JPH11153411A - 段差検知装置およびこれを用いた処理装置 - Google Patents

段差検知装置およびこれを用いた処理装置

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JPH11153411A
JPH11153411A JP18295698A JP18295698A JPH11153411A JP H11153411 A JPH11153411 A JP H11153411A JP 18295698 A JP18295698 A JP 18295698A JP 18295698 A JP18295698 A JP 18295698A JP H11153411 A JPH11153411 A JP H11153411A
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illumination
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昌孝 白土
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勉 斎藤
Hiroshi Shimura
啓 志村
Yoshinori Motomiya
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Abstract

(57)【要約】 【課題】書状面上の印刷などに影響を受けることなくそ
の書状面上の凹凸形状を正確に検出できるように、形状
読み取り精度の向上を図る。 【解決手段】照明領域220は、左方向からの照明光4
10によって照射される複数の小照射領域221と、右
方向からの照明光415によって照射される複数の小照
射領域222とに分割されている。小照射領域221と
小照射領域222は一つおきに交互に並んで配置され
る。隣接する小照射領域間の境界をまたいでラベル21
0のエッジ部が存在する場合には、それら小照射領域間
の境界において輝線が暗線に、またはその逆への遷移を
起こし、それら隣接する小照射領域間で明暗の不連続性
を生ずる。これを検出することで、書状200面上の印
刷などに影響を受けることなく、ラベル210のエッジ
部の位置を精度良く検知することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば郵便物の宛
名ラベルや宛名表示用セロハン窓(宛名窓)の位置およ
び領域検出装置等に用いられる段差検知装置およびこれ
を用いた処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、郵便用封筒など書状の表面に貼ら
れた宛名ラベルの領域検知には、単に書状面の画像を撮
像して、画像の濃淡の情報から、宛名ラベルと思しき適
当な大きさの適当な位置にある長方形の領域を検知する
という方法が用いられてきた。この方法はある程度有効
に作用するものではあるが、宛名ラベルと書状面の地が
同色である場合や、書状面にラベルのように見える絵が
描いてあるような場合に影響を受ける可能性がある。
【0003】また、従来、宛名窓(光学的に反射率の高
い透明な紙、例えばセロハン・パラフィン等で覆われた
窓部分)の検知には、照明光の正反射光成分を検知する
方法が用いられてきた。特公昭58−45305号公報
(特許番号第1377041号)にはその例が見られ
る。この方法は、もちろん宛名窓検知専用の方法であ
り、宛名ラベルの検知は別に行なう必要がある。
【0004】また、これら以外に宛名ラベルや宛名窓の
検知に応用可能と思われる段差および凹凸検知方式も、
従来より数種類知られている。まず、斜め照明によって
段差エッジによる影や散乱光を読み取る方式がある。図
38に、単純な斜め照明により書状面の段差を読み取る
構成を示す。本構成は、郵便用封筒等の多数の書状の表
裏を自動的に取り揃えて押印する書状取り揃え押印機に
搭載されたものであり、書状のフラップ(郵便書状の折
り返し封緘部)を検知して書状の表裏を判別することを
目的とするものである。特公平05−7750号公報に
同様の構成が記載されている。
【0005】図38に示されているように、ハロゲンラ
ンプを出た光線は、平行化レンズにより平行化され、書
状を大入射角(入射角は、法線と入射光線の成す角の意
味)で斜め方向から照射する。撮像レンズとCCDセン
サによりなる撮像部は、書状を垂直方向から撮像して、
段差部において生じた影を検出することにより、フラッ
プによる段差の位置を検知する。
【0006】しかし、このように単純に斜め照明を行な
って影や散乱光を検出する方法では、書状面の印刷内容
の影響を受ける可能性がある。例えば、書状の表面に黒
い直線が印刷してあった場合には、これを読み取った出
力が書状表面に貼り重ねられた宛名ラベルのエッジを読
み取ったときの出力や、書状裏面のフラップを読み取っ
たときの出力と区別しにくい場合が考えられる。
【0007】その他、斜め照明を利用した代表的な段差
検知装置としては、図39に示すオーストラリアのSC
HRACK社の製品SERRATION READER
BML3Dがある。これは郵便切手専用のエッジ検知
装置である。図39に示されているように、この装置に
おいては、平行光線によりなる照明光は切手の貼りつけ
られた面上のライン状領域を斜め方向から大入射角で照
明する。
【0008】そして、その領域をラインイメージセンサ
で読み取る。ラインイメージセンサの読み取り領域(図
中、CCD AREA)は切手の縦の辺とほぼ平行とな
るようにする。切手ミシン目の各パンチ穴に相当する部
分は斜め照明の効果により、穴の上側に影が生じ、穴の
下側は照明光を散乱して明るく光る。
【0009】これをラインイメージセンサで読み取る
と、ちょうど切手のミシン目の間隔に合わせた周期の信
号が得られる。この信号を予め用意した参照パターンと
照合することにより、切手のミシン目つきエッジを検知
するというものである。
【0010】この方式は切手にミシン目のようなギザギ
ザがついていることを最大限利用して、検知の確度を向
上している。このため、宛名ラベルのように各辺が直線
により構成されている場合には適用できない。
【0011】また、他の表面凹凸検知法としては、図4
0に示す三角測量法が知られている。図は照晃社198
9年刊「応用光エレクトロニクスハンドブック」より引
用した。図中、半導体レーザ光源を発したレーザ光を被
測定点に当て、斜め方向からそのスポットを観測する。
【0012】スポットは結像レンズによりポジションセ
ンサ上に像を形成する。被測定点の高さにより、ポジシ
ョンセンサ上のスポット像の位置が変化するため、これ
を検知して被測定点の高さを検知することができる。キ
ーエンス社の可視光レーザ式変位センサLB−1000
シリーズ(LB−1000/LB−040)などがこの
方式を用いている。
【0013】この方式においては、測定は一時に1点の
み行なわれるため、宛名ラベルのように面的広がりを持
った領域の凹凸形状を測定するためには、検知装置をア
レイ状に並べて、その下を書状を搬送させる必要があ
る。このため、個々のセンサの小型化には限界があるこ
とも考えると、分解能やコスト的には不利である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の宛名ラベル・宛名窓検知装置や斜め照明による段差検
知装置においては、書状面上の印刷や地の模様による反
射率分布の変化が段差形状の読み取り結果に影響を与
え、正確に段差位置を検出することができないという問
題があった。
【0015】また、その他の、切手のエッジ検知の方式
や三角測量法による凹凸検知は、そのままでは、宛名ラ
ベルのような面的広がりと直線状のエッジをもった領域
の凹凸検知には適用できないという問題があった。
【0016】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
ものであり、書状面の印刷内容等による測定面の反射率
分布の影響を低減できるようにして、書状面上の宛名ラ
ベルや宛名窓などの位置を高精度に検知することが可能
な段差検知装置およびこれを用いた処理装置を提供する
ことを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、被検物に照明光を照射する照明手段と、
この照明手段によって照明光が照射された領域の画像を
入力する撮像手段とを具備し、これら照明手段および撮
像手段を用いて前記被検物上の段差を光学的に検知する
段差検知装置において、前記被検物面上をそれぞれ2次
元の領域から成る複数の小照射領域に分割し、隣接する
小照射領域に互いに異なる方向から照射光が照射される
ように構成したものである。
【0018】すなわち、本発明に係る段差検知装置で
は、被検物面上がそれぞれ2次元の領域から成る複数の
小照射領域に分割され、隣接する小照射領域に対して互
いに異なった方向から照明光が照射される。
【0019】そして、イメージセンサ等でそれら小照射
領域から構成される被検物面の画像を得ることにより、
被検物となる郵便物などの書状の地の模様などの影響を
ほとんど受けずに段差の位置を検知できるようにしてい
る。
【0020】例えば、宛名ラベル付きの書状を斜め方向
から平行光線によって照明すると、斜め照明の効果によ
り、宛名ラベルの段差部においては段差の向きに応じて
暗線もしくは輝線が現れる。
【0021】段差の段の高い側から斜め照明を行なった
場合には段差部に影が生じ、段の低い側から斜め照明を
行なった場合には段差部に輝線が生じる。段差となって
いない部分においては、どちら側から照明を行なった場
合でも、照度に差は無い。
【0022】以上のことより、右側から斜め照明して撮
った画像と左側から斜め照明して撮った画像とでは、段
差の部分で明暗が反転している以外は同じ画像となる。
したがって、隣接する小照射領域間で互いに異なる方向
から照明光を照射することによって画像を撮像し、そし
て、その撮像画像内の各小照射領域の境界において特徴
的に照度が変化している部分を画像処理等によって検知
することにより、宛名ラベルのエッジに対応する段差部
を検知することができる。
【0023】すなわち、ある小照射領域内で暗線であっ
たものが、隣の小照射領域内に入ったところで輝線に変
化していれば、その直線は宛名ラベルのエッジである可
能性が高い。
【0024】反対に、ある小照射領域内で暗線であった
ものが、隣の小照射領域内に入っても暗線であり、小照
射領域の境界部において照度の不連続的な変化が見られ
ない場合には、それは書状面に印刷してある単なる黒い
直線である可能性が高い。したがって、書状面の印刷内
容等による反射率分布の影響を受けずに、書状面上の宛
名ラベルや宛名窓などの位置を高精度に検知することが
可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。
【0026】(第1の実施形態)図1には、本発明の第
1実施形態に係る段差検知装置の全体の構成が示されて
いる。また、図2は、図1の段差検知装置を手前方向か
ら見た場合の正面図である。本第1実施形態の段差検知
装置は、例えば郵便物の宛名ラベルや宛名表示用セロハ
ン窓(宛名窓)の位置および領域検出装置等に用いられ
るものであり、照明部・撮像部・画像処理部の3部分か
ら構成される。
【0027】照明部は郵便物などの書状に対して左右両
方向から照明光を大入射角で照射するものであり、多数
の平行で等間隔な照明ビームをそれぞれ発する2つの照
明装置310および315から構成される。
【0028】照明装置310から発射された照明光41
0は左斜め上方向から、照明装置315から発射された
照明光415は右斜め上方向から、図示しない搬送装置
によって副走査方向230へ搬送される書状200の面
上の直線状の読み取り領域220をそれぞれ同時に照明
する。
【0029】これら照明光410と照明光415の入射
角、つまり書状200面の法線と成す角度は等しく、各
々70°程度である。また、両照明装置310,315
の照明能力は互いに等しく、この系を真上から見たと
き、両照明装置310,315は読み取り領域220に
対して対称な位置にある。読み取り領域220は、副走
査方向230と垂直、つまり主走査方向と平行な長手方
向を持つライン状領域であり、このライン状領域の画像
が撮像部を構成するCCDラインイメージセンサ540
によって読みとられる。
【0030】読み取り領域220に照射される照明光4
10,415は前述のようにそれぞれ多数の平行で等間
隔な照明ビームからなり、照明光410の照明ビームは
多数の照射スポット221を照射し、また照明光415
からの照明ビームは多数の照射スポット222を照射す
る。また、書状200面が平面である場合、照明光41
0と照明光415の両方により、直線状の読み取り領域
220上は均一な照度で照明されるようになっている。
【0031】照明光410の照明する多数の照射スポッ
ト221と照明光415の照明する多数の照射スポット
222は、図3に示されているように、直線状の読み取
り領域220上において一つおきに互い違いに(22
1,222,221,222,…と)等間隔に並んでい
る。
【0032】書状200は直線状の読み取り領域220
の長手方向と直交する搬送方向230に搬送されるの
で、読み取り領域220によって書状200面上全体が
右から左方向に走査されることになる。
【0033】したがって、多数の照射スポット221,
222もそれぞれ書状200面上全体にわたって右から
左方向に走査され、これにより書状200面全体は照射
スポット221,222の軌跡に沿って、搬送方向23
0と平行な細長い多数の小照射領域に分割される。
【0034】この様子を図5に示す。すなわち、書状2
00面の撮像画像は、左方向からの照明光310による
多数の小照射領域321と右方向からの照明光315に
よる多数の小照射領域325とから構成され、かつそれ
ら小照射領域321と小照射領域325とが一つおきに
交互に並んで配置されることになる。
【0035】また、図1に示されているように、 直線
状の読み取り領域220の上方には結像レンズ530が
位置し、さらにその上方に位置するCCDラインイメー
ジセンサ540上にその像を結像し、撮像する。書状2
00が副走査方向230へ搬送されることにより、CC
Dラインイメージセンサ540は書状200全体の画像
を撮像し、出力する。こうして得られた画像データは画
像処理部100へ送られ、そこで段差位置情報が抽出さ
れる。
【0036】上記のような櫛形の照明を実現するため
に、照明装置310,315の各々は図4に示すような
構成となっている。図4中、ハロゲンランプ101が発
した光は、平行化レンズ102を通して平行化される。
【0037】さらにこの平行光は多数の等間隔の穴のあ
いたスリット103を通して多数の平行光線束となり、
複数の照射スポット221または222を右側または左
側から櫛形に照明する。照明の間隔を等間隔とすること
により、照射スポット221と222との間の位置合わ
せの簡易化や、画像処理部100による処理の簡易化な
どの効果が期待できる。
【0038】ここで、このような照明部および撮像部を
用いて得られる画像について説明する。
【0039】図1に示すような照明部・撮像部により得
られた画像は、ラベルエッジ等の段差部を除いた部分に
ついては、両側から照明を当てる通常の照明によるもの
と同じものとなる。
【0040】つまり、単に書状200面上の濃度分布ま
たは反射率分布を反映した画像が得られる。しかし、ラ
ベルエッジ部、特に搬送方向230と直交する主走査方
向のエッジにおいては、斜め照明(大入射角の平行光に
よる照明)の効果によって、左右のどちら側から照明さ
れているかにより出力画素の値が異なる。
【0041】つまり、照明方向とエッジの向きに応じ
て、輝線あるいは暗線が生じる。具体的には、エッジ部
において段差の段の高い側から斜め照明を行なった場合
にはそこに暗線が生じ、段の低い側から斜め照明を行な
った場合にはそこに輝線が生じる。
【0042】したがって、隣接する小照射領域間の境界
をまたいでラベルエッジ部が存在する場合には、それら
小照射領域間の境界において輝線が暗線に、またはその
逆への遷移を起こし、それら隣接する小照射領域間で明
暗の不連続性を生ずる。このような画像の例を図5に示
す。
【0043】図5において、宛名ラベルの左右のラベル
エッジはほぼ直線であるが、この直線に沿って、櫛形照
明の間隔に対応した特定の周期、かつ特定の位相で輝線
と暗線が交互に入れ替わり、これによってラベルエッジ
部に図示破線のような画像が得られる。
【0044】この信号の周期と位相を検出することによ
りラベルエッジなどの段差の存在を知ることができる。
ラベルの右端と左端のエッジでは同様の画像が得られる
が、エッジ部の信号の位相は反転したものとなる。つま
り、右端の輝線の部分が左端では暗線になり、右端の暗
線の部分が左端では輝線になる。これよりラベルの右端
と左端を識別することも可能である。
【0045】具体的にエッジを検知するためには、パタ
ーンマッチングなどの方法を用いることができる。例え
ば、CCDラインイメージセンサ540の主走査方向の
読み取り密度は、1mmにつき1画素であるとする。ま
た、照明領域220は1つの小照射領域が2mmの幅を
持つものとする。
【0046】つまり、CCDラインイメージセンサ54
0の1番目と2番目の画素が右側照明の領域を撮像する
なら、3番目と4番目の画素は左側照明の領域で、5番
目と6番目の画素は再度右側である、ということであ
る。
【0047】この場合、主走査方向と平行な幅4cmの
ラベル210のエッジが読み取り領域内に入って来た場
合には、このラインに関してラベルエッジ部の幅4cm
の長さにわたって2画素毎に明暗が反転する。段差の無
い、ラベル等のエッジ以外の部分においては、特に照明
の方向によって変化が現れることは無く、単に書状面の
画像が得られる。
【0048】このような画像に対して、主走査方向に細
長い、長さ1cm程度の参照パターンを用意し、この参
照パターンと画像との相関を、参照パターンを主走査方
向に1画素ずつずらしながらとることにより、照明方向
の変化と同期して変化する信号の成分を発見することが
できる。
【0049】文字など、書状面上の1cm程度の範囲に
おける細かい濃度変化は、1cm程度よりも十分大きな
領域内においては完全に照明方向の変化と同期している
ということは滅多に無いため、この領域内において相関
をとることにより、その影響をほとんど現れなくするこ
とが可能である。
【0050】また、書状200面上の地の模様など、1
cm程度よりも大きな範囲にわたってなだらかに変化す
る濃度変化についても、参照パターンと相関をとること
により影響が無くなる。このようにして、エッジ部を検
知することが可能である。
【0051】さらに、画像処理部100において、上述
の方法により検知した段差部の位置情報から、ラベル等
による段差領域も検知する。図5に示す撮像部の出力に
おいて、宛名ラベルの右側および左側の辺に、小照射領
域321と322の配列に対応した破線状模様が現れ
る。
【0052】これにより、これら2辺が段差部を表すこ
とが検知される。さらに、この2辺は長さおよび位置が
左右対応しており、また、左辺で輝線となっている部分
は右辺では暗線、左辺で暗線となっている部分は右辺で
は輝線となっている。
【0053】これにより、この2辺はある方形の段差領
域の左辺と右辺であることが推測でき、方形の段差領域
が検知できる。画像処理部100においては、このよう
な処理を行なうことにより、書状200に貼りつけられ
た宛名ラベル210の領域を検知することが可能とな
る。
【0054】本第1実施形態においては、左右の方向か
らラベル等の貼りつけられた平面を照射するため、左右
方向に伸びる段差部に対しては、右照明と左照明で出力
に差が無い。つまり、副走査方向に平行なラベル210
の上下の2辺を検知できない。
【0055】しかし、本第1実施形態の場合、書状20
0面上に貼られたラベル210の各辺ではなく、そのラ
ベル210の位置および領域を検知することが目的であ
る。
【0056】ラベル210はほとんどの場合長方形であ
るので、向かい合う左右2辺の位置が分かれば、上下2
辺が検知できなくとも、ラベル210の占める方形の領
域を確定することができる。このため、本第1実施形態
の目的は十分満たされる。
【0057】次に、本第1実施形態による段差検知装置
の効果について説明する。櫛形に2方向から照明を行な
う方法により得られる画像は、従来の櫛形構造の無い一
様な照明によって得られる書状200面の濃度分布を反
映したものと非常に似ているが、ラベルのエッジ部にお
いては特定周期かつ特定位相の信号で変調が掛かったも
のとなる。
【0058】この特定周期・特定位相を持つ特徴的な信
号をパターンマッチング等の手法を用いて抽出すること
により、書状200面の濃度分布に影響されずにラベル
等のエッジ部だけを容易に検知することが可能となる。
【0059】さらに、本第1実施形態にかかる段差検知
装置を、例えば郵便物宛名読み取り区分機に組み込むこ
とにより、宛名認識部において宛名の記載されている宛
名ラベルや宛名窓の領域を素早く正確に検知して、宛名
の認識率を向上することが可能である。
【0060】上述のように、イメージセンサ540によ
る出力画像は、地の模様の影響を受けるが、上記照明に
かかる小照射領域321,322の間隔を、地の模様の
影響を受けにくいように調節することにより、この影響
を軽減もしくは消滅させることができる。地の模様の場
合、各小照射領域の境界のある1箇所で偶然濃度が変化
することはあっても、何周期にも渡って各小照射領域の
境界で濃度が変化し続けることはほとんどない。
【0061】したがって、各小照射領域の間隔と参照パ
ターンの大きさ(小照射領域いくつ分の大きさか)を適
切に選ぶことにより、地の模様の影響をほとんどの場合
において回避することができる。
【0062】以上、本発明の第1実施形態について詳細
に説明したが、本発明はこの第1実施形態の構成に限定
されるものではない。例えば、段差を検知する画像処理
部は、パターンマッチングを利用したものに限らず、段
差部分を検知するためのその他のどのような方法を用い
たものであってもよい。
【0063】他の画像処理部の構成として、画像データ
を時系列信号に変換して、パターンに対応する周波数の
成分を抽出するフィルタを用いても、簡便な検知を実現
できる。
【0064】また、他の画像処理部の構成として、画像
のトレースによるものがある。これは、撮像部により出
力された画像から、暗線・輝線とみなされるものをトレ
ースし、照明方向の切り替わる小照射領域境界におい
て、これらの曲線の出力画素値が不連続的に変化してい
るか否かをチェックする。
【0065】これらの暗線・輝線が段差によるものであ
れば、小照射領域境界において出力画素値が不連続に変
化するはずであるので、これを用いてこの曲線が段差に
よるものかどうかを判定することが可能である。
【0066】この構成を用いることにより、段差部がラ
インイメージセンサ540の主走査方向から大きく外れ
ている場合や、段差部が曲線である場合においても、問
題無く段差部を検知できる。
【0067】また、他の画像処理部の構成として、補間
と差分を用いたものがある。これは、撮像部により出力
された1枚の画像から、右照明の領域の画素と左照明の
領域の画素を分離して2枚に分け、各々の画像のうち欠
けている画素を周りの画素から補間して、完全な右照明
の画像と完全な左照明の画像を構成する。
【0068】そして、これら2枚の画像の各画素ごとの
差をとって、もう一枚の画像(差分画像)を得る。全体
を右照明して得られた画像と全体を左照明して得られた
画像は、段差の部分以外は全く同じ画像となるはずであ
るので、右照明の画像を補間して得られる画像と左照明
の画像を補間して得られる画像との間にも、近似的に同
じことが成り立つと言える。
【0069】したがって、差分画像は段差の位置におい
てのみ値を持ち、その他の位置においては画素値は相殺
されて0になる。このようにして段差の位置を検知する
ことが可能である。この構成を用いることにより、画像
処理部の実装が非常に容易になり、かつ高い性能を発揮
する。
【0070】照明部の実現方法は、図4で説明した平行
化レンズ101とスリット103を用いたものに限らな
い。このスリットを透過した光をさらに結像レンズを用
いて照射部に導いてもよい。
【0071】十分な焦点深度を確保することにより、こ
の方法によって照明光の平行度を上げ、検知の精度を向
上できる。また、レンズアレイ等を用いて照射部におい
て明るい部分と暗い部分が交互に現れるようにしたもの
であってもよい。この方法によって、特性の調整の容易
化や、機器の小型化が図れる可能性がある。
【0072】また、スリットを用いた場合においても、
高度に平行化された光源は必ずしも必要ではない。スリ
ットを用いて櫛形照明を実現した別の例を図6、図7に
示す。図6は段差検地装置を正面から見た図であり、ま
た図7は上から見た図である。この構成では、光源とし
て図示しないハロゲンランプを用い、ここから出た光を
ライン型ライトガイドを用いて導き、これが照明光41
0,415として用いられる。
【0073】ライン型ライトガイドとは、光ファイバを
多数束ねたもので、出射側の端は細長くライン状に並べ
替えられていて、通常は、ライン状の領域を照明するた
め用いられるものである。被照射部直近には図示のよう
な櫛形のスリット430,435を置くことにより、櫛
形の照明を実現する。
【0074】ライン型ライトガイドを構成する光ファイ
バーからは、光がある広がり角をもって発するが、この
広がり角の典型的な値は中心軸の両側に各々15度程度
である。このように必ずしも平行光と言えないような光
源を用いても、この照明ビームの広がり角が、スリット
のピッチをスリットと書状面の間隔により除した比に対
して十分小さければ、十分目的は達成される。
【0075】中心軸から15度の広がりを持つような光
源の場合、出射口から単位長さ離れた面上において、単
位長さの0.5倍の全幅に広がる。このとき、スリット
430,435と書状200面との間隔は、各スリット
のピッチの少なくとも同程度以下にすることが、十分な
変調を掛ける上で必要である。逆に、スリット430,
435と書状200面の距離を短くすることにより、こ
のようなライン状配列の光源の平行度に対する要求を緩
和することができる。
【0076】また、CCDラインイメージセンサ504
の読み取り領域を照明する際、照射方向は左方向と右方
向の2方向である必要は無く、それ以上の複数の方向か
ら照射してもよい。
【0077】本第1実施形態では、前述したように書状
200面上に貼られたラベル210の、主走査方向に平
行なエッジは検知できるが、副走査方向に平行なエッジ
を検知することは難しい。照明光を2方向から当てる場
合、このようにエッジ検知の難しくなる方向が1方向存
在する。しかし、照明方向を3方向以上に増やして検知
困難な向きを無くすことによりこの問題を回避すること
が可能である。
【0078】また、書状200の搬送される方向とライ
ンイメージセンサの向きは、必ずしも直交している必要
はない。書状200の搬送される方向(副走査方向23
0)とラインイメージセンサ540の主走査方向の成す
角度を調節することによって、主に検知したいエッジの
向きの検知が難しくならないようにすることもできる。
【0079】例えば、書状200が右から左へ搬送され
るとき、CCDラインイメージセンサ540を右上から
左下にかけてのライン状領域を読み取るように設置す
る。そして、右下方向および左下方向から大入射角の櫛
形の照明を行なう。
【0080】このようにすることにより、宛名ラベルの
副走査方向230に垂直な向きの辺だけでなく、副走査
方向230に平行な向きの辺によっても暗線および輝線
が生じ、副走査方向230に平行なエッジの検知が可能
となる。
【0081】また、平面を照射したときの、各方向から
の照明光による照度は、等しくなっている必要は無く、
互いに異なっていてもよい。このような場合には、シェ
ーディング補正処理部で補正する。
【0082】また、各方向からの照明光は同一の性質の
ものである必要は無く、例えば右上方からの照明がハロ
ゲンランプ光源で左上方からの照明が蛍光灯光源であっ
てもよい。これらの場合、適切な補正部で補正を行なう
ことにより、複数の光源の特性を細かく一致させるため
の調整にかかる労力・費用を省くことができる。
【0083】このような種々の変形が可能であるが、本
発明の趣旨を逸脱しない限り、これらの変形は全て本発
明に含まれるものである。
【0084】(第2の実施形態)以下、本第2実施形態
に係る段差検知装置は図1で説明した第1実施形態と同
様に照明部・撮像部・画像処理部の3部分から構成され
るものであり、撮像部には、図1のCCDラインイメー
ジセンサ540の代わりに、 CCDエリアイメージセ
ンサが用いられ、これにより例えば書状200面全体に
対応する2次元の読み取り領域上の画像が一度に読み取
られる。
【0085】照明部は、2次元の読み取り領域を図8に
示すような亀の甲良状の細かな小照射領域に分割して、
各々の領域を大入射角(法線と光線が成す角度が70°
程度)の照明光により照射する。
【0086】このとき、隣接する小照射領域は異なった
向きから照明を行なうようにする。図8の各小照射領域
内には、その小照射領域の照射方向を読み取り面内に射
影したものを矢印で示す。撮像部により撮像された画像
データは、画像処理部により処理され、段差部分の位置
データが抽出されて出力される。
【0087】画像処理部における処理の例として、画像
のトレースによる方法を説明する。これは、撮像部によ
り出力された画像から、暗線・輝線とみなされるものを
トレースし、照明方向の切り替わる小照射領域境界にお
いて、これらの曲線の出力画素値が不連続的に変化して
いるか否かをチェックする。
【0088】これらの暗線・輝線が段差によるものであ
れば、小照射領域境界において出力画素値が不連続に変
化するはずであるので、これを用いてこの曲線が段差に
よるものかどうかを判定することが可能である。
【0089】なお、画像処理部における段差位置情報抽
出方法は、画像のトレースによる方法を用いたものに限
らない。例えば、ニューラルネットワークを利用したも
の、パターンマッチングを利用したもの、補間と差分を
利用したものなど、様々なものが考えられる。
【0090】また、照明の向き(照明光の照射方向を読
み取り面に射影したものの向き)を上下左右の4方向に
すると、照明装置を単純化することができ、コストダウ
ンなどの利点がある。地図の4色問題の理論により、隣
接する小照射領域が異なった向きから照射されるよう
に、4方向から照明の向きを選ぶことは可能である。
【0091】このような種々の変形が可能であるが、本
発明の趣旨を逸脱しない限り、これらの変形は全て本発
明に含まれるものである。
【0092】(第3の実施の形態)本発明の第3の実施
形態にかかる段差検知装置は、照明部・撮像部・画像処
理部により成る。
【0093】本第3実施形態は、第1の実施形態にかか
る図1の構成とほぼ共通の構成をもつが、照明部におけ
る小照射領域が不等間隔で並んでいる点において特徴を
持つ。図9は、本実施形態にかかるライン状読み取り領
域における照射スポット221と照射スポット222の
配置の様子が示されている。
【0094】CCDラインイメージセンサ540の読み
取り領域220には、図示するように左方向から70°
程度の大入射角の照明光が射される複数の照射スポット
221と、右方向から70°程度の大入射角の照明光が
射される複数の照射スポット222とが、読み取り領域
220の長手方向に沿って1つおきに不等間隔で配置さ
れている。
【0095】これを第1の実施形態と同様に、書状を読
み取り領域220の長手方向と直交する搬送方向に搬送
しながら撮像部を用いて撮像することにより、書状全体
がその搬送方向と平行な複数の不等間隔の小照射領域に
分割されることになる。
【0096】これを画像処理部を用いて処理することに
より、段差の位置情報を抽出する。画像処理部に用いら
れる処理方法も、第1の実施形態に用いられる処理方法
を応用することが可能である。
【0097】次に、本第3実施形態による段差検知装置
の効果について説明する。書状200面には様々な印刷
がされる可能性があり、縞模様などの周期性を持った模
様が印刷されることも多い。
【0098】本発明は、書状200面の印刷内容の影響
を極力抑えることを課題の1つとしているが、小照射領
域が等間隔で並んでいる場合、この周期性を持った模様
の周期が偶然小照射領域の間隔と一致したときに、画像
処理部において混乱を来すことが考えられる。
【0099】本第3実施形態においては、小照射領域を
ランダムな不等間隔とすることにより、書状200面の
印刷内容として多用されがちな周期性を持った模様によ
る影響を極力抑えることが可能である。
【0100】(第4の実施形態)本発明の第4の実施形
態にかかる段差検知装置は、各小照射領域に入射する照
明光が、2方向以上の方向からの照明光により構成さ
れ、隣接する小照射領域でその強度の構成比率が異なっ
ているというものである。
【0101】例えば、第1または第3実施形態のよう
に、書状200面上に多数の小照射領域321,322
が交互に並んでいる場合において、その奇数番目の小照
射領域は、右側から8000lx、左側から2000l
xで照射されているとする。また、偶数番目の小照射領
域は右側から3000lx、左側から6000lxで照
射されているものとする。
【0102】この場合、奇数番目の小照射領域は主とし
て右側から、偶数番目の小照射領域は主として左側から
照明されているわけであるが、各々左側あるいは右側か
らの照明光も若干は受けている。
【0103】このように、各小照射領域に入射する照明
光が、2方向以上の方向からの照明光により構成され、
隣接する小照射領域でその強度の構成比率が異なってい
るという構成も、本発明の特徴とする「隣接する小照射
領域に異なる方向から照明光を照射する」という概念に
含まれるものである。
【0104】ここで、図1の構成と同様に、2方向から
の照明光410と415があり、第1及び第2の2種の
小照射領域321,322が1つおきに交互に並んでい
る場合において、各小照射領域に照明光410と415
の光が任意の割合で混合して入射される場合を考える。
このような場合でも、ある条件を満たせば、画像処理に
より段差部を検知することが可能である。
【0105】例えば、読み取り面が平面のときに、小照
射領域321には光源AからL1A、光源BからL1B
の量の光量が入り、小照射領域322には光源AからL
2A、光源BからL2Bの量の光量が入る場合を考え
る。
【0106】すると、小照射領域321の出力L1は、 L1=L1A+L1B となり、また小照射領域322の出力L2は、 L2=L2A+L2B となる。読み取り部が段差になっており、ある傾きを持
っている場合には、光源Aおよび光源Bからの光の量が
ある一定割合で変化して、 L1=αL1A+βL1B L2=αL2A+βL2B となる。この場合、 L1A×L2B−L1B×L2A≠0 ならば、αとβを画素の値から逆算することができ、画
像処理によって段差部かどうかを判別することができ
る。
【0107】以上、光源の方向と各光源から来る光量の
構成の異なる小照射領域の種類とが2つである場合につ
いて説明したが、3つ以上ある場合でも、全く同様のこ
とが成り立つ。このような設定は、照明系の構成に新た
な自由度が導入されるものであり、迷光処理の簡便化な
ど、装置を構成しやすいという特長を有する。
【0108】なお、本第4実施形態は、隣り合う小照射
領域の間で、各光源から来る光量の構成が異なっている
ことが肝要であり、この条件を満たせば、光量の比がど
のようなものであっても画像処理部において適切な処理
を行なうことにより段差を検知することが可能である。
【0109】(第5の実施形態)本発明の第5実施形態
に係る段差検知装置は、小照射領域321と322との
境界に、その境界を挟む2つの領域321,322を照
明するいずれの照明方向の照明によっても重複して照明
される微小領域が存在するような構成を持つ。
【0110】すなわち、線状の読み取り領域220にお
いて、隣接する照射スポット221とスポット222と
が一部重複するような構成である。また、その他の部分
においては、前述の各実施形態と同様の構成を持つ。
【0111】各小照射領域を一方向からのみ一様に照明
し、各々の小照射領域の境界で厳密に照明方向が切り替
わるという照明部は現実的でなく、そのような照明を実
現する光学系は非常に高価なものとなるであろう。
【0112】本第5実施形態においては、小照射領域3
21と322との境界付近にこのような微小な境界領域
を設けることにより、光学系に対する要求が緩和され、
コスト削減につなげるものである。
【0113】小照射領域321と322の境界がこのよ
うにぼやける場合、書状200面の段差によって生じる
暗線・輝線などの曲線の画素値に明白な不連続性は生じ
なくなるかもしれない。
【0114】しかし、そのような場合でも、段差によっ
て生じる曲線の明暗の周期や位相は、小照射領域32
1,322の境界の位置と整合したものとなることに変
わりは無く、画像処理部の処理を最適化することにより
段差部であることの判定が可能である。
【0115】なお、小照射領域321と322との各境
界に、境界を挟む2つの領域を照明するいずれの照明方
向の照明によっても照明されない微小領域が存在するよ
うな構成を持つものによっても、同様の効果が期待でき
る。
【0116】また、画像処理部において、前記微小領域
の出力画素値を単に無視することにより、前記微小領域
が存在しない場合とほとんど同じ処理によって段差部の
検知が可能である。
【0117】(第6の実施形態)図10に、本発明の第
6実施形態に係る段差検地装置の構成を示す。この段差
検地装置も第1実施形態と同様に照明部・撮像部・画像
処理部の3部分から構成されるものであるが、照明部
は、第1実施形態のように書状200の搬送方向と平行
な線上における左右2方向から同時に照明光を照射する
のではなく、書状200の搬送方向と直交する線上に置
かれた2つの照明装置によって左右2方向から照明光を
交互に照射するように構成されている。
【0118】すなわち、図10に示されているように、
書状200は紙面手前側から奥側に向かって搬送され
る。紙面左側の光源610から発した光は平行板状化素
子611によって板状の平行光線に変換され、ライン状
の読み取り領域を照射する。
【0119】また、紙面右側の光源615から発した光
も同様に平行板状化素子612によって板状の平行光線
に変換され、ライン状の読み取り領域を照射する。これ
ら光源610,615の両光源の照明の能力は等しい。
【0120】また、光源610,615は、矩形波発生
装置および反転回路からなる駆動回路により、書状20
0の搬送動作と同期して交互に発光するように制御され
る。
【0121】撮像部としては、ラインイメージセンサ5
40が用いられ、ライン状の読み取り領域の画像は結像
レンズ530によってラインイメージセンサ540上に
結蔵される。
【0122】このライン状の読み取り領域は書状200
の搬送方向(副走査方向)と直交する。書状200があ
る一定距離、例えば5mm搬送される毎に、照明方向の
切り替えが行われる。
【0123】この照明方向を書状200面上に射影した
向きは、書状200の搬送方向と直交する主走査方向と
一致するか、あるいはその主走査方向を中心としたある
小さな角度範囲に含まれる。
【0124】このように、異なる方向から照明光を発す
る2つの光源610,615を書状200の搬送動作に
合わせて交互に発光させて照明方向を時分割的に切り替
えることにより、図11に示されているように、書状面
全体は主走査方向と平行な多数の小照射領域に分割さ
れ、かつ隣接する小照射領域には互いに異なる方向から
照明光が照射されることになる。
【0125】このような構成により得られる画像は、丁
度図5の画像を90度回転させたようなものが得られ
る。つまり、図11に示されているように、書状200
の搬送方向と直交する方向に、光源610からの照明光
が照射される小照射領域321と光源615からの照明
光が照射される小照射領域322とが交互に配置される
ので、小照射領域321と322との境界線は副走査方
向ではなく主走査方向に現れ、ラベルエッジでの明暗分
布による波線も、主走査方向に平行な辺ではなく、副走
査方向に平行な辺に現れる。
【0126】このようにラベルエッジでの明暗分布によ
る波線を副走査方向に平行な辺に現れるような構成にす
ることにより、ラベルエッジに現れる暗線または輝線
を、ラインセンサ540の主走査方向の分解能で扱える
ことが可能となる。
【0127】通常、CCDラインセンサなどのラインセ
ンサにおいては、主走査方向と副走査方向とが同じ解像
度の場合においても、副走査方向においては走査により
隣接画素との混合が起こるため、実効的な分解能は副走
査方向のほうが劣る傾向が強い。
【0128】特に、照明装置の照明能力を十分高めるこ
とが難しい場合、または書状の搬送速度が非常に高速な
場合において、 CCDラインセンサの駆動周波数を定
格より落とすことにより対処すると、主走査方向の解像
度に変化は無いものの、副走査方向の解像度は周波数が
下がるのに比例して劣化する。
【0129】書状のラベル検知の場合、検出されたラベ
ルの位置が数ミリの誤差を含んでいたとしても、大きな
問題とはならないが、ラベルエッジに現れる影や輝線を
見落とすと、ラベルの検出に失敗する。このような場合
には、主走査方向の分解能で扱えることは重要な意味を
もつ。
【0130】(第7の実施形態)図12は、本発明の第
7実施形態に係る段差検知処理装置である。
【0131】この段差検知処理装置は、宛名ラベルつき
郵便物の区分処理装置などを行う書状搬送・振り分け装
置として用いられるものであり、処理対象の書状200
を搬送しながらその書状200に対して振り分け処理な
どの処理を施す。
【0132】この書状搬送・振り分け装置に設けられた
搬送機構のベルトによって搬送される書状200は、ま
ず、前述の各実施形態で説明したいずれかの構造をもつ
段差検知装置から成る面形状読み取り部11において書
状200面上の段差による凹凸形状が読み取られる。
【0133】面形状読み取り部11によって凹凸形状が
読み取られた書状200は次に画像読み取り部12側に
搬送され、そこで、書状200面に記載された文字等の
画像が撮像される。
【0134】ラベル・宛名窓位置情報抽出部113は、
面形状読み取り部111において読み取られた凹凸形状
の情報をもとに、ラベルや宛名窓が存在するか否かを判
定し、存在する場合にはその位置情報を出力する。ラベ
ル・宛名窓部画像情報抽出部114においては、画像読
み取り部112によって得られた画像情報から、ラベル
・宛名窓位置情報抽出部113によって得られたラベル
・宛名窓の位置情報をもとにラベル・宛名窓部分の画像
情報を抽出する。
【0135】この抽出された画像情報は、宛名情報認識
部115に送られる。ラベルや宛名窓が存在しない場合
には、全画像情報が宛名情報認識部115に送られる。
宛名情報認識部115では、ラベル・宛名窓部分の画像
情報をもとに、文字認識・知識処理等により宛名情報を
解析するなどの画像処理を行なう。
【0136】そして、郵便物がどのように振り分けられ
るべきかを決定し、書状搬送・振り分け装置110に郵
便物区分処理命令を送る。書状搬送・振り分け装置11
0は、この命令に従い、書状の振り分け処理を行なう。
【0137】このように、本発明に係る段差検知装置を
書状搬送・振り分け装置110を制御するための段差検
知処理装置として用いることにより、効率的かつ正確に
宛名の認識を行ない、正しく素早く郵便物を区分処理す
ることが可能となる。
【0138】なお、面形状読み取り部11によって得ら
れたラベル・宛名窓の面形状情報は、画像読み取り部1
2によって得られた画像からラベル・宛名窓部分の画像
を単に切り出すのみならず、その面形状情報を用いて画
像情報を処理するためのいかなる用途に用いることもで
きる。
【0139】例えば、面形状読み取り部111によって
得られた段差領域の位置情報により、書状200面上の
各領域に対し、宛名記載領域である確率を計算して、最
も確率の高い領域部分から順に宛名認識を試みるという
処理構成が考えられる。
【0140】このような構成により、初回に宛名ラベル
・宛名窓位置情報の抽出に失敗した場合でも、2回目以
降に正しい宛名ラベル・宛名窓位置情報が抽出され、宛
名認識の成功確率が増す。
【0141】このように、面形状読み取り部111によ
って得られた面形状の情報は、画像読み取り部112に
よって得られた画像から宛名ラベル・宛名窓部分の画像
を単に切り出すために用いるのみならず、画像情報を処
理するためのいかなる用途に用いたものであってもよ
い。
【0142】また、図12の段差検知処理装置の構成は
図示したものに限定されるものではなく、画像読み取り
部112を省略し、画像読み取り部112で得られる画
像の代わりに面形状読み取り部111の撮像部で得られ
た画像を、画像情報として用いる構成であってもよい。
【0143】画像読み取り部112で得られる画像と面
形状読み取り部111で得られる画像は、段差部を除き
ほぼ同じものが得られる。したがって、このように画像
読み取り部112を省略して、面形状読み取り部111
に画像読み取り部の機能を持たせる構成が可能である。
これにより、装置の簡略化やコスト削減のメリットがあ
る。
【0144】また、段差検知処理装置の構成および目的
は上述したものに限定されるものではなく、搬送される
書状200から面形状読み取り部111により面形状を
読み取り、これをもとにフラップ(郵便書状の折り返し
封緘部)や切手の位置を検知し、書状200の表裏を取
り揃えたり、仕分けするものであってもよい。
【0145】このように、画像読み取り部112が無い
構成であっても、面形状読み取り部111で得られた面
形状情報をもとに、郵便物などの区分・仕分け・取り揃
え処理等の有用な処理を行なう段差検知処理装置が構成
できる。
【0146】このような種々の変形が可能であるが、読
み取った画像データを読み取った面形状データを用いて
処理し、有効に活用するという本発明の趣旨を逸脱しな
い限り、これらの変形は全て本発明に含まれるものであ
る。
【0147】(第8の実施形態)図13に、本発明の第
8実施形態にかかる段差検知装置の全体の構成を示す。
また、図14は、図13の段差検知装置を手前方向から
見た場合の正面図である。さらに、図15は図13の段
差検知装置を上から見た場合の上面図である。なお、図
1と同一部分には、同一符号を付して説明する。
【0148】本実施形態の段差検知装置は、例えば郵便
物の宛名ラベルや宛名表示用セロハン窓(宛名窓)の位
置および領域検出装置等に用いられるものであり、照明
部・撮像部・画像処理部の3部分から構成される。
【0149】照明部は本実施形態を特徴づける最も重要
な部分である。照明部は郵便物などの書状に対して左右
両方向から照明光を大入射角で照射するものであり、細
長い出射口からライン状領域220に向けて照明ビーム
を発する2つの照明装置310および315、および、
被照射点ごとに入射する照明光を選択するために書状2
00面付近に設置された2つの櫛形スリット430およ
び435から構成される。
【0150】このスリットの遮光部としての作用によ
り、照明装置310から発射された照明光410は左斜
め上方向から、照明装置315から発射された照明光4
15は右斜め上方向から、図示しない搬送装置によって
副走査方向230へ搬送される書状200の面上の直線
状の読み取り領域220内の互い違いの位置を、それぞ
れ同時に照明する。これらについてこれから詳細に説明
する。
【0151】細長い出射口からライン状領域220に向
けて照明ビームを発する左右の照明装置310および3
15には、ライン型ライトガイドを用いる。ライン型ラ
イトガイドとは、ハロゲンランプ等の光源を発した光束
を、一旦光ファイバーを束にした光ファイバー束に集光
・入射し、光ファイバー束の出射端をライン状(例えば
1直線上に2列)に並べ替えたようなものであり、ライ
ン状の領域を均等に照明するのに適した光学素子であ
る。
【0152】これより発して読み取り領域220に達す
る照明光410と照明光415の入射角、つまり書状2
00面の法線と成す角度θは等しく、各々θ=45°程
度とする。
【0153】また、両照明装置310、315の照明能
力は互いに等しく、この系を真上から見たとき、両照明
装置310、315は読み取り領域220に対して対称
な位置にある。
【0154】なお、読み取り領域220は、副走査方向
230と垂直、つまり主走査方向と平行な長手方向を持
つライン状領域であり、このライン状領域の画像が撮像
部を構成するCCDラインイメージセンサ540によっ
て読み取られる。
【0155】読み取り領域220に照射される照明光4
10、415は、図15に示す櫛形のスリット430お
よび435の存在により、それぞれ多数の平行で等間隔
な照明ビームとなって読み取り領域220を照射する。
【0156】照明光410の照明ビームは多数の照明ス
ポット221を照射し、また照明光415からの照明ビ
ームは多数の照射スポット222を照射する。また、書
状200面が平面である場合、照明光410と照明光4
15の両方により、直線状の読み取り領域220上は均
一な照度で照明されるように調整する。
【0157】照明光410の照明する多数の照射スポッ
ト221と照明光415の照明する多数の照射スポット
222は、図19に示されているように、直線上の読み
取り領域220上において一つおきに互い違いに(22
1,222,221,222,…と)等間隔に並んでい
る。図18は、書状200の宛名ラベル付近の照明を説
明するための図である。
【0158】書状200は直線状の読み取り領域220
の長手方向と直交する搬送方向230に搬送されるの
で、読み取り領域220によって書状200面上全体が
右から左方向に走査されることになる。
【0159】したがって、多数の照射スポット221,
222もそれぞれ書状200面上全体にわたって右から
左方向に走査され、これにより書状200面全体は照射
スポット221,222の軌跡に沿って、搬送方向23
0と平行な細長い多数の小照射領域に分割される。この
様子を図20に示す。
【0160】すなわち、書状200面の撮像画像は、左
方向からの照明光310による多数の小照射領域321
と右方向からの照明光315による多数の小照射領域3
22とから構成され、かつそれら小照射領域321と小
照射領域322とが一つおきに交互に並んで配置される
ことになる。
【0161】なお、改めて注釈すると、ここで「小照射
領域」と言っているのは、書状200面上の副走査方向
に細長い幅pの短冊型領域である。また、「照射スポッ
ト」と言っているのは、ラインセンサの読み取り領域を
長さp毎に分割した小領域で、多くの場合は主走査方向
に細長い領域のことである。
【0162】小照射領域の境界と照射スポットの境界は
重なった位置にあり、照射スポットを副走査方向に走査
したときの各照射スポットの移動する軌跡が小照射領域
となる。
【0163】照明部の特性を記述する上で、以下に述べ
るp,d,wの3つのパラメータが重要である。スリッ
トは図15に示すような形状であり、左右互い違いとな
るように設置され、そのピッチは図示するようにpであ
る。また、図14に示すように、このスリットは、被照
射部から光線入射方向に測って距離dの位置に設置され
ている。
【0164】また、ライン型ライトガイドから出る光の
出射方向と光強度の関係は、それを構成する光ファイバ
ーの特性によって決まる。光ファイバーの中心軸方向を
中心としてどの程度の広がりを持った方向に光が出射さ
れるかを表すために、広がり幅wを用いる。
【0165】図16および図17において、光ファイバ
ー出射口から単位距離離れた平面上において、照度が中
心点の1/√eに落ちる半径をwとする。ただし、光フ
ァイバーの口径は単位距離に比べて十分小さいものとす
る。これら3つのパラメータはp/wd>4を満たすよ
うに選ぶ。
【0166】例えば、w=0.24のときに、p=5m
m、d=4mmなどの値が考えられる。後述するよう
に、これら3パラメータを用いて読み取り領域における
照度分布を決定できる。
【0167】また、図13に示されているように、直線
状の読み取り領域220の上方には結像レンズ530が
位置し、さらにその上方に位置するCCDラインイメー
ジセンサ540上にその像を結像し、撮像する。
【0168】書状200が副走査方向230へ搬送され
ることにより、CCDラインイメージセンサ540は書
状200全体の画像を撮像し、出力する。こうして得ら
れた画像データは、画像処理部100へ送られ、そこで
段差位置情報が抽出される。
【0169】以上により、本実施形態のおおまかな構成
について説明した。ここで、このような照明部および撮
像部を用いて得られる画像について説明する。
【0170】図13に示すような照明部・撮像部により
得られた画像は、櫛形の遮光板430および435の存
在により、ラベルエッジ等の段差部を除いた部分につい
ては、両側から照明を当てる通常の照明によるものと同
じものとなる。
【0171】つまり、単に書状200面上の濃度分布ま
たは反射率分布を反映した画像が得られる。しかし、ラ
ベルエッジ部、特に搬送方向230と直交する主走査方
向のエッジにおいては、斜め照明の効果(大入射角の平
行光による照明による効果)によって、左右のどちら側
から照明されているかにより出力画素の値が異なる。
【0172】つまり、照明方向とエッジの向きに応じ
て、輝線あるいは暗線が生じる。具体的には、エッジ部
において段差の段の高い側から斜め照明を行なった場合
にはそこに暗線が生じ、段の低い側から斜め照明を行な
った場合にはそこに輝線が生じる。
【0173】したがって、隣接する小照射領域間の境界
を跨いでラベルエッジが存在する場合には、それら小照
射領域間の境界において輝線が暗線に、またはその逆へ
の遷移を起こし、それら隣接する小照射領域間で明暗の
不連続性を生ずる。このような画像の例を図20に示
す。
【0174】図20において、宛名ラベルの左右のラベ
ルエッジはほぼ直線である。この直線に沿って、櫛形照
明の間隔に対応した特定の周期、かつ特定の位相で、輝
線と暗線が交互に入れ替わる。これによって、図示する
ように、ラベルエッジ部に破線状の画像が得られてい
る。
【0175】この信号の周期と位相を検出することによ
りラベルエッジなどの段差の存在を知ることができる。
これが本方式による段差検知の原理である。ラベルの右
端と左端のエッジでは同様の画像が得られるが、エッジ
部の信号の位相は反転したものとなる。つまり、右端の
輝線の部分が左端では暗線になり、右端の暗線の部分が
左端では輝線になる。これよりラベルの右端と左端を識
別することも可能である。
【0176】具体的にエッジを検知するためには、パタ
ーンマッチングなどの画像処理技法を用いることができ
る。
【0177】以上のように、本実施形態は、ある一定長
さpの区間ごとに左または右に切り替わる照明方向から
照射領域を照射することにより、段差位置および段差領
域を検知する。
【0178】このような互い違いの照明方向は、図15
に示す櫛形スリットを用いて実現するが、このスリット
の形状および設置位置に関して、p/wd>4の条件を
満たすことで良好な検知特性を実現できることを上で述
べた。
【0179】この条件は、図13の構成において、左か
らの照明光410により照射されるべき照射スポット2
21に右からの照明光415が迷い込むこと、などをな
るべく避けるために必要なものである。この条件につい
て、以下に詳細に述べる。
【0180】まず、スリットが無い場合の照度分布につ
いて説明する。dは図14に記載のように、照明光の照
射方向に測った櫛形の遮光板と被照射部(読み取り領域
220)とのあいだの距離である。
【0181】また、wは光源に用いられるライン型ライ
トガイドを構成する光ファイバーから出る光の広がり具
合いを表す指標である。ここでwの定義について、図1
6および図17を用いて説明する。
【0182】図16において、1本の光ファイバー(断
面積ΔA)をz軸上に置き、その出射口と原点との距離
Lがファイバー断面の大きさに対して十分大きくなるよ
うにする。そして、xy−平面上に被照射面を置き、x
−軸上における照度分布を計測する。多くの場合、この
照度分布は
【数1】
【0183】のように近似できる。例えば典型的な場合
においては、w=0.24,c=2.8などである。こ
のように、wは単位距離離れた平面上に作る照度分布の
半幅などとして定義できる。さて、このような出射光広
がり特性を持つ断面積ΔAの光ファイバーと被照射部の
距離がDのとき、被照射部の照度は
【数2】
【0184】となる。また、出射口の幅と被照射部の幅
が両方とも十分狭く、図14に示す入射方向θがθ≠0
のときには、被照射部の照度は単に上記式に| cosθ|
に乗じたものとなる。これらより、幅ΔY、長さΔXの
出射口を持つラインファイバーから距離D離れた面での
照度分布I(x,y)は
【数3】
【0185】となる。
【0186】さらにスリットも入れた場合について考え
る。被照射面をxy−平面、ライン型ライトガイドを構
成する光ファイバーはz軸に平行な向きであり、出射口
の中心は(x,y,z)=(0,0,D)、出射口の長
手方向はx方向であるとする。
【0187】また、スリットは平面z=d内にあり、2
np<x<(2n+1)pでは透過、(2n−1)p<
x<2npでは遮光とする(ただし、nは整数)。この
ように、ライン型ライトガイドとスリットにより構成さ
れる照明系によって得られる照射面上の照度分布を計算
する。
【0188】ライン型ライトガイド出射口がx方向に十
分長い(ΔX/p>>1)場合には、x方向について並
進対称性が成り立つ。このとき、x軸に垂直な平面で系
を切ると、z=D、幅ΔYの光源から光がI(x)の表
式で表される広がりを持って発せられている。
【0189】また、y軸に垂直な平面で系を切ると、z
=D上に無限に長い光源が存在し、被照射部からはこの
光源をz=dに存在するスリットを通して覗くことにな
る。光源をある方向にでた光線の輝度は、スリットを抜
ける前も後も変化しないので、この状態はスリットの透
過部にI(x)の表式で表される広がりをもつ光源が存
在するのと等価である。被照射面内のx軸上における照
度を考えるときには、z=d、y=0の直線上に、幅
(d/D)ΔY、長さpで、I(x)の表式で表される
広がりを持って発せられる光源が、間隔pごとに並んで
いる場合の照度として計算できる。
【0190】
【数4】
【0191】という関数を定義して、これを用いてピッ
チ2p(幅p)のスリットの透過率を表すと、H(X/
p)となる。これより、
【数5】
【0192】が得られる。
【0193】ここで得られた式によると、読み取り部に
おける照度分布I(x,y=0)の形状は、係数p/w
dにより決定されることがわかる(細かく言えば、I
(x)の関数形にも依存する。この場合はexp{−|
x|c/2 } )。上式の積分は、exp{|x|c/2
をある一定間隔 2p/wd毎に現れる長さp/wd
の積分範囲で積分しているのと同じことである。exp
{|x|c/2 の中心のピークが、この積分範囲の中
心に位置するとき、上式は最大値Imax (p/wd)を
とる。また、exp{|x|c/2 の中心のピーク
が、この積分範囲の隙間の中心に位置するとき、上式は
最小値Imax (p/wd)をとる。
【0194】これより、I(x,y=0)の最大値はe
xp{−|x|c/2 } の中心付近を積分することにな
るx/p=+1/2のときであり、最小値はx/p=−
1/2のときである。
【0195】ただし、上記積分範囲の幅がexp{|x
c/2 の全幅の1/3程度であるときなどには、e
xp{|x|c/2 の中心部の寄与より周辺部の寄与
の方が大きくなり、最大値と最小値が入れ替わることが
ある。上記積分範囲の幅がexp{|x|c/2 の幅
に比べて十分大きいときには、
【数6】
【0196】となり、また
【数7】
【0197】となる。このとき、最大値と最小値の差は
max (∞)となり、この値を基準として「変調度」を
定義できる。すなわち、左方向からの照明光による照度
をIL(x,p/wd) 、右方向からの照明光による照度をI
R(x,p/wd) とするとき、IR(x,p/wd)=Imax (∞)−I
L(x,p/wd) の関係がある。これらを用いて、|IL(x,p/
wd) −IR(x,p/wd) |/Imax (∞)を、点xにおける
変調度と定義する。特に、IL(x,p/wd) またはIR(x,p/
wd) が最大値または最小値をとるx=±p/2における
変調度を、単に「変調度」と呼ぶことにする。つまり、
スリットを入れたときの最大照度と最小照度の差を、こ
の基準の照度で割った値が「変調度」である。
【0198】上記のように、櫛形スリットによる被照射
領域照度の「変調度」はp/wdのみによって決まる。
p/wdが小さいときには、スリットパターンは被照射
面上で完全にボケてしまい、十分な「変調度」を得られ
ない。したがって、段差の検知にも支障が出る。p/w
dが十分に大きければ、スリットパターンが被照射面に
投影され、十分な「変調度」を得られる。
【0199】ここで、図21にp/wdの値に対する
「変調度」のグラフを示す。これを参照すると、櫛形照
明の「変調度」、つまり隣接する小照射領域の中心部同
士の照度の差を規格化したものは、p/wd=1.1に
おいて0となる。つまり、p/wd>1.1を満たさな
い場合には、本実施形態によって特徴的パターンを捉え
た段差検出はできない。より現実的には、「変調度」は
ほぼ100%あるほうが、照明光を有効利用できるた
め、望ましいと言える。
【0200】再度図21を参照すると、p/wd>4で
あればp/wdはこの意味においても十分大きいと言え
るであろう。
【0201】以上の計算に基づいて、p,d,wが各値
をとるときのライン状読み取り領域220における照度
分布を計算した。図22にp/wd=1のときの照度分
布の様子を表す図を示す。この場合は、スリットのピッ
チが狭すぎる、または、スリットと読み取り領域との間
隔が広すぎる、あるいは、照明光410および415の
指向性が十分でないために、櫛形のパターンが完全にボ
ケてしまい、読み取り領域内全体で、左右両方向からの
光が混じり合っている。
【0202】この状態は、櫛形スリット無しで、左右か
ら半分の光強度の光源で照明しているのとほぼ同じ状態
で、段差検知を行なうことはできない。図23にp/w
d=2のときの照度分布の様子を表す図を示す。この場
合は、「変調度」は約55%となる。読み取り領域22
0内のどの位置においても左右両方向から照明光が当た
っているため、段差部における暗線または輝線のコント
ラストが低い。このため、段差検知は可能ではあるが、
「変調度」は最大値と比べ相当量減少する。図24にp
/wd=4のときの照度分布の様子を表す図を示す。
【0203】この場合は、「変調度」はほぼ100%と
なり、各小照射領域の中心点付近においては左右方向か
らの光が十分分離されている。このとき、主走査方向に
関しpの分解能で段差領域(宛名ラベル)の位置を検知
することが可能である。図25にp/wd=8のときの
照度分布の様子を表す図を示す。この状態になれば、小
照射領域の境界部を見分けることが十分可能である。
【0204】p/wdに4という閾値を決めたことに関
して、若干の補足を行なう。上述のように、この4とい
う閾値は、隣接する小照射領域の中心部同士の照度の差
が十分に表れるように決めたものである。中心部のみに
注目して基準を定めたことについて補足する。
【0205】実際に本実施形態のような照明を行なうと
図20のような画像が得られるが、このような画像から
段差領域を検出する処理は、画像処理により行なう。目
的とする段差領域が郵便書状の宛名ラベルである場合に
は、一般の形状の段差領域を検知する場合に比べて、処
理内容をかなり簡略化することができる。一つの理由
は、このような宛名ラベルはほとんどの場合長方形であ
り、ラベルのエッジはほぼ直線的であるため、一般の形
状を検知する場合に比べて単純な処理で済むことであ
る。
【0206】もう一つの理由は、位置検出の要求精度が
緩やかなのは、ラベルの大きさが数cmのオーダーであ
り、宛名領域を限定して宛名認識の処理時間を短縮した
り誤認識を回避する目的のためには、数mm程度以下の
精度は要求されないことが多いためである。
【0207】本実施形態の手法を用いる場合、少なくと
も小照射領域の中心部付近の照度分布変調度は十分であ
ることが必要である。しかし、小照射領域境界部付近の
変調度は必ずしも高くなくても良く(つまりボケていて
も良く)、このときには段差領域の位置検出精度は主走
査方向に関してp程度となる。
【0208】数mm以下の検出精度を得るためには、櫛
形照明のピッチpは数mm以下であればよい。小照射領
域境界部付近の照明パターンがボケていても、Houg
h変換などの強力な直線抽出アルゴリズムを応用して、
小照射領域中心部付近の画素データのみからラベルエッ
ジの位置をp程度の精度で特定することは可能である。
【0209】つまり、p程度の要求精度を得るために
は、小照射領域中心部の「変調度」が十分であることが
条件で、このためには上述のようにp/wd>4であれ
ばよい。
【0210】次に、本実施形態による段差検知装置の効
果について説明する。本実施形態は、櫛形のスリットを
用いることにより特殊な照明を行ない、それによって段
差を高精度・高確度に検知するものである。
【0211】本発明の方式により得られる画像は、従来
の櫛形構造の無い一様な照明によって得られる、書状面
の濃度分布を反映したものと非常に似ているが、ラベル
のエッジ部においては特定周期かつ特定位相の信号で変
調が掛かったものとなる。このため、得られた画像から
段差検出のための情報を取り出すことが可能であるばか
りでなく、得られた画像をラベル上の印字してある文字
の認識のために使うことも可能である。
【0212】本発明にかかる照明装置は、それほど平行
度の高い光源を用いなくても、櫛形の遮光板を請求項に
示す条件に従って設置することにより、容易に実現可能
である。櫛形スリットは非常に安価に製作することが可
能で、段差検知に高い効果を発揮する。
【0213】また、本実施形態にかかる段差検知装置を
郵便物宛名読み取り区分機などに組み込めば、宛名認識
部において宛名の記載されている宛名ラベルや宛名窓の
領域を素早く正確に検知して、宛名の認識率と処理速度
を向上するなど、相乗効果を発揮することが可能であ
る。郵便物宛名読み取り区分機には、元々、書状面画像
取得装置が組み込まれている場合がほとんどである。
【0214】このため、単に櫛形の遮光板を読み取り領
域付近に設置するだけのコストで、本来の機能に加え
て、段差検知の機能を追加することが可能である。
【0215】以上、本発明の一実施形態について詳細に
説明したが、本発明はこの実施形態の構成に限定される
ものではない。例えば、CCDラインセンサの解像度に
関しては、副走査方向には段差部分の検知のために少な
くとも100μm程度の解像度が必要である。しかし、
主走査方向の解像度はそれほど高くなくても段差検知は
可能である。
【0216】ただし、主走査方向の解像度も100μm
程度とすると、取得画像を文字認識と共用できる可能性
が生じる。段差検知は、各小照射領域ごとに1点または
数点を選択し、主走査方向の情報量を落としても、可能
である。
【0217】ライン照明とライン状読み取り領域200
の間に櫛形の遮光板(スリット)を置く場合、ライン状
読み取り領域の照度パターンは櫛形遮光板の極一部の形
状によって決まる。
【0218】つまり、図26において、ライン照明を発
してライン状読み取り領域に至る光線は、ライン状読み
取り領域の左右に斜め45°方向に延びる2枚の平面内
(図26の照明光410または415を含む平面)にほ
ぼ含まれる。
【0219】したがって、遮光板の形状にとって重要な
のは、遮光板がこの2枚の平面と交差する部分の形状で
ある。図26に示すこの直線部分440および445の
上の、遮光部分と透過部分の並びかたが同じであれば、
その他の部分がいかなる形状でも、ライン状読み取り領
域の照度パターンは同じになる。よって、遮光板は図1
5のようなものを用いても、図28のようなものを用い
ても、同じ効果が得られる。
【0220】また、この遮光板は、撮像部が読み取り領
域を読み取る妨げとなってはならないため、読み取り領
域付近に隙間450が必要である。しかし、段差検知の
ためには読み取り領域全体の画像情報は必要ではなく、
小照射領域内で1点または数点の情報があれば、段差検
知可能である。
【0221】したがって、スリットの形状は、図27の
ように必要な部分にのみ遮光部分を取り付け、それらを
細いワイヤー500でつないだようなものでも構わな
い。ワイヤー部分が小照射領域の境界上付近に来る場
合、小照射領域境界部はもともと照度パターンがボケて
いて段差検知に使えない場合が多いため、多くの場合は
あまり問題にならない。
【0222】また、櫛形遮光板の形状は、遮光部と透過
部の幅が等しいものに限らない。遮光部のうちいずれか
一つについてでも、その幅pがp/wd>4を満たせ
ば、その部分の影が「変調度」100%で読み取り領域
に現れる。また、透過部のうちいずれか一つについてで
も、その幅pがp/wd>4を満たせば、その部分の形
状が「変調度」100%で読み取り領域に現れる。した
がって、その部分の読み取り画像については段差検知に
用いることが可能であり、このようなものも本発明に含
まれる。
【0223】また、左右の照明光の入射角は、必ずしも
等しいものでなくても構わない。
【0224】このような種々の変形が可能であるが、本
発明の趣旨を逸脱しない限り、これらの変形は全て本発
明に含まれるものである。
【0225】(第9の実施形態)図13に、本発明の第
9実施形態にかかる段差検知装置の全体の構成を示す。
また、図14は、図13の段差検知装置を手前方向から
見た場合の正面図である。さらに、図15は図13の段
差検知装置を上から見た場合の上面図である。本実施形
態の段差検知装置は、例えば郵便物の宛名ラベルや宛名
表示用セロハン窓(宛名窓)の位置および領域検出装置
等に用いられるものであり、照明部・撮像部・画像処理
部の3部分から構成される。
【0226】照明部は本実施形態を特徴づける最も重要
な部分である。照明部は郵便物などの書状に対して左右
両方向から照明光を大入射角で照射するものであり、細
長い出射口からライン状領域220に向けて照明ビーム
を発する2つの照明装置310および315、および、
被照射点ごとに入射する照明光を選択するために書状2
00面付近に設置された2つの櫛形スリット430およ
び435から構成される。
【0227】このスリットの遮光部としての作用によ
り、照明装置310から発射された照明光410は左斜
め上方向から、照明装置315から発射された照明光4
15は右斜め上方向から、図示しない搬送装置によって
副走査方向230へ搬送される書状200の面上の直線
状の読み取り領域220内の互い違いの位置を、それぞ
れ同時に照明する。これらについてこれから詳細に説明
する。
【0228】細長い出射口からライン状領域220に向
けて照明ビームを発する左右の照明装置310および3
15には、ライン型ライトガイドを用いる。ライン型ラ
イトガイドとは、ハロゲンランプ等の光源を発した光束
を、一旦光ファイバーを束にした光ファイバー束に集光
・入射し、光ファイバー束の出射端をライン状(例えば
1直線上に2列)に並べ替えたようなものであり、ライ
ン状の領域を均等に照明するのに適した光学素子であ
る。
【0229】これより発して読み取り領域220に達す
る照明光410と照明光415の入射角、つまり書状2
00面の法線と成す角度θは等しく、各々θ=45°程
度とする。
【0230】また、両照明装置310、315の照明能
力は互いに等しく、この系を真上から見たとき、両照明
装置310、315は読み取り領域220に対して対称
な位置にある。
【0231】なお、読み取り領域220は、副走査方向
230と垂直、つまり主走査方向と平行な長手方向を持
つライン状領域であり、このライン状領域の画像が撮像
部を構成するCCDラインイメージセンサ540によっ
て読み取られる。
【0232】読み取り領域220に照射される照明光4
10、415は、図15に示す櫛形のスリット430お
よび435の存在により、それぞれ多数の平行で等間隔
な照明ビームとなって読み取り領域を照射する。
【0233】照明光410の照明ビームは多数の照明ス
ポット221を照射し、また照明光415からの照明ビ
ームは多数の照射スポット222を照射する。また、書
状200面が平面である場合、照明光410と照明光4
15の両方により、直線状の読み取り領域220上は均
一な照度で照明されるように調整する。
【0234】照明光410の照明する多数の照射スポッ
ト221と照明光415の照明する多数の照射スポット
222は、図19に示されているように、直線上の読み
取り領域220上において一つおきに互い違いに(22
1,222,221,222,…と)等間隔に並んでい
る。
【0235】書状200は直線状の読み取り領域220
の長手方向と直交する搬送方向230に搬送されるの
で、読み取り領域220によって書状200面上全体が
右から左方向に走査されることになる。
【0236】したがって、多数の照射スポット221,
222もそれぞれ書状200面上全体にわたって右から
左方向に走査され、これにより書状200面全体は照射
スポット221,222の軌跡に沿って、搬送方向23
0と平行な細長い多数の小照射領域に分割される。この
様子を図20に示す。
【0237】すなわち、書状200面の撮像画像は、左
方向からの照明光310による多数の小照射領域321
と右方向からの照明光315による多数の小照射領域3
22とから構成され、かつそれら小照射領域321と小
照射領域322とが一つおきに交互に並んで配置される
ことになる。
【0238】なお、改めて注釈すると、ここで「小照射
領域」と言っているのは、書状200面上の副走査方向
に細長い幅pの短冊型領域である。また、「照射スポッ
ト」と言っているのは、ラインセンサの読み取り領域を
長さp毎に分割した小領域で、多くの場合は主走査方向
に細長い領域のことである。
【0239】小照射領域の境界と照射スポットの境界は
重なった位置にあり、照射スポットを副走査方向に走査
したときの各照射スポットの移動する軌跡が小照射領域
となる。
【0240】照明部の特性を記述する上で、以下に述べ
るp,d,wの3つのパラメータが重要である。スリッ
トは図15に示すような形状であり、左右互い違いとな
るように設置され、そのピッチは図示するようにpであ
る。また、図14に示すように、このスリットは、被照
射部から光線入射方向に測って距離dの位置に設置され
ている。
【0241】また、ライン型ライトガイドから出る光の
出射方向と光強度の関係は、それを構成する光ファイバ
ーの特性によって決まる。光ファィバーの中心軸方向を
中心としてどの程度の広がりを持った方向に光が出射さ
れるかを表すために、広がり幅wを用いる。
【0242】図16および図17において、光ファイバ
ー出射口から単位距離離れた平面上において、照度が中
心点の1/√eに落ちる半径をwとする。ただし、光フ
ァイバーの口径は単位距離に比べて十分小さいものとす
る。これら3つのパラメータはp/wd>8を満たすよ
うに選ぶ。例えば、w=0.24のときに、p=5m
m、d=4mmなどの値が考えられる。後述するよう
に、これら3パラメータを用いて読み取り領域における
照度分布を決定できる。
【0243】また、図13に示されているように、直線
状の読み取り領域220の上方には結像レンズ530が
位置し、さらにその上方に位置するCCDラインイメー
ジセンサ540上にその像を結像し、撮像する。書状2
00が副走査方向230へ搬送されることにより、CC
Dラインイメージセンサ540は書状200全体の画像
を撮像し、出力する。こうして得られた画像データは、
画像処理部100へ送られ、そこで段差位置情報が抽出
される。
【0244】以上により、本実施形態のおおまかな構成
について説明した。ここで、このような照明部および撮
像部を用いて得られる画像について説明する。
【0245】図13に示すような照明部・撮像部により
得られた画像は、(櫛形の遮光板430および435の
存在により、)ラベルエッジ等の段差部を除いた部分に
ついては、両側から照明を当てる通常の照明によるもの
と同じものとなる。
【0246】つまり、単に書状200面上の濃度分布ま
たは反射率分布を反映した画像が得られる。しかし、ラ
ベルエッジ部、特に搬送方向230と直交する主走査方
向のエッジにおいては、斜め照明の効果(大入射角の平
行光による照明による効果)によって、左右のどちら側
から照明されているかにより出力画素の値が異なる。
【0247】つまり、照明方向とエッジの向きに応じ
て、輝線あるいは暗線が生じる。具体的には、エッジ部
において段差の段の高い側から斜め照明を行なった場合
にはそこに暗線が生じ、段の低い側から斜め照明を行な
った場合にはそこに輝線が生じる。
【0248】したがって、隣接する小照射領域間の境界
を跨いでラベルエッジが存在する場合には、それら小照
射領域間の境界において輝線が暗線に、またはその逆へ
の遷移を起こし、それら隣接する小照射領域間で明暗の
不連続性を生ずる。このような画像の例を図20に示
す。
【0249】図20において、宛名ラベルの左右のラベ
ルエッジはほぼ直線である。この直線に沿って、櫛形照
明の間隔に対応した特定の周期、かつ特定の位相で、輝
線と暗線が交互に入れ替わる。
【0250】これによって、図示するように、ラベルエ
ッジ部に破線状の画像が得られている。この信号の周期
と位相を検出することによりラベルエッジなどの段差の
存在を知ることができる。
【0251】これが本方式による段差検知の原理であ
る。ラベルの右端と左端のエッジでは同様の画像が得ら
れるが、エッジ部の信号の位相は反転したものとなる。
つまり、右端の輝線の部分が左端では暗線になり、右端
の暗線の部分が左端では輝線になる。これよりラベルの
右端と左端を識別することも可能である。
【0252】具体的にエッジを検知するためには、パタ
ーンマッチングなどの画像処理技法を用いることができ
る。
【0253】以上のように、本実施形態は、ある一定長
さpの区間ごとに左または右に切り替わる照明方向から
照射領域を照射することにより、段差位置および段差領
域を検知する。
【0254】このような互い違いの照明方向は、図15
に示す櫛形スリットを用いて実現するが、このスリット
の形状および設置位置に関して、p/wd>8の条件を
満たすことで良好な検知特性を実現できることを上で述
べた。
【0255】この条件は、図13の構成において、左か
らの照明光410により照射されるべき照射スポット2
21に右からの照明光415が迷い込むこと、などなる
べく避けるために必要なものである。この条件につい
て、以下に詳細に述べる。
【0256】まず、スリットが無い場合の照度分布につ
いて説明する。dは図14に記載のように、照明光の照
射方向に測った櫛形の遮光板と被照射部(読み取り領域
220)とのあいだの距離である。
【0257】また、wは光源に用いられるライン型ライ
トガイドを構成する光ファイバーから出る光の広がり具
合いを表す指標である。ここでwの定義について、図1
6および図17を用いて説明する。図16において、1
本の光ファイバー(断面積ΔA)をz軸上に置き、その
出射口と原点との距離Lがファイバー断面の大きさに対
して十分大きくなるようにする。そして、xy−平面上
に被照射面を置き、x−軸上における照度分布を計測す
る。多くの場合、この照度分布は
【数8】
【0258】のように近似できる。例えば典型的な場合
においては、w=0.24,c=2.8などである。
【0259】このように、wは単位距離離れた平面上に
作る照度分布の半幅などとして定義できる。さて、この
ような出射光広がり特性を持つ断面積ΔAの光ファイバ
ーと被照射部の距離がDのとき、被照射部の照度は
【数9】
【0260】となる。
【0261】また、出射口の幅と被照射部の幅が両方と
も十分狭く、図14に示す入射方向θがθ≠0のときに
は、被照射部の照度は単に上記式に| cosθ|に乗じた
ものとなる。これらより、幅ΔY、長さΔXの出射口を
持つラインファイバーから距離D離れた面での照度分布
I(x,y)は
【数10】
【0262】となる。
【0263】さらにスリットも入れた場合について考え
る。被照射面をxy−平面、ライン型ライトガイドを構
成する光ファイバーはz軸に平行な向きであり、出射口
の中心は(x,y,z)=(0,0,D)、出射口の長
手方向はx方向であるとする。
【0264】また、スリットは平面z=d内にあり、2
np<x<(2n+1)pでは透過、(2n−1)p<
x<2npでは遮光とする(ただし、nは整数)。この
ように、ライン型ライトガイドとスリットにより構成さ
れる照明系によって得られる照射面上の照度分布を計算
する。
【0265】ライン型ライトガイド出射口がx方向に十
分長い(ΔX/p>>1)場合には、x方向について並
進対称性が成り立つ。このとき、x軸に垂直な平面で系
を切ると、z=D、幅ΔYの光源から光がI(x)の表
式で表される広がりを持って発せられている。
【0266】また、y軸に垂直な平面で系を切ると、z
=D上に無限に長い光源が存在し、被照射部からはこの
光源をz=dに存在するスリットを通して覗くことにな
る。光源をある方向にでた光線の輝度は、スリットを抜
ける前も後も変化しないので、この状態はスリットの透
過部にI(x)の表式で表される広がりをもつ光源が存
在するのと等価である。
【0267】被照射面内のx軸上における照度を考える
ときには、z=d、y=0の直線上に、幅(d/D)Δ
Y、長さpで、I(x)の表式で表される広がりを持っ
て発せられる光源が、間隔pごとに並んでいる場合の照
度として計算できる。
【0268】
【数11】
【0269】という関数を定義して、これを用いてピッ
チ2p(幅p)のスリットの透過率を表すと、H(X/
p)となる。これより、
【数12】
【0270】が得られる。
【0271】ここで得られた式によると、読み取り部に
おける照度分布I(x,y=0)は、係数p/wdによ
り決定されることがわかる(細かく言えば、I(x)の
関数形にも依存する。
【0272】この場合はexp{−|x|c/2 } )。
上式の積分は、exp{|x|c/2} をある一定間隔
2p/wd毎に現れる長さp/wdの積分範囲で積分し
ているのと同じことである。
【0273】読み取り領域の照度パターンは、p/wd
の値が大きくなるほど方形波形状に近くなる。この照度
パターンは例えば図24や図25のようになる。右方向
からの寄与による照度パターンと左方向からの寄与によ
る照度パターンは、丁度位相が180°ずれた形とな
る。
【0274】段差部を明確に認識するためには、右方向
からの照明光と左方向からの照明光の差が大きい、つま
り変調度が大きいほどよい。ここで、ある点xにおける
変調度とは、左右の照明光による照度の差を左右の照明
光による照度の和で割った値を指す。
【0275】本発明においては、照明方向が切り替わる
場所での輝度の変化を捉えて、段差かどうかを判断す
る。段差部においては、右方向から照明光を照射したと
きと、左方向から照明光を照射したときでは、輝度が大
きく異なる。左右両方向から同じ場所を照明したときに
は、影などが発生せず、平坦部と区別することが難し
い。
【0276】本実施形態のように小照射領域ごとに照明
方向を切り替える場合、小照射領域境界部付近において
は、どうしても若干両方向の照明光が混在する。このた
め、このように両方向の照明光が混在する領域において
は、段差部を明確に認識することが難しい。
【0277】この領域内にラベルエッジの端が(たまた
ま)掛かると、ラベルエッジの端がどこであるか認識す
ることは難しい。このように、左右方向の照明光が混在
する領域においては、段差かどうかの認識は難しい。
【0278】p/wdの値が4程度では、ほぼp程度の
精度でラベルエッジ等の位置を特定できる。この条件を
満たす場合には、小照射領域の少なくとも中心部付近に
おいては、左右からの照明光の強度差が十分大きくな
る。
【0279】中心部付近以外では、左右からの照明光が
混在し、段差を十分認識することができない。このた
め、中心部付近のデータのみを用いてラベルエッジの検
出が可能となるが、中心部付近のデータしか利用できな
いことからpという精度の制約が現れる。
【0280】p/wdが更に大きく、p/wd>8とな
れば、小照射領域の境界部付近までほぼ100%の変調
度の領域が広がる。したがって、変調度の低い、段差検
知の難しい領域が狭くなる。実際には、段差部の端がこ
の変調度の低い領域に掛かることもありえるが、この領
域の幅が狭くなれば、この領域に掛かった場合の精度も
そのぶん向上し、また、この領域に掛かる確率も低くな
る。段差部の端が変調度ほぼ100%の領域にかかれ
ば、位置精度は小照射領域の幅pに制約されない。
【0281】実際上はラインセンサの解像度程度の位置
分解能となるが、事実上の無制限と言える。このよう
に、p/wdが十分大きければ、飛躍的に高い精度・分
解能が得られる。
【0282】また、破線パターンがくっきり現れるた
め、破線パターンの検出精度も向上する。ただし、画像
処理の方式にも依存するが、pがあまり大きくなると、
段差かどうかの判定が難しくなる。
【0283】図29にx=0からx=pの区間におけ
る、変調度99%以上の区間の割合を図示する。同図を
参照すると、p/wd>8において、高分解能領域の割
合が50%を超える。
【0284】例えば、p/wd=10のとき、62.8
%の領域が高分解能領域となる。このとき、ラベルエッ
ジの端点(ラベルの4隅に相当する点)は、62.8%
の確率で高分解能領域に含まれ、37.2%の確率で低
分解能領域に含まれる。高分解能領域に含まれる場合に
は、ラベルエッジの端点位置は、ラインセンサの解像度
(例えば0.1mm)で特定される。
【0285】低分解能領域に含まれる場合には、ラベル
エッジの端点位置は、低分解能領域の幅程度の解像度
(例えばp=5mmのときは5mm×37.2%=1.
86mm)で特定される。
【0286】以上の計算に基づいて、p,d,wが各値
をとるときのライン状読み取り領域220における照度
分布を計算した。図22にp/wd=1のときの照度分
布の様子を表す図を示す。
【0287】この場合は、スリットのピッチが狭すぎ
る、または、スリットと読み取り領域との間隔が広すぎ
る、あるいは、照明光410および415の指向性が十
分でないために、櫛形のパターンが完全にボケてしま
い、読み取り領域内全体で、左右両方向からの光が混じ
り合っている。
【0288】この状態は、櫛形スリット無しで、左右か
ら半分の光強度の光源で照明しているのとほぼ同じ状態
で、段差検知を行なうことはできない。図23にp/w
d=2のときの照度分布の様子を表す図を示す。
【0289】この場合は、「変調度」は約55%とな
る。読み取り領域220内のどの位置においても左右両
方向から照明光が当たっているため、段差部における暗
線または輝線のコントラストが低い。
【0290】このため、段差検知は可能ではあるが、
「変調度」は最大値と比べ相当量減少する。図24にp
/wd=4のときの照度分布の様子を表す図を示す。こ
の場合は、「変調度」はほぼ100%となり、各小照射
領域の中心点付近においては左右方向からの光が十分分
離されている。
【0291】このとき、主走査方向に関しpの分解能で
段差領域(宛名ラベル)の位置を検知することが可能で
ある。図25にp/wd=8のときの照度分布の様子を
表す図を示す。この状態になれば、小照射領域の境界部
を見分けることが十分可能である。
【0292】次に、本実施形態による段差検知装置の効
果について説明する。本実施形態は、櫛形のスリットを
用いることにより特殊な照明を行ない、それによって段
差を高精度・高確度に検知するものである。
【0293】本発明の方式により得られる画像は、従来
の櫛形構造の無い一様な照明によって得られる、書状面
の濃度分布を反映したものと非常に似ているが、ラベル
のエッジ部においては特定周期かつ特定位相の信号で変
調が掛かったものとなる。
【0294】このため、得られた画像から段差検出のた
めの情報を取り出すことが可能であるばかりでなく、得
られた画像をラベル上の印字してある文字の認識のため
に使うことも可能である。
【0295】本発明にかかる照明装置は、それほど平行
度の高い光源を用いなくても、櫛形の遮光板を請求項に
示す条件に従って設置することにより、容易に実現可能
である。櫛形スリットは非常に安価に製作することが可
能で、段差検知に高い効果を発揮する。
【0296】また、本実施形態にかかる段差検知装置を
郵便物宛名読み取り区分機などに組み込めば、宛名認識
部において宛名の記載されている宛名ラベルや宛名窓の
領域を素早く正確に検知して、宛名の認識率と処理速度
を向上するなど、相乗効果を発揮することが可能であ
る。
【0297】郵便物宛名読み取り区分機には、元々、書
状面画像取得装置が組み込まれている場合がほとんどで
ある。このため、単に櫛形の遮光板を読み取り領域付近
に設置するだけのコストで、本来の機能に加えて、段差
検知の機能を追加することが可能である。
【0298】以上、本発明の第9実施形態について詳細
に説明したが、本発明はこの実施形態の構成に限定され
るものではない。
【0299】例えば、CCDラインセンサの解像度に関
しては、副走査方向には段差部分の検知のために少なく
とも100μm程度の解像度が必要である。しかし、主
走査方向の解像度はそれほど高くなくても段差検知は可
能である。
【0300】ただし、主走査方向の解像度も100μm
程度とすると、取得画像を文字認識と共用できる可能性
が生じる。段差検知は、各小照射領域ごとに1点または
数点を選択し、主走査方向の情報量を落としても、可能
である。
【0301】ライン照明とライン状読み取り領域200
の間に櫛形の遮光板を置く場合、ライン状読み取り領域
の照度パターンは櫛形遮光板の極一部の形状によって決
まる。
【0302】つまり、図26において、ライン照明を発
してライン状読み取り領域に至る光線は、ライン状読み
取り領域の左右に斜め45°方向に延びる2枚の平面内
(図26の照明光410または415を含む平面)にほ
ぼ含まれる。
【0303】したがって、遮光板の形状にとって重要な
のは、遮光板がこの2枚の平面と交差する部分の形状で
ある。図26に示すこの直線部分440および445の
上の、遮光部分と透過部分の並びかたが同じであれば、
その他の部分がいかなる形状でも、ライン状読み取り領
域の照度パターンは同じになる。
【0304】よって、遮光板は図15のようなものを用
いても、図28のようなものを用いても、同じ効果が得
られる。また、この遮光板は、撮像部が読み取り領域を
読み取る妨げとなってはならないため、読み取り領域付
近に隙間450が必要である。
【0305】しかし、段差検知のためには読み取り領域
全体の画像情報は必要ではなく、小照射領域内で1点ま
たは数点の情報があれば、段差検知可能である。したが
って、スリットの形状は、図27のように必要な部分に
のみ遮光部分を取り付け、それらを細いワイヤーでつな
いだようなものでも構わない。
【0306】ワイヤー部分が小照射領域の境界上付近に
来る場合、小照射領域境界部はもともと照度パターンが
ボケていて段差検知に使えない場合が多いため、多くの
場合はあまり問題にならない。
【0307】また、櫛形遮光板の形状は、遮光部と透過
部の幅が等しいものに限らない。遮光部のうちいずれか
一つについてでも、その幅pがp/wd>8を満たせ
ば、その部分の影が十分な幅をもって変調度100%で
読み取り領域に現れる。また、透過部のうちいずれか一
つについてでも、その幅pがp/wd>8を満たせば、
その部分の形状が十分な幅をもって変調度100%で読
み取り領域に現れる。したがって、その部分の読み取り
画像については段差検知に用いることが可能であり、こ
のようなものも本発明に含まれる。
【0308】また、左右の照明光の入射角は、必ずしも
等しいものでなくても構わない。
【0309】このような種々の変形が可能であるが、本
発明の趣旨を逸脱しない限り、これらの変形は全て本発
明に含まれるものである。
【0310】(第10の実施形態)図30に、本発明の
第10実施形態にかかる段差検知装置の全体の構成を示
す。また、図31は、図30の段差検知装置を手前方向
から見た場合の正面図である。さらに、図32は図30
の段差検知装置を上から見た場合の上面図である。
【0311】本実施形態の段差検知装置は、例えば郵便
物の宛名ラベルや宛名表示用セロハン窓(宛名窓)の位
置および領域検出装置等に用いられるものであり、照明
部・撮像部・画像処理部の3部分から構成される。
【0312】照明部は本実施形態を特徴づける最も重要
な部分である。照明部は郵便物などの書状に対して左右
両方向から照明光を大入射角で照射するものであり、細
長い出射口からライン状領域220に向けて照明ビーム
を発する2つの照明装置310および315、および、
書状200面付近に設置された透明ガラス基板437か
ら構成される。
【0313】この透明ガラス基板上には、被照射点ごと
に入射する照明光を選択するために、2つの櫛形の遮光
パターンが形成されている。この遮光パターンの作用に
より、照明装置310から発射された照明光410は左
斜め上方向から、照明装置315から発射された照明光
415は右斜め上方向から、図示しない搬送装置によっ
て副走査方向230へ搬送される書状200の面上の直
線状の読み取り領域220内の互い違いの位置を、それ
ぞれ同時に照明する。この照明部の細部についてこれか
ら詳細に説明する。
【0314】細長い出射口からライン状領域220に向
けて照明ビームを発する左右の照明装置310および3
15には、ライン型ライトガイドを用いる。ライン型ラ
イトガイドとは、ハロゲンランプ等の光源を発した光束
を、一旦光ファイバーを束にした光ファイバー束に集光
・入射し、光ファイバー束の出射端をライン状(例えば
1直線上に2列)に並べ替えたようなものであり、ライ
ン状の領域を均等に照明するのに適した光学素子であ
る。
【0315】これより発して読み取り領域220に達す
る照明光410と照明光415の入射角、つまり書状2
00面の法線と成す角度θは等しく、各々θ=45°程
度とする。
【0316】また、両照明装置310、315の照明能
力は互いに等しく、この系を真上から見たとき、両照明
装置310、315は読み取り領域220に対して対称
な位置にある。
【0317】なお、読み取り領域220は、副走査方向
230と垂直、つまり主走査方向と平行な長手方向を持
つライン状領域であり、このライン状領域の画像が撮像
部を構成するCCDラインイメージセンサ540によっ
て読み取られる。
【0318】透明部材に形成された遮光パターンは、図
32に示すような形状であり、左右互い違いとなるよう
に設置されている。これが図32における遮光部417
となる。
【0319】照明装置310および315より発して読
み取り領域220に達する読み取り領域220に照射さ
れる照明光410,415は、図32に示すような遮光
部437の存在により、それぞれ多数の平行で等間隔な
照明ビームとなって読み取り領域を照射する。照明光4
10の照明ビームは多数の照明スポット221を照射
し、また照明光415からの照明ビームは多数の照射ス
ポット222を照射する。
【0320】また、書状200面が平面である場合、照
明光410と照明光415の両方により、直線状の読み
取り領域220上は均一な照度で照明されるようになっ
ている。
【0321】照明光410の照明する多数の照射スポッ
ト221と照明光415の照明する多数の照射スポット
222は、図19に示されているように、直線上の読み
取り領域220上において一つおきに互い違いに(22
1,222,221,222,…と)等間隔に並んでい
る。
【0322】書状200は直線状の読み取り領域220
の長手方向と直交する搬送方向230に搬送されるの
で、読み取り領域220によって書状200面上全体が
右から左方向に走査されることになる。
【0323】したがって、多数の照射スポット221,
222もそれぞれ書状200面上全体にわたって右から
左方向に走査され、これにより書状200面全体は照射
スポット221,222の軌跡に沿って、搬送方向23
0と平行な細長い多数の小照射領域に分割される。この
様子を図20に示す。
【0324】すなわち、書状200面の撮像画像は、左
方向からの照明光310による多数の小照射領域321
と右方向からの照明光315による多数の小照射領域3
22とから構成され、かつそれら小照射領域321と小
照射領域322とが一つおきに交互に並んで配置される
ことになる。
【0325】また、図30に示されているように、直線
状の読み取り領域220の上方には結像レンズ530が
位置し、さらにその上方に位置するCCDラインイメー
ジセンサ540上にその像を結像し、撮像する。
【0326】書状200が副走査方向230へ搬送され
ることにより、CCDラインイメージセンサ540は書
状200全体の画像を撮像し、出力する。こうして得ら
れた画像データは、画像処理部100へ送られ、そこで
段差位置情報が抽出される。
【0327】このように本装置は、第8の実施形態に述
べた装置と、構成および原理的に全く同じものである
が、櫛形の遮光板を読み取り領域の左右から差し出す代
わりに、ガラス板に櫛形遮光板のパターンを焼き付け
て、その部分だけ光を通さないようにした点において特
徴的である。
【0328】このような照明部および撮像部を用いて得
られる画像は、前記実施形態の構成によって得られる画
像と同じものであり、図20のような画像が得られる。
これから段差部分を検出する画像処理手法も同じものを
用いることが可能である。
【0329】次に、本実施形態による段差検知装置の効
果について説明する。遮光パターンを実施例8と同様に
設計する場合、典型的な場合のdの値は数mm以下とす
ることが必要である。
【0330】実際に郵便物宛名読み取り区分機により搬
送される郵便書状には、さまざまな状態のものが想定さ
れ、また、搬送速度は通常秒速数メートルと高速であ
る。櫛形スリットのギザギザ部とこれら書状の搬送路の
間隔がこのように近接していた場合、書状がスリットに
引っかかり、破損してしまう事態も考えられる。
【0331】このような問題を解決するため、本実施形
態では櫛形スリットのパターンをガラス板に焼き付ける
構成をとった。
【0332】ガラス板にスリットパターンを焼き付けた
場合、物理形状的にギザギザ部分は存在しないため、書
状の破損の可能性は極めて低いものとなる。また、スリ
ット自体も折れ曲がったりすることが無くなり、耐久性
も向上できる。
【0333】さらに、書状と光学読み取り部とをガラス
板により分離することにより、埃などが光学読み取り部
に付着することを防ぎ、メンテナンスも容易になる。ま
た、2枚のスリットを左右から差し出して間隔を調整す
る場合と比べ、はじめから位置関係の決まった2つのス
リットのパターンをガラス板に焼き付けた場合には、そ
の分調整作業が省略でき、組み立てコストの削減につな
がる。
【0334】以上、本発明の一実施形態について詳細に
説明したが、本発明はこの実施形態の構成に限定される
ものではない。例えば、ガラス板の表側または裏側に不
透明層を形成したようなものでもよい。この不透明層
は、不透明インクでスリットパターンを描いたようなも
のでもよいし、不透明パターンを蒸着したものでもよ
い。櫛形の不透明スリットと櫛形のガラス板を組み合わ
せて、全体として平板状にしたものであってもよい。
【0335】透明部材は、サファイアガラスであっても
よい。
【0336】遮光部分は、光吸収性の不透明部材を用い
たものでもよいし、光を被照射部以外の方向へ反射する
鏡面のようなものでもよいし、光を被照射部以外の方向
へ散乱する拡散板のようなものでもよい。
【0337】光を被照射部以外の方向へ回折する回折板
のようなものでもよい。光を被照射部以外の方向へ屈折
するレンズあるいはプリズムのようなものでもよい。こ
のように、遮光部は、遮光のための吸収材を透明部材に
形成したものに限らず、レンズのように立体的な構造を
遮光のために形成したものも含む。
【0338】白黒の櫛形パターンを形成する以外のもの
であっても、読み取り領域において所望の照度分布が得
られるように、光源からの照明光が所望の照射スポット
には照射され、その他の照射スポットには照射されない
ようにパターンが形成された遮光部を用いたものは、本
発明に含まれる。
【0339】また、遮光部は、所望以外の照射スポット
に向かう照明光の直進を妨げ、所望の照射スポットに至
る照明光を直進させるために、所望の照射スポットに至
る照明光の光線の透過する部分を透明としたものに限ら
ない。
【0340】遮光部分以外の部分に鏡面・拡散板・回折
板のようなパターンを形成して、光源からの照明を反射
・回折・屈折させることによって、所望の照射スポット
へ光を到達させるようなものでもよい。
【0341】このようなものも請求項記載の「透明部材
に遮光効果を得るためのパターンを形成した」遮光部に
該当し、このようなものによっても本実施形態の効果は
得られる。
【0342】この一例を図37に示す。図37は、図3
0における左側の照明光410と読み取り部20を含む
ような面で、系を切った断面図である。
【0343】左側の光源を発した照明光410は、透明
部材に遮光効果を得るためのパターンを形成した遮光部
により、光路が屈折され、全ての光は左側の照明光41
0により照射されるべき照射スポット221に向かい、
右側の照明光415により照射されるべき照射スポット
222には照射されないようになっている。
【0344】このように、遮光効果を得るためのパター
ンは、照射スポット222に照明光410を当てないた
めのパターンのみに限らず、照射スポット221に照明
光410を当てるためのパターンも含む。
【0345】読み取り領域において所望の照度分布が得
られるように、光源からの照明光が所望の照射スポット
には照射され、その他の照射スポットには照射されない
ようにパターンが形成された遮光部を用いたものは、本
発明に含まれる。
【0346】ライン照明とライン状読み取り領域200
の間に櫛形の遮光板を置く場合、ライン状読み取り領域
の照度パターンは櫛形遮光板の極一部の形状によって決
まる。
【0347】つまり、図26において、ライン照明を発
してライン状読み取り領域に至る光線は、ライン状読み
取り領域の左右に斜め45°方向に延びる2枚の平面内
(図26の照明光410または415を含む平面)にほ
ぼ含まれる。したがって、遮光板の形状にとって重要な
のは、遮光板がこの2枚の平面と交差する部分の形状で
ある。
【0348】図26に示すこの直線部分440および4
45の上の、遮光部分と透過部分の並びかたが同じであ
れば、その他の部分がいかなる形状でも、ライン状読み
取り領域の照度パターンは同じになる。よって、図3
3、図34、図35、図36などのようなパターンを形
成したものであっても、効果は同じである。
【0349】また、櫛形遮光板の形状は、遮光部と透過
部の幅が等しいものに限らない。遮光部のうちいずれか
一つについてでも、その幅pがp/wd>8を満たせ
ば、その部分の影が十分な幅をもって変調度100%で
読み取り領域に現れる。また、透過部のうちいずれか一
つについてでも、その幅pがp/wd>8を満たせば、
その部分の形状が十分な幅をもって変調度100%で読
み取り領域に現れる。したがって、その部分の読み取り
画像については段差検知に用いることが可能であり、こ
のようなものも本発明に含まれる。
【0350】また、左右の照明光の入射角は、必ずしも
等しいものでなくても構わない。
【0351】このような種々の変形が可能であるが、本
発明の趣旨を逸脱しない限り、これらの変形は全て本発
明に含まれるものである。
【0352】また、照明手段は必ずしも2つであるとは
限らない。
【0353】1つの光源から発した照明光のうち一部の
光路を変更することにより、2方向から光照射領域に照
明光を入射させるものであってもよい。図41はその例
を示す概念図である。照明部312から照射した照明光
414は、遮光部434により遮光され、左側から照明
されるべき照射スポットにのみ照明光が到達する。
【0354】また、照明部312から照射した照明光4
12は、遮光部432により、その一部が反射されると
ともに、光路が変更され、右側から照明されるべき照射
スポットにのみ照明光が到達する。
【0355】遮光部434は、前述した形状(例えば、
櫛形スリットなど)のものを利用できる。また、遮光部
432は、必要な部分だけの光を反射する鏡面となって
おり、その他の部分は光を吸収する反射防止面となって
いる。
【0356】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
書状面上の印刷内容などの色濃度分布に影響されること
無く、書状面上の段差を正確に検知することができる。
したがって、近年増加しているカラーの大きな広告のつ
いたダイレクトメール等に関しても、宛名ラベル等の位
置を正確に検知することが可能となる。この正確な検知
の効果により、宛名ではない部分を宛名であると誤認す
ることによる宛名の誤認識が大幅に減少する。
【0357】また、宛名ラベル位置の検知により、宛名
認識の処理対象となる面積が減少し、認識処理にかかる
処理時間の短縮や処理回路の縮小など、宛名認識処理の
負担を大幅に軽減する効果が得られる。このように、郵
便処理の効率化に大きく貢献することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る段差検知装置の全
体を示す斜視図。
【図2】図1の段差検知装置を手前方向から見た正面
図。
【図3】同第1実施形態の段差検知装置で用いられる小
照射領域の並びの一例を示す図。
【図4】同第1実施形態の段差検知装置で用いられる櫛
形照明の作り方の一例を説明するための図。
【図5】同第1実施形態の段差検知装置の撮像部から出
力される画像の一例を示す図。
【図6】同第1実施形態の段差検知装置におけるスリッ
トの配置位置を示す正面図。
【図7】同第1実施形態の段差検知装置におけるスリッ
トの配置位置を上から見た場合の平面図。
【図8】本発明の第2実施形態に係る段差検知装置で用
いられる小照射領域の構成の一例を示す図。
【図9】本発明の第3実施形態に係る段差検知装置で用
いられる小照射領域の構成の一例を示す図。
【図10】本発明の第6実施形態に係る段差検知装置を
示す正面図。
【図11】同第6実施形態の段差検知装置の撮像部から
出力される画像の一例を示す図。
【図12】本発明の第7実施形態に係る段差検知処理装
置の全体を示すブロック図。
【図13】本発明の第8実施形態及び第9実施形態にか
かる段差検知装置の全体を示す図。
【図14】図13に示した段差検知装置の正面図。
【図15】図13に示した段差検知装置の上面図。
【図16】光ファイバーの出射光の広がりを説明するた
めの図。
【図17】光ファイバーの出射光の広がりを説明するた
めの図。
【図18】照明方法を説明するための図。
【図19】照明方法を説明するための図。
【図20】撮像部より出力された画像の図。
【図21】p/wdと「変調度」の関係を示す図。
【図22】p/wd=1の照度分布を示す図。
【図23】p/wd=2の照度分布を示す図。
【図24】p/wd=4の照度分布を示す図。
【図25】p/wd=8の照度分布を示す図。
【図26】遮光板(スリット)を説明するための図。
【図27】スリットの第1の変形例を示す図。
【図28】スリットの第2の変形例を示す図。
【図29】変調度99%以上の領域の割合を示す図。
【図30】本発明の第10実施形態にかかる段差検知装
置の全体を示す図。
【図31】図30に示した段差検知装置の正面図。
【図32】図30に示した段差検知装置の上面図。
【図33】透明基板に遮光部分を形成した例。
【図34】透明基板に遮光部分を形成した例。
【図35】透明基板に遮光部分を形成した例。
【図36】透明基板に遮光部分を形成した例。
【図37】透明基板に遮光部分を形成した例。
【図38】従来の斜め照明による段差検知の原理を説明
するための図。
【図39】従来の切手ミシン目検出の原理を説明するた
めの図。
【図40】従来の三角測量法を説明するための図。
【図41】照明部が1つの場合の段差検知装置を示す
図。
【符号の説明】
100…画像処理部、 200…書状、 210…宛名ラベル、 211…切手、 220…読み取り領域、 221…スポット、 222…スポット、 223…ラベルエッジによる影、 224…ラベルエッジによる輝線、 230…書状の搬送方向または副走査方向、 310…照明装置(左)、 315…照明装置(右)、 321…照明光(左)による小照射領域、 322…照明光(右)による小照射領域、 410…照明光(左)、 415…照明光(右)、 420…書状面での反射光、 430…スリット(左)、 435…スリット(右)、 437…遮光部、 440…遮光板と照明光の交差する部分(左)、 445…遮光板と照明光の交差する部分(右)、 450…撮像部が読み取り領域を覗くための遮光板の隙
間、 530…結像レンズ、 540…CCDラインイメージセンサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本宮 佳典 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検物に照明光を照射する照明手段と、
    この照明手段によって照明光が照射された領域の画像を
    入力する撮像手段とを具備し、これら照明手段および撮
    像手段を用いて前記被検物上の段差を光学的に検知する
    段差検知装置において、 前記被検物面上をそれぞれ2次元の領域から成る複数の
    小照射領域に分割し、隣接する小照射領域に互いに異な
    る方向から照射光を照射することを特徴とする段差検知
    装置。
  2. 【請求項2】 所定の搬送方向に搬送される被検物に対
    して前記搬送方向と交差するライン状の照明光を照射す
    る照明手段と、この照明手段によってライン状の照明光
    が照射された領域の画像を入力する撮像手段とを具備
    し、これら照明手段および撮像手段を用いて前記被検物
    上の段差を光学的に検知する段差検知装置において、 前記照明手段は、 前記被検物面上の画像が前記被検物の搬送方向と平行な
    複数の小照射領域に分割され、かつそれら小照射領域に
    照射される照射光の方向が隣接する小照射領域間で互い
    に異なる方向となるように、前記ライン状の照明光が照
    射される光照射領域を複数の照射スポットに分割し、隣
    接する照射スポットに互いに異なる方向から同時に照明
    光を照射することを特徴とする段差検知装置。
  3. 【請求項3】 前記照明光の照射方向は、隣接する照射
    スポット毎に交互に切り替えられる第1および第2の2
    方向であり、 前記照明手段は、前記被検物の搬送方向と平行する線上
    に互いに対向配置され、前記第1および第2の方向から
    それぞれ照明光を照射する第1および第2の照明装置を
    含むことを特徴とする請求項2記載の段差検知装置。
  4. 【請求項4】 所定の搬送方向に搬送される被検物に対
    して前記搬送方向と交差するライン状の照明光を照射す
    る照明手段と、この照明手段によってライン状の照明光
    が照射された領域の画像を入力する撮像手段とを具備
    し、これら照明手段および撮像手段を用いて前記被検物
    上の段差を光学的に検知する段差検知装置において、 前記照明手段は、 検査対象の前記被検物面上の画像が前記被検物の搬送方
    向と交差する方向に沿って複数の小照射領域に分割さ
    れ、かつそれら小照射領域に照射される照射光の方向が
    隣接する小照射領域間で互いに異なる方向となるよう
    に、前記被検物の搬送動作に応じて、前記小照射領域毎
    に前記ライン状の照明光の照射方向を切り替えることを
    特徴とする段差検知装置。
  5. 【請求項5】 前記照明光の照射方向は、隣接する小照
    射領域毎に切り替えられる第1および第2の2方向であ
    り、 前記照明手段は、前記被検物の搬送方向と交差する方向
    の線上に互いに対向配置され、前記第1および第2の方
    向からそれぞれ照明光を照射する第1および第2の照明
    装置と、 これら第1および第2の照明装置から交互に照明光を出
    力させる手段とを具備することを特徴とする請求項4項
    記載の段差検知装置。
  6. 【請求項6】 被検物に照明光を照射する照明手段と、
    この照明手段によって照明光が照射された領域の画像を
    入力する撮像手段とを具備し、これら照明手段および撮
    像手段を用いて前記被検物上の段差を光学的に検知する
    段差検知装置において、 前記撮像手段は2次元の光照射領域を一度に撮像可能な
    エリアセンサから構成され、 前記照明手段は、前記2次元の光照射領域をそれぞれ2
    次元の領域から成る複数の小照射領域に分割し、隣接す
    る小照射領域に互いに異なる方向から照射光を照射する
    ことを特徴とする段差検知装置。
  7. 【請求項7】 被検物を搬送しながらその被検物を処理
    する処理装置において、 前記被検物を搬送する搬送手段と、 搬送される被検物に照明光を照射する照明手段、および
    この照明手段によって照明光が照射された領域の画像を
    入力する撮像手段から構成され、前記被検物上の段差を
    光学系を用いて検知する段差検知手段と、 この段差検知手段によって検知された段差情報に基づい
    て前記被検物に対する処理を実行する手段とを具備し、 前記段差検知手段は、 検査対象の前記被検物面上をそれぞれ2次元の領域から
    成る複数の小照射領域に分割し、隣接する小照射領域に
    互いに異なる方向から照射光が照射されるように構成さ
    れていることを特徴とする処理装置。
  8. 【請求項8】 所定の搬送方向に搬送される被検物に対
    して前記搬送方向と交差するライン状の照明光を照射す
    る照明手段と、 前記照明手段によって照射された照明光のうちの一部の
    光路を変更する遮光手段と、 これら照明手段及び遮光手段を介して得られるライン状
    の照明光が照射される光照射領域の画像を入力する撮像
    手段とを具備し、 これら照明手段、遮光手段及び撮像手段を用いて前記被
    検物上の段差を光学的に検知する段差検知装置におい
    て、 前記遮光手段は、前記照明手段から照射される照明光の
    一部の光路を変更することにより前記光照射領域を複数
    の照射スポットに分割し、隣接する照射スポットには互
    いに異なる方向からの照明光が入射するようにしたこと
    を特徴とする段差検知装置。
  9. 【請求項9】 所定の搬送方向に搬送される被検物上の
    前記搬送方向と直交するライン状の領域に向けて2つ以
    上の向きから照明光を照射する照明手段と、 前記ライン状の領域上の特定の部分に特定の方向からの
    照明光のみ到達させ、他の方向からの照明光を遮るよう
    に前記照明手段と前記ライン状の領域の間に挿入された
    遮光手段と、 前記ライン状の領域の画像を入力する撮像手段と、 前記撮像手段により撮像された画像に基づいて、前記被
    検物上の段差を光学的に検知する検知手段とを具備し、
    前記照明手段、前記遮光手段、前記撮像手段及び前記検
    知手段を用いて前記被検物上の段差を光学的に検知する
    段差検知装置において、 前記遮光手段を通過した照明光の光路方向に測った前記
    遮光手段と前記ライン状の領域との間の距離をd、 前記照明手段の1点から照射された照明光の照度が前記
    照明手段から単位距離離れた平面上において、中心点の
    照度の√eになるときの前記照明光の半径をw、 前記遮光手段の遮光部分及び光透過部分のいずれかの幅
    をpとした場合に、 p/wd>4の関係があることを特徴とする段差検知装
    置。
  10. 【請求項10】 所定の搬送方向に搬送される被検物上
    の前記搬送方向と直交するライン状の領域に向けて2つ
    以上の向きから照明光を照射する照明手段と、 前記ライン状の領域上の特定の部分に特定の方向からの
    照明光のみ到達させ、他の方向からの照明光を遮るよう
    に前記照明手段と前記ライン状の領域の間に挿入された
    遮光手段と、 前記ライン状の領域の画像を入力する撮像手段と、 前記撮像手段により撮像された画像に基づいて、前記被
    検物上の段差を光学的に検知する検知手段とを具備し、
    前記照明手段、前記遮光手段、前記撮像手段及び前記検
    知手段を用いて前記被検物上の段差を光学的に検知する
    段差検知装置において、 前記遮光手段を通過した照明光の光路方向に測った前記
    遮光手段と前記ライン状の領域との間の距離をd、 前記照明手段の1点から照射された照明光の照度が前記
    照明手段から単位距離離れた平面上において、中心点の
    照度の√eになるときの前記照明光の半径をw、 前記遮光手段の遮光部分及び光透過部分のいずれかの幅
    をpとした場合に、 p/wd>8の関係があることを特徴とする段差検知装
    置。
  11. 【請求項11】 前記遮光手段は、透明部材に遮光効果
    を得るためのパターンが形成された透明部材であること
    を特徴とする請求項8乃至請求項10いずれか1項に記
    載の段差検知装置。
  12. 【請求項12】 前記検知手段によって検知された段差
    に基づいて前記被検物に対する処理を実行する手段をさ
    らに具備することを特徴とする請求項8乃至請求項11
    いずれか1項に記載の段差検知装置。
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