JPH11144642A - カラー陰極線管 - Google Patents

カラー陰極線管

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JPH11144642A
JPH11144642A JP10249600A JP24960098A JPH11144642A JP H11144642 A JPH11144642 A JP H11144642A JP 10249600 A JP10249600 A JP 10249600A JP 24960098 A JP24960098 A JP 24960098A JP H11144642 A JPH11144642 A JP H11144642A
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JP
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electrode
focusing
electron
electron beam
electron beams
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JP10249600A
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Takeshi Uchida
剛 内田
Masaji Shirai
正司 白井
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電子ビームのスポツト縦径を縮小して高解像度
の画像表示を得ることのできるカラー陰極線管を提供す
る。 【解決手段】電子銃の主レンズ部を、3本の電子ビーム
を通過させる単一の開口部42a を持ち、内部に平板電極
422(51) を配置した集束電極42(と陽極5)とで構成
し、単一の開口部42a の垂直方向径をV1、平板電極422
(51) の垂直方向径をV2、単一の開口部42a の開口端か
ら平板電極422(51) までの管軸方向距離をTとしたとき
の前記V1,V2 およびTの積(V1 ×V2×T)をAと表し、蛍
光面上で隣り合った蛍光体の水平方向間隔をP、蛍光面
とシャドウマスクの間隔をQ、シャドウマスクから単一
の開口部端までの距離をLとしたときの積(P×L/
Q)をSと表し、単一の開口部42a の水平方向径をHと
したとき、(A+566)/106>H−(2×S)の
関係とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラー陰極線管に
係り、特に解像度を向上したシャドウマスク形のカラー
陰極線管に関する。
【0002】
【従来の技術】カラー受像管やディスプレイ管等のカラ
ー陰極線管は、その精細な画像再現性から、テレビ放送
の受信あるいは情報処理機器のモニターとして広く用い
られている。
【0003】この種のカラー陰極線管は、内面に蛍光体
スクリーンを形成したフェースプレートを有するファン
ネルと、上記ファンネルに連接して上記蛍光体スクリー
ンに向けて電子ビームを発射する電子銃構体を収容した
ネックとを少なくとも有する真空外囲器からなる。
【0004】図6は本発明を適用するカラー陰極線管の
一例としてのシャドウマスク型カラー陰極線管の構成を
説明する断面模式図であって、20はフェースプレー
ト、21はネック、22はフェースプレートとネックと
を連接するファンネル、23はフェースプレートの内面
に形成して映像表示面を構成する蛍光体スクリーン、2
4は色選択電極であるシャドウマスク、25はシャドウ
マスクを保持してシャドウマスク構体を構成するマスク
フレーム、26は外部磁気を遮蔽するインナーシール
ド、27はシャドウマスク構体をフェースプレートの側
内壁に植立したスタッドに懸架支持する懸架スプリング
機構、28はネック内に収納して3本の電子ビームBs
(×2),Bcを発射する電子銃、29は電子ビームを
水平と垂直に偏向する偏向装置、30は色純度やセンタ
リング補正を行うための磁気装置、31はゲッター、3
2は内部導電膜、33は防爆バンドである。
【0005】図6の構成において、フェースプレート2
0とネック21およびファンネル22とで真空外囲器を
構成し、電子銃28からインラインに発射された3本の
電子ビームBc,Bs×2を偏向装置29で形成される
偏向磁界で水平と垂直の2方向に偏向して蛍光体スクリ
ーン23上を2次元に走査させる。
【0006】3本の電子ビームBs,Bc×2はそれぞ
れ緑(センタービームBc)、赤(サイドビームB
s)、青(サイドビームBs)の色信号で変調され、蛍
光体スクリーン23の直前に配置されたシャドウマスク
24のビーム通過孔で色選択を受けて蛍光体スクリーン
23を構成する赤、緑、青の3色の蛍光体モザイクのそ
れぞれに射突することにより、所要のカラー映像を再生
する。
【0007】図7は図6に示したカラー陰極線管に使用
することが出来るインライン型電子銃の構成例の説明図
であって、(a)は水平方向断面図、(b)は(a)の
VIIB−VIIB方向から見た要部模式図、(c)は(a)
のVII C−VIIC方向から見た要部模式図である。
【0008】図7の(a)において、1a〜1cは陰極
構体、2は制御電極、3は加速電極、4は集束電極、5
は陽極、6はシールドカップである。また、41は第1
集束サブ電極、42は第2集束サブ電極であり、両者で
集束電極4を構成する。そして、第1集束サブ電極41
の第2集束サブ電極42側には3本の電子ビームのそれ
ぞれを水平方向から挟む如く第2集束サブ電極42方向
に延在して設置された垂直板411が設置され、第2集
束サブ電極42の第1集束サブ電極41側に3本の電子
ビームを垂直方向から挟む如く第1集束サブ電極41方
向に延在して設置された水平板421が設置され、これ
ら垂直板と水平板とで所謂静電四重極レンズが形成され
る。さらに、第2集束サブ電極42の内部には3本の電
子ビームそれぞれを通過させる電子ビーム通過孔を有す
る板状補正電極422が、陽極5の内部にも同様に3本
の電子ビームそれぞれを通過させる電子ビーム通過孔を
有する板状補正電極51が設置されている。
【0009】静電四重極レンズを形成する垂直板411
と水平板421の設置位置は、それぞれ図7の(b),
(c)に示すように、垂直板411は第1集束サブ電極
41のサイドビーム通過孔41s、センタービーム通過
孔41cを水平方向からそれぞれ挟持するように4枚の
板411a,411b,411c,411dからなり、
水平板421は第2集束サブ電極42のサイドビーム通
過孔42sとセンタービーム通過孔42cを垂直方向か
ら共通に挟持するように2枚の板421aと421bか
らなる。
【0010】陰極構体1a〜1cと制御電極2および加
速電極3で電子ビーム発生部を構成する。加熱された陰
極構体から放出された熱電子は、加速電極3の電位によ
って制御電極2の方向に加速されて3本の電子ビームが
形成される。
【0011】3本の電子ビームは、制御電極2の開孔部
を通り、加速電極3の開孔部を通った後、第1集束サブ
電極41と第2集束サブ電極42との間に設置された静
電四重極レンズで非点収差が補正された後、第2集束サ
ブ電極42と陽極5との間に形成される主レンズに入射
する。
【0012】そして、第2集束サブ電極42と陽極5と
の間に形成される主レンズによって3本の電子ビームが
それぞれ集束され、シャドウマスクで色選択されて蛍光
面を構成する所定の蛍光体に射突して所定色のスポツト
を形成する。
【0013】第1集束サブ電極41には一定の電圧Vf
1が印加され、第2集束サブ電極42には一定の電圧に
電子ビームの偏向角度の変化に同期して変動する電圧を
重畳したダイナミック電圧(Vf2+dVf)が印加さ
れる。なお、陽極には最高電圧Ebがファンネルの内壁
の形成された内部導電膜32(図6)を介して印加され
る。
【0014】この構成により、電子ビームの偏向角度に
応じて主レンズ強度を変化させて像面湾曲が補正され、
静電四重極レンズで非点収差が補正されて電子ビームの
フォーカス距離やビームスポツト形状が制御され、蛍光
面上で常に良好なフォーカスが得られる。
【0015】また、蛍光面中央で通常の円形ビームスポ
ツト径を得るため、主レンズ部を構成する第2集束サブ
電極42と陽極5に設けられている3本の電子ビームを
通過させる単一の開口部の各径と、これらの電極42,
5の内部に配置された電子ビーム通過孔を有する平板補
正電極422,51の電子ビーム通過孔の各径と、上記
単一の開口から該開口を有する電極の内部に配置された
平板補正電極422,51の管軸方向距離をパラメータ
として各電子ビームに対する水平方向と垂直方向のレン
ズの実効口径をほぼ一致させる。
【0016】これにより、蛍光面上を走査する電子ビー
ムによる解像度を改善して高画質の画像を再現できるよ
うにしている。
【0017】なお、この種の従来技術を開示したものと
しては、例えば特開平2−189842号公報を挙げる
ことができる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】陰極線管のフォーカス
特性は水平方向輝線の影響が大きい。しかし、上記従来
の電子銃では、主レンズの口径を水平方向と垂直方向で
一致させているため、陰極線管のネックに収納されてい
る電子銃の構造の水平または垂直の何れか一方の寸法な
どの制約によって決まる水平または垂直の何れか一方の
最大設定可能寸法のうち、小さい方の値に口径が制約さ
れてしまうという問題がある。
【0019】一般には、電子ビームが並ぶ水平方向でレ
ンズ寸法の制約が厳しいので、垂直方向のレンズ口径を
拡大できるにもかかわらず、水平方向のレンズ口径に合
わせて垂直方向のレンズ口径を小さく設定している。し
たがって、画面上での電子ビームのスポツトの縦径を横
径に比較して小さくすることができず、水平方向輝線の
縮小が一層困難となるという問題がある。
【0020】また、電子銃の組み立てなどの製造工程で
電極が偏心し、電子ビームが主レンズの中心を通過しな
い場合に、縦方向の偏心に対しては画面でのスポツトの
縦径の増加を小さくできるにもかかわらず、水平方向の
偏心の場合の横径の劣化(増大)と同程度となってしま
うという問題もある。
【0021】本発明の目的は、上記従来技術の諸問題を
解消して画面上での電子ビームのスポツト縦径を縮小し
て高解像度の画像表示を得ることのできるカラー陰極線
管を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、次の(1)〜(3)に記載の構成とした
ことを特徴とする。
【0023】(1)少なくとも3色の蛍光体を塗布して
なる蛍光面とこの蛍光面に近接して設置したシャドウマ
スクとを内装したフェースプレートと、水平方向に配列
されかつ制御された3本の電子ビームを発生する電子ビ
ーム発生部と前記電子ビーム発生部で発生された3本の
電子ビームを蛍光面に集中させる主レンズ部を有する電
子銃を収容するネックと、前記フェースプレートとネッ
クを連接し前記電子銃から発射される3本の電子ビーム
を蛍光面上で走査させるための偏向ヨークを外装するフ
ァンネルで構成した真空外囲器からなるカラー陰極線管
であって、前記電子銃の主レンズ部は、前記3本の電子
ビームを通過させる単一の開口部を持つ電極と、前記電
極の内部に配置された電子ビーム通過孔を有する平板電
極からなる集束電極と陽極とにより構成され、前記3本
の電子ビームを通過させる前記電極の単一の開口部の垂
直方向径をV1、前記電極の内部に配置された電子ビー
ム通過孔を有する平板電極の垂直方向径をV2、前記3
本の電子ビームを通過させる電極の開口端から前記電極
の内部に配置された電子ビーム通過孔を有する平板電極
までの管軸方向距離をTとしたときの前記V1、V2、
およびTの積(V1×V2×T)をAと表し、前記蛍光
面上で隣り合った蛍光体の水平方向間隔をP、前記蛍光
面と前記シャドウマスクの間隔をQ、前記シャドウマス
クから前記集束電極の3本の電子ビームを通過させる単
一の開口部端までの距離をLとしたときの前記Pと(L
/Q)の積(P×L/Q)をSと表し、前記集束電極の
3本の電子ビームを通過させる単一の開口部の水平方向
径をHとしたとき、(A+566)/106>H−(2
×S)の関係を有することを特徴とする。
【0024】上記の構成としたことの理由を、発明の実
施の形態の項で後述する図2を参照して説明する。
【0025】図2は3本の電子ビームを通過させる単一
の開口部の垂直方向径V1と、この電極内部に配置され
た電子ビーム通過孔を有する平板電極の垂直方向径V2
と、上記3本の電子ビームを通過させる開口端からこの
電極内部に配置された電子ビーム通過孔を有する平板電
極までの管軸方向距離Tの積Aとレンズ口径DV との関
係を示したものである。
【0026】主レンズの垂直方向の実効口径は、単一開
口42a,5aの垂直方向径V1と、平板電極422,
51の電子ビーム通過孔422c,422s,51c,
51sの垂直方向径V2と、単一開口42a,5aから
平板電極422,51までの管軸方向距離Tによって決
定される。
【0027】上記V1、V2、Tの何れも、その値の大
きさに略々比例して電界の電極内部への浸透が大きくな
り、これに比例してレンズの垂直方向口径Dv(mm)
も拡大する。このため、上記積Aとレンズ口径DV とは
略々正比例の関係になる。種々のレンズ構造について解
析を行った結果、次の関係を見出した。
【0028】 A=106DV −566 ・・・・・(1) また、本発明のカラー陰極線管における電子銃では、偏
向されていない時のサイドビームの軌道中心から単一開
口の水平端までの距離Dh/2は、偏向されていない時
のサイドビームの軌道中心から単一開口の端までの最近
接距離であるので、主レンズの実効的な水平方向半径の
最小値に相当する。
【0029】一般に、電子銃の主レンズでは、水平方向
においても、また垂直方向においても、センタービーム
とサイドビームに対する主レンズ半径が互いに一致する
ように平板電極の位置とこの平板電極に設けられた楕円
開口形状を調整している。実効的な主レンズ口径がセン
タービームとサイドビームで差が生じると、両方の電子
ビームに対する画面上での最適フォーカス条件が異なっ
てしまい、何れか一方のビームスポツト径が増加し、解
像度の低下につながるからである。
【0030】したがって、本発明のカラー陰極線管にお
ける電子銃の構造では、水平方向の主レンズ口径はセン
タービームとサイドビーム共、実効的に略々上記Dhと
なる。
【0031】ここで、水平方向の主レンズ口径Dhを、
単一開口の水平方向径Hと、主レンズ内におけるセンタ
ービームとサイドビームとの距離Sで表すと下式とな
る。
【0032】 Dh=H−(2×S) ・・・・・・・・(2) また、通常のシャドウマスク形カラー陰極線管におい
て、後述するように図3において、主レンズ内のセンタ
ービームとサイドビームの距離Sは、蛍光面中央で隣り
合った蛍光体ドットまたは蛍光体ラインの水平方向中心
間間隔Pと、フェースプレート中央の内面とシャドウマ
スクの管軸方向間隔Qと、集束電極の3本の電子ビーム
を通過させる単一開口からシャドウマスクまでの管軸方
向距離Lとによって、下式で表される。参照符号ML
は、主レンズ位置を示す。
【0033】S=P×L/Q これは、Sの間隔をもって主レンズを通過したセンター
ビームとサイドビームの各電子ビームがシャドウマスク
にある同一の孔を通過し、パネル部の内面に塗布された
センタービームとサイドビームの各電子ビームに対応す
る蛍光体に射突する構造となっているからである。
【0034】この関係は、図3において、三角形FGU
と三角形RTUとが相似形であり、略々S/P=L/Q
の関係があるので、上記S=P×L/Qの関係が成り立
つことが分かる。
【0035】ここで、本発明の目的を達成するため、す
なわち垂直方向の主レンズ口径Dvを水平方向の主レン
ズ口径Dhより大きくするには、 Dv>Dh ・・・・・・・・(3) が必要である。
【0036】したがって、上記式(3)に式(1)のD
vと式(2)のDhを代入すると、 (A+566)/106>H−(2×S)・・・・(4) となる。
【0037】電子銃構造を上記式(4)を満足させるよ
うにすることで、画面上のスポット縦径を縮小でき、解
像度を向上させることが可能となる。
【0038】(2)前記(1)における集束電極が、第
1の集束電圧が印加される第1種の集束電極群と、第2
の集束電圧が印加される第2種の集束電極群とから構成
され、前記陽極には第2種の集束電極群に属する電極が
隣接し、前記第2の集束電圧は一定電圧に電子ビームの
偏向量に応じて変化するダイナミック電圧が重畳されて
おり、このダイナミック電圧の印加により強度の変化す
る静電四重極レンズを含むことを特徴とする。
【0039】(3)さらに、前記(2)における第1種
の集束電極群と第2種の集束電極群の間に、第1種の集
束電極群に印加される第2の集束電圧との電位差の増大
と共に3本の電子ビームを水平方向および垂直方向の両
方向に集束する集束力が強くなる像面湾曲レンズと、3
本の電子ビームを水平方向あるいは垂直方向のいずれか
一方向に集束する集束力が強くなり、他の一方向に発散
する発散力が強くなる静電四重極レンズの少なくとも2
つの電子レンズを含むことを特徴とする。
【0040】上記(2)と(3)の構成では、前記式
(4)を満足する電子銃において、その集束電極に電子
ビームの偏向角度の増大に伴って変化する電圧の印加に
より強度が変化する静電四重極レンズを含ませること
で、水平方向と垂直方向での電子ビームの集束条件の異
なりを補正できるため、第1の発明の電子銃のように主
レンズの口径が水平方向と垂直方向とで異なっている場
合でも、水平方向と垂直方向で電子ビームの集束条件を
最適化することが容易であり、解像度をより効果的に向
上できる。
【0041】なお、本発明は上記の構成に限るものでは
なく、本発明の技術思想を逸脱することなく種々の変更
が可能である。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につ
き、実施例を参照して詳細に説明する。
【0043】図1は本発明のカラー陰極線管の第1実施
例に用いる電子銃の構成を説明する水平方向断面図であ
って、1は陰極構体、2は制御電極、3は加速電極、4
は集束電極、5は陽極、6はシールドカップである。ま
た、41は第1集束サブ電極、42は第2集束サブ電極
で、両者で集束電極4を構成する。さらに、411と4
21は静電四重極レンズを構成する板状の電極片、42
2は第2集束サブ電極42の内部に設置された3個の電
子ビーム通過孔を有する平板電極、51は陽極5の内部
に設置された3個の電子ビーム通過孔を有する平板電極
である。
【0044】加熱された陰極構体1から放出された熱電
子は、加速電極3に印加されている電位によって制御電
極2側に加速され、3本の電子ビームが形成される。こ
れら3本の電子ビームは、制御電極2の開孔部を通り、
加速電極3の開孔部を通った後、加速電極3と第1集束
サブ電極41の間に形成されるプリフォーカスレンズに
より、第2集束サブ電極42と陽極5の間に形成される
主レンズに入射する以前に若干集束作用をうけ、第1集
束サブ電極41の電位によって加速されながら主レンズ
に供給される。そして、第2集束サブ電極42と陽極5
の間に形成される主レンズによって3本の電子ビームが
それぞれ集束するようになり、蛍光面上に焦点が結ばれ
て画面にビームスポットが形成される。
【0045】第2集束サブ電極42と陽極5の内部に設
置された平板電極422、51は、後述するように、そ
の電子ビーム通過孔422c,422s,51c,51
sの大きさ、形状、および平板電極422、51の第2
集束サブ電極42と陽極5の対向部の単一開口位置から
の後退量で、画面上での電子ビームスポットの形状、フ
ォーカスを制御する。
【0046】第1集束サブ電極41には一定の電圧(V
f1)7を印加し、第2集束サブ電極42には電子ビー
ムをスクリーン画面上で走査する偏向角の変化に同期し
て変動するダイナミック電圧(Vf2+dVf)8を印
加する。なお、Ebは陽極電圧である。
【0047】この構成により、電子ビームの偏向角に応
じて、主レンズ強度を変化させて像面湾曲を補正し、第
1集束サブ電極41と第2集束サブ電極42に取りつけ
た垂直電極片411と水平電極片421により構成され
る静電四重極レンズで非点収差を補正して電子ビームの
フォーカス距離やビームスポット形状を制御すること
で、スクリーン上で常に良好なフォーカスのスポットを
得ることが出来る。
【0048】図2は図1の電子銃における第2集束サブ
電極及び陽極として使用できる電極の拡大図であって、
図2(a)は図1のIIA−IIA線側から見た第2集束サ
ブ電極42の正面図、図2(b)は図2(a)のIIB−
IIB線で切断した第2集束サブ電極42の断面図であ
る。なお、以下の説明は陽極5についても同様であるの
で、図中の括弧内の参照番号が陽極5およびその関連部
材を示している。
【0049】図2(a)および(b)において、V1は
主レンズ部を構成する第2集束サブ電極42の3本の電
子ビームを通過させる単一開口42aの垂直方向径、H
はその水平方向径、V2は第2集束サブ電極42の内部
に配置された3個の電子ビーム通過孔422s、422
cを有する平板電極422のセンター電子ビーム通過孔
422cの垂直方向径、Tは単一の開口42aから平板
電極422までの管軸方向距離を示す。
【0050】そして、第1集束サブ電極41には一定の
第1集束電圧が印加され、第2集束サブ電極42には一
定の電圧に電子ビームの偏向角度に同期して変動するダ
イナミック電圧を重畳した第2集束電圧が印加されるこ
とは前記した通りである。
【0051】V1を10mm、V2を10mm、Tを5
mmとしたとき、V1、V2、およびTの積Aは A=10×10×5=500 となる。
【0052】また、図3は本発明によるカラー陰極線管
の概略構造を説明する水平方向断面模式図であって、M
Lは主レンズ位置、図6と同一符号は同一部分に対応す
る。図3において、蛍光面中央部で隣り合った蛍光体ド
ットまたは蛍光体ラインの水平方向中心間間隔Pを0.
15mm、フェースプレート20中央の内面(蛍光膜)
とシャドウマスク24の管軸方向間隔Qを10.5m
m、シャドウマスク24から主レンズ部MLまでの管軸
方向距離Lを360mmとすると、前記したSの値は、 S=0.15×360/10.5=5.14 となる。
【0053】そして、図2(a)において、主レンズ部
を構成する第2集束サブ電極42の陽極5側の単一開口
42aの水平方向径Hが19mmとすると、これを前記
式(4)に当てはめると 10.06>8.72 となり、式(4)の条件が満足され、電子ビームの画面
上でのスポットの縦径を縮小できる。
【0054】本実施例では、式(4)を満足する電子銃
において、その第2集束サブ電極42に電子ビームの偏
向角度の増大に伴って変化する電圧の印加により強度が
変化する静電四重極レンズを含ませることで、水平方向
と垂直方向での電子ビームの集束条件の異なりを補正で
きるため、主レンズの口径が水平方向と垂直方向とで異
なっているが、水平方向と垂直方向で電子ビームの集束
条件を最適化することが容易であり、解像度をより効果
的に向上できる。
【0055】以上の説明では、平板電極422のセンタ
ー電子ビーム通過孔422cとの関連で説明してきた
が、これは通常、センタービームは緑色信号を表示する
もので、この緑色は白色を表示したとき赤色、青色より
輝度比が高いので、特に高解像度が要求され、上記式
(4)を満足することが必須な為である。従って、サイ
ド電子ビームによる解像度の向上も必要とする場合は、
平板電極422のサイド電子ビーム通過孔422sにつ
いても上式(4)を満足するようにこれを設定すること
が好ましい。
【0056】さらに、上記実施例では、第2集束サブ電
極42およびこれに内蔵される平板電極422からなる
構造物と、陽極5とこれに内蔵される平板電極51から
なる構造物とが同じものとして説明したが、これらの構
造物が、互いに異なるものであっても、それぞれの構造
物が、上式(4)を満足すれば、上記実施例と同様の効
果が得られることは言うまでもない。
【0057】次に、本発明の第2実施例を説明する。
【0058】図4は本発明のカラー陰極線管の第2実施
例に用いる電子銃の構成を説明する水平方向断面図であ
って、図1と同一符号は同一部分に対応し、集束電極4
は第1集束サブ電極43、第2集束サブ電極44、第3
集束サブ電極45、第4集束サブ電極46の電極群から
構成されている。
【0059】そして、第1集束サブ電極43と第3集束
サブ電極45には一定の第1集束電圧Vf1(7)が印
加されて集束サブ電極の第1群を形成する。
【0060】また、第2集束サブ電極44と第4集束サ
ブ電極46には一定の電圧Vf2に電子ビームの偏向に
同期して変動するダイナミック電圧dVfを重畳した第
2集束電圧(8)が印加されて集束サブ電極の第2群を
形成する。
【0061】なお、第2集束サブ電極44と第3集束サ
ブ電極45の対向部分には、前記実施例と同様の機能を
有する静電四重極レンズが形成されている。この静電四
重極レンズは、第2集束サブ電極44に設置された水平
板442と第3集束サブ電極45に設置された垂直板4
54とから構成される。
【0062】この実施例では、静電四重極レンズを第2
集束サブ電極44と第3集束サブ電極45の対向部分に
設置したが、これに限らず、例えば第1集束サブ電極4
3と第2集束サブ電極44の間、第3集束サブ電極45
と第4集束サブ電極46の間に設置してもよい。さらに
静電四重極レンズを構成する水平板と垂直板は図示した
順序に限らず、陰極構体側に位置する電極に垂直板を、
画面側に位置する電極に水平板を設置してもよい。
【0063】第1集束サブ電極43、第2集束サブ電極
44、第3集束サブ電極45、第4集束サブ電極46の
電極群から構成される集束電極4は、印加電圧の変化に
伴い3本の電子ビームを水平方向および垂直方向の両方
向で集束する力が変化する像面湾曲補正レンズと、印加
電圧の変化に伴い3本の電子ビームを水平方向および垂
直方向の一方向では集束し、他方向では発散させる力が
変化する静電四重極レンズとを形成している。
【0064】ここで、主レンズを構成する第4集束サブ
電極46と陽極5について、前記実施例と同様の寸法を
設定することにより、第1実施例と同様に主レンズの口
径が水平方向と垂直方向とで異ならせ、水平方向と垂直
方向で電子ビームの集束条件を最適化することが容易と
なり、水平解像度をより効果的に向上できる。
【0065】また、この構造の電子銃では、例えば特開
平4−43532号公報に開示されたように、上記した
図1の実施例に示された構成の電子銃よりもさらに像面
湾曲補正感度を向上させてダイナミックフォーカス電圧
を低減させるために、集束電極内にも電子ビームの偏向
角の増大に伴ってレンズ強度を弱める像面湾曲補正レン
ズを形成して、電子ビームのフォーカス距離を制御し、
スクリーン周辺部でも最良フォーカスの電子ビームスポ
ット形状を得る構成としている。このような構成の電子
銃は、例えば図4に示すような場合、集束サブ電極の第
1群に印加される一定の第1集束電圧Vf1を集束サブ
電極の第2群に印加される一定の電圧Vf2より大きく
すると共に、この一定の電圧Vf2に重畳されるダイナ
ミック電圧dVfを電子ビームの偏向角の増大に伴って
増加する電位配置としているので、無偏向時の電子ビー
ムに対しては第2集束サブ電極44と第3集束サブ電極
45の対向部分に形成される静電四重極レンズにより垂
直方向に集束、水平方向に発散作用を及ぼして電子ビー
ムスポットは横長となる。
【0066】従って、図4に示すような構成の電子銃を
採用した場合、主レンズ部は電子ビーム断面を縦長にす
る非点収差を与える必要がある。そこで、上記した本発
明の条件を満足する主レンズは、垂直方向主レンズ口径
が水平方向主レンズ口径より大きいため、電子ビームを
縦長にする非点収差を与えることが容易となる。
【0067】図5は本発明のカラー陰極線管に用いる電
子銃において、主レンズ部を構成する集束電極の3本の
電子ビームを通過させる単一開口の垂直方向径V1と、
この集束電極の内部に設置した平板電極のセンタービー
ム通過孔の垂直方向径V2と、上記単一開口から上記平
板電極までの距離Tとの積と、本発明によるレンズとほ
ぼ同等の収差を有する等価円形レンズの直径D(mm)
との関係を示すグラフ図である。
【0068】この図5に示したように、前記した実施例
で説明した単一開口の垂直方向径V1と平板電極のセン
タービーム通過孔の垂直方向径V2と単一開口から平板
電極までの距離Tとの積Aを500としたとき、主レン
ズの垂直方向の実効口径Dvは略10mmとなる。
【0069】主レンズの垂直方向径V1と主レンズ部を
構成する集束電極の3本の電子ビームを通過させる単一
の開口部の垂直方向径と集束電極の内部に設置した平板
電極のセンタービーム通過孔の垂直方向径と単一の開口
部端から平板電極までの距離の積Aとは図示した直線に
示したように、線型の関係がある。
【0070】すなわち、カラー陰極線管のネック部内径
で制約される主レンズの口径と上記Aの値は図示の如く
線形の関係がある。
【0071】この関係で主レンズを構成する電極の寸法
を規定することにより、水平方向と垂直方向で電子ビー
ムの集束条件を最適化することが容易であり、解像度を
より効果的に向上できる。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
主レンズの口径が、陰極線管のネックに収納されている
電子銃の構造の水平または垂直の何れか一方の寸法など
の制約によって決まる水平または垂直の何れか一方の最
大設定可能寸法のうち、小さい方の値に口径が制約され
てしまうという問題を解消して縦方向のスポツト径を縮
小でき、水平方向と垂直方向で電子ビームの集束条件を
最適化することが容易となり、解像度をより効果的に向
上させたカラー陰極線管を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラー陰極線管の第1実施例に用いる
電子銃の構成を説明する水平方向断面図である。
【図2】図1の電子銃における第2集束サブ電極及び陽
極として使用できる電極の拡大図である。
【図3】本発明によるカラー陰極線管の概略構造を説明
する水平方向断面模式図である。
【図4】本発明のカラー陰極線管の第2実施例に用いる
電子銃の構成を説明する水平方向断面図である。
【図5】本発明のカラー陰極線管に用いる電子銃におい
て、主レンズ部を構成する集束電極の3本の電子ビーム
を通過させる単一開口の垂直方向径V1と、この集束電
極の内部に設置した平板電極のセンタービーム通過孔の
垂直方向径V2と、上記単一開口から上記平板電極まで
の距離Tとの積と、本発明によるレンズとほぼ同等の収
差を有する等価円形レンズの直径D(mm)との関係を
示すグラフ図である。
【図6】本発明を適用するカラー陰極線管の一例として
のシャドウマスク型カラー陰極線管の構成を説明する断
面模式図である。
【図7】図6に示したカラー陰極線管に使用されるイン
ライン型電子銃の構成例の説明図である。
【符号の説明】
1 陰極構体 2 制御電極 3 加速電極 4 集束電極 5 陽極 6 シールドカップ 41 第1集束サブ電極 42 第2集束サブ電極 411,421 静電四重極レンズを構成する板状の電
極片 422 第2集束サブ電極の内部に設置された3個の電
子ビーム通過孔を有する平板電極 51 陽極の内部に設置された3個の電子ビーム通過孔
を有する平板電極。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも3色の蛍光体を塗布してなる蛍
    光面とこの蛍光面に近接して設置したシャドウマスクと
    を内装したフェースプレートと、水平方向に配列されか
    つ制御された3本の電子ビームを発生する電子ビーム発
    生部と前記電子ビーム発生部で発生された3本の電子ビ
    ームを蛍光面に集中させる主レンズ部を有する電子銃を
    収容するネックと、前記フェースプレートとネックを連
    接し前記電子銃から発射される3本の電子ビームを蛍光
    面上で走査させるための偏向ヨークを外装するファンネ
    ルで構成した真空外囲器からなるカラー陰極線管におい
    て、 前記電子銃の主レンズ部は、前記3本の電子ビームを通
    過させる単一の開口部を持つ電極と、前記電極の内部に
    配置された電子ビーム通過孔を有する平板電極からなる
    集束電極と陽極とにより構成され、 前記3本の電子ビームを通過させる前記電極の単一の開
    口部の垂直方向径をV1、前記電極の内部に配置された
    電子ビーム通過孔を有する平板電極の垂直方向径をV
    2、前記3本の電子ビームを通過させる電極の開口端か
    ら前記電極の内部に配置された電子ビーム通過孔を有す
    る平板電極までの管軸方向距離をTとしたときの前記V
    1、V2、およびTの積(V1×V2×T)をAと表
    し、 前記蛍光面上で隣り合った蛍光体の水平方向間隔をP、
    前記蛍光面と前記シャドウマスクの間隔をQ、前記シャ
    ドウマスクから前記集束電極の3本の電子ビームを通過
    させる単一の開口部端までの距離をLとしたときの前記
    Pと(L/Q)の積(P×L/Q)をSと表し、 前記集束電極の3本の電子ビームを通過させる単一の開
    口部の水平方向径をHとしたとき、 (A+566)/106>H−(2×S)の関係を有す
    ることを特徴とするカラー陰極線管。
  2. 【請求項2】前記集束電極が、第1の集束電圧が印加さ
    れる第1種の集束電極群と、第2の集束電圧が印加され
    る第2種の集束電極群とから構成され、前記陽極には前
    記第2種の集束電極群に属する電極が隣接し、前記第2
    の集束電圧は一定電圧に電子ビームの偏向量に応じて変
    化するダイナミック電圧が重畳されており、前記ダイナ
    ミック電圧の印加により強度の変化する静電四重極レン
    ズを含むことを特徴とする請求項1に記載のカラー陰極
    線管。
  3. 【請求項3】前記第1種の集束電極群と前記第2種の集
    束電極群の間に、前記第1種の集束電極群に印加される
    第2の集束電圧との電位差の増大と共に前記3本の電子
    ビームを前記水平方向および垂直方向の両方向に集束す
    る集束力が強くなる像面湾曲レンズと、前記3本の電子
    ビームを水平方向あるいは垂直方向のいずれか一方向に
    集束する集束力が強くなり、他の一方向に発散する発散
    力が強くなる静電四重極レンズの少なくとも2つの電子
    レンズを含むことを特徴とする請求項2に記載のカラー
    陰極線管。
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