JPH11148917A - 光走査型二次元濃度分布測定装置の校正方法 - Google Patents

光走査型二次元濃度分布測定装置の校正方法

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JPH11148917A
JPH11148917A JP9333587A JP33358797A JPH11148917A JP H11148917 A JPH11148917 A JP H11148917A JP 9333587 A JP9333587 A JP 9333587A JP 33358797 A JP33358797 A JP 33358797A JP H11148917 A JPH11148917 A JP H11148917A
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photocurrent
bias voltage
curve
value
semiconductor substrate
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JP9333587A
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Satoshi Nomura
聡 野村
Motoi Nakao
基 中尾
Shuji Takamatsu
修司 高松
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Horiba Ltd
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Horiba Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 pH値やpION値の測定精度を向上させる
ことができる光走査型二次元濃度分布測定装置の校正方
法を提供すること。 【解決手段】 センサ8のセンサ面7における測定点
(校正する点)を定め、この定めた測定点で、pH7、
pH4およびpH9の各緩衝液を用いて光電流とバイア
ス電圧との関係を示すIV曲線を得た後、このIV曲線
を規格化し、この規格化されたIV曲線を解析すること
により、光走査型二次元濃度分布測定装置を校正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば光走査型
pH画像装置などの光走査型二次元濃度分布測定装置の
校正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】前記光走査型pH画像装置として、例え
ば、Jpn.J.Appl.Phys.Vol.33
(1994)pp L394−L397に記載してある
ように、LAPS(Light−Addressabl
e Potentiometric Sensor)方
式を採用して、pH感応膜の表面に生ずる電位を測定す
るものがある。このような装置においては、EIS(電
解液E−絶縁体I−半導体S)構造に光を走査し、この
光走査によって半導体中において誘発された光電流を取
り出すことにより測定を行うことができる。
【0003】そして、本願出願人は、このような光走査
型pH画像装置関連の技術を、例えば特願平7−391
14号、特願平7−90320号、特願平7−3298
35号などのほか、多数特許出願しているところであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記光走査
型pH画像装置などLAPS法を用いた光走査型二次元
濃度分布測定装置においては、測定値から濃度の算出に
おいて校正方法が標準化されてなく、センサ面上での電
位−濃度勾配(mV/pION)は理論値とよく一致し
ていると仮定したり、また、周囲環境などによるドリフ
トは微小で無視できると仮定するなどしてpION濃度
を計算していたため、必ずしも精度を十分に保証できる
ものとはいえなかった。
【0005】この発明は、上述の事柄に留意してなされ
たもので、pH値やpION値の測定精度を向上させる
ことができる光走査型二次元濃度分布測定装置の校正方
法(以下、単に校正方法という)を提供することを目的
としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の校正方法は、半導体基板の一方の面にセ
ンサ面を有し、前記半導体基板に対してプローブ光を照
射するように構成された光走査型二次元濃度分布測定装
置において、2種類以上のpH値既知の溶液を用いて、
任意の1点以上の測定点において光電流−バイアス電圧
曲線を測定する手順と、得られたそれぞれの曲線の飽和
領域の光電流信号値がある値になるように、それぞれの
光電流−バイアス電圧曲線に適当な倍数を乗じて補正す
る手順と、補正された光電流−バイアス電圧曲線または
補正されてない光電流−バイアス電圧曲線の遷移領域の
或るバイアス電圧を印加したときの2種の溶液間におけ
る光電流値の差をそれぞれの測定点について求めてその
平均値を、用いた2種の溶液のpH値の差で割る手順と
からなる。
【0007】また、この発明の校正方法は、半導体基板
の一方の面にセンサ面を有し、前記半導体基板に対して
プローブ光を照射するように構成された光走査型二次元
濃度分布測定装置において、2種類以上のpH値既知の
溶液を用いて、任意の1点以上の測定点において光電流
−バイアス電圧曲線を測定する手順と、得られたそれぞ
れの曲線の飽和領域の光電流信号値がある値になるよう
に、それぞれの光電流−バイアス電圧曲線に適当な倍数
を乗じて補正する手順と、補正された光電流−バイアス
電圧曲線または補正されてない光電流−バイアス電圧曲
線の遷移領域の或るバイアス電圧を印加したときの溶液
間における光電流値の差をそれぞれの測定点について求
めて、どちらかの溶液で、遷移領域の或るバイアス電圧
における光電流−バイアス電圧曲線の遷移領域の傾きで
割り、さらに用いた2種の溶液のpH値の差で割る手順
とからなる。
【0009】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態を図面を参照し
ながら説明する。まず、この発明の校正方法が適用され
る光走査型二次元濃度分布測定装置について、図1を参
照しながら説明する。
【0010】図1において、1は測定装置本体で、セン
サ部2とこれにプローブ光3を照射するための光照射部
4とからなる。
【0011】前記センサ部2は、例えばシリコンなどの
半導体よりなる基板5の一方の面(図示例では上面)に
SiO2 層6、Si3 4 層7を熱酸化、CVDなどの
手法によって順次形成して水素イオンに応答するように
形成されたセンサ8と、このセンサ8を二次元方向、つ
まり、X方向(図示例では左右方向)とY方向(図示例
では、紙面に垂直な方向)に走査する光透過型XYステ
ージよりなるセンサ走査部9とからなる。10はこのセ
ンサ走査部9を制御する走査制御装置である。
【0012】11はセンサ8のセンサ面(この場合、S
3 4 層7)を含み、これに臨むようにして設けられ
るセルで、樹脂材料あるいは他の適宜の材料よりなり、
内部に溶液やゲルなどの試料12が収容される。
【0013】そして、13、14はセル11内の試料1
2に接触するようにして設けられる対極、比較電極で、
ポテンショスタット(後述する)に接続されている。ま
た、15は半導体基板5に設けられる光電流信号取出し
用のオーミック電極で、電流−電圧変換器(後述する)
および演算増幅回路(後述する)を介してポテンショス
タットに接続されている。
【0014】前記光照射部4は、例えばレーザ光源から
なるとともに、半導体基板5の下面側(センサ面7とは
反対側)に設けられており、インタフェースボード(後
述する)を介してコンピュータ(後述する)の制御信号
によって断続光を発するとともに、センサ走査部9によ
って二次元方向に走査されるセンサ8の半導体基板5に
対して最適なビーム径になるように調整されたプローブ
光3を照射するように構成されている。
【0015】16は測定装置本体1を制御するための制
御ボックスであって、半導体基板5に適宜のバイアス電
圧を印加するためのポテンショスタット17、半導体基
板5に形成されたオーミック電極15から取り出される
光電流信号を電圧信号に変換する電流−電圧変換器1
8、この電流−電圧変換器18からの信号が入力される
演算増幅回路19、この演算増幅回路19と信号を授受
したり、走査制御装置10や光照射部4に対する制御信
号を出力するインタフェースボード20などよりなる。
【0016】21は例えば内蔵されたプログラムに基づ
いて各種の制御や演算を行うとともに、画像処理機能を
有する制御・演算部としてのコンピュータ、22は例え
ばキーボードなどの入力装置、23はカラーディスプレ
イなどの表示装置、24は記憶装置である。
【0017】上記構成の光走査型二次元濃度分布測定装
置を用いて、溶液の水素イオン濃度(pH)を測定する
場合について説明すると、セル11内に溶液12を入れ
る。これにより、センサ面7に溶液12が接する。そし
て、対極13および比較電極14を溶液12に浸漬す
る。
【0018】上記の状態で、半導体基板5に空乏層が発
生するように、ポテンショスタット17からの直流電圧
を比較電極13とオーミック電極15との間に印加し
て、半導体基板5に所定のバイアス電圧を印加する。こ
の状態で半導体基板5に対してプローブ光3を一定周期
(例えば、5kHz)で断続的に照射することによって
半導体基板5に交流光電流を発生させる。このプローブ
光3の断続照射は、コンピュータ21の制御信号がイン
タフェースボード20を介して入力されることによって
行われる。前記光電流は、半導体基板5の照射点に対向
する点で、センサ面7に接している溶液12におけるp
Hを反映した値であり、その値を測定することにより、
この部分でのpH値を知ることができる。
【0019】さらに、センサ走査部9によって、センサ
8をX,Y方向に移動させることにより、半導体基板5
にはプローブ光3が二次元方向に走査されるようにして
照射され、溶液12における位置信号(X,Y)と、そ
の場所で観測された交流光電流値により、表示装置23
の画面上にpHを表す二次元画像が表示される。
【0020】なお、上記二次元イオン濃度測定装置にお
いて、比較電極14を省略し、対極13を介してバイア
ス電圧を印加してもよい。但し、比較電極14を設けて
いた場合の方が半導体基板5にバイアス電圧をより安定
に印加することができる。
【0021】そして、上記光走査型二次元濃度分布測定
装置において、センサ走査部9によってセンサ8をX,
Y方向に移動させるのに代えて、光照射部4に光照射部
走査装置を設け、光照射部4をX,Y方向に移動させる
ようにしてもよく、また、光照射部4とセンサ部2との
間にプローブ光走査装置を設け、プローブ光3をX,Y
方向に移動させるようにしてもよい。
【0022】さらに、上記光走査型二次元濃度分布測定
装置においては、光照射部4によるプローブ光3を半導
体基板5のセンサ面7とは反対側から照射するようにし
ていたが、これに代えて、センサ面7側から照射するよ
うにしてもよい。そして、光照射部4として、例えば特
願平7−39114号に示すように、半導体基板5に組
み込まれた光照射部を採用してもよい。
【0023】このように、溶液などにおけるpHの二次
元分布を測定し表示する光走査型二次元濃度分布測定装
置については、本願出願人が例えば特願平7−3911
2号、特願平7−39114号、特願平7−32983
7号など多数特許出願している。
【0024】ところで、図2は、上記光走査型二次元濃
度分布測定装置によって得られるIV曲線の一例を示す
もので、半導体基板5と試料(電解質溶液)12との間
に印加するバイアス電圧を横軸にとり、オーミック電極
15から取り出される交流光電流値(以下、単に光電流
値という)を縦軸にとったものである。
【0025】次に、この発明の校正方法について、図3
〜図8をも参照しながら説明する。まず、センサ8の校
正を行い、得られた値を用いてセンサ8の評価を行う例
について説明する。図3は、この発明の校正方法の全体
のフローを概略的に示すもので、この校正方法は、S
1.センサ8のセンサ面7における測定点(校正する
点)を定めるステップと、S2.定めた測定点で、pH
7、pH4およびpH9の各緩衝液を用いて光電流とバ
イアス電圧との関係を示す曲線(以下、IV曲線とい
う)を得るステップと、S3.得られたIV曲線を規格
化するステップと、S4.規格化されたIV曲線を解析
するステップとからなる。
【0026】そして、この発明の校正方法を行うに際し
ては、0.1MのKClを含むpH7の緩衝液(以下、
7緩衝液という)、0.1MのKClを含むpH4の緩
衝液(以下、4緩衝液という)、0.1MのKClを含
むpH9の緩衝液(以下、9緩衝液という)を用意し、
0.1MのKClを含む7緩衝液のpH値をガラス電極
を用いて求めてpH7とし、0.1MのKClを含む4
緩衝液のpH値をガラス電極を用いて求めてpH4と
し、0.1MのKClを含む9緩衝液のpH値をガラス
電極を用いて求めてpH9とする。
【0027】〔ステップS1〕センサ8のセンサ面7に
おける少なくとも1つ以上の点をIV特性評価点として
の測定点として定める。この実施の形態では、(0),
(1),(2),(3)の4点である。
【0028】〔ステップS2〕上記定めた測定点
(0),(1),(2),(3)において、7緩衝液、
4緩衝液および9緩衝液を用いて、IV曲線を得る。す
なわち、
【0029】7緩衝液によって前記測定点(0),
(1),(2),(3)の全てについて、バイアス電圧
を−3800mV〜0mVの範囲で100mVピッチで
印加し、そのときの光電流値を測定して、IV特性を得
る。そして、全ての測定点(0),(1),(2),
(3)におけるIV特性をグラフ表示すると、図4
(A)に示すような曲線が得られる。これを7(k)と
する。ここで、kは、0,1,2,3であり、この図4
(A)には、曲線7(0),7(1),7(2),7
(3)が一挙に表されている。
【0030】4緩衝液によって前記測定点(0),
(1),(2),(3)の全てについて、バイアス電圧
を−3800mV〜0mVの範囲で100mVピッチで
印加し、そのときの光電流値を測定して、IV特性を得
る。そして、全ての測定点(0),(1),(2),
(3)におけるIV特性をグラフ表示すると、図5
(A)に示すような曲線が得られる。これを4(k)と
する。ここで、kは、0,1,2,3であり、この図5
(A)には、曲線4(0),4(1),4(2),4
(3)が一挙に表されている。
【0031】9緩衝液によって前記測定点(0),
(1),(2),(3)の全てについて、バイアス電圧
を−3800mV〜0mVの範囲で100mVピッチで
印加し、そのときの光電流値を測定して、IV特性を得
る。そして、全ての測定点(0),(1),(2),
(3)におけるIV特性をグラフ表示すると、図6
(A)に示すような曲線が得られる。これを9(k)と
する。ここで、kは、0,1,2,3であり、この図6
(A)には、曲線9(0),9(1),9(2),9
(3)が一挙に表されている。
【0032】〔ステップS3〕このステップでは、前記
ステップS2において得られたIV曲線の規格化を行
う。以下、IV曲線の規格化について説明する。
【0033】上記規格化の具体例として、7緩衝液、4
緩衝液および9緩衝液に関して、唯一つの測定点(0)
において得られたIV曲線を例に挙げて説明すると、図
7(A)は、IV曲線7(0),4(0),9(0)の
生データ、つまり、ステップS2における手法を用いて
得られたIV曲線を表している。
【0034】そして、これらの各曲線7(0),4
(0),9(0)のバイアス電圧が−3800mV〜−
2800mVの範囲内で光電流値全てについてその平均
値を求め、さらに補正係数を求めると、下記表1のよう
になる。
【0035】
【表1】
【0036】そして、曲線7(0),4(0),9
(0)のそれぞれに、上記補正係数C7(0),C
4 (0),C9 (0)を乗じることにより、図7(B)
に示すような規格化済みのIV曲線7(0)’,4
(0)’,9(0)’を得ることができる。
【0037】他の曲線7(1)〜7(3),4(1)〜
4(3),9(1)〜9(3)についても、上述のよう
にすることにより、規格化済みのIV曲線7(1)’〜
7(3)’,4(1)’〜4(3)’,9(1)’〜9
(3)’を得ることができる。
【0038】上述のことを一般化して説明すると、IV
曲線7(k)に対して、バイアス電圧が−3800mV
〜−2800mVの範囲内で光電流値全てについてその
平均値を求め、それぞれI7ms (k)とする。そして、
これらのI7ms (k)の最大値をI7max(k)として、
下記式(1)で定められる補正係数C7 (k)を求め
る。 C7 (k)=I7max(k)/I7ms (k) ……(1)
【0039】そして、曲線7(k)の各バイアス電圧に
おける光電流値に上記補正係数 C7 (k)を乗じて補
正された曲線7(k)’を得る。
【0040】同様に、IV曲線4(k)に対して、バイ
アス電圧が−3800mV〜−2800mVの範囲内で
光電流値全てについてその平均値を求め、それぞれI
4ms (k)とする。そして、下記式(2)で定められる
補正係数C4 (k)を求める。 C4 (k)=I7max/I4ms (k) ……(2)
【0041】そして、曲線4(k)の各バイアス電圧に
おける光電流値に上記補正係数 C4 (k)を乗じて補
正された曲線4(k)’を得る。
【0042】さらに、IV曲線9(k)に対して、バイ
アス電圧が−3800mV〜−2800mVの範囲内で
光電流値全てについてその平均値を求め、それぞれI
9ms (k)とする。そして、これらのI9ms (k)の最
大値をI9max(k)として、下記式(3)で定められる
補正係数C9 (k)を求める。 C9 (k)=I9max/I9ms (k) ……(3)
【0043】そして、曲線9(k)の各バイアス電圧に
おける光電流値に補正係数 C9 (k)を乗じて補正さ
れた曲線9(k)’を得る。
【0044】〔ステップS4〕このステップでは、前記
ステップS3において得られた規格化済みのIV曲線7
(k)’,4(k)’,9(k)’の解析を行う。
【0045】この解析の具体例として、7緩衝液、4緩
衝液および9緩衝液に関して、唯一つの測定点(0)に
ついての規格化されたIV曲線7(0)’,4
(0)’,9(0)’を例に挙げて説明すると、規格化
済みのIV曲線7(0)’の遷移領域で、直線近似でき
る部分の下限のバイアス電圧をV7bL (0)、上限のバ
イアス電圧をV7bH (0)とする。次に、IV曲線7
(0)’の遷移領域で、直線近似できる部分の直線の傾
きをS7 (0)とする。
【0046】同様に、規格化済みのIV曲線4(0)’
の遷移領域で、直線近似できる部分の下限のバイアス電
圧をV4bL (0)、上限のバイアス電位をV4bH (0)
とする。次に、IV曲線4(0)’の遷移領域で、直線
近似できる部分の直線の傾きをS4 (0)とする。
【0047】そして、規格化済みのIV曲線9(0)’
の遷移領域で、直線近似できる部分の下限のバイアス電
圧をV9bL (0)、上限のバイアス電位をV9bH (0)
とする。次に、IV曲線9(0)’の遷移領域で、直線
近似できる部分の直線の傾きをS9 (0)とする。
【0048】次に、下限バイアス電圧V7bL (0)と上
限バイアス電圧V7bH (0)の中間電位を最適バイアス
電位V7bとする。そして、この最適バイアス電位V7b
ときの光電流値をIp 7(k)とする。また、最適バイ
アス電位V7bのときの曲線4(k)’および曲線9
(k)’の光電流値をそれぞれIp 4(k),Ip
(kとする。
【0049】下記式(4)で与えられるSlo74(k)
を求める。 Slo74(k)=|Ip 7(k)−Ip 4(k)|/(pH7−pH4) ……(4)
【0050】そして、下記式(5)で与えられるSen
74(k)を求める。 Sen74(k)=Slo74(k)/S7(k) ……(5)
【0051】また、下記式(6)で与えられるSlo79
(k)を求める。 Slo79(k)=|Ip 7(k)−Ip 9(k)|/(pH7−pH9) ……(6)
【0052】そして、下記式(7)で与えられるSen
79(k)を求める。 Sen79(k)=Slo79(k)/S7(k) ……(7)
【0053】そして、前記Slo74(k),Slo
79(k)のばらつきがそれぞれ5%以内であること、お
よび、Sen74(k),Sen79(k)がそれぞれ40
〜60の範囲内に入ることを確認する。これらの条件を
満たさない場合は、このセンサ8は不良品として以後の
検査は行わない。
【0054】上記の手順を最後まで実施することができ
るセンサのみを以後の測定に用いることができるものと
する。なお、Slo74(k),Slo79(k),Slo
79(k),Sen79(k)は、このセンサ8の初期特性
として記録する。
【0055】この発明は、上述の実施の形態に限られる
ものではなく、種々に変形して実施することができ、上
述の校正よりも簡易な手法をとることもできる。以下、
これについて説明する。
【0056】そして、酸性方向のpH変化が予想される
ものとすると、校正に用いる試料溶液は、0.1MのK
Clを含む7緩衝液と0.1MのKClを含む4緩衝液
である。
【0057】1.0.1MのKClを含む7緩衝液のp
H値をガラス電極で求めてpH7とする。
【0058】2.0.1MのKClを含む4緩衝液のp
H値をガラス電極で求めてpH4とする。
【0059】3.センサ8のセンサ面7における少なく
とも1つ以上の点をIV特性評価点としての測定点とし
て定める。
【0060】4.7緩衝液によって前記全ての測定点に
ついてバイアス電圧を−4000mV〜0mVの範囲で
100mVピッチで印加し、そのときの光電流値を測定
してIV特性を得る。
【0061】5.全ての測定点におけるIV特性をグラ
フ表示し、曲線7(k)とする。
【0062】6.曲線7(k)に対してバイアス電圧−
4000mV〜3000mVの範囲内での光電流値全て
についてその平均値を求め、それぞれI7ms (k)とす
る。
【0063】7.バイアス電圧をV7bに設定して、測定
領域内全点での光電流値I7 (x,y)を求める。
【0064】8.I7 (x,y)の平均値を求め、これ
をAve(7)とする。
【0065】9.4緩衝液によって前記全ての測定点に
ついてバイアス電圧を−4000mV〜0mVの範囲で
100mVピッチで印加し、そのときの光電流値を測定
してIV特性を得る。
【0066】10.全ての測定点におけるIV特性をグ
ラフ表示し、曲線4(k)とする。
【0067】11.曲線4(k)に対してバイアス電圧
−4000mV〜3000mVの範囲内での光電流値全
てについてその平均値を求め、それぞれI4ms (k)と
する。
【0068】12.下記式(11)で定められる補正係
数C4 (k)を求める。 C4 (k)=I7ms (k)/I4ms (k) ……(11)
【0069】バイアス電圧をV7bに設定して、測定領域
内全点での光電流値I7 (x,y)を求める。
【0070】13.C4 (k)の平均値を求め、これを
4 とする。
【0071】14.バイアス電圧をV7bに設定して、測
定領域内全点での光電流値I4 (x,y)を求める。
【0072】15.I4 (x,y)の平均値を求め、こ
れをAve(4)とする。
【0073】16.下記式(12)で表されるSlo74
を求める。この値をセンサ8の校正係数とする。 Slo74=|Ave(7)−Ave(4)×C4 |/(|pH7−pH4|) ……(12)
【0074】そして、アルカリ方向のpH変化が予想さ
れる場合は、校正に用いる試料溶液は、0.1MのKC
lを含む7緩衝液と0.1MのKClを含む9緩衝液で
あり、上記と同様にしてセンサ8の校正係数を求めるこ
とができ、このときの校正係数Slo79は下記式(1
3)で表される。 Slo79=|Ave(7)−Ave(9)×C9 |/(|pH7−pH9|) ……(13)
【0075】次に、校正で得られた校正係数を実際の測
定に適用して、pH変化を定量的に求める方法について
説明する。
【0076】まず、pH変化を生じさせる前の測定
【0077】21.変化を生じさせる前の測定対象のp
Hをガラス電極などで測定してpHb とする。
【0078】22.校正時に定めたIV特性評価点にお
いてバイアス電圧を−4000mV〜0mVの範囲内で
100mVピッチで印加し、そのときの光電流値を測定
してIV特性を得る。
【0079】23.全ての測定点におけるIV特性をグ
ラフ表示し、曲線B(k)とする。
【0080】24.曲線B(k)に対して、バイアス電
圧−4000mV〜−3000mVの範囲内で光電流値
全てについてその平均値を求め、それぞれIBms (k)
とする。 1
【0082】25.下記式(31)で定められる補正係
数CB (k)を求める CB (k)=I7ms (k)/IBms (k) ……(31)
【0082】26.CB (k)の平均を求めてこれをC
B とする。
【0083】27.バイアス電圧をV7bに設定して、測
定領域内全点での光電流値Ib (x,y)を得る。
【0084】28.光電流値Ib (x,y)の平均値を
求めて、これをIbaとする。
【0085】29.Ib ’(x,y)=Ib (x,y)
×CB とする。
【0086】次に、pH変化が生じた後の測定について
説明する。
【0087】31.校正時に定めたIV特性評価点にお
いてバイアス電圧を−4000mV〜0mVの範囲内で
100mVピッチで印加し、そのときの光電流値を測定
してIV特性を得る。
【0088】32.全ての測定点におけるIV特性をグ
ラフ表示し、曲線S(k)とする。
【0089】33.曲線S(k)に対して、バイアス電
圧−4000mV〜−3000mVの範囲内で光電流値
全てについてその平均値を求め、それぞれISms (k)
とする。
【0090】34.下記式(41)で定められる補正係
数CS (k)を求める CS (k)=I7ms (k)/ISms (k) ……(31)
【0091】35.CS (k)の平均を求めて、これを
S とする。
【0092】36.バイアス電圧をV7bに設定して、測
定領域内全点での光電流値IS (x,y)を得る。
【0093】37.IS ’(x,y)=IS (x,y)
×CS とする。
【0094】38.センサ8のセンサ面7の任意の点
(x,y)におけるpH値pH(x,y)は、下記式
(32)で得られる。 pH(x,y)={|IS ’(x,y)−Ib ’(x,y)|}/Slo74 +pHb ……(31)
【0095】なお、この発明は種々に変形して実施する
ことができるので、以下にその変形の実施の形態を列記
する。
【0096】測定装置本体1における光走査方法として
は、光透過型XYステージ9を用いるのに代えて、 a.ハイポトロコイド曲線など極座標を描く走査系を用
いる方法、 b.ガルバノミラー、AO素子などを用いて照射光を走
査する方法、 c.LEDアレイなど複数の光源を用いて照射光を走査
する方法、 d.複数のセンサと複数の光源のどちらか一方または双
方を用いて照射光を走査する方法、などを採用すること
ができる。
【0097】また、規格化する値は、飽和領域での光電
流値に比べ、遮断領域での光電流値が無視出来ないとき
は、飽和領域と遮断領域との差を用いてもよい。
【0098】上記校正シーケンスの一部または全てがコ
ンピュータ21の記憶装置24のみならず、各種の記憶
媒体に記憶させるようにしてもよい。
【0099】校正シーケンスの一部または全ては、必要
により、記憶媒体からコンピュータ21に取り出して演
算を行うようにしてもよい。
【0100】校正シーケンスの一部または全てを、情報
ネットワークなどを通じて外部の演算処理装置に設ける
ようにしてもよい。
【0101】さらに、校正対象はpHやpIONのみな
らず、導電率であってもよい。
【0102】
【発明の効果】この発明の校正方法によれば、pH値や
pION値の測定精度を向上させることができる。そし
て、この発明校正方法は、センサ製造時における品質管
理に使用することができ、より品質の安定したセンサを
得るのに大きく貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の校正方法が適用される光走査型二次
元濃度分布測定装置の一例を示す図である。
【図2】前記測定装置によって得られるIV曲線の一例
を示す図である。
【図3】この発明の校正方法の全体のフローを概略的に
示す図である。
【図4】(A)は7緩衝液によって得られるIV曲線の
一例を示す図、(B)は(A)で示したIV曲線を規格
化したものを示す図である。
【図5】(A)は4緩衝液によって得られるIV曲線の
一例を示す図、(B)は(A)で示したIV曲線を規格
化したものを示す図である。
【図6】(A)は9緩衝液によって得られるIV曲線の
一例を示す図、(B)は(A)で示したIV曲線を規格
化したものを示す図である。
【図7】IV曲線の規格化を説明するための図である。
【図8】規格化済みのIV曲線の解析を説明するための
図である。
【符号の説明】 3…プローブ光、5…半導体基板、7…センサ面、12
…溶液。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板の一方の面にセンサ面を有
    し、前記半導体基板に対してプローブ光を照射するよう
    に構成された光走査型二次元濃度分布測定装置におい
    て、 2種類以上のpH値既知の溶液を用いて、任意の1点以
    上の測定点において光電流−バイアス電圧曲線を測定す
    る手順と、 得られたそれぞれの曲線の飽和領域の光電流信号値があ
    る値になるように、それぞれの光電流−バイアス電圧曲
    線に適当な倍数を乗じて補正する手順と、 補正された光電流−バイアス電圧曲線または補正されて
    ない光電流−バイアス電圧曲線の遷移領域の或るバイア
    ス電圧を印加したときの2種の溶液間における光電流値
    の差をそれぞれの測定点について求めてその平均値を、
    用いた2種の溶液のpH値の差で割る手順とからなるこ
    とを特徴とする光走査型二次元濃度分布測定装置の校正
    方法。
  2. 【請求項2】 半導体基板の一方の面にセンサ面を有
    し、前記半導体基板に対してプローブ光を照射するよう
    に構成された光走査型二次元濃度分布測定装置におい
    て、 2種類以上のpH値既知の溶液を用いて、任意の1点以
    上の測定点において光電流−バイアス電圧曲線を測定す
    る手順と、 得られたそれぞれの曲線の飽和領域の光電流信号値があ
    る値になるように、それぞれの光電流−バイアス電圧曲
    線に適当な倍数を乗じて補正する手順と、 補正された光電流−バイアス電圧曲線または補正されて
    ない光電流−バイアス電圧曲線の遷移領域の或るバイア
    ス電圧を印加したときの溶液間における光電流値の差を
    それぞれの測定点について求めて、どちらかの溶液で、
    遷移領域の或るバイアス電圧における光電流−バイアス
    電圧曲線の遷移領域の傾きで割り、さらに用いた2種の
    溶液のpH値の差で割る手順とからなることを特徴とす
    る光走査型二次元濃度分布測定装置の校正方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110455902A (zh) * 2019-08-26 2019-11-15 启盘科技发展(上海)有限公司 一种环境检测多标样快速校准的方法

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