に設け
ることも可能である。あるいは、同図第3段に示される
ように植物の頭上でも天井からつるして蛍光灯をもっと
植物に近接させることが可能である。蛍光灯の設置方向
は従来のように栽培槽長手方向に平行ではなく、図5の
第4段に示されるように長手方向に直角であってもよ
い。
【0042】なお、上記実施例は水耕栽培に関するもの
であるが、この発明は水耕栽培に限定されるものではな
く、土耕,礫耕,砂耕等どのような栽培方法にも用いる
ことができる。
【0043】
【発明の効果】以上の栽培装置を用い、植物としてはレ
タスを用いて栽培したら、根の発育が従来の水耕栽培よ
り活発で、葉の成長も十分行われ、しかもチップバーン
等の熱障害が生じないで、無農薬でかつおいしいレタス
等を収穫することができた。しかも、栽培槽の内面を全
面反射層で覆い多重反射を最大限利用することにより、
各列に40Wの蛍光灯を並べ、定格の30〜70%の出
力で用いるという従来の水耕栽培では考えられない極め
て少ない光量で生育でき、また上記出力の場合蛍光灯の
表面はほぼ室温に近い状態であるので、植物の上端と蛍
光灯の間隔を1〜10cmという非常に近接した状態や最
終的な収穫時期に葉の上方が蛍光灯に直接接触しても、
人工光源(蛍光灯)による熱障害(焼けや焦げ)をおこ
すことなく、路地栽培のものより柔らかい葉の野菜を栽
培できた。
【0044】また、栽培室の多重反射や植物への近接照
射を可能としたため人工光源の光量を最大限に活用する
ことにより、水耕栽培の変動費の半分以上を占める電力
消費を従来の方法に比較し1/3以下にすることができ
た。このコスト低減により、従来の露地物との価格競争
力ができ、しかも無農薬で露地物より柔らかくておいし
い野菜を栽培することができた。さらに、露地物と違っ
て季節や環境に関係なく年中収穫できるので、例えば冬
の北欧のように寒くて日照の殆どない環境や夏の砂漠の
真ん中でも、毎日新鮮な野菜が入手できることになるの
で植物工場として非常に優れた方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に用いられる栽培槽装置の全体斜視図
を示すものである。
【図2】この発明に用いられる栽培槽装置の部分構造図
を示すものである。
【図3】この発明に用いられる上記栽培槽装置における
部分詳細図を示すものである。
【図4】この発明に用いられる栽培槽装置の模式図を示
すものである。
【図5】この発明に用いられる栽培槽装置の他の実施例
を示すものである。
【符号の説明】
1 栽培槽 3 ポンプ 4 サイホン 5 パイプ 6 反射部材 8 支持片 9 フレーム 10 育成台 11 苗 12 穴 13 反射部材 14 隙間 15 栽培室 16 蛍光灯 34 空気供給チューブ 51 水位調節用の管 52 液面 53 気泡 54 水耕液 55 ウレタン等の苗支え

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 肥料成分を含有する培養液または培地に
    植物の根を植え込み、炭酸ガス濃度を500 〜5000ppm に
    維持した栽培室の全方向の内壁を反射面で覆って、蛍光
    灯によって植物を生育する人工光源を用いた植物栽培方
    法において、 前記蛍光灯の出力を制御して、定格の30〜70%の出
    力で用いることにより蛍光灯の表面をほぼ室温状態で植
    物を生育させたことを特徴とする植物栽培方法。
  2. 【請求項2】 前記蛍光灯の出力をインバータで制御す
    ることを特徴とする前記請求項1記載の植物栽培方法。
  3. 【請求項3】 前記植物を蛍光灯に接触状態で生育させ
    たことを特徴とする前記請求項1または2記載の植物栽
    培方法。
  4. 【請求項4】 前記植物が葉菜類であることを特徴とす
    る前記請求項1〜3の内、いずれか1項記載の植物栽培
    方法。
  5. 【請求項5】 肥料成分を含有する培養液または培地に
    植物の根を植え込み、炭酸ガス濃度を500 〜5000ppm に
    維持した栽培室の全方向の内壁を反射面で覆い、蛍光灯
    によって植物を生育する人工光源を用いた植物栽培装置
    において、 前記蛍光灯の出力を制御して、定格の30〜70%の出
    力で用いることにより蛍光灯の表面をほぼ室温状態で植
    物を生育させたことを特徴とする植物栽培装置。
  6. 【請求項6】 前記蛍光灯の出力をインバータで制御す
    ることを特徴とする前記請求項5記載の植物栽培装置。
  7. 【請求項7】 前記植物を蛍光灯に接触状態で生育させ
    たことを特徴とする前記請求項5または6記載の植物栽
    培装置。
  8. 【請求項8】 前記植物が葉菜類であることを特徴とす
    る前記請求項5〜7の内、いずれか1項記載の植物栽培
    装置。
JP9336597A 1997-06-13 1997-11-21 植物栽培方法及び装置 Pending JPH11155373A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9336597A JPH11155373A (ja) 1997-11-21 1997-11-21 植物栽培方法及び装置
PCT/JP1998/002510 WO1998056236A1 (fr) 1997-06-13 1998-06-05 Procede et appareil destines a la culture de plantes
CA002261815A CA2261815C (en) 1997-06-13 1998-06-05 Method for growing plants and apparatus for growing plants
EP98923153A EP0937385A1 (en) 1997-06-13 1998-06-05 Plant cultivation method and apparatus
US09/242,172 US6105309A (en) 1997-06-13 1998-06-05 Plant cultivation method and apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9336597A JPH11155373A (ja) 1997-11-21 1997-11-21 植物栽培方法及び装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11155373A true JPH11155373A (ja) 1999-06-15

Family

ID=18300805

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9336597A Pending JPH11155373A (ja) 1997-06-13 1997-11-21 植物栽培方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11155373A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008245554A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Espec Mic Kk 立体多段式植物栽培装置
JP2012034686A (ja) * 2010-08-06 2012-02-23 Green Plus Co Ltd 照明装置を用いた無人植物栽培装置
WO2013024681A1 (ja) * 2011-08-15 2013-02-21 シャープ株式会社 照明装置、照明システム、植物栽培装置
WO2013024682A1 (ja) * 2011-08-15 2013-02-21 シャープ株式会社 照明装置、照明システム、植物栽培装置
JP2015126710A (ja) * 2013-12-27 2015-07-09 株式会社誠和 植物栽培装置
WO2016125296A1 (ja) * 2015-02-06 2016-08-11 不二精工株式会社 植物栽培装置
JP2019118284A (ja) * 2017-12-28 2019-07-22 タキロンシーアイ株式会社 水耕栽培装置
US10568279B2 (en) 2015-02-06 2020-02-25 Fuji Seiko Co., Ltd. Plant cultivation device
US11140834B2 (en) 2015-02-18 2021-10-12 Fuji Seiko Co., Ltd. Plant cultivation equipment

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008245554A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Espec Mic Kk 立体多段式植物栽培装置
JP2012034686A (ja) * 2010-08-06 2012-02-23 Green Plus Co Ltd 照明装置を用いた無人植物栽培装置
WO2013024681A1 (ja) * 2011-08-15 2013-02-21 シャープ株式会社 照明装置、照明システム、植物栽培装置
WO2013024682A1 (ja) * 2011-08-15 2013-02-21 シャープ株式会社 照明装置、照明システム、植物栽培装置
JP2015126710A (ja) * 2013-12-27 2015-07-09 株式会社誠和 植物栽培装置
JPWO2016125296A1 (ja) * 2015-02-06 2017-11-09 不二精工株式会社 植物栽培装置
WO2016125296A1 (ja) * 2015-02-06 2016-08-11 不二精工株式会社 植物栽培装置
EP3254556A4 (en) * 2015-02-06 2018-01-24 Fuji Seiko Co., Ltd. Plant cultivation device
US10568279B2 (en) 2015-02-06 2020-02-25 Fuji Seiko Co., Ltd. Plant cultivation device
AU2015381089B2 (en) * 2015-02-06 2020-04-09 Fuji Seiko Co., Ltd. Plant cultivation device
US10912261B2 (en) 2015-02-06 2021-02-09 Fuji Seiko Co., Ltd. Plant cultivation device
US11140834B2 (en) 2015-02-18 2021-10-12 Fuji Seiko Co., Ltd. Plant cultivation equipment
JP2019118284A (ja) * 2017-12-28 2019-07-22 タキロンシーアイ株式会社 水耕栽培装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2261815C (en) Method for growing plants and apparatus for growing plants
US20210321574A1 (en) System and method for growing a plant in an at least partly conditioned environment
CN106258916B (zh) 一种多功能无土栽培装置及其应用
JP2012147765A (ja) 植物栽培装置
JPWO2010073901A1 (ja) 葉菜の水耕栽培方法及び水耕栽培ユニット
JPH1166A (ja) 植物栽培方法及び装置
KR101806264B1 (ko) 태양광 패널을 포함한 식물 재배용 하이베드
JP2011055738A (ja) 植物栽培用ラック
JP2007289125A (ja) 植物栽培方法及び植物栽培装置
JP2014033622A (ja) 植物栽培装置および植物栽培方法
JP2008245554A (ja) 立体多段式植物栽培装置
JPH11155373A (ja) 植物栽培方法及び装置
JP3500433B2 (ja) 植物育成方法
JP2016202047A (ja) 栽培装置および植物の栽培方法
CN101658126A (zh) 多层式多段密植栽培装置
JP2002272270A (ja) 植物栽培用グロースボックス
JPH11137107A (ja) 植物栽培装置
WO2019175645A1 (en) Energy-efficient closed plant system and method
JPH1189427A (ja) 栽培方法及び栽培装置
CN102197782A (zh) 采用气雾诱导方式的无土栽培系统
CN100415078C (zh) 室内设施园艺自控装置
US20230148487A1 (en) Agricultural photovoltaic structure with controlled cooling
CN220694039U (zh) 一种蔬菜苗培育箱
WO1999063804A1 (fr) Serre et procede de culture de plantes exploitant la serre
JPH02171125A (ja) 植物栽培方法および植物栽培装置

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20021119