JPH11144332A - スタンパー及びそのスタンパー作製のためのレジスト原盤の製造方法 - Google Patents

スタンパー及びそのスタンパー作製のためのレジスト原盤の製造方法

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JPH11144332A
JPH11144332A JP32196197A JP32196197A JPH11144332A JP H11144332 A JPH11144332 A JP H11144332A JP 32196197 A JP32196197 A JP 32196197A JP 32196197 A JP32196197 A JP 32196197A JP H11144332 A JPH11144332 A JP H11144332A
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stamper
layer
resin
glass plate
producing
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JP32196197A
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Yasushi Hozumi
靖 穂積
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 転写を良好に行ると共に成形を容易にし、特
にトラックピッチを狭くしても成形品の凸部の転写状態
を良好にする、高密度記録に十分に対応できる光ディス
ク等の情報記録媒体等の成形に使用されるスタンパーを
提供する。 【解決手段】 樹脂への転写後の該樹脂の凸部(P)に
相当する凹部(S)と、樹脂への転写後の該樹脂の凹部
(P)に相当する凸部(S)を設けたスタンパーにおい
て、樹脂充填の際にキャビティ内に残存する圧縮エアー
を一時退避させるクリアランスを設けたスタンパー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、光ディス
ク等の光学的情報記録媒体等の情報記録媒体等の成形の
際に使用されるスタンパ、及びそのスタンパー作製のた
めのレジスト原盤の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】情報記録媒体、例えば光ディスクでは、
案内溝(プリグルーブ)、あるいは、プリフォーマット
信号(プリピット)を入れておくことが必要とされてい
る。プリグルーブ、プリピットはスタンパーでは凸形状
をしており、このレプリカである、スタンパーの凸形状
の転写によるディスクの作製は容易である。例えば1.
6μmのトラックピッチを有するCDの場合、多少のピ
ット形状のダレは信号読み取りには影響がなく、6秒以
下のサイクルでディスクの複製が実現している。
【0003】しかし、光磁気ディスクや相変化型光ディ
スクのような、レーザービームを用いて情報の書き込
み、消去及び読み出しを行うことができるいわゆる書き
換え可能な光ディスクでは、記録という機能実現のため
に、プリピットのみならずプリグルーブやランド部の平
滑性等、種々の条件が前述のCDに比ベ一層厳しいもの
となっている。
【0004】一方、高密度記録化にともなうトラックピ
ッチの狭小化や、ランドとグルーブ、両トラックを記録
領域とするランド・グルーブ基板技術の導入に対応する
ために、ランド部に対応するスタンパーの凹部の幅が小
さくなる傾向にある。この様な状況の中で、転写性の観
点からは、狭い凹部内への樹脂の充填はより一層困難な
ものとなっており、ランド部の転写性が不良となり易
く、問題となっている。この転写不良は、スタンパーの
凹部においてキャビティ内に導入される溶融樹脂とスタ
ンパとの間に圧縮エアー(樹脂のキャビティ内への導入
にともなう圧縮されたエアー)が残留していることに起
因する。すなわち、図8に示すようなスタンパー81の
凹部83に充填しようとする溶融樹脂82の樹脂圧力P
1に対して圧縮エアー84により逆向きの圧力P2がか
かり、溶融樹脂を完全に充填することができず、転写不
良が引き起こされるのである。
【0005】これに対処するために、金型温度を高くし
て樹脂の流動性を高めたり、射出速度の増大、保持圧力
や型締め圧力の増大等、種々の対策が考えられる。しか
し、これらの方法は多少の改善の効果は見られるが、ピ
ットやグルーブの形状によっては十分な転写性を確保す
ることができなかった。また、これらの改善策は、複屈
折等の光学特性や機械特性がディスクの内周から外周に
かけて均一になりにくいという問題をもたらす。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、転写
を良好に行えると共に成形を容易にし、特にトラックピ
ッチを狭くしても成形品の凸部の転写状態を良好にす
る、高密度記録に十分に対応できる、例えば光ディスク
等の光学的情報記録媒体等の情報記録媒体等の成形の際
に使用されるスタンパ、及びそのスタンパー作製のため
のレジスト原盤の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の第一の発
明は、樹脂への転写後の該樹脂の凸部(P)に相当する
凹部(S)と、樹脂への転写後の該樹脂の凹部(P)に
相当する凸部(S)を設けたスタンパーにおいて、樹脂
充填の際にキャビティ内に残存する圧縮エアーを一時退
避させるクリアランスを設けたことを特徴とするスタン
パーである。
【0008】本発明の第二の発明は、前記クリアランス
を、転写後の樹脂の凸部(P)に相当する凹部(S)の
少なくとも一部に厚み方向に凹状に設けたことを特徴と
するスタンパーである。
【0009】本発明の第三の発明は、前記クリアランス
を、転写後の樹脂の凹部(P)に相当する凸部(S)の
下部の少なくとも一部に該凸部(S)の中心方向に凹状
に設けたことを特徴とするスタンパーである。
【0010】本発明の第四の発明は、前記第二の発明の
スタンパー作製のためのレジスト原盤の製造方法であっ
て、ガラス板に近い側の第一層目のポジ型フォトレジス
トの感度をガラス板に遠い側の第二層目のネガ型フォト
レジストの感度よりも高感度にして、ガラス板に二層か
らなるフォトレジストをそれぞれ塗布する工程と、必要
によってプリベークする工程と、変調されたレーザービ
ームを用いて露光する工程と、露光後に現像する工程を
有することを特徴とするスタンパー作製のためのレジス
ト原盤の製造方法である。
【0011】本発明の第五の発明は、前記第二の発明の
スタンパー作製のためのレジスト原盤の製造方法であっ
て、ガラス板に近い側の第一層目のネガ型フォトレジス
トの感度をガラス板に遠い側の第二層目のポジ型フォト
レジストの感度よりも低感度にして、ガラス板に二層か
らなるフォトレジストをそれぞれ塗布する工程と、必要
によってプリベークする工程と、変調されたレーザービ
ームを用いて露光する工程と、露光後に現像する工程を
有することを特徴とするスタンパー作製のためのレジス
ト原盤の製造方法である。
【0012】本発明の第六の発明は、前記第三の発明の
スタンパー作製のためのレジスト原盤の製造方法であっ
て、ガラス板に近い側の第一層目のポジ型フォトレジス
トの感度をガラス板に遠い側の第二層目のポジ型フォト
レジストの感度よりも高感度にして、ガラス板に二層か
らなるポジ型フォトレジストをそれぞれ塗布する工程
と、必要によってプリベークする工程と、変調されたレ
ーザービームを用いて露光する工程と、露光後に現像す
る工程を有することを特徴とするスタンパー作製のため
のレジスト原盤の製造方法である。
【0013】本発明の第七の発明は、前記第三の発明の
スタンパー作製のためのレジスト原盤の製造方法であっ
て、ガラス板に近い側の第一層目のネガ型フォトレジス
トの感度をガラス板に遠い側の第二層目のネガ型フォト
レジストの感度よりも低感度にして、ガラス板に二層か
らなるネガ型フォトレジストをそれぞれ塗布する工程
と、必要によってプリベークする工程と、変調されたレ
ーザービームを用いて露光する工程と、露光後に現像す
る工程を有することを特徴とするスタンパー作製のため
のレジスト原盤の製造方法である。
【0014】本発明の第八の発明は、前記第三の発明の
スタンパー作製のためのレジスト原盤の製造方法であっ
て、ガラス板に、ガラス板に近い側の第一層目のネガ型
フォトレジストとガラス板に遠い側の第二層目のポジ型
フォトレジストの二層からなるフォトレジストをそれぞ
れ塗布する工程と、必要によってプリベークする工程
と、変調されたレーザービームを用いて第二層目だけが
反応するように露光する工程と、露光後に現像する工程
を有することを特徴とするスタンパー作製のためのレジ
スト原盤の製造方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明は、樹脂への転写後の該樹
脂の凸部(P)に相当する凹部(S)と、樹脂への転写
後の該樹脂の凹部(P)に相当する凸部(S)を設けた
スタンパーにおいて、樹脂充填の際にキャビテイ内に残
存する圧縮エアーを一時退避させるクリアランスを設け
たことを特徴とするスタンパー、及びそのスタンパー作
製のためのレジスト原盤製造方法である。
【0016】本発明によれば、例えば光ディスクの場
合、成形後ランド部に相当するスタンパー上の全ての凹
部(S)または凸部(S)各々に、樹脂導入にともない
圧縮されるエアーを一時退避させるクリアランスを設け
ている。このクリアランスにより、エアーの圧縮に要す
る容積を拡張でき、圧縮エアーからの樹脂への圧力が軽
減され、溶融樹脂をスタンパー凹部(S)の深くまで充
填することを可能にする。また、このような本発明のス
タンパーの使用により、転写性向上に伴う成形樹脂の過
度な負荷をかけることを必要とせず、転写性、光学特
性、機械特性に対する成形条件の最適化を従来に比べ容
易にする。
【0017】
【実施例】以下、本発明を適用した実施例について図面
を参照しながら説明する。 実施例1 図3は本発明によるレジスト原盤作製工程を示す工程図
である。平滑に研磨されたガラス板30に、レジスト層
31としてキノンジアジド系感光剤およびノボラック樹
脂からなるポジ型フォトレジストをスピンナーで塗布す
る(図3(a)参照)。厚みはベーキングによる減少分
を考慮しておく。そして、プリベークにより溶剤を揮発
させる。この様にして作製されたレジスト原盤を3値の
変調強度を持つレーザー光32で露光する(図3(b)
参照)と、レジスト層31がポジ型フォトレジストであ
ることから、現像時は露光された箇所は溶解して消失す
る。逆に、露光していない箇所は耐食性層となって残留
する。所定時間(Tl)の現像後、図3(c)のような
断面形状を有するレジスト原盤33が得られた。また、
当然のことながら、4値以上の多値の変調強度を有する
レーザー光、いわゆるピットなどを形成して作製するこ
とも可能である。
【0018】この原盤から図1のような断面形状を有す
るスタンパを作製し、射出成形機により樹脂基板を成形
した。図1において、11はスタンパー、12は樹脂充
填の際にキャビテイ内に残存する圧縮エアーを一時退避
させるクリアランス、13は樹脂である。また、クリア
ランス12は、転写後の樹脂の凸部(P)14に相当す
る凹部(S)15の一部に厚み方向に凹状に設けられて
いる。
【0019】成形材料はポリカーボネート樹脂を使用
し、直径3.5インチ、厚さ1.2mm、トラックピッ
チlμm、ランド幅0.65μmのディスク基板を成形
した。また、成形条件は樹脂溶融温度340℃、金型温
度120℃、射出速度80mm/sec、型締圧力25
kgf/cm2 で行った。
【0020】以上のようにして作製した基板の断面形状
は、AFM及びSEM観察の結果、模式的には図9
(a)のようになり、スタンパーの断面形状と比較した
結果、
【0021】
【数1】(転写率)=(基板のランド部の断面の面積)
/(スタンパの凹部の断面の面積)×l00(%) とした場合、98%と良好な転写性を示した。
【0022】また、ディスクの半径方向の複屈折、及び
チルト(Tilt)の依存性は、それぞれ図10、図1
1のようになった。
【0023】複屈折の測定方法は、位相変調型複屈折測
定法により行なった。また、Tiltは、静電容量方式
で面振れ量を検出し、その面振れ量により算出した。
【0024】実施例2 図3は本発明によるレジスト原盤作製工程を示す工程図
である。平滑に研磨されたガラス板30に、レジスト層
31としてビスアジド系感光剤およびゴムからなるネガ
型フォトレジストをスピンナーで塗布する(図3(a)
参照)。厚みはベーキングによる減少分を考慮してお
く。そして、プリベークにより溶剤を揮発させる。この
様にして作製されたレジスト原盤を3値の変調強度を持
つレーザー光で露光する(図3(b)参照)と、レジス
ト層がネガ型フォトレジストであることから、現像時は
露光された箇所は耐食性層となって残留する。逆に、露
光していない箇所は溶解して消失する。所定時間(T
2)の現像後、図3(c)のような断面形状を有するレ
ジスト原盤が得られた。また、当然のことながら、4値
以上の多値の変調強度を有するレーザー光により、いわ
ゆるピットなどを形成して作製することも可能である。
【0025】この原盤から図1のような断面形状を有す
るスタンパを作製し、他は実施例1と同様にして、射出
成形機により樹脂基板を成形した。以上のようにして作
製した基板の断面形状は、AFM及びSEM観察の結
果、模式的には図9(a)のようになり、スタンパーの
断面形状と比較した結果、99%と良好な転写性を示し
た。また、ディスクの半径方向の複屈折、及びTilt
の依存性は、それぞれ図10、図11のようになった。
【0026】実施例3 図4は本発明によるレジスト原盤作製工程を示す工程図
である。平滑に研磨されたガラス板40に第一層目のレ
ジスト層41として、キノンジアジド系感光剤およびノ
ボラック樹脂からなるポジ型フォトレジストをスピンナ
ーで塗布する(図4(a)参照)。厚みはベーキングに
よる減少分を考慮しておく。プリベークにより溶剤を揮
発させた後、第二層目のレジスト層42として第一層目
のポジ型フォトレジストよりも低分光感度のビスアジド
系感光剤およびゴムからなるネガ型フォトレジストをス
ピンナーで塗布する(図4(b)参照)。この時も厚み
はベーキングによる減少分を考慮しておく。そして、プ
リベークにより溶剤を揮発させる。
【0027】この様にして作製されたレジスト原盤を2
値の変調強度を持つレーザー光で露光する(図4(c)
参照)と、第一層目がポジ型フォトレジスト、第二層目
はネガ型フォトレジストであることから、現像時は、露
光された箇所は第一層目が溶解して消失し、第二層目が
耐食性層となって残留する。逆に、露光していない箇所
は第一層目が耐食性層となって残留し、第二層目が溶解
して消失する。この時、第一層目のポジ型フォトレジス
トは第二層目のネガ型フォトレジストよりも高分光感度
であることから、レーザー光に対する反応領域は第一層
目よりも第二層目の方が小さく(図6(b)参照)、所
定時間(T3)の現像後、図4(d)のような断面形状
を有するレジスト原盤が得られた。また、当然のことな
がら、3値以上の多値の変調強度を有するレーザー光に
より、いわゆるピットなどを形成して作製することも可
能である。
【0028】この原盤からニッケル電鋳により作製した
スタンパをマザースタンパとして、図1のような断面形
状を有するスタンパを作製し、他は実施例1と同様にし
て、射出成形機により樹脂基板を成形した。
【0029】以上のようにして作製した基板の断面形状
は、AFM及びSEM観察の結果、模式的には図9
(a)のようになり、スタンパーの断面形状と比較した
結果、99%と良好な転写性を示した。また、ディスク
の半径方向の複屈折、及びTiltの依存性は、それぞ
れ図10、図11のようになった。
【0030】実施例4 図4は本発明によるレジスト原盤作製工程を示す工程図
である。平滑に研磨されたガラス板40に第一層目のレ
ジスト層41として、ビスアジド系感光剤およびゴムか
らなるネガ型フォトレジストをスピンナーで塗布する
(図4(a)参照)。厚みはベーキングによる減少分を
考慮しでおく。プリベークにより溶剤を揮発させた後、
第二層目のレジスト層42として第一層目のネガ型フォ
トレジストよりも高分光感度のキノンジアジド系感光剤
およびノボラック樹脂からなるポジ型フォトレジストを
スピンナーで塗布する(図4(b)参照)。この時も厚
みはベーキングによる減少分を考慮しておく。そして、
プリベークにより溶剤を揮発させる。この様にして作製
されたレジスト原盤を2値の変調強度を持つレーザー光
で露光する(図4(c)参照)と、第一層目がネガ型フ
ォトレジスト、第二層目はポジ型フォトレジストである
ことから、現像時は、露光された箇所は第一層目が耐食
性層となって残留し、第二層目が溶解して消失する。逆
に、露光していない箇所は第一層目が溶解して消失し、
第二層目が耐食性層となって残留する。この時、第一層
目のネガ型フォトレジストは第二層目のポジ型フォトレ
ジストよりも低分光感度であることから、レーザー光に
対する反応領域は第二層目よりも第一層目の方が小さく
(図6(a)参照)、所定時間(T4)の現像後、図4
(d)のような断面形状を有するレジスト原盤が得られ
た。また、当然のことながら、3値以上の多値の変調強
度を有するレーサー光により、いわゆるピットなどを形
成して作製することにも可能である。
【0031】この原盤からニッケル電鋳により作製した
スタンパをマザースタンパとして、図1のような断面形
状を有するスタンパを作製し、他は実施例1と同様にし
て、射出成形機により樹脂基板を成形した。
【0032】以上のようにして作製した基板の断面形状
は、AFM及びSEM観察の結果、模式的には図9
(a)のようになり、スタンパーの断面形状と比較した
結果、99%と良好な転写性を示した。また、ディスク
の半径方向の複屈折、及び、Tiltの依存性は、それ
ぞれ図10、図11のようになった。
【0033】実施例5 図5は本発明によるレジスト原盤作製工程を示す工程図
である。平滑に研磨されたガラス板50に、第一層目の
レジスト層51としてキノンジアジド系感光剤およびノ
ボラック樹脂からなるポジ型フォトレジストをスピンナ
ーで塗布する(図5(a)参照)。厚みはベーキングに
よる減少分を考慮しておく。プリベークにより溶剤を揮
発させた後、第二層目のレジスト層52として第一層目
のポジ型フォトレジストよりも低分光感度のキノンジア
ジド系感光剤およびノボラック樹脂からなるポジ型フォ
トレジストをスピンナーで塗布する(図5(b)参
照)。この時も厚みはベーキングによる減少分を考慮し
ておく。そして、プリベークにより溶剤を揮発させる。
この様にして作製されたレジスト原盤を2値の変調強度
を持つレーザー光で露光する(図5(c)参照)と、第
一層目、第二層目ともにポジ型フォトレジストであるこ
とから、現像時は露光された箇所は溶解して消失する。
逆に、露光していない箇所は耐食性層となって残留す
る。この時、第一層目のポジ型フォトレジストは第二層
目のポジ型フォトレジストよりも高分光感度であること
から、レーザー光に対する反応領域は第二層目よりも第
一層目の方が大きく(図6(b)参照)、所定時間(T
5)の現像後、図5(d)のような断面形状を有するレ
ジスト原盤が得られた。また、当然のことながら、3値
以上の多値の変調強度を有するレーザー光により、いわ
ゆるピットなどを形成して作製することにも可能であ
る。
【0034】この原盤から図2のような断面形状を有す
るスタンパを作製し、他は実施例1と同様にして、射出
成形機により樹脂基板を成形した。図2において、11
はスタンパー、12は樹脂充填の際にキャビテイ内に残
存する圧縮エアーを一時退避させるクリアランス、13
は樹脂である。また、クリアランス12は、転写後の樹
脂の凹部(P)16に相当する凸部(S)17の下部の
一部に該凸部(S)17の中心方向に凹状に設けられて
いる。
【0035】以上のようにして作製した基板の断面形状
は.AFM及びSEM観察の結果、模式的には図9
(a)のようになり、スタンパーの断面形状と比較した
結果、98%と良好な転写性を示した。また、ディスク
の半径方向の複屈折、及びTiltの依存性は、それぞ
れ図10、図11のようになった。
【0036】実施例6 図5は本発明によるレジスト原盤作製工程を示す工程図
である。平滑に研磨されたガラス板50に、第一層目の
レジスト層51としてビスアジド系感光剤およびゴムか
らなるネガ型フォトレジストをスピンナーで塗布する
(図5(a)参照)。厚みはベーキングによる減少分を
考慮しておく。プリベークにより溶剤を揮発させた後、
第二層目のレジスト層52として第一層目のネガ型フォ
トレジストよりも高分光感度の、ビスアジド系感光剤お
よびゴムからなるネガ型フォトレジストをスピンナーで
塗布する(図5(b)参照)。この時も厚みはベーキン
グによる減少分を考慮しておく。そして、プリベークに
より溶剤を揮発させる。この様にして作製されたレジス
ト原盤を2値の変調強度を持つレーザー光で露光する
(図5(c)参照)と、第一層目、第二層目ともにネガ
型フォトレジストであることから、現像時は露光された
箇所は耐食性層となって残留する。逆に、露光していな
い箇所は溶解して消失する。この時、第一層目のネガ型
フォトレジストは第二層目のネガ型フォトレジストより
も低分光感度であることから、レーザー光に対する反応
領域は第一層目よりも第二層目の方が大きく(図6
(a)参照)、所定時間(T6)の現像後、図5(d)
のような断面形状を有するレジスト原盤が得られた。ま
た、当然のことながら、3値以上の多値の変調強度を有
するレーザー光により、いわゆるピットなどを形成して
作製することも可能である。
【0037】この原盤から図2のような断面形状を有す
るスタンパを作製し、他は実施例1と同様にして、射出
成形機により樹脂基板を成形した。
【0038】以上のようにして作製した基板の断面形状
は、AFM及びSEM観察の結果、模式的には図9
(a)のようになり、スタンパーの断面形状と比較した
結果、98%と良好な転写性を示した。また、ディスク
の半径方向の複屈折、及びTiltの依存性は、それぞ
れ図10、図11のようになった。
【0039】実施例7 図5は本発明によるレジスト原盤作製工程を示す工程図
である。平滑に研磨されたガラス板50に第一層目のレ
ジスト層51として、ビスアジド系感光剤およびゴムか
らなるネガ型フォトレジストをスピンナーで塗布する
(図5(a)参照)。厚みはベーキングによる減少分を
考慮しておく。プリベークにより溶剤を揮発させた後、
第二層目のレジスト層52として第一層目のネガ型フォ
トレジストよりも高分光感度のキノンジアジド系感光剤
およびノボラック樹脂からなるポジ型フォトレジストを
スピンナーで塗布する(図5(b)参照)。この時も厚
みはベーキングによる減少分を考慮しておく。そして、
プリベークにより溶剤を揮発させる。ここで、第一層目
と第二層目のフォトレジストは、感度差を大きめにして
選別する。この様にして作製されたレジスト原盤を2値
の変調強度を持つレーザー光で、理想的には第二層目だ
けがレーザー光に対し反応するように、露光する(図5
(c)参照)。第一層目がネガ型フォトレジスト、第二
層目はポジ型フォトレジストであることから、現像時
は、露光された箇所は第二層目が溶解して消失し、ま
た、第一層目は第二層目と異なり末反応領域が多いため
に最終的には溶解し消失する。逆に、露光していない箇
所は第一層目が耐食性層となって残留し、第二層目は現
像液に溶解するが、第一層目の耐食性層の陰になってい
ることからその反応は現像液に接している面から徐々に
進行する。この結果、所定時間(T7)の現像後、図5
(d)のような断面形状を有するレジスト原盤が得られ
た。また、当然のことながら、3値以上の多値の変調強
度を有するレーザー光により、いわゆるピットなどを形
成して作製することにも可能である。
【0040】この原盤から図2のような断面形状を有す
るスタンパを作製し、他は実施例1と同様にして、射出
成形機により樹脂基板を成形した。以上のようにして作
製した基板の断面形状は、AFM及びSEM観察の結
果、模式的には図9(a)のようになり、スタンパーの
断面形状と比較した結果、98%と良好な転写性を示し
た。また、ディスクの半径方向の複屈折、及びTilt
の依存性は、それぞれ図10、図11のようになった。
【0041】比較例1 平滑に研磨されたガラス板にレジスト層としてキノンジ
アジド系感光剤およびノボラック樹脂からなるポジ型フ
ォトレジストをスピンナーで塗布する。この後、プリベ
ークにより溶剤を揮発させ、2値の変調強度を持つレー
ザー光で露光・現像し、このようにしてできたレジスト
原盤から図7のような断面形状を有するスタンパを作製
し、他は実施例1と同様にして、射出成形機により樹脂
基板を成形した。
【0042】以上のようにして作製した基板の断面形状
は、AFM及びSEM観察の結果、模式的には図9
(b)のようになり、スタンパーの断面形状と比較した
結果、90%の転写率を示した。
【0043】また、ディスクの半径方向の複屈折、及び
Tiltの依存性は、それぞれ図10、図11のように
なり、Tiltに関しては実施例と差はないが、複屈折
に関しては若干実施例の方が良いという傾向がみられ
る。
【0044】比較例2 比較例1のスタンパー用いて、射出成形機により樹脂基
板を成形した。この時、実施例1の成形条件に対し、金
型温度130℃、型締圧力40kgf/cm2に変更し
て成形を行った。
【0045】以上のようにして作製した基板の断面形状
は、AFM及びSEM観察の結果、模式的には図9
(a)のようになり、スタンパーの断面形状と比較した
結果、98%と良好な転写性を示した。
【0046】しかし、ディスクの半径方向の複屈折、及
び、Tiltの依存性は、それぞれ図10、図11のよ
うになり、他の実施例、比較例1と比べて特性の悪化が
観測された。
【0047】
【発明の効果】本発明により、スタンパーからの転写を
良好にする。特に、高密度記録化にともなう成形品の凸
部に相当するスタンパーの凹部の幅を狭くした時にも、
該成型品の凸部の転写状態を良好にする。また、この本
発明のスタンパーの使用により、転写性向上に伴う成形
樹脂の過度な負荷をかけることを必要とせず、転写性、
光学特性、機械特性に対する成形条件の最適化を従来に
比べ容易にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスタンパーの一例を示す模式的断面図
である。
【図2】本発明のスタンパーの他の例を示す模式的断面
図である。
【図3】本発明の実施例1,2によるレジスト原盤作製
工程を示す工程図である。
【図4】本発明の実施例3,4によるレジスト原盤作製
工程を示す工程図である。
【図5】本発明の実施例5,6,7によるレジスト原盤
作製工程を示す工程図である。
【図6】本発明の実施例3〜6におけるレジスト層のレ
ーザー光に対する反応領域を表した模式的断面図であ
る。
【図7】従来の光ディスク用スタンパーの模式的断面図
である。
【図8】スタンパー凹部における転写不良の説明図であ
る。
【図9】本発明のスタンパー及び従来のスタンパーによ
り作製したディスクの模式的断面図である。
【図10】実施例及び比較例の複屈折特性のディスク半
径依存性を示す図である。
【図11】実施例及び比較例のTiltのディスク半径
依存性を示す図である。
【符号の説明】
11 スタンパー 12 クリアランス 13 樹脂 30,40,50 ガラス板 31 レジスト層 32,43 レーザー光 33 レジスト原盤 41,51 第一層目のレジスト層 42,52 第二層目のレジスト層 50 ガラス板

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂への転写後の該樹脂の凸部(P)に
    相当する凹部(S)と、樹脂への転写後の該樹脂の凹部
    (P)に相当する凸部(S)を設けたスタンパーにおい
    て、樹脂充填の際にキャビティ内に残存する圧縮エアー
    を一時退避させるクリアランスを設けたことを特徴とす
    るスタンパー。
  2. 【請求項2】 前記クリアランスを、転写後の樹脂の凸
    部(P)に相当する凹部(S)の少なくとも一部に厚み
    方向に凹状に設けたことを特徴とする請求項1記載のス
    タンパー。
  3. 【請求項3】 前記クリアランスを、転写後の樹脂の凹
    部(P)に相当する凸部(S)の下部の少なくとも一部
    に該凸部(S)の中心方向に凹状に設けたことを特徴と
    する請求項1記載のスタンパー。
  4. 【請求項4】 請求項2記載のスタンパー作製のための
    レジスト原盤の製造方法であって、ガラス板に近い側の
    第一層目のポジ型フォトレジストの感度をガラス板に遠
    い側の第二層目のネガ型フォトレジストの感度よりも高
    感度にして、ガラス板に二層からなるフォトレジストを
    それぞれ塗布する工程と、必要によってプリベークする
    工程と、変調されたレーザービームを用いて露光する工
    程と、露光後に現像する工程を有することを特徴とする
    スタンパー作製のためのレジスト原盤の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項2記載のスタンパー作製のための
    レジスト原盤の製造方法であって、ガラス板に近い側の
    第一層目のネガ型フォトレジストの感度をガラス板に遠
    い側の第二層目のポジ型フォトレジストの感度よりも低
    感度にして、ガラス板に二層からなるフォトレジストを
    それぞれ塗布する工程と、必要によってプリベークする
    工程と、変調されたレーザービームを用いて露光する工
    程と、露光後に現像する工程を有することを特徴とする
    スタンパー作製のためのレジスト原盤の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項3記載のスタンパー作製のための
    レジスト原盤の製造方法であって、ガラス板に近い側の
    第一層目のポジ型フォトレジストの感度をガラス板に遠
    い側の第二層目のポジ型フォトレジストの感度よりも高
    感度にして、ガラス板に二層からなるポジ型フォトレジ
    ストをそれぞれ塗布する工程と、必要によってプリベー
    クする工程と、変調されたレーザービームを用いて露光
    する工程と、露光後に現像する工程を有することを特徴
    とするスタンパー作製のためのレジスト原盤の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項3記載のスタンパー作製のための
    レジスト原盤の製造方法であって、ガラス板に近い側の
    第一層目のネガ型フォトレジストの感度をガラス板に遠
    い側の第二層目のネガ型フォトレジストの感度よりも低
    感度にして、ガラス板に二層からなるネガ型フォトレジ
    ストをそれぞれ塗布する工程と、必要によってプリベー
    クする工程と、変調されたレーザービームを用いて露光
    する工程と、露光後に現像する工程を有することを特徴
    とするスタンパー作製のためのレジスト原盤の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項3記載のスタンパー作製のための
    レジスト原盤の製造方法であって、ガラス板に、ガラス
    板に近い側の第一層目のネガ型フォトレジストとガラス
    板に遠い側の第二層目のポジ型フォトレジストの二層か
    らなるフォトレジストをそれぞれ塗布する工程と、必要
    によってプリベークする工程と、変調されたレーザービ
    ームを用いて第二層目だけが反応するように露光する工
    程と、露光後に現像する工程を有することを特徴とする
    スタンパー作製のためのレジスト原盤の製造方法。
JP32196197A 1997-11-10 1997-11-10 スタンパー及びそのスタンパー作製のためのレジスト原盤の製造方法 Pending JPH11144332A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008310944A (ja) * 2007-05-16 2008-12-25 Fujifilm Corp モールド構造体及びそれを用いたインプリント方法、並びに磁気記録媒体及びその製造方法
JP2009274445A (ja) * 2003-07-11 2009-11-26 Kuraray Co Ltd 燃料電池の流路部材用スタンパの製造方法、燃料電池用流路部材の製造方法、燃料電池用流路部材及び燃料電池

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