JPH1114598A - 筒状体の浸炭深さ測定方法 - Google Patents

筒状体の浸炭深さ測定方法

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JPH1114598A
JPH1114598A JP16835697A JP16835697A JPH1114598A JP H1114598 A JPH1114598 A JP H1114598A JP 16835697 A JP16835697 A JP 16835697A JP 16835697 A JP16835697 A JP 16835697A JP H1114598 A JPH1114598 A JP H1114598A
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carburized
carburizing
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Makoto Takahashi
誠 高橋
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Kubota Corp
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Kubota Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 浸炭深さの基準となる試験片を、浸炭処理を
施すことなく作製する。筒状被検材の曲率の違いによ
り、得られた浸炭深さの数値に誤差が生じないようにす
る。 【解決手段】 筒状被検材と略同じ肉厚と曲率を有し非
磁性材料からなる部材の内面に、被検材材質の浸炭部と
略同じ透磁率の強磁性材料からなる擬似浸炭部24を具
えた基準試験片20を準備し、浸炭部測定装置1を、筒
状被検材18と基準試験片の外表面に当てて、磁石の磁
力線の変化を夫々測定し、得られた筒状被検材の測定デ
ータと基準試験片の測定データに基づいて、筒状被検材
の浸炭部19の浸炭深さを求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、筒状体の内面に発
生する浸炭部を非破壊的に計測する浸炭部の測定方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】石油化学工業におけるエチレン製造工程
では、クラッキングチューブ中に原料ナフサを通過さ
せ、チューブ中にて原料ナフサを高温高圧下で熱分解し
てエチレン等を回収している。このクラッキングチュー
ブに使われる材料として、例えばHP材(Fe−25C
r−35Ni)、HK材(Fe−25Cr−20Ni)な
どが挙げられる。クラッキングチューブは、長時間使用
されるうちに、反応に伴って生成されたカーボンがチュ
ーブ内面に付着し、これが金属内部に拡散して浸炭が発
生する。この浸炭部はチューブの延性低下を招くため、
安全で円滑な操業を確保するためには浸炭検査を定期的
に実施し、チューブ内面における浸炭の進行状況を的確
に把握し、浸炭状況に応じてチューブの交換が必要であ
る。
【0003】クラッキングチューブの内面に発生した浸
炭部を測定する装置として、磁気を利用した種々の装置
が知られている。これらの装置は、耐熱材料から作られ
たチューブ本体は非磁性であるのに対し、浸炭部は磁性
であることを利用するもので、磁石から発せられた磁力
線が浸炭部によって変化する量を検出するものである。
この種の浸炭部測定装置(1)の一例を図1に示してお
り、非磁性材料によって形成されたケース(10)の中に、
磁石(12)と、該磁石のN極とS極の中間部の磁場内にホ
ール素子(14)が配備されている。図1中、(16)は磁力線
であり、(18)は被検材であるクラッキングチューブ、(1
9)はクラッキングチューブ内面に発生した浸炭部であ
る。
【0004】この浸炭部測定装置による測定読み値は、
マスターカーブを利用して、浸炭深さに換算することが
できる。マスターカーブとは、浸炭深さの実測値と磁力
線変化量の測定値の相関関係を表わしたグラフであり、
次の要領にて作成される。まず、クラッキングチューブ
と材質及び肉厚が略同じ矩形試験片をガス浸炭炉の中で
片面側のみ浸炭処理し、浸炭試験片を作製する。浸炭試
験片をミクロ検査により実測する。次に、前述の浸炭部
測定装置を用いて浸炭試験片の磁力線変化量を測定す
る。浸炭深さの異なる数種類の浸炭試験片についてこの
作業を繰り返し、浸炭深さの実測値と磁力線変化量の測
定値の関係がプロットされる。
【0005】しかし、クラッキングチューブは円筒状で
あるため、浸炭深さが同じでも、矩形の浸炭試験片より
も磁力線変化量の値は小さくなる。また、クラッキング
チューブの直径が小さくなる程、同様に磁力線変化量は
小さくなる。この理由は次の通りである。図2は直径の
大きなクラッキングチューブの浸炭測定において、クラ
ッキングチューブの軸心と直交する方向の磁力線の状態
を説明するものであり、図3は直径の小さなクラッキン
グチューブの浸炭測定において、クラッキングチューブ
の軸心と直交する方向の磁力線の状態を説明する図であ
る。浸炭部測定装置による測定の場合、浸炭部の被測定
領域は、クラッキングチューブの周方向に約15mm程度
の幅をもっているため、クラッキングチューブの軸心と
直交する方向の磁力線の長さは曲率により異なり、直径
の小さなチューブでの磁力線の長さ(図3のL2)は、直
径の大きなチューブでの磁力線の長さ(図2のL1)より
も長くなる。このため、クラッキングチューブの内面側
の浸炭深さが同じでも、チューブ直径が小さくなる程、
浸炭部が磁力線の変化に及ぼす影響は小さくなる結果、
測定装置の読み値も小さくなるためである。外径140
mmと外径70mmのクラッキングチューブ(肉厚は両方と
も8mm)について、浸炭部測定装置の測定値の読みと浸
炭深さの関係を図4に示しており、外径70mmのクラッ
キングチューブの方が、測定読みは小さくなることを示
している。
【0006】このため、クラッキングチューブの内面に
発生した浸炭深さを正確に求めるには、クラッキングチ
ューブの外径、肉厚が異なる毎に浸炭試験片を作製し、
夫々の試験片についてマスターカーブを作製せねばなら
なかった。また、浸炭部の透磁率は、クラッキングチュ
ーブの材質によって異なる。このため、クラッキングチ
ューブの材質が異なると、新たな浸炭試験片を作製せね
ばならない。2〜3mmの浸炭深さに達するまで浸炭処理
しようとすると、例えば1100℃の処理温度でも約2
00〜300時間も要するため、浸炭試験片の作製費用
が高価になる。
【0007】さらにまた、HP材のように、浸炭が局部
的に行われ易く、表面全体に浸炭され難い材質もある。
このような材質のクラッキングチューブの場合、ガス浸
炭炉の中での浸炭処理によって浸炭試験片を作製するこ
とは困難であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記不都合に鑑み、本
発明の目的は、浸炭深さの基準となる浸炭試験片を、ガ
ス浸炭炉の中で浸炭処理を施さなくても簡単に作製でき
るようにすることであり、筒状被検材の測定データと浸
炭試験片の測定データに基づいて、筒状被検材の内面に
発生した浸炭部の正確な浸炭深さを求められるようにす
ることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来の浸炭試
験片に代えて、筒状被検材と略同じ肉厚と曲率を有し非
磁性材料からなる部材の内面に、被検材材質の浸炭部と
略同じ透磁率の強磁性材料からなる擬似浸炭部を具えた
基準試験片を作製し、浸炭部測定装置を、筒状被検材と
基準試験片の外表面に当てて、磁石の磁束密度の変化を
夫々測定し、得られた筒状被検材の測定データと基準試
験片の測定データに基づいて、筒状被検材の浸炭部の浸
炭深さを求められるようにしたものである。
【0010】
【作用】クラッキングチューブに発生した浸炭部と同じ
透磁率を有する材料を、擬似浸炭部として設けたことに
より、ガス浸炭炉の中で浸炭処理しなくても、浸炭深さ
に換算するための基準試験片として使用できる。また、
本発明の基準試験片は、筒状被検材と略同じ肉厚と曲率
を有しているから、被検材の軸心と直交する方向の磁力
線は、基準試験片と筒状被検材とも同じ長さとなり、高
精度の浸炭深さの測定が可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。図1に、本発明の浸炭測定に使用する浸炭
部測定装置(1)を示しており、該浸炭部測定装置は、非
磁性材料によって形成されたケース(10)の中に、磁石(1
2)と、該磁石のN極とS極の中間部の磁場内にホール素
子(14)が配備されている。浸炭部測定装置の磁石(12)と
ホール素子(14)の配置は、図1に示される形態に限定さ
れるものではなく、様々な構成のものが当該分野におい
て公知である。
【0012】図5は、本発明の測定方法で使用される基
準試験片(20)を示している。基準試験片(20)は非磁性材
料を用いて作られ、外周面(25)と内周面(26)が、測定す
べきクラッキングチューブの外径と内径に対応する曲率
に形成される。厚さtは、測定すべきクラッキングチュ
ーブの肉厚と同じ寸法である。非磁性材料の種類は、特
に限定されるものでなく、非磁性でさえあれば、クラッ
キングチューブの材質と異なる材質を用いることもでき
る。
【0013】基準試験片(20)の内周面(26)には、浸炭深
さに対応する深さの凹部(22)が、切削又はグラインダー
加工により開設される。その凹部(22)の中に、測定すべ
き材質のクラッキングチューブに発生する浸炭部と同じ
透磁率を有する材料を溶かして埋め込むことにより、擬
似浸炭部(24)が形成される。擬似浸炭部(24)の形成方法
として、例えば、埋め込むべき材料から溶接棒を作製
し、その溶接棒をTIG溶接法により溶かして肉盛りす
る方法を挙げることができる。なお、擬似浸炭部は、F
e合金、Fe−Ni合金、Fe−Cr−Ni合金、その
他の強磁性材料を用いて形成することができる。
【0014】基準試験片(20)の他の実施例を図6に示し
ている。この実施例では、外層(27)と内層(28)が一体接
合された2層構造になっており、外層(27)は非磁性材料
から形成されると共に、内層(28)は所定の透磁率を有す
る材料から形成されて擬似浸炭部を構成している。
【0015】本発明の浸炭測定方法の使用例を説明す
る。例えば、クラッキングチューブの内面の浸炭深さが
3mmに達したときにクラッキングチューブの交換を所望
する場合には、まず、当該クラッキングチューブと略同
じ肉厚と曲率を有し、擬似浸炭部の深さが3mmの基準試
験片を準備する。次に、磁気式浸炭測定装置を、基準試
験片の外表面に当てて磁力線の変化量を読む。次に、磁
気式浸炭測定装置を、クラッキングチューブの外表面に
当てて、クラッキングチューブの内面に発生した浸炭部
の磁力線変化量を読む。基準試験片の磁力線変化量と、
クラッキングチューブ内面に発生した磁力線変化量を比
較し、基準試験片の変化量が大きければ、チューブ内面
の浸炭深さはまだ3mmに達していないことがわかる。
【0016】チューブ内面に発生した浸炭部の浸炭深さ
を知りたいときは、例えば、0.5mm毎に擬似浸炭部の
深さが異なる基準試験片を準備し、基準試験片の擬似浸
炭部の深さと、浸炭測定装置の磁力線変化量の読み値と
の相互の関係をプロットしたマスターカーブを作製して
おけば、クラッキングチューブの磁力線変化量の測定値
から、クラッキングチューブの浸炭深さを求めることが
できる。
【0017】
【発明の効果】筒状被検材の内面に発生した浸炭部の測
定において、浸炭部測定装置の磁力線の変化量の読み値
を浸炭深さに換算するための基準試験片を、浸炭処理し
なくても作製することができるので、試験片の製造コス
トが安価である。また、本発明の基準試験片は、筒状被
検材と略同じ肉厚と曲率を有しているから、被検材の軸
心と直交する方向の磁力線は、基準試験片と筒状試験片
とでは常に同じ長さとなり、筒状被検材の曲率の違いに
よる浸炭深さの誤差を生ずることがなく、エチレン製造
プラントでのクラッキングチューブの浸炭状況の監視に
極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】浸炭部測定装置を用いてクラッキングチューブ
の浸炭部を測定する状態を説明する図である。
【図2】直径の大きなクラッキングチューブの浸炭測定
において、クラッキングチューブの軸心と直交する方向
の磁力線の状態を説明する図である。
【図3】直径の小さなクラッキングチューブの浸炭測定
において、クラッキングチューブの軸心と直交する方向
の磁力線の状態を説明する図である。
【図4】浸炭深さの実測値と浸炭測定装置の読み値との
関係を示すグラフである。
【図5】本発明の浸炭測定に使用される基準試験片の斜
視図である。
【図6】本発明の浸炭測定に使用される基準試験片の他
の実施例の斜視図である。
【符号の説明】
(1) 浸炭部測定装置 (12) 磁石 (14) ホール素子 (16) 磁力線 (19) 浸炭部 (20) 基準試験片 (24) 擬似浸炭部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性材料によって形成されたケース中
    に、磁石と、該磁石から放射される磁界中にホール素子
    とを配備してなる浸炭部測定装置を、筒状被検材の外表
    面に当てることにより、筒状被検材の内面に発生した浸
    炭部を測定する方法において、筒状被検材と略同じ肉厚
    と曲率を有し非磁性材料からなる部材の内面に、被検材
    材質の浸炭部と略同じ透磁率の強磁性材料からなる擬似
    浸炭部を具えた基準試験片を準備し、浸炭部測定装置
    を、筒状被検材と基準試験片の外表面に当てて、磁石の
    磁力線の変化を夫々測定し、得られた筒状被検材の測定
    データと基準試験片の測定データに基づいて、筒状被検
    材の浸炭部の浸炭深さを求めることを特徴とする筒状体
    の浸炭深さ測定方法。
JP16835697A 1997-06-25 1997-06-25 筒状体の浸炭深さ測定方法 Withdrawn JPH1114598A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110701990A (zh) * 2019-10-19 2020-01-17 北京工业大学 基于磁场扰动与磁力双检测环的炉管渗碳层厚度评价方法与系统

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110701990A (zh) * 2019-10-19 2020-01-17 北京工业大学 基于磁场扰动与磁力双检测环的炉管渗碳层厚度评价方法与系统

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Effective date: 20040907