JPH1114511A - 大気中の浮遊微小物質の測定装置及びその測定システム - Google Patents

大気中の浮遊微小物質の測定装置及びその測定システム

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JPH1114511A
JPH1114511A JP9168393A JP16839397A JPH1114511A JP H1114511 A JPH1114511 A JP H1114511A JP 9168393 A JP9168393 A JP 9168393A JP 16839397 A JP16839397 A JP 16839397A JP H1114511 A JPH1114511 A JP H1114511A
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JP9168393A
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哲郎 ▲高▼橋
Tetsuo Takahashi
Kazunori Matsumoto
和典 松本
Kenichi Yoneda
健一 米田
Kazuaki Sugawara
一晃 菅原
Rieko Endou
理枝子 遠藤
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大気中に浮遊する微小物質(例えば花粉,ダ
ニ,ハウスダスト,粉塵等)を測定する大気中の浮遊微
小物質の測定装置及びその測定システムを提供する。 【解決手段】 大気中からの浮遊微小物質10を捕集す
る上部に開口を有する捕集容器11を備えた捕集工程1
2と、該捕集容器11内に捕集された微小物質を濃縮
し、該濃縮した微小物質10と特異的に抗原抗体反応す
る蛍光抗体標識13を用い、抗原抗体反応させる濃縮・
反応工程14と、該抗原抗体反応後の蛍光抗体標識13
の蛍光物質をレーザ16で励起し、該反応物15につい
ている蛍光物質の発する蛍光を受光素子17で受光して
大気中の微小物質を検出する検出工程18とから構成し
てなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大気中に浮遊する
微小物質(例えば花粉,ダニ,ハウスダスト,粉塵等)
を測定する大気中の浮遊微小物質の測定装置及びその測
定システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、空気中の微小浮遊物質(例え
ば花粉,ダニ,ハウスダスト,粉塵等)は、環境に対し
近年大きな大きな影響を与えており、特に特定の季節に
発生する花粉は人体に影響を与え、例えばスギ花粉症等
を起こす要因となっている。
【0003】近年花粉アレルギーの研究が重ねられてお
り、花粉症の起因物質の中でも特にスギ花粉やヒノキ花
粉に対してアレルギー症状を訴える患者が多く、スギ花
粉特有の抗原や共通の抗原が存在すると推定されてお
り、スギ花粉の抗原を認識するモノクロナール抗体につ
いての提案が先になされている(特開平4−33589
6号公報参照)。また、当該モノクロナール抗体を用い
てフローサイトメトリ法による花粉,ダニ,ハウスダス
ト等の空気中の浮遊粒子状物の分析方法が提案されてい
る(特開平4−335896号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来においては、花粉
の種類及び量を特定することができるものの、その検出
はサンプル毎に手作業で行い、実際に各地の例えば気象
予想及び花粉予想をおこなう現場において、その予想に
有益な花粉情報をいち早く伝達するシステムがないのが
現状であった。本発明はこのような状況に鑑み、いわゆ
る花粉症に対しての予防の見地及びその他の環境汚染に
対して、事前にその花粉等の大気浮遊微粒子の存在或い
は発生を簡易・迅速に且つ自動的に検知することができ
る大気中に浮遊する微小物質(例えば花粉,ダニ,ハウ
スダスト,粉塵等)の測定装置及びその測定システムを
提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明の大気中の浮遊微小物質の測定装置は、大気中の浮遊
微小物質を捕集する捕集手段と、該捕集手段で捕集した
微小物質と特異的に抗原抗体反応する蛍光抗体標識を用
い、抗原抗体反応させる手段と、該抗原抗体反応後の蛍
光物質を励起し、蛍光物質の発する蛍光を受光して大気
中の微小物質を検出する検出手段とを具備することを特
徴とする。
【0006】上記微小物質の測定装置において、上記大
気中の浮遊微小物質を捕集する捕集手段が、捕集容器本
体の一部に形成された大気を導入する開口部と、該導入
した大気中の浮遊微小物質を捕集する水溶液を有する捕
集部と、該捕集部の底部に設けた排出管から上記水溶液
を試験管に分注する分注手段と、捕集容器と連通し次の
捕集に用いる水溶液を貯溜及び供給する貯溜タンクとを
具備することを特徴する。
【0007】上記微小物質の計数測定装置において、上
記大気中の浮遊物質手段の種類に応じて特異的に反応す
る蛍光抗体標識を用い、複数の種類の浮遊物質を測定す
ることを特徴とする。
【0008】上記微小物質の計数測定装置において、上
記計数測定手段が、上記抗原抗体反応後の微小物質の含
有溶液を連続的に通過測定するためのセルと、該セル内
の微小物質含有溶液の蛍光物質を励起するのに必要な波
長を有する光源と、該抗原抗体反応後の微小物質に付い
た蛍光物質の発する蛍光を受光するための受光素子と、
該受光素子の出力をカウントするカウンタとを設けてな
り、且つ、該セルは測定部において該測定部の被測定物
の流れ方向と直交する断面形状が横方向に長く縦方向に
短い長方形であり、上記励起光を照射し横方向に長い正
面部から微小物質に付いた蛍光物質の発する蛍光を受光
素子により受光することを特徴とする。
【0009】本発明の測定システムは、大気中の浮遊微
小物質を捕集容器中の溶液内に捕集し、該捕集した微小
物質を濃縮し、該濃縮後の微小物質と特異的に抗原抗体
反応する蛍光抗体標識で抗原抗体反応させ、次いで該濃
縮液を定量し、該定量後の微小物質含有液に励起光を照
射して蛍光物質を励起し、蛍光物質の発する蛍光を受光
して大気中の微小物質を測定することを特徴とする。
【0010】上記大気中の浮遊微小物質の測定システム
において、大気中の微小物質数を測定した後に、大気浮
遊物質を捕集した容器を洗浄し、再度微小物質の捕集に
再使用することを特徴とする。
【0011】上記大気中の浮遊微小物質の計数測定シス
テムにおいて、大気浮遊物質を捕集する一の容器を用い
て、捕集,反応,検出を行い再度微小物質の捕集に使用
することを特徴とする。
【0012】また、本発明の大気中の浮遊微小物質の計
数測定装置は、大気中の浮遊微小物質を捕集する捕集手
段と、該捕集手段で捕集した微小物質を濃縮する手段
と、該濃縮後の微小物質の発する自家蛍光を測定して大
気中の微小物質量を計数する計数測定手段とを具備する
ことを特徴とする。
【0013】また、本発明の大気中の浮遊微小物質の計
数測定方法は、大気中の浮遊微小物質を捕集し、該捕集
した微小物質の発する自家蛍光を測定して大気中の微小
物質を測定することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の発明を実施する形
態を説明する。
【0015】[浮遊微小物質の測定システムの概要]図
1は本発明に係る浮遊微小物質の測定システムの概略図
を示す。図1に示すように、大気中の浮遊微小物質の測
定システムは、大気中からの浮遊微小物質10を捕集す
る上部に開口を有する捕集容器11を備えた捕集工程1
2と、該捕集容器11内に捕集された微小物質を濃縮
し、該濃縮した微小物質10と特異的に抗原抗体反応す
る蛍光抗体標識13を用い、抗原抗体反応させる濃縮・
反応工程14と、該抗原抗体反応後の蛍光抗体標識13
の蛍光物質をレーザ16で励起し、該反応物15につい
ている蛍光物質の発する蛍光を受光素子17で受光して
大気中の微小物質を検出する検出工程18とから構成し
てなり、これらの一連の操作によって、大気中の特定の
浮遊微小物質の簡易迅速な測定を可能としている。ここ
で、本発明で上記微小物質10とは、例えば花粉,ダ
ニ,ハウスダスト,粉塵等をいうが、これに限定される
ものではない。
【0016】また、上記測定システムにおいて、大気中
の微小物質数を測定した後に、大気浮遊物質を捕集した
捕集容器11を洗浄工程19において洗浄し、再度微小
物質の捕集に使用することにより、効率的な大気中の浮
遊微小物質を測定することができる。
【0017】上記捕集システムを用いることにより、一
定の時間毎に大気中の浮遊微粒子の捕集ができると共
に、直ちに、その微粒子の量を測定でき、一日の大気中
の微粒子の浮遊量の分布を簡易に測定することが可能と
なる。なお、本実施の形態では、花粉の捕集を湿式法に
より行ったが、本発明はこれに限定されず、乾式方法に
よりおこなってもよい。
【0018】[浮遊微小物質の捕集装置の概要]次に、
図2を参照して、上記微小物質の捕集工程12で用いる
捕集手段の構成を詳細に説明する。図2に示すように、
捕集装置20は、捕集容器本体21aの上蓋21bの一
部に形成された大気を導入する開口部21cと、外部に
設けた吸引ポンプ22と、導入した大気中の浮遊微小物
質10を捕集する水溶液を有する捕集容器23と、該捕
集容器23の底部に設けた排出管24から試験管25内
にコック25を介してその中身を分注する分注装置27
と、捕集容器23と連通し次の捕集に用いる水溶液を貯
溜及び供給する貯溜タンク28とを具備するものであ
る。この捕集装置での捕集は所定時間毎にタイマー29
を用いて行い、所定時間毎に分注装置27のターレット
30が回転することで自動的に分注が可能となり、該分
注後の試験管25は、次の反応工程に自動的に送られて
いる。
【0019】[浮遊微小物質の抗原抗体反応の概要]次
に、図3を参照して、上記捕集された微小物質の抗原と
特異的に反応する抗体とを用いた抗原抗体反応の概要を
説明する。図3に示すように、試験管25内に捕集され
た微小物質10はその自重により沈降するので、所定時
間経過した後、その上澄みを除去し、その後蒸留水また
はpH6程度の緩衝液で定量する。次に、目的とする微
小物質10と選択的に反応する抗体に蛍光物質13aを
付けた蛍光抗体標識13を試験管25の内部に投入し、
所定の温度(例えば37℃)で所定時間(例えば30
分)反応させる。反応終了後、洗浄して未反応の蛍光抗
体標識13を除去する。このようにして、目的外の花粉
や他の微粒子が共存する液中で目的の花粉を選択的に蛍
光抗体で標識される。上記蛍光抗体標識13としては、
例えばスギ花粉,ヒノキ花粉等のタンパク質(Cry j 1)
に選択的に反応するモノクロナール抗体や、ディーゼル
微粒子に選択的に反応する抗体に蛍光物質13aとして
FITC(fluorescein isothiocyanate;「 FITC-KW-S
10」( 商品名) 、興和株式会社製) ,フィコエリスリン
(phycoerythrin:PE) 等を付着させた試薬を挙げること
ができる。例えば図5に示すように、微小物質10の濃
縮液に蛍光抗体標識13を加え、温度37℃で15〜3
0分程度加温して反応させることにより、目的とする微
小物質10のみに蛍光抗体標識13が付着して反応物質
15を得る。該反応物質15は後述する検出工程のセル
31にポンプ35で自動的に送液している。ここで、上
記蛍光物質のFITC及びPEの励起スペクトルと蛍光
スペクトルを図6に示す。図6に示すように、FITC
の蛍光スペクトルの最大値は525nm付近(励起波長:
495nm)、PEの蛍光スペクトルの最大値は576
nm付近(励起波長:564,576nm)である。
【0020】また、他の蛍光物質としては、NPM(N-
(3-pyrene)maleimide), DACM(N-(7-dimethylamino
-4-methylcoumarynyl)maleimide)等を挙げることができ
る。上記NPMの蛍光スペクトルは380nm付近(励
起波長:330nm),DACMの蛍光スペクトルは4
80nm付近(励起波長:380nm)である。
【0021】[浮遊微小物質の検出の概要]次に、図4
を参照して、上記捕集された微小物質の検出工程( フロ
ーサイトメトリー) の概要を説明する。図4に示すよう
に、測定手段は、上記抗原抗体反応後の微小物質の含有
溶液を連続的に通過測定するためのミクロフローセル
(以下「セル」という)31と、該セル31内の微小物
質含有溶液の蛍光物質を励起するのに必要な波長を有す
る光源32と、該抗原抗体反応後の微小物質に付いた蛍
光物質の発する蛍光を受光するための受光素子33と、
該受光素子の出力をカウントするパルスカウンタ34と
を設けてなるものである。また、図4中、符号36,3
7はミラー、38はピンホールスリット、39,40,
41は集光レンズ、42はバンドパスフィルタ及び43
は視野絞りを各々図示する。
【0022】また、上記セル31は測定部において該測
定部の送液ポンプ35の被測定物の流れ方向と直交する
断面形状が横方向に長く縦方向に短い長方形であり、上
記励起光を照射し横方向に長い正面部から反応物質15
に付いた蛍光物質の発する蛍光を受光素子33により受
光するようにしている。
【0023】また、所望の微小物質が複数の場合には、
上記大気中の浮遊物質の種類に応じて特異的に反応する
複数の蛍光抗体標識を用い、上記反応工程において複数
の種類の浮遊物質を測定することができる。この場合に
は、図7に示すように、反射光の光路にハーフミラー4
4,45を設け、第1の受光素子33A,第2の受光素
子33B、第1のパルスカウンタ34A,第2のパルス
カウンタ34B及び第1のバンドパスフィルタ42A,
第2のバンドパスフィルタ42Bを設けて二波長検出す
ることができる。
【0024】このように、所定波長のみを通過するバン
ドパスフィルタ42A,42Bを用い、複数の受光手段
によって、測定すれば所望の微小物質(第1のパルスカ
ウンタ34Aでスギ花粉,第2のパルスカウンタ34B
でヒノキ花粉)を同時に検出することができる。
【0025】[浮遊微小物質の自家蛍光による検出の概
要]また、大気中に浮遊する微小物質の中でも花粉にお
いては、花粉特有な自家蛍光を発するので、この自家蛍
光の量を測定することで、大気中の花粉の量をオンライ
ンで測定することができる。このオンラインで測定する
装置は、捕集装置によって大気中の浮遊微小物質を捕集
する捕集手段と、該捕集手段で捕集した微小物質を濃縮
する手段と、該濃縮後の微小物質の発する自家蛍光を測
定して大気中の微小物質量を計数する計数測定手段とを
具備するものである。
【0026】
【実施例】以下、本発明の好適な一実施例について、微
小物質として花粉を用いた一例を説明するが、本発明は
これに限定されるものではない。
【0027】<花粉捕集工程>図2に示すように、大気
を捕集する捕集容器本体20の内部には所定量の水を充
填した捕集容器23が配設されており、大気中の微小浮
遊物質の一種である花粉10を捕集(採取)するように
している。上記捕集容器本体21aの上蓋21bには開
口部21cが形成されており、外部に設けたポンプ22
により一定量の大気を上記開口部21cから吸引してい
る。この吸引は、ポンプ22の吸引により容器本体21
aの内部が負圧となり、外部より大気が導入され、この
際に大気中に浮遊している花粉も導入されるが、捕集容
器23の開口部を通過する際に、該花粉10はその自重
により大気の流れと共に移動せず、そのまま落下するこ
ととなる。よって、導入された大気中に含まれる花粉1
0より小さく軽い微粒子は極力水に捕集されずに、容器
外部に排除することとなる。
【0028】ここで、捕集容器23内の水中に捕集され
た花粉10は、その自重により該水内部を沈降し、容器
底部に溜まる。一定時間捕集した後に、該容器底部に設
けた排出管24の弁26を開き、容器内部の花粉を含む
水溶液を回転式の自動分注装置27の試験管25に全量
分注する。上記自動分注装置27は、回転式のターレッ
ト30に所定本数の試験管27を設けたものであり、所
定時間毎に上記捕集容器23からの捕集溶液を分注する
ものである。該分注された試験管25は、つぎの反応工
程に自動的に送られる。
【0029】なお、本実施例では、上記捕集容器23は
円形の開口部を有するものを用いて花粉を捕集するよう
にしているが、大気中の花粉を捕集する形状としてこれ
に限定されるものではない。本実施例では、円形の開口
を有する捕集容器を用いたが、その他の捕集容器の実施
例を図8に示す。図8(a)に示す捕集容器23Bは、
その開口部を細長い形状として、その捕集容器23Bの
底部は、花粉10を集めやすいように、逆四角錐状とし
ている。また、図8(b)に示す捕集容器23Cは、そ
の開口部を細長い形状として、その捕集容器23Cの底
部に設けた排出管24に向かって傾斜させており、花粉
10を集めやすいような形状としている。
【0030】<花粉の抗原抗体反応工程>図3に示すよ
うに、上記分注された試験管25の内部の花粉10は所
定時間経過後に沈降するので、花粉が沈降した後に、沈
降した花粉10を吸引しないよう注意しつつ上澄み液を
吸い取り、花粉の濃縮液を作成する。次に、花粉10の
中でスギ花粉と選択的に反応するFITCやフィコエリ
トリン等の励起光によって蛍光を発する蛍光13aを付
けた蛍光抗体を含む蛍光抗体標識13を試験管25内に
所定量注入する。試験管25内の液は例えばエアーバブ
リング又は振動,回転等により攪拌され、蛍光抗体と花
粉とが混合され、目的とする種類の花粉と抗原抗体反応
する。本実施例では、反応は37℃の恒温槽中で15分
間おこなった。このようにして、目的外の花粉や他の微
粒子が共存する液中で目的の花粉を選択的に蛍光抗体で
標識することとしている。反応後に、花粉は試験管の底
部に沈降するので、上澄み液を該花粉を吸引しないよう
に吸い取り、その後に蒸留水またはpH6の緩衝液を注
入し、エアーバブリング又は振動,回転等により攪拌す
る。この操作を2回から5回繰り返して洗浄を行う。洗
浄の最終回には、蒸留水またはpH6の緩衝液Wを注入
して攪拌して花粉が沈降した後に上澄み液を花粉を吸引
しないように吸い取り、試験管内の花粉含有液容量を0.
1〜10ml程度の一定値とする。この洗浄操作で花粉と
未反応の蛍光抗体を排除することができ、後述する検出
工程での特定花粉からの蛍光パルス検出時に未反応蛍光
抗体から生ずる蛍光量を大幅に低減できるので、測定上
のS/N比を向上することが可能となる。なお、試験管
内の液が37℃程度以上或いは以下になる場所又は時期
に捕集手段が設置される場合には、試験管内の液が20
〜40℃の間或いはこの範囲の一定の温度となるように
加温冷却できるようにすれば、常に一定の条件での反応
操作を行うことができ、測定にバラツキが生じることは
ない。
【0031】<花粉の検出工程>図4に示すように、反
応工程で花粉に蛍光抗体を付着させ洗浄操作後の試料を
検出工程の検出装置に所定量送液し、標識された花粉の
数を蛍光パルス数として計数する。検出部はセル31を
含む流路系にはキャリア液がポンプ35で一定流量で流
されており、反応工程からの試料を良く攪拌後静置した
後に、オートサンプラーで一定容量を計りとった後に、
キャリアー液中に注入され検出部に送液され、セル31
中を通過する際に、外部から照射されたレーザ32によ
り標識された蛍光物質が蛍光し、受光素子33で検知さ
れ、パルスカウンタ34により、花粉の数が計測され
る。これにより、所定量の空気を捕集した場合における
その中の花粉の数が計測され、花粉の発生を検知するこ
とができる。
【0032】図9は本実施例で用いた自動検出・反応装
置の構成図である。この自動検出装置は、抗原抗体反応
工程50と蛍光検出工程51とから構成されている。抗
原抗体反応工程50は、濃縮した花粉を有する試験管2
5が自動的に送られており、該試験管25の内部に上記
蛍光抗体標識13の試薬52を自動的に注入し、所定時
間の反応後に、所定量吸い上げポンプ53により、蛍光
検出工程へ送られている。蛍光検出工程50では、励起
光としての光源32からのレーザ光が照射され、セル3
1内を通過する花粉に照射されるが、この時に該花粉と
結合しているFITC等の蛍光物質が蛍光を発する。
【0033】この蛍光を受光素子(本実施例では光電子
増倍管を用いた。)31で蛍光を増倍し、パルスカウン
タ(本実施例ではフォトカウンタを用いた。)34で蛍
光をカウンティングし、データ処理部のディスプレイ5
4上にオンラインで表示するようにしている。図10に
検出データの一例を示す。
【0034】本実施例では蛍光物質を励起する光源32
としてはFITCの励起波長の495nmに近い波長であ
る488nmのアルゴンレーザを用いた。
【0035】なお集光レンズ40,41の間には、FI
TCを用いる場合には、蛍光スペクトルの最大値である
525nm近辺の波長のみが通過するバンドパスフィルタ
42を設置した。
【0036】本実施例では、上記セル31として、セル
内の流路の寸法は、励起光照射側の側面部(縦方向:
D)で100μm、蛍光受光側の正面部(横方向:W)
で1mm、高さ(H)4cmをこの場合に使用した。
【0037】なお、ブランクとして例えば花粉が通過し
ないフィルタを用いて、同時に計測したり、花粉を除去
した濾液のみを測定して、微小物質の蛍光を除去するよ
うにすることで、検出感度を向上させることができる。
【0038】<浮遊微小物質の自家蛍光による検出の実
施例>また、大気中に浮遊する微小物質の中でも花粉に
おいては、花粉特有な自家蛍光を470nm近傍に発す
るので、この自家蛍光の量を測定することで、大気中の
花粉の量をオンラインで測定することができる。このオ
ンラインで測定する装置は、図2に示すのと同様な捕集
手段により捕集し、捕集後濃縮したものを、図9に示す
蛍光検出工程51に直接導入し、この検出手段によっ
て、蛍光量を直接検出するようにしている。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、大
気中の浮遊微小物質を捕集する捕集手段と、該捕集手段
で捕集した微小物質と特異的に抗原抗体反応する蛍光抗
体標識を用い、抗原抗体反応させる手段と、該抗原抗体
反応後の蛍光物質を励起し、蛍光物質の発する蛍光を受
光して大気中の微小物質を検出する検出手段とを具備す
ることとしたので、簡易・迅速な大気中の微小物質の検
出を行うことができる。
【0040】また、上記大気中の浮遊微小物質を捕集す
る捕集手段が、捕集容器本体の一部に形成された大気を
導入する開口部と、該導入した大気中の浮遊微小物質を
捕集する水溶液を有する捕集部と、該捕集部の底部に設
けた排出管から上記水溶液を試験管に分注する分注手段
と、該捕集容器と連通し次の捕集に用いる水溶液を貯溜
及び供給する貯溜タンクとを具備するので、連続して大
気中の浮遊微小物質の捕集をすることができる。
【0041】また、上記大気中の浮遊物質手段の種類に
応じて特異的に反応する蛍光抗体標識を用い、複数の種
類の浮遊物質を測定することにより、一度に複数の目的
とする微小物質を検出することができる。
【0042】また、上記計数測定手段が、上記抗原抗体
反応後の微小物質の含有溶液を連続的に通過測定するた
めのセルと、該セル内の微小物質含有溶液の蛍光物質を
励起するのに必要な波長を有する光源と、該抗原抗体反
応後の微小物質に付いた蛍光物質の発する蛍光を受光す
るための受光素子と、該受光素子の出力をカウントする
カウンタとを設けてなり、且つ、該セルは測定部におい
て該測定部の被測定物の流れ方向と直交する断面形状が
横方向に長く縦方向に短い長方形であり、上記励起光を
照射し横方向に長い正面部から微小物質に付いた蛍光物
質の発する蛍光を受光素子により受光することしたの
で、大気中の浮遊微小物質の検出精度が向上する。
【0043】さらに、大気中の浮遊微小物質を捕集容器
中の溶液内に捕集し、該捕集した微小物質を濃縮し、該
濃縮後の微小物質と特異的に抗原抗体反応する蛍光抗体
標識で抗原抗体反応させ、次いで該濃縮液を定量し、該
定量後の微小物質含有液に励起光を照射して蛍光物質を
励起し、蛍光物質の発する蛍光を受光して大気中の微小
物質を測定するので、大気中の浮遊微小物質の効率的な
計測がオンラインで可能となる。
【0044】また、大気中の微小物質数を測定した後
に、大気浮遊物質を捕集した容器を洗浄し、再度微小物
質の捕集に再使用したり、また、大気浮遊物質を捕集す
る一の容器を用いて、捕集,反応,検出を行い再度微小
物質の捕集に使用することを特徴とすることにしている
ので効率的な計測が可能となる。大気中の浮遊微小物質
の計数測定システム。
【0045】さらに、大気中の浮遊微小物質を捕集する
捕集手段と、該捕集手段で捕集した微小物質を濃縮する
手段と、該濃縮後の微小物質の発する自家蛍光を測定し
て大気中の微小物質量を計数する計数測定手段とを具備
するので、従来のような蛍光標識と反応させることな
く、オンラインで微小物質の計数が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の大気中の浮遊微小物質の測定システム
の構成図である。
【図2】本発明の捕集手段の構成図である。
【図3】本発明の反応工程の構成図である。
【図4】本発明の検出手段の構成図である。
【図5】抗原抗体反応の概念図である。
【図6】FITC及びPEの蛍光スペクトルを示す図で
ある。
【図7】本発明の他の検出手段の構成図である。
【図8】本発明の他の捕集装置の構成図である。
【図9】本発明の自動検出装置の構成図である。
【図10】本発明の実施例の測定結果を示す図である。
【符号の説明】
10 浮遊微小物質 11 捕集容器 12 捕集工程 13 蛍光抗体標識 14 抗原抗体反応工程 15 反応物 16 レーザ光 17 受光素子 18 検出工程 19 洗浄工程 20 捕集装置 21a 捕集容器本体 21b 上蓋 21c 開口部 22 吸引ポンプ 23 捕集容器 24 排出管 25 試験管 26 コック 27 分注装置 28 貯溜タンク 29 タイマー 30 ターレット 31 ミクロフローセル(セル」) 32 光源 33 受光素子 34 カウンタ 36,37 ミラー 38 ピンホールスリット 39,40,41 集光レンズ 42 バンドパスフィルタ 43 視野絞り 50 抗原抗体反応工程 51 蛍光検出工程 52 試薬 53 ポンプ 54 ディスプレイ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅原 一晃 神奈川県横浜市中区錦町12番地 菱日エン ジニアリング株式会社内 (72)発明者 遠藤 理枝子 神奈川県横浜市中区錦町12番地 菱日エン ジニアリング株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大気中の浮遊微小物質を捕集する捕集手
    段と、 該捕集手段で捕集した微小物質と特異的に抗原抗体反応
    する蛍光抗体標識を用い、抗原抗体反応させる手段と、 該抗原抗体反応後の蛍光物質を励起し、蛍光物質の発す
    る蛍光を受光して大気中の微小物質を検出する検出手段
    とを具備することを特徴とする大気中の浮遊微小物質の
    測定装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の微小物質の測定装置にお
    いて、 上記大気中の浮遊微小物質を捕集する捕集手段が、捕集
    容器本体の一部に形成された大気を導入する開口部と、 該導入した大気中の浮遊微小物質を捕集する水溶液を有
    する捕集部と、 該捕集部の底部に設けた排出管から上記水溶液を試験管
    に分注する分注手段と捕集容器と連通し次の捕集に用い
    る水溶液を貯溜及び供給する貯溜タンクとを具備するこ
    とを特徴する大気中の浮遊微小物質の測定装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の微小物質の計数測定装置
    において、 上記大気中の浮遊物質手段の種類に応じて特異的に反応
    する蛍光抗体標識を用い、複数の種類の浮遊物質を測定
    することを特徴とする大気中の浮遊微小物質の測定装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の微小物質の計数測定装置
    において、 上記計数測定手段が、上記抗原抗体反応後の微小物質の
    含有溶液を連続的に通過測定するためのセルと、 該セル内の微小物質含有溶液の蛍光物質を励起するのに
    必要な波長を有する光源と、 該抗原抗体反応後の微小物質に付いた蛍光物質の発する
    蛍光を受光するための受光素子と、 該受光素子の出力をカウントするカウンタとを設けてな
    り、 且つ、該セルは測定部において該測定部の被測定物の流
    れ方向と直交する断面形状が横方向に長く縦方向に短い
    長方形であり、上記励起光を照射し横方向に長い正面部
    から微小物質に付いた蛍光物質の発する蛍光を受光素子
    により受光することを特徴とする大気中の浮遊微小物質
    の測定装置。
  5. 【請求項5】 大気中の浮遊微小物質を捕集容器中の溶
    液内に捕集し、該捕集した微小物質を濃縮し、該濃縮後
    の微小物質と特異的に抗原抗体反応する蛍光抗体標識で
    抗原抗体反応させ、次いで該濃縮液を定量し、該定量後
    の微小物質含有液に励起光を照射して蛍光物質を励起
    し、蛍光物質の発する蛍光を受光して大気中の微小物質
    を測定することを特徴とする大気中の浮遊微小物質の測
    定システム。
  6. 【請求項6】 請求項5の大気中の浮遊微小物質の測定
    システムにおいて、 大気中の微小物質数を測定した後に、大気浮遊物質を捕
    集した容器を洗浄し、再度微小物質の捕集に再使用する
    ことを特徴とする大気中の浮遊微小物質の計数測定シス
    テム。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6の大気中の浮遊微小物質
    の計数測定システムにおいて、大気浮遊物質を捕集する
    一の容器を用いて、捕集,反応,検出を行い再度微小物
    質の捕集に使用することを特徴とする大気中の浮遊微小
    物質の計数測定システム。
  8. 【請求項8】 大気中の浮遊微小物質を捕集する捕集手
    段と、 該捕集手段で捕集した微小物質を濃縮する手段と、 該濃縮後の微小物質の発する自家蛍光を測定して大気中
    の微小物質量を計数する計数測定手段とを具備すること
    を特徴とする大気中の浮遊微小物質の計数測定装置。
  9. 【請求項9】 大気中の浮遊微小物質を捕集し、該捕集
    した微小物質の発する自家蛍光を測定して大気中の微小
    物質を測定することを特徴とする大気中の浮遊微小物質
    の測定方法。
JP9168393A 1997-06-25 1997-06-25 大気中の浮遊微小物質の測定装置及びその測定システム Withdrawn JPH1114511A (ja)

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