JPH11154507A - 電解液注入装置および方法 - Google Patents

電解液注入装置および方法

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JPH11154507A
JPH11154507A JP9321756A JP32175697A JPH11154507A JP H11154507 A JPH11154507 A JP H11154507A JP 9321756 A JP9321756 A JP 9321756A JP 32175697 A JP32175697 A JP 32175697A JP H11154507 A JPH11154507 A JP H11154507A
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JP
Japan
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electrolyte
battery
electrolyte injection
injection
funnel
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JP9321756A
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English (en)
Inventor
Hideki Sato
英樹 佐藤
Masaki Wakabayashi
正記 若林
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リード電極と安全弁との接触不良を防止し
て、品質の安定した電池を供給することができる電解液
注入装置の提供することを目的とする。 【解決手段】 電解液注入ヘッド2に、略垂直状態とし
たときに上面が開放されるとともに底部に電池缶202
の開口部203と当接される注入口6aを有し、略水平
状態としたときに注入口6aよりも下方位置に電解液を
収容する滞留部13を有す電解液注入用漏斗6と、電解
液注入用漏斗6の開放された上面を塞ぐ密閉部材である
漏斗蓋8と、電解液注入用漏斗6及び電解液注入用漏斗
6に対して装着された電池缶202内の圧力を調整する
空圧バルブ9とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電解液を電池缶に
注入する電解液注入装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、エネルギーの供給手段として、有
機電解液を用いたリチウムイオン2次電池等の蓄電池が
提供されている。
【0003】上記リチウムイオン2次電池は、正極、セ
パレータ、負極からなる積層電極体によって構成される
電池素子と、この電池素子が挿入され、上記有機電解液
が注入される電池缶とから構成されている。このように
構成されるリチウム2次電池の製造工程には、上記電解
液を電池缶内部に注入する電解液注入工程がある。
【0004】この電解液注入工程では、従来より、上記
積層電極体が組み込まれている電池缶、例えば筒状の電
池缶に上記電解液を注入する際に、上記電池缶内部を真
空状態にして電池缶内部を脱気しながら上記電解液の注
入を行っている。このように電池缶内部を脱気しながら
上記電解液の注入を行うことにより、電池缶内への電解
液の浸透を促進させている。
【0005】図15には、電解液を注入するための従来
の電解液注入装置100の具体例を示している。ここ
で、上記電解液注入装置100に供給された上記リチウ
ム2次電池201は、電解液を注入するために電池缶2
02の一端側に開口部203が形成されており、また、
その開口部203からリード電極204が引き出されて
いる。
【0006】上記電解液注入装置100は、電解液注入
用漏斗101と、電解液を注入した際に上記電池缶20
2内を真空状態にするための真空ポンプ120等と接続
されている圧力調整部102と、上記電解液注入用漏斗
101に電解液を供給するノズル103とを有して構成
されている。
【0007】上記電解液注入用漏斗101は、上記電池
缶202の開口部203の内径と略同程度の外径を有し
て形成されている環状の電解液注入ノズル部104と、
電解液注入ノズル部104と一体に形成されてノズル1
03から供給された電解液を電解液注入ノズル部104
に供給する供給部105とから構成されて、全体略漏斗
形状をなしている。
【0008】上記電解液注入ノズル部104は、電池缶
202の開口部203に接続される接続部104aに密
着性を高めるためのOリング106が取り付けられてい
る。そして、電解液注入ノズル部104は、内径が当該
電解液注入ノズル部104が電池缶202の注入口20
3に接続されたときに開口部203から引き出されてい
る上記リード電極204を当該電解液注入ノズル部10
4に収納できる大きさに形成されている。また、電解液
注入ノズル部104は、開口部203から引き出されて
いるリード電極204を収納できる程度の長さを有して
いる。
【0009】上記電解液注入ノズル部104に一体とさ
れて形成されている供給部105は、電解液がノズル1
03から電解液注入ノズル部104に対して供給される
電解液を一旦収納する部分である。すなわち、電解液注
入ノズル部104に対して、ノズル103から供給され
る電解液を逐次供給する。
【0010】上述の電解液注入ノズル部104及び供給
部105からなる電解液注入用漏斗101は、電池缶2
02に対して接離自在とされている。すなわち、例え
ば、図15中の矢印A方向に移動可能とされている。
【0011】この電解液注入用漏斗101等の圧力を調
整する圧力調整部102は、上記供給部105の開口部
105aを閉塞するための上蓋部110と、真空引き用
バルブ111と、一端側が大気圧力に開放されている大
気開放管114と真空ポンプ120に接続されている接
続管113とから構成されている。
【0012】上記上蓋部110は、上記電解液注入用漏
斗101の開口部105aを閉塞する閉塞面110bの
外周にOリング112を備えている。このOリング11
2によって、開口部105aを閉塞した際の密着性を高
めている。また、上蓋部110には、その中央にガス吸
引用の流路110aが形成されている。
【0013】この圧力調整部102における、上記真空
引き用バルブ111は、上蓋部110の流路110a、
接続管113及び大気開放管114が接続されて、これ
に対応した流路が形成されているバルブ本体部111b
と、バルブ本体部111b内に回転自在に支持されて、
当該形成された流路によって、流路110aと接続管1
13及び大気開放管114を接続状態にするバルブ部1
11aとから構成されている。
【0014】この圧力調整部102は、バルブ部111
aの回転動作によって、上蓋部110の流路110aを
接続管113又は大気開放管114と接続状態にした
り、流路110aの閉塞状態にしたりする。例えば、こ
れにより、圧力調整部102は、バルブ部111aの回
転によって、上蓋部110の流路110aに対する上記
真空ポンプのガス吸引の開/閉を行う。
【0015】そして、圧力調整部102は、電解液注入
用漏斗101内の圧力を調整すること、及びノズル10
3によって電解液を供給することができるように、当該
電解液注入用漏斗101の開口部105aに対して着脱
自在とされている。すなわち、例えば、圧力調整部10
2は、図15中において示す矢印A方向に移動可能とさ
れている。
【0016】電解液注入用漏斗101に電解液を供給す
るノズル103は、例えば、図15中において示す矢印
B方向及び上記矢印A方向と同様な方向に移動自在とさ
れることにより供給部105の開口部105aに対して
接離自在とされる。そして、ノズル103は、供給部1
05に装着した状態において電解液を当該供給部105
に供給する。
【0017】以上のように構成することにより、従来の
電解液注入装置100は、電解液を注入した際に電池缶
202内に収納されている電池素子205内に発生する
気泡を、当該電池缶205の減圧により除去しながら電
解液を電池缶202に供給する。
【0018】次に、電解液注入工程を具体的に説明す
る。図16には、その電解液注入工程のタイムチャート
を示し、図17乃至図24には、従来の電解液注入装置
100の各動作を示す。
【0019】先ず、ステップSt1として、図17に示
すように、従来の電解液注入装置100に対して電解液
がまだ注入されていない電池缶202が供給される。こ
のとき、電池缶202は、当該電池缶202の開口部2
03が電解液注入ノズル部104の接続部104aに対
向されるように位置決めされる。
【0020】続くステップSt2として、従来の電解液
注入装置100は、図18に示すように、電解液注入用
漏斗101を下降させて接続部104aを電池缶202
の開口部203に接続する。このとき、電池缶202の
開口部203から引き出されているリード電極204
は、当然に、電解液注入ノズル部104の内部に収納さ
れる。
【0021】開口部203に接続部104aを接続させ
た後、ステップSt3として、従来の電解液注入装置1
00は、図19に示すように、電解液注入用漏斗101
との間にノズル103を移動させ、続いて、図20に示
すように、電解液供給ノズル103を電解液注入用漏斗
101の開口部105aに接続して、電解液250を所
定量供給する。このとき、図21に示すように、電池缶
202に一度に浸透しない電解液250が電解液注入用
漏斗101に残留する。また、ノズル103は、電解液
注入用漏斗101から離脱される。
【0022】続いて、従来の電解液注入装置100は、
ステップSt4として、圧力調整部102を下降させ
て、電解液注入用漏斗101の開口部105aを上蓋部
110によって閉塞し、電池缶202及び電解液注入用
漏斗101を密閉状態にする。そして、図22に示すよ
うに、ステップSt5として、バルブ部111aを回転
させて、接続管113と流路110aとを接続状態にし
て、真空ポンプ120によって電池缶202内を真空引
きする。この真空引きによって、電池缶202の電池素
子205内が脱気され、電解液250の電池素子205
への浸透が促進され、上記ステップSt3において所定
量供給された電解液が図23に示すように電池素子20
5に完全に浸透された状態となる。
【0023】そして、ステップSt6及びステップSt
7として、図24に示すように、電解液注入装置100
は、圧力調整部102を上昇させ、また、電解液注入用
漏斗101を上昇させる処理を行い、その後、ステップ
St8として、電解液を注入した電池缶202を排出す
る。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
に電解液が注入された電池缶202は上述の後工程とし
て、リード電極204を安全弁に溶接するリード電極−
安全弁溶接工程がある。
【0025】しかし、従来の電池缶への電解液の注入工
程は、上述したように処理されるが、上記ステップS3
において、上方に位置される上記のノズル103から噴
出される電解液250がリード電極204にかかってお
り、さらに、上記ステップSt3から上記ステップSt
5の間の工程においては、リード電極204が電解液2
50によって浸されている状態となっており、そのた
め、図24に示すステップSt7の電池201のリード
電極204が電解液250により濡れた状態となってい
る。
【0026】このように電解液250で濡れた状態のリ
ード電極204が、図25(a)乃至図25(c)の工
程において溶接ホーン210によって上記安全弁207
に溶接しようとしても、付着した電解液250によって
溶接不良が発生してしまう。さらに、これにより、品質
の安定した電池の供給を図ることができなくなってしま
う。
【0027】また、従来において、図26(a)及び図
26(b)に示すように、ウエス又は紙等の拭き取り材
によりリード電極204に付着している電解液250を
拭き取り、図26(c2)に示すように完全に拭き取っ
た状態にしていた。しかし、図26(c1)に示すよう
に、拭き取りが不完全な場合があるために、上述した接
触不良が発生してしまう。
【0028】そこで、本発明は、上述の実情に鑑みてな
したものであり、リード電極と安全弁との接触不良を防
止して、品質の安定した電池を供給することができる電
解液注入装置及び方法を提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明に係る電解液注入
装置は、上述した課題を解決するために、略垂直状態と
したときに上面が開放されるとともに底部に電池缶の開
口部と当接される注入口を有し、略水平状態としたとき
に注入口よりも下方位置に電解液を収容する滞留部を有
する電解液注入部と、電解液注入部の開放された上面を
塞ぐ密閉部材とを備え、密閉部材には、電解液注入部の
滞留部に向かって斜めに電解液供給口が穿設され、電解
液注入部の滞留部とは反対側の位置に当該電解液注入部
内の圧力を調整する圧力調整手段を設ている。
【0030】この電解液注入装置は、この電解液注入部
を略垂直状態にしたときに、電池缶の開口部に対して当
該電解液注入部の注入口を装着し、電池缶を装着した状
態の電解液注入部を略水平状態にする。そして、電解液
注入装置は、密閉部材に設けた電解液供給口から電解液
を滞留部に供給する。このとき、電解液注入装置は、滞
留部に向かって密閉部材に斜めに形成された電解液供給
口から電解液を注入しているので、リード電極を濡らす
ことなく電解液を電解液注入部に供給する。
【0031】さらに、電解液注入装置は、電解液注入部
に接続されている圧力調整手段によって、電解液注入部
及び電池缶の内部の圧力を減圧する。このとき、電解液
注入装置は、滞留部とは反対側に位置して圧力調整手段
を設けているので、滞留部に収納されている電解液の液
面を乱すことなく圧力を調整する。
【0032】その後、電解液注入装置は、電解液注入部
を徐々に垂直方向に起立させることによって、滞留部内
に収容されている電解液を電池缶内に注入する。このと
き、電解液注入装置は、リード電極の先端付近を濡らさ
ないように、且つ電池缶の開口部を電解液によって塞い
だ状態を維持して、電池缶に電解液を注入する。これに
より、電解液注入装置は、電解液注入部内部と電池缶内
部との間に生じる圧力差によって当該電解液を電池缶に
注入する。
【0033】また、本発明に係る電解液注入方法は、上
述の課題を解決するために、リード電極が引き出された
電池缶の開口部に、略垂直状態としたときに底部に電池
缶の開口部と当接される注入口を有し、略水平状態とし
たときに注入口よりも下方位置に電解液を収容する滞留
部を有する電解液注入部を装着する装着工程と、電池缶
及び電解液注入部を略水平状態として滞留部に電解液を
供給する電解液供給工程と、この状態で電池缶内及び電
解液注入部内を減圧する減圧工程と、電池缶及び電解液
注入部を徐々に垂直方向に起立させ、滞留部内の電解液
を電池缶内に注入する電解液注入工程とを有し、電解液
注入工程においては、常に電解液によって電池缶の開口
部を塞ぎ、電解液の液面に圧力を加えながら電解液を電
池缶内に注入する。
【0034】この電解液注入方法は、装着工程におい
て、リード電極が引き出された電池缶の開口部に解液注
入部と装着し、電解液供給工程において、電池缶及び電
解液注入部を略水平状態とした状態において当該電解液
注入部の注入口より下方に位置された滞留部に電解液を
供給し、減圧工程において、同状態で電池缶内及び電解
液注入部内を減圧し、そして、電解液注入工程におい
て、電池缶及び電解液注入部を徐々に垂直方向に起立さ
せて、滞留部内の電解液を電池缶内に注入する。また、
電解液注入方法は、上記電解液注入工程において、常に
電解液によって電池缶の開口部を塞ぎ、電解液の液面に
圧力を加えながら電解液を電池缶内に注入する。
【0035】よって、この電解液注入方法は、電解液注
入工程において、電池缶内から引き出されているリード
電極が突出されている根元の電池缶の開口部から電解液
が注入している。すなわち、この電解液注入方法は、少
なくともリード電極の先端付近を濡らさずに電解液を電
池缶に注入している。
【0036】また、この電解液注入方法は、電解液注入
工程において、常に電解液によって電池缶の開口部を塞
ぎ、電解液の液面に圧力を加えながら電解液を電池缶内
に注入している。すなわち、電解液注入方法は、電解液
注入部の加圧時に、電池缶の開口部を電解液によって塞
いだ状態を維持することにより電解液注入部内部と電池
缶内部との間に生じる圧力差を利用して当該電解液を電
池缶に注入している。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して、詳しく説明する。本実施の形態
は、電池素子が取り付けられている電池缶のリード電極
が引き出されている開口部から電解液を供給し、その後
に電池缶内部を減圧することにより当該供給した電解液
を電池素子に浸透させる電解液注入装置である。
【0038】電解液注入装置は、図1に示すように、電
池缶202に電解液を注入する電解液注入ヘッド2と、
電解液注入ヘッド2の漏斗蓋8に対して接離可能とされ
るカバー3とを備えている。
【0039】電解液注入ヘッド2は、略垂直状態とした
ときに上面が開放されるとともに底部に電池缶202の
開口部203と当接される注入口6aを有し、略水平状
態としたときに注入口6aよりも下方位置に電解液を収
容する滞留部13を有する電解液注入部である電解液注
入用漏斗6と、電解液注入用漏斗6の開放された上面を
塞ぐ密閉部材である漏斗蓋8とを備えている。
【0040】上記カバー3は、上記漏斗蓋8に穿設され
て後述する電解液供給口8aを閉塞するように、上記漏
斗蓋8に対して接離自在とされている。なお、上記漏斗
蓋8に設けられた電解液供給口8aには、電解液の供給
時に、後述する図6に示す電解液注入ノズル4が装着さ
れる。
【0041】さらに、電解液注入ヘッド2は、電解液注
入用漏斗6及び電解液注入用漏斗6に対して装着された
電池缶202内の圧力を調整する圧力調整手段とされる
空圧バルブ9を備えている。空圧バルブ9には、ポンプ
5が接続される。例えば、ポンプ5は、使用態様によっ
て、減圧時には吸引ポンプとされ、加圧時には加圧ポン
プとされる。
【0042】このように構成される電解液注入ヘッド2
及びカバー3とを備える電解液注入装置によって電解液
が注入される電池201は、例えば、外形略筒状のリチ
ウムイオン2次電池である。
【0043】このリチウムイオン2次電池201は、正
極活物質を塗布してなる正極と、負極集電体に負極活物
質を塗布してなる負極及びセパレータから構成される電
池素子205と、この電池素子205を収納する電池缶
202とから構成される。
【0044】ここで、電池素子205は、上記正極、上
記セパレータ、上記負極をこの順序で積層された積層電
極体を多数回巻回された渦巻式電極体によって構成され
る。そして、電池素子205は、電池缶202に適切に
収容される寸法となるように、予め長さ、径寸法が調整
される。
【0045】このように構成されるリチウムイオン2次
電池201において、電解液が注入される開口部203
は、製品とされるときには、安全弁や絶縁体等が装着さ
れて密閉される。このとき安全弁には上記開口部203
から引き出されている上記リード電極204が溶接され
る。
【0046】以下、上記電解液注入ヘッド等の各部の構
成について詳しく説明する。
【0047】上記電解液注入用漏斗6は、略円型筒状に
形成された本体部6cと、本体部6cの下方(電解液注
入用漏斗6が垂直された状態における下方)に当該本体
部6cと一体とされて形成されて、上記注入口6aに向
かって徐々に内径が小とされる漏斗部6dと、漏斗部6
dの端部に設けられている注入口6aとから構成され
る。
【0048】この電解液注入用漏斗6の本体部6cは、
略円形筒状に形成されており、例えば、その高さが電解
液注入ヘッド2に電池缶202が装着された際にリード
電極205が収容できるように十分な長さとされてい
る。この本体部6cには、上記空圧バルブ9を取り付け
るためのバルブ取り付け口6bが形成されている。
【0049】そして、電解液注入用漏斗6の漏斗部6d
は、上記本体部6cに一体とされて、内側形状が略漏斗
形状に形成されている。すなわち、漏斗部6dは、その
内径が一端では上記本体部6cの内径とされ、他端では
注入口6aの内径とされ、そして、上記一端から上記他
端にかけて徐々に小さくなるように形成されている。
【0050】また、電解液注入用漏斗6の注入口6a
は、図1においての漏斗部6の下端面から突出されて設
けられている。そして、この注入口6aは、装着される
電池缶202の開口部203の形状に適応した形状とさ
れている。また、注入口6aには、装着する電池缶20
2の開口部203との密着性を確保するためのOリング
7が取り付けられている。
【0051】例えば、注入口6aの外側形状は、上記電
池缶202の開口部203の内側形状に対応して形成さ
れている。また、注入口6aの内径は、電池缶202を
接続した際に当該電池缶202から引き出されているリ
ード電極204に接触しないような径とされる。そし
て、この注入口6aの高さは、電池缶202の開口部2
03と接合するのに足りる長さとされ、短くされてい
る。
【0052】このように構成された電解液注入用漏斗6
の内部であって、バルブ取り付け口6bの反対位置が電
解液の収納部とされる滞留部13とされる。上記電解液
の滞留部13は、具体的には、上記電解液注入用漏斗6
が後述の図5に示すように、いわゆる水平方向に回転移
動された際に電解液注入用漏斗6の内部に必然的に構成
される部分であって、電解液が収容部される部分であ
る。すなわち、滞留部13は、図5に示すように電解液
注入用漏斗6が水平方向にされた状態において、注入口
6dより下方向位置であって、本体部6cの内側面を底
面とし、また漏斗部6c及び漏斗蓋8の内側面を側面と
して当該電解液注入用漏斗6内で構成される。
【0053】電解液注入用漏斗6の開放された上面を塞
ぐ漏斗蓋8は、略平板状に形成されている。この漏斗蓋
8には、上述した電解液注入用漏斗6内部で構成される
滞留部13に向かって斜めに穿設された電解液供給口8
aが設けられている。電解液供給口8aは、図6に示す
電解液注入ノズル4が挿入装着される部分となる。ま
た、漏斗蓋8には、電解液注入用漏斗6との密着性を高
めるための、Oリング10が取り付けられている。
【0054】そして、この電解液供給口8aを閉塞可能
とするように、漏斗蓋8に対して接離自在としてカバー
3を配設している。このカバー3は、略平板状に形成さ
れており、上記漏斗蓋8と対向される面には、上記漏斗
蓋8との密着性を高めるためのOリング11が取り付け
られている。このカバー3は、例えば、電解液注入ヘッ
ド2が水平状態とされた際に、後述する図6から図7に
示すように、電解液注入ヘッド2の漏斗蓋8に対して接
離自在に移動操作される。
【0055】また、電解液注入用漏斗6の側面に設けら
れている空圧バルブ9は、バルブ本体部9bと、バルブ
部9aとから構成されている。バルブ本体部9bは、滞
留部13に対向して形成された電解液注入用漏斗6のバ
ルブ取り付け口6bに対して取り付けられ、当該バルブ
取り付け口6bから延びる流路部9cを有している。こ
こで、この流路部9cは、ポンプ5と接続される。そし
て、空圧バルブ9は、バルブ本体部9bに対して形成さ
れた流路部9cを閉塞自在とするように、バルブ部9a
を配設している。バルブ部9aには、流路が形成され
て、当該バルブ部9aの回転によって、バルブ本体部9
bの流路9cを、いわゆる開及び閉状態にする。
【0056】このように構成された電解液注入ヘッド2
等は、電解液注入のために送られてくる電池缶202の
開口部203に上記注入口6aを接合することができる
ように、例えば、図1に示す矢印X方向に移動可能、す
なわち、電池缶202の開口部203に対して接離自在
に移動操作される。さらに、電解液注入ヘッド2は、図
示しない回転手段に支持されており、これによって回転
自在とされている。例えば、その回転は図示しない制御
手段によって制御される。
【0057】以上が電解液注入装置において、電池缶2
02に電解液を供給する手段である電解液注入ヘッド2
等の構成である。次に、このように構成された電解液注
入ヘッド2等によって行う電解液注入工程において電池
缶202に電解液を注入する動作について具体的に説明
する。なお、電解液注入工程のタイムチャートは、図2
に示すように、大きく分けて12のステップからなる。
このタイムチャートに従って図を用いて以下に説明す
る。
【0058】まず、ステップS1では、図3に示すよう
に、電解液注入ヘッド2に対して電池缶202の供給す
る。具体的には、電解液注入ヘッド2の注入口6aに対
向される位置に電池缶202の開口部203がくるよう
に供給される。
【0059】なお、電池缶202が供給される時点で
は、電解液注入ヘッド2は、注入口6aを下方に向かう
ように配設され、またカバー3もそれにならっている。
つまり、電解液注入ヘッド2及びカバー3は、いわゆる
垂直状態とされている。よって、このときの電解液注入
ヘッド2及びカバー3の中心線は、図3に示すように、
上下方向に延びる基準線O0と一致されている。また、
このとき、空圧バルブ9は、閉状態としておく。
【0060】続くステップS2では、図4に示すよう
に、電解液注入ヘッド2を降下させる。これにより、電
解液注入ヘッド2の注入口6aが電池缶202の開口部
203に装着されるとともに、リード電極204が電解
液注入ヘッド2内に収納される。ここで、リード電極2
04の先端付近は、電解液注入用漏斗6内に至って収容
されている。
【0061】そして、ステップS3では、図5に示すよ
うに、電解液注入ヘッド2及びカバー3が上記基準線O
0に対してその軸線O1が90度の角度をなすように回転
移動される。なお、このとき、電解液注入ヘッド2に保
持されて電池缶202も回転移動される。そして、この
状態、すなわち水平状態において、ステップS4では、
図6に示すように、電解液注入ヘッド2に対して電解液
が所定量供給される。具体的には、漏斗蓋8に穿設され
た電解液注入口8aに対して電解液注入ノズル4が装着
される。そして、電解液注入ノズル4から上記電解液注
入用漏斗6内の滞留部13に対して電解液250が供給
される。例えば、電解液注入ヘッド2に供給される電解
液量は、一個の電池に必要とされる量である。
【0062】なお、上記ステップS3に示す電解液注入
ヘッド2等を回転させる角度は、90度に限定されな
い。すなわち、例えば、上記ステップS4において、滞
留部13に所定量の電解液が供給された際に、電池缶2
02の内部に電解液250が流れ込まない角度であれば
よい。
【0063】また、電解液注入用漏斗6に供給された電
解液250は、リード電極204から離れて位置されて
いる漏斗蓋8に設けられた電解液供給口8aから供給さ
れている。よって、リード電極204から離れて電解液
供給口8aが設けれているので、リード電極204は、
電解液注入用漏斗6に対して供給される電解液250に
よる濡れを防止することができる。すなわち、従来にお
いては、リード電極の上方から供給される電解液によっ
て常に当該リード電極は濡れた状態とされていた。
【0064】さらに、漏斗蓋8に対して滞留部13に向
けて斜めに電解液供給口8aを設けているので、電解液
注入ノズル4からの電解液250が滞留部13に対して
直接的に供給されるので、リード電極204を濡らすこ
とのない電解液250の供給とされる。すなわち、例え
ば、漏斗蓋8に対して垂直に電解液供給口を設けた場
合、筒型電池缶202の開口部203の方向、つまりリ
ード電極204が位置する方向に向かって電解液供給ノ
ズル4から電解液250が供給されてしまうことにな
り、これによりリード電極204が濡れてしまうことが
考えられ、これを防止することができる。
【0065】なお、このように漏斗蓋8に対して滞留部
13に向けて斜めに形成された電解液供給口8aに、ノ
ズル部を長くした上記電解液供給ノズル4を用いること
によって、リード電極204の濡れの防止をより効果的
なものにすることができる。すなわち、ノズル部を長く
することによって、滞留部13により近づけられた、例
えばリード電極204と電解液250の液面との間に位
置された当該ノズル部の先端から、電解液250を供給
することができるようになり、これにより電解液250
の跳ねなどを防止することができる。
【0066】電解液注入ヘッド2に電解液250を供給
した後、ステップS5では、図7に示すように、カバー
3を上記漏斗蓋8に接合させ、当該漏斗蓋8の電解液供
給口8aを閉塞して、電解液注入ヘッド2の密閉状態を
作る。
【0067】続いて、ステップS6では、図8に示すよ
うに、電池缶202及び電解液注入ヘッド2の内部を真
空引きする。すなわち、空圧バルブ9のバルブ部9aを
回転させて開状態にして、ポンプ5によって電池缶20
2及び電解液注入ヘッド2の内部のガスを引いて真空状
態にする。
【0068】この真空引きは、上述したステップS4に
おいて、電解液注入ヘッド2が滞留部13に一旦収容さ
れた電解液250が電池缶202の内部に流れ込まない
ような状態でなされている。よって、この真空引きの工
程においては、電池缶202に電解液250が流入する
ことによるガスの発泡作用が防止されているので、リー
ド電極204への電解液250の付着が防止される。
【0069】また、空圧バルブ9を取り付けるバルブ取
り付け口6bを滞留部13に対向するように本体部6c
に設けているので、すなわち、滞留部13に収容された
電解液250の液面から離れた位置にバルブ取り付け口
6bを設けているので、電解液250の液面を乱すこと
なく電解液注入用漏斗6を真空引きすることができる。
これにより、リード電極204の濡れの防止をこの真空
引き過程においてさらに効果的なものにすることができ
る。なお、後述する電解液注入用漏斗6の加圧過程にお
いても、同様にリード電極204の濡れは防止される。
【0070】上記真空引きした後、ステップS7では、
図9に示すように、全体を徐々に垂直方向に起立させる
ように回転操作して、上記基準線O0に対して当該電解
液注入ヘッド2及びカバー3の軸線O1が45度の角度
をなすような状態にする。
【0071】この全体を起立させる回転操作によって、
電解液注入用漏斗6の滞留部13に収容されていた電解
液250が電池缶202の開口部203に流れ出し、電
池缶202の開口部203は電解液250によって塞が
れた状態となる。また、電池缶202から引き出されて
いるリード電極204は、この状態とされても、少なく
とも上記安全弁が溶接される先端付近が電解液250の
液面より上に位置され、電解液250によって濡れない
状態とされている。
【0072】すなわち、ステップS7では、電池缶20
2に注入される電解液250によって電池缶202の開
口部203が塞がれる状態とされるとともに、当該電解
液250の液面上にリード電極204の先端付近が位置
された状態とされる。換言すれば、電解液注入用漏斗6
の形状は、このような状態を可能にするように形成され
ており、また、電解液注入用漏斗6の傾斜角度について
も、この状態を満たす角度とされ、本例では45度とし
ている。
【0073】そして、ステップS8では、図10に示す
ように、電解液注入用漏6を大気圧力に開放した後、加
圧ポンプによって加圧する。例えば、電解液注入ヘッド
2内部を徐々に大気圧力に開放して、加圧する。
【0074】このような操作をすることによって、電池
缶202内部に電解液250の注入が促進される。すな
わち、例えば、電解液250は、その表面張力の影響な
く、電池缶202内にスムーズに注入される。
【0075】これは、電解液注入用漏斗6内部を加圧し
た際に、開口部203が電解液250によって常に塞が
れた状態とされていることによって、電解液250によ
って遮られた電解液注入用漏斗6の内部の圧力が電池缶
202の内部の圧力よりも高くされるためであり、この
圧力差が電解液250を電池缶202の内部に押し込む
作用として働くからである。
【0076】ここで、仮に電池缶202の開口部203
が電解液250によって塞がれていない状態で電解液注
入用漏斗6内が加圧された場合について考えてみる。例
えば、電解液注入用漏斗6の滞留部13から電池缶20
2に注入される過程において、電解液250の液面位置
が電池缶202内に入り込んだ場合である。このような
状態において、電解液注入用漏斗6を加圧すると、例え
ば真空圧力から大気圧力にすると、当該電解液注入用漏
斗6内ばかりでなく電池缶202の内部の圧力までが大
気圧力になり、電解液注入用漏斗6内部の圧力と電池缶
202内部の圧力とが同じになる。このように電解液注
入用漏斗6内と電池缶202内の圧力が同じになってし
まったのでは、電解液注入用漏斗6と電池缶202との
間に圧力差が生じなくなってしまう。すなわち、電解液
注入用漏斗6から電池缶202内に電解液250を押し
込む作用が働かなくなる。
【0077】よって、電解液注入用漏斗6内部を加圧す
る際に、開口部203を電解液250によって常に塞い
だ状態にして、電解液注入用漏斗6と電池缶202との
間に圧力差を生じさせることによって、当該電解液25
0を電池缶202に円滑且つ迅速に注入している。
【0078】さらに、大気開放後、電解液注入用漏斗6
の内部の圧力を徐々に加圧することによって、上記した
圧力差を大きくして、上記電解液250を電池缶202
に押し込ませる作用を大きくしている。
【0079】また、例えば、空圧バルブ9の調整を絞り
コントローラ等によって制御して、急激な圧力変化を防
止することもできる。これにより、急激な圧力変化によ
って電解液250の液面に生じる、いわゆる破裂を防止
でき、電解液250の飛散を防止できる。よって、急激
な圧力変化を防止して、電解液液面の破裂を防止するこ
とによって、リード電極204への電解液250の付着
を防止することができる。
【0080】続くステップS9では、図11に示すよう
に、上述した加圧状態を保持しながら全体を更に45度
起立させる。すなわち、電解液注入ヘッド2、カバー3
及び電池缶202を基準線O0位置に回転移動させ、上
記ステップS1における電池缶202が供給された際の
状態と同じ姿勢にする。
【0081】ここで、上記ステップS8から上記ステッ
プS9に移行する過程においては、上述した圧力差によ
る電解液250の押し込み作用を維持するために、常に
電解液250の液面に圧力が加わるように、電解液25
0によって電池缶202の開口部203を塞ぐように、
電解液注入ヘッド2等の姿勢を制御している。これによ
り、電池缶202は、起立させるように回転操作されて
いる間も、上記差圧による押し込み作用によって電解液
250が電池缶202にスムーズに注入することができ
る。また、ステップS9において、電解液注入用漏斗6
をいわゆる垂直状態にすることで、電解液250が電池
缶202内に完全に注入するまで、上記圧力差を保っ
て、電解液250の液面に圧力を常に加えた状態とする
ことができる。
【0082】また、電解液注入ヘッド2等の姿勢は、電
解液250によってリード電極204が濡れないような
制御でもある。すなわち、電解液注入ヘッド2等の姿勢
は、電解液250によって電池缶202の開口部203
を塞ぐようにしながら、電解液250によってリード電
極204が濡れないように制御される。
【0083】電解液注入ヘッド2等が完全に垂直状態と
されたステップS10では、図12に示すように、電解
液注入用漏斗6内の加圧状態が保持される。すなわち、
電解液注入用漏斗6内の加圧状態が保持されて、上述し
たように、電池缶202内に完全に電解液250が注入
される。
【0084】続くステップS11では、図13に示すよ
うに、カバー3及び電解液注入ヘッド2を上昇させる。
こにより、電解液250が注入された電池缶202が電
解液注入ヘッド2から取り外された状態とされる。
【0085】そして、ステップS12では、図14に示
すように、電池缶202が排出される。
【0086】以上のような電解液注入工程を経た電池缶
202は、次の工程である安全弁とリード電極204の
溶接工程において、リード電極204と上記安全弁とが
溶接される。よって、上記電解液注入工程において、電
解液250が供給される開口部203から引き出されて
いるリード電極204が電解液注入ノズル4から電解液
注入ヘッド2に電解液250が供給される過程の当該電
解液250、電解液注入ヘッド2の減圧過程にある電解
液250、そして、電池缶202に注入される過程の電
解液250によって濡れることもないので、リード電極
204と上記安全弁とを接触不良なく溶接することがで
きる。よって、品質の安定した電池を供給することがで
きる。
【0087】また、上述したように電池缶202の内部
と電解液注入用漏斗6の内部との間に圧力差が生じるよ
うに電解液注入ヘッド2の形状を決定し、さらに電池缶
202への注入過程にある電解液250の液面位置を制
御することによって、電池缶202に電解液250を円
滑且つ迅速に注入することができる。
【0088】すなわち、上述のような構成をなす電解液
注入ヘッド2等を有する電解液注入装置は、電池缶に電
解液を円滑且つ迅速に注入してもなお、リード電極と安
全弁との接触不良を防止することができる。
【0089】
【発明の効果】本発明に係る電解液注入装置は、略垂直
状態としたときに上面が開放されるとともに底部に電池
缶の開口部と当接される注入口を有し、略水平状態とし
たときに注入口よりも下方位置に電解液を収容する滞留
部を有する電解液注入部と、電解液注入部の開放された
上面を塞ぐ密閉部材とを備え、密閉部材には、電解液注
入部の滞留部に向かって斜めに電解液供給口が穿設さ
れ、電解液注入部の滞留部とは反対側の位置に当該電解
液注入部内の圧力を調整する圧力調整手段を設ているの
で、滞留部に向かって密閉部材に斜めに形成された電解
液供給口から電解液を注入することにより、リード電極
を濡らすことなく電解液を電解液注入部を供給すること
ができる。
【0090】また、電解液注入装置は、滞留部とは反対
側に位置して圧力調整手段を設けているので、滞留部に
収納されている電解液の液面を乱れの発生を防止するこ
とにより、リード電極の濡れを防いで、圧力を調整する
ことができる。
【0091】そして、電解液注入装置は、リード電極の
先端付近を濡らさないように、且つ電池缶の開口部を電
解液によって塞いだ状態を維持して、電池缶に電解液を
注入することによって、リード電極の濡れを防止しなが
らも、電解液注入部内部と電池缶内部との間に生じる圧
力差を利用して当該電解液を電池缶に円滑且つ迅速に注
入することができる。
【0092】よって、電解液注入装置は、リード電極と
安全弁との接触不良を防止して、品質の安定した電池を
供給することができる。
【0093】また、本発明に係る電解液注入方法は、リ
ード電極が引き出された電池缶の開口部に、略垂直状態
としたときに底部に電池缶の開口部と当接される注入口
を有し、略水平状態としたときに注入口よりも下方位置
に電解液を収容する滞留部を有する電解液注入部を装着
する装着工程と、電池缶及び電解液注入部を略水平状態
として滞留部に電解液を供給する電解液供給工程と、こ
の状態で電池缶内及び電解液注入部内を減圧する減圧工
程と、電池缶及び電解液注入部を徐々に垂直方向に起立
させ、滞留部内の電解液を電池缶内に注入する電解液注
入工程とを有し、電解液注入工程においては、常に電解
液によって電池缶の開口部を塞ぎ、電解液の液面に圧力
を加えながら電解液を電池缶内に注入する。
【0094】よって、電解液注入方法は、電解液注入工
程において、電池缶内から引き出されているリード電極
が突出されている根元の電池缶の開口部から電解液が注
入しているので、少なくともリード電極の先端付近を濡
らさずに電解液を電池缶に注入することができる。
【0095】また、この電解液注入方法は、電解液注入
工程において、常に電解液によって電池缶の開口部を塞
ぎ、電解液の液面に圧力を加えながら電解液を電池缶内
に注入しているので、電解液注入部の加圧時に、電池缶
の開口部を電解液によって塞いだ状態を維持することに
より電解液注入部内部と電池缶内部との間に生じる圧力
差を利用して当該電解液を電池缶に円滑且つ迅速に注入
することができる。
【0096】よって、電解液注入方法によれば、リード
電極と安全弁との接触不良を防止して、品質の安定した
電池を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態である電解液注入装置の備
える電解液注入ヘッドの構成を示す断面図である。
【図2】上記電解液注入装置が電解液を電池缶に注入す
る工程のタイムチャートである。
【図3】上記タイムチャートのステップS1における状
態と示すものであって、電解液注入ヘッドに対して電池
缶が供給されたときの様子を示す図である。
【図4】上記タイムチャートのステップS2における状
態を示すものであって、電解液注入ヘッドを下降させて
電池缶を当該電解液注入ヘッドの注入口に装着したとき
の様子を示す図である。
【図5】上記タイムチャートのステップS3における状
態を示すものであって、電解液注入ヘッド等を90度回
転させたときの様子を示す図である。
【図6】上記タイムチャートのステップS4における状
態を示すものであって、電解液注入ヘッドへ電解液を供
給するときの様子を示す図である。
【図7】上記タイムチャートのステップS5における状
態を示すものであって、電解液注入ヘッドに対してカバ
ーを接合して、密閉状態を作ったときの様子を示す図で
ある。
【図8】上記タイムチャートのステップS6における状
態を示すものであって、電池缶の内部及び電解液注入ヘ
ッドの内部を真空引きするときの様子を示す図である。
【図9】上記タイムチャートのステップS7における状
態を示すものであって、電解液注入ヘッド等を起立する
方向に45度回転させたときの様子を示す図である。
【図10】上記タイムチャートのステップS8における
状態を示すものであって、電池缶の内部を大気圧に開放
した後、加圧するときの様子を示す図である。
【図11】上記タイムチャートのステップS9における
状態を示すものであって、電解液に圧力がかかるように
保持しながら電解液注入ヘッド等を更に起立させる方向
に45度回転させたときの様子を示す図である。
【図12】上記タイムチャートのステップS10におけ
る状態を示すものであって、電解液注入用漏斗の内部の
加圧状態を保持して、電池缶に電解液を全て注入すると
きの様子を示す図である。
【図13】上記タイムチャートのステップS11におけ
る状態を示すものであって、カバー及び電解液注入ヘッ
ドを上昇させるときの様子を示す図である。
【図14】上記タイムチャートのステップS12におけ
る状態を示すものであって、電解液注入ヘッドから電池
缶を電池を排出するときの様子を示す図である。
【図15】従来の電解液注入装置の構成を示す断面図で
ある。
【図16】上記従来の電解液注入装置が電解液を電池缶
に注入する工程のタイムチャートである。
【図17】上記従来の電解液注入装置に電池缶が供給さ
れたときの様子を示す図である。
【図18】上記従来の電解液注入装置が電池缶に装着さ
れたときの様子を示す図である。
【図19】上記従来の電解液注入装置が電解液供給用漏
斗にノズルを移動したときの様子を示す図である。
【図20】上記従来の電解液注入装置が電池缶に電解液
を注入しているときの様子を示す図である。
【図21】上記従来の電解液注入装置が電池缶への電解
液の供給を終了したときの様子を示す図である。
【図22】上記従来の電解液注入装置によって注入され
た電解液が電池缶に浸透する過程を示す図である。
【図23】上記従来の電解液注入装置によって注入され
た電解液が電池缶に浸透終了した様子であって、電解液
によってリード電極が濡れた状態を示す図である。
【図24】上記従来の電解液注入装置が電池缶を排出す
る直前の様子を示す図である。
【図25】上記従来の電解液注入装置によって電解液が
注入された電池缶の様子を示すものであって、濡れたリ
ード電極を安全弁に溶接するときの様子を示す図であ
る。
【図26】電解液によって濡れたリード電極の拭き取り
工程を示す図である。
【符号の説明】
6電解液注入用漏斗、6a 注入口、8 漏斗蓋、8a
電解液注入口、9空圧バルブ、13 滞留部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年9月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】この電解液注入方法は、装着工程におい
て、リード電極が引き出された電池缶の開口部に電解液
注入部を装着し、電解液供給工程において、電池缶及び
電解液注入部を略水平状態とした状態において当該電解
液注入部の注入口より下方に位置された滞留部に電解液
を供給し、減圧工程において、同状態で電池缶内及び電
解液注入部内を減圧し、そして、電解液注入工程におい
て、電池缶及び電解液注入部を徐々に垂直方向に起立さ
せて、滞留部内の電解液を電池缶内に注入する。また、
電解液注入方法は、上記電解液注入工程において、常に
電解液によって電池缶の開口部を塞ぎ、電解液の液面に
圧力を加えながら電解液を電池缶内に注入する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正内容】
【0052】このように構成された電解液注入用漏斗6
の内部であって、バルブ取り付け口6bの反対位置が電
解液の収納部とされる滞留部13とされる。上記電解液
の滞留部13は、具体的には、上記電解液注入用漏斗6
が後述の図5に示すように、いわゆる水平方向に回転移
動された際に電解液注入用漏斗6の内部に必然的に構成
される部分であって、電解液が収容される部分である。
すなわち、滞留部13は、図5に示すように電解液注入
用漏斗6が水平方向にされた状態において、注入口6d
より下方向位置であって、本体部6cの内側面を底面と
し、また漏斗部6c及び漏斗蓋8の内側面を側面として
当該電解液注入用漏斗6内で構成される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0084
【補正方法】変更
【補正内容】
【0084】続くステップS11では、図13に示すよ
うに、カバー3及び電解液注入ヘッド2を上昇させる。
これにより、電解液250が注入された電池缶202が
電解液注入ヘッド2から取り外された状態とされる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図17
【補正方法】変更
【補正内容】
【図17】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図18
【補正方法】変更
【補正内容】
【図18】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図19
【補正方法】変更
【補正内容】
【図19】
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図20
【補正方法】変更
【補正内容】
【図20】
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図21
【補正方法】変更
【補正内容】
【図21】
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図22
【補正方法】変更
【補正内容】
【図22】
【手続補正10】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図23
【補正方法】変更
【補正内容】
【図23】
【手続補正11】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図24
【補正方法】変更
【補正内容】
【図24】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略垂直状態としたときに上面が開放され
    るとともに底部に電池缶の開口部と当接される注入口を
    有し、略水平状態としたときに上記注入口よりも下方位
    置に電解液を収容する滞留部を有する電解液注入部と、 上記電解液注入部の開放された上面を塞ぐ密閉部材とを
    備え、 上記密閉部材には、上記電解液注入部の上記滞留部に向
    かって斜めに電解液供給口が穿設され、 上記電解液注入部の上記滞留部とは反対側の位置に当該
    電解液注入部内の圧力を調整する圧力調整手段が設けら
    れていることを特徴とする電解液注入装置。
  2. 【請求項2】 リード電極が引き出された電池缶の開口
    部に、略垂直状態としたときに底部に電池缶の開口部と
    当接される注入口を有し、略水平状態としたときに上記
    注入口よりも下方位置に電解液を収容する滞留部を有す
    る電解液注入部を装着する装着工程と、 上記電池缶及び電解液注入部を略水平状態として上記滞
    留部に電解液を供給する電解液供給工程と、 この状態で上記電池缶内及び電解液注入部内を減圧する
    減圧工程と、 上記電池缶及び電解液注入部を徐々に垂直方向に起立さ
    せ、上記滞留部内の電解液を電池缶内に注入する電解液
    注入工程とを有し、 上記電解液注入工程においては、常に電解液によって電
    池缶の開口部を塞ぎ、電解液の液面に圧力を加えながら
    電解液を電池缶内に注入することを特徴とする電解液注
    入方法。
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