JPH11140182A - 反応性樹脂 - Google Patents

反応性樹脂

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JPH11140182A
JPH11140182A JP30254097A JP30254097A JPH11140182A JP H11140182 A JPH11140182 A JP H11140182A JP 30254097 A JP30254097 A JP 30254097A JP 30254097 A JP30254097 A JP 30254097A JP H11140182 A JPH11140182 A JP H11140182A
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resin
group
epoxy resin
cyclocarbonate
epoxy
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JP30254097A
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Futoshi Nakanishi
太 中西
Kazuhiko Niimura
和彦 新村
Masahiro Ishidoya
昌洋 石戸谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】水媒体中に溶解または分散した状態での貯蔵安
定性に優れた反応性樹脂を提供することにある。 【解決手段】ポリフェノール型エポキシ樹脂を基体と
し、1分子中に平均して1個のシクロカーボネート基と
カルボキシル基を有する、水に溶解または分散可能であ
り、さらに反応性をも有している反応性水性樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水に溶解または分散
した状態での貯蔵安定性に優れた反応性樹脂に関し、塗
料、接着剤、インクなどの熱硬化性組成物に好適に用い
られる。
【0002】
【従来の技術】近年、塗料、接着剤等の分野では、大気
汚染に関する溶剤規制あるいは省力化のために、従来の
溶剤型中心の樹脂から、水性樹脂、無溶剤型樹脂あるい
は粉体樹脂などへと急速に移行しつつある。この中でも
水性樹脂は、他の樹脂系に比べて塗装或いは接着技術の
手軽さのために、最も期待されているものである。また
塗料、接着剤業界においてはエポキシ樹脂とアミノ化合
物の組み合わせによる組成物が、各種特性、特に硬化
性、硬化物の耐食性に優れているために、従来から広範
に用いられてきている。しかしこの組み合わせの組成物
も、未だその大半は溶剤型としての使用であり、前述し
た背景から無溶剤型樹脂や水性樹脂への転換が種々検討
されているのが現状である。例えば無溶剤型樹脂化にお
いては、低分子量の液状エポキシ樹脂と低分子量のアミ
ノ化合物とを用いる組成物が種々検討されてきている。
しかしながら、この場合には可使時間が短くなり、また
硬化時の収縮が大きくなるために塗膜の付着性が低下す
るといった欠点が生じ、あるいは粘度調節が難しく作業
性に劣るといった欠点もあり、未だ溶剤型を置き換える
には至っていない。同様に、水性樹脂化への取り組みも
種々なされてきている。例えば特公昭51−33825
号公報、特公昭51−33940号公報や特開平8−1
51504号公報等には界面活性剤を用い、エポキシ樹
脂を水分散体とする方法が開示されている。しかしこの
方法では、使用した界面活性剤が硬化物中に残存するた
め、硬化物の耐水性が低下することがある。又エポキシ
基自身は反応性が高く、水とも反応するため、エポキシ
樹脂の水分散体の貯蔵安定性は必ずしも良好とはいえな
いという欠点もあった。また特開平7−48434号公
報や特開平8−217856号公報には硬化剤であるア
ミン誘導体を用いて、液状エポキシ樹脂を乳化する方法
が開示されている。この方法では、可使時間が短く、ま
た原理的には液状エポキシ樹脂しか使用できず幅広い性
能を満たすことが困難であるといった欠点があった。特
開昭54−56700号公報には、ポリエポキシド化合
物とポリアルキレンポリエーテルポリオールとの反応物
とポリアミンとからの反応物を硬化剤として使用する方
法が開示されている。この方法ではポリアミンと反応さ
せるところのポリエポキシドとポリアルキレンポリエー
テルポリオールとの反応物が分子量の大きいものになっ
てしまうために、エポキシ樹脂組成物としては硬化のお
そいものとなってしまい、また親水性部を多量に樹脂骨
格中に導入するために耐水性にも劣るものとなる。以上
のようにエポキシ樹脂系組成物の水性樹脂化の技術には
未だ十分なものが存在せず、多くの努力が続けられてい
るのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、水媒
体中に溶解または分散した状態での貯蔵安定性に優れた
反応性樹脂を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本明細書において水性と
は、樹脂又は樹脂組成物が水媒体に完全に溶解する場合
のみだけでなく、分散、乳化等の場合も含み、水性塗料
における当業者の使用する水性と同義であるとする。本
発明者らは鋭意検討した結果、ポリフェノール型エポキ
シ樹脂を基体とする樹脂であって、該樹脂中にシクロカ
ーボネート基を有し、かつカルボキシル基を有した樹脂
が、水を含む媒体中での貯蔵安定性に優れることを見い
だし本発明に達した。すなわち、本発明はポリフェノー
ル型エポキシ樹脂を基体とし、1分子中に平均して少な
くとも1個のシクロカーボネート基とカルボキシル基を
有する反応性樹脂を提供するものである。以下に本発明
を詳細に説明する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の新規な反応性樹脂の製造
に使用されるポリフェノール型エポキシ樹脂としては、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型
エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェ
ノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボ
ラック型エポキシ樹脂などを例示できる。また、これら
のエポキシ樹脂のフェノール環上、またはフェノール環
に置換した炭化水素骨格上に、ハロゲン、酸素、窒素、
硫黄原子を含む官能基、例えばハロゲン基、エーテル
基、エステル基、カルボニル基、水酸基、アミノ基、ニ
トロ基、チオール基、チオエーテル基などを有するもの
も含まれる。さらに、これらのフェノール環上、または
フェノール環に置換した炭化水素骨格上の官能基のう
ち、反応性の官能基を利用して他の化合物と反応させた
誘導体も含まれる。
【0006】前記他の化合物としては、例えば炭素数1
〜18の直鎖状または分岐した飽和または不飽和炭化水
素鎖を有するモノカルボン酸、コハク酸、マレイン酸、
アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二
酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、フ
タル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカ
ルボン酸、ダイマー酸等のジカルボン酸やこれらジカル
ボン酸の無水物、カルボキシル基含有ビニル系共重合体
などのカルボキシル基含有化合物、イソシアネート基含
有化合物、カプロラクトン等の環状エステル化合物等を
あげることができる。
【0007】かかるポリフェノール型エポキシ樹脂の分
子量、エポキシ当量については特に限定されるものでは
ないが、数平均分子量が200〜10000、好ましく
は200〜5000、エポキシ当量が80〜5000、
好ましくは80〜3000のものが用いられる。
【0008】本発明の反応性樹脂は、前記ポリフェノー
ル型エポキシ樹脂にシクロカーボネート基とカルボキシ
ル基を導入することにより得ることができる。ポリフェ
ノール型エポキシ樹脂へのシクロカーボネート基の導入
方法としては、ドイツ特許第3529263号公報等に
記載されている公知慣用の方法により行うことができ
る。すなわち、ポリフェノール型エポキシ樹脂のエポキ
シ基と二酸化炭素とを反応させることによりシクロカー
ボネート基が導入される。具体的にはポリフェノール型
エポキシ樹脂を有機溶剤に溶解し、60〜140℃の温
度下で、触媒としてトリフェニルホスフィンとヨウ化カ
リウムを用い、二酸化炭素とエポキシ基とを反応させる
ことにより得ることができる。シクロカーボネート基の
導入量は、ポリフェノール型エポキシ樹脂の1分子中に
平均して少なくとも1個であることが必要である。また
シクロカーボネート基の導入後のポリフェノール型エポ
キシ樹脂のエポキシ基は残存していてもいなくてもよ
い。
【0009】ポリフェノール型エポキシ樹脂へのカルボ
キシル基の導入方法としては特に制限はないが、例えば
ポリフェノール型エポキシ樹脂中の水酸基と多価カルボ
ン酸無水物等との反応があげられる。具体的には、ポリ
フェノール型エポキシ樹脂を有機溶剤に溶解し、80℃
〜140℃の範囲内で多価カルボン酸無水物と反応させ
ることによりカルボキシル基を導入することができる。
【0010】上記多価カルボン酸無水物としては、コハ
ク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシ
ン酸、デカメチレンジカルボン酸、フタル酸、マレイン
酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、テトラヒドロフ
タル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフ
タル酸等の無水物をあげることができる。該多価カルボ
ン酸無水物は単独で用いてもよいし2種以上組み合わせ
て用いても良い。カルボキシル基の導入量は、導入した
カルボキシル基を中和することにより本発明の反応性樹
脂を水中に溶解又は分散しうる量であれば特に限定され
るものでないが、樹脂中の酸価として10〜100の範
囲であることが好ましい。
【0011】ポリフェノール型エポキシ樹脂へのシクロ
カーボネート基及びカルボキシル基の導入の順序は、合
成上支障がなければどちらからおこなってもよく、また
同時に行ってもよい。ここでポリフェノール型エポキシ
樹脂は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて使
用しても何等差し支えない。またポリフェノール型エポ
キシ樹脂にシクロカーボネート基及びカルボキシル基を
導入した後に、エポキシ基がなお残存していてもよい
が、安定性の観点からは残存していない方が好ましい。
【0012】本発明の反応性樹脂は、導入したカルボキ
シル基を塩基性の化合物を用いて中和することで水媒体
に溶解又は分散(水性化)することができ、貯蔵安定性
に優れた新規な反応性樹脂の水溶液又は水分散体(水性
樹脂溶液)を得ることができる。塩基性の化合物として
は、2級アミン化合物、3級アミン化合物等の1級アミ
ン化合物以外の有機塩基、又は水酸化カリウム、水酸化
ナトリウム等の無機塩基があげられる。中和するために
用いる塩基性の化合物の使用量は、本発明の反応性樹脂
を水中に溶解又は分散させるに足る量を用いればよく、
通常樹脂中のカルボキシル基の30〜150%を中和さ
せる量である。
【0013】上記2級アミン化合物としては、例えばジ
メチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミ
ン、ジイソブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−
2−エチルヘキシルアミン、ジエタノールアミン、アミ
ノエチルエタノールアミン、N−メチルエタノールアミ
ン、ジイソプロパノールアミン等があげられる。また上
記3級アミン化合物としては、例えばトリエチルアミ
ン、トリプロピルアミン、ジメチルエタノールアミン、
メチルジエタノールアミン、ジブチルエタノールアミ
ン、トリイソプロパノールアミン、トリエタノールアミ
ン等があげられる。また上記2級又は3級アミン化合物
は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いて
もよい。
【0014】本発明の反応性樹脂は、上記塩基性の化合
物で中和した後に、さらに硬化剤として1分子中に2個
以上の1級アミノ基を有する化合物(以下、本発明で
「硬化剤として用いるアミン化合物」という)を組み合
わせることにより、水性硬化性樹脂組成物を得ることが
できる。かかる硬化剤として用いるアミン化合物として
は、例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘ
キサメチレンジアミン、キシリレンジアミン、ジアミノ
ジフェニルメタン、フェニレンジアミン、イソホロンジ
アミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミ
ン、テトラエチレンヘキサミン等のポリアミン類やこれ
らのエポキシアダクト体;ヒドロキシエチルアミノエチ
ルアミン、エチルアミノエチルアミン、メチルアミノプ
ロピルアミン等のポリアミン類とエポキシ化合物やイソ
シアネート化合物との反応物;分子末端に2個以上の1
級アミノ基を有するポリアミド類等があげられる。
【0015】また硬化剤としては、1分子中に2個以上
のケチミン基を有する化合物(以下、本発明で「硬化剤
として用いるケチミン化合物」という)であってもよ
い。ここでケチミン基とは1級アミノ基がケトン化合物
のカルボニル基に付加−脱水反応(ケチミン化)して得
られる下記一般式(1)のものである。かかるケチミン
基は、例えば水分の存在によって容易に加水分解して元
の遊離の1級アミノ基に変わる性質を有し、アミノ基を
化学的にブロックする時に使用される。
【0016】
【化1】
【0017】(式中、R1は水素原子またはアルキル
基、シクロアルキル基等の1価の炭化水素基を表し、R
2はアルキル基、シクロアルキル基等の1価の炭化水素
基を表す)
【0018】前記の硬化剤として用いられるケチミン化
合物としては、1分子中に2個以上のケチミン基を有し
ているほかに特に制限はない。かかるケチミン化合物と
しては例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、
ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、N−メチ
ル−3,3’イミノビス(プロピルアミン)、キシリレ
ンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、フェニリレン
ジアミン、イソホロンジアミン等のジアミン類をケチミ
ン化した化合物があげられる。またヒドロキシエチルア
ミノエチルアミン、エチルアミノエチルアミン、メチル
アミノプロピルアミン、ジエチレントリアミン、トリエ
チレンテトラミン、テトラエチレンヘキサミン等のポリ
アミン類の1級アミノ基をケチミン基に変換した後、さ
らに残存する2級アミノ基に対してエポキシ化合物やイ
ソシアネート化合物を反応させた化合物もあげることが
できる。
【0019】前記ケチミン化する時に使用しうるカルボ
ニル化合物としては、通常用いられる任意のケトン類、
例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、メチルアミルケトン、ジイソブチルケトン、
シクロヘキサノン等が挙げられる。前記ケチミン化の反
応は、公知の方法によって行うことができる。該反応を
容易に進行させるためにメチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトンのような水溶性に乏しくかつ立体障害の
小さいケトン類を使用することが一般的には有利であ
る。
【0020】本発明の反応性樹脂と、硬化剤として用い
るアミン化合物または硬化剤として用いるケチミン化合
物との配合割合は反応性樹脂中のシクロカーボネート基
1当量に対して該アミン化合物またはケチミン化合物の
1級アミノ基またはケチミン基が0.5〜5当量、好ま
しくは0.6〜3当量になるような割合で用いるのが好
ましい。0.5当量より少ない場合及び5当量より多い
場合には硬化が不十分となり、硬化物の性能が低下する
ので好ましくない。本発明の反応性樹脂を用いて水性硬
化性組成物を得る場合には前記硬化剤の他に必要に応じ
て、溶剤、顔料、充填剤、骨剤、顔料分散剤、潤滑剤、
増粘剤、消泡剤、可塑剤、増膜助剤、防腐剤、防黴剤、
pH調整剤、防錆剤等の塗料、接着剤業界において通常
用いられている添加剤等を配合することができる。
【0021】
【実施例】次に本発明を実施例に基づいてさらに詳細に
説明する。なお実施例中の「部」は重量部、「%」は重
量%を示す。 実施例1 (エポキシ樹脂へのシクロカーボネート基の導入)環流
冷却器、温度計、攪拌機、及び二酸化炭素導入管をとり
つけた4口フラスコにエポキシ当量475のビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製、
商品名エピコート1001)67部及びプロピレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート30部を仕込み、
100℃に昇温しエポキシ樹脂を完全に溶解した。これ
にトリフェニルホスフィン0.2部、ヨウ化カリウム
0.1部を加えた後、反応系に二酸化炭素を吹き込ん
だ。同温度で30時間反応を継続し、シクロカーボネー
ト基を有するポリフェノール型エポキシ樹脂を得た。
得られた樹脂の固形分は70.3%、エポキシ基のシク
ロカーボネート基への転化率は98.2%、シクロカー
ボネート基の当量は542g/mol(エポキシ基の転
化率よりの計算値)であった。また、1分子中のシクロ
カーボネート基の個数は2個となる。なお固形分は50
℃、0.1mHg下で3時間乾燥することにより得た。
またエポキシ基のシクロカーボネート基への転化率はエ
ポキシ当量を以下の手法(塩酸−ジオキサン法)で測定
することにより算出した。すなわち、過剰の0.2N塩
酸ジオキサン溶液を用いて、上記得られた樹脂のエポキ
シ基の開環反応を行った後、未反応の塩酸を0.1N
KOHエタノール溶液で逆敵定し、樹脂のエポキシ当量
を算出した。 (カルボキシル基の導入)次に環流冷却器、温度計、攪
拌機及び窒素導入管をとりつけた4口フラスコに上記の
シクロカーボネート基を導入した樹脂84.6部、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテルアセテート5部、
無水フタル酸10.4部を仕込み、110℃に昇温し、
同温度で6時間反応を行い、カルボキシル基の導入を行
った。得られた樹脂は固形分が69.8%、樹脂酸価が
45.6mgKOH/gであった。これを反応性樹脂A
とする。ここで樹脂酸価は、ピリジン/水(重量比)=
9/1混合液で約50重量倍に希釈し、90℃で30分
間加熱処理した溶液を水酸化カリウム標準溶液で滴定す
る方法で測定した。 (反応性樹脂Aの中和)次に上記反応性樹脂Aの43.
0部に、ジメチルエタノールアミン2.8部を加えよく
混合した。この混合液に脱イオン水54.2部を攪拌下
にゆっくりと加え、固形分30.2%の無色透明で粘調
な反応性樹脂Aの水分散体WAを得た。 (水分散体の貯蔵安定性試験)次いで水分散体WAを5
0℃の温度下で所定日数貯蔵し、シクロカーボネート基
の当量の変化を測定することで評価した。この場合のシ
クロカーボネート基の当量の測定は以下の方法で行っ
た。すなわち初期および所定日数経過後の水分散体WA
の赤外吸収スペクトルを測定し、2966cm-1付近の
脂肪族炭化水素由来のピークと、1800cm-1付近の
シクロカーボネート基のカルボニル炭素由来のピークの
強度比より、シクロカーボネート基の当量を算出した。
また水分散体WAの状態変化についても評価した。結果
を表1に示す。
【0022】比較例1 (エポキシ樹脂へのカルボキシル基の導入)環流冷却
器、温度計、攪拌機及び窒素導入管をとりつけた4口フ
ラスコにエポキシ当量475のビスフェノールA型エポ
キシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製、商品名エピコ
ート1001)60.6部、プロピレングリコールモノ
メチルエーテルアセテート30部及び無水フタル酸9.
4部を仕込み、110℃に昇温し同温度で2時間反応を
行った。得られた樹脂を反応性樹脂Bとする。Bの固形
分は70.2%、樹脂酸価が38.6mgKOH/gで
あった。 (反応性樹脂Bの中和)次に上記反応性樹脂Bの43.
0部にジメチルエタノールアミン1.9部を加えよく混
合した。この混合液に脱イオン水55.1部を攪拌下に
ゆっくりと加え、固形分30.2%の無色透明で粘調
な、反応性樹脂Bの水分散体WBを得た。 (水分散体の貯蔵安定性試験)実施例1と同様にして、
水分散体WBの50℃の貯蔵安定性試験を行った。評価
は初期および所定日数経過後のエポキシ当量を、前記の
塩酸−ジオキサン法により滴定して行った。また水分散
体WBの状態変化についても評価を行った。結果を表1
に示す。
【0023】
【表1】
【0024】表1から明らかなように、本発明の、ポリ
フェノール型エポキシ樹脂から得られた、少なくとも1
個のシクロカーボネート基とカルボキシル基を有する反
応性樹脂はきわめて安定な水分散体となることがあきら
かである。
【0025】
【発明の効果】本発明の反応性樹脂は、反応性の高いシ
クロカーボネート基を樹脂中に有する。またシクロカー
ボネート基の特性として1級アミノ基以外の官能基とは
常温においては反応しない。そのため水分散体とするた
めに必要な酸性の官能基を同一樹脂中に導入することが
でき、界面活性剤を用いることなしに、塩基性の化合物
で中和することにより、水媒体中での貯蔵安定性に優れ
た水分散体とすることが可能である。さらにはシクロカ
ーボネート基は1級アミノ基とは低温で反応してカーバ
メートを形成する。また本発明の反応性樹脂は塗料用、
接着剤用として優れた特性を有するポリフェノール型エ
ポキシ樹脂を基体としている。このため本発明の反応性
樹脂の中和物に、硬化剤として1級アミノ基含有ポリア
ミン化合物を配合することにより、きわめて優れた水性
塗料組成物、接着剤組成物とすることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリフェノール型エポキシ樹脂を基体と
    し、1分子中に平均して少なくとも1個のシクロカーボ
    ネート基とカルボキシル基を有する反応性樹脂。
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