JPH11142597A - 可動式補償フィルタ装置およびそれを用いた診断用x線装置 - Google Patents

可動式補償フィルタ装置およびそれを用いた診断用x線装置

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JPH11142597A
JPH11142597A JP9327203A JP32720397A JPH11142597A JP H11142597 A JPH11142597 A JP H11142597A JP 9327203 A JP9327203 A JP 9327203A JP 32720397 A JP32720397 A JP 32720397A JP H11142597 A JPH11142597 A JP H11142597A
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ray
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JP9327203A
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Yutaka Mogi
裕 茂木
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Hitachi Medical Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 複数の撮影部位に使用できる補償フィルタを
もつ可動式補償フィルタ装置を提供する。 【解決手段】 図示の補償フィルタ11は頭頚部兼用の
もので、左右方向に平行移動されるフィルタ左片12A
とフィルタ右片12Bとから成る。両フィルタ片は、中
心線に対しほぼ対称な形状で、中心の肉厚部と周辺の肉
厚変化部とから成り、X線吸収材で作られている。頭部
撮影の場合はフィルタ左片の右側部とフィルタ右片の左
側部とで、頚部撮影の場合はフィルタ右片の右側部とフ
ィルタ左片の左側部とでそれぞれ補償フィルタを構成す
る。後者の場合、両フィルタ片の肉厚変化部が中心線を
挾んで対向するように配列される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可動式補償フィル
タ装置に係り、特にデジタル・サブトラクション・アン
ギオグラフィ(以下、DSAと略称する)撮影などに用
いられる濃度補償フィルタの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から循環器系の診断にはDSA撮影
用X線装置が使用されている。DSA撮影用X線装置で
は受像系機器としてイメージインテンシファイア(以
下、I.I.と略称する)を使用しているため、透視と
撮影の両方が可能であり、血管などを検査しながら、そ
の画像を確認できるというメリットをもっている。
【0003】しかし、I.I.を受光面とするDSA撮
影では、フィルム撮影と比較してダイナミックレンジが
狭いために、X線撮影条件設定やフィルタリングを正確
に行わないと良い画像を得ることができない。X線撮影
条件設定については、X線量が極端に多かったり少なか
ったりしなければ、オートアイリスの作動により補正す
ることができる。しかし、フィルタリングについては、
マニュアル操作のため、正確なフィルタリングが行われ
なければ、ハレーションによる血管像の欠落,コントラ
ストの低下,過大X線量入射による血管像のぼけなどの
画像不良を起こすことがある。
【0004】上記フィルタリングは通常過大X線量の領
域のX線量を低減してI.I.のダイナミックレンジの
範囲内に納まるようにI.I.の前面にフィルタを配置
するもので、このフィルタは濃度補償フィルタ(以下、
補償フィルタという)と呼ばれている。従って、この補
償フィルタのフィルタ部分はX線強度の高い部分に配置
されることになる。
【0005】図5,図6に従来使用されている補償フィ
ルタの例を示す。図5は頭部用補償フィルタの一例を示
す外観図である。図5(a)は頭部正面撮影用のもの、
図5(b)は頭部側面撮影用のものである。図5(a)
において、1は補償フィルタ,2はフィルタ本体,4は
フィルタ基板,5はハンドル部である。フィルタ本体2
は被検体となる頭部正面の周囲を囲むようにフィルタ基
板4上に配置され、粘土などの加工しやすいX線吸収材
で作られている。中央の凹部7を囲むように粘土が配置
され、粘土の厚さは頭部の周辺部に対応する部分に行く
につれて厚くなっている。すなわち、中央の凹部7には
フィルタはなく、頭部の周辺に行くにつれて厚いフィル
タリングが施されるような構成になっている。フィルタ
基板4はアクリルなどのX線透過度の高いプラスチック
などの板で作られている。ハンドル部5は、補償フィル
タ1をX線装置に取り付ける際の操作部で、穴などが設
けられている。
【0006】図5(b)の頭部側面撮影用の補償フィル
タ1Aでは、中央の凹部7Aは図5(a)の場合より小
さく、フィルタ本体3の範囲が広くなっている。また、
図6は頚部用補償フィルタの一例を示す外観図である。
図6において、補償フィルタ1Bは、フィルタ基板4上
に溝部8を挾んでフィルタ本体6が配置されている。フ
ィルタ本体6は2個の粘土のブロックから成り、撮影の
際は被検体となる頚部が溝部8に一致するように配列し
て撮影が行われる。
【0007】更に、心臓や腹部などのDSA撮影におい
ても、上記の頭部,頚部などと同様に補償フィルタが使
用されている。このように補償フィルタは、撮影部位毎
に、また、被検体の大きさ毎に作成されていた。また、
補償フィルタはX線装置の受光部に配置される絞り装置
の前面に取り付けられ、撮影部位毎に、また被検体の大
きさが変わる毎に交換されていた。
【0008】上述の従来補償フィルタに対し、下記の如
き改良例が開示されている。特開平2−41142号公
報には、テレビカメラ装置から得られた画像を画像処理
装置で処理して画像の強度が過大な部分を検出し、その
部分の位置を算出し、この算出された位置に基づいて、
制御装置が補償フィルタの位置を制御するX線透視装置
が開示されている。
【0009】また、特開平3−193042号公報に
は、複数枚の補償フィルタを、X線照射方向に垂直な面
上で、直線的に移動させる手段,および/またはX線照
射軸を中心に回転移動させる手段と、X線照射方向に平
行に移動させる手段とを具備し、臓器の大小に関して補
償フィルタを適応できるようにしたX線可動絞りが開示
されている。
【0010】また、特開昭60−241425号公報に
は、X線の採光野の高濃度部分を定量的に検出し、これ
に基づいてX線絞り羽根または補償フィルタを自動的に
操作させるX線透視撮影装置が開示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上説明した従来の補
償フィルタおよびその改良例を見てみると、先ず、従来
の補償フィルタでは、下記の問題点をかかえている。 (1)補償フィルタを透視時には外しておき、撮影時に
は取り付けるという具合に、補償フィルタを着脱しなけ
ればならない。 (2)撮影部位が変わると、補償フィルタも交換しなけ
ればならない。 (3)被検体の体形にあわせて、補償フィルタの大きさ
を簡単に変えることができない。
【0012】また、改良例では、(1),(3)の問題
点に対しては対応しているが、その構造が複雑になり、
取り扱いが難しくなり、価格も高くなるという別の問題
を有する。更に、(2)の問題点に対しては対応できて
いない。
【0013】従って、本発明では上記の問題点を解決す
るため、複数の撮影部位に使用できるような構造を持つ
補償フィルタであって、構造の簡単な可動式補償フィル
タ装置およびそれを用いた診断用X線装置を提供するこ
とを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の可動式補償フィルタ装置は、2個の補償フ
ィルタ片と、該補償フィルタ片を支持し、平行移動させ
るフィルタ移動手段とを具備し、前記補償フィルタ片は
それぞれ板状で、場所によって厚さの異なるX線吸収物
質から成り、2個の補償フィルタ片のそれぞれの左側部
と右側部、または右側部と左側部の組合せにより1つの
撮影部位用の補償フィルタを構成するものである(請求
項1)。
【0015】この構成では、2個のフィルタ片を平行移
動させて、それぞれのフィルタ片の左側部と右側部を適
当に組み合わせることにより、1つの撮影部位の補償フ
ィルタを作ることができると共に、その組合せを変える
ことにより、2つの異なる撮影部位の補償フィルタとし
ての機能を果たすことができる。また、2個のフィルタ
片の平行移動により、被検体の大きさの変化にも対応す
ることができる。更に、装置の構成が、2個のフィルタ
片とそれを平行移動する機構のみであるので、構造が簡
単で、取り扱いも簡便であり、コスト的にも低く抑える
ことが可能である。
【0016】また、フィルタ片の平行移動機構について
は、それぞれのフィルタ片に独立に平行移動機構を取り
付ける場合と、2つのフィルタ片を連結して1つの平行
移動機構を取り付ける場合がある。前者の場合は、構造
的には少し複雑になるがフィルタ片の位置を独立して制
御することができるので、撮影部位に対する位置合わせ
が容易になり、後者の場合は、構造的に簡単になるとい
う利点がある。
【0017】また、フィルタ片の材料としては、増感紙
が使用される。この材料はX線吸収特性の良い薄板であ
るため、加工しやすく、また積層も可能であり、薄形の
フィルタ片を作ることができる。
【0018】更に、本発明の診断用X線装置では、上記
の可動式補償フィルタ装置と,X線管装置と,絞り装置
と,X線受像装置と,テレビカメラ装置とを具備し、前
記可動式補償フィルタが前記絞り装置または前記X線受
像装置の前面に取り付けられており、前記可動式補償フ
ィルタ装置の2個の補償フィルタ片の配列組合せの変更
により、2つ以上の撮影部位の撮影を可能にしたもので
ある(請求項2)。この構成では、請求項1の場合と同
じ効果が期待できる。
【0019】また、可動式補償フィルタ装置については
着脱式の場合と組込式の場合とがある。前者の場合は、
撮影部位が多い場合などや、フィルタが必要なときのみ
に使用し、不要なときには取りはずしておく場合に効果
があり、後者の場合は、特定の撮影部位専用のときなど
に効果がある。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を添付図面
に基づいて説明する。図1に、本発明の可動式補償フィ
ルタ装置の一例の概略外観図を示す。図1に示す可動式
補償フィルタ装置10は、頭頚部撮影用のもので、頭部
用と頚部用とを兼用したものである。補償フィルタ11
は、フィルタ左片12Aとフィルタ右片12Bとから成
り、共に平行移動が可能になるように構成されている。
フィルタ左片12A,フィルタ右片12Bの上端および
下端には平行移動のためのガイド片A13およびガイド
片B14が取り付けられ、それぞれレールA15および
レールB16に嵌合され、ガイド片A13およびガイド
片B14がレールA15およびレールB16上を左右方
向に平行移動できるように構成されている。レールA1
5およびレールB16の両端は左右に配置された2個の
枠体18に固定されている。下側のガイド片Bにはワイ
ヤロープ17が張られている。図示の例では、ワイヤロ
ープ17は1本で、2個のフィルタ片12A,12Bの
両方のガイド片B14がそのワイヤロープ17に結ばれ
ている。このワイヤロープ17については、場合によっ
ては2本にして、フィルタ左片12Aおよびフィルタ右
片12Bのそれぞれのガイド片B14に別々に取り付け
て、フィルタ左片12Aおよびフィルタ右片12Bを独
立して平行移動してもよい。
【0021】左側の枠体18には回転駆動軸20が、右
側の枠体18には回転軸21がそれぞれ回転支持体22
を介して回転自在に支持されている。回転駆動軸20お
よび回転軸21の下側の一端には滑車19が取り付けら
れており、この滑車19に上記のワイヤロープ17が掛
けられている。この滑車19については、回転駆動軸2
0などの一端のみでなく両端に取り付けて、両端の滑車
19にワイヤロープ17を掛けてもよい。このように構
成すると、フィルタ片12A,12Bの平行移動の動き
はより安定してスムーズとなる。
【0022】回転駆動軸20には、これを回転駆動する
ための駆動モータ23が取り付けられている。この駆動
モータ23にはDCモータなどが使用され、フィルタ片
12A,12Bの位置制御が精度良く行われるようにな
っている。本実施例の場合、この駆動モータ23のため
の操作スイッチボックス24が離れた位置、例えばX線
装置のX線制御部に設けられており、駆動モータ23と
操作スイッチボックス24との間にはコード26が配設
されている。このため、操作者は操作スイッチボックス
24の操作スイッチ25を操作することにより、フィル
タ片12A,12Bの位置を遠隔操作することができ
る。
【0023】また、ワイヤロープ19を2本使用して、
フィルタ左片12Aとフィルタ右片12Bを独立して平
行移動する場合には、駆動モータ23や回転駆動軸20
をそれぞれ独立して設けることになる。
【0024】図2に補償フィルタ11の一例の構造図を
示す。図示の補償フィルタ11は頭頚部撮影用のもの
で、フィルタ左片12Aとフィルタ右片12Bとから構
成されている。両フィルタ片12A,12Bはそれぞれ
左右方向に平行移動されて、指定された位置に配置され
て頭部用または頚部用の補償フィルタとしての機能を発
揮することになる。図2において、フィルタ左片12A
とフィルタ右片12Bは、中心線37に対しほぼ対称の
形状をしている。フィルタ左片12Aおよびフィルタ右
片12Bは、X線吸収材から成り、場所によってX線透
過率を変えるために厚さが変化している。X線吸収材と
しては、アルミニウム板,銅板,増感祇,鉛板などが使
用される。両フィルタ片の中心部の肉厚部31A,32
BはX線吸収材を厚く積層した部分で、図示では無地の
部分である。図示で斜線を付した周辺部分は肉厚の変化
する肉厚変化部32A,32B,33A,33B,34
A,34B,35A,35B,36A,35Bである。
この部分は、外周に近付くにつれて肉厚が薄くなってい
る。このようなフィルタ片12A,12Bを作るために
は、肉厚の厚い板材を一体で加工する方法や、肉厚の薄
い板材を重ねて接着などにより積層する方法などが採用
される
【0025】図3には、頭頚部撮影時のフィルタ片の配
置例を示す。図3(a)は頭部撮影の際のフィルタ片1
2A,12Bの配置例を示したものである。図3(a)
に示す如く、頭部撮影の際には、フィルタ左片12Aの
右側部とフィルタ右片12Bの左側部,すなわち肉厚部
31A,31Bと肉厚変化部32A,32B,33A,
33Bが用いられ、両フィルタ片12A,12Bを中心
線37に寄せて、肉厚変化部32Aと32Bとが重な
り、中心部に円形穴部38が作られるようにして用いら
れる。また、図3(b)に示す如く、頚部撮影の際に
は、フィルタ右片12Bの右側部とフィルタ左片12A
の左側部、すなわち肉厚部31A,31Bと肉厚変化部
34A,34B,35A,35B,36A,36Bが用
いられ、中心線37に対しフィルタ左片12Aを右側
に、フィルタ右片12Bを左側に平行移動し、肉厚変化
部34Aと34Bとが中心線37を間に挾んで間隔をお
いて配置され、中心線37に沿って平行溝部39が設け
られるようにして用いられる。上記の円形穴部38の大
きさや平行溝部39の幅については、被検体の頭部の大
きさや頚部の太さに応じて制御される。
【0026】上記説明の如く、本実施例では、頭部撮影
ではフィルタ左片12Aの右側部とフィルタ右片12B
の左側部との組合せを使用し、頚部撮影ではフィルタ右
片12Bの右側部とフィルタ左片12Aの左側部との組
合せを使用している。このように組合せ操作することに
より、本実施例に示す構造を有する2個のフィルタ片1
2A,12Bにて、頭部撮影と頚部撮影の2つの異なる
部位の撮影を行うことができる。
【0027】また、フィルタ片12A,12Bの肉厚部
31A,31Bの厚さは、X線吸収材の材質によって変
化するが、X線受光部のI.I.においてハレーション
などが発生しないような値に選定される。フィルタ片1
2A,12Bの大きさや肉厚変化部の広さについては、
撮影が適用される被検体の頭部の大きさの範囲を考慮し
て選定される。また、X線吸収材の種類によっては、積
層厚さが薄かったり、肉厚が薄くなったりする場合があ
るので、そのときには形態を保持する基板として、X線
吸収の比較的少ないアルミニウム板やアクリル板などを
用いても良い。
【0028】図4には、本発明の可動式補償フィルタ装
置のX線装置への装着例を示す。図4は簡単のためX線
装置のうちの絞り装置の部分のみを示したものである。
X線装置は、絞り装置の部分を除いては従来のDSA撮
影用X線装置と同様の構成をしており、X線を被検体に
照射するX線管装置,被検体を透過したX線を受光する
I.I.,I.I.で変換された光学像をテレビ画像に
変換するテレビカメラ装置などから構成されている。絞
り装置は、X線管装置のX線放射窓の所に取り付けられ
ている。X線装置においては、可動式補償フィルタ装置
10は絞り装置44の前面に装着される。このとき、可
動式補償フィルタ装置10は、フィルタ片12A,12
BがX線照射方向に対しほぼ垂直な平面上で平行移動さ
れるように装置される。可動式補償フィルタ装置10
は、絞り装置44へ装着するために板状のフィルタ支持
体41に固定される。フィルタ支持体41には装着上の
便宜のため端部にハンドル部42が設けられている。絞
り装置44の前面には、フィルタ支持体41を装着する
ためのフィルタ装着用ガイド45が取り付けられてい
る。フィルタ装着用ガイド45には、フィルタ支持体4
1の上縁および下縁が嵌合するガイド溝47が設けられ
ている。フィルタ支持体41は矢印の方向からフィルタ
装着用ガイド45のガイド溝47に挿入される。絞り装
置44と可動式補償フィルタ10との位置合わせと固定
は、フィルタ支持体41に設けた固定用溝43とフィル
タ装着用ガイド45に設けた固定用ねじ46を用いて行
われる。両者は、絞り装置44の中心と、可動式補償フ
ィルタ装置10の中心位置とが一致するように位置合わ
せして加工されているので、両者の位置が一致した所
で、固定用ねじ46を締め付け固定すればよい。可動式
補償フィルタ装置10のX線装置への装着,取りはずし
はフィルタ支持体41のハンドル部42にて行う。
【0029】また、本発明の可動式補償フィルタ装置に
ついては、X線装置の受光系であるI.I.の前面に取
り付けることも可能であり、上記の絞り装置の前面に取
り付けた場合と同様の機能を発揮することができる。可
動式補償フィルタ装置のI.I.の前面への取り付けに
あたっては、I.I.の前面に取り付け用の補助板など
を設け、その上にフィルタ装着用ガイド45を取り付け
る必要がある。この場合、補償フィルタとしての効果の
他に、被検体からの散乱線の除去の効果も得られるが、
補償フィルタのX線源からの距離が遠くなるため、フィ
ルタ片が大きくなるという欠点もある。
【0030】上記の実施例では、X線受像装置として
I.I.を使用した場合について説明したが、本発明は
これに限定するものではなく、例えば特開昭61−62
283号公報等に開示されている、X線を吸収して蛍光
を発生する面状螢光体と半導体材料とから成り、前記蛍
光体からの蛍光量に応じた電気信号を発生するものであ
って、前記螢光体面と略同一面積を有し、かつ前記螢光
体面に密着して設けられた光検出器とから構成された平
面型のX線受像装置などを用いることも可能である。こ
のような平面型のX線受像装置を用いた場合には、前記
I.I.を用いたものに比べ、X線装置を小型にできる
利点がある。
【0031】次に、図1と図3を用いて、本発明の可動
式補償フィルタ装置の動作例について説明する。
【0032】先ず、頭部撮影の場合について説明する。
頭部撮影の場合、撮影に先立って透視が行われる。透視
のときは、X線量が少ないのでハレーションなどの発生
はないので通常可動式補償フィルタ装置10のフィルタ
左片12A,フィルタ右片12Bは装置の左右端に退避
される。この操作は、X線制御部から操作スイッチ25
により駆動モータ23を駆動して、ワイヤロープ17に
より2個のガイド片B14を左右端に移動することによ
り実行される。この操作において、駆動モータ23の回
転角度とガイド片B14の移動量との関係については予
め測定しておく必要がある。本発明の場合、補償フィル
タが撮影の場合と同様にX線照射野に存在しても、透視
像に悪影響は殆どないと考えられるので、補償フィルタ
を退避させないで透視を実施してもよい。
【0033】次に、撮影のときは、X線量が大きくなる
ので、補償フィルタが必要となり、この補償フィルタの
フィルタ片12A,12Bを図3(a)に示す如く配置
させる。すなわち、透視のとき装置の左右端に退避させ
ておいたフィルタ片12A,12Bを装置の中心位置に
平行移動させ、両フィルタ片12A,12Bの肉厚変化
部32Aと32Bとを重ね合わせ、中心部に円形穴部3
8を形成するように配置する。この操作は、操作スイッ
チ25により駆動モータ23を駆動して、ワイヤロープ
17によりガイド片B14を左右端から中央部に移動さ
せることにより実行される。この時のフィルタ片12
A,12Bの移動量は頭部の大きさに応じて決める必要
がある。
【0034】次に、頚部撮影の場合について説明する。
透視のときは、頭部撮影の場合と同様である。撮影の場
合は、補償フィルタのフィルタ片12A,12Bを図3
(b)に示す如く配置させる。すなわち、透視のとき装
置の左右端に退避させておいたフィルタ片12A,12
Bをそれぞれ中心線37を越えて移動させ、肉厚変化部
34Bと34Aを中心線37を挾んで対向させ、間に平
行溝部39を形成するように配置する。この操作は、操
作スイッチ25により駆動モータ23を駆動して、ワイ
ヤロープ17により2つのガイド片B14を左右端から
中心線37を越えて移動させることにより実行される。
この時のフィルタ片12A,12Bの移動量は、頚部の
太さに応じて、平行溝部39の幅が適正値となるように
決める必要がある。
【0035】図2に示した補償フィルタの例は、頭部撮
影と頚部撮影とを兼用したものであるが、この補償フィ
ルタの構造は他の撮影部位にも適用可能である。すなわ
ち、フィルタ左片12Aの右側部とフィルタ右片12B
の左側部との組合わせで一つの撮影部位の補償フィルタ
を構成し、フィルタ右片12Bの右側部とフィルタ左片
12Aの左側部との組合せでもう一つの撮影部位の補償
フィルタを構成することにより、2つの異なる撮影部位
の補償フィルタとしての機能を果たすことができる。例
としては、頭部と心臓,心臓と頚部との組合せなどが可
能である。
【0036】上記では、補償フィルタ装置が1個使用さ
れる場合で、X線装置に専用のものとして組み込まれる
場合について説明したが、本発明の補償フィルタ装置は
着脱式のものとしてX線装置に取り付けることもでき
る。本発明の補償フィルタ装置は、X線装置への着脱が
容易であるので、撮影部位が多岐にわたる場合などに
は、複数個の補償フィルタ装置を用意しておき、着脱交
換して使用することができる。
【0037】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明の可動式補償
フィルタ装置によれば、2個のフィルタ片の左側部と右
側部に異なる機能を持たせたことに起因して、これらの
フィルタ片を平行移動して配列組合せを変えることによ
り、2つの異なる撮影部位の補償フィルタとしての機能
を果たすことができる。また、装置の構造が簡単である
ため、取り扱いも簡便であり、コスト的にも低価格とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可動式補償フィルタ装置の一例の概略
外観図。
【図2】本発明の補償フィルタの一例の構造図。
【図3】頭頚部撮影時のフィルタ片の配置例。
【図4】本発明の可動式補償フィルタ装置のX線装置へ
の装着例。
【図5】従来の頭部用補償フィルタの一例を示す外観
図。
【図6】従来の頚部用補償フィルタの一例を示す外観
図。
【符号の説明】
10 可動式補償フィルタ装置 11 補償フィルタ 12A フィルタ左片 12B フィルタ右片 13 ガイド片A 14 ガイド片B 15 レールA 16 レールB 17 ワイヤロープ 18 枠体 19 滑車 20 回転駆動軸 21 回転軸 22 回転軸支持体 23 駆動モータ 24 操作スイッチボックス 25 操作スイッチ 26 コード 31A,31B 肉厚部 32A,32B,33A,33B,34A,34B,3
5A,35B,36A,36B 肉厚変化部 37 中心線 38 円形穴部 39 平行溝部 41 フィルタ支持体 42 ハンドル部 43 固定用溝 44 絞り装置 45 フィルタ装着用ガイド 46 固定用ねじ 47 ガイド溝

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2個の補償フィルタ片と,該補償フィル
    タ片を支持し、平行移動させるフィルタ移動手段とを具
    備し、前記補償フィルタ片はそれぞれ板状で、場所によ
    って厚さの異なるX線吸収物質から成り、2個の補償フ
    ィルタ片のそれぞれの左側部と右側部、または右側部と
    左側部の組合せにより1つの撮影部位用の補償フィルタ
    を構成することを特徴とする可動式補償フィルタ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の可動式補償フィルタ装置
    と,X線管装置と,絞り装置と,X線受像装置と,テレ
    ビカメラ装置とを具備し、前記可動式補償フィルタが前
    記絞り装置または前記X線受像装置の前面に取り付けら
    れており、前記可動式補償フィルタ装置の2個の補償フ
    ィルタ片の配列組合せの変更により、2つ以上の撮影部
    位の撮影を可能にしたことを特徴とする診断用X線装
    置。
JP9327203A 1997-11-13 1997-11-13 可動式補償フィルタ装置およびそれを用いた診断用x線装置 Pending JPH11142597A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020025744A (ko) * 2000-09-28 2002-04-04 추후제출 갠트리 장치, 갠트리 장치 제어 방법, 운영 콘솔, 운영콘솔 제어 방법, 저장 매체 및 x-선 ct 시스템
KR100377126B1 (ko) * 1999-06-15 2003-03-19 김선기 척추 촬영시 비선형 필터를 이용한 농도 보상 방법
US8744043B2 (en) 2010-01-05 2014-06-03 Fujifilm Corporation Radiation image capturing device and radiation image capturing system

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