JPH11142406A - 毛細管を用いる生物学的カラムクロマト分析装置 - Google Patents

毛細管を用いる生物学的カラムクロマト分析装置

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JPH11142406A
JPH11142406A JP32217797A JP32217797A JPH11142406A JP H11142406 A JPH11142406 A JP H11142406A JP 32217797 A JP32217797 A JP 32217797A JP 32217797 A JP32217797 A JP 32217797A JP H11142406 A JPH11142406 A JP H11142406A
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JP32217797A
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Hachiro Yamanaka
八郎 山中
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Rohto Pharmaceutical Co Ltd
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Rohto Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 少量の液体試料で迅速かつ簡易に検出を行え
る分析装置の構造を開示する。 【解決手段】 カラムの毛管現象によって吸収された液
体試料中の被検物は標識付きレセプター2に結合し、標
識付きレセプター2は被検物の結合した状態で更にカラ
ム内を移動し、検出領域のレセプター3に結合し、検出
領域L4において標識試薬による着色帯が形成され検出
される。さらに移動固体である被検物、標識付きレセプ
ター2、被検物の結合した標識付きレセプター4及び液
体試料中の分散質の粒径よりも、キャリア1の間隙及び
の固定されたレセプター領域の間隙が十分に大くなるよ
うに設置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、生物学的液体試料
中の被検物の検出に用いられる分析装置であって、毛細
管をカラムとしてキャリア及び被検物と特異的に結合す
るレセプターをカラム内に設置し、キャリアの間隙を利
用した毛管現象により液体試料を展開し、免疫学的検定
法等の生物学的特異的結合反応により、前記液体試料中
の被検物の検出を迅速かつ簡易に行うことができる分析
装置に関するものである。
【0002】本発明はまた、家庭、診療所、研究室等で
の使用に適し、短時間で検出結果を得ることができ、し
かも使用者側の熟練を要さない分析装置に係る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】免疫学的検定法等の生
物学的特異的結合反応を利用しての妊娠の判定や排卵期
の判定をする技術が広く採用されている。例えば、図4
に示すような、液体試料を吸収することができる固形支
持体aに被検物と特異的に結合するレセプターb、cを
設置し、免疫学的特異的結合等により検出する技術があ
る。前記技術では、固形支持体aは乾燥状態にあり、被
検物を含む液体試料中の分散媒を固形支持体aの一端、
図4の場合は、矢印の下端側と接触させることにより、
分散媒は固形支持体a中を図4の矢印の方向に従って浸
透し、分散媒の浸透に伴って被検物は固形支持体a中を
移動し前記被検物と特異的に結合するレセプターb、c
と特異的に結合することにより被検物を検出する。通
常、レセプターbは標識となる試薬が付着しており固形
支持体a中を自由に移動することが可能であり、レセプ
ターcは固形支持体a中に固定されており前記のレセプ
ターbに結合した被検物はこの領域で止められる。すな
わち、レセプターcの領域が検出区域となって検出され
る。さらに、分析後の液体試料を吸収する部位dが、前
記液体試料を吸収する端と逆端側に設置されている。し
かし、前記固定支持体aでは、全域を湿潤させるだけの
液体試料が必要であると共に、液体試料中の分散媒が展
開するのに最低でも数十秒を要する。さらに、水分を吸
収しやすいので、これを避けるためには全体をケースで
覆わなければならない。
【0004】実際、図5に示すように、前記のようなレ
セプターを設置した平板状の乾燥多孔質キャリアeを内
蔵した不透湿性体材料で形成されている中空ケーシング
を含んで成る検出装置fを本体とする技術が公知である
(特開平6−180320)。前記装置は、平板状乾燥
多孔質キャリアeに液体試料を付与できるように前記平
板状キャリアeがケーシングの外部と直接的または間接
的に連通しており、前記の固形支持体aと同様に前記レ
セプターと被検物との免疫学的特異的反応により検出す
る。しかし、ケーシングすると検出装置本体が大きくな
りがちであり、診察用等で大量に保存したい場合に装置
本体のかさが大きくなってしまう。加えて、図5に示す
装置では、前記の結果を肉眼で確認できるよう、ケース
本体fに透明の素材を用いた窓gを設置しなければなら
ない。また、窓gを設置しても、平板状では一平面から
のみの観察しかできないという問題がある。
【0005】一方、多方面から観察できるガラス等で作
成されたカラムを装置本体とし、前記カラム内で液体試
料を展開させる方法が採用されている。(特開昭62−
501989)。前記技術は、カラムにキャリアを充填
し、加えて被検物と特異的に結合するレセプターを設置
し、前記平板状の分析装置と同様に免疫学的検定法等の
特異的結合反応により前記被検物を検出するものであ
る。しかし、前記カラムを利用した生物学的分析装置は
従来採用されている平板状のキャリアをカラム内に移し
たものに等しく、すなわち、多方面からの観察は可能で
あるが、液体試料を吸収するのに平板状のキャリアを採
用した従来の技術と同様、検出に数十秒を要するという
問題が残る。
【0006】また、装置の縮小化を図る手段として、毛
細管状のカラムを本体とし、カラム内に前記同様にキャ
リア及びレセプターを充填し、カラムの毛管現象により
液体試料を展開する技術も公知である(特開平4−79
418)。さらに、前記装置では毛細管をカラムとし、
キャリアの間隙を利用した毛管現象により液体試料の展
開を迅速に行うことを可能にしたものであって、実際そ
の展開に要する時間は数秒である。しかし、前記技術は
カラム内に液体試料を吸収させた後、再度標識反応試薬
を吸収させる必要があり、これは手間を要すると共に、
一度液体試料を吸収させたカラムに更に液体試料を吸収
させるには数分を要し、却って検出に時間を要するとい
う欠点がある。すなわち、実際に簡易な生物学的分析装
置を産業上利用するにあたり、検査装置の簡易化、装置
本体の縮小化、検出の迅速化及び検出結果が容易に認識
できるといった分析装置に要する条件を合わせ持つ装置
がないのが現状である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では前記目的を達
成するために、毛細管状のカラムを装置本体とし、前記
カラム内にキャリアを充填し、さらに一の被検物に対し
て役割の異なる二種類のレセプターが存在する領域をそ
れぞれのレセプターについて設定した。前記の二種類の
レセプターは、それぞれ被検物の異なる部位と直接的あ
るいは間接的に結合することができ、加えて、前記結合
は被検物と生物学的に特異性を持つ。そして、前記二種
類のレセプターの一方は、カラム内を自由に移動でき、
加えて標識試薬が付着されたレセプターである。他方の
レセプターはカラムに相対的かつ永久的に固定されお
り、前記固定されたレセプターの存在する領域が最終的
に被検物が結合する検出領域となるよう設置されてい
る。すなわち、被検物を含む液体試料をカラムの一端か
ら吸収し、キャリアの間隙の毛管現象を利用してキャリ
アの他端へ向かって移動させ、被検物は最初に前記標識
付きレセプターの存在する領域に達し、その次に標識付
きレセプターと結合し、標識付きレセプターが結合した
状態でカラム内を移動し、前記の固定されたレセプター
領域に達し、さらに標識付きレセプターに再結合するよ
うに位置関係が設定されている。従って、前記の標識付
きレセプターに付着した標識試薬により、検出領域に着
色帯が形成され、被検物の存在が確認される。さらに、
カラム内の液体試料のスムーズな移動を妨げないように
移動固体である被検物、前記標識付きレセプター、被検
物の結合した標識付きレセプター及び液体試料中の分散
質の粒径よりも、キャリアの間隙及び前記の固定された
レセプター領域の間隙が十分に大きくなるよう設定され
ている。
【0008】前記カラムに、検出前の液体試料を吸い上
げるカラム開口端と逆のカラム端側に、検出後の余存液
体試料を吸収するための領域を設置した。前記吸収領域
は十分に液体試料を吸収できるよう、前記の標識付きレ
セプター領域の間隙、検出領域の間隙及び両領域の間の
領域の液体流路の占める容積よりも多量の液体試料を吸
収できるように設定した。前記液体吸収部位が十分でな
ければ、液体試料が検出領域のレセプターまで到達でき
ない、あるいは被検物が含まれない場合にも検出領域に
標識試薬がとどまり、誤検査の原因となる可能性がある
からである。
【0009】また、尿等の試料を直接分析装置にかけた
い場合や、唾液、涙液、リンパ液、血液等を直接存在す
る部位から吸い上げたい場合には、適宜分析前の液体試
料を吸収する開口端側に液体試料吸収領域を設定した。
【0010】本発明は、キャリアの間隙を利用した毛管
現象により液体をカラム内に吸収し、液体試料を展開す
るものであるからキャリアは親水性の物質を採用した。
さらに、キャリアの形状は粒子状にしたものを採用し
た。そして、液体試料は前記キャリアの間隙を移動経路
として移動するように設定した。また、別なるキャリア
として、分子間を適当な試薬で架橋したゲル状の基材を
粒子状にしたものを採用した。前記ゲル粒子は、粒子内
に一定の大きさの間隙を持ち、分散媒や粒径の小さい分
散質の一部あるいは全部はゲル粒子内を通過する。この
結果、被検物の結合した標識付きレセプターがよりスム
ーズにキャリア同士の間隙を移動できるようになる。
【0011】標識試薬として、レセプターに金コロイド
を付着させるという手段を採用した。
【0012】カラム内の標識試薬の移動を確認し、標識
付きレセプターに結合した被検物が検出領域のレセプタ
ーに結合したことを確認できるよう、カラムの材質とし
て透明の材質を採用した。さらに、多方面からカラム内
を観察できるよう、カラムの断面は円形、楕円もしくは
多角形等のものを採用した。
【0013】キャリアの脱漏を防ぐために、カラムの開
口両端に栓を取り付けるという手段を採用した。前記の
栓は、液体試料に対して透過性のある素材を採用した。
このような栓を採用することにより、使用時に栓を外す
ことなく検査を行うことができ、加えて、カラム内の詰
まりの原因となる粒径の大きな物質の混入を防ぐことが
可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
を添付した図面に従って説明する。本発明においては図
1に示したように、毛細管状のカラム内にキャリア1を
充填してあり、加えて前記のカラムに相対的な位置に、
被検物を検出するためのレセプター2、3が存在するレ
セプター領域L2、L4をそれぞれ設けた。領域L2
は、被検物と特異的に結合する部位を持ち、さらに標識
試薬の付着したレセプター2が存在する領域である。標
識付きレセプター2は、キャリアの間隙を経路として液
体試料の移動に伴って移動するように設置されている。
領域L4は、前記のカラムに相対的かつ永久的に固定さ
れており、前記の標識付きレセプターの内、被検物と特
異的に結合した被検物−標識付きレセプター複合体4と
特異的に結合するレセプター3が存在する領域である。
従って、被検物を含む液体試料がL1側のカラム開口端
から吸収され、液体試料の展開に伴って被検物が標識付
きレセプター領域L2に達し、被検物が存在していれ
ば、前記標識付きレセプター2に結合し、被検物の結合
した標識付きレセプター4は更に移動して検出領域L4
のレセプター3に再結合される。そして、それに伴っ
て、検出領域L4に前記標識試薬による着色帯が検出さ
れる。
【0015】液体試料のスムーズなカラム内の移動を達
成するためのには、被検物、標識付きレセプター2、被
検物の結合した標識付きレセプター4の粒径より、キャ
リア1及び検出領域L4の間隙が十分に大きいことが必
要である。加えて、液体試料に被検物以外の分散質が含
まれている場合には、前記分散質の粒径も、キャリア1
及び検出領域L4の間隙より十分に小さくなるよう前記
間隙を設定する必要がある。この結果、カラム内のスム
ーズな液体試料の移動が確保され、検出時間の削減が可
能になる。粒径は、キャリアが5〜100μm程度、レ
セプターが5〜1000nm程度が最適であろう。しか
しながら、液体の流路となるキャリア等の間隙と間隙を
移動する物質の粒径の差が十分でない場合に、液体試料
を吸収するカラム端と逆の端から吸引して液体試料を引
き上げる手段を採用することも可能である。
【0016】標識付きレセプター2が被検物と特異的結
合部位を持つことは言うまでもないが、検出領域のレセ
プター3はこれに限らず、図1に示したように、標識付
きレセプター2とは結合せず被検物が結合した状態の標
識付きレセプター4と特異的に結合できるものであれば
これに限らない。また、標識付きレセプター2及び検出
領域のレセプター3は、一の被検物に対して一組、すな
わちそれぞれ一種類ずつ要するものである。従って、被
検物の数は一種類に限らず複数の被検物と結合する複数
のレセプターを設置することも本発明に適応する。
【0017】標識付きレセプター領域L2を保つための
補助物質としては、前記キャリア1を充填する、即ち、
キャリアの間隙に標識付きレセプター3が存在するよう
に設置することが好ましい。さらに、検出領域のレセプ
ター3をカラムに相対的な特定領域に固定する手段とし
てもキャリアを補助物質とすることが好ましい。本実施
形態では、キャリアの表面に直接固定化処理をしたが、
キャリアとレセプターの間に媒介となる物質を用いて固
定化しても良い。また、標識付きレセプター領域L2及
び検出領域L4に用いるキャリアを他の領域に充填する
キャリアと異なる素材を採用することも可能である。L
3領域は、L2及びL4領域を区切るために設定された
ものであって、キャリア1のみが充填されている。
【0018】ここで、液体試料とは水等の分散媒に、タ
ンパク質、核酸、糖類、ホルモン、ウイルス、薬品等の
分散質が分散したゾル状のものをいう。さらに、固体物
質でも、前述のように常温で、特定の液体によりゾル状
にできるものであれば全て本発明に適応する。
【0019】本実施形態の一つの特徴的な構成は、図1
に示したように、分析前の液体試料を吸い上げるカラム
端と逆の端に、カラム長を延長するような形で、分析後
の余存試料吸収領域L5を設けたことである。これは、
被検物の結合していない標識付きレセプター2及び余存
液体試料が検出領域L4に止まらず検出領域L4を越え
て更に展開できるようにするためである。さらに、尿等
の液体試料を直接かけたり、唾液、涙液、リンパ液、血
液等を直接存在する部位から吸い上げて測定する場合を
想定して、液体試料とカラムを接触させる領域L1を設
定した。
【0020】本実施形態において、図1に示したよう
に、カラムの長さは、液体試料がカラム内を展開するの
に伴って、標識付きレセプター2がキャリア中を移動し
検出領域のレセプター3まで到達するに十分な長さが必
要である。従って、前記分析後の液体試料を貯めておく
領域L5の長さは、標識付きレセプター領域L2、検出
領域L4及び両領域の間の領域L3を併せた長さよりも
長い領域が必要であろう。さらに、標識付きレセプター
領域L2と検出領域L4が交じり合わないよう、前記の
両領域の間の領域である領域L3は、標識付きレセプタ
ー領域L2及び検出区域のレセプターL4の長さと比し
て十分な長さが設定されている。
【0021】前記L5及びL1領域には、レセプターの
固定及びカラム内の毛管現象を助長するためにキャリア
を充填してある。しかしながら、キャリアを全く充填し
なくても良いし、L5領域及びL1領域の一部にのみ充
填しても良い。例えば、L1及びL5領域のうち標識付
きレセプター領域L2及び検出領域L4と接触する側に
それぞれカラムの全長の1から2%程度の長さの領域に
のみキャリアを充填し、前記レセプター領域をはっきり
区別することも可能である。レセプター領域L2・L4
をはっきりさせることにより、レセプター領域の顕著な
検出状況の確認ができる。さらにL1・L5領域は、レ
セプター領域L2・L4を振動等から安定に保持するた
めの補助領域としても利用できる。
【0022】カラムの全長は、検出結果を肉眼で判定す
るためには最低5cmは必要であろう。ただし、肉眼で
はなく機械で測定をする場合においては、さらに短く設
定できる。加えて、本発明は被検物の存在を容易かつ迅
速に検出、確認することが目的であるから、あまり長く
すると判定に時間がかかり、運搬にも不便であるから、
カラムの長さは10cm程度に止めるのが好ましい。し
かしながら、前述の尿等の液体試料を直接かけたり、唾
液、涙液、リンパ液、血液等を直接存在する部位から吸
い上げて測定する場合に、液体試料を吸収する領域L1
をさらに長くすることを排除するものではない。また、
レセプター領域を長く設定してレセプターの充填量を増
加させることにより、検出感度を高くするという手段も
本発明に適応する。
【0023】本発明は毛細管の毛管現象を利用するもの
であるから、カラムの断面積は、2mm以下が適当であ
ろう。また、前述の唾液、涙液、リンパ液、血液等を直
接存在する部位から吸い上げて測定する場合には、必要
に応じて更に断面積を小さくすることが好ましい。
【0024】本実施形態ではストレート管を採用したた
め、長さの単位で説明した。しかしながら、必ずしもス
トレート管を採用する必要はない。本発明で重要なの
は、吸収できる液体の体積やレセプターの充填量であ
る。従って、カラム長を短くするために特定領域のカラ
ムの断面積を大きくすることも可能であるし、逆にカラ
ム長を長くするために特定領域の断面積を小さくするこ
とも可能である。例えば、孔径の細いカラムは検査のと
きに持ちにくいので、前記余存試料吸収領域L5を持ち
手と併用できる形をにすることも可能である。もちろ
ん、本発明は毛管現象を利用するものであるから、採用
するカラムが毛管現象を起こすような断面積及び長さを
持つものであることは言うまでもない。
【0025】キャリア1の材質は、ガラス、ラテックス
他、親水性プラスチックであって、且つ粒子状の材質が
好ましい。また、疎水性分子であって粒子の表面を親水
化処理したものも本発明に適応する。さらに、図1に示
したように粒子間の間隙が液体試料の流路となって、標
識付きレセプターが移動するから、前記キャリア1の形
状は、液体試料および標識付きのレセプター2のカラム
内の移動を妨げないよう球状もしくはそれに近い形が好
ましい。キャリア1の粒径は、キャリアの間隙は一定の
大きさであることが好ましいので、ほぼ均一にするのが
良い。
【0026】本実施形態では、キャリア粒子自身に液体
等を通過させる透過性がないことを前提として説明し
た。しかし、粒子自身に透過性がある、アクリルアミ
ド、デキストラン等の分子の分子間を適当な試薬で架橋
したゲル状物質も、本発明のキャリアとして適応する。
図2は、粒子状にした前記ゲルをキャリアとして採用し
た場合の分散質の移動を示したものである。この場合
も、被検物の結合した標識付きレセプター4等の粒径の
大きい物質は、ゲル粒子5同士の間隙を前記同様、キャ
リアの間隙の毛管現象により移動する。しかし、被検物
の結合していない標識付きレセプター2等の粒径の小さ
い物質の一部あるいは全部はゲル粒子5の内部を通過す
る。従って、実際の検出に関しては不必要な物質、すな
わち被検物の結合していない標識付きレセプター2や被
検物以外の分散質等が、ゲル状のキャリア5の粒子内を
移動することにより、被検物の結合した標識付レセプタ
ー4の移動がよりスムーズになる。従って、ゲル濃度は
特に定めるものではなく、ゲル濃度を高くすることによ
り、粒子内の孔穴を小さくして、分散質全てがゲル粒子
5同士の間隙を移動するように設定してもよいし、逆に
ゲル濃度を低くして、かなり粒径の大きな物質もゲル粒
子内を通過できるように設定してもよい。
【0027】キャリアの間隙は標識付きレセプターの移
動経路となるものであるから、水分を吸収して膨潤し間
隙を防ぐ材質は本発明で採用するキャリアには適応しな
い。また、標識付きレセプター等をキャリア内に取り込
んで固定化する材質が本発明に適応しないのは言うまで
もない。また、キャリアは単一の素材に限定するもので
はなく粒子状、ゲル状を問わず前記素材を組み合わせて
用いることも可能である。
【0028】標識試薬は、一例として金コロイドを採用
した。金コロイドの付着したレセプター2が被検物と結
合し、被検物の結合した標識付きレセプター4が分散媒
の移動に伴ってキャリア中を移動し検出領域L4のレセ
プター3に被検物が結合し、被検物の結合した標識付き
レセプター4が再結合し、結果として検出領域L4に金
コロイドが止まり着色帯を形成する。また、標識試薬は
金コロイドのほか、他の金属コロイド、染色コロイド、
粒子状ラテックス、色指示薬、リボゾームに含有されて
いる着色物質、炭素コロイドのような非金属コロイド等
が考えられる。
【0029】本装置は肉眼で検出することを前提として
いるので、キャリアの色は、標識試薬が明確に識別でき
る色が好ましい。例えば、金コロイドを採用するならば
白色が適当である。しかし、これに限らず、キャリアと
標識試薬を明確に区別する色の組み合わせであれば全て
本発明に適応する。さらに、目印として適宜必要に応じ
て着色することも可能である。例えば、標識付きレセプ
ター領域L2及び検出領域L4のみに違う色のキャリア
を充填すると、カラム全長を短く設定したときであって
も、標識付きレセプター領域L2に存在する標識試薬の
着色帯がなくなることにより液体試料がカラムに吸収さ
れたことが確認でき、さらに、検出領域L4において着
色帯の有無を容易に確認できる。
【0030】本発明は、被検物が液体試料中に存在する
ことを標識試薬によって確認するものであるから、カラ
ムの材質はカラム内が見える透明の材質を採用した。例
えば、ガラス、石英、プラスチックなどが適用される。
しかしながら、必要に応じて適宜着色してもよい。例え
ば、標識付きレセプター領域L2あるいは検出領域L4
と他の領域の境目に目印を入れ、前記領域を明確にする
ことができる。また、本発明は毛細管状のカラムの毛管
現象を利用するものであるから、カラムの材質は、液体
の表面張力を助長する材質であることが好ましい。従っ
て、液体試料の分散媒が水である場合は親水性素材ある
いは表面を親水化処理した材質ならば全て本発明に適応
する。
【0031】検出結果が一平面でなく多方面から確認で
きるように、本実施形態においてはカラムの断面は円形
のものを採用した。また、断面が正円形のカラムは実際
に使用する場合に滑りやすく持ちにくく、このような場
合に多方面から検出結果が確認できる他の形でもよい。
例えば、楕円形、多角形等である。
【0032】図3に示したように、カラムの開口両端か
らキャリアの漏出を防ぐための栓として、カラムの開口
端にフィルター6を配設した。従って、前記フィルター
6の孔径はキャリアの粒径より小さく設定されている。
加えて、フィルター6は、液体試料のろ過の役割も果た
している。即ち、フィルター6の孔径を適宜調節するこ
とにより、カラム内のスムーズな液体試料の流れを妨げ
る物質の混入を防ぐことができる。もちろん、フィルタ
ーの孔径は、被検物をカラム外から通過させる大きさで
あることは言うまでもない。前記フィルターは着脱でき
るものであってもよいし、カラムに永久的に固定された
ものであってもよい。このような装置を用いることによ
り、被検物が標識付きレセプター2に結合し、さらに検
出領域のレセプター4に結合し、被検物の検出結果を得
るまでの一連の作業を従来と比較して短時間で完了する
ことができる。
【0033】さらに、カラムを検出装置の本体としたた
め、従来の技術では乾燥多孔質キャリアを外部からの異
物の侵入を防ぐ必要があったが、本発明では、カラムの
開口両端のみを封止すれば異物の混入を避けることがで
きる。このため、カラムの両端以外から物質が混入せず
不純物の混入による検査ミスを防ぐことになった。さら
に、装置の縮小化により、必要試料の大幅な減少を可能
にした。
【0034】
【発明の効果】本発明では、生物学的免疫反応等を利用
した分析装置であって、検出装置本体として毛細管状の
カラムを採用し、カラム内にキャリア及び異なる役割を
果たす二種類のレセプターを設置し、キャリアの間隙を
利用した毛管現象により液体試料をカラム内で展開させ
ることにより、分析時間の大幅な減少及び装置の縮小化
が可能となった。そして、装置の縮小化により必要試料
の大幅な減少を可能にした。また、カラムに余存試料の
吸収領域及び液体試料吸収領域を設定したことにより、
さらに装置が簡要になった。また、カラムを検出装置の
本体としたため、従来の技術では乾燥多孔質キャリア全
体を覆うことにより外部からの異物の侵入を防いでいた
が、本発明では、カラムの開口両端のみを封止すれば異
物が混入せず、前記の原因による検査ミスを防ぐことが
可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラムの概略図の一部削除図面
【図2】粒子状ゲルの概念図
【図3】本発明で採用するカラムの開口端の概略図
【図4】従来の平板状検出装置を示す概念図
【図5】従来のケーシングされた検出装置を示す概念図
の一部削除図面
【符号の簡単な説明】
1 キャリア 2 標識付きレセプター 3 検出区域のレセプター 4 被検物の結合した標識付きレセプター 5 粒子状にしたゲル 6 フィルター L1 液体試料吸収領域 L2 標識付きレセプター領域 L3 標識付きレセプター領域及び検出区域の間の領
域 L4 検出領域 L5 余存試料吸収領域 a 固体支持体 b 移動可能なレセプター c 固定されたレセプター d 分析後の液体試料の吸収領域 e 乾燥多孔質キャリア f 従来のケーシングされた分析装置本体 g 窓

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】毛細管状のカラムにキャリアを充填し、さ
    らに特定の被検物に対して直接的あるいは間接的にそれ
    ぞれ別なる部位で特異的に結合する二種類のレセプター
    の存在する領域をカラムに相対的な位置に設定し、第一
    のレセプターはカラム内を自由に移動でき、加えて標識
    試薬を付着したレセプターであって、第二のレセプター
    は検出領域として永久的に固定されたレセプターであっ
    て、被検物を含む液体試料をカラムの一端から吸収させ
    て他端へ向けて移動させ、被検物が前記標識付きレセプ
    ターと結合した状態でカラム内を移動し、前記の固定さ
    れたレセプターに再結合するように位置関係が設定され
    ており、前記検出領域に標識試薬による着色帯が形成さ
    れることにより被検物の存在が確認される装置であっ
    て、さらに移動固体である被検物、前記標識付きレセプ
    ター、被検物の結合した標識付きレセプター及び液体試
    料中の分散質の粒径よりも、キャリアの間隙及び前記の
    固定されたレセプター領域の間隙が十分に大きいことを
    特徴とする分析装置。
  2. 【請求項2】カラム内に液体試料が吸収されるカラムの
    開口端と逆側に、分析後の余存液体試料の吸収領域を設
    定した請求項1記載の分析装置。
  3. 【請求項3】前記の標識付きレセプター領域の間隙、固
    定されたレセプター領域の間隙及び両レセプター領域の
    キャリアの間隙の容積を合わせた容積よりも、余存液体
    試料を吸収する領域の容積が大きくなるように設定した
    請求項2記載の分析装置。
  4. 【請求項4】前記のカラム開口端であって液体試料を吸
    収する側に、分析前の液体試料を吸収するための領域を
    設定した請求項1記載の分析装置。
  5. 【請求項5】キャリアに親水性物質を用いた請求項1記
    載の分析装置。
  6. 【請求項6】キャリアに粒子状の基材を採用した請求項
    5の分析装置。
  7. 【請求項7】キャリアにゲル状の物質を採用した請求項
    5の分析装置。
  8. 【請求項8】標識試薬に金コロイドを用いた請求項1記
    載の分析装置。
  9. 【請求項9】カラムの材質が透明の材質である請求項1
    記載の分析装置。
  10. 【請求項10】カラムの断面が円形である請求項1記載
    の分析装置。
  11. 【請求項11】カラムの断面が多角形である請求項1記
    載の分析装置。
  12. 【請求項12】カラム内の充填物が脱漏しないよう、カ
    ラムの開口両端に栓を取り付けた請求項1記載の分析装
    置。
  13. 【請求項13】前記カラムの栓として液体試料に対し透
    過性を持つ栓を取り付けた請求項12記載の分析装置。
JP32217797A 1997-11-06 1997-11-06 毛細管を用いる生物学的カラムクロマト分析装置 Pending JPH11142406A (ja)

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