JP2003195713A - 電子写真装置 - Google Patents

電子写真装置

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JP2003195713A
JP2003195713A JP2001394097A JP2001394097A JP2003195713A JP 2003195713 A JP2003195713 A JP 2003195713A JP 2001394097 A JP2001394097 A JP 2001394097A JP 2001394097 A JP2001394097 A JP 2001394097A JP 2003195713 A JP2003195713 A JP 2003195713A
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toner
photoconductor
cleaning
roller
free energy
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English (en)
Inventor
Tetsuya Karaki
哲也 唐木
Toshiyuki Ebara
俊幸 江原
Masaya Kawada
将也 河田
Hironori Owaki
弘憲 大脇
Kunimasa Kawamura
邦正 河村
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子写真装置において、クリーニング装置の
負荷を軽減すると共に、感光体表面の削れむらを防止
し、また高速機における感光体の削れ過ぎを防止する。 【解決手段】 感光体に対して帯電及び露光して潜像を
形成する潜像形成手段、該潜像にトナーを供給してトナ
ー像を形成するトナー像形成手段、該トナー像を転写材
に転写する転写手段、および該感光体表面の残留物や異
物をクリーニングブレードによって除去するクリーニン
グ手段を有する電子写真装置において、該感光体の表面
自由エネルギーをγD、該クリーニングブレードの表面
自由エネルギーをγB、該トナーの表面自由エネルギー
をγTとしたときに、γD>γB>γTである。また感
光体の周速が400mm/sec以上であり、かつγD
>γT>γBである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、像担持体であると
ころの感光体表面を帯電し、その帯電面に可視光、ライ
ン走査レーザー光により画像情報の書込をして、更にト
ナー像化し、転写材に転写して画像形成を実行するもの
であって、転写工程後の感光体表面をクリーニングする
クリーニング手段を有する電子写真用の感光体に関す
る。
【0002】より具体的には、感光体と現像材、クリー
ニングブレードの表面自由エネルギー(γ)を規定し、
トナーや異物等の付着性を制御して、良好なクリーニン
グ性能を達成し、画質を極めて長期にわたって安定して
供給する電子写真用感光体に関する。
【0003】
【従来の技術】現在の電子写真装置は、複写機だけでな
く、近年需要の伸びの著しいコンピュータ等の出力手段
であるプリンター、ワードプロセッサの出力手段として
のプリンターを加え、広く利用されている。その使用環
境も多岐にわたり、たとえば環境変動による出力画像の
濃度の変動を防止する手段など、様々な画像を安定化す
る手段がとられている。特にこうしたプリンターは従来
のオフイスユースのみならず、パーソナルユースが増大
した為、低コスト、メンテナンスフリーといった経済性
が重視される。
【0004】さらに、エコロジーの観点から、両面コピ
ー、再生紙利用等、紙の使用量低減、消費電力低減の省
エネルギー等、近隣生物への影響対策が、経済性と同様
の重要度で求められている。
【0005】図2は複写機の画像形成プロセスの一例を
示す概略図である。
【0006】矢印X方向に回転する、電子写真感光体
(以下、単に「感光体」と称する)101の周辺には、
主帯電器102、静電潜像形成部位103、現像器10
4、転写紙供給系105、転写帯電器106(a)、分
離帯電器106(b)、クリーニング装置107、搬送
系108、除電光源109などが配設されている。感光
体101は、必要に応じて面状内面ヒーター125によ
って温度コントロールをしてもよい。
【0007】[潜像形成手段]感光体101は、その表
面が主帯電器102により、均一に帯電され静電潜像形
成部位103により静電潜像が形成される。
【0008】[トナー像形成手段]この静電潜像は、現
像剤(トナー)が塗布された現像器104の現像スリー
ブによりトナー像として顕像画化される。
【0009】[転写手段]転写紙供給系105を通っ
て、供給される転写材Pにトナー像が転写供給される。
【0010】[クリーニング手段]トナー像転写後の感
光体101表面は、表面の残トナーや紙粉等の付着物が
クリーニング装置107内のクリーニングブレード12
0、クリーニングローラー(またはブラシ)121等に
より除去され、次の画像形成に供される。
【0011】一方、トナー像が転写された転写材Pは分
離帯電器106(b)且つ/又は爪等の分離手段によ
り、感光体101から分離され、搬送系108を経由し
て定着器123内の定着ローラー124によって、表面
のトナー像が定着された後、画像形成装置外へ排出され
る。
【0012】上記の様に、感光体表面に可転写のトナー
像を、紙などの転写材に転写する工程を繰り返す周知の
画像形成装置において、転写後、感光体表面に残留する
トナーや異物等をクリーニング手段で除去する必要があ
る。
【0013】そのため、従来からこの種のクリーニング
装置としては、ゴム等の樹脂からなるクリーニングブレ
ード、樹脂繊維等からなるクリーニングブラシなどが実
用化されている。その他には磁気などにより感光体表面
に残留するトナー等の磁性粉体を吸着除去する方法もあ
る。
【0014】これらのクリーニング手段であるクリーニ
ング装置の一例を、図を使用して概略説明する。
【0015】図3は、図2のクリーニング装置を拡大し
た図である。
【0016】クリーニング手段においては、必要に応じ
て、上記及び図3のクリーニング装置107のように、
ウレタンゴムなどからなるクリーニングブレード12
0、シリコンゴム或いはスポンジ、或いは磁性体等の材
料からなるクリーニングローラー121、ドクターロー
ラー301、廃トナー溜り302、廃トナー搬送系30
3等からなる。
【0017】このドクターローラー301は必要に応じ
て設置され、ブレード状の形態の場合もある。この場合
は、スクレーパ(又はドクターブレード)と称する。
【0018】以下、クリーニング装置の各部材の説明に
おいて、単純化の為にスクレーパについての記載は省略
する。
【0019】107はクリーニング装置であり、ウレタ
ンゴムにシリコン化合物を混合する等して、適宜な弾性
や硬度を持たせたクリーニングブレード120が設置さ
れている。
【0020】クリーニングブレード120の感光体の回
転方向上流側には、磁石やスポンジやブラシ等からなる
クリーニングローラー121を有する。該クリーニング
ローラー121は、転写されなかったトナーを回収し、
感光体上に再塗布し、余剰トナーを廃トナー溜り302
に送る機能を有している。感光体上への再塗布は、磁気
力や、付着力、電界により行われる。感光体表面には、
クリーニングローラー121に付着している磁性粉体の
コート部が適切な当接幅(ニップ巾)で当接し、感光体
との所定の相対速度をもって摺擦を行う。
【0021】a−Si系感光体等、高硬度な感光体に使
用するブラシ材料の一例として、ポリエチレンやポリス
チレン等の化学繊維ブラシ、該化学繊維にカーボンを混
入して適宜な導電性を有するようにした導電性繊維、ア
モルファス金属の繊維(例:ユニチカ製ボルファ等)等
を使用したブラシを使用してもよい。
【0022】クリーニング性を一定に保持する為、ま
た、局所的な過剰当接圧等による感光体の摩耗などの不
具合を防止する為、感光体101と該クリーニングロー
ラー、クリーニングブラシ等とのニップ巾は所定の巾に
保持される事が好ましい。
【0023】保持機構としては、画像領域外の適宜な位
置にコロ等の突き当てでもよいし、所定の圧力でローラ
ーを感光体に押し当ててもよい。また、磁性体のローラ
ー等では、トナーコート厚を調整する方法も可能であ
る。
【0024】クリーニング装置としては、上記の構成の
一部を除去した、或いは更に構成が追加されたクリーニ
ング装置を使用してもよい。
【0025】図4は、クリーニング工程の繰り返しにお
ける各動作を示す図である。以下、主に図4を例に、ク
リーニング工程の概略を、順を追って記す。
【0026】[Step.1]クリーニング装置が当接
している感光体101が所定の速度で回転する。本図4
においては、感光体表面が紙面の左方から、クリーニン
グブレード120がある右方に移動する。
【0027】該感光体表面には、帯電、潜像形成、更に
現像を経てトナー像が形成される。
【0028】転写手段で転写されきれなかった転写残ト
ナーや、ロジン、タルク等の付着物は、静電気力(クー
ロン力)や、分子間力、摩擦力その他の付着力等によ
り、感光体表面に付着した状態で、クリーニング装置に
接近する。
【0029】ここで、感光体は必要に応じて、所定の温
度に保持されている場合もある。
【0030】また、上述の如く、クリーニングローラー
121(又はクリーニングブラシ等:以下括弧内記載を
略す)は付随していない場合もある。
【0031】クリーニングブレード120は、その感光
体表面との当接部位において、感光体との潤滑性を持た
せる為に粉体を塗布した状態で使用する場合が多い。本
図4においては、クリーニングローラー121からトナ
ー溜り304を介して、既に回収された廃トナーの一
部、或いは適宜な方法でクリーニングローラーに付与さ
れているトナーが適宜供給されている。
【0032】[Step.2]クリーニングローラー1
21がある系では、上述の残トナー等はクリーニングロ
ーラー121により摺擦され、掻き取られ、或いは吸引
回収される。これらのトナーはクリーニングローラー1
21に取り込まれる。
【0033】[Step.3]取り込まれた残トナー等
は、一部はドクターローラー(又はドクターブレード:
以下括弧内記載を略す)301等の、適宜な機構により
回収される。回収された残トナー等は、クリーニング装
置内のトナー溜り302へ送られる。
【0034】上述のように、クリーニングブレード12
0の感光体との潤滑性の観点から、クリーニングローラ
ー121から、適宜な量の残トナー等を放出する場合も
ある。
【0035】該回収トナーは、さらに廃トナー搬送系3
03等を経由して、不図示の廃トナー回収容器に回収さ
れる。
【0036】または選別されて、一部乃至は大部分のト
ナーが再利用される場合もある。
【0037】[Step.4]上記クリーニングローラ
ー121により回収されなかった残トナー、或いはクリ
ーニングローラー121を有していない系の残トナーや
上述の様にクリーニングローラーから放出された残トナ
ー等は、感光体101表面に付着した状態でクリーニン
グブレード120に接近する。これらの残トナー等は、
例えばクリーニング装置107のクリーニングブレード
120によってかき落とされ、回収される。
【0038】該回収トナーは、廃トナー溜り302か
ら、スクリュー等からなる廃トナー搬送系303を経由
し、不図示の廃トナー貯蔵器へ搬送、排出される。
【0039】該廃トナー貯蔵器は、画像形成装置の不図
示の部位に設置されている場合も有り、カートリッヂ式
のレーザービームプリンター等の画像形成装置では、ク
リーニング装置に組込まれる場合もある。
【0040】残留する静電潜像はクリーニング装置外に
ある除電光源109等によって消去される。
【0041】上記のクリーニングローラー121以外に
も、上述の如く、ブラシ状のクリーニングブラシを感光
体表面に圧接摺擦し、種々の付着異物を除去する手投を
用いる事ができる。
【0042】また、磁性体からなる磁性クリーニングロ
ーラーや、トナーと逆の極性にバイアスを印加したクリ
ーニングローラー、或いはクリーニングローラー自体を
トナーと逆特性になる様に構成した物を使用し、非接触
で、或いは感光体表面に当接させ、或いは吸引した回収
トナー等により、間接的に感光体に圧接摺擦して異物を
除去する方式等が既に提案されている。
【0043】これらの装置(クリーニングブレード、ク
リーニングブラシ、クリーニングローラー等)は、クリ
ーニング装置内に配置されており、各々単独又は組み合
わせて使用して、感光体表面から前述のような異物、及
びトナー等の粉体を除去する。
【0044】
【発明が解決しようとする課題】画像形成装置は、空調
が整った環境のみならず、低温低湿〜高温高湿環境に至
るまで、さまざまな条件下で使用される機会が急増して
いる。
【0045】特にこれらの過酷な環境での使用を考慮
し、メンテナンスフリーや長寿命化のために、電子写真
の安定化に加え、上記のようなクリーニング不良やトナ
ーの融着等に対して、更なる高画質化に対する要求が高
まっている。
【0046】現在の電子写真はパーソナルユースの増
加、使用する環境の多様化が進み、特に高画質を、環境
変動などに対しても極めて安定して確保し、明瞭な画像
を長期にわたり得る事が必要である。また、装置自体の
小型化、低コスト化も重要である。
【0047】上述のように、高画質な画像を長期間得る
ためには、潜像形成を高精度に制御する事とともに、感
光体表面を均一にクリーニングすることが必要である。
また、クリーニング装置の小型化、部材の簡易化、減少
が必要である。
【0048】良好なクリーニング性能を得る方法として
は、感光体とトナーの付着力を弱くし、感光体からトナ
ーが除去されやすくする方法がある。しかしながらこの
ような方法においては、感光体を均一に摺擦することが
困難であり、クリーニングブレードと感光体の摩擦によ
り、クリーニングブレードが欠けたりブレードめくれを
起こし、或いは感光体が筋状に削れるなど、クリーニン
グ状態の異常が生じる場合がある。
【0049】この様な事態になると、クリーニングが完
全にはなされない、いわゆる「クリーニング不良」とな
る。
【0050】また、感光体が筋状に削れると該感光体に
照射される入射光の屈折の差異、干渉等によって該感光
体の光導電層への実効光量に局所的な変化が生じ、画像
の濃度むらとなる。
【0051】これらの様な、画質低下の場合にはメンテ
ナンス、場合によっては装置部品の交換などが必要にな
り、メンテナンスフリーが阻害される。
【0052】この状況を防止する為に、即ち、これらの
クリーニング不良が発生しないように、つまり感光体表
面に付着している異物を完全に除去する為に、様々な手
法が開示、または使用されている。
【0053】クリーニングブレードやクリーニングブラ
シ、同ローラー等のクリーニング部材が感光体に当接す
る圧力(当接圧)或いは侵入量を規定したり、クリーニ
ング部材の感光体への相対速度の制御、また付着物の掻
取り力を向上させる為に材料を変更する方法や、或い
は、該クリーニングローラーの表面に螺旋状に溝を形成
するなどの形状変更、また、磁性体やバイアス等による
制御などがある。
【0054】また、例えば高湿度環境下での使用時に画
像がぼやけた感じになる「(高湿)画像流れ」は、繰り
返し使用により帯電器から発生するオゾンの派生物であ
るコロナ生成物の影響により感光体表面が水分を吸着し
やすくなり、これが電荷の横流れの原因となり、その結
果おきる現象である。
【0055】該画像流れの対策として、a−Si系感光
体では、実公平1−34205号公報に記載されてい
る、上述のようなヒーターにより、感光体表面に吸着し
た水分を蒸発させる方法が、また特公平2−38956
号公報に記載のような、磁性ローラーと磁性トナーから
形成されたブラシにより感光体表面を摺擦してコロナ生
成物を除去する方法、また、特開昭61−100780
号公報に記載のような弾性ローラーにより感光体表面を
摺擦し、コロナ生成物を除去する方法、等が記載されて
いる。
【0056】一方、ローラーによる摺擦について、上述
のクリーニングローラーやクリーニングブラシで感光体
表面を摺擦する事もできる。
【0057】感光体表面を摺擦する方法は、a−Si系
感光体の様に表面が高硬度の場合に実用に供し易い。
【0058】また、有機半導体からなる感光体(OP
C)等の比較的柔らかい感光体では、感光体が摺擦研磨
される事を前提として電子写真装置を設計したりする方
法や、逆に、該感光体が摺擦研磨されることに関して、
均一研磨や長寿命化の為の対策を追加する場合がある。
【0059】しかしながら、上記の異物除去力を向上さ
せるための例の多くは、上記のように、クリーニング部
材の当接圧或いは侵入量を増加したり、クリーニングブ
ラシやクリーニングローラー等感光体への相対速度を増
加するなど、摺擦力を増大させる物である。
【0060】この結果、前述の目的である、長寿命化と
は相反し、感光体表面の多量の摩耗が生じ、部分的な感
光体表面の削れが発生し画像上に濃度ムラとなり発生し
たり、感光体やクリーニング装置への負荷が大きくなる
場合が多くなるなど、感光体や、クリーニング装置を含
む画像形成装置への負荷が増加することは否めない。
【0061】本発明は、上記問題における、クリーニン
グ装置の負荷の軽減と共に、(1)感光体表面の削れむ
らの防止、(2)高速機における感光体の削れ過ぎの防
止、を可能とする電子写真装置を提供するものである。
【0062】
【課題を解決するための手段】本発明は、感光体に対し
て帯電及び露光して潜像を形成する潜像形成手段、該潜
像にトナーを供給してトナー像を形成するトナー像形成
手段、該トナー像を転写材に転写する転写手段、および
該感光体表面の残留物や異物をクリーニングブレードに
よって除去するクリーニング手段を有する電子写真装置
において、該感光体の表面自由エネルギーをγD、該ク
リーニングブレードの表面自由エネルギーをγB、該ト
ナーの表面自由エネルギーをγT、としたときに、γD
>γB>γTであることを特徴とする電子写真装置であ
り、これによりクリーニング装置の負荷軽減と共に上記
(1)の課題が達成される。この発明においては、トナ
ーとしてポジトナーを用いることが好ましい。
【0063】また、本発明は、感光体に対して帯電及び
露光して潜像を形成する潜像形成手段、該潜像にトナー
を供給してトナー像を形成するトナー像形成手段、該ト
ナー像を転写材に転写する転写手段、および該感光体表
面の残留物や異物をクリーニングブレードによって除去
するクリーニング手段を有する電子写真装置において、
該感光体の表面自由エネルギーをγD、該クリーニング
ブレードの表面自由エネルギーをγB、該トナーの表面
自由エネルギーをγT、としたときに、γD>γB>γ
Tであり、かつ感光体の周速が400mm/sec以上
であることを特徴とする電子写真装置であり、これによ
りクリーニング装置の負荷軽減と共に上記(2)の課題
が達成される。この発明においては、転写手段において
転写されなかったトナーを回収してトナー像形成手段に
供給する手段を有することが好ましい。
【0064】上記いずれの発明においても、クリーニン
グ手段が、感光体表面の転写残トナーを回収し感光体表
面に供給する手段を有することが好ましい。
【0065】表面自由エネルギー(γ)は、Forke
sの拡張理論により導き出す事ができる。
【0066】このように、本発明においては、感光体表
面と付着するトナー、クリーニングブレードのγの関係
を規定、制御する事により、削れムラのない均一なクリ
ーニング性能を実現する。
【0067】これにより、潜像及び顕像形成など、画像
形成の各工程の精度が長期にわたり維持され、高画質な
画像を安定して得ることができるようになる。
【0068】
【発明の実施の形態】[プロセス概要]電子写真の工程
全般、及びクリーニング機構の概略について、図2の画
像形成プロセスの一例を示す該略図をもって説明する。
【0069】矢印X方向に回転する、感光体101の周
辺には、主帯電器102、静電潜像形成部位103、現
像器104、転写紙供給系105、転写帯電器106
(a)、分離帯電器106(b)、クリーニング手段で
ある所のクリーニング装置107、搬送系108、除電
光源109などが配設されている。感光体101は、必
要に応じて面状内面ヒーター125によって温度コント
ロールをしてもよい。
【0070】以下、さらに具体例を以て画像形成プロセ
スを説明する。
【0071】[潜像形成手段]感光体101は、不図示
の電圧印加手段から+5〜10kVの高電庄を印加した
主帯電器102により一様に帯電される。ランプ110
から発した光は原稿台ガラス111上に置かれた原稿1
12に反射し、ミラー113、114、115を経由
し、レンズユニツト117のレンズ118によって結像
され、ミラー116を経由し、導かれ投影された静電潜
像が静電潜像形成部位103で形成される。
【0072】[トナー像形成手段]この潜像に、必要に
応じて、所定の交流もしくは交流及び直流電圧を印加し
た現像器104から、現像材トナー(以下、トナーと称
する)が供給されてトナー像となる。
【0073】トナーの極性は、感光体の極性や潜像形成
方法によって正極性トナー(以下、ポジトナー)また
は、負極性トナー(以下、ネガトナー)のどちらかが選
択される。
【0074】[転写手段]一方、転写紙ガイド119を
通って、レジストローラ122によって先端タイミング
を調整され、感光体方向に供給される転写材Pは、例え
ば7〜8kVなどの適宜な高電圧を印加した転写帯電器
106(a)と感光体101の間隙において背面(転写
帯電器側)から、トナーとは反対極性の電界を与えら
れ、これによって感光体表面のトナー像は転写材Pに転
移する。
【0075】転写材Pは、1.0〜1.6kVp-p、3
00〜1200Hzの高圧交流電圧を印加した分離帯電
器106(b)や、不図示の分離爪等の分離手段により
感光体から分離され、転写紙搬送系108を通って定着
装置123に至り、該定着装置123内の定着ローラー
124により、トナー像は定着されて装置外に排出され
る。
【0076】[クリーニング手段]感光体101上に残
留するトナーはクリーニング装置107内のクリーニン
グブレード120によってかき落とされる。クリーニン
グ装置107内では残留している静電潜像は、除電光源
109によって消去される。
【0077】本図2はいわゆるアナログ画像形成装置の
該略図であり、感光体を正極帯電させ、負極性のトナー
を使用する場合の1例について記載している。
【0078】デジタル画像形成装置の場合は、画像信号
付与のための光源として、原稿に反射した光をいったん
信号化し、使用する感光体の感度やその他の特性に適宜
な可干渉光、いわゆる所定の波長のレーザー等が使用さ
れてもよい。
【0079】帯電極性やトナーの極性、帯電方法、現像
方法、転写方法や、電圧条件等は異なるものを使用して
もよい。
【0080】以下、図2のクリーニング装置を拡大した
図3をもとに、クリーニング手段について詳細に述べ
る。
【0081】本図3のクリーニング装置は、前述の如
く、ウレタンゴムなどからなるクリーニングブレード1
20、シリコンゴム或いはスボンジ、或いは磁性体等の
材料からなるクリーニングローラー121、ドクターロ
ーラー301、廃トナー溜り302、廃トナー搬送系3
03等を有する。このドクターローラー(又はドクター
ブレード)301は必要に応じて設置される。
【0082】これらの構成の一部乃至は全部からなる、
或いは、更に構成が追加されたクリーニング装置を使用
してもよい。
【0083】クリーニングブレード120は、適宜な当
接圧または侵入量で感光体表面に、均一に当接するよう
に設置されている。該クーリニングブレード120は、
必要に応じてイコライズ機構や可動機構を有し、感光体
表面との当接の均一性を向上させてもよい。
【0084】更に、クリーニングブレード120の近傍
に、必要に応じてクリーニングローラー121を設置す
る。該クリーニングローラー121には、シリコンゴム
等の弾性材、スポンジ材、或いは磁性体を使用してもよ
いし、トナーと逆極性のバイアスを印加してもよい。
【0085】該クリーニングローラー121は、直接
に、又は磁力等で付着しているトナーなどの磁性粉体等
により間接に感光体に当接され、該当接部位にて感光体
は摺擦され、付着物が掻き取られる。
【0086】これ以外にも、樹脂繊維や金属繊維等から
なるクリーニングブラシや、樹脂或いは磁性体等からな
るクリーニングローラー等の、単独或いは組み合わせに
より構成させる。
【0087】上記クリーニング装置107内の、ウレタ
ンゴムなどからなるクリーニングブレード120等のク
リーニング手段と、感光体101の表面との間に相対移
動が生じたとき、摩擦が生じる。
【0088】感光体表面の付着物は、該摩擦力により摺
擦され、掻き取られる。掻き取られ、回収されたトナー
(回収トナー)は、一部がドクターローラー(又はスク
レーパ)301によりクリーニングローラー121から
除去され、クリーニング装置内の廃トナー溜り302、
廃トナー搬送系303を経由して不図示の廃トナー貯蔵
器へ排出される。
【0089】上述のように、感光体表面の異物を摺擦除
去する為には、相応の摩擦力等の負荷が必要となる。
【0090】該クリーニングブレード120の当接圧
は、使用する感光体の材料や、突起その他を含めた表面
形状、該感光体の周速等の条件により、クリーニングブ
レード圧が適宜設定される。
【0091】また、クリーニングローラー121は上記
の様に、直接或は間接に感光体表面と当接した状態で、
感光体表面と所定の相対速度をもって移動する。
【0092】該クリーニングローラー121は前述の如
く、クリーニング装置107内に設置され、これにドク
ターローラー(又はスクレーパ)301が当接設置され
る。
【0093】該クリーニングローラー121表面は、感
光体表面を摺捺する為に、該感光体表面に対して所定の
相対速度で駆動される。
【0094】該クリーニングローラーの移動速度は、感
光体に対して従導方向(以下「順方向」と称する)を+
として、該感光体に対する相対速度で記す。
【0095】クリーニングのむらや、局所的なスジ等の
防止の為、該相対速度を、+100%より大、又は+5
%以上+100%未満、又は−4%乃至−80%の範囲
のいずれかで使用する事が好ましい。
【0096】ここで、相対速度について説明すると、
「+100%」は、クリーニングローラーが、感光体表
面の順方向に等速で回転している、いわゆる“連れ回
り”を指し、「−100%」は、感光体との当接部位に
おいて、感光体表面と逆方向、いわゆるカウンターに、
感光体と同等の周速で回転している状態を指す。なお、
クリーニングローラーの停止状態は、相対速度「0%」
である。
【0097】感光体表面に対して、その当接部位で逆方
向に回転する方向に回転させると、順方向に回転させる
場合と比較して、低回転速度でクリーニング効果を得る
ことができる。
【0098】これはクリーニングローラー駆動用モータ
ーに対する配慮であり、順方向であっても、適宜な相対
速度を持って回転させればよい。
【0099】また、駆動方向は感光体表面を摺擦し得る
方向の駆動であればよい。
【0100】例えば、感光体の回転方向(図の紙面内の
方向)に対してばかりでなく、感光体の長軸方向(紙面
に垂直な方向)、或いはその組合せで駆動しても構わな
い。
【0101】これらの場合は、相対速度の方向について
適宜定義が異なるが、実質的に0%でなければよい。好
ましくは、−4%〜+4%を除く範囲である。
【0102】その他、該クリーニングローラー121
は、感光体表面に対して、距離或いはニップ巾、当接圧
等を調整し得る機構を設けてもよい。
【0103】一方、磁力或いはクーロン力等によるクリ
ーニング装置は、該磁気力、クーロン力等が、感光体表
面に付着した付着物を該感光体から吸引除去するもので
ある。
【0104】吸引した付着物を、更に排出し、クリーニ
ングローラー表面の吸引効果を維持する為、上記の摺擦
するクリーニングローラー等と同様に、適宜な装置速度
で駆動する事が好ましい。
【0105】感光体表面の持つ付着性は、表面自由エネ
ルギー(表面張力と同義)として、検出する事が可能で
ある。
【0106】[表面自由エネルギー]以下、表面自由エ
ネルギーに付いて述べる。
【0107】感光体表面と残留トナーや異物等の付着
は、物理結合の範疇であり分子間力(Van der
Waals力)が原因である。
【0108】その分子間力が最表面において起こす現象
として表面自由エネルギー(γ)がある。
【0109】物質の「濡れ」には、大別して3種類あ
る。物質1が物質2に付着する「付着濡れ」、物質1が
物質2上に広がる「拡張濡れ」、物質1が物質2に浸っ
たり、染み込む「浸漬濡れ」である。
【0110】表面自由エネルギー(γ)と濡れ性に関し
て、Youngの式から物質1と物質2との関係は、下
記のようになる。
【0111】
【数1】 γl:物質1表面の表面自由エネルギー γ2:物質2の表面自由エネルギー γ12:物質1/物質2の界面自由エネルギー θ12:物質1/物質2の接触角 上式において、画像形成装置内の感光体表面への異物や
水分等の付着を考える場合は、物質1を感光体、物質2
を異物とすればよい。
【0112】数式1より、濡れ難くする、つまりθ12
大きくする為には、感光体とトナーの濡れ仕事γ1を大
きくし、γ2とγ12を小さくしてやる事が有効である。
【0113】電子写真のクリーニング工程において、感
光体の表面自由エネルギーγ1を制御する事により、結
果として数式1の右辺の付着状態を制御できる。
【0114】また、耐久において、トナーやその他の異
物は逐次、新たに供給される物であり、γ2は一定と考
える事が出来る ここで、固体と液体の濡れに関しては、その接触角θ12
を直接測定する事ができるが、感光体とトナーの様に、
固体と固体の場合は、接触角θ12後を測定し得ない。
【0115】本発明にかかる感光体とトナー、クリーニ
ングブレードは、通常ともに固体であり、このケースに
該当する。
【0116】北崎寧昭、畑敏雄らは、日本接着協会紙8
(3)、131〜141(1972)で、界面自由エネ
ルギー(界面張力と同義)に関し、非極性な分子間力に
ついて述べたForkesの理論に対し、さらに極性、
水素結合性の分子間力による成分にまで拡張できると述
べている。
【0117】この拡張Forkes理論により、各物質
の表面自由エネルギーを2乃至3成分で求める事ができ
る。下に、付着濡れの場合を例に3成分の理論について
記す。
【0118】この理論は下記の如き仮定の基で成り立っ
ている。
【0119】表面自由エネルギー(γ)の加算則
【0120】
【数2】 γd:双極子成分(極性によるぬれ=付着)、 γp:分散成分(非極性のぬれ=付着)、 γh:水素結合成分(水素結合によるぬれ=付着) これをForkes理論に適用して、2つの物質の界面
自由エネルギーγ12は、下記のようになる。
【0121】
【数3】 表面自由エネルギーの測定方法は、p、d、hの表面自
由エネルギー各成分が既知の試薬を使用し、該試薬との
付着性を測定し、算出する事が出来る。
【0122】具体的には、試薬に純水、ヨウ化メチレ
ン、α−ブロモナフタレンを使用し、協和界面(株)製
の接触角計CA−SROLLを使用して上記各試薬の感
光体表面への接触角を測定し、同社製表面自由エネルギ
ー解析ソフトEG−11にて表面自由エネルギーγを算
出した。
【0123】試薬は上記のほかにも、P、d、hの各成
分が適宜な組み合わせの物を使用すればよい。また測定
方法も、上記の他にも一般的な手法の、例えばウイルヘ
ルミ法(つり板法)、ドゥ・ヌイ法等で測定する事によ
り、行う事ができる。
【0124】先に述べたように、「濡れ」には複数の種
類があるが、感光体表面にトナーが固着、融着する場合
には、感光体表面に残留したトナーが感光体に付着し、
クリーニング、帯電等の工程を繰り返しているうちに、
該トナーが感光体表面に被膜状に広がり、付着力が強度
になる事による影響が大きい。いわゆる「付着濡れ」に
相当する。
【0125】また、紙粉やロジン、タルク等の、異物の
固着などの場合も同様に付着後、感光体との接触面(以
下「界面」と称する)の面積が増大して強固な濡れにな
る。
【0126】更に感光体表面に付着した異物に、また感
光体表面に直接水分が関与し「濡れ」る事は、画像がば
やけたようになる、いわゆる“高湿流れ”の要因となっ
ている。
【0127】電子写真の画像形成の工程上、トナーを含
む様々な物質が一旦は感光体表面に付着する。
【0128】これらのうち、転写材に転写されきらなか
った、いわゆる“残トナー”や他の異物を、一定期間以
内にクリーニング、即ち除去する必要がある。
【0129】ここで言う一定期間とは、様々な物質が一
旦は感光体表面に付着する実時から、該付着物が、拡散
且つ/又は更なる付着により、感光体との界面の面積が
増加するまでの期間を指す。
【0130】本発明者らは、感光体、トナー、クリーニ
ングブレードの表面自由エネルギーγの関係を規定する
事が有効であると考え、鋭意検討を行い、高画質且つ高
耐久な電子写真画像を得る事が出来ることを見出した。
【0131】[制御]高画質な画像を安定して得る為
に、感光体のクリーニング性を制御する。
【0132】本発明者らは、鋭意検討の給果、感光体γ
D、トナーγT、クリーニングブレードγBの表面自由
エネルギーγの関係が、γD>γB>γTである時に、
良好なクリーニング性を得られ、感光体が均一に削られ
ることを見出した。
【0133】また、感光体が400mm/sec以上の
周速で使用される際の削れ過ぎを防止するには上記関係
を、γD>γB>γTとすることが有効であることを見
出した。
【0134】[感光体]本発明に好適な感光体の形態と
して、無機感光体のうち、非晶質珪素を主原料とする感
光体すなわちアモルファスシリコン系感光体(以下「a
−Si感光体」と称する)、および有機半導体からなる
感光体(OPC)がある。
【0135】a−Si系感光体は、中高速複写機等に搭
載されており、使用頻度が高い条件においても、非常に
長期間、安定した特性を有する。
【0136】この様な長寿命の電子写真感光体を搭載し
た画像形成装置において、その電子写真工程の一部であ
るクリーニング工程の高効率化、長寿命化の効果は非常
に大きい。
【0137】一方、OPCはレーザービームプリンター
等のカートリッヂ等に搭載されている。
【0138】OPCも、高画質な画像を提供する感光体
である。OPCは表面の構成がa−Si系感光体のよう
に高硬度ではない。
【0139】クリーニングブレードの摺擦等により、該
OPCの膜厚が減少し、その膜厚減少は感光体、ひいて
はカートリッヂの寿命を決定する要因になる場合があ
る。
【0140】本発明においては、クリーニングブレード
の線圧等の負荷を減少して使用することが可能になる
為、感光体の長寿命化に極めて有効である。
【0141】[a−Si感光体]a−Si感光体の成膜
は、CVD法もしくはPVD法により行われる。その例
を以下に示す。
【0142】図5に示す装置は、電子写真用感光体の製
造に使用する一般的なPCVD装置である。このPCV
D装置は、堆積装置30、原料ガス供給装置及び排気装
置(ともに図示せず)を備えて構成されている。
【0143】堆積装置30には縦型の真空容器からなる
反応容器31を有し、この反応容器31内の周囲には内
には縦方向の原料ガス導入管33が複数本配設され、ガ
ス導入管33の側面には、長手方向に沿って多数の細孔
が設けられている。反応容器31内の中心には、螺旋状
に巻線したヒーター32が縦方向に延設され、感光体ド
ラムの基体となる円筒体42は、容器31内の上部の蓋
31aを開けて挿入され、ヒーター32を内側にして容
器31内に垂直に設置される。また、反応容器31の側
面の一方に設けた凸部34から高周波電力が供給され
る。
【0144】反応容器31の下部には、原料ガス導入管
33に接続された原料ガス供給管35が取り付けられ、
この供給管35は、原料ガス供給バルブ36を介して図
示しないガス供給装置に接続されている。また、反応容
器31下部には排気管37が取り付けられ、この排気管
37はメイン排気バルブ38を介して図示しない排気装
置(真空ポンプ)に接続されている。排気管37には、
他に真空計39、サブ排気バルブ40が取り付けられて
いる。
【0145】上記の装置を用いたPCVD法によるa−
Si感光層の形成は次のように行なわれる。まず、反応
容器31内に感光体ドラムの基体となる円筒体42をセ
ットし、蓋31aを閉じた後、図示しない排気装置によ
り容器31内を所定の低圧以下の圧力まで排気し、以後
排気を続けながら、ヒーター32により円筒体42を内
側から加熱して、円筒体42を20℃〜450℃の範囲
内の所定の温度に制御する。円筒体42は、成膜の全行
程において必要に応じて回転させてもよい。円筒体42
が所定の温度に維持されたら、所望の原料ガスをそれぞ
れの流量制御器(図示せず)により調節しながら、導入
管33を通って反応容器31内に導入する。導入された
原料ガスは反応容器31内を満たした後、排気管37を
通って容器31外に排気される。
【0146】このようにして、原料ガスが満たされた反
応容器31内が所定の圧力になって安定したことを真空
計39により確認したら、図示しない高周波電源(1
3.56MHzのRF帯域、または50〜150MHz
のVHF帯域、等)により、高周波を所望の投入電力量
で容器31内に導入し、容器31内にグロー放電を発生
させる。このグロー放電のエネルギーによって、原料ガ
スの成分が分解してプラズマイオンが生成し、円筒体4
2の表面に珪素を主体としたa−Si堆積層が形成され
る。この際、ガス種、ガス導入量、ガス導入比率、圧
力、基体温度、投入電力、膜厚などのパラメータを調整
して様々な特性のa−Si堆積層を形成することによ
り、電子写真特性を制御することが出来る。
【0147】このようにして円筒体42の表面にa−S
i堆積層が所望の膜厚で形成されたら、高周波電力の供
給を止め、供給バルブ36等を閉じて、反応容器31内
への原料ガスの導入を停止し、一層分のa−Si堆積層
の形成を終える。同様の操作を複数回繰り返すことによ
り所望の多層構造のa−Si堆積層、つまりa−Si感
光層が形成され、円筒体42の表面に多層構造のa−S
i感光体を有する感光体ドラムが製造される。
【0148】以上において、ガス導入管33の長手方向
上に分布した細孔から反応容器31内に導入される原料
ガスの導入管33長手方向での流量分布、排気管からの
排ガスの流出速度、放電エネルギー等を調整することに
よって、円筒体42上のa−Si堆積層の長手方向に沿
った電子写真特性を制御することが出来る。
【0149】
【実施例】以下、実験例および実施例により本発明につ
いて具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例
に限定されるものではない。
【0150】[実験例1]純度99.9%のAlからな
る外径80mm円筒状の基板の上にプラズマCVD法に
よって、a−Siを母体とした感光体を作製した。感光
体101の層構成は、図6(c)に示すように、電荷注
入阻止層705、光導電層703および表面層704か
らなる感光層702が、支持体701上に形成されてな
る。層構成について本発明による特段の限定はなく、例
えば図6(a)、(b)あるいは同(d)〜(f)に示
すような、他の構成も適用できる。表面層は、a−Si
Cによって形成されている。
【0151】表1に示す表面自由エネルギーを有する感
光体D1〜D5を成膜パラメーター(基体温度、放電エ
ネルギー、原料ガスの流出速度)を変えることで作製し
た。
【0152】
【表1】 また、表2に示す表面自由エネルギーを有するブレード
B1〜B5をウレタンの架橋条件を変えることで作製し
た。
【0153】
【表2】 トナーには、スチレンアクリルを母体とするネガトナー
(以下、T1と称す)を用いた。このトナーをペレット
状にして測定した表面自由エネルギーは、38.0mN
/mであった。
【0154】これらの感光体、クリーニングブレード、
現像材を図2に示す構成を有する電子写真装置(キヤノ
ン製NP6750を改造、感光体周速320mm/se
c)に装備し、A4用紙横で100万枚の耐久試験を行
った。耐久試験を行った環境は、温度25℃、湿度60
%の通常環境(以下、N/N環境と称す)と、温度30
℃、湿度80%の高湿高温環境(以下、H/H環境と称
す)である。
【0155】耐久試験の評価は、感光体の表面層膜厚の
削れ量の最大値と最小値の差(削れムラ)、高湿流れに
より行った。感光体の表面層膜厚は、大塚電子(株)製
SPECTOR MULTI CHANNEL PHO
TO DETECTOR(MCPD)を用い光の千渉に
よって測定した。
【0156】実験結果を表3、4、5に示す。表3、4
は感光体の削れムラの評価結果、表5は高湿流れの評価
結果である。
【0157】表3、4に示すように、該感光体の表面自
由エネルギーをγD、該クリーニングブレードの表面自
由エネルギーをγB、該トナーの表面自由エネルギーを
γT、としたときに、γD>γB>γTの関係を持つ場
合において、感光体の削れムラが極めて少ないことが確
認できる。
【0158】また、表5に示すように、γD>γB>γ
Tの関係を持つ場合において、高湿流れが極めて良い状
態になることが確認された。
【0159】
【表3】
【0160】
【表4】
【0161】
【表5】 また、耐久後の感光体とクリーニングブレードの個所の
トナー付着状態を調べた結果を図7に示す。図7(a)
はγD>γB>γTの場合、図7(b)はγB>γD>
γTの場合、図7(c)はγD>γT>γBの場合であ
る。
【0162】本発明においては、図7(a)や図7
(c)の様にトナー305が感光体上に溜まり易く、そ
のトナー層により感光体表面が摺擦されるため、クリー
ニングブレードの線圧を上げることなくトナーのすり抜
けを防止しまたドラムを均一に削る効果がある。
【0163】クリーニングローラーには、磁性ローラー
とスポンジローラーを使用したがどちらでも同様な結果
が得られた。
【0164】[実験例2]実験例1で使用した感光体と
クリーニングブレードを用い、現像材としてスチレンア
クリル系のポジトナー(以下、T2と称す)を用い、実
験例1と同じ実験を行った。
【0165】使用したポジトナーをペレット状態にして
測定した表面自由エネルギーは、40.2mN/mであ
った。
【0166】実験結果を表6、7、8に示す。表6、7
は、感光体の削れムラの評価結果、表8は、高湿流れの
評価結果である。
【0167】表6、7に示すように、該感光体の表面自
由エネルギーをγD、該クリーニングブレードの表面自
由エネルギーをγB、該トナーの表面自由エネルギーを
γT、としたときに、γD>γB>γTの関係を持つ場
合において、感光体の削れムラが極めて少ないことが確
認できる。
【0168】また、表8に示すように、γD>γB>γ
Tの関係を持つ場合において、高湿流れが極めて良い状
態になることが確認された。
【0169】これらの結果は、実験例1の場合よりも顕
著であった。これは、クリーニング装置個所における感
光体の表面電位が極めてゼロに近く、また、トナーが正
極性を持つために、トナーの静電力による付着の発生が
ネガトナーに比べて多くなるためである。
【0170】クリーニングローラーには、磁性ローラー
とスポンジローラーを使用したがどちらでも同様な結果
が得られた。
【0171】
【表6】
【0172】
【表7】
【0173】
【表8】 [実験例3]感光体/クリーニングブレード/トナーの
表面自由エネルギー(γD/γB/γT)の関係がγD
>γB>γTとなる組み合わせとして、感光体Dl、ク
リーニングブレードB3および現像材T1を用い、キヤ
ノン製NP6750を改造した電子写真装置に搭載し
た。また、γD>γT>γBとなる組み合わせとして、
感光体Dl、クリーニングブレードB4および現像材T
1をキヤノン製NP6750を改造した電子写真装置に
搭載した。
【0174】電子写真装置は、感光体の周速を320m
m/sec(NP6760の標準)、380mm/se
c、420mm/sec、450mm/secに変えら
れるように改造してある。
【0175】実験は、各々のプロセススピードにおい
て、H/H環境においてA4横100万枚の通紙耐久を
行ない、感光体の削れ量/削れムラの評価を行った。結
果を図1に示す。
【0176】図1のa−1、b−1が感光体Dlとクリ
ーニングブレードB3の組み合わせ(γD>γB>γ
T)、a−2、b−2が感光体Dlとクリーニングブレ
ードB4の組み合わせ(γD>γT>γB)の結果であ
る。
【0177】また、従来例として感光体とクリーニング
ブレードとトナーの表面自由エネルギーの関係が、γB
>γT>γDとなる関係における実験結果も示してあ
る。
【0178】感光体の周速が400mm/sec以上で
ある場合には、(γD>γT>γB)の条件において感
光体の削れ量の増加が少なく、また削れムラも少なく、
良好な結果を得られた。
【0179】クリーニングローラーには、磁性ローラー
とスポンジローラーを使用したがどちらでも同様な結果
が得られた。
【0180】[実験例4]感光体/クリーニングブレー
ド/トナーの表面自由エネルギー(γD/γB/γT)
の関係がγD>γT>γBとなる組み合わせとして、感
光体Dl、クリーニングブレードB3および現像材T
2、並びに感光体Dl、クリーニングブレードB4およ
び現像材T2を、キヤノン製NP6750を改造した電
子写真装置に搭載した。
【0181】電子写真装置は、感光体の周速を320m
m/sec(NP6750の標準)、380mm/se
c、420mm/sec、450mm/secに変えら
れるように改造してある。
【0182】実験は、各々のプロセススピードにおい
て、H/H環境においてA4横100万枚の通紙耐久を
行ない、感光体の削れ量/削れムラの評価を行った結
果、実験例3同様、感光体の周速が400mm/sec
以上である場合には、(γD>γT>γB)の条件にお
いて感光体の削れ量の増加が少なく、また削れムラも少
なく、良好な結果を得られた。
【0183】クリーニングローラーには、磁性ローラー
とスポンジローラーを使用したがどちらでも同様な結果
が得られた。クリーニングローラーには、磁性ローラー
とスポンジローラーを使用したがどちらでも同様な結果
が得られた。
【0184】[実験例5]感光体とクリーニングブレー
ドとトナーの表面自由エネルギーがそれぞれ(1)γD
>γB>γT、(1)γD>γT>γB、(3)従来例
としてγB>γT>γDの関係で実験した際の廃トナー
をT1、T2それぞれ別個に回収し、キヤノン製NP6
750の現像器に入れてそれぞれ画像評価を行った。
【0185】評価内容は、画像濃度/かぶりである。評
価結果を表9に示す。なお、表中の従来並みとは、従来
技術において廃トナーを用いた場合の画出し結果と同等
ということである。
【0186】表9に示すように、(1)γD>γT>γ
B又は(2)γD>γT>γBの関係を満たすものは良
好な結果を示した。これは、γD>γT>γBの場合、
クリーニングブレードに固着するトナーが少なく、ま
た、γD>γB>γTの場合、感光体からトナーが除去
されやすいために、再塗布されたトナーが効率良くクリ
ーナーに回収される為である。
【0187】クリーニングローラーには、磁性ローラー
とスポンジローラーを使用したがどちらでも同様な結果
が得られた。
【0188】
【表9】 このように、γD>γT>γBの関係がある場合に、ト
ナー像を転写材に転写する際に転写されなかったトナー
を回収して再び現像材として利用することが好ましく、
従って、この転写されなかったトナーを回収してトナー
像形成手段に供給する手段を有する電子写真装置が好ま
しく利用できる。
【0189】この手段の構成としては、図2に示すクリ
ーニング装置107に溜まったトナーを現像器104へ
搬送するための搬送経路(不図示)を設け、エアーや磁
性体、又はスクリューなどで搬送経路内を搬送する機構
を設けることことで実現できる。
【0190】[実施例1]実験例1で良好であった感光
体とクリーニングブレードとネガトナーの組合せのう
ち、γD>γB>γTの組み合わせをキヤノン製NP6
750に搭載し、A4横300万枚の通紙耐久を行っ
た。これ以外の耐久条件及び評価方法は、実験例1と同
様である。また、クリーニングローラーには磁性ローラ
ーを用いた。
【0191】感光体の削れムラ、H/H環境における高
湿流れ共に良好であった。
【0192】[実施例2]実験例1で良好であった感光
体とクリーニングブレードとネガトナーの組合せのう
ち、γD>γB>γTの組み合わせをキヤノン製NP6
750に搭載し、A4横300万枚の通紙耐久を行っ
た。これ以外の耐久条件及び評価方法は、実験例1と同
様である。また、クリーニングローラーにはスポンジロ
ーラーを用いた。
【0193】感光体の削れムラ、H/H環境における高
湿流れ共に良好であった。
【0194】[実施例3]実験例1で良好であった感光
体とクリーニングブレードとネガトナーの組合せのう
ち、γD>γB>γTの組み合わせをキヤノン製NP6
750に搭載しA4横300万枚の通紙耐久を行った。
これ以外の耐久条件及び評価方法は、実験例1と同様で
ある。また、クリーニングローラーにはファーブラシロ
ーラーを用いた。
【0195】感光体の削れムラ、H/H環境における高
湿流れ共に良好であった。
【0196】[実施例4]実験例2で良好であった感光
体とクリーニングブレードとポジトナーの組合せのう
ち、γD>γB>γTの組み合わせをキヤノン製NP6
750の改造機に搭載しA4横300万枚の通紙耐久を
行った。これ以外の耐久条件及び評価方法は、実験例1
と同様である。また、クリーニングローラーには磁性ロ
ーラを用いた。
【0197】感光体の削れムラ、H/H環境における高
湿流れ共に良好であった。
【0198】[実施例5]実験例2で良好であった感光
体とクリーニングブレードとポジトナーの組合せのう
ち、γD>γB>γTの組み合わせをキヤノン製NP6
750の改造機に搭載しA4横300万枚の通紙耐久を
行った。これ以外の耐久条件及び評価方法は、実験例1
と同様である。また、クリーニングローラーにはスポン
ジローラーを用いた。
【0199】感光体の削れムラ、H/H環境における高
湿流れ共に良好であった。
【0200】[実施例6]実験例2で良好であった感光
体とクリーニングブレードとポジトナーの組合せのう
ち、γD>γB>γTの組み合わせをキヤノン製NP6
750の改造機に搭載しA4横300万枚の通紙耐久を
行った。これ以外の耐久条件及び評価方法は、実験例1
と同様である。また、クリーニングローラーにはファー
ブラシローラーを用いた。
【0201】感光体の削れムラ、H/H環境における高
湿流れ共に良好であった。
【0202】[実施例7]実験例3で良好であった感光
体とクリーニングブレードとネガトナーの組合せのう
ち、γD>γT>γBの組み合わせをキヤノン製NP6
750を感光体の周速を450mm/secに改造した
改造機に搭載しA4横300万枚の通紙耐久を行った。
これ以外の耐久条件及び評価方法は、実験例1と同様で
ある。また、クリーニングローラーには磁性ローラを用
いた。
【0203】感光体の削れ量/削れムラ共に良好であ
り、またH/H環境における高湿流れも良好であった。
【0204】[実施例8]実験例3で良好であった感光
体とクリーニングブレードとネガトナーの組合せのう
ち、γD>γT>γBの組み合わせをキヤノン製NP6
750を感光体の周速を450mm/secに改造した
改造機に搭載しA4横300万枚の通紙耐久を行った。
これ以外の耐久条件及び評価方法は、実験例1と同様で
ある。また、クリーニングローラーにはスポンジローラ
ーを用いた。
【0205】感光体の削れ量/削れムラ共に良好であ
り、またH/H環境における高湿流れも良好であった。
【0206】[実施例9]実験例3で良好であった感光
体とクリーニングブレードとネガトナーの組合せのう
ち、γD>γT>γBの組み合わせをキヤノン製NP6
750を感光体の周速を450mm/secに改造した
改造機に搭載しA4横300万枚の通紙耐久を行った。
これ以外の耐久条件及び評価方法は、実験例1と同様で
ある。また、クリーニングローラーにはファーブラシロ
ーラーを用いた。
【0207】感光体の削れ量/削れムラ共に良好であ
り、またH/H環境における高湿流れも良好であった。
【0208】[実施例10]実験例4で良好であった、
感光体とクリーニングブレードとポジトナーの組合せ
(γD>γT>γB)をキヤノン製NP6750を感光
体の周速を450mm/secに改造した改造機に搭載
しA4横300万枚の通紙耐久を行った。これ以外の耐
久条件及び評価方法は、実験例1と同様である。また、
クリーニングローラーには磁性ローラを用いた。
【0209】感光体の削れ量/削れムラ共に良好であ
り、またH/H環境における高湿流れも良好であった。
【0210】[実施例11]実験例4で良好であった、
感光体とクリーニングブレードとポジトナーの組合せ
(γD>γT>γB)をキヤノン製NP6750を感光
体の周速を450mm/secに改造した改造機に搭載
しA4横300万枚の通紙耐久を行った。これ以外の耐
久条件及び評価方法は、実験例1と同様である。また、
クリーニングローラーにはスポンジローラーを用いた。
【0211】感光体の削れ量/削れムラ共に良好であ
り、またH/H環境における高湿流れも良好であった。
【0212】[実施例12]実験例4で良好であった、
感光体とクリーニングブレードとポジトナーの組合せ
(γD>γT>γB)をキヤノン製NP6750を感光
体の周速を450mm/secに改造した改造機に搭載
しA4横300万枚の通紙耐久を行った。これ以外の耐
久条件及び評価方法は、実験例1と同様である。また、
クリーニングローラーにはファーブラシローラーを用い
た。
【0213】感光体の削れ量/削れムラ共に良好であ
り、またH/H環境における高湿流れも良好であった。
【0214】[実施例13]実験例1で良好であった感
光体を外径30mmで作製し、キヤノン製GP55改造
機に搭載し、実験例1、実験例2で良好であったクリー
ニングブレードとトナーの組合せ(γD>γB>γT)
で100万枚の通紙耐久を行った。これ以外の耐久条件
及び評価方法は、実験例1と同様である。クリーニング
ローラーには磁性ローラーを使用した。
【0215】また、改造機は、感光体周速が120mm
/secになるように改造してある。
【0216】感光体の削れムラ、H/H環境における高
湿流れ共に良好であった。
【0217】[実施例14]実験例1で良好であった感
光体を外径30mmで作製し、キヤノン製GP55改造
機に搭載し、実験例1、実験例2で良好であったクリー
ニングブレードとトナーの組合せ(γD>γB>γT)
で100万枚の通紙耐久を行った。これ以外の耐久条件
及び評価方法は、実験例1と同様である。クリーニング
ローラーにはスポンジローラーを使用した。
【0218】また、改造機は、感光体周速が120mm
/secになるように改造してある。
【0219】感光体の削れムラ、H/H環境における高
湿流れ共に良好であった。
【0220】[実施例15]実験例1で良好であった感
光体を外径30mmで作製し、キヤノン製GP55改造
機に搭載し、実験例1、実験例2で良好であったクリー
ニングブレードとトナーの組合せ(γD>γB>γT)
で100万枚の通紙耐久を行った。これ以外の耐久条件
及び評価方法は、実験例1と同様である。クリーニング
ローラーにはファーブラシローラーを使用した。
【0221】また、改造機は、感光体周速が120mm
/secになるように改造してある。
【0222】感光体の削れムラ、H/H環境における高
湿流れ共に良好であった。
【0223】[実施例16]実験例1で良好であった感
光体を外径108mmで作製し、キヤノン製GP605
改造機に搭載し、実験例2で良好であったクリーニング
ブレードとトナーの組合せ(γD>γT>γB)で10
0万枚の通紙耐久を行った。これ以外の耐久条件及び評
価方法は、実験例1と同様である。クリーニングローラ
ーには磁性ローラーを使用した。
【0224】また、改造機は、感光体周速が450mm
/secとなるように改造してある。
【0225】耐久の結果は良好であった。
【0226】[実施例17]実験例1で良好であった感
光体を外径108mmで作製し、キヤノン製GP605
改造機に搭載し、実験例2で良好であったクリーニング
ブレードとトナーの組合せ(γD>γT>γB)で10
0万枚の通紙耐久を行った。これ以外の耐久条件及び評
価方法は、実験例1と同様である。
【0227】クリーニングローラーにはスポンジローラ
ーを使用した。
【0228】また、改造機は、感光体周速が450mm
/secとなるように改造してある。
【0229】耐久の結果は良好であった。
【0230】[実施例18]実験例1で良好であった感
光体を外径108mmで作製し、キヤノン製GP605
改造機に搭載し、実験例2で良好であったクリーニング
ブレードとトナーの組合せ(γD>γT>γB)で10
0万枚の通紙耐久を行った。これ以外の耐久条件及び評
価方法は、実験例1と同様である。
【0231】クリーニングローラーにはファーブラシロ
ーラーを使用した。
【0232】また、改造機は、感光体周速が450mm
/secとなるように改造してある。
【0233】耐久の結果は良好であった。
【0234】
【発明の効果】以上のとおり、本発明の画像形成装置に
よれば、感光体の表面自由エネルギーをγD、クリーニ
ングブレードの表面自由エネルギーをγB、トナーの表
面自由エネルギーをγT、としたときに、γD>γB>
γTの関係を持たせることで良好なクリーニング性能を
実現できる。また、感光体の周速が400mm/sec
以上である場合には、γD>γT>γBとすることで、
感光体の摩耗率を下げつつ良好なクリーニング性能を実
現できる。即ち、現像材トナーの表面自由エネルギーを
少なくとも感光体ドラムの表面自由エネルギーよりも小
さくすることで、現像材トナーが感光体から剥離しやす
い状態にし、クリーニング装置の負荷の低減が可能とな
る。
【0235】即ち、本発明によれば、感光体/トナー/
クリーニングブレードに使用される材料の表面自由エネ
ルギーのバランスに基づく評価基準を見出したことで、
様々な電子写真装置におけるクリーニング構成におい
て、安定した品質が得られる高信頼性の画像形成装置を
提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の電子写真装置における感光体
の削れ量を示すグラフであり、(b)は本発明の電子写
真装置における感光体の削れムラを示すグラフである。
【図2】電子写真装置の一例の概略を表す模式図であ
る。
【図3】クリーニング装置の概略を表す模式図である。
【図4】クリーニング工程の概略を表す模式図である。
【図5】RF−PCVDによる感光体の製造装置の一例
を示す概略を表す模式図である。
【図6】感光体の層構成を示す模式図である。
【図7】クリーニングブレード付近のトナー状態を示す
模式図である。
【符号の説明】
30 :堆積装置 31 :反応容器 31a :蓋 32 :ヒーター 33 :原料ガス導入管 34 :凸部 35 :原料ガス供給管 36 :原料ガス供給バルブ 37 :排気管 38 :メイン排気バルブ 39 :真空計 40 :サブ排気バルブ 42 :円筒体 101 :感光体 102 :主帯電器 103 :静電潜像形成部位 104 :現像器 105 :転写紙供給系 106 :(a)転写帯電器、(b)分離帯電器 107 :クリーニング装置 108 :搬送系 109 :除電光源 110 :ランプ 111 :原稿台ガラス 112 :原稿 113〜116:ミラー 117 :レンズユニツト 118 :レンズ 119 :転写紙ガイド 120 :クリーニングブレード 121 :クリーニングローラー 122 :レジストローラー 123 :定着器 124 :定着ローラー 125 :面状内面ヒーター 126 :電位センサー 301 :ドクターローラー(又はスクレーパー) 302 :廃トナー溜り 303 :廃トナー搬送系 304 :トナー溜り 305 :トナー 701 :支持体 702 :感光層 703 :光導電層 704 :表面層 705 :電荷注入阻止層 707 :電荷発生層 708 :電荷輸送層 P :転写紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河田 将也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 大脇 弘憲 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 河村 邦正 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 DA03 EA10 2H068 DA05 DA16 FA03 FC15 2H134 GA01 GB02 HA00 HB00 HC00 HD02 HD17 HD19 KD08 KD13 KF03 KG07 KG08 KH15 2H171 FA09 FA14 FA17 FA26 GA20 GA25 QA08 QA15 QA16 QA17 QA18 QB02 QB12 QB32 QB53 QC02 TA08 TA15 UA03 UA16 VA05 XA02 XA06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光体に対して帯電及び露光して潜像を
    形成する潜像形成手段、該潜像にトナーを供給してトナ
    ー像を形成するトナー像形成手段、該トナー像を転写材
    に転写する転写手段、および該感光体表面の残留物や異
    物をクリーニングブレードによって除去するクリーニン
    グ手段を有する電子写真装置において、 該感光体の表面自由エネルギーをγD、 該クリーニングブレードの表面自由エネルギーをγB、 該トナーの表面自由エネルギーをγT、としたときに、 γD>γB>γT であることを特微とする電子写真装置。
  2. 【請求項2】 トナーがポジトナーである請求項1記載
    の電子写真装置。
  3. 【請求項3】 感光体に対して帯電及び露光して潜像を
    形成する潜像形成手段、該潜像にトナーを供給してトナ
    ー像を形成するトナー像形成手段、該トナー像を転写材
    に転写する転写手段、および該感光体表面の残留物や異
    物をクリーニングブレードによって除去するクリーニン
    グ手段を有する電子写真装置において、 該感光体の表面自由エネルギーをγD、 該クリーニングブレードの表面自由エネルギーをγB、 該トナーの表面自由エネルギーをγT、としたときに、 γD>γT>γB であり、かつ該感光体の周速が400mm/sec以上
    であることを特微とする電子写真装置。
  4. 【請求項4】 転写手段において転写されなかったトナ
    ーを回収してトナー像形成手段に供給する手段を有する
    請求項3記載の電子写真装置。
  5. 【請求項5】 クリーニング手段が、感光体表面の転写
    残トナーを回収し感光体表面に供給する手段を有する請
    求項1〜4のいずれか一項記載の電子写真装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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WO2007114399A1 (ja) * 2006-03-30 2007-10-11 Mitsubishi Chemical Corporation 画像形成装置
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JP2017116620A (ja) * 2015-12-22 2017-06-29 株式会社沖データ クリーニングブレード及び画像形成装置

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