JPH11150775A - スピーカ装置およびこれを用いたテレビジョン受像機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は主にテレビジョン受像機などに利用
されるスピーカ装置に関するものであり、音波の放射効
率や音質の優れたスピーカ装置を提供することを目的と
するものである。 【解決手段】 スピーカユニット５のフレーム窓２４ａ
の開口率を吸音材７を貼り付けて調整するものであり、
テレビジョン受像機のキャビネットの放熱孔９から放射
されるスピーカ装置５ｂの後面放出音波２を減少させ、
テレビジョン受像機の放熱孔９からの回り込み現象を抑
制することにより、低域感や音像定位感を向上させ、ま
たひずみの少ない優れた音質のスピーカ装置を提供する
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は音響管を結合したス
ピーカ装置およびこれを用いたテレビジョン受像機に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、音響管を有するスピーカ装置は、
狭スペースに配置可能で特定方向に位置する聴取者にの
み明瞭な音を提供するという利点があり多く用いられて
いる。

【０００３】以下に従来のスピーカ装置について図３〜
図６により説明する。図３は上記従来のスピーカ装置の
斜視図、図４は同スピーカ装置を内蔵したテレビジョン
受像機の斜視図、図５は同スピーカ装置を内蔵したテレ
ビジョン受像機の構造概念図であり、図６は要部である
スピーカユニットの側断面図である。同図によると、５
は細長の矩形状の終端開口部６を有する音響管１を前面
に結合したスピーカユニットで、これらでスピーカ装置
５ａを形成している。８はバックキャビネットであり、
放熱孔９を有しており、１０はテレビの前面キャビネッ
トであり、バックキャビネット８と前面キャビネット１
０とでテレビキャビネット１２を構成するとともに、こ
の内部にスピーカ装置５ａと陰極線管１１を配置してい
る。

【０００４】なお、スピーカユニット５は上下プレー
ト、マグネットからなる磁気回路２１とこの磁気回路２
１上に結合されたフレーム２４と上記磁気回路２１の磁
気ギャップにはめ込まれたボイスコイル２３に内周が結
合され外周が上記フレーム２４に結合されるエッジ部２
５ａと振動板本体２５ｂからなる振動板２５等から形成
されている。

【０００５】以上のように構成された従来のスピーカ装
置を内蔵したテレビジョン受像機は図５に示すようにス
ピーカユニット５の前面部に音波を導く音響管１を結合
したスピーカ装置５ａをテレビジョン受像機内部の陰極
管１１に沿わせて内蔵し、さらにキャビネット１２に上
記スピーカ装置５ａを沿わせる構造とすることにより、
テレビジョン受像機の小型スリム化を可能としている。

【０００６】次に動作について説明すると、スピーカユ
ニット５に信号が入力されるとスピーカユニット５の振
動板２５が振動し、その振動が音波になって細長くほぼ
矩形形状に近い形状に構成された音響管１の開口部６か
ら自然な音となり再生されるものである。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、振動板２５を振動させるため上記フレー
ム２４にフレーム窓を設けているので、スピーカ装置５
ａの前面から放射される音波（前面放出音波３）と同時
にスピーカ装置５ａの後面へ放射される音波（後面放出
音波）があり、この後面から放出される後面放出音波２
がテレビジョン受像機の放熱孔９より放出されると、音
波の回り込み現象が発生し、音圧の位相差から前面に放
射される音を打ち消す方向に働くため特にボーカルの音
圧感を著しく低下させ、さらに音像定位感をも悪化さ
せ、音質に悪影響を与えるという課題を有していた。

【０００８】また、コスト的な制約やスペース的な制約
によってスピーカ装置５ａの後面へ放射される音を遮断
する密閉型の構造を有することは困難であるという問題
点を有していた。

【０００９】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、構造的にも簡単に音波の放射効率や音質の優れたス
ピーカ装置を提供することを目的とするものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明のスピーカ装置は、少なくとも内周側がボイス
コイルに結合され外周側がフレームに結合された振動板
を有するスピーカユニットと、このスピーカユニットの
前面に結合された矩形形状の終端開口部を有する音響管
と、上記スピーカユニットの上記フレームのフレーム窓
に設けられたフレーム窓の開口率可変手段とで構成した
ものであり、後面へ放射される音波を制御して後面から
放射される音波の影響を防ぎ、音響特性に優れたスピー
カ装置を大型化することなく安価に提供することができ
るものである。

【００１１】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の発明
は、少なくとも内周側がボイスコイルに結合され外周側
がフレームに結合された振動板を有するスピーカユニッ
トと、このスピーカユニットの前面に結合された矩形形
状の終端開口部を有する音響管と、上記スピーカユニッ
トの上記フレームのフレーム窓に設けられたフレーム窓
の開口率可変手段とで構成したものであり、後面へ放射
される音波を制御して後面から放射される音波の影響を
防ぎ、音響特性に優れたスピーカ装置を提供するもので
ある。

【００１２】請求項２に記載の発明は、請求項１に記載
のフレーム窓の開口率可変手段をフレーム窓の少なくと
も一部を覆う吸音材としたものであり、スピーカ装置の
大型化・コスト上昇を抑えた請求項１に記載のスピーカ
装置を実現するものである。

【００１３】請求項３に記載の発明は、少なくとも放熱
用孔を設けたテレビキャビネットと、このテレビキャビ
ネット内に配置された陰極線管と、終端開口部が前面と
なるように上記陰極線管に沿わせて配置された請求項１
または請求項２に記載のスピーカ装置とで構成されるの
で、テレビジョン受像機内からの放熱を阻害することな
く優れた音響特性のテレビジョン受像機を提供できるも
のである。

【００１４】以下、本発明のスピーカ装置の一実施の形
態について図１、図２により説明する。

【００１５】なお、説明にあたっては従来技術と同一部
分は同一番号を付し、説明を省略して説明する。

【００１６】図１は本発明のスピーカ装置の斜視図であ
り、図２は同音圧周波数特性図である。同図によると、
５ｂはスピーカ装置であり、７はスピーカユニット５の
フレーム２４のフレーム窓２４ａの一部を覆うように接
着剤等で貼り付けられた吸音材であり、吸音材７は上記
フレーム窓２４ａをスピーカ装置５ａの音響特性を阻害
しない程度（テレビキャビネット１２の大きさおよび放
熱孔９の大きさ・位置等との関係も考慮して決められ
る。）に塞いでいる。

【００１７】以上のスピーカ装置５ｂにおいては、吸音
材７によって後面放出音波２を減少させることが可能と
なり、従来例で示したようにテレビジョン受像機に組込
むと、テレビジョン受像機のキャビネット１２（図４）
の放熱孔９（図４）からの後面放出音波２の回り込み現
象を防止し、低域感や音像定位感を向上させるとともに
歪みの少ない優れた音響特性（図２のａ（図２のｂは従
来のスピーカ装置の周波数特性））を有するスピーカ装
置およびテレビジョン受像機を提供できるものである。

【００１８】

【発明の効果】以上のように構成された本発明のスピー
カ装置は、フレーム窓の開口率を調節することで、後面
へ放射される音波を制御して後面から放射される音波の
影響を防ぎ、音響特性に優れたスピーカ装置を大型化す
ることなく、安価に提供することができるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のスピーカ装置の一実施の形態を示す斜
視図

【図２】同音圧周波数特性図

【図３】従来のスピーカ装置の斜視図

【図４】同テレビジョン受像機への内蔵状態を説明する
ための斜視図

【図５】同テレビジョン受像機への内蔵状態を説明する
ための構造概念図

【図６】同要部であるスピーカユニットの側断面図

【符号の説明】

１ 音響管 ５ スピーカユニット ７ 吸音材 １２ キャビネット ２４ フレーム ２４ａ フレーム窓

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも内周側がボイスコイルに結合
   され外周側がフレームに結合された振動板を有するスピ
   ーカユニットと、このスピーカユニットの前面に結合さ
   れた矩形形状の終端開口部を有する音響管と、上記スピ
   ーカユニットの上記フレームのフレーム窓に設けられた
   フレーム窓の開口率可変手段とで構成されるスピーカ装
   置。
2. 【請求項２】 フレーム窓の開口率可変手段がフレーム
   窓の少なくとも一部を覆う吸音材である請求項１に記載
   のスピーカ装置。
3. 【請求項３】 少なくとも放熱用孔を設けたテレビキャ
   ビネットと、このテレビキャビネット内に配置された陰
   極線管と、終端開口部が前面となるように上記陰極線管
   に沿わせて配置された請求項１または請求項２に記載の
   スピーカ装置とで構成されるテレビジョン受像機。