JPH1114835A - 発光表示板 - Google Patents

発光表示板

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JPH1114835A
JPH1114835A JP16400097A JP16400097A JPH1114835A JP H1114835 A JPH1114835 A JP H1114835A JP 16400097 A JP16400097 A JP 16400097A JP 16400097 A JP16400097 A JP 16400097A JP H1114835 A JPH1114835 A JP H1114835A
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JP
Japan
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light
display panel
plate
emitting display
diffraction grating
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JP16400097A
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Shinichiro Ochiai
真一郎 落合
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SHIMADA PRECISION KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光の波動の性質に基づく回折現象を利用し
て、光を有効方向に導き、光源の電力消費を抑えて省エ
ネルギを図りつつ、従来より遥かに大きいコントラスト
で文字または図柄を表示でき、小型化を図ることができ
る発光表示板を提供する。 【解決手段】 少なくとも一端面2cから光源5の光が
入射する透明な板状体2。明るく表示したい文字または
図柄に対応した形状で、上記板状体2の裏面に印刷また
は加工により回折格子3を設ける。この回折格子3の断
面形状または単位幅における格子部幅/非格子部幅の比
の少なくとも1つを、上記文字または図柄が均一かつ高
い輝度で表示されるように変化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非常口などを照明
表示する発光表示板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の発光表示板として、例え
ば図6に示すようなものが知られている(日経メカニカ
ル,No.494,82頁,1996)。この発光表示板31は、図6
(A)に示すように、シルクスクリーン印刷などで人が非
常口から逃げ出す緑色(図中のドット表示部分)の図柄3
3を表面に印刷した白色不透明アクリル樹脂からなる表
示箱32と、表面側から順に透明アクリル樹脂製の導光
板35とPET(ポリエチレンテレフタレート)製の白色シ
ート38を重ねてなり、上記表示箱32に収納される導
光板ユニット34と、蛍光灯40を収容して天井裏に取
り付けられる蛍光灯ブロック39と、この蛍光灯ブロッ
ク39の下面を覆うとともに、上記表示箱32の上端縁
32aを嵌め込んで固定し,この表示箱を天井から吊り下
げる蓋部材41とからなる。上記導光板35の裏面に
は、白色のドットパターンが印刷され、この白色ドット
パターン37は、図6(B)に示すように、蛍光灯40に
近い上端縁35aの近傍が,同一の面積率をもつ同形連続
パターンA、残りの部分が下端に向かうに伴って徐々に
面積率を増加させたグラデーションパターンBになって
いる。そのため、蛍光灯40を点灯して導光板35を上
端縁35aから照明すると、上記白色ドットパターン3
7で乱反射された光が導光板35の表面を均一の輝度で
照らし、表示箱32に印刷された緑色の図柄33を周囲
部分から明暗のコントラストを付けて際立たせて表示
し、避難時に人々を非常口に誘導する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
発光表示板31は、蛍光灯40の光を導光板35内に導
いて、その裏面の白色ドットパターン37で乱反射させ
て図柄33を照らすものであるため、十分の光を導くた
めに厚い(例えば10mm)導光板35および高輝度の蛍光
灯40(例えば消費電力3W×2本)が必要になるうえ、
乱反射により、蛍光灯40からの光が無駄に浪費され照
明の効率が良くないという問題がある。つまり、光源と
しての蛍光灯40は、スペースをとるうえ、消費電力が
大きく、発光表示板全体の小型化や省エネルギを図れな
いのである。また、省エネルギおよび有色表示のために
光度の低い発光ダイオードを光源に使おうとすると、発
光表示板31のコントラスト不足のため、多数の発光ダ
イオードが必要になるという問題もある。
【0004】そこで、本発明の目的は、表示箱に印刷さ
れた文字や図柄を単に導光板の裏面からの乱反射光で照
らすのではなく、導光板を高輝度で照らせるが分光など
の問題から今までこの分野での適用が着想されることが
なかった回折現象を利用して、光源の電力消費を抑えて
省エネルギを図りつつ、従来より遥かに大きいコントラ
ストで文字や図柄を表示でき、小型化を図ることができ
る発光表示板を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明は、透明な板状体の少なくとも一端
面から入射する光源の光によって照らされる発光表示板
において、表示すべき文字または図柄の形状に対応した
形状で上記板状体の裏面に回折格子が設けられ、この回
折格子によって上記光源の光が表面側へ回折されるよう
になっていることを特徴とする。
【0006】図1に例示するように、請求項1の透明な
板状体2の裏面2bに一例として間隔dで回折格子3(刻
線溝)が加工されている場合、板状体2の一端面2cから
裏面2bに向けて入射した光Iは、上記回折格子3によ
って矢印の如く表面2aに向かって回折されるが、入射
光Iと回折光Dの間には、入射角をi,回折角をθ,光の
波長をλ,mを整数として、次式(1)が成立する。 (sini−sinθ)=±m(λ/d) …(1) 図中のD1,D2,D3は、上式(1)中のmを夫々1,2,3と
したときの回折光の方向を示している。1次の回折光D
1は、表面2aに対する入射角が臨界角φ(例えばアクリ
ル製板状体の場合,φ=42°)よりも大きくなるので、表
面2aで全反射されて板状体2内を遠方へ導かれ、2次,
3次の回折光D2,D3は、表面2aに対する入射角が臨界
角φよりも小さいので、表面2aから外方へ出ていく。
従って、裏面2bに対する入射角iを調整し、低次(例え
ば,m=3)の回折光が表面2aからこの表面と略直交方
向に出ていき、より低次(例えば,m=1)の回折光が板
状体内を遠方へ導かれるように、光源の波長λに対して
格子間隔dを適切に決めれば、板状体2の表面2aが、
これに直交する高強度の出射光と板状体内に導かれる全
反射光によって極めて明るく照らされる。なお、表面2
aに略直交する上記回折の方向と、刻線溝の溝断面にお
ける傾斜角度による入射光の全反射の方向が一致するよ
うに諸寸法を調整する、つまり溝形状をブレージング(b
lazing)化すれば最も輝度の高い照光面2aが得られる。
【0007】本発明の回折格子による手法が、従来の図
6で述べた発光表示板(日経メカニカル,No.494,82頁,19
96)の導光板裏面の白色ドットパターン37や、液晶表
示装置のバックライトに用いられる従来の板状体(特開
平5−127157号公報)の裏面に形成された多数の
多面プリズムと本質的に異なる点は、反射光源が、互い
に協同することなく個別に光を幾何光学的に乱反射また
は全反射する一辺0.2mm程度のものであるのに対して、
本発明の回折格子が、格子間隔dがサブミクロンから数
十ミクロン(0.1〜10μm)までと1/100のオーダで細か
く、多数の微細刻線溝間の隣接する平滑面が協同,相乗
して波動としての光を格段に強く回折でき、回折格子の
形状に対応して格段に高輝度で周囲から際立たせて文字
または図柄を表示できることである。なお、このような
回折格子をもつ板状体は、例えば、刻線溝を内周面に機
械加工したり回折格子のホログラム電鋳膜を内張りした
金型による成形、あるいは板状体の裏面に刻線溝を直接
機械加工または印刷したり,印刷ホログラムによる膜を
張り付けて作ることができる。
【0008】請求項2の発光表示板では、板状体の裏面
に文字または図柄の形状で設けられた上記回折格子の断
面形状または単位幅における格子部幅/非格子部幅の比
の少なくとも1つが、上記発光表示板の表面における文
字または図柄の輝度が増大し、かつ均一化されるように
変化せしめられている。即ち、板状体2は、例えば、光
源側の一端面2cから離れる,つまり光源から届く光量が
減じるにしたがって、例えば、断面形状が正弦波から鋸
歯状に,または単位幅における格子部幅/非格子部幅の
比が次第に大きくなっている。従って、光源からの光
は、光量の多い一端面2c側で弱く回折され、光量が少
ない遠方側になるほど強く回折されるので、板状体の表
面2aに文字または図柄が非常に均一かつ高輝度で表示
される。
【0009】請求項3の発光表示板では、上記板状体の
表面に、裏面の上記回折格子の形状に対応した形状で、
出射光を拡散させる表面加工が施されている。光源が種
々の波長λの光を含む白色光(図3参照)であると、上記
式(1)から明らかなように、上記板状体の裏面の回折格
子によって、回折光が図2の矢印R,G,Bで例示するよ
うに分光して出射する。出射する分光は、板状体の表面
に施された表面加工を通ることによって拡散により元の
白色光に変えられる。従って、光源に白色光を用いて回
折を行なっても、板状体の表面に文字または図柄を分光
しない白色光により均一かつ高輝度で表示することがで
きる。
【0010】請求項4の発光表示板は、金型を用いて成
形加工されている。従って、板状体の裏面に回折格子の
刻線溝を直接機械加工する場合などに比して、迅速かつ
容易に大量生産することができ、製造コストを低減する
ことができる。
【0011】請求項5の発光表示板は、上記金型の金型
コアに、機械加工または電鋳ホログラムによる回折格子
が組み込まれている。従って、成形時に導光板裏面にこ
の回折格子を転写できるので、板状体の裏面に回折格子
の刻線溝を直接機械加工したり、金型の内周面に回折格
子の刻線溝を機械加工する場合などに比して、迅速かつ
容易に大量生産することができ、製造コストを低減する
ことができる。
【0012】請求項6の発光表示板は、上記板状体の一
端面に単色光の光源を備えて、上記文字または図柄を上
記単色光で照らすようにしている。従って、単色光の光
源を、例えば青色の発光ダイオードとすれば、消費電力
の大きい蛍光灯を用い,かつ板状体を青色に着色印刷せ
ずとも、文字または図柄を青色で照らすことができ、省
エネルギと製造コストの低減を図ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態
により詳細に説明する。図2(A),(B)は、避難誘導灯
として用いられた発光表示板の一例の正面図および側面
図を示しており、この発光表示板1は、透明プラスティ
ック樹脂からなる板状体2と、表示すべき図柄,つまり
人が非常口から逃げ出す形状に対応した形状で上記板状
体2の裏面2bに設けられた回折格子3と、上記図柄の
形状に対応した形状で上記板状体2の表面2aに設けら
れ,出射光を拡散させるいわゆるシボ加工層4と、上記
板状体2が取り付けられる図示しない天井に板状体の上
端辺2cに沿って埋め込まれる光源としての冷陰極また
はセミホット電極をもつ蛍光管5で構成される。
【0014】上記板状体2の裏面2bは、図2(B)に示
すように、蛍光管5から入射する光を全面で受け得るよ
うな表面2aに対して0°〜5°の角度で傾斜するととも
に、図2(A)の図柄で明るく表示したい部分つまり人物
の周囲の白抜き部分に、微細な刻線溝として成形加工さ
れた回折格子3を有する。回折格子3の格子間隔dは、
回折の関係式(1)で既に述べたように、低次の回折光が
表面2aから略垂直でかつ高い効率に回折して出射する
ように設定される。また、回折格子3の単位幅における
格子部幅/非格子部幅の比は、蛍光管5からの到達光量
の減少に応じて回折光量が増加するように、上端辺2c
から離れるに従って次第に大きくなるように設定されて
いる。ここで、単位幅とは、1つの格子部幅と1つの非
格子部幅との和であり、単位区間の幅である。図2(B)
の板状体2の裏面2bには、模式的に示された単位幅を
有する11個の区間が設けられ、格子部幅は各区間の太
線部分、非格子部幅は各区間の細線部分で夫々示されて
おり、上端辺2cから離れるほど各区間での太線部分の
割合,つまり格子部幅が増えていることから、回折光量
が増えることが理解できる。なお、上記区間の数は、説
明の便宜上11個としたが、実際には遥かに多い数で、
例えば1例では1000個程度である。
【0015】本実施の形態では、格子部と非格子部を各
単位幅の左右に2分して設けたが、両者を1つの単位幅
中に交互に設けてその単位幅に特定の格子部幅/非格子
部幅の比が得られるようにしてもよい。また、格子部幅
/非格子部幅の比は、必ずしも図2のように上端辺2c
から離れるにつれて漸増させる必要はなく、表面の高輝
度で均一な照明が得られる限り、任意に変化させること
ができる。本実施の形態では、回折格子3は、格子間隔
dが数μmで,内面に刻線溝を機械加工した金型を用い
て板状体と同時に成形されるが、本発明の回折格子は、
間隔dが0.1〜10μmの回折格子のホログラム電鋳膜を内
挿した金型成形、板状体裏面への刻線溝の機械加工、ま
たは板状体裏面への印刷やホログラムによる回折格子膜
の張付けによっても作成することができる。
【0016】上記構成の回折格子3をもつ発光表示板1
は、次のように機能する。蛍光管5から出た白色光は、
上端辺2cから略鉛直に板状体2に入り、0°〜5°の角
度で傾斜する裏面2bの全面に当たり、そのうちの明る
く表示したい図柄部分に設けられた回折格子3の多数の
刻線溝間の隣接する平滑面の協同によって回折され、強
度の低次(例えば1〜3次)回折光が図中の矢印の如く板
状体2の表面2aから略垂直に出射される。つまり、回
折格子3は、1/100のオーダで微細かつ多数の刻線溝が
協同,相乗して作用するので、一辺が0.2mmと大きく,隣
と協同せずに個別に光を単に幾何光学的に光粒子の和と
して乱反射または全反射する従来の白色ドットパターン
(日経メカニカル,No.494,82頁,1996)または三角錐プリ
ズム(特開平5−127157号公報)による場合よりも
格段に高強度の出射光が得られるのである。ここで、回
折格子3の単位幅における格子部幅/非格子部幅,つま
り格子の回折効率(回折光強度の入射光強度に対する比)
が、蛍光管5側の上端辺2cから離れるに従って大きく
なっているので、光源から離れるに伴う光量減に見合っ
て回折光量が増加する。従って、板状体2の表面2aの
明るく表示したい図柄部分,つまり図2(A)中に人物の
周囲の白抜き部分は、高輝度でかつ非常に均一に照らさ
れることになる。
【0017】ところで、蛍光管5から出る白色光は、図
3に示すように青(B),緑(G),赤(R)にピークをもつスペ
クトル分布を有するので、回折光は、そのままでは既述
の回折の関係式(1)により図2(B)中の矢印R,G,Bの
如く分光するが、上記図柄部分に対応した形状で板状体
の表面2aに設けられたシボ加工層4を通って出射する
ので、拡散により元の白色光に変わるから、分光のない
白色光で高輝度しかも均一に上記図柄部分を照らすこと
ができる。なお、このシボ加工層4は、回折による偏光
を元に戻すのにも有効である。
【0018】微細加工技術でパターンを刻線した金型を
用いてd=3μmの回折格子をもつ板状体を製造し、光
源側端辺から100mmの位置での表面輝度を、従来の100μ
m程度の印刷パターンをもつ板状体の同様の表面輝度と
比較した。その結果、前者は後者の2倍も明るいことが
判明した。従って、上記板状体2を従来の白色蛍光灯に
比して消費電力が1/2〜1/3で小型の冷陰極蛍光管
5で照明しても、図柄部分が均一かつ高輝度に照らされ
て、図柄に十分なコントラストが得られ、火災の煙り等
で視界が悪くなっても避難方向を明確に認識でき、省エ
ネルギと小型化を図ることができる。このように、回折
格子3により板状体2の図柄に十分なコントラストが得
られるので、蛍光管5に代えて、より低消費電力で低光
度かつ単一色の発光ダイオードを少数個用いても十分な
表示ができ、これにより、表面2aのシボ加工層4を省
略して製造コストを低減できるうえ、発光表示板の色が
赤や緑に指定されている場合、板状体2自体を指定色に
着色せずに済み、省エネルギおよび製造コストの低減を
図ることができる。
【0019】上記回折格子3は、内面に刻線溝を機械加
工した金型を用いて板状体2と同時に成形されるので、
板状体の裏面に回折格子の刻線溝を直接機械加工する場
合に比して、迅速かつ容易に大量生産でき、製造コスト
を低減できるという利点がある。また、機械加工の刻線
溝に代えて、回折格子の電鋳ホログラム膜を金型に内挿
し、入れ子コアを有する金型により成形することもで
き、そうすれば、一層迅速で容易かつ安価な大量生産が
可能になる。なお、上記実施の形態では、回折格子によ
り図2(A)の如き図柄を表示するようにしたが、「非常
口」等の文字も表示できることは言うまでもない。
【0020】図4は、板状体2の表面2aの図柄の白抜
き部分における輝度,つまり回折光の強度と、回折格子
3の格子間隔および断面形状の周知の関係を模式的に示
している。但し、図4では、光は上述のように板状体の
端面から板内に入射するのでなく、板状体に略垂直に入
射している。なお、この図は、T.K.ゲイロード(T.K.G
aylord)氏が、昨年3月に米国ジョージア工科大学で開
かれた回折光学共同研究会において発表したものであ
る。格子間隔が広いと、図4(A)の如く、高次数(回折
の関係式(1)のm参照)まで回折が生じるが、各次数の回
折効率は低い一方、格子間隔が狭いと、図4(B)の如
く、特定の次数でしか回折が生じないが、その回折効率
は高い。次に、断面形状が、ホログラム回折格子に良く
みられるように図4(C)の如き正弦波の場合は、回折効
率が低く、機械加工の回折格子に良くみられるように図
4(D)の如き鋸歯状の場合は、入射光の全反射の方向を
回折光の方向に一致させて既述のブレーズ格子を作るこ
とができて回折効率が高く、バイナリ回折格子といわれ
る図4(E)の如きステップ状の場合は、回折効率が低く
なる。さらに、図2で述べたように、板状体の単位幅に
おける非格子(非刻線溝)部幅に対する格子部幅の比が
増,減すれば、回折格子の面積が増,減するので、回折効
率は増,減する。従って、上記実施の形態では、回折格
子3の単位幅における格子部幅/非格子部幅の比を板状
体の上下方向に沿って変化させて板状体の表面2aの図
柄の白抜き部分の輝度を均一化したが、回折格子の断面
形状を同様に変化させることによって輝度の均一化を図
ることもできる。
【0021】図5(A),(B)は、裏面に回折格子をもつ
板状体を2枚重ねてなる発光表示板の一例の正面図およ
び側面図である。この発光表示板11は、表面と裏面が
平行な2枚の板状体12,13を前後に重ね、前側の板
状体12の表面12aのみにシボ加工層4を設け、蛍光
管5を板状体の下端辺12c,13cに沿って設けた点の
みが図2で述べた発光表示板と異なるので、図2と同じ
部材には同一番号を付して説明を省略する。表裏面が平
行な板状体12,13を用いたのは、重ねたときに矩形
断面になって安定性を維持させるためであり、図5(A)
中で白抜きで示した明るく表示したい部分,つまり単語
「EXIT」の文字に対応する各板状体の裏面12b,13b
の部分には、図2と同様の光源側の下端辺12c,13c
から離れるに伴って単位幅における格子部幅/非格子部
幅が大きくなる回折格子3が刻まれている。
【0022】上記発光表示板11は、次のように機能す
る。蛍光管5から出て上側の板状体13に入射した光
は、裏面13bの回折格子3で図中の矢印の如く前方へ
回折されて前側の板状体12に入り、この板状体12に
略垂直な光は、表面12aからそのまま出射され、板状
体12に斜交する光は、その裏面12bの回折格子3で
回折されて同じく表面12aから出射する。また、蛍光
管5から出て前側の板状体12に入射した光は、裏面1
2bの回折格子3で上述と同様に回折されて表面12aか
ら出射する。単位幅における格子部幅/非格子部幅が変
化する上記回折格子3による輝度均一化の作用、出射す
る分光を白色光に戻すシボ加工層4の作用は、既述のと
おりである。従って、シボ加工層4のある表面12aを
経て出射される回折光により、「EXIT」の文字列は、10
%の輝度偏差(=(最大輝度−最小輝度)/平均輝度;従
来は20%)という均一性でもって板状体が1枚の場合の
略1.2倍の輝度で均一に照らされる。一例として、縦2
00mm×横200mm×厚さ2.5mmの板状体を2枚重ね、3Wの
蛍光管5を用いて、照光表面の輝度を測定する実験の結
果、明るく表示すべき「EXIT」の文字列の輝度は600cd
(カンデラ)/m2、上記文字列の周囲の輝度は60cd/m
2で、10倍ものコントラストが得られることが判明し
た。なお、板状体12,13の厚さが大きいほど、板状
体12,13の照光面積(縦×横)が小さいほど、蛍光管
5から多くの光を取り込んで、より集中的に照明できる
ので、上記文字列の輝度は大きくなる。
【0023】本発明の蛍光管5などの光源は、照光面の
輝度を高めるべく上記実施の形態と異なり板状体の両端
辺に配置してもよく、また、板状体を3枚以上重ねるこ
ともできる。また、拡散板を省略した場合でも、光源に
分光の虞れのない発光ダイオードなどの単色光を用いれ
ば同様の作用,効果を得ることができる。さらに、本発
明の発光表示板が、上記避難誘導灯以外の表示にも適用
できることは言うまでもない。
【0024】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
請求項1に記載の発光表示板は、少なくとも一端面から
光源からの光が入射する透明な板状体の裏面に、表示す
べき文字または図柄の形状に対応した形状で回折格子が
設けられ、この回折格子によって光源の光が表面側へ回
折されるようになっているので、光の波長に比べて寸法
が大きく互いに協同することなく個別に光を幾何光学的
に乱反射または全反射する従来の導光板裏面の白色ドッ
トパターンや板状体裏面のプリズムと異なり、ミクロン
単位の互いに隣接する微細な格子が協同,相乗して波動
としての光を格段に強く回折できて、回折格子の形状に
対応して格段に高輝度で周囲から際立たせて文字または
図柄を表示でき、光源の小型化で省エネルギとコンパク
ト化を図りつつ、悪条件でも明確に文字または図柄を認
識することできる。また、回折によって効率良く光の方
向を変えることができるので、光の乱反射を利用して端
縁入射光を曲げる白色ドットパターンの場合のように入
射光を閉じ込めるための箱(図6(A)の32参照)が不要
になり、部品点数を減じてコストダウンを図ることがで
きる。
【0025】請求項2に記載の発光表示板は、上記回折
格子の断面形状または単位幅における格子部幅/非格子
部幅の比の少なくとも1つが、上記発光表示板の表面に
おける文字または図柄の輝度が増大し、かつ均一化され
るように変化せしめられているので、上記一端面から離
れて光源から届く光量が減じるほど、光をより強く回折
するように上記断面形状または単位幅における格子部幅
/非格子部幅の比が調整されており、板状体に周囲から
際立たせて文字または図柄を高輝度かつ非常に均一に表
示することができる。従って、光源の小型化で省エネル
ギとコンパクト化を図りつつ、悪条件でも一層明確に文
字または図柄を認識することできる。
【0026】請求項3に記載の発光表示板は、上記板状
体の表面に、裏面の上記回折格子の形状に対応した形状
で、出射光を拡散させる表面加工が施されているので、
光源に白色光を用いて回折を行なっても、板状体の表面
に文字または図柄を分光しない白色光により均一かつ高
輝度で表示することができる。
【0027】請求項4に記載の発光表示板は、金型を用
いて成形加工されているので、板状体の裏面に回折格子
の刻線溝を直接機械加工する場合などに比して、迅速か
つ容易に大量生産することができ、製造コストを低減す
ることができる。
【0028】請求項5に記載の発光表示板は、上記回折
格子が、上記金型内に予め挿入された電鋳ホログラム膜
を入れ子コアとする金型の場合、板状体の裏面に回折格
子の刻線溝を直接機械加工したり、金型の内周面に回折
格子の刻線溝を機械加工する場合などに比して、迅速か
つ容易に大量生産することができ、製造コストを低減す
ることができる。
【0029】請求項6に記載の発光表示板は、上記板状
体の一端面に単色光の光源を備えて、上記文字または図
柄を上記単色光で照らすようにしているので、光源を消
費電力の大きい蛍光灯を用いず例えば発光ダイオードに
よって、文字または図柄を上記単色で照らすことがで
き、小型化,省エネルギ化および製造コストの低減を図
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 板状体の裏面に設けられた回折格子による光
の回折を原理的に示す模式図である。
【図2】 避難誘導灯として用いられた本発明による発
光表示板の一実施の形態を示す正面図および側面図であ
る。
【図3】 図2の光源から発せられる白色光のスペクト
ル分布を示す図である。
【図4】 回折光の強度と回折格子の格子間隔および断
面形状の関係を示す模式図である。
【図5】 本発明の避難誘導灯として用いられた本発明
による発光表示板の他の実施の形態を示す正面図および
側面図である。
【図6】 従来の発光表示板を示す斜視図および白色ド
ットパターンの平面図である。
【符号の説明】
1,11…発光表示板、2,12,13…板状体、2a,1
2a,13a…表面、2b,12b,13b…裏面、2c…上端
辺、3…回折格子、4…シボ加工層、5…蛍光管、12
c,13c…下端辺。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明な板状体の少なくとも一端面から入
    射する光源の光によって照らされる発光表示板におい
    て、 表示すべき文字または図柄の形状に対応した形状で上記
    板状体の裏面に回折格子が設けられ、この回折格子によ
    って上記光源の光が表面側へ回折されるようになってい
    ることを特徴とする発光表示板。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の発光表示板において、
    上記回折格子の断面形状または単位幅における格子部幅
    /非格子部幅の比の少なくとも1つが、上記発光表示板
    の表面における文字または図柄の輝度が増大し、かつ均
    一化されるように変化せしめられていることを特徴とす
    る発光表示板。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の発光表示板に
    おいて、上記板状体の表面に、裏面の上記回折格子の形
    状に対応した形状で、出射光を拡散させる表面加工が施
    されていることを特徴とする発光表示板。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1つに記載の
    発光表示板において、上記発光表示板は、金型を用いて
    成形加工されていることを特徴とする発光表示板。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の発光表示板において、
    上記金型は、機械加工または電鋳ホログラムによる回折
    格子が、金型コアに組み込まれていることを特徴とする
    発光表示板。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか1つに記載の
    発光表示板において、上記板状体の一端面に単色光の光
    源を備えて、上記文字または図柄を上記単色光で照らす
    ようにしたことを特徴とする発光表示板。
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