JPH11151549A - エネルギ吸収シャフトの製造方法 - Google Patents

エネルギ吸収シャフトの製造方法

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JPH11151549A
JPH11151549A JP9337920A JP33792097A JPH11151549A JP H11151549 A JPH11151549 A JP H11151549A JP 9337920 A JP9337920 A JP 9337920A JP 33792097 A JP33792097 A JP 33792097A JP H11151549 A JPH11151549 A JP H11151549A
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energy absorbing
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清志 小川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 入力トルクの増大に対して一定限度までは高
い剛性を示して殆どねじれず、トルクがその限度を超え
れば容易にねじれる特性を有するエネルギ吸収シャフト
を低いコストで容易に製造することができる製造方法を
提供する。 【解決手段】 断面円形の鋼鉄の線材が用いられ、ま
ず、この線材が絞り加工によって小径化され、その後、
この線材に対する冷間鍛造のみにより少なくとも軸部g
1が所定の径に成形されると共に、該軸部g1の周囲に
所定の厚みの内部より硬度が大きい高硬度層g1′が形
成されるエネルギ吸収シャフトgを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車用シ
ートベルトのリトラクタに用いられるエネルギ吸収シャ
フトに関し、自動車部品等の製造技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】自動車におけるシートベルトのリトラク
タには、シートベルトの一端に連結されて、該ベルトを
巻き取り方向に付勢すると共に、衝突時等において該シ
ートベルトに急激な引っ張り荷重が作用したときには、
その引っ張り荷重に基づくトルクによりねじられて、衝
撃エネルギを吸収するようにしたエネルギ吸収シャフト
が用いられることがある。
【0003】このシャフトは、図18に示すように、両
端部に設けられてトルク入力部材と固定部材とがそれぞ
れ係合される多角形状の係合部A1,A2と、これらの
中間部の軸部A3とを一体的に形成したもので、中間の
軸部A3は、当該自動車の衝突時等においてシートベル
トを介して両端部の係合部A1,A2間に大きなトルク
が作用したときに適度にねじれるように、その材料や径
ないしねじり剛性が設定されることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このシート
ベルトのリトラクタ用のエネルギ吸収シャフトは、当該
自動車の衝突の際に作用するトルクに対しては大きな剛
性を発揮して、シートベルトを介して乗員を確実に支え
ると共に、その直後のエアバックの作動後には、乗員を
エアバックに委ねるために、十分にねじれてシートベル
トを緩めるように作用することが要求されるのである。
【0005】つまり、図19に示す実線の曲線のよう
に、入力トルクの増大に対して一定限度までは高い剛性
を示して殆どねじれず、トルクがその限度を超えれば容
易にねじれるといった特性が要求されるのである。
【0006】しかし、従来の中間部を切削加工により所
定の径の軸部に形成したシャフト(以下、従来品とい
う)の場合、図19に従来例として示す破線の曲線のよ
うに、入力トルクの増大に対して比較的早い段階からね
じれ始め、そのため、衝突の瞬間に、エアバックの作動
に先立って緩み始めてシートベルトに作用する大きな引
っ張り荷重に十分に耐えられないおそれがあった。
【0007】また、これに対しては、この従来品に上記
のような特性を付与するために、焼き入れ等の他の加工
を施すことが考えられるが、この場合だと、製造コスト
が高くなる。
【0008】そこで、入力トルクの増大に対して一定限
度までは高い剛性を示して殆どねじれず、トルクがその
限度を超えれば容易にねじれるといった特性を有するエ
ネルギ吸収シャフトを低いコストで容易に製造すること
のできる製造方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
【0010】まず、本願の請求項1に係る発明(以下、
第1発明という)は、両端部にトルク入力部材と固定部
材がそれぞれ係合される係合部を有し、中間部が上記入
力部材からの入力トルクによりねじられる軸部とされた
エネルギ吸収シャフトの製造方法に関するものであっ
て、断面円形の金属の線材を材料とし、まず、この線材
を絞り加工によって小径化すると共に、その後、この線
材に対する冷間鍛造のみにより、少なくとも上記軸部を
所定の径に成形することを特徴とする。
【0011】また、請求項2に係る発明(以下、第2発
明という)は、上記第1発明の製造方法に関するもので
あって、線材として、断面円形の金属を伸線したものを
用いることを特徴とする。
【0012】また、請求項3に係る発明(以下、第3発
明という)は、上記第1発明または第2発明の製造方法
のいずれかに関するものであって、冷間鍛造は、互いに
対向するダイスとパンチとにより構成された複数のステ
ーションを有する多段式冷間鍛造機を用い、まず、上段
側のステーションにより線材を小径化すると共に、その
後、次段からの複数のステーションにより軸部と該軸部
の一方の端部の係合部とを成形し、さらに、分割ダイス
を備えた後段側のステーションにより上記軸部の他方の
端部の係合部を成形することを特徴とする。
【0013】上記の構成によれば、次のような作用が得
られる。
【0014】まず、第1発明の方法においては、断面円
形の金属の線材を材料として用い、この線材に対して、
まず、絞り加工を施すことになるが、この絞り加工によ
り小径化される時に、線材は表面が硬化した状態にな
る。そして、この線材を用い、少なくとも軸部について
は、冷間鍛造のみによって所定の径に成形するので、上
記線材の硬化した表面が削られたり、破壊されたりする
ことなく、この硬化した表面が冷間鍛造によって内部に
向かって厚くなり、軸部の周囲に所定の厚みの内部より
も硬度が大きな高硬度層が形成されることになる。
【0015】したがって、この第1発明によれば、入力
トルクの増大に対して一定限度までは、上記高硬度層が
このトルクに耐えることにより高い剛性を示して殆どね
じれず、トルクがその限度を超えれば高硬度層が破壊さ
れることにより、全体が容易にねじれるエネルギ吸収シ
ャフトが製造されることになる。
【0016】また、第2発明の方法においては、断面円
形の金属を伸線した線材は、延伸時に表面が硬化した状
態であり、該線材が絞り加工によって小径化される時に
表面がさら硬化した状態になる。そして、この線材を用
いるので、この硬化した表面が上記第1発明の方法によ
って内部に向かって厚くなり、軸部の周囲に所定の厚み
の内部よりも硬度が大きな高硬度層が形成されることに
なる。
【0017】したがって、この第2発明によれば、上記
第1発明と同様の作用が得られる。
【0018】また、第3発明の方法によれば、多段式冷
間鍛造機を用い、まず、上段側ステーションにより線材
を小径化すると共に、その後、次段からの複数のステー
ションにより軸部とその一方の端部の係合部を成形し、
さらに、分割ダイスを備えた後段側のステーションによ
り上記軸部の他方の端部の係合部を成形するので、両端
部に係合部を有し、しかも、軸部の周囲に所定の厚みの
内部よりも硬度が大きな高硬度層が形成されたエネルギ
吸収シャフトが連続的に効率よく製造されることにな
る。
【0019】なお、上記線材の材料としては、鋼鉄が望
ましいがステンレス、または、その他の金属等を材料と
してもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
エネルギ吸収シャフトの製造方法について説明する。
【0021】この実施の形態に用いる線材は、鋼鉄(J
IS表示 SWCH8R)が、冷間状態で大径から小径
に数回の絞り加工により伸線されて、線径が9.7mm
とされている。また、この線材は、断面が円形となって
おり、絞り加工により表面が硬化した状態にある。
【0022】そして、まず、図1に示すように、上記線
材を所定の長さに切断することにより、棒状で直径D1
が9.7mmの素材aを形成する。
【0023】次に、第1冷間鍛造工程によって、図2に
示すように、上記素材aが小径化された直径D2が9.
32mmの基準軸部b1と、その一端部に設けられた小
径軸部b2とを有する中間素材bが形成される。
【0024】次に、第2冷間鍛造工程によって、図3に
示すように、上記中間素材bの基準軸部b1に対応する
基準軸部c1と、その一端部の小径軸部c2とを有する
と共に、基準軸部c1の他方の端部に設けられた大径部
c3とを有する中間素材cが形成される。
【0025】次に、第3冷間鍛造工程によって、図4に
示すように、基準軸部d1と小径軸部d2とを有すると
共に、上記中間素材cの大径部c3を整形してなる六面
体部d3と、これに隣接した鍔部d4とを有する中間素
材dが形成される。
【0026】次に、第4冷間鍛造工程によって、図5に
示すように、基準軸部e1と小径軸部e2とを有すると
共に、上記中間素材dの六面体部d3と鍔部d4とを整
形してなる係合部e3を有する中間素材eが成形され
る。
【0027】さらに、第5冷間鍛造工程によって、図6
に示すように、基準軸部f1と、その一端側の小径軸部
f2と、他端側の係合部f3とを有すると共に、基準軸
部f1と小径軸部f2との間に、大径部f4が設けられ
た中間製品fが成形される。
【0028】そして、必要に応じて後加工を施すことに
よって、図7に示すように、中間の軸部g1と、その両
端部の六面体に形成された係合部g2,g3と、一方の
係合部g3から延びる小径軸部g4とを有し、かつ、こ
の小径軸部g4の先端に平行二面部g5が設けられた最
終製品としてのエネルギ吸収シャフトgが成形される。
【0029】なお、この後加工については、鍛造、切
削、プレス等のいずれの加工で行なってもよい。
【0030】以上のように、この実施の形態では、上記
9.7mmの線材aを9.32mmの基準軸部b1に小
径化する絞り加工を含む5回の冷間鍛造を施して基準軸
部を徐々に太くし、最終製品としてのエネルギ吸収シャ
フトgの軸部g1の直径D3を9.5mmに成形してい
るが、このように、表面が硬化してなる線材を絞り加工
によって小径化する時に、該表面がさらに硬化した状態
になると共に、この線材を繰り返し冷間鍛造を施すこと
により、図8に示すように、硬化した表面が内部に向か
って厚くなり、軸部g1の周囲に高硬度層g1′が形成
されることになる。
【0031】図9は、このエネルギ吸収シャフトgの軸
部g1の断面における硬度分布を示したものである。
【0032】この図9に示すように、上記エネルギ吸収
シャフトgの場合、軸部g1の表面からXの範囲にわた
って硬度が大きな高硬度層g1′が形成されているので
ある。
【0033】このように、このエネルギ吸収シャフトg
の軸部g1の表面には、所定の厚みを備えた内部よりも
硬度が大きな高硬度層g1′が形成されているので、こ
の軸部g1の両端部の係合部g2,g3との間に大きな
トルクが作用した時に、図10に示すように、該シャフ
トgの場合、大きいトルクYまで軸部g1は殆どねじれ
ない。
【0034】つまり、このシャフトgの場合、入力トル
クの増大に対して一定限度までは、上記高硬度層がこの
トルクに耐えることにより高い剛性を示して殆どねじれ
ず、トルクがその限度を超えれば高硬度層が破壊される
ことにより、全体が容易にねじれることになるのであ
る。
【0035】したがって、このエネルギ吸収シャフトg
を自動車用のシートベルトのリトラクタに用いた場合、
自動車の衝突の際に作用するトルクに対して大きな剛性
を発揮して、シートベルトを介して乗員を確実に支える
と共に、その直後のエアバックの作動後には、乗員をエ
アバックに委ねるために十分にねじれてシートベルトを
緩めるように作用することになる。
【0036】なお、上記線材の材料として、鋼鉄(JI
S表示 SWCH8R)が用いられているがステンレ
ス、または、その他の金属等を材料としてもよい。
【0037】次に、この実施の形態に係るエネルギ吸収
シャフトの製造に用いる例えば1つの製造装置について
説明する。
【0038】図11に示すように、この製造装置は、5
段の冷間鍛造ステーションX1〜X5でエネルギ吸収シ
ャフトの中間製品を成形する冷間多段式鍛造装置であっ
て、機台1に、カッター装置(図示せず)と、ダイスユ
ニット11〜15とを併設すると共に、この機台1に近
接、離反するように往復運動をするラム2に、上記ダイ
スユニット11〜15にそれぞれ対向させて複数のパン
チユニット21〜25を取り付けた構成とされている。
【0039】まず、図1に示すように、線材から所定の
長さに切断された棒状の素材aが供給装置により第1冷
間鍛造ステーションX1へ供給されると、図12に示す
ように、ラム2の前進によりパンチユニット21がダイ
スユニット11に当接するまで前進して、上記素材aが
ダイスホルダ31に保持されたダイス32の成形孔32
aと、パンチホルダ33に保持されたパンチ側ダイス3
4の成形孔34aとから構成される中間素材bの形状に
相当する成形孔内に保持される。その後、さらに、上記
ラム2の前進により押え板35がスプリング36,36
を圧縮しながらパンチ37に当接すると共に、該パンチ
37がパンチ側ダイス34の成形孔34a内に打ち込ま
れることによって小径化された基準軸部b1と、その一
端部に設けられた小径軸部b2とを有する中間素材b
(図2に示す)が成形がされる。
【0040】そして、ラム2の後退によりパンチユニッ
ト21が後退し、その後、ダイス32の後端面から前端
面にかけて貫通するノックアウトピン38がラム2側に
突き出ることにより中間素材bが排出されると共に、第
2冷間鍛造ステーションX2へ供給される。
【0041】次に、中間素材bが供給装置により第2冷
間鍛造ステーションX2へ供給されると、図13に示す
ように、ラム2の前進によりパンチユニット22がダイ
スユニット12に当接するまで前進して、上記中間素材
bがダイスホルダ41に保持されたダイス42の成形孔
42aと、パンチホルダ43に保持されたパンチ側ダイ
ス44の成形孔44aとから構成される中間素材cの形
状に相当する成形孔内に保持される。その後、さらに、
上記ラム2の前進により押え板45がスプリング46,
46を圧縮しながらパンチ47に当接すると共に、該パ
ンチ47がパンチ側ダイス44の成形孔44a内に打ち
込まれることによって中間素材c(図3に示す)が成形
される。
【0042】そして、ラム2の後退によりパンチユニッ
ト22が後退し、その後、ダイス42の後端面から前端
面にかけて貫通するノックアウトピン48がラム2側に
突き出ることにより中間素材cが排出されると共に、第
3冷間鍛造ステーションX3へ供給される。
【0043】次に、中間素材cが供給装置により第3冷
間鍛造ステーションX3へ供給されると、図14に示す
ように、ラム2の前進によりパンチユニット23が前進
して、パンチホルダ51に保持されたパンチ側ダイス5
2の成形孔52aの面が上記中間素材cの前端面に当接
すると共に、該パンチ側ダイス52の前進により中間素
材cがダイスホルダ53,54にそれぞれ保持されたダ
イス55,56の成形孔55a,56a内に打ち込まれ
ることによって中間素材d(図4に示す)が成形がされ
る。
【0044】そして、ラム2の後退によりパンチユニッ
ト23が後退し、その後、ダイス56の後端面から前端
面にかけて貫通するノックアウトピン57がラム2側に
突き出ることにより中間素材dが排出されると共に、第
4冷間鍛造ステーションX4へ供給される。
【0045】次に、中間素材dが供給装置により第4冷
間鍛造ステーションX4へ供給されると、図15に示す
ラム2の前進によりパンチユニット24が前進して、パ
ンチホルダ61に保持されたパンチ62の成形孔62a
の面が上記中間素材dの前端面に当接すると共に、該パ
ンチ62の前進により中間素材dがダイスホルダ63,
64にそれぞれ保持されたダイス65,66の成形孔6
5a,66a内に打ち込まれることによって中間素材e
(図5に示す)が成形がされる。
【0046】そして、ラム2の後退によりパンチユニッ
ト24が後退し、その後、ダイス66の後端面から前端
面にかけて貫通するノックアウトピン67がラム2側に
突き出ることにより中間素材eが排出されると共に、第
5冷間鍛造ステーションX5へ供給される。
【0047】次に、中間素材eが供給装置により第5冷
間鍛造ステーションX5へ供給されると、図16に示す
ラム2の前進によりパンチユニット25が前進して、パ
ンチホルダ71に保持されたパンチ72の成形孔72a
の面が上記中間素材eの前端面に当接した状態でダイス
側に打ち込まれる。
【0048】そして、上記パンチ72の前進動作に伴っ
て中間素材eを前部ダイス73の内に押し込む過程で、
該パンチ72が拡縮可能となるように複数個に分割され
たダイス部材74…74に当接してスプリング75…7
5を圧縮しながらダイス部材74…74ga前部ダイス
ホルダ76と共に、機台1の取付孔1a内に押し込まれ
る。この時、上記ダイス部材74…74は、外周面の第
1テーパ面74a…74aと第2テーパ面74b…74
bとが前部ダイスホルダ76の内周面の第1テーパ面7
6aと第2テーパ面76bとに案内されて、これらダイ
ス部材74…74を拡径するように付勢するスプリング
77…77を圧縮して全体として縮径される。
【0049】そして、この縮径されたダイス部材74…
74で構成された成形孔73aに上記中間素材eが掴持
され、この状態で中間素材eがパンチ72の前進により
後部ダイスホルダ78に保持された後部ダイス79の成
形孔79a内に打ち込まれることによって中間製品f
(図6に示す)が成形がされる。
【0050】そして、図17に示すように、ラム2の後
退によりパンチユニット25が後退し、その後、圧縮し
ていたスプリング75…75の付勢力によって、前部ダ
イスホルダ76が上記中間製品fを掴持したダイス部材
74…74と共にストッパプレート76に当接するまで
後退する。その後、後部ダイス79の後端面から前端面
にかけて貫通するノックアウトピン81がラム2側に突
き出ることにより上記中間製品fを介してダイス部材7
4…74が前部ダイスホルダ76内を後退すると共に、
これらダイス部材74…74は圧縮していたスプリング
77…77の付勢力により拡径する。そして、さらに、
ノックアウトピン81がラム2側に突き出ることにより
中間製品fが排出される。
【0051】そして、必要に応じて後加工を施すことに
よって、最終製品としてのエネルギ吸収シャフトg(図
7に示す)が成形される。
【0052】このような製造方法によれば、多段式冷間
鍛造機の上段側ステーションにより線材を小径化すると
共に、その後、次段からの複数のステーションにより軸
部とその一方の端部の係合部を成形し、さらに、分割ダ
イスを備えた後段側のステーションにより上記軸部の他
方の端部の係合部を成形するので、該分割ダイスが上記
係合部の径より拡径することによって、両端部に係合部
を有し、しかも、軸部の周囲に所定の厚みの内部よりも
硬度が大きな高硬度層が形成されたエネルギ吸収シャフ
トが連続的に効率よく製造されることになる。
【0053】
【発明の効果】以上のように、まず、第1発明の方法に
おいては、断面円形の金属の線材を材料として用いる
が、この線材は、絞り加工により小径化される時に表面
が硬化した状態になる。そして、この線材を用い、少な
くとも軸部については、冷間鍛造のみによって所定の径
に成形するので、上記線材の硬化した表面が削られた
り、破壊されたりすることなく、この硬化した表面が冷
間鍛造によって内部に向かって厚くなり、軸部の周囲に
所定の厚みの内部よりも硬度が大きな高硬度層が形成さ
れることになる。
【0054】したがって、この第1発明によれば、入力
トルクの増大に対して一定限度までは、上記高硬度層が
このトルクに耐えることにより高い剛性を示して殆どね
じれず、トルクがその限度を超えれば高硬度層が破壊さ
れることにより、全体が容易にねじれる特性を有するエ
ネルギ吸収シャフトを、焼き入れ等の他の加工を必要と
することなく、低コストで容易に製造することが可能に
なる。
【0055】また、第2発明の方法においては、断面円
形の鋼鉄を伸線した線材は、延伸時に表面が硬化した状
態であり、該線材が絞り加工によって小径化される時に
表面がさら硬化した状態になる。そして、この線材を用
いるので、この硬化した表面が上記第1発明によって内
部に向かって厚くなり、軸部の周囲に所定の厚みの内部
よりも硬度が大きな高硬度層が形成されることになる。
【0056】したがって、この第2発明によれば、上記
第1発明と同様の効果を得ることが可能になる。
【0057】また、第3発明の方法によれば、多段式冷
間鍛造機を用い、上段側のステーションにより線材を小
径化すると共に、その後、次段からの複数のステーショ
ンにより軸部とその一方の端部の係合部を成形し、さら
に、分割ダイスを備えた後段側のステーションにより上
記軸部の他方の端部の係合部を成形するので、両端部に
係合部を有し、しかも、軸部の周囲に所定の厚みの内部
よりも硬度が大きな高硬度層が形成されたエネルギ吸収
シャフトを連続的に効率よく製造することが可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る製造方法を用いた製造装置で加
工される前の素材の形状を示す図である。
【図2】 同製造装置の第1冷間鍛造工程によって得ら
れた中間素材の形状を示す図である。
【図3】 同製造装置の第2冷間鍛造工程によって得ら
れた中間素材の形状を示す図である。
【図4】 同製造装置の第3冷間鍛造工程によって得ら
れた中間素材の形状を示す図である。
【図5】 同製造装置の第4冷間鍛造工程によって得ら
れた中間素材の形状を示す図である。
【図6】 同製造装置の第5冷間鍛造工程によって得ら
れた中間製品の形状を示す図である。
【図7】 後加工によって得られた最終製品の形状を示
す図である。
【図8】 最終製品の軸部の拡大断面図である。
【図9】 エネルギ吸収シャフトの軸部における表面か
ら中心までの硬度を示す図である。
【図10】 エネルギ吸収シャフトの軸部における入力
トルクとねじれ角度との関係を示す図である。
【図11】 本発明に係る製造方法を用いた製造装置の
概略正面である。
【図12】 同製造装置の第1冷間鍛造ステーションの
縦断面図である。
【図13】 同製造装置の第2冷間鍛造ステーションの
縦断面図である。
【図14】 同製造装置の第3冷間鍛造ステーションの
縦断面図である。
【図15】 同製造装置の第4冷間鍛造ステーションの
縦断面図である。
【図16】 同製造装置の第5冷間鍛造ステーションの
ダイス部材が縮径した状態の縦断面図である。
【図17】 同製造装置の第5冷間鍛造ステーションの
ダイス部材が拡径した状態の縦断面図である。
【図18】 従来のエネルギ吸収シャフトの形状を示す
図である。
【図19】 エネルギ吸収シャフトにおける要求特性と
従来特性とを示す図である。
【符号の説明】
g エネルギ吸収シャフト g1 軸部 g2,g3 係合部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 清志 神奈川県藤沢市桐原町12番地 日本精工株 式会社内 (72)発明者 清水 正利 東京都江東区枝川二丁目13番1号 日発販 売株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両端部にトルク入力部材と固定部材がそ
    れぞれ係合される係合部を有し、中間部が上記入力部材
    からの入力トルクによりねじられる軸部とされたエネル
    ギ吸収シャフトの製造方法であって、断面円形の金属の
    線材を材料とし、まず、この線材を絞り加工によって小
    径化すると共に、その後、この線材に対する冷間鍛造の
    みにより、少なくとも上記軸部を所定の径に成形するこ
    とを特徴とするエネルギ吸収シャフトの製造方法。
  2. 【請求項2】 線材として、断面円形の金属を伸線した
    ものを用いることを特徴とする請求項1に記載のエネル
    ギ吸収シャフトの製造方法。
  3. 【請求項3】 冷間鍛造は、互いに対向するダイスとパ
    ンチとにより構成された複数のステーションを有する多
    段式冷間鍛造機を用い、まず、上段側のステーションに
    より線材を小径化すると共に、その後、次段からの複数
    のステーションにより軸部と該軸部の一方の端部の係合
    部とを成形し、さらに、分割ダイスを備えた後段側のス
    テーションにより上記軸部の他方の端部の係合部を成形
    することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれ
    かに記載のエネルギ吸収シャフトの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014201776A (ja) * 2013-04-02 2014-10-27 株式会社東海理化電機製作所 トーションバー及びウェビング巻取装置

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