JPH1114367A - 角速度センサ - Google Patents

角速度センサ

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JPH1114367A
JPH1114367A JP9163851A JP16385197A JPH1114367A JP H1114367 A JPH1114367 A JP H1114367A JP 9163851 A JP9163851 A JP 9163851A JP 16385197 A JP16385197 A JP 16385197A JP H1114367 A JPH1114367 A JP H1114367A
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JP
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floating
floating body
angular velocity
comb
electrode
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JP9163851A
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English (en)
Inventor
Manabu Kato
藤 学 加
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Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 角速度検出精度の向上。角速度が加わってい
ないときの角速度信号の偏倚を抑制。 【解決手段】 シリコン基板1にx方向には可動、y方
向には不動に支持された導電性ポリシリコン半導体薄膜
の第1浮動体2;これにx方向には不動、y方向には可
動に支持された第2浮動体3;第1浮動体2をx方向に
振動駆動する手段4,5,15;第2浮動体3のy方向
変位を検出する変位検出手段6a,6b,7a,7b,
12,13,17;および、変位信号を角速度信号に変
換する変換手段18;を備える。第1浮動体2はx,y
平面上で矩形リング21であり、第1および第2浮動体
2,3の重心位置が同一。第1浮動体2はy方向に延び
る梁22a〜dで浮動支持した。第2浮動体3はx方向
に延びる梁32a〜32dで浮動支持した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板に対して浮動
支持された振動体を備える角速度センサに関し、特に、
これに限定する意図ではないが、半導体微細加工技術を
用いて形成される浮動半導体薄膜を櫛歯電極にて電気的
に吸引/解放してx方向に励振する角速度センサに関す
る。
【0002】
【従来の技術】この種の角速度センサの代表的なもの
は、浮動薄膜の左辺部に1組かつ右辺部に1組の浮動櫛
歯電極(左側浮動櫛歯電極と右側浮動櫛歯電極)を備
え、固定櫛歯電極も2組(各組の浮動櫛歯電極に非接触
で噛み合いかつ平行な左側固定櫛歯電極および右側固定
櫛歯電極)として、左側浮動櫛歯電極/左側固定櫛歯電
極間と右側浮動櫛歯電極/右側固定櫛歯電極間に交互に
電圧を印加することにより、浮動薄膜がx方向に振動す
る。浮動薄膜に、z軸を中心とする回転の角速度が加わ
ると、浮動薄膜にコリオリ力が加わって、浮動薄膜は、
y方向にも振動する楕円振動となる。浮動薄膜を導体と
しもしくは電極が接合したものとし、浮動薄膜のxz平
面に平行な検出電極を基板上に備えておくと、この検出
電極と浮動薄膜との間の静電容量が、楕円振動のy成分
(角速度成分)に対応して振動する。この静電容量の変
化(振幅)を測定することにより、角速度を求めること
が出来る(例えば特開平9−127148号公報,特開
平9−42973号公報,特願平8−249822号,
特願平9−121989号)。
【0003】従来、半導体薄膜を浮動体(浮動薄膜)と
して用いたこの種の角速度センサにおいて、基板に対し
て平行なx方向の静電駆動による浮動体の駆動または静
電容量による変位検出には、交互にかみ合う櫛歯状の電
極や平行平板電極を用いており、それらの電極は、半導
体薄膜をエッチングした面(xz面)を用いている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】浮動体は、角速度検出
原理からx方向およびy方向に可動である必要があり、
したがって従来は、浮動体をx方向およびy方向に共に
可動にして、基板で支持している。ところで、浮動体の
x方向の励振駆動は、x方向に延びる平行平板電極(浮
動櫛歯電極/固定櫛歯電極)で行なわれ、この平行平板
電極は、浮動体にy方向の吸引力を与え易い。すなわ
ち、x方向に延びる一本(一歯)の浮動櫛歯電極を、x
方向に延びる二本(2歯)の固定櫛歯電極が空隙を置い
て挟んでいるので、該一本の浮動櫛歯電極が正しく該二
本の固定櫛歯電極の中間点に位置するときには、該二本
の固定櫛歯電極がそれぞれ該一本の浮動櫛歯電極に、絶
対値が同一で方向が逆向きのy方向静電吸引力を及ぼす
ので、固定櫛歯電極から浮動櫛歯電極にy方向の駆動力
は加わらない。しかし、該一本の浮動櫛歯電極が、該二
本の固定櫛歯電極の中間点よりわずかでも一方の固定櫛
歯電極側にずれていると、浮動体にz軸廻りの角速度が
加わっていなくても、固定櫛歯電極から浮動櫛歯電極に
y方向の駆動力が加わり、浮動体がy方向に偏位する。
【0005】これは角速度が加わったときの浮動体の変
位と同一周期で変位するので、角速度が加わっていない
ときにも角速度があるのと同様な検出信号を発生させる
オフセットの原因となる。また、温度によるオフセット
の変動(温度ドリフト)の原因となり、角速度検出精度
の低下を招き易い。
【0006】本発明は、角速度検出精度を高くすること
を目的とし、より具体的には、角速度が加わっていない
ときの角速度信号の偏倚を抑制することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明の角速度センサは、基板(1);基板(1)にx
方向には可動に、y方向には実質上不動に支持された第
1可動体(2);第1可動体にx方向には実質上不動に、
y方向には可動に支持された第2可動体(3);第1可動
体(2)をx方向に振動駆動する励振手段(4,5,15);第2
可動体(3)のy方向変位を検出する変位検出手段(6a,6b,
7a,7b,12,13,17);および、該変位検出手段が発生する
変位信号を角速度信号に変換する変換手段(18);を備え
る。
【0008】なお、理解を容易にするためにカッコ内に
は、図面に示し後述する実施例の対応要素又は相当部材
に付した記号を、参考までに付記した。
【0009】励振手段(4,5,15)が第1可動体(2)をx方
向に振動駆動すると、第1可動体(2)と共に第2可動体
(3)がx方向に振動する。z軸廻りの角速度が加わる
と、第1可動体(2)は実質上y方向に振動しないが、第
2可動体(3)がy方向にも振動しこれにより変位検出手
段(6a,6b,7a,7b,12,13,17)が、第2可動体(3)のy方向
変位を表わす変位信号を発生し、これを変換手段(18)が
角速度信号に変換する。
【0010】第1可動体(2)がy方向には実質上不動で
あるので、x方向励振駆動により仮にy方向の駆動力が
加わってもy方向には実質上変位せず、第1可動体(2)
で支持された第2可動体(3)は、したがって、x方向励
振駆動によってはy方向に駆動されず、角速度が加わっ
ていないときに変位信号を偏倚させることがない。これ
により角速度検出精度が高くなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
(2)第1可動体(2)はx,y平面上で矩形リング状(2
1)であり、第1可動体(2)と第2可動体(3)の重心が実質
上同一位置である。第1可動体(2)が矩形リング状であ
るのでその重心は矩形リング(21)の中心位置であり、x
方向の励振に対して第1可動体(2)がx方向に平行移動
し、第1可動体(2)のx方向振動のバランスが良い。第
2可動体(3)の重心が第1可動体(2)の重心と同位置であ
るので、第2可動体(3)が第1可動体(2)のx方向の振動
のバランスをくずすことがない。また、第1可動体(2)
が第2平動体(3)のy方向の振動のバランスをくずすこ
とがない。 (3)第1可動体(2)は、一端が基板(1)に固定されたy
方向に延びる梁(22a〜d)で基板(1)に対して浮動支持し
た。y方向に延びる梁(22a〜d)は、y方向には撓まずx
方向に撓むので、これにより、第1可動体(2)は基板(1)
に対して、y方向には不動、x方向には可動の浮動支持
である。第1可動体(2)の浮動支持とx方向のみの変位
が確実である。
【0012】(4)第2可動体(3)は、一端が第1可動
体(2)に固定されたx方向に延びる梁(32a〜32d)で基板
(1)に対して浮動支持した。x方向に延びる梁(32a〜32
d)は、x方向には撓まずy方向に撓むので、これによ
り、第2可動体(3)は第1可動体(2)に対して、x方向に
は不動、y方向には可動の浮動支持である。第2可動体
(3)の、第1可動体(2)に対する浮動支持とy方向のみの
変位が確実である。
【0013】本発明の他の目的および特徴は、図面を参
照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【0014】
【実施例】
−第1実施例− 図1に本発明の第1実施例を示す。この実施例は、第2
浮動体3に加わるz軸廻りの角速度を検出する角速度セ
ンサである。図2に、図1に示す基板1の左下コ−ナ部
を拡大して示し、図3に図2上の3A−3A線拡大断面
を示す。
【0015】図1,図2および図3を参照されたい。絶
縁層を形成したシリコン基板1には、導電性とするため
の不純物を含むポリシリコン(以下導電性ポリシリコ
ン)の、浮動体アンカ8a〜8dおよび固定電極アンカ
10,11が接合しており、シリコン基板1上の絶縁層
の上に形成された配線(9,12,13等)により、導
電性ポリシリコンでなる半導体薄膜の、第1浮動体2,
第2浮動体3,固定電極4,5,6a〜6c,7a〜7
cは、接続電極(黒塗り4角)に接続されている。な
お、シリコン基板1に上記ポリシリコンの導電形(p)
と反対の導電性(n)の基板を用い、シリコン基板1に
pn接合により配線を形成し、上記配線と浮動体アンカ
8a〜8dおよび固定電極アンカ10,11と接続電極
(黒塗り4角)のアンカ部とを接合してもよい。
【0016】浮動体アンカ8a〜8dに、y方向に延び
る第1組の浮動支持梁22a〜22dが連続しており、
これらの支持梁22a〜22dに、基板1の表面に実質
上平行な、矩形リング状の第1浮動体2が連続してい
る。
【0017】第1浮動体2から左右(x方向)に、櫛歯
状にy方向に等ピッチで分布する複数個の、x駆動用の
可動側櫛歯電極23a,23bが突出している。1つの
固定電極アンカ10には、固定電極4の基幹が連続して
おり、該基幹には可動側櫛歯電極23aの歯間スロット
に進入した、x駆動用の櫛歯状の固定櫛歯電極42があ
り、もう1つの固定電極アンカ11には、固定電極5の
基幹が連続しており、該基幹には可動側櫛歯電極23b
の歯間スロットに進入した、x駆動用の櫛歯状の固定櫛
歯電極52がある。これらのx駆動用の可動側櫛歯電極
23a,23bとx駆動用の固定櫛歯電極42,52と
の間には、微小ギャップがある。
【0018】第2組の、x方向に延びる浮動支持梁32
a〜32dの一端が、矩形リング状の第1浮動体2のロ
形基部21に、一体で連なっており、これらの支持梁の
他端が、第1浮動体2のロ型リングの内空間中央にある
第2浮動体3の基幹31に、一体で連なっている。第2
浮動体3の基幹31には、第2組の支持梁32a〜32
dと平行な、x方向に延びるy変位検出用の櫛歯電極3
3a,33bがy方向に分布し、基幹31からx方向に
延びている。第2組の支持梁32a〜32dおよび櫛歯
電極33a,33bは、所定ピッチでy方向に分布して
いる。この分布の1ピッチ内のギャップに、y方向変位
検出用の第1組の多数の固定櫛歯電極6a,6bの1つ
と、y方向変位検出用の第2組の多数の固定櫛歯電極7
a,7bの1つがある。第1組の固定櫛歯電極6a,6
bは、シリコン基板1上の絶縁層の上に形成された、配
線12の分岐線12b,c,d,e・・・(図2,図
3)上にある。なお、分岐線12b,c,d,e・・・
は配線12aから分岐しており、配線12aは12と連
続である。第2組の固定櫛歯電極7a,7bは、シリコ
ン基板1上の絶縁層の上に形成された、配線13の分岐
線13b,c,d,e・・・(図2,図3)上にある。
なお、分岐線13b,c,d,e・・・は配線13aか
ら分岐しており、配線13aは13と連続である。
【0019】第1浮動体2のx軸平行辺(1対)の一方
から、x移動検出用の可動櫛歯電極24aがy方向に突
出し、これらの電極間ギャップに、x移動検出用の第1
組の櫛歯電極6cおよびx移動検出用の第2組の櫛歯電
極7cがあり、それぞれ別個の配線上にある。これらの
可動櫛歯電極24a,第1組の櫛歯電極6cおよび第2
組の櫛歯電極7cと同様なものが、第1浮動体2のx軸
平行辺(1対)の他方側にもある。
【0020】上述の、第1組の浮動支持梁22a〜22
d,第1浮動体2,第2組の浮動支持梁32a〜32
d,第2浮動体3、および、固定電極4,5の櫛歯4
2,52は、基板1の表面からz方向に離れている。す
なわち基板1の表面に、ギャップを置いて対向してい
る。これらは、マイクロ加工技術により、浮動体アンカ
および固定電極アンカをシリコン基板1の表面上に形成
した後に、浮動体アンカおよび固定電極アンカに、一体
連続で形成される。上述のように、基板1の表面からz
方向に離れ、しかも基板1に対してx方向および又はy
方向に変位又は撓み得る支持態様を本書において「浮
動」又は「可動」と称す。
【0021】上述の第1浮動体2の形状はロ形リングで
あり、その2つの対角線の交点に関して上下および左右
対称であって、重心は該交点にある。この第1浮動体2
に第2組の支持梁32a〜32dを介して一体連続の第
2浮動体も、前記交点に関して上下および左右対称であ
って、重心は該交点にある。
【0022】第1浮動体2を支持する第1組の浮動支持
梁22a〜dが基体1から浮いておりしかもy方向に延
びるので、それらはy方向には撓まないが、x方向には
撓み易く、第1浮動体2は、y方向には振動しにくく、
x方向に振動し易い。第2浮動体3は第1浮動体2と一
体連続であり、しかもx方向に延びる第2組の浮動支持
梁32a〜32dを介して第1浮動体2で支持されてい
るので、第1浮動体3がx方向に振動すると第2浮動体
3も同じくx方向に振動する。第2組の浮動支持梁32
a〜32dはx方向には撓まないが、y方向には撓み易
く、第2浮動体3は、x方向には振動しにくく、y方向
に振動し易い。これにより、z軸廻りの角速度がセンサ
全体(1,2,3)に加わると、第2浮動体3はy方向
に振動するが、第1浮動体2はy方向には実質上振動し
ない。
【0023】第1浮動体2(および第2浮動体3)は、
基板1上の配線9を介してx駆動回路15に接続され、
そこで機器ア−ス(GND)に接続されている。固定電
極4と5は、アンカ10,11上の電極導体を介してx
駆動回路15に接続されている。x駆動回路15は、固
定電極4と5に交互に高電圧を印加しこれを繰返す。第
1浮動体2(および第2浮動体3)は、固定電極4(櫛
歯電極42)に高電圧が加わったときに図1上で左方に
引かれ、固定電極5(櫛歯電極52)に高電圧が加わっ
たときに右方に引かれて、左右に振動する。
【0024】第1浮動体2が左方に移動するときには、
x移動検出用の可動櫛歯電極24aとx移動検出用の第
1組の固定櫛歯電極6cとの間の静電容量は減少する
が、可動櫛歯電極24aとx移動検出用の第2組の固定
櫛歯電極7cとの間の静電容量は増大する。右方に移動
するときにはその逆となる。可動櫛歯電極24aは機器
ア−ス電位(GND)であるが、固定櫛歯電極6cと7
cは静電容量検出回路16に接続されている。静電容量
検出回路16は、電極6cと7cの、電極24a(機器
ア−ス電位GND)に対する静電容量の差を表わす電気
信号を発生してx駆動回路15に与える。この電気信号
は、第1浮動体2のx振動に同期したレベル変化を示す
交流信号(以下、x振動同期信号)である。x駆動回路
15は、該交流信号のレベルの絶対値が設定値に達する
度に、上述の、高電圧を印加する電極4,5の切換えを
行なう。これにより、第1浮動体2(および第2浮動体
3)が、所定振幅でx方向に振動する。
【0025】また、駆動方法として静電容量検出回路1
6より得られる信号を用いて、PLL(フェ−ズド ロ
ック ル−プ)制御により共振周波数で駆動し、静電容
量検出回路16より得られる信号により駆動振幅を求
め、駆動電圧を増減して振幅が一定となるように制御し
てもよい。これにより低電圧駆動が可能となる。
【0026】また、可動櫛歯電極24a,固定櫛歯電極
6c,7cは、駆動櫛歯電極23,42,52と同様な
形状で、駆動櫛歯電極と同じ向きに配置してもよい。こ
れにより、駆動振幅が大きくなる。
【0027】第2浮動体3がy方向に振動すると、第2
浮動体3の櫛歯電極33aと固定櫛歯電極6a,6bと
の間の静電容量が増減振動し、これと逆位相で櫛歯電極
33aと固定櫛歯電極7a,7bとの間の静電容量が増
減振動する。静電容量検出回路17は、櫛歯電極33a
と固定櫛歯電極6a,6bとの間の静電容量と、櫛歯電
極33aと固定櫛歯電極7a,7bとの間の静電容量
と、の差を表わす電気信号(y振動同期信号)を発生
し、これを信号処理回路18に与える。第2浮動体3の
x振動が一定である場合、角速度と第2浮動体3のy振
動の振幅との間には一定の関係がある。信号処理回路1
8は、この関係に基づいて、y振動同期信号を角速度を
表わす信号(角速度信号)に変換する。
【0028】図4に、x駆動回路15が固定電極4,5
に加える電圧V1,V2と第1浮動体2(および第2浮
動体3)のx振動(x方向の変位)の関係、ならびに、
該x振動と第2浮動体3のy振動(y方向の変位)の関
係を示す。角速度の方向(時計廻り/反時計廻り)によ
り、y振動の位相が180度のずれ(図4上のy変位の
実線と2点鎖線)を生ずる。信号処理回路18は、静電
容量検出回路16からのx移動同期信号に対するy振動
同期信号の位相差に基づいて角速度の方向(時計廻り/
反時計廻り)を判定してそれを表わす方向信号と、y振
動同期信号の振幅に対応する角速度の絶対値を表わす角
速度値信号とを出力する。
【0029】上述の第1実施例によれば、第1浮動体2
には可動櫛歯電極23a,23bと固定櫛歯電極42,
52との間に+y方向又は−y方向の静電吸引力が加わ
り易い、すなわちy駆動力が作用し易いが、y方向に延
びる第1組の浮動支持梁22a〜dで第1浮動体2が支
持されているので、第1浮動体2のy移動は第1組の支
持梁22a〜dで阻止され、x駆動電圧V1,V2によ
り第1浮動体2がy駆動されることがない。これによ
り、第1浮動体2(および第2浮動体3)のx振動駆動
の効率が向上しx振動が安定する。
【0030】一方、第2浮動体3は、x方向に延びる第
2組の浮動支持梁32a〜dで第1浮動体2に支持され
ているので、角速度が加わると容易にy方向に振動す
る。このy振動には、x駆動電圧V1,V2によるy変
位が実質上含まれないので、また上述のようにx振動が
安定しているので、第2浮動体3のy振動は角速度のみ
に対応するものであり、したがって信号処理回路18が
出力する角速度信号(方向信号,角速度値信号)のS/
Nが高く、また検出精度の安定性が高い。
【0031】−第2実施例− 図5に本発明の第2実施例を示す。この第2実施例で
は、固定アンカ8a〜8dで、y方向に延びる第3組の
浮動支持梁26a〜dを支持し、これらの浮動支持梁2
6a〜dに、x方向に延びる浮動連結梁25a,25b
を一体連続とし、そしてこれらの浮動連結梁25a,2
5bに、y方向に延びる第1組の浮動支持梁22a〜d
を一体連続にしている。
【0032】第3組の浮動支持梁26a〜dがy方向に
延びるので、浮動連結梁25a,25bはx方向には変
位し易いがy方向には変位しにくい。すなわちこの第2
実施例では、共にy方向に延びる第1組と第3組の浮動
支持梁22a〜dと26a〜d、ならびに、浮動連結梁
25a,25bで第1浮動体2を浮動支持している。第
1浮動体2のy変位は第1組と第3組の浮動支持梁22
a〜dと26a〜dで阻止されるが、両組の浮動支持梁
22a〜dと26a〜dがx方向にはたわみ易いので、
第1浮動体2はx方向には容易に変位し、x振動を生じ
易い。
【0033】基板1に対して、第3組の浮動支持梁26
a〜dのたわみと第1組の浮動支持梁22a〜dのたわ
みの合計が第1浮動体2のx変位量となる。すなわち、
第1実施例(図1)の場合よりも、これらの浮動支持梁
22a〜dと26a〜dの少量のたわみで第1浮動体2
が大きくx変位するので、第1実施例の第1組の浮動支
持梁22a〜dを長くしたのと同等の効果が得られる。
にもかかわらず、第1浮動体2のy全長は格別に長くな
らず、コンパクトである。
【0034】第2実施例では、第1浮動体2にx変位検
出用の可動櫛歯24a,24bがあり、その直下に固定
櫛歯電極配線がありこれが配線14a,14bに連続し
ている。これらの配線は、基板1上の絶縁層の上にあ
る。つまり、配線14aに連続した固定櫛歯電極配線と
可動櫛歯24a,24bとは、z方向で相対向する平行
板(コンデンサ)電極であり、第1浮動体2がx変位す
ると平行板間の対向面積が変わり両者間の静電容量が変
化する。固定櫛歯電極配線が連なる配線14a,14b
は静電容量検出回路16に接続されており、該回路16
は、配線14a,14bと第1浮動体2の間の静電容量
を表わす電気信号(x振動同期信号)を発生し、これを
X駆動回路15および信号処理回路18に与える。第2
実施例のその他の構成および機能は、上述の第1実施例
と同様である。
【0035】−第1,第2実施例の変形例− 第1および第2実施例は、第2浮動体3を、x方向に延
びる第2組の浮動支持梁32a〜dで第1浮動体2に支
持している。この支持構造は図6に示すように、1対の
リング状浮動支持梁(27a/27b/32b/32
a),(27c/32c/32d/27d)のそれぞれ
で第2浮動体3の両端部のそれぞれを支持するように変
形してもよい。この場合には、例えば角速度が加わって
y方向の力が第2浮動体3に加わると、第2組の浮動支
持梁32a〜dと第4組の浮動支持梁27a〜27dが
y方向にたわみ、第2浮動体3がy方向に変位し易い。
すなわち、第1実施例,第2実施例(図1,図5)の場
合よりも、第2組および第4組の浮動支持梁32a〜d
と27a〜dの少量のたわみで第2浮動体3が大きくy
変位するので、第1,第2実施例の第2組の浮動支持梁
32a〜dを長くしたのと同等の効果が得られる。
【0036】−第3実施例− 図7に本発明の第3実施例を示す。この第3実施例で
は、第2浮動体3も矩形リング状(ロ形リング状)とし
て、第2組の浮動支持梁32a〜dで第1浮動体2に対
して浮動支持している。第2浮動体3のx軸平行辺の中
央にy方向の突起があり、この突起に第2組の浮動支持
梁32a〜dの一端が一体連続であり、第2組の支持梁
32a〜dのx方向の長さは、第2浮動体3が矩形リン
グ状であるにもかかわらず、第1,第2実施例の支持梁
32a〜dの長さと同程度に長い。これにより第2浮動
体3をy方向に変位しやすくしている。第3実施例のそ
の他の構造および機能は、図1に示す第1実施例と同様
である。
【0037】−第4実施例− 図8に本発明の第4実施例を示す。この第4実施例で
も、第2浮動体3も矩形リング状(ロ形リング状)とし
て、第2組の浮動支持梁32a〜dで第1浮動体2に対
して浮動支持している。第2浮動体3のx軸平行辺の中
央にy方向の突起があり、この突起に第2組の浮動支持
梁32a〜dの一端が一体連続であり、第2組の支持梁
32a〜dのx方向の長さは、第2浮動体3が矩形リン
グ状であるにもかかわらず、第1,第2実施例の第2組
の支持梁32a〜dの長さと同程度に長い。これにより
第2浮動体3をy方向に変位しやすくしている。第4実
施例のその他の構造および機能は、図5に示す第2実施
例と同様である。
【0038】−第3,第4実施例の変形例− 第3および第4実施例は、第2浮動体3を、x方向に延
びる第2組の浮動支持梁32a〜dで第1浮動体2に支
持している。この支持構造は図9に示すように、1対の
H型浮動支持梁(27a/27b/32b/32a),
(27c/32c/32d/27d)のそれぞれで第2
浮動体3の両端部のそれぞれを支持するように変形して
もよい。この場合には、例えば角速度が加わってy方向
の力が第2浮動体3に加わると、第2組の浮動支持梁3
2a〜dと第4組の浮動支持梁27a〜27dがy方向
にたわみ、第2浮動体3がy方向に変位し易い。すなわ
ち、第3実施例,第4実施例(図7,図8)の場合より
も、第2組および第4組の浮動支持梁32a〜dと27
a〜dの少量のたわみで第2浮動体3が大きくy変位す
るので、第3,第4実施例の第2組の浮動支持梁32a
〜dを長くしたのと同等の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例の平面図である。
【図2】 図1に示す第1浮動体2の右下コ−ナ近傍の
部分の拡大平面図である。
【図3】 図2の3A−3A線拡大断面図である。
【図4】 図1に示すx駆動回路15の出力電圧の波
形,第1浮動体2のx変位および第2浮動体3のy変位
を示すタイムチャ−トである。
【図5】 本発明の第2実施例の平面図である。
【図6】 第1および第2実施例の変形部を示す拡大平
面図である。
【図7】 本発明の第3実施例の平面図である。
【図8】 本発明の第4実施例の平面図である。
【図9】 第3および第4実施例の変形部を示す拡大平
面図である。
【符号の説明】
1:シリコン基板 2:第1浮動体 21:ロ形基部 22a〜d:第1
組の浮動支持梁 23a,23b:可動側櫛歯電極 24a,24b:
可動側櫛歯電極 25a,25b:浮動連結梁 26a〜d:第3
組の浮動支持梁 27a〜d:第4組の浮動支持梁 3:第2浮動体 31:基幹 32a〜d:第2
組の浮動支持梁 33a,33b:櫛歯電極 4:固定電極 41:電極基幹 42:固定櫛歯電
極 5:固定電極 51:電極基幹 52:固定櫛歯電極 6a〜c:固定電
極 7a〜7c:固定櫛歯電極 8a〜d:浮動体
アンカ 9:配線 10,11:固定
電極アンカ 12,12a〜12e,13,13a〜e,14a,1
4b:配線 15:x駆動回路 16,17:静電
容量検出回路 18:信号処理回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板;該基板にx方向には可動に、y方向
    には実質上不動に支持された第1可動体;第1可動体に
    x方向には実質上不動に、y方向には可動に支持された
    第2可動体;第1可動体をx方向に振動駆動する励振手
    段;第2可動体のy方向変位を検出する変位検出手段;
    および、 該変位検出手段が発生する変位信号を角速度信号に変換
    する変換手段;を備える角速度センサ。
  2. 【請求項2】第1可動体はx,y平面上で矩形リング状
    であり、第1可動体と第2可動体の重心が実質上同一位
    置である、請求項1記載の角速度センサ。
  3. 【請求項3】第1可動体は、一端が基板に固定されたy
    方向に延びる梁で基板に対して浮動支持された、請求項
    1又は請求項2記載の角速度センサ。
  4. 【請求項4】第2可動体は、一端が第1可動体に固定さ
    れたx方向に延びる梁で基板に対して浮動支持された、
    請求項1,請求項2又は請求項3記載の角速度センサ。
JP9163851A 1997-06-20 1997-06-20 角速度センサ Pending JPH1114367A (ja)

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DE19827688A DE19827688A1 (de) 1997-06-20 1998-06-22 Winkelgeschwindigkeitssensor
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000337885A (ja) * 1999-05-13 2000-12-08 Samsung Electro Mech Co Ltd マイクロジャイロスコープ
JP2000337884A (ja) * 1999-03-25 2000-12-08 Murata Mfg Co Ltd 角速度センサ
US8078375B2 (en) * 2004-08-11 2011-12-13 Stemco Lp Gravity based brake stroke sensor methods and systems

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