JPH11147895A - 新規アルキル置換グリシン誘導体及び医薬組成物 - Google Patents

新規アルキル置換グリシン誘導体及び医薬組成物

Info

Publication number
JPH11147895A
JPH11147895A JP9311994A JP31199497A JPH11147895A JP H11147895 A JPH11147895 A JP H11147895A JP 9311994 A JP9311994 A JP 9311994A JP 31199497 A JP31199497 A JP 31199497A JP H11147895 A JPH11147895 A JP H11147895A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
aryl
alkyl
acid
lower alkyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9311994A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideki Anami
秀基 阿南
Yoshinori Okamoto
芳典 岡本
Koichiro Morihira
浩一郎 森平
Yasuhiro Yonetoku
康博 米徳
Yoshiya Terai
嘉哉 寺井
Makoto Takeuchi
誠 竹内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP9311994A priority Critical patent/JPH11147895A/ja
Publication of JPH11147895A publication Critical patent/JPH11147895A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Landscapes

  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ICE阻害作用を有し,慢性関節リウマチ、
脳炎、炎症性腸疾患、膵炎などに有用な新規アルキル置
換グリシン誘導体又はその塩、及びそれらを有効成分と
する医薬の提供。 【解決手段】下記一般式(I)で示される新規アルキル
置換グリシン誘導体又はその塩また、それらを有効成分
とする医薬。 (式中、 R:R11−B−CO−、又はR11−B−SO
基 R11:水素原子、アリール、又はヘテロアリール基 B:低級アルキレン、低級アルケニレン、−低級アルキ
レン−O−、又は−低級アルケニレン−O−基 D環:芳香族炭化水素環、シクロアルカン、又は、飽和
或いは不飽和ヘテロ環 n:0―2の整数 m:1−5の整数 R:水素原子、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アル
ケニルなど

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は,新規なIL-1β変換
酵素阻害剤として有用なアルキル置換グリシン誘導体及
びその塩並びに医薬に関する。
【0002】
【従来の技術】インターロイキン1(以下IL-1と略称す
る)は活性化単球より主に産生される炎症性蛋白であ
り、多様な働きをするサイトカインである。たとえば、
マクロファージ等を刺激し走化性およびプロスタグラン
ジン産生を増大させ、あるいは、多形核白血球を浸潤さ
せる。IL-1は等電点の異なる二つの型IL-1αおよびIL-1
βが存在し、各々分子量17500で、アミノ酸レベルで26%
の相同性を示す(March et al., Nature 1985, 315, 64
1)。いずれの蛋白も分子量31000の前駆体として合成さ
れ、それらが変換をうけ成熟体に変換される。両蛋白と
もに同じ受容体に結合し、種および組織特異的な反応を
惹起する(Dinarello, Blood 1991, 77, 1627)が、IL-1
α前駆体、および成熟体が双方ともに生物活性を示すの
に対し、IL-1β前駆体は全く生物活性を示さず、受容体
に蛋白が結合し生物活性を発現するためには、成熟体へ
の変換が必要である(Mosley et al., J. Biol. Chem. 1
987, 262,2941)。IL-1β前駆体からIL-1β成熟体への変
換は細胞質蛋白であるIL-1β変換酵素(以下ICEと略称す
る)が司っており、この酵素はヒト単球細胞THP.1より単
離され(Cenetti et al., Science 1992, 256, 97; Mill
er et al., J. Biol. Chem. 1993, 268, 18062)、遺伝
子がクローニングされている(Thornberry et al., Natu
re 1992, 356, 768)。 ICEは既知のシステインプロテア
ーゼであり、IL-1β前駆体をAsp27-Gly28とAsp116-Ala1
17の二カ所で切断する。すなわち、ICE活性を阻害する
ことによりIL-1β前駆体からIL-1β成熟体への変換が妨
げられ、IL-1βの活性を阻害することができる。それゆ
えICE阻害剤が治療薬剤として有効であり得る疾病とし
ては、IL-1βの過剰産生が原因と考えられる疾病、例え
ば、慢性関節リウマチ、脳炎、炎症性腸疾患、膵炎、乾
癬、低血圧性ショック、アルツハイマー病、敗血症ショ
ック、糖尿病、糸球体腎炎, 肝炎、クローン病、歯周
炎、T細胞の関与する自己免疫疾患および再灌流傷害な
どを挙げることができる。 最近のいくつかの報告におい
て、ICEとその類似蛋白はアポトーシスを含めた細胞死
の機構において重要な位置を占めていることがしめされ
ている(Evan, Chemistry and Biology 1994, 1, 137)。
このアポトーシスの阻害剤は細胞死の過剰な疾患の治療
に有用である。それらの例としては神経変性疾患、AIDS
などが挙げられる。 ICEにより切断されるIL-1β前駆体
の構造において、切断部位のAsp116からN末端側へかけ
ての4アミノ酸からなるペプチド(Tyr-Val-Ala-Asp)
が、ICEに高い親和性を持つことが知られており、この
構造に基づいて多くの阻害剤が合成されている(Ator et
al., Current Pharmaceutical Design, 1995, 1, 19
1)。例えば、Ac-Tyr-Val-Ala-Asp-H(Thornberry et a
l., 1992(前出))、あるいはAc-Tyr-Val-Ala-Asp-CH2O
C(O)Ar(Thornberry et al., Biochemistry, 1994, 33,
3934)など、C末端部位に求電子性の高いカルボニル基等
を持つ化合物が強いICE阻害活性を示すことが報告され
ている。さらに非ペプチド化の試みとして、バリンある
いはアラニンを他の環状構造で置き換えた化合物がICE
阻害活性、あるいはIL-1β産生阻害活性を有することが
開示されている(EP 618223、WO 93/09135、WO 95/2695
8、WO 95/33751、WO 95/35308等)。 一方、アラニン部
位の構造に注目した場合、このアミノ酸の窒素原子上に
メチルを持つ化合物Ac-Tyr-Val-NMe-Ala-Asp-HがICE阻
害活性を示すことが報告されている(Mullican et al.,
Bioorg. Med. Chem. Lett., 1994, 4, 2359)。しかし、
この化合物のICE阻害活性はメチル基の置換していない
化合物と比較して弱いものであり、さらに窒素原子上の
置換基はメチル基が記載されているのみである。また、
WO97/22618にはICE阻害活性を有する化合物としてグリ
シンの窒素原子にアリールメチル基を有する化合物が開
示されているが、炭素数が2以上の置換基を有する化合
物は開示されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ICE阻害剤として
は、上記の化合物の他多数の化合物が知られているが、
これらのICE阻害作用はなお不十分であった。本発明
の目的は、新規なアルキル置換グリシン誘導体及びその
塩を提供すること、更にはこれらを含有する医薬を提供
することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を達成すべく鋭意研究を行ったところ、炭素数2以上の
アルキル置換されたグリシン誘導体がICEに強い阻害
活性を有することを見出し本発明を完成させるに至っ
た。
【0005】即ち、本発明は下記一般式(I)で示され
るアルキル置換グリシン誘導体又はその塩
【化4】 (式中の記号は、以下の意味を示す。 R:R11−B−CO−、又はR11−B−SO
基 R11:水素原子、アリール、又はヘテロアリール基 B:低級アルキレン、低級アルケニレン、−低級アルキ
レン−O−、又は−低級アルケニレン−O−基
【化5】 D環:芳香族炭化水素環、シクロアルカン、又は、飽和
或いは不飽和ヘテロ環 n:0―2の整数 m:1−5の整数 R:水素原子、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アル
ケニル、低級アルキニル、アリール、ヘテロアリール、
アミノ、モノ若しくはジ低級アルキルアミノ、シアノ、
カルボキシル、又は低級アルキル−O−CO−基
【化6】 31:−NR3536、又は−O−R38基 R32:水素原子、ヘテロアリール、低級アルキル、−
O−低級アルキル、−O−低級アルキレン−アリール又
は−CH−X−R39基 R33:水素原子、又は低級アルキル基 R34:ヒドロキシ、−O−低級アルキル、又は−O−
低級アルキレン−アリール基 R36:水素原子、ヒドロキシ、低級アルキル、−O−
低級アルキル、アリール、−低級アルキレン−アリー
ル、−O−アリール、−O−低級アルキレン−アリー
ル、又は−SO−R37基 R37:低級アルキル、アリール、又は−低級アルキレ
ン−アリール基 R38:水素原子、アルキル、アリール、−低級アルキ
レン−アリール、又はヘテロアリール基 R39:水素原子、アルキル、アリール、ヘテロアリー
ル、−CO−低級アルキル、−CO−アリール、−SO
−R37、−P(O)−(R37)、又は脂環式基 X:結合、酸素原子、硫黄原子、又はNR4035及びR40:水素原子、低級アルキル、又はアリ
ール基) 更に上記アルキル置換グリシン誘導体又はその製薬学的
に許容される塩を有効成分とする医薬に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】一般式(I)で示される化合物に
ついてさらに説明すると,次の通りである。本明細書の
一般式の定義において,特に断らない限り「低級」なる
用語は炭素数が1乃至6個の直鎖又は分岐状の炭素鎖を
意味する。「低級アルキル基」としては,具体的には例
えばメチル基,エチル基,プロピル基,イソプロピル
基,ブチル基,イソブチル基,sec−ブチル基,te
rt−ブチル基,ペンチル(アミル)基,イソペンチル
基,ネオペンチル基,tert−ペンチル基,1−メチ
ルブチル基,2−メチルブチル基,1,2−ジメチルプ
ロピル基,ヘキシル基,イソヘキシル基,1−メチルペ
ンチル基,2−メチルペンチル基,3−メチルペンチル
基,1,1−ジメチルブチル基,1,2−ジメチルブチ
ル基,2,2−ジメチルブチル基,1,3−ジメチルブ
チル基,2,3−ジメチルブチル基,3,3−ジメチル
ブチル基,1−エチルブチル基,2−エチルブチル基,
1,1,2−トリメチルプロピル基,1,2,2−トリ
メチルプロピル基,1−エチル−1−メチルプロピル
基,1−エチル−2−メチルプロピル基が挙げられ,好
ましくは炭素数1乃至3個のアルキル基である。 「アル
キル基」とは前記低級アルキル基に、更に、炭素数が7
〜12の直鎖又は分岐状のアルキル基を加えたものを意
味する。 「低級アルキレン基」は、炭素数1乃至6の低
級アルキレン基であり、具体的には、メチレン、エチレ
ン等が挙げられる「低級アルケニレン基」は炭素数2乃
至6の低級アルケニレン基であり、具体的にはビニレ
ン、プロペニレン等が挙げられる。「低級アルキニル
基」は炭素数2乃至6の低級アルキニル基であり、具体
的にはエチニル、プロピニル等が挙げられる。 「アリー
ル基」とは、芳香族炭化水素環の1価基であり、炭素数
6〜12のものが好ましく、たとえばフェニル,α−ナフ
チル,β−ナフチルなどがあげられる。
【0007】 「ヘテロアリール基」とは,窒素原子,酸
素原子又は硫黄原子から選択されるヘテロ原子1乃至4
個を含む5又は6員ヘテロアリール基,又はこのヘテロ
アリール基がベンゼン環或いはヘテロアリールと縮合し
た2環系ヘテロアリール基を意味し,該ヘテロアリール
としては,ピロール,イミダゾール,ピラゾール,ピリ
ジン,ピラジン,ピリミジン,ピリダジン,トリアゾー
ル,チオフェン,フラン,チアゾール,イソチアゾー
ル,チアジアゾール,チアジン,オキサゾール,イソキ
サゾール,オキサジアゾール,フラザン,ジオキサゾー
ル,オキサジン,オキサジアジン,ジオキサジン等が挙
げられ,ベンゼン環と縮合したヘテロアリールとしては
インドール,イソインドール,キノリン,イソキノリ
ン,ベンゾチオフェン,ベンゾチアゾール,ベンゾフラ
ン,ベンゾフラザン等の1価基が挙げられる。また、ヘ
テロアリールと縮合したヘテロアリールとして、イミダ
ゾピリジン、ピリドピリミジン、インドリジン、ピリド
ピラジン等の1価基が挙げられる。好ましい環は,ピリ
ジン,ピリミジン,インドール,キノリン,チオフェ
ン,フラン等である。また,「ハロゲン原子」として
は,フッ素原子,塩素原子,臭素原子,ヨウ素原子等が
挙げられる。好ましくは塩素原子又は臭素原子である。
「モノ若しくはジ低級アルキルアミノ基」とは,上記低
級アルキル基が1又は2置換したアミノ基を意味する。
「シクロアルキル基」は炭素数3〜7からなる単環系3
〜7員脂環状炭化水素基が好ましく、たとえばシクロプ
ロピル基,シクロブチル基,シクロペンチル基,シクロ
ヘキシル基,シクロヘプチル基である。「脂環式基」は
炭素数3〜10からなる架橋を有する3〜7員脂環状炭化
水素基であり、たとえばノルボルニル基,アダマンチル
基などがあげられる。「飽和ヘテロ環」とは、酸素原
子、窒素原子若しくは硫黄原子から選択されるヘテロ原
子を1乃至4個有していても良い5又は6員の飽和ヘテ
ロ環を意味し、具体的にはピロリジン、ピペリジン、ピ
ペラジン、モルホリン、イミダゾリジン、オキサゾリジ
ン、チアゾリジン、ピラゾリジン、イソキサゾリジン、
イソチアゾリジン、ペルヒドロピリダジン、ペルヒドロ
ピリミジン、トリアゾリジン、ジオキサゾリジン、テト
ラヒドロフラン、テトラヒドロピラン環等が挙げられ
る。また、これらがベンゼン環と縮合していてもよく、
例えば、テトラヒドロキノリン環、インドリン環等が挙
げられる。好ましくは他のヘテロ原子として、窒素原子
若しくは酸素原子を有する5又は6員飽和ヘテロ環であ
り、モルホリン、ピペリジン環が好ましい。
【0008】「不飽和ヘテロ環」は上記飽和ヘテロ環の
任意の位置に二重結合を有する基である。「置換されて
いてもよいα−アミノ酸残基」は種々の置換基を有して
いてもよいα−アミノ酸のN末から1個のHを、C末か
らOHを除去した残基を意味し、そのα−アミノ酸と
は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイ
シン、セリン、リジン、スレオニン、チロシン、アルギ
ニン、ヒスチジン、プロリン等が挙げられる。また、こ
れらのα炭素原子は、上記アリール、ヘテロアリール等
で置換されていてもよい。上記の低級アルキル、アルキ
ル、低級アルキレン、低級アルケニレン、低級アルキニ
ル、アリール、ヘテロアリール、飽和或いは不飽和ヘテ
ロ環及び脂環式基は、置換されていてもよく、好ましい
置換基としては、低級アルキル、ヒドロキシ、低級アル
キル−O−、アミノ、モノ若しくはジ低級アルキルアミ
ノ、低級アルキル−CO−O−基が挙げられる。本発明
化合物は基の種類によっては,光学異性体(光学活性
体,ジアステレオマー等)が存在する。また、本発明化
合物はアミド結合を有する化合物もあり、アミド結合に
基づく互変異性体も存在する。本発明には,これらの異
性体の分離されたもの,あるいは混合物も包含される。
【0009】本発明化合物は酸又は塩基と塩を形成す
る。本発明にはこれらの塩も含まれ、酸との塩としては
塩酸,臭化水素酸,ヨウ素水素酸,硫酸,硝酸,リン酸
等の鉱酸の無機酸や,ギ酸,酢酸,プロピオン酸,シュ
ウ酸,マロン酸,コハク酸,フマール酸,マレイン酸,
乳酸,リンゴ酸,クエン酸,酒石酸,炭酸,ピクリン
酸,メタンスルホン酸,エタンスルホン酸,グルタミン
酸等の有機酸との酸付加塩を挙げることができる。塩基
との塩としてはナトリウム,カリウム,マグネシウム,
カルシウム,アルミニウム等の無機塩基,メチルアミ
ン,エチルアミン,メグルミン,エタノールアミン等の
有機塩基又はリジン,アルギニン,オルニチン等の塩基
性アミノ酸との塩やアンモニウム塩が挙げられる。さら
に,本発明化合物は水和物,エタノール等との溶媒和物
や結晶多形を形成することができ、これらの物質も本発
明に包含される。
【0010】製造法
【0011】
【化7】 (式中のRxは水酸基の保護基、Ryはカルボキシル基
の保護基、RzはR32又はR34を意味する。その他
の記号は前述と同様である。)
【0012】(アミド化)カルボン酸化合物を、不活性
溶媒(塩化メチレン、ジクロロエタン、ジメチルホルム
アミド、テトラヒドロフランなど)中、−20〜60℃
で、酸ハライド法、混合あるいは対称酸無水物法、活性
エステル法、縮合剤[1,3−ジシクロヘキシルカルボ
ジイミド(DCC)、1−エチル−3−[3−(ジメチ
ルアミノ)プロピル]カルボジイミド(WSC)、カル
ボニルジイミダゾール(CDI)など]法などにより、
トリエチルアミン、N−メチルモルホリン等の塩基存在
下または非存在下にアミノ化合物と縮合することにより
行う。 (カルボキシル基の脱保護)カルボキシル基の保護基と
しては、tert−ブチル基やベンジル基などのアルキルエ
ステルが用いられるが、容易かつ選択的に除去できれば
これらに限定されるものではない。アルキルエステル基
の加水分解は適当な溶媒(水、メタノール、エタノー
ル、テトラヒドロフランなど)中、酸またはアルカリ性
条件下、0〜80℃で行う。tert−ブチルエステル基の
場合は、不活性溶媒(塩化メチレン、クロロホルム、ジ
クロエタン、ジオキサン、酢酸エチルなど)中あるいは
無溶媒で、0〜50℃で、酸(トリフルオロ酢酸、ギ
酸、塩酸など)で処理することによっても行うことがで
きる。ベンジルエステルの場合は、適当な溶媒(メタノ
ール、エタノール、テトラヒドロフランなど)中、パラ
ジウム炭素などの触媒存在下、水素雰囲気下あるいはギ
酸アンモニウム存在下での水素添加反応によっても行う
ことができる。
【0013】(水酸基の脱保護)水酸基の保護基として
は、好ましくはアシル基やアルキルシリル基であるが、
容易かつ選択的に除去できればこれらに限定されるもの
ではない。アルキルシリル基の除去は、適当な溶媒(塩
化メチレン、アセトニトリル、酢酸エチルなど)中、フ
ッ化水素・ピリジン錯体、フッ化テトラブチルアンモニ
ウムなどのフッ化物塩あるいは塩化水素などの酸により
行う。カルボン酸エステルの場合にはカルボキシル基の
脱保護で述べた方法によって脱保護反応を行う。 (水酸基の酸化)水酸基の酸化反応は、Dess-Martin酸
化や、三酸化硫黄−ピリジン錯体または塩化オギザリル
などによる活性化DMSOによる酸化などが用いられ
る。反応は、適当な溶媒(塩化メチレン、ジクロロエタ
ンなど)中、必要に応じて酸(ジクロロ酢酸など)ある
いは塩基(トリエチルアミン、ピリジン、ジメチルアミ
ノピリジンなど)の存在下、−80℃〜100℃で行う
ことができる。 (環化)カルボン酸を不活性溶媒(塩化メチレン、クロ
ロホルム、ジクロエタン、ジオキサン、酢酸エチルな
ど)中あるいは無溶媒で、−50〜30℃で、酸(トリ
フルオロ酢酸、ギ酸、塩酸など)で処理することにより
行うことが出来る。 (OH化)適当な溶媒(水または含水系の有機溶媒)
中、0〜50℃で、酸(トリフルオロ酢酸、ギ酸、塩酸
など)または、アルカリ性条件下に処理することによ
り、目的の化合物を得ることができる。一般式(IV)
で示される化合物は、上記の水酸基の脱保護、次いで水
酸基の酸化を行うことにより、R38が水素原子である
カルボン酸化合物を得ることができる。 また、R38
水素原子以外のエステル化合物は、一般式(IV)で示
される化合物を、アルコール化合物又はハライド等によ
りエステル化してから水酸基の脱保護次いで酸化をおこ
なうことにより本発明化合物(Ia)を得ることができ
る。
【0014】このようにして製造された本発明化合物
は,遊離のまま,あるいはその塩として単離・精製され
る。単離・精製は,抽出,濃縮,留去,結晶化,濾過,
再結晶,各種クロマトグラフィー等の通常の化学操作を
適用して行われる。 各種の異性体は,適当な原料化合物
を選択することにより,あるいは異性体間の物理的性質
の差を利用して分離することができる。例えば,光学異
性体は,適当な原料を選択することにより,あるいはラ
セミ化合物のラセミ分割法(例えば,一般的な光学活性
な塩基とのジアステレオマー塩に導き,光学分割する方
法等)により立体化学的に純粋な異性体に導くことがで
きる。 また、本発明化合物(I)において、R35又は
38が水素原子の場合は、下記の平衡が存在する。
【化8】 (式中、Yは酸素原子又はNR36を示す。その他の記
号は前述と同様である。) 本発明には、上記の平衡によって生じる化合物も含まれ
る。
【0015】本発明化合物又はその塩の1種又は2種以
上を有効成分として含有する製剤は,通常製剤化に用い
られる担体や賦形剤,その他の添加剤を用いて調製され
る。製剤用の担体や賦形剤としては,固体又は液体いず
れでも良く,例えば乳糖,ステアリン酸マグネシウム,
スターチ,タルク,ゼラチン,寒天,ペクチン,アラビ
アゴム,オリーブ油,ゴマ油,カカオバター,エチレン
グリコール等やその他常用のものが挙げられる。投与は
錠剤,丸剤,カプセル剤,顆粒剤,散剤,液剤等による
経口投与,あるいは静注,筋注等の注射剤,坐剤,経皮
等による非経口投与のいずれの形態であってもよい。投
与量は症状,投与対象の年齢,性別等を考慮して個々の
場合に応じて適宜決定されるが,通常成人1人当たり,
1日につき0.1〜1,000mg,好ましくは0.5
〜200mgの範囲で1日1回から数回に分け経口投与
されるか又は成人1人当たり,1日につき0.01〜5
00mgの範囲で,1日1回から数回に分け静脈内投与
されるか,又は,1日1時間〜24時間の範囲で静脈内
持続投与される。もちろん前記したように,投与量は種
々の条件で変動するので,上記投与量範囲より少ない量
で十分な場合もある。本発明による経口投与のための固
体組成物としては、錠剤、散剤、顆粒剤等が用いられ
る。このような固体組成物においては、一つまたはそれ
以上の活性物質が、少なくとも一つの不活性な希釈剤、
例えば乳糖、マンニトール、ブドウ糖、ヒドロキシプロ
ピルセルロース、微結晶セルロース、デンプン、ポリビ
ニルピロリドン、メタケイ酸、アルミン酸マグネシウム
と混合される。組成物は、常法に従って、不活性な希釈
剤以外の添加剤、例えばステアリン酸マグネシウムのよ
うな潤滑剤や繊維素グルコール酸カルシウムのような崩
壊剤、ラクトースのような安定化剤、グルタミン酸又は
アスパラギン酸のような溶解補助剤を含有していてもよ
い。錠剤又は丸剤は必要によりショ糖、ゼラチン、ヒド
ロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル
セルロースフタレート等の糖衣又は胃溶性あるいは腸溶
性物質のフィルムで被膜してもよい。経口投与のための
液体組成物は、薬剤的に許容される乳濁剤、溶液剤、懸
濁剤、シロップ剤、エリキシル剤等を含み、一般的に用
いられる不活性な希釈剤、例えば精製水、エタノールを
含む。この組成物は不活性な希釈剤以外に湿潤剤、懸濁
剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤を
含有していてもよい。非経口投与のための注射剤として
は、無菌の水性又は非水性の溶液剤、懸濁剤、乳濁剤を
包含する。水性の溶液剤、懸濁剤としては、例えば注射
用蒸留水及び生理食塩水が含まれる。非水溶性の溶液
剤、懸濁剤としては、例えばプロピレングリコール、ポ
リエチレングリコール、オリーブ油のような植物油、エ
タノールのようなアルコール類、ポリソルベート80等
がある。このような組成物はさらに防腐剤、湿潤剤、乳
化剤、分散剤、安定化剤(例えば、ラクトース)、溶解
補助剤(例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸)のよ
うな補助剤を含んでいてもよい。これらは例えばバクテ
リア保留フィルターを通す濾過、殺菌剤の配合又は照射
によって無菌化される。また、これらは無菌の固体組成
物を製造し、使用前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶
解して使用することもできる。
【0016】
【実施例】次に,実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが,本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。尚、実施例で用いられる原料化合物の製造方法
を参考例として説明する。
【0017】参考例1 N−(3−シアノプロピル)グリシン エチルエステル グリシン エチルエステル 一塩酸塩62.2gのアセ
トニトリル450ml溶液に4−ブロモブチロニトリル
13.2g、炭酸カリウム74.0g及び臭化テトラブ
チルアンモニウム2.67gを加え、室温で1時間攪拌
した後、さらに60℃で6時間攪拌した。反応液を室温
まで冷却し、水300mlを加えた後、酢酸エチルで抽
出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去した。得られた
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホ
ルム/メタノール=95/5)で精製して、標題化合物
13.8gを黄色油状物として得た。 以下、参考例1と
同様にして合成した。 参考例2 N−ブチルグリシン エチルエステル
【0018】参考例3 N−[3−(1H−イミダゾール−1−イル)プロピ
ル]グリシン エチルエステル ブロモ酢酸エチル3.34gのテトラヒドトフラン50ml溶
液にトリエチルアミン2.43g及び3−(1H−イミダゾ
ール−1−イル)プロピルアミン2.50gを加え、室温で
15時間攪拌した。反応混合物に水、酢酸エチルを加
え、得られた有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫
酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。得られ
た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロ
ホルム/メタノール=50/1)で精製して、標題化合
物1.59gを淡黄色油状物として得た。 参考例4 N−(N−tert−ブトキシカルボニル−L−バリル)−
N−(3−シアノプロピル)グリシン エチルエステル N−tert−ブトキシカルボニル−L−バリン9.69g
のジメチルホルムアミド100ml溶液に1−ヒドロキ
シベンゾトリアゾ−ル6.03g、N−メチルモルホリ
ン4.90ml、1−エチル−3−(ジメチルアミノプ
ロピル)カルボジイミド 一塩酸塩8.59g及びN−
(3−シアノプロピル)グリシン エチルエステル6.
90gを加え、室温で12時間攪拌した。反応液に飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液200mlを加え、酢酸エチ
ルで抽出した後、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液、飽和塩化アンモニウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留
去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(クロロホルム/メタノール=98/2〜97/
3)で精製して、標題化合物10.1gを無色油状物と
して得た。以下、参考例4と同様にして合成した。 参考例5 N−(N−tert−ブトキシカルボニル−L−バリル)−
N−ブチルグリシンエチルエステル 参考例6 N−(N−tert−ブトキシカルボニル−L−バリル)−
N−[3−(1H−イミダゾール−1−イル)プロピ
ル]グリシン エチルエステル
【0019】参考例7 N−(3−シアノプロピル)−N−[N−(2−ナフト
イル)−L−バリル]グリシン エチルエステル N−(N−tert−ブトキシカルボニル−L−バリル)−
N−(3−シアノプロピル)グリシン エチルエステル
5.00gの塩化メチレン25ml溶液にトリフルオロ
酢酸25mlを加え、室温で1時間攪拌した。反応液に
ベンゼン50mlを加えた後、溶液を減圧下濃縮し、こ
の操作を再度繰り返した。得られた残渣をクロロホルム
50mlに溶解し、この溶液に塩化−2−ナフトイル
2.57gを加え、反応液を4℃に冷却した後、トリエ
チルアミン3.76mlを加え、10分間攪拌した。反
応液に飽和食塩水100mlを加え、クロロホルムで抽
出した後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、得られた残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホル
ム/メタノール=98/2)で精製して、標題化合物
5.17gを無色油状物として得た。 以下、参考例7と
同様にして合成した。 参考例8 N−ブチル−N−[N−(2−ナフトイル)−L−バリ
ル]グリシン エチルエステル 参考例9 N−[3−(1H−イミダゾール−1−イル)プロピ
ル]−N−[N−(2−ナフトイル)−L−バリル]グ
リシン エチルエステル
【0020】参考例10 N−[N−(2−ナフトイル)−L−バリル]−N−
[3−(テトラゾール−5−イル)プロピル]グリシン
エチルエステル N−(3−シアノプロピル)−N−[N−(2−ナフト
イル)−L−バリル]グリシン エチルエステル2.5
0gのジメチルホルムアミド15ml溶液に、塩化アン
モニウム376mg及びアジ化ナトリウム460mgを
室温で加え、100℃で24時間攪拌した。反応液を室
温に冷却し、酢酸エチル100mlで希釈した後、1M
塩酸及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸
マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、得られ
た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロ
ホルム/メタノール=98/2−96/4)で精製し
て、標題化合物1.26gを無色アモルファスとして得
た。また未反応のN−(3−シアノプロピル)−N−
[N−(2−ナフトイル)−L−バリル]グリシン エ
チルエステル1.22gを回収した。
【0021】参考例11 N−[N−(2−ナフトイル)−L−バリル]−N−
[3−(2−トリフェニルメチル−2H−テトラゾール
−5−イル)プロピル]グリシン エチルエステル N−[N−(2−ナフトイル)−L−バリル]−N−
[3−(テトラゾール−5−イル)プロピル]グリシン
エチルエステル1.05gのクロロホルム20ml溶
液に、トリエチルアミン0.345ml及び塩化トリフ
ェニルメタン0.691gを加え、室温で2時間攪拌し
た。反応液をクロロホルム100mlで希釈し、飽和塩
化ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、得られた残渣をエ
ーテルで洗浄して標題化合物1.81gを無色アモルフ
ァスとして得た。
【0022】 参考例12(3S,4RS)−3−({N−(3−シア
ノプロピル)−N−[N−(2−ナフトイル)−L−バ
リル]グリシル}アミノ)−4−ヒドロキシ−5−フェ
ノキシペンタン酸 tert−ブチルエステル N−(3−シアノプロピル)−N−[N−(2−ナフト
イル)−L−バリル]グリシン エチルエステル2.0
0gのメタノール30ml溶液に1規定水酸化ナトリウ
ム水溶液7.08mlを加え、室温で1時間攪拌した。
反応液にクエン酸2.10gの水溶液30mlを加えp
Hを約4に調整し、溶液を水100mlで希釈し、酢酸
エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水
硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去し
た。得られた残渣(1.40g)のうちの581mg及
び(3S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−フェノ
キシペンタン酸 tert−ブチルエステル414mgよ
り、参考例4と同様にして、標題化合物683mgを無
色アモルファスとして得た。以下、参考例12と同様に
して合成した。 参考例13 N−ブチル−N−[N−(2−ナフトイル)−L−バリ
ル]グリシン参考例14 (3S,4RS)−3−({N−ブチル−N−[N−
(2−ナフトイル)−L−バリル]グリシル}アミノ)
−4−ヒドロキシ−5−フェノキシペンタン酸tert−ブ
チルエステル 参考例15 N−[3−(1H−イミダゾール−1−イル)プロピ
ル]−N−[N−(2−ナフトイル)−L−バリル]グ
リシン 参考例16 (3S,4RS)−4−ヒドロキシ−3−({N−[3
−(1H−イミダゾール−1−イル)プロピル]−N−
[N−(2−ナフトイル)L−バリル]グリシル}アミ
ノ)−5−フェノキシペンタン酸 tert−ブチルエステ
【0023】参考例17 (3S)−3−({N−(3−シアノプロピル)−N−
[N−(2−ナフトイル)−L−バリル]グリシル}ア
ミノ)−4−オキソ−5−フェノキシペンタン酸 tert
−ブチルエステル (3S,4RS)−3−({N−(3−シアノプロピ
ル)−N−[N−(2−ナフトイル)−L−バリル]グ
リシル}アミノ)−4−ヒドロキシ−5−フェノキシペ
ンタン酸 tert−ブチルエステル183mgの塩化メチ
レン溶液に、氷冷下、Dess−Martin試薬35
3mgを加えた。1時間反応させた後、Dess−Ma
rtin試薬をさらに50mgを加え、室温で2時間攪
拌した。反応液に飽和重炭酸ナトリウム水溶液30ml
を加え、酢酸エチルで抽出した後、有機層を飽和食塩水
で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減
圧下留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(クロロホルム/メタノール=98/2)で
精製して、標題化合物180mgを無色油状物として得
た。 以下、参考例17と同様にして合成した。 参考例18 (3S)−3−({N−ブチル−N−[N−(2−ナフ
トイル)−L−バリル]グリシル}アミノ)−4−オキ
ソ−5−フェノキシペンタン酸 tert−ブチルエステル 参考例19 3−({N−[3−(1H−イミダゾール−1−イル)
プロピル]−N−[N−(2−ナフトイル)−L−バリ
ル]グリシル}アミノ)−4−オキソ−5−フェノキシ
ペンタン酸 tert−ブチルエステル 以下、参考例12および17と同様にして合成した。 参考例20 (3S)−3−({N−[N−(2−ナフトイル)−L
−バリル]−N−[3−(2−トリフェニルメチル−2
H−テトラゾール−5−イル)プロピル]グリシル}ア
ミノ)−4−オキソ−5−フェノキシペンタン酸 tert
−ブチルエステル
【0024】 以下の表にこれらの参考例の物性値を示
す。
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】実施例1 (3S)−3−({N−(3−シアノプロピル)−N−
[N−(2−ナフトイル)−L−バリル]グリシル}ア
ミノ)−4−オキソ−5−フェノキシペンタン酸 (3S)−3−({N−(3−シアノプロピル)−N−
[N−(2−ナフトイル)−L−バリル]グリシル}ア
ミノ)−4−オキソ−5−フェノキシペンタン酸 tert
−ブチルエステル70mgの塩化メチレン3ml溶液に
トリフルオロ酢酸2mlを加え、室温で3時間攪拌し
た。反応液にベンゼン20mlを加え、減圧下濃縮し、
この操作を再度繰り返した。得られた残渣を分取薄層ク
ロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=85/
15)で精製して、標題化合物55mgを淡黄色アモル
ファスとして得た。 1H-NMR:(DMSO-d6)δ:0.87-1.04(6H,m),1.75-2.78(7H,
m),3.25-3.70(2H,m),3.70-4.25(2H,m), 4.52-5.10(4H,
m),6.83-6.95(3H,m),7.18-7.27(2H,m),7.53-7.65(2H,
m),7.93-8.05(4H,m),8.49-8.72(1H,m) IR(KBr): 2249,1736,1637,1626,1599,1576cm-1 以下、実施例1と同様にして合成した。 実施例2 (3S)−3−({N−[N−(2−ナフトイル)−L
−バリル]−N−[3−(テトラゾール−5−イル)プ
ロピル]グリシル}アミノ)−4−オキソ−5−フェノ
キシペンタン酸 1H-NMR:(DMSO-d6)δ:0.88-1.03(6H,m),1.75-2.80(7H,
m),3.60-3.70(2H,m),3.90-4.25(2H,m), 4.50-5.20(4H,
m),6.80-6.97(3H,m),7.15-7.28(2H,m),7.52-7.63(2H,
m),7.92-8.03(4H,m),8.38-8.77(1H,m) IR(KBr): 1736,1637,1626,1599,1578cm-1
【0027】実施例3 (3S)−3−({N−ブチル−N−[N−(2−ナフ
トイル)−L−バリル]グリシル}アミノ)−4−オキ
ソ−5−フェノキシペンタン酸 1H-NMR:(DMSO-d6)δ:0.83-0.99(9H,m),1.20-1.70(4H,
m),2.20-2.30(1H,m),2.60-2.80(2H,m), 3.20-3.84(3H,
m),4.11-4.21(1H,m),4.50-5.11(3H,m),6.85-6.90(3H,
m),7.19-7.23(m,2H),7.58-7.63(2H,m),7.90-8.01(4H,
m),8.52(1H,s),8.52-8.75(1H,m),12.5(1H,Brs) IR(KBr): 1736,1637,1626,1529cm-1 実施例4 3−({N−[3−(1H−イミダゾール−1−イル)
プロピル]−N−[N−(2−ナフトイル)−L−バリ
ル]グリシル}アミノ)−4−オキソ−5−フェノキシ
ペンタン酸 一トリフルオロ酢酸塩 1H-NMR:(DMSO-d6)δ:0.90-0.96(6H,m),1.90-2.35(2H,
m),2.60-2.85(2H,m),3.20-3.60(2H,m), 3.76-3.80(1H,
m),4.00-4.20(4H,m),4.50-5.20(4H,m),6.84-6.91(3H,
m),7.15-7.41(3H,m),7.52-7.70(3H,m),7.96-8.14(4H,
m),8.51(1H,s),8.60-8.80(1H,m) IR(KBr): 1734,1678,1637,1533,1498cm-1
【0028】 前記の実施例以外に以下に本発明の別の化
合物を表に示す。 これらの化合物は,上記の製造法及び
実施例中に記載した合成経路と方法,及び通常の当業者
にとって公知であるそれらの変法を用いて合成すること
ができ,特別の実験を必要とするものではない。 なお、
表中、Meはメチル、Prはプロピル、Buはブチル、Phはフ
ェニルを意味する。
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】
【表5】
【0032】
【表6】
【0033】
【表7】
【0034】
【発明の効果】本発明化合物は,強いICE阻害作用を
示す化合物である。従って,本発明化合物は,慢性関節
リウマチ、脳炎、炎症性腸疾患、膵炎、乾癬、低血圧性
ショック、アルツハイマー病、敗血症ショック、糖尿
病、糸球体腎炎, 肝炎、クローン病、歯周炎、T細胞の
関与する自己免疫疾患および再灌流傷害など、また、神
経変性疾患、AIDSにも有用である。本発明化合物のIC
Eに対する作用は,次の様にして評価され,確認された
ものである。
【0035】1.IL-1β変換酵素阻害活性 IL-1β変換酵素反応液(20 mM HEPES・水酸化ナトリウ
ム緩衝液pH 7.5、10 %スクロース、1 mM EDTA、1 % CHA
PSおよび2.5 mM DTTを含む)を調製した。種々の濃度の
被験化合物(本発明化合物)あるいは反応液 (60μl)、
ヒト組み換え型IL-1β変換酵素液 (60μl )および種々
の濃度のAc-Tyr-Val-Ala-Asp-AFC溶液 (180μl)を加え
て37 ℃にて反応させた。励起波長 395 nmおよび測定波
長 515 nmで蛍光強度を測定することにより、IC50値を
算出した。なお、上記実験方法中HEPESは4-(2-ヒドロキ
シエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸、EDTAはエチ
レンジアミン四酢酸、CHAPSは3-[(3-コラミドプロピル)
-ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホン酸、DTTはジ
チオスレイトールおよびAc-Tyr-Val-Ala-Asp-AFCはアセ
チル-L-チロシル-L-バリニル-L-アラニル-L-アスパラギ
ン酸-4-トリフルオロ-クロマリル-7-アミドを表わす。
【0036】2.IL-1β産生阻害作用 ヘパリン処理した正常人末梢血をデキストランに混合し
赤血球を除去後、フィコール・パークに重層し遠心操作
により単核球を分離し、分離した単核球細胞を5 %牛胎
児血清、100 U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマ
イシン、20μMメルカプトエタノールを加えたRPMI-1640
培地(ギブコ社)に浮遊させて細胞数1x106 cell/mlに
調製した。調製した細胞浮遊液1 ml、および被験化合物
(本発明化合物)の上記培地溶液100μlをマイクロプレ
ート(平底24穴、住友ベークライト社)に添加し、5 %
CO2インキュベーターで15分培養後、リポ多糖(E.coli
serotype 055:B5コスモバイオ社)を最終濃度20μg/ml
で加え、24時間培養した。被験化合物の培地溶液は検体
をDMSOで溶解後、DMSOの最終濃度が0.1 %以下になるよ
うに上記培地溶液で希釈することにより調製した。培養
後細胞上清中でIL-1β (pg/ml)をELISAキット(ケイマ
ン社)で測定し、50 %抑制率 (IC50値、μM)を算定し
た。その結果本発明化合物は,強いICE阻害作用を示
した。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 31/415 ACS A61K 31/415 ACS ACV ACV ADP ADP 31/42 ACJ 31/42 ACJ 31/425 ADA 31/425 ADA AED AED 38/00 C07D 521/00 C07D 521/00 A61K 37/02 (72)発明者 米徳 康博 茨城県つくば市御幸が丘21 山之内製薬株 式会社内 (72)発明者 寺井 嘉哉 茨城県つくば市御幸が丘21 山之内製薬株 式会社内 (72)発明者 竹内 誠 茨城県つくば市御幸が丘21 山之内製薬株 式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I)で示されるアルキル置換
    グリシン誘導体又はその塩 【化1】 (式中の記号は、以下の意味を示す。 R:R11−B−CO−、又はR11−B−SO
    基 R11:水素原子、アリール、又はヘテロアリール基 B:低級アルキレン、低級アルケニレン、−低級アルキ
    レン−O−、又は−低級アルケニレン−O−基 【化2】 D環:芳香族炭化水素環、シクロアルカン、又は、飽和
    或いは不飽和ヘテロ環 n:0―2の整数 m:1−5の整数 R:水素原子、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アル
    ケニル、低級アルキニル、アリール、ヘテロアリール、
    アミノ、モノ若しくはジ低級アルキルアミノ、シアノ、
    カルボキシル、又は低級アルキル−O−CO−基 【化3】 31:−NR3536、又は−O−R38基 R32:水素原子、ヘテロアリール、低級アルキル、−
    O−低級アルキル、−O−低級アルキレン−アリール又
    は−CH−X−R39基 R33:水素原子、又は低級アルキル基 R34:ヒドロキシ、−O−低級アルキル、又は−O−
    低級アルキレン−アリール基 R36:水素原子、ヒドロキシ、低級アルキル、−O−
    低級アルキル、アリール、−低級アルキレン−アリー
    ル、−O−アリール、−O−低級アルキレン−アリー
    ル、又は−SO−R37基 R37:低級アルキル、アリール、又は−低級アルキレ
    ン−アリール基 R38:水素原子、アルキル、アリール、−低級アルキ
    レン−アリール、又はヘテロアリール基 R39:水素原子、アルキル、アリール、ヘテロアリー
    ル、−CO−低級アルキル、−CO−アリール、−SO
    −R37、−P(O)−(R37)、又は脂環式基 X:結合、酸素原子、硫黄原子、又はNR4035及びR40:水素原子、低級アルキル、又はアリ
    ール基)
  2. 【請求項2】請求項1記載のアルキル置換グリシン誘導
    体又はその製薬学的に許容される塩を有効成分とする医
    薬 【0001】
JP9311994A 1997-11-13 1997-11-13 新規アルキル置換グリシン誘導体及び医薬組成物 Pending JPH11147895A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9311994A JPH11147895A (ja) 1997-11-13 1997-11-13 新規アルキル置換グリシン誘導体及び医薬組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9311994A JPH11147895A (ja) 1997-11-13 1997-11-13 新規アルキル置換グリシン誘導体及び医薬組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11147895A true JPH11147895A (ja) 1999-06-02

Family

ID=18023936

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9311994A Pending JPH11147895A (ja) 1997-11-13 1997-11-13 新規アルキル置換グリシン誘導体及び医薬組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11147895A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5990083A (en) Multicatalytic protease inhibitors
FI111947B (fi) Menetelmä uusien terapeuttisesti käyttökelpoisten 5-okso-[1,4]oksatsino[3,4-b][1,3]oksatsepiini- ja -tiatsepiini-7-karboksyylihappojohdannaisten valmistamiseksi
JP2568358B2 (ja) ファルネシル蛋白質トランスフェラーゼの阻害剤
KR101118807B1 (ko) O-치환 히드록시아릴 유도체
WO2018183411A1 (en) Small molecule dcn1 inhibitors and therapeutic methods using the same
TWI631127B (zh) 巨環廣效抗生素
EP0618223A2 (en) Peptides inhibiting interleukin 1-bêta release useful as antiinflammatory agents
JPS61236770A (ja) 新規なアミノ酸誘導体
WO2006013209A2 (en) Compounds for inhibiting copper-containing amine oxidases and uses thereof
WO1991015487A1 (fr) Nouveau derive de 4-1-benzoxazine-4h-3,1
JP2018135334A (ja) 直鎖ペプチド抗生物質
US20150218212A1 (en) Fluorinated epoxyketone-based tetrapeptide compounds and uses thereof as proteasome inhibitors
JPH0820597A (ja) トロンビン阻害作用を有する複素環カルボニル化合物
KR20090031333A (ko) 신규한 베타-세크리타제 저해용 화합물
US5587375A (en) Azepinone compounds useful in the inhibition of ACE and NEP
WO1991009851A1 (en) 1,3,2-dioxathiolane oxide derivative
CN111386283A (zh) 肽抗菌复合物及其使用方法
JP4927566B2 (ja) Par−2アゴニスト
US11208386B2 (en) Inhibitors of protein arginine deiminases (PADs) and methods of preparation and use thereof
KR20150064736A (ko) 아자인돌린
KR20150065718A (ko) 인돌린
JPH11514996A (ja) レトロウイルスアスパラギン酸プロテアーゼの置換同配体としてのアザヘキサン誘導体
JPH11147873A (ja) 新規スルホンアミド誘導体及び医薬
JPH11147895A (ja) 新規アルキル置換グリシン誘導体及び医薬組成物
SK3242000A3 (en) Pyrrolopyrrolone derivatives as inhibitors of neutrophil elastase

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040127