JPH11151261A - 医療用袋排出口具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 排液袋の最下部に配置することができ、開閉
操作の際に接続チューブが回転せず、開状態、閉状態の
確認が容易であり、開状態、閉状態のどちらの状態にお
いても突出部分がなく着用上違和感を感じないような医
療用袋排出口具を提供する。 【解決手段】 排液袋１６の最下部１７に排液袋１６と
シール結合され下方に延びる排液通路２を有する接続部
１と、接続部１に連結された弁部３とを備え、弁部３は
排液通路２に垂直な軸６を有する円筒状の本体４と、本
体４に接続部１の排液通路２と連通するように設けられ
た入口７と、入口７に対し本体４の下部でかつ軸方向に
ずれた位置にある出口８と、本体４内に本体の軸の周り
に回転可能に挿入された弁作動体５と、弁作動体５内に
形成され本体４の入口７と出口８とを連通させる排液通
路１０とを有し、弁作動体５は端部１２に弁作動体５を
回転させる操作部１１を有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、医療用袋の排液通
路に設けられ、排液通路の開閉を行う排出口具に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】膀胱癌その他の疾患によって泌尿器系の
臓器が正常に働かなくなり、尿路変更手術で腹部表面に
尿管を露出させた患者は、腹部表面から尿を排出させな
ければならない。そのため患者は腹部に尿を受けるため
の排液袋、即ちいわゆるウロストミー袋を装着して日常
生活を送ることになる。このような患者即ちウロストメ
イトは健常人と異なり排尿を自己制御できないから、尿
は随時ウロストミー袋中に排出され、感染を未然に防止
するためにも、定期的にウロストミー袋中に溜まった尿
を袋外に排出する必要がある。そのため袋には排液通路
が設けられ、この排液通路の開閉を行う排出口具を備え
ている。排出口具には種々の形態が存在する。その一つ
はウロストミー袋の最下部の少し上の表側面に排出口を
設けたものであり、ウロストミー袋と排出口とのシール
形成が容易で、開閉操作もし易いという利点を持ってい
るが、排出口の位置がウロストミー袋の最下部より上方
にあるためウロストミー袋内部の最下部に溜まった尿が
排出し切らず残ってしまうという欠点がある。他の一つ
はウロストミー袋の最下部に二方活栓式の排出口具を設
けたものであるが、弁部材を開閉のため回転させるとき
弁部材に接続されたチューブも回転してしまう構造のた
め、チューブの捩れにつながり、チューブの折れ等を誘
発する恐れがあり好ましくない。また弁部分が９０°回
転式では弁の操作部が開閉のいずれか一方で体より突出
する形になり、日常生活の際違和感を与える異物とな
り、操作部を小さくすると操作がし難いため、上述の両
方式とも弁部分は１８０°回転式を採用しているが、ど
ちらが開で、どちらが閉かの確認がし難いため、シール
を取り付けることなどで視認性を高めているが、ウロス
トミー袋が下腹部にあるため見難く、特に視力の衰えた
高年者層には相当に困難な操作である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、排液
袋の最下部に配置することができ、開閉操作の際に接続
チューブが回転せず、開状態、閉状態の確認が容易であ
り、開状態、閉状態のどちらの状態においても突出部分
がなく着用上違和感を感じないような医療用袋排出口具
を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、本発明においては、排液袋の最下部に排液袋とシー
ル結合され下方に延びる排液通路を有する接続部と、接
続部に連結された弁部とを備え、弁部は接続部の排液通
路に垂直な軸を有する円筒状の本体と、本体に接続部の
排液通路と連通するように設けられた入口と、入口に対
し本体の下部でかつ本体の軸方向にずれた位置にある出
口と、本体内に本体の軸の周りに回転可能に挿入された
弁作動体と、弁作動体内に形成され本体の入口と出口と
を連通させる排液通路とを有し、弁作動体は端部に弁作
動体を回転させる操作部を有する。

【０００５】

【発明の実施の形態】本発明においては、断面がほぼ菱
形で内部に排液通路を有する接続部を排液袋の最下部の
内側に液密に結合し、この接続部にその排液通路と弁部
の円筒状の本体の入口とが連通するように弁部の本体を
連結し、弁本体に入口と出口とに連通する斜め下方に走
る排液通路を設け、操作部に操作用の摘みを設けると有
利である。排液通路は直線状に形成しても、或いはかぎ
状に折れ曲がるように形成してもよい。

【０００６】また、本発明においては、操作部に可撓性
の連結片を介してキャップを取り付け、弁部の出口側を
このキャップで閉鎖し得るようにすると有利である。

【０００７】

【実施例】次に本発明の実施例を図面について説明す
る。

【０００８】図１は本発明の一実施例を示し、ａは縦断
正面図、ｂは左側面図、ｃは平面図である。１は断面菱
形に形成された接続部で、排液袋の最下部の内側に外表
面で液密に結合され、内部には排液通路２が設けられて
いる。３は接続部に連結された弁部で、円筒状の本体
４、本体４内に回転可能に挿入された円柱状の弁作動体
５とからなり、本体４、弁作動体５の軸６は接続部の排
液通路２に垂直に延びている。本体４は排液通路２に連
通する入口７、入口７に対し軸６の方向に若干ずれた下
方の位置に設けられた出口８、出口８に接続されたチュ
ーブ接続管９とを有し、弁作動体５は本体４内で軸６の
周りに回転し得るようになっており、本体４の入口７と
出口８とに連通し得る斜め下方に走る排液通路１０を有
する。１１は弁作動体５の端部１２に設けられた操作部
で、その外部に形成された摘み１３を持って弁作動体５
を回転させ、弁部３の開閉を行うことができる。操作部
１１には更に可撓性の連結片１４が設けられ、その先端
にキャップ１５が取り付けられ、このキャップ１５は本
体４のチューブ接続管９の先端に被せることにより弁部
３の閉状態を確実にするものである。図のｄは上述の排
出口具を排液袋１６の最下端１７に接続部１で液密に取
り付けた状態を示す。１８は排液袋１６の周辺に形成さ
れたシール部分である。

【０００９】図２は図１に示す実施例の開閉状態の説明
図である。ａ、ｂは閉じた状態で、弁本体５の排液通路
９は本体４の入口７、出口８のいずれとも連通しておら
ず排液袋内の排液は本体４の入口７の所で止められてい
る。この場合蓋１５をチューブ接続管９の先端に嵌める
ことにより閉状態は更に確実にされる。ｃ、ｄは、ａ、
ｂに示す状態から操作部１１を摘み１３により１８０°
回転させることにより得られた開状態で、弁作動体５の
排液通路１０は本体４の入口７と出口８と連通する位置
となり、接続部１の排液通路２から本体４の入口７、弁
作動体５の排液通路１０、本体４の出口８を経て、チュ
ーブ接続管９に通じる排液通路が形成され、排液袋内の
排液は円滑に排出される。この場合、接続部１からチュ
ーブ接続管９に至る通路の断面が途中殆ど狭まることな
く連続していることは排液の円滑な流れを確保する上で
非常に重要な点である。また、閉状態においても開状態
においても操作部１１の摘み１３は排液の流れと平行、
即ち体の表面と平行にあり、体の外側へ突出する部分が
なく、装着者に異物感を感じさせない。

【００１０】図３は本発明の異なる実施例の縦断正面図
で、図１の実施例と同等部分には同符号が付してある。
この実施例では弁部の弁作動体５の排液通路１９が上方
から下方へ斜め方向に延びる点では図１のものと同様で
あるが、図１の実施例のように直線状ではなくかぎ状に
折れ曲がって形成されている。ａは閉状態、ｂは開状態
を示す。この実施例でも排液通路の断面はどの位置でも
ほぼ同じでかつ大きくとることができ、排液の円滑な流
れを保証する。

【００１１】本発明の排出口具は、成形性が良好で、剛
性、耐水性、耐熱性、耐衝撃性等のある素材で構成する
のが好ましい。例えば、ポリアクリル酸、ポリスチレ
ン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポ
リアセタール、ポリエチレン、ポリプロピレン等の単一
組成物や、これらのポリマー及び他のポリマーやフィラ
ーとの混合物及び共重合体及び変成した組成物などを用
いることができる。

【００１２】

【発明の効果】本発明によれば、排出口具は排液袋の最
下部に配置されるから、排液袋内の排液、即ち尿を全て
排出させることが可能で、内部に排液を残すことなく処
理でき、衛生上の問題なく着用者は安心して使用するこ
とができる。また、弁式の排出口具のため、排出操作が
容易であり、採尿袋やレッグバッグに接続してから弁を
開くことができ、着用者は尿漏れの不安なく使用でき、
弁作動体が１８０°操作のため開状態、閉状態共に操作
部の摘みは体と平行になり使用中邪魔になることがな
く、また接続チューブが回転によって捩じれるようなこ
とはなく、操作部の摘みを中心に対し非対称に構成する
ことができるから、開と閉との区別の確認がし易く、視
力の弱い人や高齢者でも取り扱いが極めて容易である。
更に、排出口具内の排液通路の断面がほぼ一定で、途中
に狭まった部分が存在しないから、排液が円滑に流れ、
閉塞といった故障を起こす可能性が極めて少なくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例の、ａは縦断正面図、ｂは側面
図、ｃは平面図、ｄは排液袋に接続した状態の正面図で
ある。

【図２】図１に示す実施例の、ａ、ｂは閉じた状態のそ
れぞれ縦断正面図、側面図、ｃ、ｄは開いた状態のそれ
ぞれ縦断正面図、側面図である。

【図３】本発明の異なる実施例の、ａは閉状態、ｂは開
状態の縦断正面図である。

【符号の説明】

１ 接続部 ２ 接続部の排液通路 ３ 弁部 ４ 弁部の本体 ５ 弁部の弁作動体 ６ 弁部の本体の軸 ７ 弁部の本体の入口 ８ 弁部の本体の出口 ９ チューブ接続管 １０ 弁作動体の排液通路 １１ 操作部 １２ 弁作動体の端部 １３ 操作部の摘み １４ 連結片 １５ キャップ １６ 排液袋 １７ 排液袋の最下部 １８ 排液袋のシール部分 １９ 弁作動体の排液通路

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 排液袋の最下部に排液袋とシール結合さ
   れ下方に延びる排液通路を有する接続部と、接続部に連
   結された弁部とを備え、弁部は接続部の排液通路に垂直
   な軸を有する円筒状の本体と、本体に接続部の排液通路
   と連通するように設けられた入口と、入口に対し本体の
   下部でかつ本体の軸方向にずれた位置にある出口と、本
   体内に本体の軸の周りに回転可能に挿入された弁作動体
   と、弁作動体内に形成され本体の入口と出口とを連通さ
   せる排液通路とを有し、弁作動体は端部に弁作動体を回
   転させる操作部を有することを特徴とする医療用袋排出
   口具。
2. 【請求項２】 弁作動体の排液通路は斜め下方に直線状
   に延びていることを特徴とする請求項１記載の医療用袋
   排出口具。
3. 【請求項３】 弁作動体の排液通路は斜め下方にかぎ状
   に折れ曲がって延びていることを特徴とする請求項１記
   載の医療用袋排出口具。
4. 【請求項４】 操作部は１８０°の回転により開閉が行
   われることを特徴とする請求項１記載の医療用袋排出口
   具。
5. 【請求項５】 操作部は開時と閉時において排液袋と平
   行な位置を占める摘みを有することを特徴とする請求項
   １記載の医療用袋排出口具。
6. 【請求項６】 操作部に可撓性の連結片を介してキャッ
   プが取り付けられていることを特徴とする請求項１記載
   の医療用袋排出口具。