JPH11147873A - 新規スルホンアミド誘導体及び医薬 - Google Patents

新規スルホンアミド誘導体及び医薬

Info

Publication number
JPH11147873A
JPH11147873A JP9312505A JP31250597A JPH11147873A JP H11147873 A JPH11147873 A JP H11147873A JP 9312505 A JP9312505 A JP 9312505A JP 31250597 A JP31250597 A JP 31250597A JP H11147873 A JPH11147873 A JP H11147873A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
acid
compound
aryl
formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9312505A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideki Anami
秀基 阿南
Yoshinori Okamoto
芳典 岡本
Koichiro Morihira
浩一郎 森平
Yasuhiro Yonetoku
康博 米徳
Yoshiya Terai
嘉哉 寺井
Makoto Takeuchi
誠 竹内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP9312505A priority Critical patent/JPH11147873A/ja
Publication of JPH11147873A publication Critical patent/JPH11147873A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Landscapes

  • Pyridine Compounds (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Thiazole And Isothizaole Compounds (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ICE阻害作用を有し,慢性関節リウマチ、
脳炎、炎症性腸疾患、膵炎などに有用な新規アルキル置
換グリシン誘導体又はその塩、及びそれらを有効成分と
する医薬の提供。 【解決手段】下記一般式(I)で示される新規スルホン
アミド誘導体又はその塩また、それらを有効成分とする
医薬。 (式中、 R:R11−B−CO−又はR11−B−SO−基 R11:水素原子、アリール、又はヘテロアリール基 B:低級アルキレン、低級アルケニレン、−低級アルキ
レン−O−、又は−低級アルケニレン−O−基 n:0―3の整数 D環:アリール、シクロアルカン、又は、飽和或いは不
飽和ヘテロ環 R:水素原子、ヘテロアリール、低級アルキルなど R:水素原子、低級アルキル、アリール、又は−低級
アルキレン−アリール基)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,新規なIL-1β変換
酵素阻害剤として有用なアルキル置換グリシン誘導体及
びその塩並びに医薬に関する。
【0002】
【従来の技術】インターロイキン1(以下IL-1と略称す
る)は活性化単球より主に産生される炎症性蛋白であ
り、多様な働きをするサイトカインである。たとえば、
マクロファージ等を刺激し走化性およびプロスタグラン
ジン産生を増大させ、あるいは、多形核白血球を浸潤さ
せる。IL-1は等電点の異なる二つの型IL-1αおよびIL-1
βが存在し、各々分子量17500で、アミノ酸レベルで26%
の相同性を示す(March et al., Nature 1985, 315, 64
1)。いずれの蛋白も分子量31000の前駆体として合成さ
れ、それらが変換をうけ成熟体に変換される。両蛋白と
もに同じ受容体に結合し、種および組織特異的な反応を
惹起する(Dinarello, Blood 1991, 77, 1627)が、IL-1
α前駆体、および成熟体が双方ともに生物活性を示すの
に対し、IL-1β前駆体は全く生物活性を示さず、受容体
に蛋白が結合し生物活性を発現するためには、成熟体へ
の変換が必要である(Mosley et al., J. Biol. Chem. 1
987, 262,2941)。IL-1β前駆体からIL-1β成熟体への変
換は細胞質蛋白であるIL-1β変換酵素(以下ICEと略称す
る)が司っており、この酵素はヒト単球細胞THP.1より単
離され(Cenetti et al., Science 1992, 256, 97; Mill
er et al., J. Biol. Chem. 1993, 268, 18062)、遺伝
子がクローニングされている(Thornberry et al., Natu
re 1992, 356, 768)。ICEは既知のシステインプロテア
ーゼであり、IL-1β前駆体をAsp27-Gly28とAsp116-Ala1
17の二カ所で切断する。すなわち、ICE活性を阻害する
ことによりIL-1β前駆体からIL-1β成熟体への変換が妨
げられ、IL-1βの活性を阻害することができる。それゆ
えICE阻害剤が治療薬剤として有効であり得る疾病とし
ては、IL-1βの過剰産生が原因と考えられる疾病、例え
ば、慢性関節リウマチ、脳炎、炎症性腸疾患、膵炎、乾
癬、低血圧性ショック、アルツハイマー病、敗血症ショ
ック、糖尿病、糸球体腎炎, 肝炎、クローン病、歯周
炎、T細胞の関与する自己免疫疾患および再灌流傷害な
どを挙げることができる。最近のいくつかの報告におい
て、ICEとその類似蛋白はアポトーシスを含めた細胞死
の機構において重要な位置を占めていることがしめされ
ている(Evan, Chemistry and Biology 1994, 1, 137)。
このアポトーシスの阻害剤は細胞死の過剰な疾患の治療
に有用である。それらの例としては神経変性疾患、AIDS
などが挙げられる。ICEにより切断されるIL-1β前駆体
の構造において、切断部位のAsp116からN末端側へかけ
ての4アミノ酸からなるペプチド(Tyr-Val-Ala-Asp)
が、ICEに高い親和性を持つことが知られており、この
構造に基づいて多くの阻害剤が合成されている(Ator et
al., Current Pharmaceutical Design, 1995, 1, 19
1)。例えば、Ac-Tyr-Val-Ala-Asp-H(Thornberry et a
l., 1992(前出))、あるいはAc-Tyr-Val-Ala-Asp-CH2O
C(O)Ar(Thornberry et al., Biochemistry, 1994, 33,
3934)など、C末端部位に求電子性の高いカルボニル基等
を持つ化合物が強いICE阻害活性を示すことが報告され
ている。また、ICE阻害作用の発現には、これらのカル
ボニル基と共にアスパラギン酸残基のカルボキシル基が
重要であり、これまでに知られている化合物の殆どはC
末端部位にこれらの官能基を有している(EP 519748、E
P 618223、WO 93/09135、WO 93/16710、WO 95/26958、W
O 95/33751、WO95/35308等を参照)。NO 9402064には、
前記のカルボキシル基をヒドロキサム酸に置き換えた化
合物が開示されている。EP 618223(特開平6-340691)
や、WO 95/35308には、上記カルボン酸に相当する部分
に生物学的アイソスター基も可能であるという記述がな
されているが、具体的な化合物としてスルホンアミド基
を有する化合物は開示されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ICE阻害剤として
は、上記の化合物の他多数の化合物が知られているが、
これらのICE阻害作用はなお不十分であった。本発明
の目的は、新規なスルホンアミド誘導体及びその塩を提
供すること、更にはこれらを含有する医薬を提供するこ
とである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を達成すべく鋭意研究を行ったところ、カルボン酸部分
をスルホンアミドに置き換えた新規スルホンアミド誘導
体がICEに強い阻害活性を有することを見出し本発明
を完成させるに至った。
【0005】即ち、本発明は下記一般式(I)で示され
るアルキル置換グリシン誘導体又はその塩
【化3】 (式中の記号は、以下の意味を示す。 R:R11−B−CO−又はR11−B−SO−基 R11:水素原子、アリール、又はヘテロアリール基 B:低級アルキレン、低級アルケニレン、−低級アルキ
レン−O−、又は−低級アルケニレン−O−基
【化4】 n:0―3の整数 D環:アリール、シクロアルカン、又は、飽和或いは不
飽和ヘテロ環 R:水素原子、ヘテロアリール、低級アルキル又は−
CH−X−R21基 R21:水素原子、アルキル、アリール、−低級アルキ
レン−アリール、ヘテロアリール、−CO−低級アルキ
ル、−CO−ヘテロアリール、−P(O)(R22)、又
は−SO−R2222:低級アルキル、アリール、又は−低級アルキレ
ン−アリール基 X:結合、酸素原子、硫黄原子、又はNR2323:水素原子、低級アルキル、又はアリール基 R:水素原子、低級アルキル、アリール、又は−低級
アルキレン−アリール基) 更に本発明は上記スルホンアミド誘導体又はその製薬学
的に許容される塩を有効成分とする医薬に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】一般式(I)で示される化合物に
ついてさらに説明すると,次の通りである。本明細書の
一般式の定義において,特に断らない限り「低級」なる
用語は炭素数が1乃至6個の直鎖又は分岐状の炭素鎖を
意味する。「低級アルキル基」としては,具体的には例
えばメチル基,エチル基,プロピル基,イソプロピル
基,ブチル基,イソブチル基,sec−ブチル基,te
rt−ブチル基,ペンチル(アミル)基,イソペンチル
基,ネオペンチル基,tert−ペンチル基,1−メチ
ルブチル基,2−メチルブチル基,1,2−ジメチルプ
ロピル基,ヘキシル基,イソヘキシル基,1−メチルペ
ンチル基,2−メチルペンチル基,3−メチルペンチル
基,1,1−ジメチルブチル基,1,2−ジメチルブチ
ル基,2,2−ジメチルブチル基,1,3−ジメチルブ
チル基,2,3−ジメチルブチル基,3,3−ジメチル
ブチル基,1−エチルブチル基,2−エチルブチル基,
1,1,2−トリメチルプロピル基,1,2,2−トリ
メチルプロピル基,1−エチル−1−メチルプロピル
基,1−エチル−2−メチルプロピル基が挙げられ,好
ましくは炭素数1乃至3個のアルキル基である。「アル
キル基」とは前記低級アルキル基に、更に、炭素数が7
〜12の直鎖又は分岐状のアルキル基を加えたもの即ち
炭素数1乃至12のアルキルを意味する。「低級アルキ
レン基」は、炭素数1乃至6の低級アルキレン基であ
り、具体的には、メチレン、エチレン等が挙げられる
「低級アルケニレン基」は炭素数2乃至6の低級アルケ
ニレン基であり、具体的にはビニレン、プロペニレン等
が挙げられる。「アリール基」とは、炭素数6〜12の芳
香族炭化水素基であり、好ましくは、たとえばフェニ
ル,α−ナフチル,β−ナフチルなどがあげられる。
「ヘテロアリール基」とは,窒素原子,酸素原子又は硫
黄原子から選択されるヘテロ原子1乃至4個を含む5又
は6員ヘテロアリール基,又はこのヘテロアリール基と
ベンゼン環或いはヘテロアリール基と縮合した2環系ヘ
テロアリール基を意味し,該ヘテロアリールとしては,
ピロール,イミダゾール,ピラゾール,ピリジン,ピラ
ジン,ピリミジン,ピリダジン,トリアゾール,チオフ
ェン,フラン,チアゾール,イソチアゾール,チアジア
ゾール,チアジン,オキサゾール,イソキサゾール,オ
キサジアゾール,フラザン,ジオキサゾール,オキサジ
ン,オキサジアジン,ジオキサジン等が挙げられ,ベン
ゼン環と縮合したヘテロアリールとしてはインドール,
イソインドール,キノリン,イソキノリン,ベンゾチオ
フェン,ベンゾチアゾール,ベンズオキサゾール、ベン
ゾフラン,ベンゾフラザン等の環の一価基が挙げられ
る。ヘテロアリールと縮合したヘテロアリールとしては
イミダゾピリジン、ピリドピリミジン、インドリジン、
ピリドピラジン等の環の一価基が挙げられる。好ましい
環は,ピリジン,ピリミジン,インドール,キノリン,
チオフェン,フラン等である。「モノ若しくはジ低級ア
ルキルアミノ基」とは,上記低級アルキル基が1又は2
置換したアミノ基を意味する。「シクロアルカン」は炭
素数3〜10からなる1〜3環系3〜7員脂環状炭化水素
環が好ましく、たとえばシクロプロパン,シクロブタ
ン,シクロペンタン,シクロヘキサン,シクロヘプタン
である。
【0007】「飽和ヘテロ環」とは、酸素原子、窒素原
子若しくは硫黄原子から選択されるヘテロ原子を1乃至
4個有していても良い5又は8員の1又は2環系飽和ヘ
テロ環を意味し、具体的にはピロリジン、ピペリジン、
ピペラジン、モルホリン、イミダゾリジン、オキサゾリ
ジン、チアゾリジン、ピラゾリジン、イソキサゾリジ
ン、イソチアゾリジン、ペルヒドロピリダジン、ペルヒ
ドロピリミジン、トリアゾリジン、ジオキサゾリジン、
テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン環等が挙げら
れる。2環系飽和へテロ環としては、例えば
【化5】 の基が挙げられ、これらは、任意の位置に1乃至複数個
のオキソ基を有していてもよい。また、これらがベンゼ
ン環と縮合していてもよく、例えば、テトラヒドロキノ
リン、インドリン環等が挙げられる。好ましくは他のヘ
テロ原子として、窒素原子若しくは酸素原子を有する5
又は6員飽和ヘテロ環であり、モルホリン、ピペリジン
環が好ましい。「不飽和ヘテロ環」は上記飽和ヘテロ環
の任意の位置に二重結合を有していてもよい環及び、ヘ
テロアリールによって定義される基を意味し、飽和ヘテ
ロ環の任意の位置に二重結合を有していてもよい環の具
体例としては、
【化6】 の基が挙げられる。「置換されていてもよいα−アミノ
酸残基」は種々の置換基を有していてもよいα−アミノ
酸のN末から1個のHを、C末からOHを除いた残基を
意味し、そのα−アミノ酸とは、グリシン、アラニン、
バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、リジン、ス
レオニン、チロシン、アルギニン、ヒスチジン、プロリ
ン等が挙げられる。また、これらのα−炭素原子は、上
記アリール、ヘテロアリール等で置換されていてもよ
い。上記の低級アルキル、アルキル、低級アルケニル、
アリール、ヘテロアリール、及び飽和または不飽和ヘテ
ロ環基は、置換されていてもよく、好ましい置換基とし
ては、低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルキル−O
−、アミノ、モノ若しくはジ低級アルキルアミノ、低級
アルキル−CO−O−基等が挙げられる。本発明化合物
は基の種類によっては,光学異性体(光学活性体,ジア
ステレオマー等)が存在する。また、本発明化合物はア
ミド結合を有する化合物もあり、アミド結合に基づく互
変異性体も存在する。本発明には,これらの異性体の分
離されたもの,あるいは混合物を包含する。
【0008】本発明化合物は酸又は塩基と塩を形成す
る。本発明にはこれらの塩が含まれ、酸との塩としては
塩酸,臭化水素酸,ヨウ素水素酸,硫酸,硝酸,リン酸
等の鉱酸の無機酸や,ギ酸,酢酸,プロピオン酸,シュ
ウ酸,マロン酸,コハク酸,フマール酸,マレイン酸,
乳酸,リンゴ酸,クエン酸,酒石酸,炭酸,ピクリン
酸,メタンスルホン酸,エタンスルホン酸,グルタミン
酸等の有機酸との酸付加塩を挙げることができる。塩基
との塩としてはナトリウム,カリウム,マグネシウム,
カルシウム,アルミニウム等の無機塩基,メチルアミ
ン,エチルアミン,メグルミン,エタノールアミン等の
有機塩基又はリジン,アルギニン,オルニチン等の塩基
性アミノ酸との塩やアンモニウム塩が挙げられる。さら
に,本発明化合物は水和物,エタノール等との溶媒和物
や結晶多形を形成することができる。
【0009】製造法
【化7】 (式中のaaは、AAで定義された基において、カルボ
キシル基以外の残基を意味する。Rxは水酸基の保護基
を、Ryはカルボキシル基の保護基を意味する。その他
の記号は、前記と同様である。)
【0010】(アミド化及びイミド化)カルボン酸化合
物を、不活性溶媒(塩化メチレン、ジクロエタン、ジメ
チルホルムアミド、テトラヒドロフランなど)中、−2
0〜60℃で、酸ハライド法、混合あるいは対称酸無水
物法、活性エステル法、縮合剤[1,3−ジシクロヘキ
シルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−[3
−(ジメチルアミノ)プロピル]カルボジイミド(WS
C)、カルボニルジイミダゾール(CDI)など]法な
どにより、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン等
の塩基存在下または非存在下にアミノ化合物と縮合する
ことにより行うことが出来る。また、一般式(V)で示
されるスルホンアミド化合物との反応は、1,8−ジア
ザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン等の塩基存
在下に縮合することにより反応させることができる。 (カルボキシル基の脱保護)カルボキシル基の保護基と
しては、tert−ブチル基やベンジル基などのアルキルエ
ステルが用いられるが、容易かつ選択的に除去できれば
これらに限定されるものではない。Ryがアルキル基の
場合は適当な溶媒(水、メタノール、エタノール、テト
ラヒドロフランなど)中、酸またはアルカリ性条件下、
0〜80℃で加水分解することにより行う。Ryがtert
−ブチル基の場合は、不活性溶媒(塩化メチレン、クロ
ロホルム、ジクロエタン、ジオキサン、酢酸エチルな
ど)中あるいは無溶媒で、0〜50℃で、酸(トリフル
オロ酢酸、ギ酸、塩酸など)で処理することによっても
行うことができる。Ryがベンジル基の場合は、適当な
溶媒(メタノール、エタノール、テトラヒドロフランな
ど)中、パラジウム炭素などの触媒存在下、水素雰囲気
下あるいはギ酸アンモニウム存在下での水素添加反応に
よっても行うことが出来る。 (水酸基の脱保護)水酸基の保護基としては、好ましく
はアシル基やアルキルシリル基であるが、容易かつ選択
的に除去できればこれらに限定されるものではない。ア
ルキルシリル基の除去は、適当な溶媒(塩化メチレン、
アセトニトリル、酢酸エチルなど)中、フッ化水素・ピ
リジン錯体、フッ化テトラブチルアンモニウムなどのフ
ッ化物塩あるいは塩化水素などの酸により行う。カルボ
ン酸エステルの場合にはカルボキシル基の脱保護で述べ
た方法によって脱保護反応を行う。 (水酸基の酸化)水酸基の酸化反応は、Dess-Martin酸
化や、三酸化硫黄−ピリジン錯体または塩化オギザリル
などによる活性化DMSOによる酸化などが用いられ
る。反応は、適当な溶媒(塩化メチレン、ジクロロエタ
ンなど)中、必要に応じて酸(ジクロロ酢酸など)ある
いは塩基(トリエチルアミン、ピリジン、ジメチルアミ
ノピリジンなど)の存在下、−80℃〜100℃で行
う。
【0011】このようにして製造された本発明化合物
は,遊離のまま,あるいはその塩として単離・精製され
る。単離・精製は,抽出,濃縮,留去,結晶化,濾過,
再結晶,各種クロマトグラフィー等の通常の化学操作を
適用して行われる。各種の異性体は,適当な原料化合物
を選択することにより,あるいは異性体間の物理的性質
の差を利用して分離することができる。例えば,光学異
性体は,適当な原料を選択することにより,あるいはラ
セミ化合物のラセミ分割法(例えば,一般的な光学活性
な塩基とのジアステレオマー塩に導き,光学分割する方
法等)により立体化学的に純粋な異性体に導くことがで
きる。本発明化合物又はその塩の1種又は2種以上を有
効成分として含有する製剤は,通常製剤化に用いられる
担体や賦形剤,その他の添加剤を用いて調製される。製
剤用の担体や賦形剤としては,固体又は液体いずれでも
良く,例えば乳糖,ステアリン酸マグネシウム,スター
チ,タルク,ゼラチン,寒天,ペクチン,アラビアゴ
ム,オリーブ油,ゴマ油,カカオバター,エチレングリ
コール等やその他常用のものが挙げられる。
【0012】投与は錠剤,丸剤,カプセル剤,顆粒剤,
散剤,液剤等による経口投与,あるいは静注,筋注等の
注射剤,坐剤,経皮等による非経口投与のいずれの形態
であってもよい。投与量は症状,投与対象の年齢,性別
等を考慮して個々の場合に応じて適宜決定されるが,通
常成人1人当たり,1日につき0.1〜1,000m
g,好ましくは0.5〜200mgの範囲で1日1回か
ら数回に分け経口投与されるか又は成人1人当たり,1
日につき0.01〜500mgの範囲で,1日1回から
数回に分け静脈内投与されるか,又は,1日1時間〜2
4時間の範囲で静脈内持続投与される。もちろん前記し
たように,投与量は種々の条件で変動するので,上記投
与量範囲より少ない量で十分な場合もある。本発明によ
る経口投与のための固体組成物としては、錠剤、散剤、
顆粒剤等が用いられる。このような固体組成物において
は、一つまたはそれ以上の活性物質が、少なくとも一つ
の不活性な希釈剤、例えば乳糖、マンニトール、ブドウ
糖、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶セルロー
ス、デンプン、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸、ア
ルミン酸マグネシウムと混合される。組成物は、常法に
従って、不活性な希釈剤以外の添加剤、例えばステアリ
ン酸マグネシウムのような潤滑剤や繊維素グルコール酸
カルシウムのような崩壊剤、ラクトースのような安定化
剤、グルタミン酸又はアスパラギン酸のような溶解補助
剤を含有していてもよい。錠剤又は丸剤は必要によりシ
ョ糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒド
ロキシプロピルメチルセルロースフタレート等の糖衣又
は胃溶性あるいは腸溶性物質のフィルムで被膜してもよ
い。経口投与のための液体組成物は、薬剤的に許容され
る乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤
等を含み、一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば
精製水、エタノールを含む。この組成物は不活性な希釈
剤以外に湿潤剤、懸濁剤のような補助剤、甘味剤、風味
剤、芳香剤、防腐剤を含有していてもよい。非経口投与
のための注射剤としては、無菌の水性又は非水性の溶液
剤、懸濁剤、乳濁剤を包含する。水性の溶液剤、懸濁剤
としては、例えば注射用蒸留水及び生理食塩水が含まれ
る。非水溶性の溶液剤、懸濁剤としては、例えばプロピ
レングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油
のような植物油、エタノールのようなアルコール類、ポ
リソルベート80等がある。このような組成物はさらに
防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤(例えば、
ラクトース)、溶解補助剤(例えば、グルタミン酸、ア
スパラギン酸)のような補助剤を含んでいてもよい。こ
れらは例えばバクテリア保留フィルターを通す濾過、殺
菌剤の配合又は照射によって無菌化される。また、これ
らは無菌の固体組成物を製造し、使用前に無菌水又は無
菌の注射用溶媒に溶解して使用することもできる。
【0013】
【実施例】次に,実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが,本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。尚、実施例で用いられる原料化合物の製造方法
を参考例として説明する。
【0014】参考例1 (4R)−3−(L−バリル)チアゾリジン−4−カル
ボン酸 メチルエステル 一塩酸塩 (4R)−3−(N−tert−ブトキシカルボニル−L−
バリル)チアゾリジン−4−カルボン酸 メチルエステ
ル7.8gを4M塩化水素−ジオキサン溶液40mlに
溶解し、室温にて30分間攪拌した。析出した固体を濾
取し、ジエチルエーテルで洗浄することにより、標題化
合物4.5gを白色固体として得た。 参考例2 (3S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−
(tert−ブチルジメチルシロキシ)ブタン酸 ベンジル
エステル (3S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−
ヒドロキシブタン酸ベンジルエステル2.46gのジメ
チルホルムアミド25ml溶液にtert−ブチルジメ
チルクロロシラン1.44gおよびイミダゾール1.3
5gを加え、室温下6時間反応させた。反応混合物に氷
水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。得られた有機
層を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥後、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチ
ル=10/1〜5/1)で精製し、標題化合物3.03
gを無色油状物として得た。
【0015】参考例3 1−[N−(2−ナフトイル)−L−バリル]−L−プ
ロリン メチルエステル 1−(L−バリル)−L−プロリン メチルエステル
一塩酸塩3.21gのテトラヒドロフラン64ml溶液
に、氷冷下、2−ナフトイルクロライド2.68gおよ
びトリエチルアミン4.32mlを加え、そのまま30
分間反応させた。反応混合物にリン酸緩衝液(pH7)
を加え反応を停止させ、酢酸エチルで抽出した。有機層
を1M塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、および、
飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥
後、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=5
/1〜1/1)で精製し、標題化合物4.73gを無色
泡状物として得た。以下、参考例3と同様にして合成し
た。 参考例4 (±)−2−[(E)−3−シンナモイルアミノ−2−
オキソ−1,2−ジヒドロ−1−ピリジル]−2−フェ
ニル酢酸 メチルエステル 参考例5 (4R)−3−[(E)−シンナモイル−L−バリル]
チアゾリジン−4−カルボン酸 メチルエステル
【0016】参考例6 1−[N−(2−ナフトイル)−L−バリル]−L−プ
ロリン 1−[N−(2−ナフトイル)−L−バリル]−L−プ
ロリン メチルエステル4.65gのメタノール93m
l溶液に1M水酸化ナトリウム水溶液18.3mlを加
え、そのまま20時間反応させた。反応液を濃縮後、ジ
エチルエーテルを加え、水で抽出した。水層を10%ク
エン酸水溶液で酸性とし、酢酸エチルで抽出した。有機
層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥
後、溶媒を減圧下留去して、標題化合物4.64gを無
色泡状物として得た。以下、参考例6と同様にして合成
した。 参考例7 (±)−2−[(E)−3−シンナモイルアミノ−2−
オキソ−1,2−ジヒドロ−1−ピリジル]−2−フェ
ニル酢酸 参考例8 (4R)−3−[(E)−シンナモイル−L−バリル]
チアゾリジン−4−カルボン酸
【0017】参考例9 (3S)−4−(tert−ブチルジメチルシロキシ)−3
−({1−[N−(2−ナフトイル)−L−バリル]−
L−プロリル}アミノ)ブタン酸 ベンジルエステル (3S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−
(tert−ブチルジメチルシロキシ)ブタン酸 ベンジル
エステル1.2gのジクロロエタン12ml溶液にトリ
フルオロ酢酸6mlを加え、そのまま15分間反応させ
た。反応液を減圧下濃縮し、残渣にベンゼンを加え再び
減圧下濃縮しこの操作を繰り返し、(3S)−3−アミ
ノ−4−(tert−ブチルジメチルシロキシ)ブタン酸
ベンジルエステル 一トリフルオロ酢酸塩を粗生成物と
して得た。1−[N−(2−ナフトイル)−L−バリ
ル]−L−プロリン1.0gのテトラヒドロフラン20
ml溶液に、氷冷下、1−エチル−3−[3−(ジメチ
ルアミノ)プロピル]カルボジイミド 一塩酸塩569
mg、N−メチルモルホリン0.327ml、および、
1−ヒドロキシベンゾトリアゾール401mgを加え、
氷冷下、15分間攪拌した。反応混合物に上記(3S)
−3−アミノ−4−(tert−ブチルジメチルシロキシ)
ブタン酸 ベンジルエステル 一トリフルオロ酢酸塩を
テトラヒドロフラン5mlとともに加え、室温下14時
間攪拌し反応させた。反応混合物に氷水を加え、酢酸エ
チルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥後、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=
2/1〜1/1)で精製し、標題化合物1.05gを無
色油状物として得た。以下、参考例9と同様にして合成
した。 参考例10 (3S)−4−(tert−ブチルジメチルシロキシ)−3
−{(2RS)−2−[(E)−3−シンナモイルアミ
ノ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−1−ピリジル]−
2−フェニルアセチルアミノ}ブタン酸 ベンジルエス
テル 参考例11 (3S)−4−(tert−ブチルジメチルシロキシ)−3
−({(4R)−3−[(E)−シンナモイル−L−バ
リル]チアゾリジン−4−カルボニル}アミノ)ブタン
酸 ベンジルエステル
【0018】参考例12 (3S)−4−(tert−ブチルジメチルシロキシ)−3
−({1−[N−(2−ナフトイル)−L−バリル]−
L−プロリル}アミノ)ブタン酸 (3S)−4−(tert−ブチルジメチルシロキシ)−3
−({1−[N−(2−ナフトイル)−L−バリル]−
L−プロリル}アミノ)ブタン酸 ベンジルエステル
1.03gより参考例6と同様にして標題化合物820
mgを無色泡状物として得た。以下、参考例6と同様にし
て合成した。 参考例13 (3S)−4−(tert−ブチルジメチルシロキシ)−3
−{(2RS)−2−[(E)−3−シンナモイルアミ
ノ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−1−ピリジル]−
2−フェニルアセチルアミノ}ブタン酸 参考例14 (3S)−4−(tert−ブチルジメチルシロキシ)−3
−({(4R)−3−[(E)−シンナモイル−L−バ
リル]チアゾリジン−4−カルボニル}アミノ)ブタン
【0019】参考例15 (3S)−4−(tert−ブチルジメチルシロキシ)−N
−メタンスルホニル−3−({1−[N−(2−ナフト
イル)−L−バリル]−L−プロリル}アミノ)ブタン
アミド (3S)−4−(tert−ブチルジメチルシロキシ)−3
−({1−[N−(2−ナフトイル)−L−バリル]−
L−プロリル}アミノ)ブタン酸220mgのテトラヒ
ドロフラン6ml溶液にカルボニルジイミダゾール12
2mgを加え、室温下、3時間反応させた。反応混合物
に氷冷下、メタンスルホンアミド72mgおよび1,8
−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン0.
113mlを加え、室温下、3時間反応させた。反応混
合物を減圧下濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=50
/1)で精製し、標題化合物162mgを無色泡状物と
して得た。以下、参考例15と同様にして合成した。 参考例16 (3S)−4−(tert−ブチルジメチルシロキシ)−3
−{(2RS)−2−[(E)−3−シンナモイルアミ
ノ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−1−ピリジル]−
2−フェニルアセチルアミノ}−N−メタンスルホニル
ブタンアミド 参考例17 (3S)−4−(tert−ブチルジメチルシロキシ)−3
−({(4R)−3−[(E)−シンナモイル−L−バ
リル]チアゾリジン−4−カルボニル}アミノ)−N−
メタンスルホニルブタンアミド
【0020】参考例18 (3S)−4−ヒドロキシ−N−メタンスルホニル−3
−({1−[N−(2−ナフトイル)−L−バリル]−
L−プロリル}アミノ)ブタンアミド (3S)−4−(tert−ブチルジメチルシロキシ)−N
−メタンスルホニル−3−({1−[N−(2−ナフト
イル)−L−バリル]−L−プロリル}アミノ)ブタン
アミド151mgのテトラヒドロフラン4ml溶液に、
氷冷下、フッ化水素・ピリジン錯体0.10mlを加
え、室温下、17時間反応させた。反応混合物にフッ化
水素・ピリジン錯体0.10mlを加え、さらに2時間
反応させた。反応混合物にリン酸緩衝液(pH7)を加
え反応を停止させ、クロロホルムで抽出した。有機層を
飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶
媒を減圧下留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール/ギ酸=
100/10/1)で精製し、標題化合物130mgを
無色泡状物として得た。以下、参考例18と同様にして
合成した。 参考例19 (3S)−3−({(4R)−3−[(E)−シンナモ
イル−L−バリル]チアゾリジン−4−カルボニル}ア
ミノ)−4−ヒドロキシ−N−メタンスルホニルブタン
アミド
【0021】参考例20 (3S)−3−{(2RS)−2−[(E)−3−シン
ナモイルアミノ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−1−
ピリジル]−2−フェニルアセチルアミノ}−4−ヒド
ロキシ−N−メタンスルホニルブタンアミド (3S)−4−(tert−ブチルジメチルシロキシ)−3
−{(2RS)−2−[(E)−3−シンナモイルアミ
ノ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−1−ピリジル]−
2−フェニルアセチルアミノ}−N−メタンスルホニル
ブタンアミド338mgの酢酸エチル5ml溶液に、氷
冷下、4M塩化水素−酢酸エチル溶液1.67mlを加
え、そのまま30分間反応させた。反応液にヘキサン
6.7mlを加え、さらに15分攪拌した。析出した沈
殿物をろ取して標題化合物262mgを帯黄色粉状物と
して得た。以下の表にこれらの参考例の物性値を示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】実施例1 (3S)−N−メタンスルホニル−3−({1−[N−
(2−ナフトイル)−L−バリル]−L−プロリル}ア
ミノ)−4−オキソブタンアミド (3S)−4−ヒドロキシ−N−メタンスルホニル−3
−({1−[N−(2−ナフトイル)−L−バリル]−
L−プロリル}アミノ)ブタンアミド123mgのジク
ロロエタン5ml溶液に、氷冷下、Dess-Martin試薬2
86mgを加え、そのまま20分間、さらに室温で1時
間反応させた。反応液にチオ硫酸ナトリウム水溶液を加
え反応を停止後、クロロホルムで抽出した。有機層を飽
和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒
を減圧下留去し、得られた残渣を分取TLC(クロロホ
ルム/メタノール/ギ酸=100/10/1)で精製
し、標題化合物27mgを無色アモルファスとして得
た。1 H-NMR:(CDCl3)δ:0.98-1.06(6H,m),1.98-2.45(5H,m),
2.52-3.02(2H,m),3.26(3H,s),3.62-3.75(1H,m),3.98-4.
17(2H,m),4.48-4.60(1H,m),4.63-4.76(1H,m),5.55-5.74
(1H,m),7.20-7.59(4H,m),7.80-7.95(4H,m),8.31-8.39(1
H,s) IR(KBr): 1747,1626,1527,1360,1211,1159cm-1 以下、実施例1と同様にして合成した。 実施例2 (3S)−3−{(2RS)−2−[(E)−3−シン
ナモイルアミノ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−1−
ピリジル]−2−フェニルアセチルアミノ}−N−メタ
ンスルホニル−4−オキソブタンアミド1 H-NMR:(CDCl3)δ:2.50-3.43(5H,m),4.50-4.80(1H,m),
6.22-7.00(5H,m),7.33-7.50(9H,m),7.53-7.62(2H,m),7.
72(1H,d,J=15.6Hz),8.51-8.69(2H,m) IR(KBr): 1680,1645,1589,1360,1211,1159cm-1
【0026】実施例3 (3S)−3−({(4R)−3−[(E)−シンナモ
イル−L−バリル]チアゾリジン−4−カルボニル}ア
ミノ)−N−メタンスルホニル−4−オキソブタンアミ
1 H-NMR:(CD3OD)δ:1.01-1.10(6H,m),2.08-2.22(1H,m),
2.45-2.84(2H,m),3.06-3.41(5H,m),4.14-4.92(4H,m),5.
20-5.35(1H,m),5.52-5.77(1H,m),6.66-6.77(1H,m),7.35
-7.42(3H,m),7.51-7.60(2H,m) IR(KBr)1747,1657,1622,1533cm-1 前記の実施例以外に以下に本発明の別の化合物を表に示
す。これらの化合物は,上記の製造法及び実施例中に記
載した合成経路と方法,及び通常の当業者にとって公知
であるそれらの変法を用いて合成することができ,特別
の実験を必要とするものではない。なお、表中、Meはメ
チル、Prはプロピル、Buはブチル、Phはフェニル、Bnは
ベンジルを意味する。
【0027】
【表4】
【0028】
【表5】
【0029】
【表6】
【0030】
【表7】
【0031】
【表8】
【0032】
【発明の効果】本発明化合物は,強いICE阻害作用を
示す化合物である。従って,本発明化合物は,慢性関節
リウマチ,脳炎,炎症性腸疾患,膵炎,乾癬,低血圧性ショ
ック,アルツハイマー病,敗血症ショック,糖尿病,糸球体
腎炎, 肝炎,クローン病,歯周炎,T細胞の関与する自己免
疫疾患および再灌流傷害など,また,神経変性疾患,AIDS
にも有用である。本発明化合物のICEに対する作用
は,次の様にして評価され,確認されたものである。
【0033】1.IL-1β変換酵素阻害活性 IL-1β変換酵素反応液(20 mM HEPES・水酸化ナトリウ
ム緩衝液pH 7.5,10 %スクロース,1 mM EDTA,1 % CHAPS
および2.5 mM DTTを含む)を調製した。種々の濃度の被
験化合物(本発明化合物)あるいは反応液 (60μl),ヒ
ト組み換え型IL-1β変換酵素液 (60μl)および種々の濃
度のAc-Tyr-Val-Ala-Asp-AFC溶液 (180μl)を加えて37
℃にて反応させた。励起波長 395 nmおよび測定波長 51
5 nmで蛍光強度を測定することにより,IC50値を算出し
た。なお,上記実験方法中HEPESは4-(2-ヒドロキシエチ
ル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸,EDTAはエチレンジ
アミン四酢酸,CHAPSは3-[(3-コラミドプロピル)-ジメチ
ルアンモニオ]-1-プロパンスルホン酸,DTTはジチオスレ
イトールおよびAc-Tyr-Val-Ala-Asp-AFCはアセチル-L-
チロシル-L-バリニル-L-アラニル-L-アスパラギン酸-4-
トリフルオロ-クロマリル-7-アミドを表わす。
【0034】2.IL-1β産生阻害作用 ヘパリン処理した正常人末梢血をデキストランに混合し
赤血球を除去後,フィコール・パークに重層し遠心操作
により単核球を分離し,分離した単核球細胞を5%牛胎児
血清,100 U/mlペニシリン,100μg/mlストレプトマイシ
ン,20μMメルカプトエタノールを加えたRPMI-1640培地
(ギブコ社)に浮遊させて細胞数1x106 cell/mlに調製
した。調製した細胞浮遊液1 ml,および被験化合物(本
発明化合物)の上記培地溶液100μlをマイクロプレート
(平底24穴,住友ベークライト社)に添加し,5 % CO2
ンキュベーターで15分培養後,リポ多糖(E.coli seroty
pe 055:B5コスモバイオ社)を最終濃度20μg/mlで加え,
24時間培養した。被験化合物の培地溶液は検体をDMSOで
溶解後,DMSOの最終濃度が0.1 %以下になるように上記培
地溶液で希釈することにより調製した。培養後細胞上清
中でIL-1β (pg/ml)をELISAキット(ケイマン社)で測
定し,50 %抑制率 (IC50値,μM)を算定した。その結果本
発明化合物は,強いICE阻害作用を示した。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 31/425 AED A61K 31/425 AED 31/44 ABN 31/44 ABN 31/445 AAM 31/445 AAM 31/505 ADP 31/505 ADP 31/55 ACV 31/55 ACV C07D 239/47 C07D 239/47 Z 263/56 263/56 277/24 277/24 417/14 207 417/14 207 487/04 149 487/04 149 C07K 5/083 C07K 5/083 // C07C 311/51 C07C 311/51 (72)発明者 米徳 康博 茨城県つくば市御幸が丘21 山之内製薬株 式会社内 (72)発明者 寺井 嘉哉 茨城県つくば市御幸が丘21 山之内製薬株 式会社内 (72)発明者 竹内 誠 茨城県つくば市御幸が丘21 山之内製薬株 式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I)で示されるスルホンアミ
    ド誘導体又はその塩 【化1】 (式中の記号は、以下の意味を示す。 R:R11−B−CO−又はR11−B−SO−基 R11:水素原子、アリール、又はヘテロアリール基 B:低級アルキレン、低級アルケニレン、−低級アルキ
    レン−O−、又は−低級アルケニレン−O−基 【化2】 n:0―3の整数 D環:アリール、シクロアルカン、又は、飽和或いは不
    飽和ヘテロ環 R:水素原子、ヘテロアリール、低級アルキル又は−
    CH−X−R21基 R21:水素原子、アルキル、アリール、−低級アルキ
    レン−アリール、ヘテロアリール、−CO−低級アルキ
    ル、−CO−ヘテロアリール、−P(O)(R22)、又
    は−SO−R2222:低級アルキル、アリール、又は−低級アルキレ
    ン−アリール基 X:結合、酸素原子、硫黄原子、又はNR2323:水素原子、低級アルキル、又はアリール基 R:水素原子、低級アルキル、アリール、又は−低級
    アルキレン−アリール基)
  2. 【請求項2】請求項1記載のスルホンアミド誘導体又は
    その製薬学的に許容される塩を有効成分とする医薬
JP9312505A 1997-11-13 1997-11-13 新規スルホンアミド誘導体及び医薬 Pending JPH11147873A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9312505A JPH11147873A (ja) 1997-11-13 1997-11-13 新規スルホンアミド誘導体及び医薬

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9312505A JPH11147873A (ja) 1997-11-13 1997-11-13 新規スルホンアミド誘導体及び医薬

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11147873A true JPH11147873A (ja) 1999-06-02

Family

ID=18030036

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9312505A Pending JPH11147873A (ja) 1997-11-13 1997-11-13 新規スルホンアミド誘導体及び医薬

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11147873A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001051462A1 (en) * 2000-01-13 2001-07-19 Idun Pharmaceuticals, Inc. INHIBITORS OF THE ICE/Ced-3 FAMILY OF CYSTEINE PROTEASES
WO2001055118A1 (fr) * 2000-01-26 2001-08-02 Ono Pharmaceutical Co., Ltd. Derives heterocycliques condenses au benzene et medicaments contenant ceux-ci comme ingredients actifs
WO2001079162A3 (en) * 2000-04-17 2002-02-28 Idun Pharmaceuticals Inc INHIBITORS OF THE ICE/ced-3 FAMILY OF CYSTEINE PROTEASES
WO2002032859A1 (fr) * 2000-10-18 2002-04-25 Takeda Chemical Industries, Ltd. Procede de preparation de sulfonamides optiquement actifs et intermediaires pour leur synthese
WO2003008374A1 (en) * 2001-07-18 2003-01-30 Idun Pharmaceuticals, Inc. Inhibitors of the ice/ced-3 family of cysteine proteases
US6525024B1 (en) * 2000-04-17 2003-02-25 Idun Pharmaceuticals, Inc. Inhibitors of the ICE/ced-3 family of cysteine proteases

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001051462A1 (en) * 2000-01-13 2001-07-19 Idun Pharmaceuticals, Inc. INHIBITORS OF THE ICE/Ced-3 FAMILY OF CYSTEINE PROTEASES
US6790989B2 (en) 2000-01-13 2004-09-14 Idun Pharmaceuticals, Inc. Inhibitors of the ICE/ced-3 family of cysteine proteases
WO2001055118A1 (fr) * 2000-01-26 2001-08-02 Ono Pharmaceutical Co., Ltd. Derives heterocycliques condenses au benzene et medicaments contenant ceux-ci comme ingredients actifs
WO2001079162A3 (en) * 2000-04-17 2002-02-28 Idun Pharmaceuticals Inc INHIBITORS OF THE ICE/ced-3 FAMILY OF CYSTEINE PROTEASES
US6525024B1 (en) * 2000-04-17 2003-02-25 Idun Pharmaceuticals, Inc. Inhibitors of the ICE/ced-3 family of cysteine proteases
US6969703B2 (en) 2000-04-17 2005-11-29 Idun Pharmaceuticals, Inc. Inhibitors of the ICE/ced-3 family of cysteine proteases
WO2002032859A1 (fr) * 2000-10-18 2002-04-25 Takeda Chemical Industries, Ltd. Procede de preparation de sulfonamides optiquement actifs et intermediaires pour leur synthese
US6982344B2 (en) 2000-10-18 2006-01-03 Takeda Pharmaceutical Company Limited Process for preparation of optically active sulfonamides and intermediates for their synthesis
KR100821546B1 (ko) * 2000-10-18 2008-04-11 다케다 야쿠힌 고교 가부시키가이샤 광학 활성 술폰아미드의 제조 방법 및 그의 합성용 중간체
WO2003008374A1 (en) * 2001-07-18 2003-01-30 Idun Pharmaceuticals, Inc. Inhibitors of the ice/ced-3 family of cysteine proteases

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5672598A (en) Lactam-containing hydroxamic acids
US5990083A (en) Multicatalytic protease inhibitors
KR890003603B1 (ko) 5-아미노-2,5-이치환된-4-하이드록시펜타노산 잔기를 함유하는 레닌 억제물의 제조방법
EP0800528A1 (en) Peptide and peptide analog protease inhibitors
EP0618223A2 (en) Peptides inhibiting interleukin 1-bêta release useful as antiinflammatory agents
KR910002694B1 (ko) 작용화 펩티딜 아미노디올 및 트리올
CS228119B2 (en) Production of n2-arylsulphonyl-l-argininamides
NO854516L (no) Nye 5-amino-4-hydroksyvalerylderivater.
US4990511A (en) Amide compounds, their production and use
RU2091373C1 (ru) Производные пиперазинкарбоновой кислоты, способы их получения и фармацевтическая композиция
US4912120A (en) 3,5-substituted 4,5-dihydroisoxazoles as transglutaminase inhibitors
JPH0449545B2 (ja)
US4929630A (en) Transglutaminase inhibitors
JPH0820597A (ja) トロンビン阻害作用を有する複素環カルボニル化合物
KR940003297B1 (ko) 1,3,2-디옥사티오렌옥시드 유도체
TW200825056A (en) New compounds
EP1058690A1 (en) Thiadiazole compounds useful as inhibitors of cysteine activity dependent enzymes
CA2176415A1 (en) Benzo-fused azepinone and piperidinone compounds useful in the inhibition of ace and nep
JP3576193B2 (ja) ビフェニルメチル置換バレリルアミド誘導体
JPH11147873A (ja) 新規スルホンアミド誘導体及び医薬
WO1997009066A1 (fr) INHIBITEUR DE SOLUBILISATION DE LIGAND Fas
JP3490442B2 (ja) レニン阻害n−(2−アミノ−2−オキソエチル)ブタンジアミド誘導体
JP2006516557A (ja) プロリルオリゴペプチダーゼ阻害活性を有する化合物
WO2001040263A1 (fr) Derives de 1,3,4-oxadiazoline-2-one et medicaments contenant ces derives utiles comme ingredient actif
JPH08208462A (ja) カテプシンl阻害剤