JPH11138984A - 電気凝固印刷方法および被覆剤 - Google Patents
電気凝固印刷方法および被覆剤Info
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- JPH11138984A JPH11138984A JP24360798A JP24360798A JPH11138984A JP H11138984 A JPH11138984 A JP H11138984A JP 24360798 A JP24360798 A JP 24360798A JP 24360798 A JP24360798 A JP 24360798A JP H11138984 A JPH11138984 A JP H11138984A
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- B41C1/10—Forme preparation for lithographic printing; Master sheets for transferring a lithographic image to the forme
- B41C1/105—Forme preparation for lithographic printing; Master sheets for transferring a lithographic image to the forme by electrocoagulation, by electro-adhesion or by electro-releasing of material, e.g. a liquid from a gel
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 電気凝固印刷の際の陽極の摩滅と点蝕を防止
する方法およびそれに用いる被覆剤を提供すること。 【解決手段】 不動態表面を有し、所定経路に沿って実
質的に一定の速度で移動する陽極を準備する工程と、ケ
イ素酸化物および油性物質を含む被覆剤を塗布すること
により前記陽極の表面に前記被覆剤のミクロ液滴を形成
する工程と、電解的に凝固可能なポリマー、液状媒体、
可溶性電解質および着色剤を含む電気凝固印刷インキの
電気凝固により、前記ミクロ液滴が形成された陽極表面
に、所望の画像を表す複数の凝固インキのドットを形成
する工程と、前記陽極表面に被印刷体を接触させて前記
陽極表面から前記被印刷体に前記凝固インキのドットを
転写し、これにより前記被印刷体に前記画像を印刷する
工程と、を含む。
する方法およびそれに用いる被覆剤を提供すること。 【解決手段】 不動態表面を有し、所定経路に沿って実
質的に一定の速度で移動する陽極を準備する工程と、ケ
イ素酸化物および油性物質を含む被覆剤を塗布すること
により前記陽極の表面に前記被覆剤のミクロ液滴を形成
する工程と、電解的に凝固可能なポリマー、液状媒体、
可溶性電解質および着色剤を含む電気凝固印刷インキの
電気凝固により、前記ミクロ液滴が形成された陽極表面
に、所望の画像を表す複数の凝固インキのドットを形成
する工程と、前記陽極表面に被印刷体を接触させて前記
陽極表面から前記被印刷体に前記凝固インキのドットを
転写し、これにより前記被印刷体に前記画像を印刷する
工程と、を含む。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気凝固印刷分野
における改良に関し、さらに詳しくは、電気凝固印刷中
に生じる陽極の摩滅と点蝕を防止しうる電気凝固印刷方
法およびそれに用いられる被覆剤に関する。
における改良に関し、さらに詳しくは、電気凝固印刷中
に生じる陽極の摩滅と点蝕を防止しうる電気凝固印刷方
法およびそれに用いられる被覆剤に関する。
【0002】
【従来の技術】1990年1月23日の米国特許第4,
895,629号明細書中で、本発明者は、画像を表す
着色凝固インキ(以下、単に「凝固インキ」という)の
ドットが形成される不動態表面を有し回転するシリンダ
状の陽極を使用した、高速電気凝固印刷方法およびその
装置を記載した。凝固インキのこれらのドットは、その
後、紙等の被印刷体と接触させることにより被印刷体に
転写させられ、それにより被印刷体に画像が印刷され
る。この特許中で説明されているように、凝固インキの
ドットの陽極への付着性を弱めるために、陰極に電圧を
印加する前に、陽極の表面を油性物質で被覆する。さら
に、油性物質としてオレフィン性化合物(オレフィン物
質)を用いると、電圧を印加した結果として陰極に生じ
るガスがオレフィン性化合物との反応によって消費され
るので、陰極と陽極との間にガスの蓄積は起こらない。
895,629号明細書中で、本発明者は、画像を表す
着色凝固インキ(以下、単に「凝固インキ」という)の
ドットが形成される不動態表面を有し回転するシリンダ
状の陽極を使用した、高速電気凝固印刷方法およびその
装置を記載した。凝固インキのこれらのドットは、その
後、紙等の被印刷体と接触させることにより被印刷体に
転写させられ、それにより被印刷体に画像が印刷され
る。この特許中で説明されているように、凝固インキの
ドットの陽極への付着性を弱めるために、陰極に電圧を
印加する前に、陽極の表面を油性物質で被覆する。さら
に、油性物質としてオレフィン性化合物(オレフィン物
質)を用いると、電圧を印加した結果として陰極に生じ
るガスがオレフィン性化合物との反応によって消費され
るので、陰極と陽極との間にガスの蓄積は起こらない。
【0003】陽極と陰極との間で画定されるギャップ中
に供給される電気凝固印刷インキは、本質的に、電解的
に凝固可能なポリマー、液状媒体、可溶性電解質および
着色剤を含む溶液または分散液からなる。使用される着
色剤が顔料である場合、顔料をインキ中に均一に分散さ
せるために分散剤を用いることができる。インキの電気
凝固後に、陽極表面に残留する凝固していない全てのイ
ンキ、すなわち非凝固インキを、たとえば、軟質ゴム製
スキージを用いて陽極表面を擦ることによって除去し
て、凝固インキのドットが完全に露出されるようにした
後、この凝固インキのドットを被印刷体に転写する。そ
の後、複数の回転ブラシと洗浄液とを用いて陽極表面を
洗浄し、陽極表面に付着している残留する全ての凝固イ
ンキと油性物質を除去する。
に供給される電気凝固印刷インキは、本質的に、電解的
に凝固可能なポリマー、液状媒体、可溶性電解質および
着色剤を含む溶液または分散液からなる。使用される着
色剤が顔料である場合、顔料をインキ中に均一に分散さ
せるために分散剤を用いることができる。インキの電気
凝固後に、陽極表面に残留する凝固していない全てのイ
ンキ、すなわち非凝固インキを、たとえば、軟質ゴム製
スキージを用いて陽極表面を擦ることによって除去し
て、凝固インキのドットが完全に露出されるようにした
後、この凝固インキのドットを被印刷体に転写する。そ
の後、複数の回転ブラシと洗浄液とを用いて陽極表面を
洗浄し、陽極表面に付着している残留する全ての凝固イ
ンキと油性物質を除去する。
【0004】陰極と陽極、油性物質塗布手段、インキ供
給手段、非凝固インキ除去手段および陽極洗浄手段を配
置することにより、一つの印刷ユニットが定められる。
多色画像を印刷する場合は、上記の印刷ユニットを複数
用意してそれらを前後に配置し、各々に所望の色の電気
凝固印刷インキを用いて、陽極表面上に、画像を表す凝
固インキのドットを形成する。こうして各印刷ユニット
毎に得られた各色の各画像を、それぞれの転写位置で被
印刷体に重ね合わせて転写するようにすると、所望の多
色画像が得られるのである。
給手段、非凝固インキ除去手段および陽極洗浄手段を配
置することにより、一つの印刷ユニットが定められる。
多色画像を印刷する場合は、上記の印刷ユニットを複数
用意してそれらを前後に配置し、各々に所望の色の電気
凝固印刷インキを用いて、陽極表面上に、画像を表す凝
固インキのドットを形成する。こうして各印刷ユニット
毎に得られた各色の各画像を、それぞれの転写位置で被
印刷体に重ね合わせて転写するようにすると、所望の多
色画像が得られるのである。
【0005】複数の陽極が各印刷ユニット毎に配置され
ている場合、それぞれの印刷ユニットによって各陽極表
面上に形成された凝固インキのドットと被印刷体とを接
触させるように配された単一の圧胴のまわりに、各印刷
ユニットを配置することもでき、連続ウエブの形態をと
る被印刷体は、この圧胴のまわりに部分的に巻き付けら
れながら個々の転写位置を通過して、そこに所望の色に
着色された画像が重ね合わせて印刷される。
ている場合、それぞれの印刷ユニットによって各陽極表
面上に形成された凝固インキのドットと被印刷体とを接
触させるように配された単一の圧胴のまわりに、各印刷
ユニットを配置することもでき、連続ウエブの形態をと
る被印刷体は、この圧胴のまわりに部分的に巻き付けら
れながら個々の転写位置を通過して、そこに所望の色に
着色された画像が重ね合わせて印刷される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、陽極の
被覆に用いる油性物質と組み合わせて用いられる酸化ク
ロムなどの金属酸化物は、陽極の不動態表面層に摩滅お
よび点蝕をもたらすことが認められ、そのために、約4
0時間の印刷を行うたびに陽極を再研磨する必要性が生
じ、それに伴う印刷装置の休止や陽極の脱着作業が求め
られていた。
被覆に用いる油性物質と組み合わせて用いられる酸化ク
ロムなどの金属酸化物は、陽極の不動態表面層に摩滅お
よび点蝕をもたらすことが認められ、そのために、約4
0時間の印刷を行うたびに陽極を再研磨する必要性が生
じ、それに伴う印刷装置の休止や陽極の脱着作業が求め
られていた。
【0007】また、ステンレス鋼またはアルミニウムか
らなる陽極を用いた場合、陽極の摩滅および点蝕の結果
として、Fe3+やAl3+イオンがインキ中へ遊離され
る。すると、本発明者の米国特許第08/376,24
5号に説明されているように、これらのイオンはインキ
中に含まれている電解的に凝固可能なポリマーを架橋し
てインキの粘度を上昇させ、最終的にはインキをゲル化
させてしまう。これを回避するために、上記の米国特許
には、始動用インキと、これとは異なる濃度の金属イオ
ン封鎖剤を有する補充用インキとからなる二種類の電気
凝固印刷インキの利用が開示されているが、一方で操作
工程や装置の複雑化も生じている。
らなる陽極を用いた場合、陽極の摩滅および点蝕の結果
として、Fe3+やAl3+イオンがインキ中へ遊離され
る。すると、本発明者の米国特許第08/376,24
5号に説明されているように、これらのイオンはインキ
中に含まれている電解的に凝固可能なポリマーを架橋し
てインキの粘度を上昇させ、最終的にはインキをゲル化
させてしまう。これを回避するために、上記の米国特許
には、始動用インキと、これとは異なる濃度の金属イオ
ン封鎖剤を有する補充用インキとからなる二種類の電気
凝固印刷インキの利用が開示されているが、一方で操作
工程や装置の複雑化も生じている。
【0008】本発明は、上記に鑑みてなされたものであ
って、電気凝固印刷の際の陽極の摩滅と点蝕を防止しう
る電気凝固印刷方法およびそれに用いられる被覆剤を提
供することを目的とする。
って、電気凝固印刷の際の陽極の摩滅と点蝕を防止しう
る電気凝固印刷方法およびそれに用いられる被覆剤を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に係る電気凝固印刷方法は、(a)不動
態表面を有し、所定経路に沿って実質的に一定の速度で
移動する陽極を準備する工程と、(b)ケイ素酸化物お
よび油性物質を含む被覆剤を塗布することにより前記陽
極の表面に前記被覆剤のミクロ液滴を形成する工程と、
(c)電解的に凝固可能なポリマー、液状媒体、可溶性
電解質および着色剤を含む電気凝固印刷インキの電気凝
固により、前記ミクロ液滴が形成された陽極表面に、所
望の画像を表す複数の凝固インキのドットを形成する工
程と、(d−1)前記陽極表面に被印刷体を接触させて
前記陽極表面から前記被印刷体に前記凝固インキのドッ
トを転写し、これにより前記被印刷体に前記画像を印刷
する工程と、を含むことを特徴とするものである。
めに、請求項1に係る電気凝固印刷方法は、(a)不動
態表面を有し、所定経路に沿って実質的に一定の速度で
移動する陽極を準備する工程と、(b)ケイ素酸化物お
よび油性物質を含む被覆剤を塗布することにより前記陽
極の表面に前記被覆剤のミクロ液滴を形成する工程と、
(c)電解的に凝固可能なポリマー、液状媒体、可溶性
電解質および着色剤を含む電気凝固印刷インキの電気凝
固により、前記ミクロ液滴が形成された陽極表面に、所
望の画像を表す複数の凝固インキのドットを形成する工
程と、(d−1)前記陽極表面に被印刷体を接触させて
前記陽極表面から前記被印刷体に前記凝固インキのドッ
トを転写し、これにより前記被印刷体に前記画像を印刷
する工程と、を含むことを特徴とするものである。
【0010】本発明によれば、ケイ素酸化物および油性
物質を含む被覆剤を陽極表面に用いることにより、実質
的に不動態表面に影響を及ぼすことなく陽極の摩滅およ
び点蝕を防ぐことができるようになる。これは、従来用
いられていた金属酸化物、特に酸化クロム等に比べて、
ケイ素酸化物粒子の硬度が低く、また、粒度が小さいた
めと考えられる。さらに、陽極の摩滅および点蝕による
汚染イオン物質の遊離はもはや存在しなくなるために、
電気凝固印刷インキは架橋によりゲル化することなく安
定し、電気凝固印刷における望ましくない電気凝固印刷
インキの粘度上昇は生じなくなる。その結果、前述の二
種類の印刷インキを用いる必要もなくなり、他の汚染イ
オン物質を錯体化するための金属イオン封鎖剤を含む始
動用インキのみを用いて印刷を行うことができる。
物質を含む被覆剤を陽極表面に用いることにより、実質
的に不動態表面に影響を及ぼすことなく陽極の摩滅およ
び点蝕を防ぐことができるようになる。これは、従来用
いられていた金属酸化物、特に酸化クロム等に比べて、
ケイ素酸化物粒子の硬度が低く、また、粒度が小さいた
めと考えられる。さらに、陽極の摩滅および点蝕による
汚染イオン物質の遊離はもはや存在しなくなるために、
電気凝固印刷インキは架橋によりゲル化することなく安
定し、電気凝固印刷における望ましくない電気凝固印刷
インキの粘度上昇は生じなくなる。その結果、前述の二
種類の印刷インキを用いる必要もなくなり、他の汚染イ
オン物質を錯体化するための金属イオン封鎖剤を含む始
動用インキのみを用いて印刷を行うことができる。
【0011】また、多色画像を印刷したい場合には、前
記所定経路に沿った所定の位置に配置されると共に、所
望の色の前記電気凝固印刷インキをそれぞれ使用して前
記工程(b)、(c)および(d−1)を行う複数の第
1印刷ステージを画定し、前記各第1印刷ステージにお
いて前記所望の色の所望の画像を表す複数の凝固インキ
のドットをそれぞれ形成し、前記凝固インキのドットを
それぞれの転写位置で重ね合わせて転写することによ
り、これを行いうる。
記所定経路に沿った所定の位置に配置されると共に、所
望の色の前記電気凝固印刷インキをそれぞれ使用して前
記工程(b)、(c)および(d−1)を行う複数の第
1印刷ステージを画定し、前記各第1印刷ステージにお
いて前記所望の色の所望の画像を表す複数の凝固インキ
のドットをそれぞれ形成し、前記凝固インキのドットを
それぞれの転写位置で重ね合わせて転写することによ
り、これを行いうる。
【0012】さらに、各印刷ステージに対応する複数の
陽極を準備して、所望の色の前記電気凝固印刷インキを
それぞれ使用して前記工程(a)、(b)、(c)およ
び(d−1)を行う複数の第2印刷ステージを画定し、
前記各第2印刷ステージにおいて前記所望の色の所望の
画像を表す複数の凝固インキのドットをそれぞれ形成
し、前記凝固インキのドットをそれぞれの転写位置で重
ね合わせて転写することにより、前記被印刷体に多色画
像を印刷することもできる。
陽極を準備して、所望の色の前記電気凝固印刷インキを
それぞれ使用して前記工程(a)、(b)、(c)およ
び(d−1)を行う複数の第2印刷ステージを画定し、
前記各第2印刷ステージにおいて前記所望の色の所望の
画像を表す複数の凝固インキのドットをそれぞれ形成
し、前記凝固インキのドットをそれぞれの転写位置で重
ね合わせて転写することにより、前記被印刷体に多色画
像を印刷することもできる。
【0013】一方、請求項4に記載の電気凝固印刷方法
は、(a)不動態表面を有し、所定経路に沿って実質的
に一定の速度で移動する陽極を準備する工程と、(b)
ケイ素酸化物および油性物質を含む被覆剤を塗布するこ
とにより前記陽極の表面に前記被覆剤のミクロ液滴を形
成する工程と、(c)電解的に凝固可能なポリマー、液
状媒体、可溶性電解質および着色剤を含む電気凝固印刷
インキの電気凝固により、前記ミクロ液滴が形成された
陽極表面に、所望の画像を表す複数の凝固インキのドッ
トを形成する工程と、(d−2)前記凝固インキのドッ
トをリリース可能に保持するために設けられた凝固ドッ
ト保持面を一方の面に備えると共に実質的に前記陽極と
同じ速度で移動する非伸張性のエンドレスベルトを、前
記陽極表面と接触させて前記陽極表面から前記凝固ドッ
ト保持面に前記凝固インキのドットを転写し、これによ
り前記凝固ドット保持面に画像を形成する工程と、
(e)前記所定経路に沿った所定の位置に配置されると
共に、所望の色の前記電気凝固印刷インキをそれぞれ使
用して前記工程(b)、(c)および(d−2)を行う
複数の第3印刷ステージを画定し、前記各第3印刷ステ
ージにおいて前記所望の色の所望の画像を表す複数の凝
固インキのドットをそれぞれ形成し、前記凝固インキの
ドットをそれぞれの転写位置で重ね合わせて転写するこ
とにより前記凝固ドット保持面に多色画像を形成する工
程と、(f)前記凝固ドット保持面に被印刷体を接触さ
せて前記凝固ドット保持面から前記被印刷体に前記多色
画像を転写し、これにより前記被印刷体に前記多色画像
を印刷する工程と、を含むものである。
は、(a)不動態表面を有し、所定経路に沿って実質的
に一定の速度で移動する陽極を準備する工程と、(b)
ケイ素酸化物および油性物質を含む被覆剤を塗布するこ
とにより前記陽極の表面に前記被覆剤のミクロ液滴を形
成する工程と、(c)電解的に凝固可能なポリマー、液
状媒体、可溶性電解質および着色剤を含む電気凝固印刷
インキの電気凝固により、前記ミクロ液滴が形成された
陽極表面に、所望の画像を表す複数の凝固インキのドッ
トを形成する工程と、(d−2)前記凝固インキのドッ
トをリリース可能に保持するために設けられた凝固ドッ
ト保持面を一方の面に備えると共に実質的に前記陽極と
同じ速度で移動する非伸張性のエンドレスベルトを、前
記陽極表面と接触させて前記陽極表面から前記凝固ドッ
ト保持面に前記凝固インキのドットを転写し、これによ
り前記凝固ドット保持面に画像を形成する工程と、
(e)前記所定経路に沿った所定の位置に配置されると
共に、所望の色の前記電気凝固印刷インキをそれぞれ使
用して前記工程(b)、(c)および(d−2)を行う
複数の第3印刷ステージを画定し、前記各第3印刷ステ
ージにおいて前記所望の色の所望の画像を表す複数の凝
固インキのドットをそれぞれ形成し、前記凝固インキの
ドットをそれぞれの転写位置で重ね合わせて転写するこ
とにより前記凝固ドット保持面に多色画像を形成する工
程と、(f)前記凝固ドット保持面に被印刷体を接触さ
せて前記凝固ドット保持面から前記被印刷体に前記多色
画像を転写し、これにより前記被印刷体に前記多色画像
を印刷する工程と、を含むものである。
【0014】紙等の被印刷体は、通常、それ自身伸縮性
を有するため、陽極から被印刷体へ直接多色画像を転写
する場合に、陽極と圧胴との間で被印刷体が伸びて転写
位置にずれを生じる場合があるが、上記発明によれば、
凝固インキのドットが転写可能な、たとえば多孔質面の
ような凝固ドット保持面を有する非伸張性のエンドレス
ベルトを用い、かつ、この保持面が連続的に凝固インキ
に接触するように、一つの印刷ユニットから他のユニッ
トへ、実質的に陽極と同じ速度でベルトを動かすように
しているので、ずれが生じることなく画像の重ね合わせ
が正確に行われ、ベルトの凝固ドット保持面への着色画
像の転写において見当精度が大幅に改善される。
を有するため、陽極から被印刷体へ直接多色画像を転写
する場合に、陽極と圧胴との間で被印刷体が伸びて転写
位置にずれを生じる場合があるが、上記発明によれば、
凝固インキのドットが転写可能な、たとえば多孔質面の
ような凝固ドット保持面を有する非伸張性のエンドレス
ベルトを用い、かつ、この保持面が連続的に凝固インキ
に接触するように、一つの印刷ユニットから他のユニッ
トへ、実質的に陽極と同じ速度でベルトを動かすように
しているので、ずれが生じることなく画像の重ね合わせ
が正確に行われ、ベルトの凝固ドット保持面への着色画
像の転写において見当精度が大幅に改善される。
【0015】上述の発明において、被覆剤のミクロ液滴
を形成する前記工程(b)は、酸化物セラミックス材料
からなるコーティングを周囲に有し前記陽極に対して平
行に延びた分配ローラを用い、その前記コーティング表
面に前記被覆剤を塗布して前記コーティング表面を均一
に覆う被覆剤皮膜を形成すると共に前記被覆剤皮膜の分
離により生じた実質的に均一な大きさおよび分布を有す
るミクロ液滴を形成し、前記ミクロ液滴を前記コーティ
ング表面から前記陽極表面に移行させることにより行う
ことができる。塗布された被覆剤は、分配ローラのコー
ティング表面に広がるとほぼ同時に、均一なミクロ液滴
に分離する。
を形成する前記工程(b)は、酸化物セラミックス材料
からなるコーティングを周囲に有し前記陽極に対して平
行に延びた分配ローラを用い、その前記コーティング表
面に前記被覆剤を塗布して前記コーティング表面を均一
に覆う被覆剤皮膜を形成すると共に前記被覆剤皮膜の分
離により生じた実質的に均一な大きさおよび分布を有す
るミクロ液滴を形成し、前記ミクロ液滴を前記コーティ
ング表面から前記陽極表面に移行させることにより行う
ことができる。塗布された被覆剤は、分配ローラのコー
ティング表面に広がるとほぼ同時に、均一なミクロ液滴
に分離する。
【0016】さらに、上述の発明において、陽極表面を
被覆する前記被覆剤は、ケイ素酸化物として、前記被覆
剤の総重量に対して2〜40重量%の二酸化ケイ素を含
むことができる。
被覆する前記被覆剤は、ケイ素酸化物として、前記被覆
剤の総重量に対して2〜40重量%の二酸化ケイ素を含
むことができる。
【0017】請求項7に係る被覆剤は、電気凝固印刷イ
ンキの電気凝固により生じた凝固インキのドットを陽極
表面に形成する前にあらかじめ前記陽極表面を被覆する
ために用いられる被覆剤であって、ケイ素酸化物および
油性物質を含むことを特徴とするものである。
ンキの電気凝固により生じた凝固インキのドットを陽極
表面に形成する前にあらかじめ前記陽極表面を被覆する
ために用いられる被覆剤であって、ケイ素酸化物および
油性物質を含むことを特徴とするものである。
【0018】このケイ素酸化物としては、二酸化ケイ素
を、被覆剤の総重量に対して2〜40重量%の含有量で
用いることができ、さらには、100〜600m2/g
のBET比表面積を有する二酸化ケイ素を利用すること
ができる。
を、被覆剤の総重量に対して2〜40重量%の含有量で
用いることができ、さらには、100〜600m2/g
のBET比表面積を有する二酸化ケイ素を利用すること
ができる。
【0019】また、油性物質としては、オレフィン性化
合物であって、アラキドン酸、リノール酸、リノレン
酸、オレイン酸およびパルミトレイン酸から成る群より
選ばれる不飽和脂肪酸を用いることができる。
合物であって、アラキドン酸、リノール酸、リノレン
酸、オレイン酸およびパルミトレイン酸から成る群より
選ばれる不飽和脂肪酸を用いることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、この発明について詳細に説
明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定さ
れるものではない。
明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定さ
れるものではない。
【0021】はじめにまず、本発明にかかる被覆剤、な
らびに、本発明において用いられる電気凝固印刷インキ
について説明する。
らびに、本発明において用いられる電気凝固印刷インキ
について説明する。
【0022】上記工程(b)で陽極表面を被覆するため
に用いられる本発明の被覆剤は、ケイ素酸化物および油
性物質を含む。
に用いられる本発明の被覆剤は、ケイ素酸化物および油
性物質を含む。
【0023】ケイ素酸化物としては、二酸化ケイ素(シ
リカ)を用いることができる。二酸化ケイ素は、親水性
のものが好ましい。さらに、この二酸化ケイ素は、油性
物質への分散性等の観点から、BET比表面積が約10
0〜約600m2/gのものが好ましい。具体的には、
たとえば、BET比表面積が約450m2/gの、商品
名FK500LSでデグサ(Degussa)社から販
売されている二酸化ケイ素を好適に使用できる。
リカ)を用いることができる。二酸化ケイ素は、親水性
のものが好ましい。さらに、この二酸化ケイ素は、油性
物質への分散性等の観点から、BET比表面積が約10
0〜約600m2/gのものが好ましい。具体的には、
たとえば、BET比表面積が約450m2/gの、商品
名FK500LSでデグサ(Degussa)社から販
売されている二酸化ケイ素を好適に使用できる。
【0024】被覆剤中の二酸化ケイ素の量は、被覆剤の
総重量に対して約2〜約40重量%であることが好まし
く、特に好ましくは約5〜約30重量%である。二酸化
ケイ素の含有量が約40重量%を超えると被覆剤の粘度
が高くなりすぎて塊状を呈し、陽極表面への塗布に支障
を生じるおそれがあり、一方、約2重量%を下回ると二
酸化ケイ素の機能が十分に発揮されず、ドット転写後の
陽極表面の洗浄が円滑に行われなくなるおそれがある。
総重量に対して約2〜約40重量%であることが好まし
く、特に好ましくは約5〜約30重量%である。二酸化
ケイ素の含有量が約40重量%を超えると被覆剤の粘度
が高くなりすぎて塊状を呈し、陽極表面への塗布に支障
を生じるおそれがあり、一方、約2重量%を下回ると二
酸化ケイ素の機能が十分に発揮されず、ドット転写後の
陽極表面の洗浄が円滑に行われなくなるおそれがある。
【0025】油性物質としては、脂肪酸、高級アルコー
ル、脂肪酸とアルコール類とのエステル化合物などを用
いることができる。油性物質は、揮発性を有しない化合
物であることが好ましい。揮発性を有する油性物質を含
む被覆剤では、印刷時間が長くなるにつれてこの油性物
質を含む被覆剤の組成が変化する傾向があるからであ
る。油性物質は単独で、あるいは、二種類以上を混合し
て用いることができる。
ル、脂肪酸とアルコール類とのエステル化合物などを用
いることができる。油性物質は、揮発性を有しない化合
物であることが好ましい。揮発性を有する油性物質を含
む被覆剤では、印刷時間が長くなるにつれてこの油性物
質を含む被覆剤の組成が変化する傾向があるからであ
る。油性物質は単独で、あるいは、二種類以上を混合し
て用いることができる。
【0026】上記脂肪酸の例としては、アラキドン酸、
リノール酸、リノレン酸、オレイン酸、パルミトレイン
酸およびミリストオレイック酸などの不飽和脂肪酸や、
カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、
イソステアリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸などの
飽和脂肪酸が挙げられる。
リノール酸、リノレン酸、オレイン酸、パルミトレイン
酸およびミリストオレイック酸などの不飽和脂肪酸や、
カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、
イソステアリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸などの
飽和脂肪酸が挙げられる。
【0027】上記高級アルコールの例としては、オクチ
ルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコー
ル、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、イソ
ステアリルアルコール、2−ヘキサデシルアルコール、
2−オクチルドデシルアルコール等が挙げられる。
ルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコー
ル、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、イソ
ステアリルアルコール、2−ヘキサデシルアルコール、
2−オクチルドデシルアルコール等が挙げられる。
【0028】上記脂肪酸とアルコール類とのエステル化
合物としては、不飽和または飽和脂肪酸のモノエステ
ル、ジエステル、トリエステルなどを挙げることができ
る。
合物としては、不飽和または飽和脂肪酸のモノエステ
ル、ジエステル、トリエステルなどを挙げることができ
る。
【0029】モノエステルとしては、オレイン酸メチ
ル、オレイン酸エチル、オレイン酸プロピル、オレイン
酸ブチル、オレイン酸イソブチル、オレイン酸オクチ
ル、オレイン酸イソオクチル、オレイン酸ラウリル、オ
レイン酸オレイル、オレイン酸2−エチルヘキシル、リ
ノール酸メチル、リノレイン酸メチル、リシノール酸メ
チル等の不飽和脂肪酸のモノエステルや、カプリル酸メ
チル、カプロン酸メチル、エナント酸メチル、ペラルゴ
ン酸メチル、カプリン酸メチル、ウンデカン酸メチル、
ラウリン酸メチル、トリデカン酸メチル、ミリスリン酸
メチル、ペンタデカン酸メチル、2−エチルヘキサン酸
セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オク
チルドデシル、ステアリン酸2−エチルヘキシル、イソ
ノナン酸イソノニル等の飽和脂肪酸のモノエステル等が
例示できる。さらに、製造コストの低減を目的として、
天然油脂由来のモノエステルも使用できる。具体的に
は、パーム核油メチルエステル、ヤシ油メチルエステ
ル、パーム油メチルエステル、牛脂脂肪酸メチルエステ
ル、ナタネ油メチルエステル、ナタネ油ブチルエステル
などがある。
ル、オレイン酸エチル、オレイン酸プロピル、オレイン
酸ブチル、オレイン酸イソブチル、オレイン酸オクチ
ル、オレイン酸イソオクチル、オレイン酸ラウリル、オ
レイン酸オレイル、オレイン酸2−エチルヘキシル、リ
ノール酸メチル、リノレイン酸メチル、リシノール酸メ
チル等の不飽和脂肪酸のモノエステルや、カプリル酸メ
チル、カプロン酸メチル、エナント酸メチル、ペラルゴ
ン酸メチル、カプリン酸メチル、ウンデカン酸メチル、
ラウリン酸メチル、トリデカン酸メチル、ミリスリン酸
メチル、ペンタデカン酸メチル、2−エチルヘキサン酸
セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オク
チルドデシル、ステアリン酸2−エチルヘキシル、イソ
ノナン酸イソノニル等の飽和脂肪酸のモノエステル等が
例示できる。さらに、製造コストの低減を目的として、
天然油脂由来のモノエステルも使用できる。具体的に
は、パーム核油メチルエステル、ヤシ油メチルエステ
ル、パーム油メチルエステル、牛脂脂肪酸メチルエステ
ル、ナタネ油メチルエステル、ナタネ油ブチルエステル
などがある。
【0030】ジエステルの例としては、ジブトキシエチ
ルセバケート、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール等
が挙げられる。
ルセバケート、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール等
が挙げられる。
【0031】トリエステルとしては、コーン油、亜麻仁
油、オリーブ油、ピーナッツ油、大豆油、ヒマワリ油、
サフラワー油、パーム油、パーム核油、ヤシ油およびヒ
マシ油等の不飽和植物油のトリエステルや、オレイン
酸、リノール酸、リノレン酸等の不飽和脂肪酸のトリグ
リセリド、セリドカプリル酸、カプリン酸、ミリスチン
酸等の飽和脂肪酸のトリグリセリドが例示できる。
油、オリーブ油、ピーナッツ油、大豆油、ヒマワリ油、
サフラワー油、パーム油、パーム核油、ヤシ油およびヒ
マシ油等の不飽和植物油のトリエステルや、オレイン
酸、リノール酸、リノレン酸等の不飽和脂肪酸のトリグ
リセリド、セリドカプリル酸、カプリン酸、ミリスチン
酸等の飽和脂肪酸のトリグリセリドが例示できる。
【0032】これらの油性物質のうち、分子内に1以上
の炭素−炭素二重結合を有するオレフィン性化合物を用
いることが好ましい。陰極に電圧を印加した際に電解の
結果として生じるガスがオレフィン性化合物との反応に
よって消費されるので、陰極と陽極との間にガスが蓄積
することはなく、したがって蓄積したガスによる画像部
の欠損が生じるおそれもないからである。具体的には、
アラキドン酸、リノール酸、リノレン酸、オレイン酸お
よびパルミトレイン酸から成る群より選ばれる不飽和脂
肪酸が、特に好ましく用いられる。
の炭素−炭素二重結合を有するオレフィン性化合物を用
いることが好ましい。陰極に電圧を印加した際に電解の
結果として生じるガスがオレフィン性化合物との反応に
よって消費されるので、陰極と陽極との間にガスが蓄積
することはなく、したがって蓄積したガスによる画像部
の欠損が生じるおそれもないからである。具体的には、
アラキドン酸、リノール酸、リノレン酸、オレイン酸お
よびパルミトレイン酸から成る群より選ばれる不飽和脂
肪酸が、特に好ましく用いられる。
【0033】上記ケイ素酸化物と油性物質とを含む被覆
剤として、好ましくは、ケイ素酸化物として二酸化ケイ
素、油性物質として不飽和脂肪酸を用いたものが用いら
れる。両者は、たとえば、二酸化ケイ素を約5〜約10
重量%、不飽和脂肪酸を約90〜約95重量%の割合で
用いることができ、より好ましくは、約7.5重量%の
二酸化ケイ素と約92.5重量%の不飽和脂肪酸との混
合物が用いられる。
剤として、好ましくは、ケイ素酸化物として二酸化ケイ
素、油性物質として不飽和脂肪酸を用いたものが用いら
れる。両者は、たとえば、二酸化ケイ素を約5〜約10
重量%、不飽和脂肪酸を約90〜約95重量%の割合で
用いることができ、より好ましくは、約7.5重量%の
二酸化ケイ素と約92.5重量%の不飽和脂肪酸との混
合物が用いられる。
【0034】また、本発明の被覆剤は、凝固インキのド
ットの陽極への付着をさらに弱めるために、凝固インキ
のドットを軟化させる効果のあるポリエチレンオキシド
鎖(−CH2CH2O−)を有するノニオン性界面活性剤
を含むことができる。この界面活性剤の種類と量は、凝
固インキのドットが適度な硬度を有するように設定され
るのが好ましい。具体的には、配合量は、被覆剤の総重
量に基づいて約5〜約50重量%であることが好まし
く、さらに好ましくは、約10〜約40重量%である。
上記界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンラウ
リルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、
ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオ
キシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチ
レンソルビタンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレ
ンテトラオレイン酸ソルビット、ポリオキシエチレンポ
リジメチルシロキサン等が挙げられる。
ットの陽極への付着をさらに弱めるために、凝固インキ
のドットを軟化させる効果のあるポリエチレンオキシド
鎖(−CH2CH2O−)を有するノニオン性界面活性剤
を含むことができる。この界面活性剤の種類と量は、凝
固インキのドットが適度な硬度を有するように設定され
るのが好ましい。具体的には、配合量は、被覆剤の総重
量に基づいて約5〜約50重量%であることが好まし
く、さらに好ましくは、約10〜約40重量%である。
上記界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンラウ
リルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、
ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオ
キシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチ
レンソルビタンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレ
ンテトラオレイン酸ソルビット、ポリオキシエチレンポ
リジメチルシロキサン等が挙げられる。
【0035】さらに、本発明の被覆剤には、被覆剤の粘
度を調整し、また、被覆剤に適度の潤滑性(すべり性)
を与えるために、カルナバワックスなどの不飽和植物ワ
ックスを添加することもできる。被覆剤の潤滑性が良好
であれば、非凝固インキの除去に用いられるスキージ
(後述)の劣化が低減される。
度を調整し、また、被覆剤に適度の潤滑性(すべり性)
を与えるために、カルナバワックスなどの不飽和植物ワ
ックスを添加することもできる。被覆剤の潤滑性が良好
であれば、非凝固インキの除去に用いられるスキージ
(後述)の劣化が低減される。
【0036】本発明の被覆剤は、混合機などを用いて単
に攪拌混合することにより製造することもできるし、ま
た、ケイ素酸化物を一層微粒化するために、分散機を用
いて製造することもできる。分散機は、一般に使用され
ているもの、たとえば、ローラーミル、ボールミル、ペ
ブルミル、アトライター、サンドミルなどを用いること
ができる。こうした分散機を用いた分散条件、たとえ
ば、分散機の粉砕メディアのサイズ、粉砕メディアの充
填率、分散処理時間、吐出速度などを適宜調整すること
により、所望の粒度分布を有する二酸化ケイ素を含む被
覆剤を得ることができる。
に攪拌混合することにより製造することもできるし、ま
た、ケイ素酸化物を一層微粒化するために、分散機を用
いて製造することもできる。分散機は、一般に使用され
ているもの、たとえば、ローラーミル、ボールミル、ペ
ブルミル、アトライター、サンドミルなどを用いること
ができる。こうした分散機を用いた分散条件、たとえ
ば、分散機の粉砕メディアのサイズ、粉砕メディアの充
填率、分散処理時間、吐出速度などを適宜調整すること
により、所望の粒度分布を有する二酸化ケイ素を含む被
覆剤を得ることができる。
【0037】本発明の被覆剤中に粗大粒子などが予期せ
ずに混入した場合は、電解凝固可能なポリマーを含む印
刷インキの電気凝固を妨げ画像品質を低下させるおそれ
があるため、粗大粒子などを濾過などにより取り除くこ
とが好ましい。濾過装置は、重力式、減圧式、加圧式濾
過器や遠心分離を用いたもの等、従来公知のいずれの装
置を用いてもよい。
ずに混入した場合は、電解凝固可能なポリマーを含む印
刷インキの電気凝固を妨げ画像品質を低下させるおそれ
があるため、粗大粒子などを濾過などにより取り除くこ
とが好ましい。濾過装置は、重力式、減圧式、加圧式濾
過器や遠心分離を用いたもの等、従来公知のいずれの装
置を用いてもよい。
【0038】上記の方法で製造された本発明の被覆剤
は、好適には液状で陽極表面に適用される。被覆剤が液
体以外の形態であると、陽極表面を覆うことが困難とな
る傾向があるからであり、たとえば、本発明の被覆剤が
固体の場合には、被覆剤塗布手段や陽極表面を加熱する
などの手段が必要となる。具体的には、被覆剤は、通常
の操作温度下、たとえば約20〜約60℃で液体であれ
ばよい。
は、好適には液状で陽極表面に適用される。被覆剤が液
体以外の形態であると、陽極表面を覆うことが困難とな
る傾向があるからであり、たとえば、本発明の被覆剤が
固体の場合には、被覆剤塗布手段や陽極表面を加熱する
などの手段が必要となる。具体的には、被覆剤は、通常
の操作温度下、たとえば約20〜約60℃で液体であれ
ばよい。
【0039】被覆剤の粘度は、30℃で約100〜約1
00,000cpsの範囲であることが好ましく、特に
約1,000〜約30,000cpsであることが好ま
しい。被覆剤の粘度は、前記ケイ素酸化物および油性物
質の種類や量を変更することにより適宜調整することが
できる。また、デキストリンを変性させて油溶性にした
増粘剤や、エチルセルロース等の油溶性を持つ樹脂など
を用いて、高粘度の被覆剤とすることもできる。
00,000cpsの範囲であることが好ましく、特に
約1,000〜約30,000cpsであることが好ま
しい。被覆剤の粘度は、前記ケイ素酸化物および油性物
質の種類や量を変更することにより適宜調整することが
できる。また、デキストリンを変性させて油溶性にした
増粘剤や、エチルセルロース等の油溶性を持つ樹脂など
を用いて、高粘度の被覆剤とすることもできる。
【0040】次に、上記工程(c)において本発明で用
いられる電気凝固印刷インキは、少なくとも、電解的に
凝固可能なポリマー、液状媒体、可溶性電解質および着
色剤を含んでいる。
いられる電気凝固印刷インキは、少なくとも、電解的に
凝固可能なポリマー、液状媒体、可溶性電解質および着
色剤を含んでいる。
【0041】電気凝固印刷インキに含まれる電解的に凝
固可能なポリマーとしては、線状の高分子量ポリマー、
すなわち、重量平均分子量が約10,000〜約1,0
00,000、好ましくは約100,000〜約60
0,000のポリマーを好適に用いることができる。さ
らに、電解的に凝固可能なポリマーは、アミノ基、アミ
ド基およびカルボシキル基からなる群の中から選ばれた
官能基を有する反応サイトを含んでいることが好まし
い。上記反応サイトは、陽極から生じる多価金属イオ
ン、特に鉄イオンやアルミニウムイオンのような3価イ
オンと化学結合を形成してインキを凝固させるからであ
る。
固可能なポリマーとしては、線状の高分子量ポリマー、
すなわち、重量平均分子量が約10,000〜約1,0
00,000、好ましくは約100,000〜約60
0,000のポリマーを好適に用いることができる。さ
らに、電解的に凝固可能なポリマーは、アミノ基、アミ
ド基およびカルボシキル基からなる群の中から選ばれた
官能基を有する反応サイトを含んでいることが好まし
い。上記反応サイトは、陽極から生じる多価金属イオ
ン、特に鉄イオンやアルミニウムイオンのような3価イ
オンと化学結合を形成してインキを凝固させるからであ
る。
【0042】こうしたポリマーの具体例としては、アル
ブミン、ゼラチン、カゼインおよび寒天のような天然ポ
リマーや、ポリアクリル酸およびポリアクリルアミドの
ような合成ポリマーが挙げられる。特に好ましいポリマ
ーは、重量平均分子量が約250,000程度のアクリ
ルアミド−アクリル酸アニオン性共重合体であり、シア
ナミド社(Cyanamid Inc.)から販売され
ている商標名アコストレングス86(ACCOSTRE
NGTH 86)等が用いられる。
ブミン、ゼラチン、カゼインおよび寒天のような天然ポ
リマーや、ポリアクリル酸およびポリアクリルアミドの
ような合成ポリマーが挙げられる。特に好ましいポリマ
ーは、重量平均分子量が約250,000程度のアクリ
ルアミド−アクリル酸アニオン性共重合体であり、シア
ナミド社(Cyanamid Inc.)から販売され
ている商標名アコストレングス86(ACCOSTRE
NGTH 86)等が用いられる。
【0043】ポリマーは溶液、あるいはコロイド等を含
んだ分散液のいずれであってもよく、電気凝固印刷イン
キの総重量に対して好ましくは約6.5〜約12重量%
の量で、さらに好ましくは約7〜約10重量%の量で用
いられる。ポリマーの含有量が約12重量%を超える
と、インキの粘度が高くなりすぎてインキ製造時あるい
は印刷時の作業性が低下するおそれがあり、一方、約
6.5重量%を下回ると、被印刷体に転写された凝固イ
ンキのドットの濃度が低下する傾向がある。所望の電気
凝固印刷インキを提供するために、ポリマーを分散ある
いは溶解させるための液状媒体として、水を使用するこ
とが好ましい。
んだ分散液のいずれであってもよく、電気凝固印刷イン
キの総重量に対して好ましくは約6.5〜約12重量%
の量で、さらに好ましくは約7〜約10重量%の量で用
いられる。ポリマーの含有量が約12重量%を超える
と、インキの粘度が高くなりすぎてインキ製造時あるい
は印刷時の作業性が低下するおそれがあり、一方、約
6.5重量%を下回ると、被印刷体に転写された凝固イ
ンキのドットの濃度が低下する傾向がある。所望の電気
凝固印刷インキを提供するために、ポリマーを分散ある
いは溶解させるための液状媒体として、水を使用するこ
とが好ましい。
【0044】電気凝固印刷インキに含まれる可溶性電解
質としては、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリ
ウムのようなアルカリ金属のハロゲン化物や、塩化カル
シウムのようなアルカリ土類金属のハロゲン化物を用い
ることが好ましく、なかでも塩化カリウムが特に好まし
い。約35〜約60℃の温度で電気凝固印刷インキを使
用する場合、可溶性電解質は、好ましくは電気凝固印刷
インキの総重量に基づいて約4.5〜約10重量%の量
で使用される。約4.5重量%未満では、インキの導電
性を充分に確保できず被印刷体へ転写される凝固インキ
のドットの濃度が低下するおそれがあり、一方、約10
重量%を超えると、インキ皮膜の耐性が低下するおそれ
がある。
質としては、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリ
ウムのようなアルカリ金属のハロゲン化物や、塩化カル
シウムのようなアルカリ土類金属のハロゲン化物を用い
ることが好ましく、なかでも塩化カリウムが特に好まし
い。約35〜約60℃の温度で電気凝固印刷インキを使
用する場合、可溶性電解質は、好ましくは電気凝固印刷
インキの総重量に基づいて約4.5〜約10重量%の量
で使用される。約4.5重量%未満では、インキの導電
性を充分に確保できず被印刷体へ転写される凝固インキ
のドットの濃度が低下するおそれがあり、一方、約10
重量%を超えると、インキ皮膜の耐性が低下するおそれ
がある。
【0045】電気凝固印刷インキに含まれる着色剤とし
ては、染料もしくは顔料を用いることができる。染料と
しては、水溶性の染料であって、インジゴ系、アゾ系、
アントラキノン系、フルオラン系、ジオキサジン系、オ
キサジン系、フタロシアニン系などの各染料が挙げられ
る。
ては、染料もしくは顔料を用いることができる。染料と
しては、水溶性の染料であって、インジゴ系、アゾ系、
アントラキノン系、フルオラン系、ジオキサジン系、オ
キサジン系、フタロシアニン系などの各染料が挙げられ
る。
【0046】顔料としては、アゾ系、フタロシアニン
系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン
系、チオインジゴ系、ペリノン系、ペリレン系、イソイ
ンドリン系、アゾメチン系などの有機顔料や、カーボン
ブラックなどの無機顔料が挙げられる。顔料を電気凝固
印刷インキ中に均一に分散させるためには、分散剤を用
いることができる。適切な分散剤としては、ナフタレン
スルホン酸ホルマリン縮合物の金属塩であるアニオン系
分散剤が例示できる。電気凝固印刷インキの総重量に基
づいて、顔料は約6.5〜約15重量%、分散剤は約
0.1〜約6.0重量%の量で、それぞれ使用するのが
好ましい。
系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン
系、チオインジゴ系、ペリノン系、ペリレン系、イソイ
ンドリン系、アゾメチン系などの有機顔料や、カーボン
ブラックなどの無機顔料が挙げられる。顔料を電気凝固
印刷インキ中に均一に分散させるためには、分散剤を用
いることができる。適切な分散剤としては、ナフタレン
スルホン酸ホルマリン縮合物の金属塩であるアニオン系
分散剤が例示できる。電気凝固印刷インキの総重量に基
づいて、顔料は約6.5〜約15重量%、分散剤は約
0.1〜約6.0重量%の量で、それぞれ使用するのが
好ましい。
【0047】続いて、上述の被覆剤および電気凝固印刷
インキを用いた本発明にかかる電気凝固印刷方法につい
て、図面を参照しつつ詳しく説明する。
インキを用いた本発明にかかる電気凝固印刷方法につい
て、図面を参照しつつ詳しく説明する。
【0048】本発明の工程(a)により準備される陽極
としては、米国特許第4,661,222号明細書に記
載されているようなエンドレス移動ベルト形状、あるい
は、米国特許第4,895,629号明細書または米国
特許第5,538,601号明細書に記載されているよ
うな回転シリンダ形状のものを好ましく用いることがで
きる。
としては、米国特許第4,661,222号明細書に記
載されているようなエンドレス移動ベルト形状、あるい
は、米国特許第4,895,629号明細書または米国
特許第5,538,601号明細書に記載されているよ
うな回転シリンダ形状のものを好ましく用いることがで
きる。
【0049】図1に、回転シリンダ状陽極を用いて単一
の印刷ユニットにより単色の印刷を行う場合の装置例を
示す。この印刷装置1は、ステンレス鋼からなるシリン
ダ状陽極3、陽極と一定の距離だけ離して配置される直
径50μmの複数の陰極5、被覆剤を塗布してそのミク
ロ液滴を陽極表面に形成する被覆剤塗布装置7、電気凝
固印刷インキを供給するインキ供給装置9、非凝固イン
キを軟質ポリウレタン製スキージにより陽極表面から除
去する除去装置11、凝固インキを被印刷体Sに転写す
る転写装置(ポリウレタン製圧胴)13、および洗浄液
のジェットにより陽極表面を洗浄する洗浄装置15から
構成されている。このように、シリンダ状陽極の場合、
上記工程(b)、(c)および(d−1)を実施するた
めの装置は、シリンダ状陽極のまわりに配置される。な
お、各印刷工程を説明するために印刷ユニットの詳細を
模式的に示すと、図2のようになる。
の印刷ユニットにより単色の印刷を行う場合の装置例を
示す。この印刷装置1は、ステンレス鋼からなるシリン
ダ状陽極3、陽極と一定の距離だけ離して配置される直
径50μmの複数の陰極5、被覆剤を塗布してそのミク
ロ液滴を陽極表面に形成する被覆剤塗布装置7、電気凝
固印刷インキを供給するインキ供給装置9、非凝固イン
キを軟質ポリウレタン製スキージにより陽極表面から除
去する除去装置11、凝固インキを被印刷体Sに転写す
る転写装置(ポリウレタン製圧胴)13、および洗浄液
のジェットにより陽極表面を洗浄する洗浄装置15から
構成されている。このように、シリンダ状陽極の場合、
上記工程(b)、(c)および(d−1)を実施するた
めの装置は、シリンダ状陽極のまわりに配置される。な
お、各印刷工程を説明するために印刷ユニットの詳細を
模式的に示すと、図2のようになる。
【0050】この陽極表面と電気凝固印刷インキは、約
35〜約60℃の温度に保持されることが好ましく、よ
り好ましくは約40℃の温度が選ばれる。それにより、
上記工程(c)において電気凝固印刷インキの電気電導
度が増加し、陽極表面から該インキへの金属イオンの溶
出が増加するため、凝固インキの反射濃度を高めるのに
十分な量の金属イオンが溶出されるようになって、工程
(c)での凝固効率が高められるからである。
35〜約60℃の温度に保持されることが好ましく、よ
り好ましくは約40℃の温度が選ばれる。それにより、
上記工程(c)において電気凝固印刷インキの電気電導
度が増加し、陽極表面から該インキへの金属イオンの溶
出が増加するため、凝固インキの反射濃度を高めるのに
十分な量の金属イオンが溶出されるようになって、工程
(c)での凝固効率が高められるからである。
【0051】本発明の被覆剤は、1995年9月12日
の米国特許第5,449,392号明細書に記載されて
いるように、酸化物セラミック材料からなるコーティン
グを周囲に有し、シリンダ状陽極に対して平行に延びた
分配ローラを使用して、次のようにして陽極表面に塗布
することが好ましい。すなわち、この分配ローラのセラ
ミックコーティング上に被覆剤を塗布してそのコーティ
ング表面を均一に覆う被覆剤の皮膜を形成すると、この
被覆剤の皮膜は、コーティング表面に広がるとほぼ同時
に実質的に均一なサイズと分布とを有するミクロ液滴に
分離されるので、この分離したミクロ液滴をセラミック
コーティングから陽極表面へと移行させるのである。こ
のコーティング表面上に形成され、陽極表面上へ移行さ
せられるミクロ液滴は、一般に、約1〜約5μmの大き
さである。
の米国特許第5,449,392号明細書に記載されて
いるように、酸化物セラミック材料からなるコーティン
グを周囲に有し、シリンダ状陽極に対して平行に延びた
分配ローラを使用して、次のようにして陽極表面に塗布
することが好ましい。すなわち、この分配ローラのセラ
ミックコーティング上に被覆剤を塗布してそのコーティ
ング表面を均一に覆う被覆剤の皮膜を形成すると、この
被覆剤の皮膜は、コーティング表面に広がるとほぼ同時
に実質的に均一なサイズと分布とを有するミクロ液滴に
分離されるので、この分離したミクロ液滴をセラミック
コーティングから陽極表面へと移行させるのである。こ
のコーティング表面上に形成され、陽極表面上へ移行さ
せられるミクロ液滴は、一般に、約1〜約5μmの大き
さである。
【0052】上記セラミックコーティングを形成する酸
化物セラミック材料としては、アルミナとチタニアの溶
融混合物を用いることが特に好ましく、たとえば、約6
0〜約90重量%のアルミナと、約10〜約40重量%
のチタニアから構成することができる。
化物セラミック材料としては、アルミナとチタニアの溶
融混合物を用いることが特に好ましく、たとえば、約6
0〜約90重量%のアルミナと、約10〜約40重量%
のチタニアから構成することができる。
【0053】具体的には、好ましい実施形態によれば、
図2にみるように、分配ローラ71に対して平行に延び
ると共にそれと圧接連動して第1ニップ72を形成する
アプリケータローラ73と分配ローラ71とを整合させ
て回転させながら、被覆剤供給装置77を用いて第1ニ
ップ72に被覆剤を供給し、第1ニップ72を通過する
際に被覆剤がセラミックコーティング711の表面を均
一に覆う皮膜を形成するようにして、被覆剤をセラミッ
クコーティング711上に塗布する。そして、分配ロー
ラ71に対して平行に延びると共にそれと圧接連動して
第2ニップ74を形成する転写ローラ75を配置し、こ
の転写ローラ75を陽極3と圧接連動して第3ニップ7
6を形成するように位置させて、分配ローラ71と転写
ローラ75と陽極3とを整合回転させて、第2ニップ7
4で分配ローラ71から転写ローラ75へミクロ液滴を
移行させ、その後このミクロ液滴を第3ニップ76で転
写ローラ75から陽極3へと移行させるのである。この
ようなローラの配置は、上記米国特許第5,449,3
92号明細書に記載されている。
図2にみるように、分配ローラ71に対して平行に延び
ると共にそれと圧接連動して第1ニップ72を形成する
アプリケータローラ73と分配ローラ71とを整合させ
て回転させながら、被覆剤供給装置77を用いて第1ニ
ップ72に被覆剤を供給し、第1ニップ72を通過する
際に被覆剤がセラミックコーティング711の表面を均
一に覆う皮膜を形成するようにして、被覆剤をセラミッ
クコーティング711上に塗布する。そして、分配ロー
ラ71に対して平行に延びると共にそれと圧接連動して
第2ニップ74を形成する転写ローラ75を配置し、こ
の転写ローラ75を陽極3と圧接連動して第3ニップ7
6を形成するように位置させて、分配ローラ71と転写
ローラ75と陽極3とを整合回転させて、第2ニップ7
4で分配ローラ71から転写ローラ75へミクロ液滴を
移行させ、その後このミクロ液滴を第3ニップ76で転
写ローラ75から陽極3へと移行させるのである。この
ようなローラの配置は、上記米国特許第5,449,3
92号明細書に記載されている。
【0054】上記アプリケータローラ73および転写ロ
ーラ75は、それぞれ、被覆剤に対する耐性を有する合
成ゴム材のような弾性材料からなる周囲被覆731、7
51を備えていることが好ましい。たとえば、アプリケ
ータローラにはショアA硬度約50〜約70の、また転
写ローラにはショアA硬度約60〜約80のポリウレタ
ンを、それぞれ使用することができる。
ーラ75は、それぞれ、被覆剤に対する耐性を有する合
成ゴム材のような弾性材料からなる周囲被覆731、7
51を備えていることが好ましい。たとえば、アプリケ
ータローラにはショアA硬度約50〜約70の、また転
写ローラにはショアA硬度約60〜約80のポリウレタ
ンを、それぞれ使用することができる。
【0055】上述の電気凝固印刷インキを電気凝固させ
る上記工程(c)は、陽極として、中心軸のまわりを実
質的に一定の速度で回転するシリンダ状の陽極を使用す
る場合は、図2にみるように、次のようにして実施する
ことが好ましい: i)互いに電気的に絶縁されており直線配列に設置さ
れ、陽極3の中心軸に対して平行な面に配置され、か
つ、一定の所定のギャップ6により陽極表面から間隔を
あけて配置された一連の対応する陰極表面を画定する陰
極5であって、電極間ギャップと少なくとも等しい距離
だけ互いに間隔をおいて配置されている複数の陰極を用
意し、 ii)前記電極間ギャップ6に電気凝固印刷インキを充
填し、 iii)前記複数の陰極のうちの選択された陰極に電圧
を印加して、印加された陰極の電極表面と向き合う位置
にある、被覆剤が塗布された陽極表面上で、電気凝固印
刷インキの凝固を逐一、選択的に生じせしめ、それによ
って凝固インキのドットを形成し、かつ、 iv)残留する全ての非凝固インキを陽極表面から除去
する。
る上記工程(c)は、陽極として、中心軸のまわりを実
質的に一定の速度で回転するシリンダ状の陽極を使用す
る場合は、図2にみるように、次のようにして実施する
ことが好ましい: i)互いに電気的に絶縁されており直線配列に設置さ
れ、陽極3の中心軸に対して平行な面に配置され、か
つ、一定の所定のギャップ6により陽極表面から間隔を
あけて配置された一連の対応する陰極表面を画定する陰
極5であって、電極間ギャップと少なくとも等しい距離
だけ互いに間隔をおいて配置されている複数の陰極を用
意し、 ii)前記電極間ギャップ6に電気凝固印刷インキを充
填し、 iii)前記複数の陰極のうちの選択された陰極に電圧
を印加して、印加された陰極の電極表面と向き合う位置
にある、被覆剤が塗布された陽極表面上で、電気凝固印
刷インキの凝固を逐一、選択的に生じせしめ、それによ
って凝固インキのドットを形成し、かつ、 iv)残留する全ての非凝固インキを陽極表面から除去
する。
【0056】米国特許第4,895,629号明細書に
記載されているように、電極間ギャップに等しいか、ま
たはそれ以上の距離をおいて、互いに間隔をあけて複数
の陰極を配置することにより、陰極のエッジ腐蝕を妨げ
ることができる。一方、本発明により、陰極への電圧の
選択印加の前にケイ素酸化物および油性物質を含む被覆
剤を陽極に塗布することにより、凝固インキのドットの
陽極への付着を弱め、陽極摩滅および腐蝕を防ぐことも
できるようになる。
記載されているように、電極間ギャップに等しいか、ま
たはそれ以上の距離をおいて、互いに間隔をあけて複数
の陰極を配置することにより、陰極のエッジ腐蝕を妨げ
ることができる。一方、本発明により、陰極への電圧の
選択印加の前にケイ素酸化物および油性物質を含む被覆
剤を陽極に塗布することにより、凝固インキのドットの
陽極への付着を弱め、陽極摩滅および腐蝕を防ぐことも
できるようになる。
【0057】陽極および陰極を形成する金属として、好
ましくは、ステンレス鋼、白金、クロム、ニッケル、ス
ズおよびアルミニウムが挙げられる。特に、陽極は、ス
テンレス鋼またはアルミニウムから形成されることが好
ましい。陰極への電圧印加の際に、このような電極上の
不動態を形成している酸化物表面層の破壊により金属イ
オン、特に多価金属イオンが生成し、次いでこの金属イ
オンが電気凝固印刷インキの凝固を開始させるからであ
り、この電気凝固印刷インキの凝固を開始させるには、
3価の鉄イオンやアルミニウムイオンなどがとりわけ好
ましい。
ましくは、ステンレス鋼、白金、クロム、ニッケル、ス
ズおよびアルミニウムが挙げられる。特に、陽極は、ス
テンレス鋼またはアルミニウムから形成されることが好
ましい。陰極への電圧印加の際に、このような電極上の
不動態を形成している酸化物表面層の破壊により金属イ
オン、特に多価金属イオンが生成し、次いでこの金属イ
オンが電気凝固印刷インキの凝固を開始させるからであ
り、この電気凝固印刷インキの凝固を開始させるには、
3価の鉄イオンやアルミニウムイオンなどがとりわけ好
ましい。
【0058】陽極と陰極との間で画定されるギャップ
は、約50〜約100μmまでの範囲であることが好ま
しい。電極間ギャップが小さいほど、生じる凝固インキ
のドットはシャープとなる。電極間ギャップが50μm
程度である場合、好ましくは、陰極は互いに約75μm
の間隔をあけて配置される。
は、約50〜約100μmまでの範囲であることが好ま
しい。電極間ギャップが小さいほど、生じる凝固インキ
のドットはシャープとなる。電極間ギャップが50μm
程度である場合、好ましくは、陰極は互いに約75μm
の間隔をあけて配置される。
【0059】本発明の被覆剤が塗布された陽極表面は、
好ましくは、陽極表面上へのミクロ液滴の付着を増大さ
せるために、上記工程(c)ii)に先立って磨かれ
る。たとえば、図2に示すように、馬の毛からなり、か
つ陽極3の表面に接触する先端を有し、放射状に延びる
複数の剛毛81を備えた回転ブラシ8を使用することが
できる。ブラシ8の回転の際に陽極3の表面と接触する
剛毛81により生じる摩擦は、陽極表面上へのミクロ液
滴の付着を増大させることが見出されている。
好ましくは、陽極表面上へのミクロ液滴の付着を増大さ
せるために、上記工程(c)ii)に先立って磨かれ
る。たとえば、図2に示すように、馬の毛からなり、か
つ陽極3の表面に接触する先端を有し、放射状に延びる
複数の剛毛81を備えた回転ブラシ8を使用することが
できる。ブラシ8の回転の際に陽極3の表面と接触する
剛毛81により生じる摩擦は、陽極表面上へのミクロ液
滴の付着を増大させることが見出されている。
【0060】上記工程(c)ii)は、有利には、電極
間ギャップ6に隣接して配置されたインキ供給手段9か
ら陽極表面上へ電気凝固印刷インキを連続的に供給し
て、電気凝固印刷インキが陽極表面に沿って流れるよう
にし、陽極3が回転するにつれて電気凝固印刷インキが
電極間ギャップ6へと運ばれて電極間ギャップ6を満た
すようにすることで実施される。
間ギャップ6に隣接して配置されたインキ供給手段9か
ら陽極表面上へ電気凝固印刷インキを連続的に供給し
て、電気凝固印刷インキが陽極表面に沿って流れるよう
にし、陽極3が回転するにつれて電気凝固印刷インキが
電極間ギャップ6へと運ばれて電極間ギャップ6を満た
すようにすることで実施される。
【0061】電気凝固印刷インキの凝固後に、残留する
全ての非凝固インキを陽極表面から除去し、凝固インキ
のドットを完全に露出させることが好ましく、上記工程
(c)iv)は、たとえば軟質ゴム製スキージ11を用
いて陽極表面を擦ることによって行われる。こうして除
去された非凝固インキは、回収後、前記インキ供給手段
に再循環させることが好ましい。
全ての非凝固インキを陽極表面から除去し、凝固インキ
のドットを完全に露出させることが好ましく、上記工程
(c)iv)は、たとえば軟質ゴム製スキージ11を用
いて陽極表面を擦ることによって行われる。こうして除
去された非凝固インキは、回収後、前記インキ供給手段
に再循環させることが好ましい。
【0062】凝固インキのドットの反射濃度は、陰極に
印加されるパルス変調シグナルの電圧および/またはパ
ルス幅を変化させることにより、任意に変えることがで
きる。
印加されるパルス変調シグナルの電圧および/またはパ
ルス幅を変化させることにより、任意に変えることがで
きる。
【0063】次に、凝固インキのドットを転写して被印
刷体に所望の画像を形成する上記工程(d−1)は、好
ましくは、図2にみるように、シリンダ状の陽極3に対
して平行に延びると共にそれに圧接連動してニップ14
を形成する圧胴13を転写位置に備え、陽極3が回転す
る際に陽極3によって圧胴13が駆動されて、被印刷体
Sがニップ14を通過するようにして行われる。
刷体に所望の画像を形成する上記工程(d−1)は、好
ましくは、図2にみるように、シリンダ状の陽極3に対
して平行に延びると共にそれに圧接連動してニップ14
を形成する圧胴13を転写位置に備え、陽極3が回転す
る際に陽極3によって圧胴13が駆動されて、被印刷体
Sがニップ14を通過するようにして行われる。
【0064】圧胴は、弾性材料、たとえばショアA硬度
が約95のポリウレタンのような合成ゴム材料からなる
周囲被覆を備えていることが好ましい。このような硬度
を有するポリウレタン被覆は、陽極表面から被印刷体へ
の凝固インキの転写性をさらに向上させるからである。
また、陽極と圧胴との間にかける圧力は、約50〜約1
00Kg/cm2の範囲であることが好ましい。
が約95のポリウレタンのような合成ゴム材料からなる
周囲被覆を備えていることが好ましい。このような硬度
を有するポリウレタン被覆は、陽極表面から被印刷体へ
の凝固インキの転写性をさらに向上させるからである。
また、陽極と圧胴との間にかける圧力は、約50〜約1
00Kg/cm2の範囲であることが好ましい。
【0065】工程(d−1)の後に、残留する全ての凝
固インキと被覆剤とを陽極表面から除去するために、通
常、陽極表面を洗浄する。好ましい実施形態によれば、
陽極は所定の方向に回転可能となっていて、次のように
して、残留する凝固インキをその表面から除去すること
ができる。すなわち、図2に示すように、たとえば馬の
毛からなり、その先端が陽極表面に接触するように放射
状に延びた複数の剛毛152を備え、陽極3の中心軸に
対して平行に延びる細長い回転ブラシ151を用意し
て、このブラシ151を、上記剛毛が陽極表面に摩擦的
に係合するように陽極3の回転方向とは逆方向に回転さ
せ、高圧インジェクタ153により、陽極表面に対して
加圧した洗浄液のジェットを吹き付ける。さらに、この
ような実施形態において、洗浄液を加熱することにより
洗浄液と接触する際に陽極表面が加熱され、加熱された
陽極表面上で電気凝固印刷インキへの熱の移動が起こる
ようにして、陽極表面と電気凝固印刷インキとを約35
〜約60℃の温度に保持することが好ましい。
固インキと被覆剤とを陽極表面から除去するために、通
常、陽極表面を洗浄する。好ましい実施形態によれば、
陽極は所定の方向に回転可能となっていて、次のように
して、残留する凝固インキをその表面から除去すること
ができる。すなわち、図2に示すように、たとえば馬の
毛からなり、その先端が陽極表面に接触するように放射
状に延びた複数の剛毛152を備え、陽極3の中心軸に
対して平行に延びる細長い回転ブラシ151を用意し
て、このブラシ151を、上記剛毛が陽極表面に摩擦的
に係合するように陽極3の回転方向とは逆方向に回転さ
せ、高圧インジェクタ153により、陽極表面に対して
加圧した洗浄液のジェットを吹き付ける。さらに、この
ような実施形態において、洗浄液を加熱することにより
洗浄液と接触する際に陽極表面が加熱され、加熱された
陽極表面上で電気凝固印刷インキへの熱の移動が起こる
ようにして、陽極表面と電気凝固印刷インキとを約35
〜約60℃の温度に保持することが好ましい。
【0066】次に、複数の印刷ステージを備えた多色電
気凝固印刷装置について、凝固インキのドットをリリー
ス可能に保持させるための非伸張性のエンドレスベルト
を用いた場合を例に説明する。
気凝固印刷装置について、凝固インキのドットをリリー
ス可能に保持させるための非伸張性のエンドレスベルト
を用いた場合を例に説明する。
【0067】図3に示すように、この多色電気凝固印刷
装置2は、回転シリンダ状陽極3と、この陽極3の周り
に配置された4個の同一の印刷ユニット20(20A、
20B、20C、20D)とを備えている。これらの印
刷ユニット20のうち、20Aはイエロー、20Bはマ
ゼンダ、20Cはシアン、20Dはブラックの印刷にそ
れぞれ用いられる。各印刷ユニット20内の各装置の配
置は、上記の単色印刷の場合と同様である。
装置2は、回転シリンダ状陽極3と、この陽極3の周り
に配置された4個の同一の印刷ユニット20(20A、
20B、20C、20D)とを備えている。これらの印
刷ユニット20のうち、20Aはイエロー、20Bはマ
ゼンダ、20Cはシアン、20Dはブラックの印刷にそ
れぞれ用いられる。各印刷ユニット20内の各装置の配
置は、上記の単色印刷の場合と同様である。
【0068】単一の陽極を用いて画定される第1印刷ス
テージまたは第3印刷ステージのより好ましい実施形態
においては、一つの圧胴を有する印刷ステージが少なく
とも二つあり、図3にみるように、当該圧胴131は陽
極3に対して互いに対向する状態で対になるように配置
されている。シリンダ状の陽極のまわりに配置されてい
る互いに対向する2対の圧胴を用意することにより、そ
れぞれの対の圧胴に働く力が打ち消し合って、陽極の湾
曲が防止されるからである。
テージまたは第3印刷ステージのより好ましい実施形態
においては、一つの圧胴を有する印刷ステージが少なく
とも二つあり、図3にみるように、当該圧胴131は陽
極3に対して互いに対向する状態で対になるように配置
されている。シリンダ状の陽極のまわりに配置されてい
る互いに対向する2対の圧胴を用意することにより、そ
れぞれの対の圧胴に働く力が打ち消し合って、陽極の湾
曲が防止されるからである。
【0069】一方、工程(a)から(d−1)までを含
み各印刷ステージごとに陽極を備えた複数の第2印刷ス
テージは、米国特許第4,895,629号に記載され
ているように、凝固インキのドットと被印刷体とを接触
させるように適応させた単一の圧胴のまわりに配置して
もよい。この場合、連続ウエブ形状の被印刷体は、前記
圧胴のまわりに部分的に巻き付けられて、多色画像を印
刷するためにそれぞれの転写位置を通過する。
み各印刷ステージごとに陽極を備えた複数の第2印刷ス
テージは、米国特許第4,895,629号に記載され
ているように、凝固インキのドットと被印刷体とを接触
させるように適応させた単一の圧胴のまわりに配置して
もよい。この場合、連続ウエブ形状の被印刷体は、前記
圧胴のまわりに部分的に巻き付けられて、多色画像を印
刷するためにそれぞれの転写位置を通過する。
【0070】第3印刷ステージが画定される実施形態に
おいて、陽極3と同じ速度で駆動される非伸張性のエン
ドレスベルト17は、凝固インキ保持面171をその一
方の面に備えており、陽極3の周りに配置された2対の
上記圧胴131により陽極表面と接触して、凝固インキ
保持面171に画像が転写される。この凝固ドット保持
面は、多孔質表面であることが好ましく、シリカコーテ
ィングの多孔質を有するプラスチック素材により構成さ
れたベルトを用いることができる。
おいて、陽極3と同じ速度で駆動される非伸張性のエン
ドレスベルト17は、凝固インキ保持面171をその一
方の面に備えており、陽極3の周りに配置された2対の
上記圧胴131により陽極表面と接触して、凝固インキ
保持面171に画像が転写される。この凝固ドット保持
面は、多孔質表面であることが好ましく、シリカコーテ
ィングの多孔質を有するプラスチック素材により構成さ
れたベルトを用いることができる。
【0071】凝固インキ保持面に上の多色画像を表わす
ための種々の色の凝固インキは、前述の工程(e)と
(f)との間で加湿され、それによって、凝固ドット保
持面上の多色画像は実質的に完全に被印刷体上に転写さ
れて印刷されることが好ましい。たとえば、図3にみる
ように、複数のスプレーノズル191を備えた加湿装置
19を用いることができる。
ための種々の色の凝固インキは、前述の工程(e)と
(f)との間で加湿され、それによって、凝固ドット保
持面上の多色画像は実質的に完全に被印刷体上に転写さ
れて印刷されることが好ましい。たとえば、図3にみる
ように、複数のスプレーノズル191を備えた加湿装置
19を用いることができる。
【0072】この凝固インキ保持面の画像を被印刷体に
転写、印刷する上記工程(f)は、被印刷体が連続ウエ
ブの形状である場合、好ましくは、支持ローラ135
と、この支持ローラ135に対して平行に配置された圧
胴(図示せず)とを備えた転写装置133を用いて実施
される。圧胴は、凝固ドット保持面171を有する非伸
張性のエンドレスベルト17が通過するニップを形成す
るように支持ローラ135を加圧している。支持ローラ
135と圧胴とは上記ベルト17により駆動され、ウエ
ブ形状の被印刷体Sは、一対の案内ローラ137により
案内されて、圧胴とベルト17の凝固ドット保持面17
1との間のニップを通過するように通され、多色画像2
00が被印刷体Sに印刷される。好ましくは、多色画像
が転写された上記ベルト17は、陽極3の中心軸と直角
に交差する平面内に延びる経路に沿って移動するように
通されて、露出した凝固ドット保持面171がウエブ形
状の被印刷体Sと接触するようにする。陽極の中心軸が
垂直方向に延びる場合には、上記ベルトは、凝固ドット
保持面を下方に向けて水平方向の経路に対して垂直に延
びる平面内に配置された回転軸を有することが好まし
い。
転写、印刷する上記工程(f)は、被印刷体が連続ウエ
ブの形状である場合、好ましくは、支持ローラ135
と、この支持ローラ135に対して平行に配置された圧
胴(図示せず)とを備えた転写装置133を用いて実施
される。圧胴は、凝固ドット保持面171を有する非伸
張性のエンドレスベルト17が通過するニップを形成す
るように支持ローラ135を加圧している。支持ローラ
135と圧胴とは上記ベルト17により駆動され、ウエ
ブ形状の被印刷体Sは、一対の案内ローラ137により
案内されて、圧胴とベルト17の凝固ドット保持面17
1との間のニップを通過するように通され、多色画像2
00が被印刷体Sに印刷される。好ましくは、多色画像
が転写された上記ベルト17は、陽極3の中心軸と直角
に交差する平面内に延びる経路に沿って移動するように
通されて、露出した凝固ドット保持面171がウエブ形
状の被印刷体Sと接触するようにする。陽極の中心軸が
垂直方向に延びる場合には、上記ベルトは、凝固ドット
保持面を下方に向けて水平方向の経路に対して垂直に延
びる平面内に配置された回転軸を有することが好まし
い。
【0073】上記工程(f)の後に、残留する全ての凝
固インキを上記ベルトの凝固ドット保持面から除去する
ために、通常、凝固ドット保持面を洗浄する。この洗浄
は、たとえば、図3にみるように、ベルト17の一方の
面に配され長く延びた回転可能な少なくとも一つのブラ
シ211と、そのブラシに対して平行に延び上記ベルト
の反対側の面に配された少なくとも一つの支持ローラ2
13と、加圧した洗浄液のジェットを吹き付ける高圧イ
ンジェクタ215と、ゴムスキージ217とを備えたベ
ルト洗浄装置21により行われる。このブラシ211と
支持ローラ213は上記ベルト17に対して垂直に延び
る平面内に配された回転軸を持ち、ブラシ211はたと
えば馬の毛からなり、その先端が凝固ドット保持面17
1に接触するように放射状に延びた複数の剛毛212を
備えている。上記ベルト17を支持ローラ213で支持
しながら、この凝固ドット保持面171に接触する端部
を有する剛毛212が凝固ドット保持面171を擦るよ
うに、ベルトの動く方向と反対の方向にブラシ211を
回転させる。そして、高圧インジェクタ215を用いて
ブラシ211の片側または両側から凝固ドット保持面に
向けて加圧した洗浄液のジェットを吹き付けて、洗浄液
と共に残留する全て凝固インキをベルトの凝固ドット保
持面から除去する。
固インキを上記ベルトの凝固ドット保持面から除去する
ために、通常、凝固ドット保持面を洗浄する。この洗浄
は、たとえば、図3にみるように、ベルト17の一方の
面に配され長く延びた回転可能な少なくとも一つのブラ
シ211と、そのブラシに対して平行に延び上記ベルト
の反対側の面に配された少なくとも一つの支持ローラ2
13と、加圧した洗浄液のジェットを吹き付ける高圧イ
ンジェクタ215と、ゴムスキージ217とを備えたベ
ルト洗浄装置21により行われる。このブラシ211と
支持ローラ213は上記ベルト17に対して垂直に延び
る平面内に配された回転軸を持ち、ブラシ211はたと
えば馬の毛からなり、その先端が凝固ドット保持面17
1に接触するように放射状に延びた複数の剛毛212を
備えている。上記ベルト17を支持ローラ213で支持
しながら、この凝固ドット保持面171に接触する端部
を有する剛毛212が凝固ドット保持面171を擦るよ
うに、ベルトの動く方向と反対の方向にブラシ211を
回転させる。そして、高圧インジェクタ215を用いて
ブラシ211の片側または両側から凝固ドット保持面に
向けて加圧した洗浄液のジェットを吹き付けて、洗浄液
と共に残留する全て凝固インキをベルトの凝固ドット保
持面から除去する。
【0074】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例に基づ
き、さらに詳しく説明する。なお、本発明の技術的思想
から逸脱しないかぎり、本発明はこれらの実施例に限定
されるものではない。
き、さらに詳しく説明する。なお、本発明の技術的思想
から逸脱しないかぎり、本発明はこれらの実施例に限定
されるものではない。
【0075】〔実施例1〕ケイ素酸化物としてデグサ
(Degussa)社のシリカFK500LS(BET
比表面積:450m2/g)を7.5重量%、油性物質
としてオレイン酸を92.5重量%含む被覆剤を調製し
た。得られた被覆剤の粘度は、3,000cps(30
℃)であった。
(Degussa)社のシリカFK500LS(BET
比表面積:450m2/g)を7.5重量%、油性物質
としてオレイン酸を92.5重量%含む被覆剤を調製し
た。得られた被覆剤の粘度は、3,000cps(30
℃)であった。
【0076】また、以下の原材料から電気凝固印刷用墨
インキを製造して使用した。 −カーボンブラック顔料 8.8重量% (Carbon Black Monarch120 :キャボット社) −アニオン性分散剤水溶液(有効成分42重量%) 0.75重量% (Closperse 2500:ボーム・フィラテックス・カナダ社) −アニオン性アクリルアミドポリマー 8.8重量% (Accostrength 86 :三井サイテック社) −塩化カリウム(可溶性電解質) 8.8重量% −EDTA二ナトリウム2水和物(金属イオン封鎖剤) 0.03重量% −水(液状媒体) 72.82重量% (合 計 100重量%)
インキを製造して使用した。 −カーボンブラック顔料 8.8重量% (Carbon Black Monarch120 :キャボット社) −アニオン性分散剤水溶液(有効成分42重量%) 0.75重量% (Closperse 2500:ボーム・フィラテックス・カナダ社) −アニオン性アクリルアミドポリマー 8.8重量% (Accostrength 86 :三井サイテック社) −塩化カリウム(可溶性電解質) 8.8重量% −EDTA二ナトリウム2水和物(金属イオン封鎖剤) 0.03重量% −水(液状媒体) 72.82重量% (合 計 100重量%)
【0077】上記被覆剤と上記電気凝固印刷用墨インキ
を用い、このインキと、陽極を洗浄する装置に用いられ
る洗浄液とを40℃に加熱することにより電気凝固印刷
インキと陽極表面を40℃に保持して、約40時間、断
続的に印刷を行った。この間、インキ供給装置における
電気凝固印刷インキの液面が下がると、インキを追加し
て液面を一定に保持するようにした。なお、電気凝固印
刷装置は、上記図1に示した種類のものを用いた。印刷
終了後、陽極表面の磨滅あるいは点蝕の有無、印刷物の
濃度ムラの有無を目視で判定した。
を用い、このインキと、陽極を洗浄する装置に用いられ
る洗浄液とを40℃に加熱することにより電気凝固印刷
インキと陽極表面を40℃に保持して、約40時間、断
続的に印刷を行った。この間、インキ供給装置における
電気凝固印刷インキの液面が下がると、インキを追加し
て液面を一定に保持するようにした。なお、電気凝固印
刷装置は、上記図1に示した種類のものを用いた。印刷
終了後、陽極表面の磨滅あるいは点蝕の有無、印刷物の
濃度ムラの有無を目視で判定した。
【0078】その結果、約40時間印刷を行った後の陽
極表面に、著しい摩滅および点蝕は認められなかった。
また、得られた印刷物は、濃度ムラのない優れた品質を
示していた。
極表面に、著しい摩滅および点蝕は認められなかった。
また、得られた印刷物は、濃度ムラのない優れた品質を
示していた。
【0079】〔実施例2〕ケイ素酸化物としてデグサ
(Degussa)社のシリカFK500LSを7.5
重量%、油性物質としてイソステアリン酸を92.5重
量%含む被覆剤を製造した。得られた被覆剤の粘度は
3,000cps(30℃)であった。
(Degussa)社のシリカFK500LSを7.5
重量%、油性物質としてイソステアリン酸を92.5重
量%含む被覆剤を製造した。得られた被覆剤の粘度は
3,000cps(30℃)であった。
【0080】この被覆剤を用いた以外は、実施例1と同
じ条件および方法で印刷を行った。その結果、実施例1
と同様の結果が得られた。
じ条件および方法で印刷を行った。その結果、実施例1
と同様の結果が得られた。
【0081】〔実施例3〕ケイ素酸化物としてデグサ
(Degussa)社のシリカFK500LSを7.5
重量%、油性物質としてオレイン酸メチルを92.5重
量%含む被覆剤を製造した。得られた被覆剤の粘度は
3,000cps(30℃)であった。
(Degussa)社のシリカFK500LSを7.5
重量%、油性物質としてオレイン酸メチルを92.5重
量%含む被覆剤を製造した。得られた被覆剤の粘度は
3,000cps(30℃)であった。
【0082】この被覆剤を用いた以外は、実施例1と同
じ条件および方法で印刷を行った。その結果、実施例1
と同様の結果が得られた。
じ条件および方法で印刷を行った。その結果、実施例1
と同様の結果が得られた。
【0083】〔実施例4〕ケイ素酸化物として富士シリ
シア社のSYLYSIA530(BET比表面積:50
0m2/g)を25.0重量%、油性物質としてオレイ
ン酸を75.0重量%含む被覆剤を製造した。得られた
被覆剤の粘度は3,000cps(30℃)であった。
シア社のSYLYSIA530(BET比表面積:50
0m2/g)を25.0重量%、油性物質としてオレイ
ン酸を75.0重量%含む被覆剤を製造した。得られた
被覆剤の粘度は3,000cps(30℃)であった。
【0084】この被覆剤を用いた以外は、実施例1と同
じ条件および方法で印刷を行った。その結果、実施例1
と同様の結果が得られた。
じ条件および方法で印刷を行った。その結果、実施例1
と同様の結果が得られた。
【0085】〔実施例5〕ケイ素酸化物としてデグサ
(Degussa)社のアエロジルR972(BET比
表面積:110m2/g)を7.5重量%、油性物質と
してオレイン酸を92.5重量%含む被覆剤を製造し
た。得られた被覆剤の粘度は500cps(30℃)で
あった。
(Degussa)社のアエロジルR972(BET比
表面積:110m2/g)を7.5重量%、油性物質と
してオレイン酸を92.5重量%含む被覆剤を製造し
た。得られた被覆剤の粘度は500cps(30℃)で
あった。
【0086】この被覆剤を用いた以外は、実施例1と同
じ条件および方法で印刷を行った。その結果、実施例1
と同様の結果が得られた。
じ条件および方法で印刷を行った。その結果、実施例1
と同様の結果が得られた。
【0087】〔実施例6〕ケイ素酸化物としてデグサ
(Degussa)社のシリカFK500LSを7.5
重量%、油性物質としてオレイン酸65重量%、さらに
前記ノニオン性界面活性剤としてポリオキシエチレンテ
トラオレイン酸ソルビット(エチレンオキサイド付加モ
ル数:30、HLB:10.5)26重量%、分子量8
0,000のエチルセルロース1.5重量%を含む被覆
剤を製造した。得られた被覆剤の粘度は6,000cp
s(30℃)であった。
(Degussa)社のシリカFK500LSを7.5
重量%、油性物質としてオレイン酸65重量%、さらに
前記ノニオン性界面活性剤としてポリオキシエチレンテ
トラオレイン酸ソルビット(エチレンオキサイド付加モ
ル数:30、HLB:10.5)26重量%、分子量8
0,000のエチルセルロース1.5重量%を含む被覆
剤を製造した。得られた被覆剤の粘度は6,000cp
s(30℃)であった。
【0088】この被覆剤を用いた以外は、実施例1と同
じ条件および方法で印刷を行った。その結果、実施例1
と同様の結果が得られた。
じ条件および方法で印刷を行った。その結果、実施例1
と同様の結果が得られた。
【0089】〔比較例1〕三酸化二クロム50重量%、
オレイン酸50重量%含む被覆剤を製造した。得られた
被覆剤の粘度は750cps(30℃)であった。
オレイン酸50重量%含む被覆剤を製造した。得られた
被覆剤の粘度は750cps(30℃)であった。
【0090】この被覆剤を用いた以外は、実施例1と同
じ条件および方法で印刷を行った。その結果、印刷終了
後の陽極表面に、直径約1〜約2mm程度のクレータ状
の点蝕が観察された。陽極表面の点蝕に対応する部分の
画像濃度はやや低くなり、濃度ムラのある印刷物であっ
た。
じ条件および方法で印刷を行った。その結果、印刷終了
後の陽極表面に、直径約1〜約2mm程度のクレータ状
の点蝕が観察された。陽極表面の点蝕に対応する部分の
画像濃度はやや低くなり、濃度ムラのある印刷物であっ
た。
【0091】
【発明の効果】本発明によれば、ケイ素酸化物および油
性物質を含む被覆剤を陽極表面に用いることにより、実
質的に不動態表面に影響を及ぼすことなく陽極の摩滅お
よび点蝕を防ぐことができ、陽極表面の再研磨の必要性
を減少させることができる。さらに、陽極の摩滅および
点蝕による汚染イオン物質の遊離はもはや存在しないた
めに、電気凝固印刷インキは安定し、かつ、電気凝固印
刷における望ましくない電気凝固印刷インキの粘度上昇
を抑制することができる。
性物質を含む被覆剤を陽極表面に用いることにより、実
質的に不動態表面に影響を及ぼすことなく陽極の摩滅お
よび点蝕を防ぐことができ、陽極表面の再研磨の必要性
を減少させることができる。さらに、陽極の摩滅および
点蝕による汚染イオン物質の遊離はもはや存在しないた
めに、電気凝固印刷インキは安定し、かつ、電気凝固印
刷における望ましくない電気凝固印刷インキの粘度上昇
を抑制することができる。
【0092】また、本発明によれば、凝固インキのドッ
トが転写可能な、たとえば多孔質面のような凝固ドット
保持面を有する非伸張性のエンドレスベルトを用い、か
つ、この保持面が連続的に凝固インキに接触するように
一つの印刷ユニットから他の印刷ユニットへベルトを動
かすようにしているので、このベルトの着色凝固ドット
保持面への着色画像の転写において見当精度が大幅に改
善される。これにより、ウエブまたは他の形状の被印刷
体に転写可能な、見当精度が良好な多色画像を提供する
ことができる。
トが転写可能な、たとえば多孔質面のような凝固ドット
保持面を有する非伸張性のエンドレスベルトを用い、か
つ、この保持面が連続的に凝固インキに接触するように
一つの印刷ユニットから他の印刷ユニットへベルトを動
かすようにしているので、このベルトの着色凝固ドット
保持面への着色画像の転写において見当精度が大幅に改
善される。これにより、ウエブまたは他の形状の被印刷
体に転写可能な、見当精度が良好な多色画像を提供する
ことができる。
【図1】図1は、本発明の実施に用いられる電気凝固印
刷装置の一例を示した概略図である。
刷装置の一例を示した概略図である。
【図2】図2は、本発明の実施に用いられる電気凝固印
刷装置の印刷ユニットの詳細を模式的に示した概略図で
ある。
刷装置の印刷ユニットの詳細を模式的に示した概略図で
ある。
【図3】図3は、本発明の実施に用いられる多色電気凝
固印刷装置の一例を示した概略図である。
固印刷装置の一例を示した概略図である。
1 印刷装置 3 シリンダ状陽極 7 被覆剤塗布装置 9 インキ供給装置 13 転写装置 17 エンドレスベルト S 被印刷体
Claims (11)
- 【請求項1】 次の各工程を含むことを特徴とする電気
凝固印刷方法: (a)不動態表面を有し、所定経路に沿って実質的に一
定の速度で移動する陽極を準備する工程、(b)ケイ素
酸化物および油性物質を含む被覆剤を塗布することによ
り前記陽極の表面に前記被覆剤のミクロ液滴を形成する
工程、(c)電解的に凝固可能なポリマー、液状媒体、
可溶性電解質および着色剤を含む電気凝固印刷インキの
電気凝固により、前記ミクロ液滴が形成された陽極表面
に、所望の画像を表す複数の凝固インキのドットを形成
する工程、および(d−1)前記陽極表面に被印刷体を
接触させて前記陽極表面から前記被印刷体に前記凝固イ
ンキのドットを転写し、これにより前記被印刷体に前記
画像を印刷する工程。 - 【請求項2】 前記所定経路に沿った所定の位置に配置
されると共に、所望の色の前記電気凝固印刷インキをそ
れぞれ使用して前記工程(b)、(c)および(d−
1)を行う複数の第1印刷ステージを画定し、前記各第
1印刷ステージにおいて前記所望の色の所望の画像を表
す複数の凝固インキのドットをそれぞれ形成し、前記凝
固インキのドットをそれぞれの転写位置で重ね合わせて
転写することにより前記被印刷体に多色画像を印刷する
請求項1に記載の電気凝固印刷方法。 - 【請求項3】 所望の色の前記電気凝固印刷インキをそ
れぞれ使用して前記工程(a)、(b)、(c)および
(d−1)を行う複数の第2印刷ステージを画定し、前
記各第2印刷ステージにおいて前記所望の色の所望の画
像を表す複数の凝固インキのドットをそれぞれ形成し、
前記凝固インキのドットをそれぞれの転写位置で重ね合
わせて転写することにより前記被印刷体に多色画像を印
刷する請求項1に記載の電気凝固印刷方法。 - 【請求項4】 次の各工程を含むことを特徴とする電気
凝固印刷方法: (a)不動態表面を有し、所定経路に沿って実質的に一
定の速度で移動する陽極を準備する工程、(b)ケイ素
酸化物および油性物質を含む被覆剤を塗布することによ
り前記陽極の表面に前記被覆剤のミクロ液滴を形成する
工程、(c)電解的に凝固可能なポリマー、液状媒体、
可溶性電解質および着色剤を含む電気凝固印刷インキの
電気凝固により、前記ミクロ液滴が形成された陽極表面
に、所望の画像を表す複数の凝固インキのドットを形成
する工程、(d−2)前記凝固インキのドットをリリー
ス可能に保持するために設けられた凝固ドット保持面を
一方の面に備えると共に実質的に前記陽極と同じ速度で
移動する非伸張性のエンドレスベルトを、前記陽極表面
と接触させて前記陽極表面から前記凝固ドット保持面に
前記凝固インキのドットを転写し、これにより前記凝固
ドット保持面に画像を形成する工程、(e)前記所定経
路に沿った所定の位置に配置されると共に、所望の色の
前記電気凝固印刷インキをそれぞれ使用して前記工程
(b)、(c)および(d−2)を行う複数の第3印刷
ステージを画定し、前記各第3印刷ステージにおいて前
記所望の色の所望の画像を表す複数の凝固インキのドッ
トをそれぞれ形成し、前記凝固インキのドットをそれぞ
れの転写位置で重ね合わせて転写することにより前記凝
固ドット保持面に多色画像を形成する工程、および
(f)前記凝固ドット保持面に被印刷体を接触させて前
記凝固ドット保持面から前記被印刷体に前記多色画像を
転写し、これにより前記被印刷体に前記多色画像を印刷
する工程。 - 【請求項5】 酸化物セラミックス材料からなるコーテ
ィングを周囲に有し前記陽極に対して平行に延びた分配
ローラを用い、その前記コーティング表面に前記被覆剤
を塗布して前記コーティング表面を均一に覆う被覆剤皮
膜を形成すると共に前記被覆剤皮膜の分離により生じた
実質的に均一な大きさおよび分布を有するミクロ液滴を
形成し、前記ミクロ液滴を前記コーティング表面から前
記陽極表面に移行させることにより前記工程(b)を行
う請求項1〜4のいずれか一に記載の電気凝固印刷方
法。 - 【請求項6】 前記被覆剤に含まれる前記ケイ素酸化物
が二酸化ケイ素であり、かつ、前記二酸化ケイ素の含有
量が前記被覆剤の総重量に対して2〜40重量%である
請求項1〜5のいずれか一に記載の電気凝固印刷方法。 - 【請求項7】 電気凝固印刷インキの電気凝固により生
じた凝固インキのドットを陽極表面に形成する前にあら
かじめ前記陽極表面を被覆するために用いられる被覆剤
であって、ケイ素酸化物および油性物質を含むことを特
徴とする被覆剤。 - 【請求項8】 前記ケイ素酸化物が二酸化ケイ素である
請求項7に記載の被覆剤。 - 【請求項9】 前記二酸化ケイ素の含有量が前記被覆剤
の総重量に対して2〜40重量%である請求項8に記載
の被覆剤。 - 【請求項10】 前記二酸化ケイ素が100〜600m
2/gのBET比表面積を有する請求項8または9に記
載の被覆剤。 - 【請求項11】 前記油性物質がオレフィン性化合物で
あって、アラキドン酸、リノール酸、リノレン酸、オレ
イン酸およびパルミトレイン酸から成る群より選ばれる
不飽和脂肪酸である請求項7〜10のいずれか一に記載
の被覆剤。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
CA 2214606 CA2214606C (en) | 1997-08-29 | 1997-08-29 | Method of preventing anode abrasion during electrocoagulation printing |
CA2,214,606 | 1997-08-29 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11138984A true JPH11138984A (ja) | 1999-05-25 |
Family
ID=4161397
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24360798A Pending JPH11138984A (ja) | 1997-08-29 | 1998-08-28 | 電気凝固印刷方法および被覆剤 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
EP (1) | EP0899093B1 (ja) |
JP (1) | JPH11138984A (ja) |
CA (1) | CA2214606C (ja) |
DE (1) | DE69804175T2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001036548A1 (fr) * | 1998-05-18 | 2001-05-25 | Toyo Ink Mfg. Co., Ltd. | Encre d'imprimerie electrocoagulante et son utilisation |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1036653A3 (en) * | 1999-03-18 | 2001-03-07 | Toyo Ink Manufacturing Co., Ltd. | Electrocoagulation printing ink and its use |
US6859542B2 (en) | 2001-05-31 | 2005-02-22 | Sonion Lyngby A/S | Method of providing a hydrophobic layer and a condenser microphone having such a layer |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5538601A (en) * | 1995-09-14 | 1996-07-23 | Elcorsy Inc. | Electrocoagulation printing and apparatus |
-
1997
- 1997-08-29 CA CA 2214606 patent/CA2214606C/en not_active Expired - Fee Related
-
1998
- 1998-08-27 EP EP98116206A patent/EP0899093B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1998-08-27 DE DE69804175T patent/DE69804175T2/de not_active Expired - Fee Related
- 1998-08-28 JP JP24360798A patent/JPH11138984A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001036548A1 (fr) * | 1998-05-18 | 2001-05-25 | Toyo Ink Mfg. Co., Ltd. | Encre d'imprimerie electrocoagulante et son utilisation |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CA2214606C (en) | 2002-11-19 |
EP0899093A2 (en) | 1999-03-03 |
DE69804175T2 (de) | 2002-09-26 |
EP0899093B1 (en) | 2002-03-13 |
CA2214606A1 (en) | 1999-02-28 |
EP0899093A3 (en) | 1999-04-28 |
DE69804175D1 (de) | 2002-04-18 |
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