JPH11143099A - 電子写真用感光体、及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真用感光体、及び電子写真装置

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JPH11143099A
JPH11143099A JP30426597A JP30426597A JPH11143099A JP H11143099 A JPH11143099 A JP H11143099A JP 30426597 A JP30426597 A JP 30426597A JP 30426597 A JP30426597 A JP 30426597A JP H11143099 A JPH11143099 A JP H11143099A
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JP
Japan
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photoreceptor
support
electrophotographic
photoconductor
toner
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JP30426597A
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English (en)
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Tetsuya Karaki
哲也 唐木
Masaya Kawada
将也 河田
Toshiyuki Ebara
俊幸 江原
Takaaki Kashiwa
孝明 栢
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トナー付着性の防止及び耐傷性の減少させる
ことなくメンテナンス性の高い電子写真用感光体及び該
電子写真用感光体を具備した電子写真装置を提供する。 【解決手段】 電子写真用感光体の表面がシリコン原子
を含む非晶質材料からなり、該感光体の支持体が表面に
複数の球状痕跡窪みによる凹凸を形成された金属からな
る電子写真用感光体において、該感光体表面の2.5m
m基準長における10点平均粗さRzが0.72[μ
m]≦Rz≦1.25[μm]であることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気乃至電子デバ
イス、特に電子写真感光体等の光導電部材の基体として
利用し得る金属支持体、及びこの金属支持体を用いた電
子写真用感光体及び該電子写真用感光体を具備させた電
子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体等の光導電部材の基体
(支持体)としては、板状、円筒状、無端ベルト状等の
金属体がよく用いられている。これらの支持体上に光導
電層等の層を形成するために、支持体表面は、鏡面切削
加工等の表面処理が行われている。例えば、旋盤、スラ
イス盤等を用いたダイヤモンドバイト切削により、所定
範囲内の平面度に仕上げたり、場合によっては、干渉縞
防止の為所定形状乃至は任意形状の凹凸表面に仕上げら
れる。ところが、切削によりこの様な表面処理を行う
と、金属支持体の表面近傍に存在する硬質の合金成分、
酸化物などの微細な介在物や空孔(Blister)に
バイトが当たり、切削の加工性が低下すると共に、切削
により介在物等に起因する表面欠陥が顕現し易いといっ
た不都合を生じる。例えば、支持体に用いる金属として
アルミニウム合金を用いた場合、アルミニウム組織中に
Si−Al−Fe系,Fe−Al系,TiB2 等の金属
化合物、Al,Mg,Ti,Si,Feの酸化物等の硬
い介在物や、H2 による空孔が存在すると共に、結晶方
位の違う近傍Al組織間で生じる粒界段差によって表面
欠陥が生成される。この様な、表面欠陥のある支持体に
より例えば電子写真感光体を構成すると、成膜の均一性
が悪くなり、延いては、電気的、光学的、光導電的特性
の均一性が損なわれ、綺麗な画像が提供できなくなり、
実用に堪えないものとなる。
【0003】また、切削を行うことにより、切粉や切削
油の消費、切粉処分の煩雑性、被切削面に残存する切削
油の処理といった別の問題点も生じてくる。また、切削
とは別に、サンドプラストやショットブラスト等の旧来
の塑性変形を生起させる手段により金属表面の平面度や
表面粗さを調整することが行われているが、これらの手
段によっては、金属体表面に付与される凹凸形状、精度
等を正確に制御することは極めて困難である。
【0004】一方、光導電層の材料としては有機乃至無
機の各種光導電物質が用いられているが、例えば、1価
の元素でダングリングボンドが修飾されたアモルファス
シリコン(以下、a−Siと言う)は、その優れた光導
電性、耐擦性、耐熱性の為に光導電層の材料としての応
用が期待されている。このa−Siを実用化するために
は、a−Siの光導電層に加えて、支持体からの電荷の
注入を阻止する電荷注入阻止層、SiNx ,SiCx
の表面保護層等を用い、目的に応じた多層構造が必要と
なる。そして、この際の光導電部材の均一性は極めて重
要であり、光導電的特性の不均一やピンホール等の欠陥
が存在すると綺麗な画像が提供できないばかりでなく、
実用に堪えないものとなる。
【0005】特に、a−Siは、膜の形態が支持体の表
面形状に大きく左右されることが知られている。とりわ
け、殆どの部分でほぼ均一に光導電特性が必要となる大
面積の電子写真感光体ドラムにおいては、支持体の表面
状態は極めて重要であり、支持体表面に欠陥が存在する
と膜の均一性が悪くなり、柱状構造や球状突起が形成さ
れるため、光導電的不均一を生じさせる原因となる。
【0006】この様な実用化において問題となる支持体
の表面欠陥を抑制し、電気的、光学的、光導電特性の均
一性に優れ、画像欠陥が少なく、高品質な画像を得るこ
とができる電子写真用の光導電部材を得るためには、支
持体に表面に複数の球状痕跡窪みにより凹凸を形成した
金属体を用いる方法が有効である。
【0007】更に、支持体表面に凹凸を有する金属体を
用いた電子写真用感光体は、光導電層への入射光が、支
持体との界面において乱反射するため、レーザー光のよ
うな可干渉性の光を用いた場合においても、干渉縞によ
り画像が乱れることがなく、露光装置にレーザー光を用
いた機種への応用が可能である。
【0008】また、感光体表面に凹凸を持たせることに
より、クリーニング性の向上も望むことができる。電子
写真装置におけるクリーニング過程は、次の複写動作に
備えて、感光体表面の残像を除去する、即ち感光体表面
に残留したトナー(現像剤)を除去し、感光体表面を正
装することを主な目的としている。
【0009】感光体表面のクリーニングの方法として
は、ブレード法、ファーブラシ法、マグネット法等が知
られている。
【0010】ブレード法は、ウレタンゴムのような弾性
のあるブレードを、回転移動する感光体の表面に当接さ
せて感光体の表面から残存しているトナーを除去する方
法であり、クリーニングのための装置の小型化が可能で
あること、装置の設定条件の許容度が比較的大きいこと
等の長所があるので、クリーニング方法として最も広く
用いられている。
【0011】これらのクリーニング法によって、残留ト
ナーを感光体表面上から除去する際に、感光体表面に付
着している残留トナーの付着力を減少させておくこと
は、良好なクリーニング効果を得るために非常に有効な
手段である。
【0012】基本的に、感光体表面上のトナーは、静電
気力とファンデルワールス力により感光体表面に付着し
ている。静電気力による付着力は、残留トナーを除電す
ること等の方法により軽減することができる。また、フ
ァンデルワールス力による付着力は、1,感光体表面の
硬度を上げる、2,感光体表面の粗度を高くする等の方
法により、軽減することができる。
【0013】光導電材料としてa−Se,OPC等を使
用した感光体表面を上述のブレード法によりクリーニン
グする場合には、一般に、これらの光導電材料からなる
感光体表面の硬度は低く、使用されるトナーよりもこれ
らの感光体表面が柔らかい。
【0014】このような感光体の表面の残留トナーをブ
レードクリーニングする場合、ブレードによる感光体表
面上への圧力が常に均一になるように、感光体表面の表
面性、平滑性を上げる必要があった。なぜならば、感光
体表面の硬度が低く、且つ、表面性、平滑性が低いと、
ブレードの感光体表面へのくいこみの不均一、ブレード
長手方向における片当たり、或いは、ブレードと感光体
表面間での摩擦抵抗が増大する現象が起こるために、常
にブレード全体に均一な圧力をかけて円滑にクリーニン
グすることが難しくなるためである。
【0015】ところが、感光体表面の平滑性を上げ過ぎ
ると上述のファンデルワールス力による残留トナーの付
着力が増大してしまい、逆にクリーニング効果の低下を
招く。また、残留トナーの付着力の大きい状態で、高い
ブレード圧力をもってクリーニングすると、感光体表面
の摩擦やキズ、へこみ、スジ等の損傷を与える場合が多
く、そのまま画像の複写を行うと、黒点、スジ等のある
異常画像が形成されてしまう。
【0016】これに対して、a−Siを光導電材料とし
て用いた感光体表面をブレードを用いてクリーニングす
る場合、感光体の表面硬度は十分に高いので、光導電材
料としてa−Se,OPC等を用いた感光体に認められ
たようなクリーニング時の感光体表面の損傷を防ぐこと
ができる。しかしながら、a−Siを光導電材料として
用いた感光体は硬度が高いうえに、表面摩擦が大きいの
でブレードの磨耗が著しい。このためブレードの寿命が
比較的短く、ブレードクリーニングの長期安定性にかけ
るという問題があった。
【0017】ブレードの寿命を延ばすためには、1,感
光体表面にシリコンオイルなどを薄く塗布する、2,テ
フロン等の潤滑剤をブレードと感光体表面との接点に供
給するなどの方法が知られているが、これらの方法にお
いては、均一に感光体表面にシリコンオイル等を薄く塗
布したり、テフロンなどの潤滑剤を供給したりすること
が非常に難しい。もしこれらが感光体表面に不均一に塗
布或いは供給された場合には、画像にムラ等を生じさせ
る欠点があった。
【0018】そこで、光導電材料としてa−Siを用
い、感光体表面にトナーの平均粒子径(6〜12μm)
よりも小さなピッチ及び深さの凹凸で粗れている電子写
真用感光体を用いた場合、感光体表面の良好なクリーニ
ング効果を安定して得ることが可能である。
【0019】即ち、支持体表面に凹凸を有する金属体を
用いた電子写真用感光体は、トナー付着の防止に関して
は、効果があり極めて有効である。しかし、感光体表面
の粗度を高くすると、耐キズ性が低下する問題が生じて
くる。感光体表面の粗度が高くなると、凹凸のピッチは
小さくなり、深さは大きくなる。特に突出した凸部にお
いては、削れ等が発生し易い為、感光体表面の粗度を高
くすることは、耐キズ性の低下、及びメンテナンス性の
低下につながり、延いては、画像欠陥を生じる場合もあ
る。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を解決した新規の電子写真用感光体及び電子写真装置を
提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は支持体表面の球
状痕跡窪みによる凹凸による感光体表面の粗度と、トナ
ー付着性及び耐キズ性について詳細に調べた結果、トナ
ー付着性及び耐キズ性の両方に対して極めて良好となる
条件を初めて見い出し本発明を完成するに至ったもの
で、前記の目的は以下の手段によって達成される。
【0022】すなわち本発明は、電子写真用感光体の表
面がシリコン原子を含む非晶質材料からなり、該感光体
の支持体が表面に複数の球状痕跡窪みによる凹凸を形成
された金属からなる電子写真用感光体において、該感光
体表面の2.5mm基準長における10点平均粗さRz
が0.72[μm]≦Rz≦1.25[μm]であるこ
とを特徴とする電子写真用感光体及び該電子写真用感光
体を具備した電子写真装置を提案するものである。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を参照して更
に詳細に説明する。
【0024】図3(b)は本発明の電子写真用感光体の
一例を示す模式図である。
【0025】本発明の電子写真用感光体は図3(b)に
示すように支持体304上にアモルファスシリコンから
なる感光層302を阻止層303を介して設けてなり、
感光層302層上には保護層301を設けてある。
【0026】支持体304は、少なくとも支持体304
の感光層を形成する側の表面が導電性であれば、導電性
であっても電気絶縁性であってもよい。例えば、導電性
の支持体としては、Al、Cr、Mo、Au、In、N
b、Te、V、Ti、Pt、Pd、Fe等の金属、及び
これらの合金、例えばステンレス等が挙げられ、該支持
体304の表面に複数の球状痕跡窪みによる凹凸が形成
されてなり、後記の実験例により明らかな通り、感光体
表面の2.5mm基準長における10点平均粗さRzが
【0027】
【数1】0.72[μm]≦Rz≦1.25[μm] を満足するように凹凸が設けられている。
【0028】感光層302、阻止層303、保護層30
1等は支持体304上にグロー放電法、スパッタリング
法、イオンインブランデーション法等によって形成され
る。
【0029】また保護層301の材料としては非晶質シ
リコンカーバイト等、シリコン原子を含むものが望まし
く、その厚みは、3000オングストローム〜1000
0オングストローム程度が好ましい。
【0030】次に、本発明の電子写真用感光体を具備し
た電子写真装置を説明する。
【0031】図1は、本発明の画像形成プロセスの一例
を示す概略図であり、矢印X方向に回転する面状内面ヒ
ーター123によって温度コントロールされた、感光体
101の周辺には、主帯電器102、静電潜像形成部位
103、現像器104、転写紙供給系105、転写帯電
器106(a)、分離帯電器106(b)、クリーナ1
07、搬送系108、除電光源等が配設されている。
【0032】以下、さらに具体例を用いて画像形成プロ
セスを説明する。感光体101は+6〜8kVの光電圧
を印加した主帯電器102により一様に帯電され、これ
に静電潜像形成部位、即ちランプ110から発した光が
原稿台ガラス111上に置かれた原稿112に反射し、
ミラー113、114、115を経由し、レンズユニッ
ト117のレンズ118によって結像され、ミラー11
6を経由し、導かれた投影された静電潜像が形成され
る。この像に現像器104からネガ極性トナーが供給さ
れて、トナー像となる。
【0033】一方、転写紙供給系105を通って、レジ
ストローラ122によって先端タイミングを調整され、
感光体方向に供給される転写材Pは+7〜8kVの高電
圧を印加した転写帯電器106(a)と感光体101の
間隙に於て背面から、トナーとは反対極性の正電界を与
えられ、これによって感光体表面のネガ極性トナー像は
転写材Pに移転する。12〜14k Vp-p 、300〜
600Hzの高圧AC電圧を印加した分離帯電器106
(b)により、転写材Pは転写材紙搬送系108を通っ
て、定着装置124に至り、トナー像は定着されて装置
外に排出される。
【0034】感光体101上に残留するトナーはクリー
ナーユニット107のクリーニングブレード121によ
ってかき落とされ、残留する静電潜像は除電光源109
によって消去される。
【0035】また、本発明では、クリーニングブレード
121を感光体101の表面に押しつける圧量力を通常
の10〜13[g/cm]に対して、5〜30[g/c
m]の範囲で任意に変えられるように改造してある。
【0036】[実験例] 実験例1 (支持体)本発明では、電子写真用感光体の支持体とし
て、アルミニウムを基質とし、シリコンの含有量が0.
5重量%未満である外径80[mm]のものを支持体用
材料として用いた。
【0037】該支持体表面に複数の球状痕跡窪みによる
凹凸を形成するために図2に示すような装置により、該
感光体支持体に連続的に剛体新球を落下させることで凹
凸を形成した。図2に示す装置の処理時間、剛体新球の
流量、落下高さをかえ、表面粗度Rzの異なる電子写真
用感光体支持体(a)〜(j)の10本を用意した。表
面の粗度は、基準長2.5[mm]における10点平均
により測定した。以下、表面粗度をRz[μm]として
表わす。表1に表面処理条件を示す。また、用意した
(a)〜(j)の10種類の支持体の表面処理後の表面
粗度を表2に示す。
【0038】
【表1】 支持体表面処理条件 ─────────────────────── 切削 :A 切削後、球状痕跡窪みによる凹凸を形成 :B ───────────────────────
【0039】
【表2】 試料No 支持体表面処理条件 表面粗度:Rz[μm] ────────────────────────────── (a) A(鏡面仕上げ) 0.219 (b) A(5Rバイト) 0.413 (c) B 0.509 (d) B 0.625 (e) B 0.725 (f) B 0.839 (g) B 0.985 (h) B 1.238 (i) B 1.536 (j) B 2.365 ────────────────────────────── (感光体)上記支持体上に、図3(b)に示すように、
支持体304側から、シリコン原子を含む非晶質材料か
らなる、阻止層303、感光層302、そして感光体表
面に保護層301として、非晶質シリコンカーバイトを
用いた。
【0040】成膜後、表面の粗度を、Kasada L
aboratory製のサーフコーダSE30Dを用
い、基準長2.5[mm]で測定した。また、これらの
感光体をキヤノン製NP6750に装備し、30000
0枚の通紙試験を行った。通紙試験後、画像欠陥、トナ
ー付着の確認を行った。クリーニングブレード圧は、1
2[g/cm]とした。
【0041】また、0.8[mm]のダイヤモンド針を
接触角90°でドラムに接触させ、針に掛ける荷重を1
0[g]〜200[g]とし、50[mm/min]の
速度で感光体表面を走査させ、キヤノン製NP6750
に装備し濃度計(マクベス)で0.4の濃度の画像を出
し、感光体の耐傷性の試験をおこなった。
【0042】なお、成膜前と成膜後では、ほとんど表面
粗度に差は無かった。
【0043】以上の結果を表3、図4、図5に示す。
【0044】
【表3】 試料No 支持体 表面粗度 トナー付着 耐傷性 表面処理条件 Rz[μm] 有:×/無:○ [g] ───────────────────────────────── (a) A(鏡面仕上げ) 0.223 × 90 (b) A(5Rバイト) 0.445 × 90 (c) B 0.539 × 80 (d) B 0.651 ○ 75 (e) B 0.765 ○ 60 (f) B 0.898 ○ 65 (g) B 1.035 ○ 40 (h) B 1.278 ○ 30 (i) B 1.638 ○ 35 (j) B 2.398 ○ 30 ───────────────────────────────── 表3、図4、図5に示すように、表面をRzで約0.6
[μm]以上に凹凸をつけることで、トナーの付着が防
げることが分かる。しかし、表面粗度を1.123[μ
m]以上荒らすことで表面の耐傷性が悪化することが分
かる。
【0045】即ち、該感光体表面の2.5mm基準長に
おける10点平均粗さRzが0.72[μm]≦Rz≦
1.25[μm]であることが傷性を低下させずにトナ
ー付着の発生しない条件であることがわかる。
【0046】比較例1(支持体)実験例1で良好だった
事態支持体(f)(g)と同じ表面粗度(Rz)を切削
により作成した。表4、表5にその切削条件及び表面粗
度を測定した結果を示す。
【0047】
【表4】 支持体表面処理条件 ─────────────────────── 切削 :A 切削後、球状痕跡窪みによる凹凸を形成 :B ───────────────────────
【0048】
【表5】 試料No 支持体表面処理条件 表面粗度:Rz[μm] ─────────────────────────────── (k) A(切削による面荒らし) 0.892 (l) A(切削による面荒らし) 1.126 ─────────────────────────────── (感光体)上記支持体上に、図3(b)に示すように、
支持体304側から、シリコン原子を含む非晶質材料か
らなる、阻止層303、感光層302、そして感光体表
面に保護層301として、非晶質シリコンカーバイトを
用いた。なお、成膜条件は、実験例1と同等にした。
【0049】成膜後、表面の粗度を、Kasada L
aboratory製のサーフコーダSE30Dを用
い、基準長2.5[mm]で測定した。また、これらの
感光体をキヤノン製NP6750に装備し、30000
0枚の通紙試験を行った。通紙試験後、画像欠陥、トナ
ー付着の確認を行った。
【0050】また、0.8[mm]のダイヤモンド針を
接触角90°でドラムに接触させ、針に掛ける荷重を1
0[g]〜200[g]とし、50[mm/min]の
速度で感光体表面を走査させ、キヤノン製NP6750
に装備し濃度計(マクベス)で0.4の濃度の画像を出
し、感光体の耐傷性の試験をおこなった。
【0051】なお、成膜前と成膜後では、ほとんど表面
粗度に差は無かった。
【0052】以上の結果を表6に示す。
【0053】
【表6】 試料No 支持体 表面粗度 トナー付着 耐傷性 表面処理条件 Rz[μm] 有:×/無:○ [g] ───────────────────────────────── (k) A 0.898 × 30 (l) A 1.035 × 30 ───────────────────────────────── 結果は、表6に示すように、耐傷性/トナー付着が、球
状痕跡窪みによる凹凸を形成した支持体に比べて低下し
ている。
【0054】実験例2 (支持体)電子写真用感光体の支持体として、アルミニ
ウムを基質とし、シリコンの含有量が0.5重量%未満
である外径80[mm]のものを支持体用材料として用
いた。
【0055】該支持体表面に複数の球状痕跡窪みによる
凹凸を形成するために図2に示すような装置により、該
感光体支持体に連続的に剛体新球を落下させることで凹
凸を形成した。図2に示す装置において処理時間、剛体
新球の流量、落下高さを調整し、2.5[mm]基準長
における10点平均粗さ(Rz)が1.00となる支持
体を用意した。
【0056】また別に、切削により鏡面処理した支持体
を用意した。表7に作成した支持体のRzの測定結果を
示す。
【0057】
【表7】 試料No 支持体表面処理条件 表面粗度:Rz[μm] ──────────────────────────────── (m) 球状痕跡窪みによる表面処理 0.936 (n) 切削による表面処理(鏡面) 0.216 ──────────────────────────────── (感光体)表7に示す支持体上に、図3(b)に示すよ
うに、支持体304側から、シリコン原子を含む非晶質
材料からなる、阻止層303、感光層302、そして感
光体表面に保護層301として、非晶質シリコンカーバ
イトを用いた。なお、成膜条件は、実験例1と同等にし
た。
【0058】成膜後、表面の粗度を、Kasada L
aboratory製のサーフコーダSE30Dを用
い、基準長2.5[mm]で測定した。また、これらの
感光体をキヤノン製NP6750に装備し、耐久試験を
行った。耐久試験後、画像欠陥、トナー付着の確認を行
った。
【0059】また、0.8[mm]のダイヤモンド針を
接触角90°でドラムに接触させ、針に掛ける荷重を1
0[g]〜200[g]とし、50[mm/min]の
速度で感光体表面を走査させ、キヤノン製NP6750
に装備し濃度計(マクベス)で0.4の濃度の画像を出
し、感光体の耐傷性の試験をおこなった。
【0060】耐久条件は、クリーニングブレード圧:1
0、20、30[g/cm]、とし他の条件は実験例1
に倣った。
【0061】なお、成膜前と成膜後では、ほとんど表面
粗度に差は無かった。
【0062】表8に耐久試験の結果を示す。表8におい
て、トナー付着については、○:付着なし、×:付着有
り、クリーニング不良については、○:不良なし、△:
軽微、×:不良有り、を示す。
【0063】
【表8】 試料No ブレード圧 表面粗度 トナー付着 クリーニング 耐傷性 [g/cm] Rz[μm] 不良 [g] ─────────────────────────────────── (m) 5 0.986 ○ ○ 80 *本発明 10 ○ ○ 20 ○ ○ 30 ○ ◎ ─────────────────────────────────── (n) 5 0.236 × × 90 *従来例 10 ○ ○ 20 △ ○ 30 ○ × ─────────────────────────────────── 表8の結果が示すように、本発明においては、ブレード
圧を上げることで更によいクリーニング状態を実現でき
ることがわかる。感光体表面に本発明の範囲の凹凸を設
けることで、感光体表面とクリーニングブレード間の摩
擦を、感光体の表面が完全に平滑(表8の試料(n))
な物に比べ、約50%減少させることができるためであ
る。そのため。クリーニングブレード圧を上げること
で、クリーニングブレードを傷めることなく、さらなる
クリーニング効果を期待できる。
【0064】また、本発明の範囲において、通常のトナ
ー粒径(約6μm以上)では凹部にトナーが入ることが
できず、凸部の頂上部に接して付着する。そのため感光
体表面とトナーの間に働くファンデルワールス力に基ず
く付着力を、感光体の表面が完全に平滑(表8の試料
(n))な物に比べ、約50%減少させることができ
る。そのため、ブレード圧が低い状態においても、トナ
ー付着、クリーニング性が、従来例に比べ向上してい
る。
【0065】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明する。
【0066】実施例1 (支持体)電子写真用感光体の支持体として、アルミニ
ウムを基質とし、シリコンの含有量が0.5重量%未満
である外径80[mm]のものを支持体用材料として用
い、図2に示すような装置により支持体表面に複数の球
状痕跡窪みによる凹凸を形成するために、図2に示すよ
うな装置により、該感光体支持体に連続的に剛体新球を
落下させることで基本長2.5[mm]における10点
平均粗度1.045[μm]の隊を支持体として用意し
た。
【0067】(感光体)上記支持体上に、図3(b)に
示すように、支持体304側から、シリコン原子を含む
非晶質材料からなる、阻止層303、感光層302、そ
して感光体表面に保護層301として、非晶質シリコン
カーバイトを用いた。後に成膜後に測定した基本長2.
5[mm]における10点平均粗度は、1.035[μ
m]であった。 上記感光体を図1に示す電子写真装置
(キヤノンNP6750改)に装備し100万枚の耐久
をおこなった。この時のクリーニングブレード圧は20
[g/cm]とした。
【0068】100万枚の耐久後、感光体表面にトナー
の付着は発生せず、また、画像欠陥も発生しなかった。
クリーニングブレードの損傷もなく、クリーニング性も
良好であった。
【0069】実施例2 (支持体)電子写真用感光体の支持体として、アルミニ
ウムを基質とし、シリコンの含有量が0.5重量%未満
である外径80[mm]のものを支持体用材料として用
い、図2に示すような装置により支持体表面に複数の球
状痕跡窪みによる凹凸を形成するために、図2に示すよ
うな装置により、該感光体支持体に連続的に剛体新球を
落下させることで基本長2.5[mm]における10点
平均粗度0.968[μm]の隊を支持体として用意し
た。
【0070】(感光体)上記支持体上に、図3(b)に
示すように、支持体304側から、シリコン原子を含む
非晶質材料からなる、阻止層303、感光層302、そ
して感光体表面に保護層301として、非晶質シリコン
カーバイトを用いた。後に成膜後に測定した基本長2.
5[mm]における10点平均粗度は、0.998[μ
m]であった。 上記感光体を図1に示す電子写真装置
(キヤノンNP6750改)に装備し100万枚の耐久
をおこなった。この時のクリーニングブレード圧は5
[g/cm]とした。
【0071】100万枚の耐久後、感光体表面にトナー
の付着は発生せず、また、画像欠陥も発生しなかった。
クリーニングブレードの損傷もなく、クリーニング性も
良好であった。
【0072】
【発明の効果】本発明によれば、前述の特殊構造の光導
電部材用支持体を用いることにより、残留トナークリー
ニング時のトナー付着、及び感光体表面の耐傷性の両方
に対して、極めて良好となる電子写真用感光体を製作す
ることに初めて成功した。この結果、従来の電子写真用
感光体と比較して、感光体表面の耐傷性をほとんど減少
させることなく、即ち、従来の耐傷性を維持したまま、
トナー付着を防止することが可能となり、メンテナンス
性の極めて高い電子写真用感光体を提供することが可能
となった。また、クリーニングブレードによるクリーニ
ングにおいて、そのブレード圧を上げることでクリーニ
ングブレードを痛めること無く、更によいクリーニング
性を得ることを可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用することの出来る電子写真装置の
一実施例の断面図である。
【図2】本発明の金属支持体の加工法を実施するため
の、装置構成例を説明するための模式的断面図である。
【図3】図3(a)は、従来の電子写真用感光体の好適
な実施態様例の層構成を説明するための模式図であり、
図3(b)は、本発明の電子写真用感光体の好適な実施
態様例の層構成を説明するための模式図である。
【図4】感光体表面の10点平均粗度Rzに対する耐傷
性の変化を表すグラフである。
【図5】感光体表面の10点平均粗度Rzに対するトナ
ー付着性の変化を表すグラフである。
【符号の説明】
101 電子写真用感光体 102 主帯電器 103 静電潜像形成部位 104 現像器 105 転写紙供給系 106(a) 転写帯電器 106(b) 分離帯電器 107 クリーナー 108 搬送系 109 除電光源 110 ランプ 111 原稿台ガラス 112 原稿 113 ミラー 114 ミラー 115 ミラー 116 ミラー 117 レンズユニット 118 レンズ 119 搬送ガイド 121 クリーニングブレード 122 レジストローラ 123 ドラムヒータ 124 定着装置 201 剛体真球 202 ボールフィーダー 203 振動機 204 支持体に衝突し落下する剛体真球 205 204の回収槽 206 電子写真用感光体用支持体 207 回転軸 301 表面保護層 302 感光層 303 阻止層 304 支持体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栢 孝明 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真用感光体の表面がシリコン原子
    を含む非晶質材料からなり、該感光体の支持体が表面に
    複数の球状痕跡窪みによる凹凸を形成された金属からな
    る電子写真用感光体において、 該感光体表面の2.5mm基準長における10点平均粗
    さRzが0.72[μm]≦Rz≦1.25[μm]で
    あることを特徴とする電子写真用感光体。
  2. 【請求項2】 前記電子写真用感光体を具備させたこと
    を特徴とする電子写真装置。
JP30426597A 1997-11-06 1997-11-06 電子写真用感光体、及び電子写真装置 Pending JPH11143099A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10175590B2 (en) 2015-01-30 2019-01-08 Kyocera Document Solutions Inc. Electrophotographic photosensitive body and image forming apparatus provided with same

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US10175590B2 (en) 2015-01-30 2019-01-08 Kyocera Document Solutions Inc. Electrophotographic photosensitive body and image forming apparatus provided with same

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