JPH11141684A - ガスケットおよびその製造方法 - Google Patents

ガスケットおよびその製造方法

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JPH11141684A
JPH11141684A JP30445697A JP30445697A JPH11141684A JP H11141684 A JPH11141684 A JP H11141684A JP 30445697 A JP30445697 A JP 30445697A JP 30445697 A JP30445697 A JP 30445697A JP H11141684 A JPH11141684 A JP H11141684A
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JP
Japan
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gasket
substrate
support portion
support
sealing
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JP30445697A
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English (en)
Inventor
Kuraji Yoshida
庫治 吉田
Atsunori Yamada
敦則 山田
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Nok Corp
Original Assignee
Nok Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】圧着されたシール面の応力緩和を防止するとと
もに、耐久性能を向上させたガスケットおよびその製法
を得ることにある。 【解決手段】ガスケット1に於いて、ゴム状弾性材製の
シール層20に凹凸に形成した支持部9を有する基板2
を埋設し、支持部9の支持面11によってシール層20
のシール面21を長期にわたりシール能力を発揮するよ
うに支持することにある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、部材間をシールす
るガスケット及びその製造方法に関する。特に、ゴム状
弾性材を補強材に複合したガスケットに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】本発明に係る先行技術として、図26に
示す第1の従来例のガスケット60が存在する。図26
は、内燃機関のシリンダヘッドに用いられるガスケット
60の平面図である。又、図27は、図26のA−A矢
視断面図である。
【0003】図26に於て、60は内燃機関用のガスケ
ットである。ガスケット60には、2個の大径のシリン
ダボア61が形成されている。又、シリンダボア61の
周囲には4個の流体用貫通孔62が形成されている。そ
して、ガスケット60の外周側と2個のシリンダボア6
1との間には、10個のボルト孔63が形成されてい
る。
【0004】又、図26及び図27に於て、ガスケット
60の基板64は、金属材製である。この金属製の基板
64には、シリンダボア61用のシール部67の取付孔
65、流体用貫通孔62のシールリング68の嵌合孔6
6、ボルト孔63及びその他の孔がプレス加工により形
成されている。
【0005】そして、取付孔65の周縁部にはU形状に
折り曲げた金属製のシール部67が取付けられ、シリン
ダヘッドにより圧着されてハウジングとシリンダヘッド
の接合間をシールするようになされている。
【0006】又、嵌合孔66には、樹脂材製又は黒鉛材
製のシールリング68が嵌着されている。このシールリ
ング68は、樹脂素材を機械加工によりリング状に加工
して嵌合孔66に嵌着することにより組立てられる。
【0007】このため、ガスケット60は、基板64の
プレス加工とシール部67の折り曲げ組立加工とシール
リング68の機械加工及び組立加工等の作業が伴い製作
コストが高くなるとともにシール面の同一精度を出すこ
とが困難になる。
【0008】又、シール部67は、金属材製であるため
にシール能力が小さい等の問題がある。更に、シールリ
ング68も、樹脂材等であるためシール能力が小さく、
問題となっている。更に、シール部67とシールリング
68の両者は熱膨張が異なるため一方のシールリング6
8のシール面に間隙が生じたりしてシール能力が低下す
ることになる。
【0009】又、第2の従来例として図28に示すガス
ケット70が存在する。図28は、配管のフランジ間に
取付けられるガスケット70の断面図である。図28に
於て、ガスケット70は、リング状を成して板状のゴム
板71に形成されている。このゴム板71の内部には、
ゴム板71と同形状の補強板72が埋設されている。こ
の補強板72は、締付側の鋼板を層状に折り曲げて形成
したものである。
【0010】上述のガスケット70は、補強板72がゴ
ム板71を補強のためにゴム板71に埋設されている
が、フランジ75、75間でボルト76により締付けら
れると、締付力によりゴム板71が圧着されることにな
る。しかし、ボルト76の締付力の大きさによってゴム
板71が大きく弾性変形することになるので、ゴム板7
1としてのシール能力が応力緩和により低下したり、亀
裂が発生することがある。又、ガスケット70の内径7
7が圧着により変形し、流通断面積を変化させて必要と
する流路内径に構成することが困難になることがある。
【0011】又、更に、第3の従来例として図29に示
すガスケット80が存在する。
【0012】図29は、キャブインシュレータガスケッ
トの平面図である。図29に於て、ガスケット80は金
属材製で板状をした本体87に形成されている。この本
体87は、プレス加工によりメイン開口である希薄混合
気用の通孔81と希薄混合用の開孔82が形成されてい
る。又、開口81に対し副次的な開孔である第2の通孔
83が形成されている。そして、ガスケット80の周囲
の4か所には、ボルト孔84が設けられている。
【0013】図30は、図29のB−B矢視断面図であ
る。又、図31は図29のC−C矢視断面図である。図
30は、通孔81と開口82の周囲に形成されたビート
85の断面である。このビート85は、断面山形(くの
字形)に平面から突出した形状である。そして、このビ
ート85により通孔81と開口82との内外側をシール
するものである。
【0014】図31は、第2の通孔83の周囲に形成さ
れている突部86の断面である。図31に於て、第2の
通孔83の周囲が第2の通孔83を含めて平面より突出
した突部86に形成されているものである。
【0015】このガスケット80は、金属板単体により
ビート85と突部86とを形成し、このシールするため
のビート85と突部86とにより通孔81と開孔82と
第2の通孔83の外周をシールするものである。このビ
ート85と突部86は、両側から接合する図示省略の取
付部材により圧接されて通孔81と開口82及び第2の
通孔83の外周側に対しシールするものである。
【0016】しかし、この金属単体より成るガスケット
80は、 ゴム状弾性力に劣るためビート85や突部8
6を取付部材の取付面と強く圧接させたとしても、完全
にシールすることは困難である。特に、プレス加工時の
加工精度が悪い場合、又は、ビート85の面や突部86
の面に傷が発生した場合には、更にシール能力が低下す
ることになる。更に、上述のガスケット60、70、8
0は、いづれもその製作のためのコストが高く、更には
シール面の精度を出すことが困難である。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、第1の
従来例に於ては、基板64の取付孔65や嵌合孔66を
プレス加工により精密に加工しなければならない。更
に、シール部65をU形状に取付孔65の周縁部へ取付
けるため数段の折曲げ加工をしなければならない。更
に、シールリング68は、熱膨張の大きい樹脂材として
の特性から寸法が変化するので、嵌合孔66への組付け
が困難になる。このため生産コストが上昇する問題があ
る。更に、硬質なシール部65の材質としての性質から
シール能力にも問題がある。
【0018】更に、第2の従来例に於ては、ある厚さの
ゴム板71に補強板72が埋設されているが、この補強
板72は、単にゴム板71の内径77側を補強するため
に設けたものであるから、フランジ75、75間で圧着
されると、必要以上に圧着されたり、圧着により応力緩
和が生じたりして、フランジ75、75間のシールを完
全に実施することが困難になる。又、これを改善するた
め、ゴム板71を膜状に薄くすると補強板72からゴム
板71が剥離する問題もある。
【0019】又、第3の従来例に於ては、ガスケット8
0が金属板単体で形成されているため、シールするため
のビート85や突部86のシール能力が小さくなる。更
に、ビート85や突部86のプレス加工精度が悪いと、
ビート85や突部86から流体が漏洩することがある。
【0020】本発明は、上述のような問題点に鑑み成さ
れたものであって、その技術的課題は、ガスケットの加
工精度を向上させることなくシール能力を長期にわたっ
て発揮させることにある。又、ガスケットが取付部材に
より圧着されても、最適に圧着されてシール能力を向上
させることにある。更に、複合材としての基板とシール
板との接着を強力にすることにある。更に又、取付部に
係る耐熱性等を向上させることにある。又、ガスケット
を安価に製作できるようにするとともに、シール能力を
向上させたガスケットを生産することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の技術的
課題を解決するために成されたものであって、その技術
的手段は以下のように構成されている。すなわち、
【0022】請求項1の本発明は、ゴム状弾性材製のシ
ール層(20)がシール層(20)より硬質の基板
(2)に接着されているガスケットであって、基板
(2)には基板(2)の一部を変形して突出させた弾性
支持部(9)を有し、且つシール層(20)は支持部
(9)の支持面(21)を被覆して支持部(9)により
支持されるシール面(21)を有することを特徴とする
ガスケットである。
【0023】請求項2の本発明は、基板(2)の筒状の
第2の支持部(9b)の内周面により形成されるボア
(3)を有することを特徴とする請求項1に記載のガス
ケットである。
【0024】請求項3の本発明は、基板(2)の第2の
支持部(9b)の外周側に断面四角形状又は台形状に絞
り加工して突出された第1の支持部(9a)を有するこ
とを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガスケッ
トである。
【0025】請求項4の本発明は、第1の支持部(9
a)が環状を成して複数条形成されていることを特徴と
する請求項3に記載のガスケットである。
【0026】請求項5の本発明は、基板(2)の第1の
支持部(9a)が断面截頭円錐状又は円筒状に形成され
て点在することを特徴とする請求項3に記載のガスケッ
トである。
【0027】請求項6の本発明は、基板(2)の第1の
支持部(9a)の平面が所定の長さの直線状又は円弧状
に形成されて点在することを特徴とする請求項3に記載
のガスケットである。
【0028】請求項7の本発明は、基板(2)の支持部
(9)に貫通した接続孔(8)を有してシール層(2
0)の基板(2)の両側が接続孔(9)を介して連続さ
れていることを特徴とする請求項3又は請求項4又は請
求項5または請求項6に記載のガスケットである。
【0029】請求項8の本発明は、基板(2)の厚さ寸
法に対し支持部(9)の支持面(11)からシール層
(20)のシール面(21)までの厚さ寸法が薄肉に形
成されていることを特徴とする請求項1又は請求項8の
ガスケットである。
【0030】請求項9の本発明は、基板(2)の支持部
(9)の断面がくの字状又は台形状に形成されて平面方
向へ複数連続に有することを特徴とする請求項1に記載
のガスケットである。
【0031】請求項10の本発明は、基板(2)が超弾
性合金材により形成されていることを特徴とする請求項
1又は請求項2又は請求項4又は請求項9に記載のガス
ケットである。
【0032】請求項11の本発明は、支持部(9)を筒
条に形成して内周面に前記ボア(3)又は冷却通路
(4)又は潤滑油用孔(6)を形成するとともに取付孔
(5)の周囲にシール部(20)を形成したことを特徴
とする請求項10に記載のガスケットである。
【0033】請求項12の本発明は、金属板に絞り加工
により凹凸状の弾性支持部(9)を形成した基板(2)
を製作し、基板(2)の両側にゴム状弾性材の生地を配
置するとともに圧縮成形して支持部(9)の支持面(1
1)を被覆するシール面(21)を設けたシール層(2
0)を形成することを特徴とするガスケットの製造方法
である。
【0034】請求項13の本発明は、薄い金属板に絞り
加工により凹凸状の弾性支持部を形成し、金属板の両面
にゴム状弾性材をコーティングしてコーティング層を形
成し、コーティング層を成形した外表面にシール面(2
1)を設けたシール層(20)を成形し、次いでシール
層(20)と基板(2)とを打抜加工によりボア(3)
又は流体孔(4、6)を形成することを特徴とするガス
ケットの製造方法である。
【0035】
【作用】ゴム状弾性材製のシール層20は、取付部材に
より圧着されると、シール面21が取付部材に密接する
とともに、基板2の支持部9がシール層20より弾性力
を強くしてシール面21を押圧するから、シール層20
はシール能力を発揮するとともに、必要以上に圧着され
ることもないから、応力緩和によりシール能力が低下さ
せられることもなく、長期にわたってシール能力を発揮
することができる。
【0036】更に、基板2が超弾性合金材製であると、
超弾性合金材はゴム状弾性材と協働して弾性力を2段に
生起し、ガスケットとしてすぐれたシール能力を発揮す
ることが可能となる。
【0037】又、ボア3および流体流通用孔4、6は支
持部9の筒状部の内周面で形成されているから、流体に
接触しても、流体をシールするとともに、耐熱性、耐油
性、耐酸性等を発揮しながら、長期にわたってシール能
力を発揮することが可能になる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施の形態を
図面に基づいて詳述する。
【0039】図1は、本発明に係る第1の実施の形態を
示すガスケットの平面図である。
【0040】図1に於て、1はシリンダヘッド用のガス
ケットである。ガスケット1は、シリンダヘッドとシリ
ンダブロックとの間に取付けられるように板状を成すと
ともに、シリンダブロックの接合面に合わせて矩形状に
形成されている。
【0041】このガスケット1には、シリンダブロック
のシリンダの孔に合わせて4個のシリンダのボア3が形
成されている。又、冷却通路4と潤滑油用孔6が各2個
づつ形成されている。更に、外周側に沿って10個のボ
ルト用の取付孔5が形成されている。尚、両外面はシー
ル層20のシール面21bである。
【0042】図2は、図1のA−A矢視断面図である。
図2に於て、ガスケット1は、金属製の基板2にゴム状
弾性材製のシール層15が一体に接着されている。
【0043】この基板2は、0.5mmの厚さのステン
レス金属板により構成されている。この基板2にはプレ
ス加工によりシリンダのボア3が筒状の第2の支持部9
bによって形成されている。この第2の支持部9bは有
底の筒状の絞り加工するとともに、有底部を打抜加工し
て形成される。又、第2の支持部9bの周囲には断面三
角形状に折曲げられてビート状の第1の支持部9aが形
成されている。
【0044】この第1の支持部9aは、シリンダのボア
3が1個の場合はシリンダのボア3の外周に環状に形成
される。又、シリンダのボア3が複数のときは、両側か
ら半円形状に囲むようにして全体のシリンダのボア3を
環状に囲むように形成される。又は、ボア3を各々囲む
ように円環状に形成しても良い。
【0045】更に、第1の支持部9aの外周側には断面
が截頭円錐状に折曲げられた第3の支持部9cが点在す
るようにシリンダのボア3と冷却通路4と潤滑油用孔6
の間の平面に設けられている。又、冷却通路4にも冷却
通路4を形成する筒状部が第4の支持部9dとして構成
されている。更に、ボルト用の取付孔5にも取付孔5を
形成する円筒部が第5の支持部9eとして構成されてい
る。
【0046】これらの支持部9は、基板2、例えばステ
ンレス板をプレスにより絞り加工することにより簡単に
形成することができる。この実施の形態に於ける絞り深
さは0.6〜3mmの範囲のものである。又、第1の支
持部9aや第3の支持部9cには貫通する接続孔8が形
成されており、この接続孔8を介して基板2の両側のシ
ール層20を連結して接着を強化させるものである。
【0047】又、支持部9は、高さhをすべて同一寸法
にしてシール層20のシール面21を支持するものであ
る。支持部9の支持面11からシール面21までの肉厚
1、t2 は、基板2の厚さより薄く又は同じ厚さに形
成してある。この肉厚t1 、t2 は0.1〜2mmの範
囲にすると良い。しかし、支持部9の弾性力との関係で
決まるので、肉厚が限定されるものではない。尚、第2
の支持部9bの端部7はシリンダのボア3の径を小径に
するフランジ状に形成されている。この端部7は、支持
力を強力にするためにフランジ状に形成するものであ
る。このために第4の支持部9dの端部7aのようにす
る場合もあるので、必ずしも必要とするものではない。
又、反対に外径方向へフランジ状に形成することもでき
る。
【0048】基板2の厚さは、0.1mmから2mmの
範囲が好ましい。又、材質はステンレス板の他に鋼板
(SPCC)、アルミ板、銅板、錫板、超弾性合金材板
等を用いることができる。又、支持部9の深さ(図示高
さh)は、基板2の厚さの1〜10倍の範囲にすること
が好ましい。以上の寸法は好ましい範囲であるが、ガス
ケット1が取付けられる装置の条件に応じ寸法が設定さ
れる。
【0049】支持部9のうち、第1の支持部9aと第3
の支持部9cは、ガスケット1のシール層20が取付部
材により必要以上に圧縮されて、長期又は短期にシール
機能が低下するのを防止するためにシール面21ととも
に、ガスケット1全体を支持するために設けられている
ものである。
【0050】又、シリンダのボア3、冷却通路4、潤滑
油用孔6および取付孔5等は、各孔の周囲のシール層2
0を特別に支持するとともに、シール能力を発揮させる
ために設けるものである。そして、全体の支持部9によ
りシール層20のシール面21がシール能力を発揮する
ように弾性的に支持するものである。
【0051】次に、シール層20は、基板2の両側に接
着されて、取付部材間をシールするものである。このシ
ール層20の表面は、取付部材の接合面と接合してシー
ルするシール面21に形成されている。そして、支持部
9、9間のシール層20の肉厚部でも、弾性力を発揮し
て、シール面21が取付部材の接合面と密接するもので
ある。シール層20の厚さ寸法Hは、基部2の最大厚さ
hに対し、h+0.1〜2mmの範囲の厚さに形成する
ことが好ましい。しかし、取付部材間の取付条件により
この厚さは設定されるので、上記の寸法以外に形成する
こともある。
【0052】冷却通路4に係る第4の支持部9dの端面
7には、シール層20が接着されていないが、必要に応
じ取付孔5に係る第5の支持部9eの端面7のシール部
分20aのようにシール層20を形成しても良い。この
シール部分20aは必要に応じ設けられるものである。
【0053】シール層20の材質は、ニトリルゴム、フ
ッ素ゴム、シリコンゴム、フッ素樹脂および黒鉛等が用
いられる。これらの材料は、耐油性、耐水性、耐圧性、
耐磨耗性、耐はみ出し性、耐熱性および耐振性等の条件
に応じ最適な材質が用いられる。
【0054】このシール層20がゴム材質の場合には、
表面であるシール面21にグラファイト又はフッ素樹脂
材等の被膜を施すと良い。
【0055】図3はガスケット1の製造を示す工程図で
ある。図3に於て、基板2となるフープ状の金属板9を
巻出機から取出してプレス加工工程Aに供給する。この
プレス加工工程Aに於て、金属板Pにシリンダのボア
3、冷却通路4、取付孔5、潤滑油用孔6および支持部
9等の加工を施して基板2の外形に切断する。
【0056】次に、基板2にシール層20を接着する前
工程として洗浄処理と接着剤処理工程Bを行う。そし
て、この処理したものを乾燥させるために乾燥機工程C
で乾燥させる。
【0057】この基板2の乾燥が完了したが段階で、基
板2にゴムをコーティングするためのゴムコーティング
処理工程Dを施す。このゴムコーティング処理が完了す
ると、このゴムコーティングを乾燥させるために、再度
乾燥機工程Eで乾燥させるとともに、ゴムコーティング
をシール層20に成形するための成形機による圧縮成形
工程Fで成形を行う。
【0058】この圧縮成形工程Fが完了した段階で、次
の工程として必要に応じ表面コート材コーティング工程
Gを施す。そして、ガスケット1として不良品がないか
どうか検査工程Hを行うものである。
【0059】図4は、この製造工程のうちのプレス加工
工程Aに於てフープ状の金属板Pにシリンダのボア3、
冷却通路4、取付孔5、潤滑油用孔6および支持部9等
の加工を施したものである。これらのプレス加工が完了
すると、仮想線イの位置より切断して基板2を形成す
る。
【0060】図5は、金属板Pをプレス加工工程Aに於
けるプレス機によりシリンダのボア3と支持部9を加工
した一実施の形態を示す断面図である。
【0061】図5に於て、30はプレス機である。プレ
ス機30の上ダイス32と下ダイス34との間に金属板
Pが保持されてプレス板33とポンチ31によりシリン
ダボア3とともに第2の支持部9bおよび第1の支持部
9aが形成される。このとき、図示省略の冷却通路4、
取付孔5、潤滑油用孔6および第3の支持部9c等も加
工して形成される。
【0062】次に、このガスケット1の取付作用につい
て説明する。ガスケット1は、図示省略のシリンダブロ
ックとシリンダヘッドとの接合面間に取付けられる。そ
して、シリンダボア3、冷却通路4および潤滑油用孔6
の接合面間から流体が漏洩するのを防止するものであ
る。
【0063】このとき、ガスケット1のシール層20は
両接合面間で圧縮される。しかし、シール層20が最適
なシール能力を発揮される量まで圧縮されたとき各支持
部9により弾性的にそれ以上に圧縮されるのを防止する
ことにより、接合面間が確実にシールすることができ
る。同時に、シール部20は、支持部9により圧縮量が
増大するのが防止されるから、圧縮による応力緩和が防
止され、長期にわたってシール効果が発揮される。
【0064】又、シリンダボア3は、ステンレスの円筒
状をした第2の支持部9bにより形成されているから、
耐熱性を発揮してシール層20を保護し、熱によりシー
ル能力が低下するのを効果的に防止することができる。
【0065】又、冷却通路4にも円筒状に形成された第
4の支持部9dが形成されているから、シール部20が
冷却水により膨潤するのも防止できる。更に、潤滑油用
孔6にも円筒状に形成された第6の支持部9fが設けら
れているからシール層20が耐油性を発揮するととも
に、第4の支持部9fによりシール層20が必要以上に
圧縮されるのを防止されるから、シール効果が奏するこ
とになる。
【0066】図6は、本発明に係る第2の実施の形態を
示すシリンダヘッド用ガスケットのシリンダボア3を中
心とした要部断面図である。図6に於て、基板2は、ア
ルミ板から構成されている。そして、基板2には、断面
くの字に折曲げられた山形で周囲が環状を成す第2の支
持部9bに形成されている。又、この第2の支持部9b
の中心にはシリンダのボア3が形成されている。更に第
2の支持部9bの外周側には断面くの字に突起して断面
方向に所定の長さに形成された第1の支持部9aが点在
するように所定の位置に形成されている。
【0067】基板2の図示下面は、平面に形成された第
1の支持面11aを成している。又、基板2の上面は、
支持部9の上面により第2の支持面11bに形成してい
る。そして、ガスケット1が取付接合面により圧着され
たとき、第1の支持面11aと第2の支持面11bによ
り、シール面21が圧縮されすぎるのを弾性的に支持す
るとともに大きく変形するのを防止する。尚、支持部9
が断面くの字形に突出した形に形成されているので、支
持部9は弾力性を発揮することができる。このため強く
圧着されたときには、シール部20とともにシール部2
0より強力な弾性力を発揮する。
【0068】この基板2の図示上下両面には、シール層
20が接着されている。そして、下面が第1のシール面
21aであり、上面が第2のシール面21bに形成され
ている。この第1のシール面21aと第1の支持面11
aとのシール部20の肉厚t 1 の寸法厚さは0.05〜
1mmの範囲の肉厚に形成されている。又、第2のシー
ル面21bと第2の支持面21bとのシール部20の肉
厚t2 の寸法厚さも0.5〜1mmの範囲の肉厚に形成
されている。
【0069】このシール部20の材質は、耐熱性と冷却
水の低温性を考慮してシリコンゴム材製に構成されてい
る。この他の材質としては、ブチルゴム、クロロスルフ
ォン化ポリエチレンなどが用いられる。
【0070】図7は、本発明に係る第3の実施の形態を
示すシリンダヘッド用ガスケット1のシリンダのボア3
を中心とした要部断面図である。
【0071】図7のガスケット1に於て、図6のガスケ
ット1の構成と相違する点は、第2の支持面21bの幅
寸法を大きくした点である。また、シール層20の材質
をフッ素樹脂又はフッ素ゴムにした点である。
【0072】図6および図7のガスケット1に於ては、
シリンダのボア3をシール層20の内径より小径にした
ためシール層20が圧着されても、シリンダボア3の径
が縮径されないように成されている。
【0073】図8は、本発明に係る第4の実施の形態を
示すシリンダヘッド用ガスケット1のシリンダのボア3
を中心とした要部平面図である。又、図9は、図8のA
−A矢視断面図である。
【0074】図8および図9に於て、シリンダのボア3
は、断面U形状に形成され第2の支持部9bの内径によ
り形成されている。又、潤滑油用孔6は、基板2に設け
られた貫通孔により形成されている。そして、シール層
20による潤滑油用孔6は、基板2に形成された潤滑油
用孔6より大径に形成されている。
【0075】又、第1の支持部9aは、第1のシール面
21a側へ断面く字形に曲げられるとともに、第2のシ
ール面21b側へ断面く字形に曲げられた形に形成され
ている。この第1の支持部9aは、平面上は環状に形成
されているが、断続にして環状に形成しても良い。
【0076】次に、シール層20は、フッ化エチレン重
合体により構成されている。そして、配合により軟質に
近く、しかも弾性を有するようにされている。しかし、
ゴム状弾性力は得られないので、く字形を連続にした第
1の支持部9aにより弾力性を付与している。又、シー
ル層20は、他の材質として シリコンゴムを用いてい
る。このガスケット1は、耐熱性、耐酸化性、耐候性等
を必要とするところに活用することができる。
【0077】図10は、本発明に係る第5の実施の形態
を示すシリンダヘッド用ガスケット1のシリンダのボア
3を中心とした要部平面図である。又、図11は、図1
0のB−B矢視断面図である。
【0078】図10および図11に於て、基板2にシリ
ンダのボア3が形成されている。そして、シール層20
のシリンダのボア3はそれよりも大径に形成されてシー
ル層20が圧縮されても基板2のシリンダのボア3の径
よりも小径にならないように形成されている。
【0079】シリンダボア3の外周側の第1の支持部9
aは、シリンダボア3の中心を同心として環状を成して
いる。そして、断面く字形を連結した形に形成されてい
る。更に、その外側の第1の支持部9a1は、シリンダの
ボア3を囲むさらに大きな環状に形成されている。この
支持部9a1も第2の支持部9aと断面が同形状に形成さ
れている。更に、シリンダのボア3の両側には、有端の
支持部9a2が形成されている。そして、第1の支持部9
a1、9a2によりガスケット1のシール面21a、21b
の全面を支持するように構成されている。尚、この基板
2は超弾性合金材により構成されている。この他の材料
として錫板を使用した。さらに、綱板も適用して良好で
あった。
【0080】図12は、本発明に係る第6の実施の形態
のフランジ間に取付けられるガスケット1の半断面図で
ある。又、図13は、図12のガスケット1の取付状態
を示す半断面図である。
【0081】図12に於て、基板2は、リング状の円板
に形成されて、内外周端部に第2の支持部9bと第7の
支部部9gが設けられている。この第2の支持部9bと
第7の支持部9gとは断面円形状に曲げ加工されてい
る。そして、第2の支持部9bと第7の支持部9gとの
間の板状部には波形に形成された第1の支持部9aが設
けられている。そして、第1の支持部9aの波形の上下
面が第1の支持面11aと第2の支持面11bに形成さ
れている。
【0082】第1の支持部9aと第2の支持部9bと第
7の支持部9gとの厚さ寸法は、略同一寸法に形成され
ている。そして、第2の支持部9bの内周面によりボア
3が形成されている。この基板2は、ステンレス板によ
り構成されている。
【0083】第1の支持部9aの第1の支持面11aと
第2の支持面11b間の寸法hより厚肉の厚さHのシー
ル層20が第1の支持部9aに接着されている。このシ
ール層20は、ニトリルゴムにより形成されている。シ
ール層20は、この他の材質としてフッ素ゴムも用いら
れている。
【0084】図13は、図12に示すガスケット1をフ
ランジ40、40間に取付けた断面図である。フランジ
40、40間に取付けられたガスケット1は、第2の支
持部9bと第7の支持部9gがフランジ40、40間に
ボルト41より圧着される。同時にシール層20のシー
ル面21a、21bも圧されるとともに、第1の支持部
7aによりシール面21a、21bが必要以上に圧着さ
れるのが防止される。このため、フランジ40、40を
取付けたパイプ通路42を流れる高温流体、又は油等が
第2の支持部9bによりシールされるとともに、第2の
支持部9bより漏洩したとしても、シール層20により
確実に密封することができる。
【0085】図14は、本発明に係る第7の実施の形態
を示すガスケット1の平面図である。又図15は、図1
4のC−C矢視断面図である。
【0086】図14および図15に於て、ガスケット1
は基板2とシール層20により構成されており、基板2
の中心にボア3が設けられている。このボア3は基板2
の第2の支持部9bにより形成されている。又、基板2
の第2の支持部9bの外周側には、断面台形に折曲げら
れた第1の支持部9aが3個環状に形成されている。そ
して、この第1の支持部9aの台形の上下面は、図示下
側が第1の支持面11aに形成されているとともに、上
側が第2の支持面11bに形成されている。
【0087】この基板2はステンレス板又銅板により形
成されている。この他の材質として鋼板、アルミ板、超
弾性合金材、その他必要に応じプラスチック板も利用す
ることができる。
【0088】基板2に接着されたシール層20は、基板
2の両側に接着されている。そして、基板2の第1の支
持面11aと第2の支持面11b間の寸法hに対し、シ
ール層20の肉厚Hはh+0.1〜2mmの範囲に厚肉
に形成されている。
【0089】特に、シール層20のシール面21a、2
1bに台形状のシールリップ22を設けると良い。この
シールリップ22は、支持部9の凹所によりシール層2
0が厚肉となる個所に設けると良いことも認められる。
これは、シール層20が支持面11a、11bにより指
示されたシール面21と支持部9の凹所の厚肉により支
持されたシール面21とが更に面圧を異にしてシール能
力を協動作用するからである。
【0090】次に、図16は、本発明に係る第8の実施
の形態を示すガスケット1の第1の支持部9aを含む断
面図である。
【0091】図16に於て、基板2の第1の支持部9a
は断面が台形に折り曲げられており、この同じ形状の台
形が連続した形状に形成されているものである。この第
1の支持部9aは、図示上下両側から圧着されると、均
等に弾性変形するように構成したものである。尚、第1
の支持部9aのピッチLは略同寸法である。
【0092】そして、この第1の支持部9aは、ボア3
の外周側では、ボア3と同心に環状に形成すると良い。
又、一方向にのみ波形に連続して形成することもでき
る。更に、截頭円錐形状に形成したものを多数点在させ
た構成のものでも良い。更に又、断面台形に折曲げた第
1支持部aを有端で円弧状に形成しても良いし、有端で
直接状に形成したものを点在させても良い。次に、基板
2に接着されるシール層20は、基板2の両側に第1の
支持面11aおよび第2の支持面11b間の寸法hより
h+0.1〜2mmの範囲の厚肉の厚さHの寸法に形成
すると良い。この厚肉の厚さHの寸法は、取付条件によ
り、この範囲を越えることもある。
【0093】この基板2の材質は、SPCC、S45
C、SUSなどの鉄板、ステンレス板などを利用してい
る。又、シール層20は、ニトリルゴム、フッ素ゴム、
フッ素樹脂等を用いている。このガスケット1の製法
は、後述する図25に示す工程により製作される。
【0094】図17は、本発明に係る第9の実施の形態
を示すガスケット1の第1の支持部9aを含む断面図で
ある。このガスケット1の製法は、後述する図25に示
す工程により製作される。
【0095】図17のガスケット1は、前述した図16
のガスケット1と全体の構成は、略同じである。相違す
る点は、基板2の第1の支持部9aがある寸法Lごとに
台形状に折曲げられて形成されたものである。このガス
ケット1に於ても、第1の支持面11aから第1のシー
ル面21aまでのシール肉厚t1 は0.05〜1mmに
形成されている。又、第2の支持面11bから第2のシ
ール面21bまでのシール肉厚t2 も0.05〜1mm
に形成されている。
【0096】図18は、本発明に係る第10の実施の形
態を示すガスケット1の第1の支持部9aを含む断面図
である。
【0097】図18のガスケット1は、図17のガスケ
ット1と類似する構成のものである。図17に示すガス
ケット1と相違する点は、基板2に多数の貫通した接続
孔10が設けられている点である。この接続孔10は、
基板2の両側に接着されているシール層20を強力に結
合させてシール層20が基板2から剥離するのを防止す
るとともに、シール面21が支持面11によりシール効
果を発揮するように接続孔10内のシール層20の連結
部により保持することができる。この接続孔10は図示
以外の個所に多数設けてもよい。
【0098】図19は、本発明に係る第11の実施の形
態を示すガスケット1の第1の支持部9aを含む断面図
である。
【0099】図19に示すガスケット1の全体構成は、
図18に示すガスケット1と類似するものである。図1
8のガスケット1と相違する点は、基板2の支持部9の
凹部に対応するシール面21にシールリップ22を設け
たものである。このシールリップ22は、支持部9の凹
部に対応した位置に配置されるので、支持部の平面の形
状に対応して形成される。このシールリップ22は各支
持面11a,11b間されているので、長期にわたって
優れたシール能力を発揮する。又、このシール層20の
ゴム材質は、例えばシリコンゴム、プロピレンゴム等で
ある。
【0100】このガスケット1のシールリップ22の突
出高さt3 又はt4 は0.5〜2mmの範囲に形成され
る。すなわち、シール面21の支持面11よりの肉厚よ
りやや厚肉にすることが好ましい。
【0101】図20は、本発明に係る第12の実施の形
態を示すガスケット1の第1の支持部9aを含む断面図
である。
【0102】図20に於て、第1の支持部9aは、基板
2に多数の絞り加工された台形状の凹部14を形成して
凹部14側に突出させるとともに、第1の支持部9aの
支持面11側に―の溝15を形成して第1の支持部9a
に弾性力を付与したものである。その他の構成は、図1
8のガスケット1と略同一である。
【0103】図21は、本発明に係る第13の実施の形
態を示すガスケット1の第1の支持部9aを含む部分断
面図である。
【0104】図21は、図20のガスケット1と略同一
である。図20のガスケット1と相違する点は、第1の
支持部9aの支持面11側に+の溝15を形成して第1
の支持部9aに弾性力を付与したものである。同時に、
この溝15によりシール層20と基板2との接着を強固
にするものである。
【0105】以上の図16〜図21までのガスケット1
の平面形状は、種々の形状に適用することができる。こ
の図示は省略するが、例えば、支持部9がボア3を中心
にして環状に形成された形状のもの、又、支持部9が一
方向に波形に形成されたもの、更には支持部9を截頭円
錐状に形成したもの、更には、一方向の所定の長さに形
成して複数点在させたもの(例えば、環状にしたものを
複数に仕切って有端にしたもの)等の実施の形態があ
る。
【0106】これらのガスケット1は、例えば、図22
に示すような用途に用いられる。図22は、ガスケット
1がエンドカバ51とシリンダ52との間に取付けられ
てダイアフラム53に作用する流体をシールするととも
に、ダイアフラム53がエンドカバ51に接合して摩耗
するのを防止させるものである。
【0107】図23は、本発明に係る第14の実施の形
態を示すガスケット1の断面図である。
【0108】図23に於て、基板2は超弾性合金材製に
よりリング状に形成されている。そして、基板2には、
中心にボア3が形成されている。このボア3を形成する
第2の支持部9bは円筒状に形成されている。又、第2
の支持部9bの外周にはボア3と同心の環状を成す3条
の第1の支持部9aが形成されている。この第1の支持
部9aの断面形状は台形に折り曲げられて3条に連続形
成されているものである。この第1の支持部9aの外周
側には円周に沿って取付孔5が複数形成されている。
【0109】基板2の取付孔5に沿って所定の幅のシー
ル層20が基板2に接着されている。このシール層20
は、合成ゴム又は樹脂材製により構成されている。材質
としてニトリルゴム、フッ素ゴム、フッ化エチレン重合
体などが適用に応じ設けられている。
【0110】このガスケット1は、ボア3内を高温流
体、油、石油、溶剤液等が流れるところに用いられる。
そして、耐熱性、耐油性、耐溶剤性を発揮することがで
きる。又、取付孔5から流体等が侵入するのも防止され
る。更に、第1の支持部9aは超弾性合金材製であり、
その上、断面台形状に折曲げられているから、金属材製
であるにもかかわらずゴム状弾性力を発揮してシール能
力を向上させることができる。
【0111】図24は、本発明に係る第15の実施の形
態を示すガスケット1の断面図である。図24に示すガ
スケット1は、基板2が超弾性合金材製のシリンダヘッ
ド用ガスケット1である。 図24に於て、シリンダボ
ア3は、円筒状の第2の支持部9bにより形成されてい
る。そして、第2の支持部9bの端部7はフランジ状に
内径側へ突出する接合部16が形成されている。
【0112】又、第2の支持部9bの外周側には環状の
第1の支持部9aが形成されている。この第1の支持部
9aは断面が台形状に絞り加工して平面が環状を成して
いる。そして、截頭部の面が第2の支持面11bに形成
されている。
【0113】第1の支持部9aの外周側には第3の支持
部9cが点在するごとく配置されている。この第3の支
持部9cは、断面台形状に絞り加工されて平面が断面方
向に所定の長さの有端に形成されている。
【0114】更に、第4の支持部9dが円筒形にプレス
加工されているとともに、その内径が冷却通路4に形成
されている。又、基板2の外周側には、波形に絞り加工
された第8の支持部9hが形成されている。
【0115】次に、基板2の第8の支持部9hには、シ
ール層20が両面に設けられている。このシール層20
は第8の支持部9hの第1および第2の支持面11a、
11bより両側へ0.3mmだけ厚肉tに形成されてい
る。この厚肉t1 、t2 は、0.1〜1mmの範囲に形
成することが好ましい。このシール層20は耐熱性の点
からシリコンゴム、ブチルゴム等にすると良い。尚、こ
のシール層20には、ボルト用の取付孔5が設けられて
いる。
【0116】この基板2としての超弾性合金材は、Ni
−Ti合金板材を用いた。この合金材の含有割合として
は、Ni50.7%、残部Tiとした。そして、熱処理
は、Ni−Ti合金を1000°Cに加熱して2時間保
持したる後に急冷したものである。このNi−Ti合金
の回復可能な弾性復元率は、約10%である。又、耐熱
性、耐蝕性等にすぐれた能力を発揮する。
【0117】基板2の他の超弾性合金材として、CU−
Ai−Ni合金、CU−Ai−Ni合金、CU−Zn、
CU−Zn、Ag、Cd、Ti、CU、Al等の合金を
採用することができる。これらは、いずれも1000°
Cで2時間程度熱処理した後に急冷して調質する。そし
て弾性復元率は7〜12Kgf/cm2 となっている。
【0118】以上、本発明に係るガスケット1は、基板
2に弾性を有する形状の支持部9を形成するとともに、
ゴム状弾性材製のシール層20を支持部9の両側に接着
することにより、シール層20の弾性力に、更に異なる
弾性力を相乗的に加えることができ、シール能力を長期
にわたって発揮させることができる。特に、ボア3を支
持部9bにより形成することにより、耐熱、耐性酸性、
耐蝕性を向上させることができるとともに、シール層2
0が熱や酸等によりシール能力が低下させられるのを効
果的に防止することが可能になる。
【0119】特に、基板2を超弾性合金材にすることに
より、ガスケット1に於けるシール層20の割合を少な
くすることができるから、耐熱性ガスケットとしてシリ
ンダヘッド、スチーム配管の継手フランジ部、油送管の
継手フランジ部の接合面間に用いて有用である。
【0120】図3に於ける製造方向に於ては、A工程に
て支持部11の絞り加工と筒状の打抜加工を同時に施し
たが、図25に示す第2の製造方法の実施の形態では、
A工程に於て絞り加工のみを行い、打抜加工はI工程に
於て行うものである。従って、全工程中基板はフープ状
態で最後の工程まで巻取られ、必要に応じプレス打抜加
工を施してボア3等を加工するものである。そして、必
要に応じ、表面コート材コーティング工程を施すもので
ある。
【0121】この製造方法に於ける金属板Pの厚さは、
第1の製造方法の実施の形態の場合より薄肉で0. 08
〜1mmの範囲のものが利用される。その他の構成は、
図3と略同様である。
【0122】
【発明の効果】請求項1に係る本発明のガスケットは、
基板を絞り出して突出させた支持部によりシール部のシ
ール面を弾性的に支持するから、2段の弾性力により、
シール面のシール効果を発揮させることができる。更
に、支持部により支持されたシール層は、支持部とシー
ル層との協働作用により長期にわたって応力緩和するこ
となくシール能力を発揮することが可能になる。又、基
板には支持部を有することにより、補強力が向上するか
ら、基板を薄肉にすることができ、弾力性とともに軽量
化を実施し、自動車等の省エネルギーに役立つことがで
きる。又、基板を薄肉にできることは、シール層の肉厚
も薄肉にすることが可能になり、薄肉のガスケットを可
能にし、小型機器に取付けを可能にする。
【0123】請求項2に係る本発明は、筒状の支持部に
よりボア等が形成されているから、流通する流体に対し
耐熱性を発揮して、シール能力が長期にわたり保持され
る効果を奏する。
【0124】請求項3に係る本発明は、支持部を断面四
角形状又は台形状に絞り加工することによりシール面を
弾性的に支持することを可能とすることが期待できる。
【0125】請求項4に係る本発明は、弾力性を有する
支持部を環状に複数条形成することにより、ボアに対し
てシール効果を発揮させるとともに、ボアに対し安定し
た着座をさせることができる。
【0126】請求項5および6に係る本発明は、基板に
支持部を点在させることにより、ボア等が設けられて支
持部を形成する面積が限定される場合に安定したシール
効果を発揮させることができる。
【0127】請求項7に係る本発明は、接続孔により基
板に対しシール層の剥離が防止できるので薄肉のシール
層を形成できるとともに、反対に、シール層を薄肉にも
でき、シール面の圧着による応力緩和を防止できる。そ
して、シール効果を長期にわたって保持することが可能
になる。又、接続孔によりシール層を薄肉にできること
は相対的に基板を薄肉にできることになる。
【0128】請求項8に係る本発明は、シール層のシー
ル面側が薄肉にされているから、シール面のクリープを
防止、長期にわたりシール効果を奏する。
【0129】請求項9に係る本発明は、支持部を連続に
形成されているので、安定した取付けおよび反力を可能
にし、シール効果を発揮させることができる。又、請求
項12および請求項13の製法を可能にさせることがで
きる。
【0130】請求項10および11は、基板を超弾性合
金材にすることにより、基板自体によりシール能力を発
揮させることができる。更にシール層と復合させること
により更にシール能力を発揮させることができる。又、
ボア等を支持部の筒状のみで形成できるから高温に対し
ても長期にわたりシール能力を発揮させることが可能に
する。
【0131】請求項12と13に係る本発明のガスケッ
トの製造方法は、製造工程が簡単で、不良の発生する工
程が少なく、製造コストを低減させることができるとと
もに、成形上の加工精度を向上させることができる。そ
して、支持部の加工によりすぐれたシール効果を発揮さ
せることができる。特に、支持部の加工を容易にしてコ
ストとともに、シール能力を付与してシール能力の品質
を保持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態のガスケットの
平面図である。
【図2】図1のA−A矢視断面図である。
【図3】本発明に係る一実施の形態の製造方法の工程図
である。
【図4】図3の製造のプレス加工工程Aにより加工した
基板の平面図である。
【図5】図3の製造工程のうちのプレス加工工程Aに於
ける支持部の絞り加工を示す断面図である。
【図6】本発明に係る第2の実施の形態のガスケットの
要部断面図である。
【図7】本発明に係る第3の実施の形態のガスケットの
要部断面図である。
【図8】本発明に係る第4の実施の形態のガスケットの
要部平面図である。
【図9】図8のA−A矢視断面図である。
【図10】本発明に係る第5の実施の形態のガスケット
の要部平面図である。
【図11】図10のB−B矢視断面図である。
【図12】本発明に係る第6の実施の形態を示すガスケ
ットの半断面図である。
【図13】図12のガスケットの取付状態図である。
【図14】本発明に係る第7の実施の形態を示すガスケ
ットの平面図である。
【図15】図14のC−C矢視断面図である。
【図16】本発明に係る第8の実施の形態を示すガスケ
ットの要部断面図である。
【図17】本発明に係る第9の実施の形態を示すガスケ
ットの要部断面図である。
【図18】本発明に係る第10の実施の形態を示すガス
ケットの要部断面図である。
【図19】本発明に係る第11の実施の形態を示すガス
ケットの要部断面図である。
【図20】本発明に係る第12の実施の形態を示すガス
ケットの要部断面図である。
【図21】本発明に係る第13の実施の形態を示すガス
ケットの要部断面図である。
【図22】図17のガスケットの取付状態の要部断面図
である。
【図23】本発明に係る第14の実施の形態を示すガス
ケットの断面図である。
【図24】本発明に係る第15の実施の形態を示すガス
ケットの断面図である。
【図25】本発明に係る他の実施の形態を示す製造方法
の工程図である。
【図26】従来の第1の実施例のガスケットの平面図で
ある。
【図27】図26のガスケットの断面図である。
【図28】従来の第2の実施例のガスケットの取付断面
図である。
【図29】従来の第3の実施例のガスケットの平面図で
ある。
【図30】図29のB−B矢視断面図である。
【図31】図29のC−C矢視断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・ガスケット 2・・・・・基板 3・・・・・ボア 4・・・・・冷却通路 5・・・・・取付孔 6・・・・・潤滑油用孔 7・・・・・端部 8・・・・・接続孔 9・・・・・支持部 9a・・・・第1の支持部 9b・・・・第2の支持部 9c・・・・第3の支持部 9d・・・・第4の支持部 9e・・・・第5の支持部 9f・・・・第6の支持部 9g・・・・第7の支持部 9h・・・・第8の支持部 11・・・・支持面 11a・・第1の支持面 11b・・第2の支持面 14・・・凹部 15・・・溝 16・・・接合部 20・・・シール層 20a・・シール部分 21・・・シール面 21a・・第1のシール面 21b・・第2のシール面 22・・・シールリップ 30・・・プレス機 31・・・ポンチ 32・・・上ダイス 33・・・プレス板 34・・・下ダイス 40・・・フランジ 41・・・ボルト 42・・・通路 50・・・アクチュエータ 51・・・エンドカバ 52・・・シリンダ 53・・・ダイアフラム 60・・・ガスケット 61・・・シリンダボア 62・・・貫通孔 63・・・ボルト孔 64・・・基板 65・・・取付孔 66・・・嵌合孔 67・・・シール部 68・・・シールリング 70・・・ガスケット 71・・・ゴム板 72・・・補強板 75・・・フランジ 76・・・ボルト 77・・・内径 80・・・ガスケット 81・・・通孔 82・・・開孔 83・・・第2の通孔 84・・・ボルト孔 85・・・ビート 86・・・突部 87・・・本体 P・・・・金属板 t1 ・・・シール肉厚 t2 ・・・シール肉厚

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム状弾性材製のシール層(20)が前
    記シール層(20)より硬質の基板(2)に接着されて
    いるガスケットであって、 前記基板(2)には前記基板(2)の一部を変形して突
    出させた弾性支持部(9)を有し、且つ前記シール層
    (20)は前記支持部(9)の支持面(21)を被覆し
    て前記支持部(9)により支持されるシール面(21)
    を有することを特徴とするガスケット。
  2. 【請求項2】 前記基板(2)の筒状の第2の支持部
    (9b)の内周面により形成されるボア(3)を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載のガスケット。
  3. 【請求項3】 前記基板(2)の前記第2の支持部(9
    b)の外周側に断面四角形状又は台形状に絞り加工して
    突出された第1の支持部(9a)を有することを特徴と
    する請求項1又は請求項2に記載のガスケット。
  4. 【請求項4】 前記第1の支持部(9a)が環状を成し
    て複数条形成されていることを特徴とする請求項3に記
    載のガスケット。
  5. 【請求項5】 前記基板(2)の第1の支持部(9a)
    が断面截頭円錐状又は円筒状に形成されて点在すること
    を特徴とする請求項3に記載のガスケット。
  6. 【請求項6】 前記基板(2)の第1の支持部(9a)
    の平面が所定の長さの直線状又は円弧状に形成されて点
    在することを特徴とする請求項3に記載のガスケット。
  7. 【請求項7】 前記基板(2)の前記支持部(9)に貫
    通した接続孔(8)を有して前記シール層(20)の前
    記基板(2)の両側が前記接続孔(9)を介して連続さ
    れていることを特徴とする請求項3又は請求項4又は請
    求項5または請求項6に記載のガスケット。
  8. 【請求項8】 前記基板(2)の厚さ寸法に対し前記支
    持部(9)の支持面(11)から前記シール層(20)
    のシール面(21)までの厚さ寸法が薄肉に形成されて
    いることを特徴とする請求項1又は請求項8のガスケッ
    ト。
  9. 【請求項9】 前記基板(2)の支持部(9)の断面が
    くの字状又は台形状に形成されて平面方向へ複数連続に
    有することを特徴とする請求項1に記載のガスケット。
  10. 【請求項10】 前記基板(2)が超弾性合金材により
    形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2
    又は請求項4又は請求項9に記載のガスケット。
  11. 【請求項11】 前記支持部(9)を筒条に形成して内
    周面に前記ボア(3)又は冷却通路(4)又は潤滑油用
    孔(6)を形成するとともに取付孔(5)の周囲にシー
    ル層(20)を形成したことを特徴とする請求項10に
    記載のガスケット。
  12. 【請求項12】 金属板に絞り加工により凹凸状の支持
    部(9)を形成した基板(2)を製作し、前記基板
    (2)の両側にゴム状弾性材の生地を配置するとともに
    圧縮成形して前記支持部(9)の支持面(11)を被覆
    するシール面(21)を設けたシール層(20)を成形
    することを特徴とするガスケットの製造方法。
  13. 【請求項13】 薄い金属板に絞り加工により凹凸状の
    支持部を形成し、前記金属板の両面にゴム状弾性材をコ
    ーティングしてコーティング層を形成し、前記コーティ
    ング層を成形した外表面にシール面(21)を設けたシ
    ール層(20)を成形し、次いで前記シール層(20)
    と前記基板(2)とを打抜加工によりボア(3)又は流
    体孔(4、6)を形成することを特徴とするガスケット
    の製造方法。
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